
SPIの「年齢算」は非言語分野で出題されます。「父の年齢が子の3倍になるのは何年後か」といった年齢の変化に焦点を当てた問題です。
この記事では、Webテストの講師経験もあるキャリアコンサルタントの瀧本さんとともに、SPIの「年齢算」の解き方について解説していきます。コツさえつかめば点数を獲得しやすい単元なので、この記事を参考に具体的な対策方法を学んでいきましょう。
記事の後半では「年齢算」の練習問題を15問紹介しています。些細なミスで点数を落とすと非常にもったいないので、演習を繰り返すことでコツを確実につかんでください。
よりSPIの本番をイメージして対策したい人は、SPI対策模試にも挑戦してみてください。
SPI「年齢算」の概要
- 問題パターン:2人の年齢比較、複数人の年齢比較
- 1問あたりの時間:45秒~1分
- 形式ごとの出題頻度:テストセンター(高)ペーパーテスト(高)Webテスティング(低)
- 年齢算の解き方をわかりやすく教えてください!
年齢差が何年経っても一定という点を押さえて解答しよう!
①基本の解き方
SPI非言語の「年齢算」は、中学生レベルの四則演算で十分対応可能です。
出題頻度はそこそこ高く、頻出分野として対策の優先順位が高い取りやすい単元です。基本の解き方は、年齢差が何年経っても一定という点を押さえ、「今・◯年前・◯年後」の基準を先に決めます。文字式を使うなら、現在の年齢や差をxと置くと整理しやすいです。
②応用編
応用では「◯年後に何倍」「◯年前は同じ差」などの条件を差や比に置き換えます。型を理解すれば短時間で正解でき、得点源になります。
SPI「年齢算」の練習問題15問|瀧本さんによる解説付き
今回は「年齢算」の対策として、解説付きの演習問題を厳選して15問用意しました。2人の年齢を比較するオーソドックスな問題形式と、複数人が登場する応用問題をそれぞれ紹介しているので、自分の腕試しにぜひ活用してください。
これから初めて「年齢算」に触れるという人は、スムーズに学習を進めるためにも、「問題を解く前に確認! 年齢算の解答のコツ」をチェックしてから演習に入りましょう。
問題1(難易度:★☆☆☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
現在、母は32歳、娘は4歳である。母の年齢が、娘の年齢の5倍になるのは何年後か。
選択肢
正解:B
x年後に条件を満たすとして方程式を立てる。x年後の母の年齢は32+x、娘の年齢は4+xとなる。「母=娘×5」となるため、以下の式になる。
32+x=5(4+x)
これを解くと、32+x=20+5xとなり、4x=12、すなわちx=3となる。よって、3年後である。
この年齢算の問題では、現在の二人の年齢差に注目することが攻略の最大の近道です。どれだけ年月が経過しても、母と娘の「年齢の差」は常に一定であるという不変のルールをまずは頭に叩き込んでおきましょう。
今回のケースでは、母と娘の差は常に28歳です。そして「母が娘の5倍になる」瞬間、二人の年齢関係を比率で考えると、母が「5」、娘が「1」となり、その比の差である「4」が、実際の年齢差である28歳に相当することに気づけるはずです。
この「比の差」が何歳分にあたるかを計算すれば、その時の娘の年齢がパッと導き出せます。
問題2(難易度:★☆☆☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
ある会社の部長は現在52歳、新入社員は22歳である。部長の年齢が、新入社員の年齢の2倍になるのは何年後か。
選択肢
正解:B
x年後に条件を満たすとする。
x年後の部長の年齢は52+x、新入社員は22+xである。
条件式は52+x=2(22+x)となる。
展開すると52+x=44+2x。
移項して整理するとx=8。
よって、8年後である。
(年齢差30歳に着目し、差が変わらないことから新入社員が30歳になる時と考えても解ける。)
この年齢算の問題では、時間の経過とともに二人の年齢が等しく増えていく一方で、「二人の年齢の差」だけは将来にわたって絶対に変わらないという点に注目するのが得策です。
具体的には、現在の部長と新入社員の年齢から、まず二人が何歳離れているかを計算してみてください。次に、問題が求めている「部長が新入社員の2倍」という状態を想像しましょう。
部長が新入社員の2倍の年齢になる時、二人の年齢の差は、ちょうどその時の「新入社員の年齢そのもの」と一致することに気づくはずです。
方程式を立てて「x」を求めるのも一つの手ですが、このように「変わらない差」を基準にして考えれば、暗算に近いスピードで答えを導き出すことも難しくありません。
問題3(難易度:★★☆☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
現在、叔母は44歳、姪は12歳である。叔母の年齢が、姪の年齢の3倍になるのは何年後か。
選択肢
正解:C
x年後に3倍になると仮定する。
式は44+x=3(12+x)となる。
展開すると44+x=36+3x。
整理して2x=8、すなわちx=4。
よって、4年後である。
単純な計算ミスや、現在の倍率44÷12≒3.6倍に惑わされないよう注意が必要である。
この年齢算の問題では、まず「叔母と姪の年齢の差」が何歳あるかを正確に把握することから始めてみましょう。
具体的には、今の叔母さんと姪っ子の年齢を引き算してみてください。その「差」は、将来「叔母が姪の3倍」になった瞬間でも同じままです。このとき、姪の年齢を「1」とすると、叔母の年齢は「3」と表せます。
つまり、二人の年齢の差は「3-1=2」という比率に相当することになります。この「比の2」が、先ほど計算した実際の年齢差と等しくなる瞬間を見つけるのがポイントです。
方程式に頼りすぎると計算ミスを招きやすいですが、こうした「差の不変性」と「比率」の考え方を組み合わせることで、より直感的かつスピーディーに答えを導き出すコツがつかめるようになります。
問題4(難易度:★★☆☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
現在、ピアノ教室の先生は58歳、生徒は13歳である。先生の年齢が、生徒の年齢の4倍になるのは何年後か。
選択肢
正解:B
x年後に4倍になるとする。
方程式は58+x=4(13+x)である。
展開すると58+x=52+4x。
移項して3x=6、ゆえにx=2。
よって、2年後である。
暗算で「1年後は59歳と14歳(倍数ではない)」「2年後は60歳と15歳(ちょうど4倍)」と検算することも有効である。
この年齢算の問題では、まず「先生と生徒の年齢差」をサッと計算してしまうのが、合格レベルの解法への第一歩です。
何年経っても二人の年齢が縮まったり開いたりすることはないため、この「45歳差」という数字が、問題を解くための揺るぎない基準点になります。次に、未来の「4倍」という関係をイメージしてみましょう。
先生が「4」、生徒が「1」の比率になる時、その差である「3」という比が、先ほどの「45歳」という実際の差にピタリと当てはまります。つまり、45を3で割って導き出される数字が、その瞬間の生徒さんの年齢を示しているわけです。
方程式を組んで58+x=4(13+x)と計算するのも堅実ですが、こうした「比の差」に注目する視点を持つと、SPI特有のひねった問題にも柔軟に対応できるようになります。
問題5(難易度:★★☆☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
現在、父は50歳、息子は26歳である。父の年齢が、息子の年齢の3倍だったのは何年前か。
選択肢
正解:C
過去に遡るため、x年前として式を立てる。
x年前の父は50-x、息子は26-xである。
式は50-x=3(26-x)となる。
展開すると50-x=78-3x。
移項して2x=28、すなわちx=14。
よって、14年前である。
「何年後」と混同して足し算で式を立てないよう注意が必要である。
この年齢算の問題では、未来の話ではなく「過去」に遡るという点に、まずは意識を向けることが大切です。
方程式を立てる際には、現在の年齢から経過した年数を「引く」必要があるため、プラスとマイナスの符号ミスをしないように細心の注意を払いましょう。また、年齢算の必勝法である「二人の年齢差は不変」というルールは、過去に遡る場合でもそのまま適用できます。
現在、お父さんと息子さんが何歳離れているかを確認してみてください。その「差」は、お父さんが息子の3倍だったあの頃も、全く同じ数字だったはずです。このとき、当時の息子さんの年齢を「1」と置くと、お父さんは「3」になり、その差である「2」という比率が実際の年齢差に相当します。
ここから当時の息子さんの年齢を逆算し、現在の26歳からどれだけ若かったかを考えれば、自ずと答えは見えてくるでしょう。
問題6(難易度:★★☆☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
ある部署には、管理職2名と若手社員2名の計4名が所属している。現在、4人の年齢の和は100歳である。5年後、管理職2名の年齢の和は、若手社員2名の年齢の和の2倍になる。現在の若手社員2名の年齢の和は何歳か。
選択肢
正解:C
現在の若手社員2名の年齢の和をx歳とする。
4人の和が100歳なので、現在の管理職2名の和は(100-x)歳となる。
5年後、若手側は2名で計10歳増え(x+10)歳、管理職側も2名で計10歳増え(100-x+10)=(110-x)歳となる。
条件より110-x=2(x+10)が成り立つ。
110-x=2x+20
3x=90
x=30
よって、現在の若手社員2名の和は30歳である。
この年齢算の問題では、登場人物が「4人」という複数名になっている点に、最大の落とし穴が隠されています。単独の年齢算とは異なり、5年が経過したとき、1人だけが5歳年をとるのではなく、4人全員がそれぞれ5歳ずつ年を重ねるという事実を丁寧に見極めることが、正解への第一歩となります。
まずは「5年後の4人の合計年齢」を想像してみてください。4人それぞれが5歳ずつ増えるため、グループ全体の年齢の和は、現在よりも合計20歳増えることになります。この「5年後の総和」を基準にして、管理職2名と若手2名の年齢バランスを考えていきましょう。問題文にある「管理職の和が若手の和の2倍になる」という条件を、比率でとらえるのがスマートな解き方です。
若手の合計を「1」とすると、管理職の合計は「2」になり、二つのグループを合わせた全体は「3」の比率に相当します。この比の「3」が、先ほど算出した5年後の総和と一致する瞬間を見つければ、5年後の若手グループの年齢がスムーズに割り出せます。
方程式でxを置いて解く際も、常に「2人分の増加(10歳)」を考慮できているか、自分自身に問いかけながら進めてみてください。
複雑に見える複数人の問題も、このようにグループごとの「和」と「比」で整理すれば、驚くほどスッキリと頭が整理されるのを実感できるはずです。
問題7(難易度:★★☆☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
祖父母2人と孫3人の計5人がいる。現在、5人の年齢の和は166歳である。4年後、祖父母2人の年齢の和は、孫3人の年齢の和の2倍になる。現在の孫3人の年齢の和は何歳か。
選択肢
正解:C
現在の孫3人の和をxとする。祖父母2人の和は(166-x)である。
4年後、孫側は3人分で4×3=12歳増え、祖父母側は2人分で4×2=8歳増える。
4年後の孫の和:x+12
4年後の祖父母の和:(166-x)+8=174-x
方程式は174-x=2(x+12)となる。
174-x=2x+24
3x=150
x=50
人数の違いによる増加分の計算ミスに注意が必要である。
この年齢算の問題では、登場人物が「祖父母2人」と「孫3人」というように、グループごとに人数が異なっている点に最大の注意を払う必要があります。単に「4年後だから全員4歳たす」と考えるのではなく、それぞれのグループで合計何歳増えるのかを個別に計算することが、ケアレスミスを防ぐ絶対条件です。
具体的には、祖父母は2人なので合計で「4年×2人=8歳」、孫は3人なので「4年×3人=12歳」増えることになりますよね。この増加分を現在の合計年齢である166歳に加えると、4年後の5人全員の総和が何歳になるかが見えてきます。
この「未来の総和」さえ分かれば、あとは「2倍」という比率の関係を使って、パズルのように解き進めることができるでしょう。方程式を立てる際も、孫の和をxとしたときに、4年後はx+12になるという「人数分の上乗せ」を忘れないようにしてください。
SPIの非言語分野では、こうした人数の違いによる「増え方の差」を問う問題が頻出ですので、図を描いて視覚的に整理する習慣をつけておくと、本番でも迷わずに正解にたどり着けるようになります。
問題8(難易度:★★☆☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
大学のサークルに、先輩3人と後輩3人の計6人がいる。現在、6人の年齢の和は93歳である。2年後、先輩3人の年齢の和は、後輩3人の年齢の和の1.5倍になる。現在の後輩3人の年齢の和は何歳か。
選択肢
正解:D
現在の後輩3人の和をxとすると、先輩3人の和は(93-x)である。
2年後、それぞれのグループは2×3=6歳ずつ増加する。
条件式は(93-x)+6=1.5(x+6)となる。
99-x=1.5x+9
2.5x=90
x=36
よって、36歳である。
倍率が小数の場合も計算手順は同様である。
上記の問題では、まず、2年という歳月が流れたとき、サークル全体で合計何歳増えるのかを正しく把握することからスタートしましょう。先輩3人も後輩3人も、それぞれが2歳ずつ年をとるため、各グループの合計は「2歳×3人=6歳」ずつ増加します。この「2年後の各グループの合計」の関係性が「1.5倍」になるわけです。
ここで、2年後の後輩の合計を「1」という比率で考えると、先輩の合計は「1.5」となり、合わせると「2.5」という比率になります。この「2.5」が、2年後の6人全員の総和(93歳+全員の増加分)に相当するという仕組みに気づけるかどうかが勝負の分かれ目です。方程式で解く際も、小数の1.5を分数(3/2)に置き換えて計算すると、計算ミスを防ぎやすくなります。
SPIでは、こうした端数の処理と「人数分の加算」をセットで問う問題が多いため、図を描いて情報の整理を徹底する習慣をつけましょう。
問題9(難易度:★★★☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
現在、ある老舗旅館の主人は65歳、若旦那は33歳である。主人の年齢が、若旦那の年齢の5倍だったのは何年前か。
選択肢
正解:C
x年前に5倍だったとする。
式は65-x=5(33-x)である。
展開すると65-x=165-5x。
移項して4x=100、ゆえにx=25。
よって、25年前である。
数値が大きくなり、過去へ遡る期間も長いため計算ミスが起きやすい。確実に方程式を解く力が求められる。
この年齢算の問題では、現在の二人の年齢から導き出される「32歳という年齢差」が、過去に遡っても決して変わらないという事実に着目するのが最大のポイントです。
比率で考えると、主人が「5」、若旦那が「1」となり、その差である「4」という比が、実際の年齢差である32歳にピタリと当てはまります。つまり、32を4で割ることで、当時の若旦那の年齢が「8歳」であったことが瞬時に割り出せるのです。
方程式を立てて65−x=5(33−x)と計算して「x」を求めるのも確実な方法ですが、こうした比の感覚を磨いておけば、数字が大きくなっても計算ミスを劇的に減らすことができます。
問題10(難易度:★★★☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
現在は2024年である。現在、祖父は70歳、孫は8歳である。祖父の年齢が、孫の年齢の3倍になるのは西暦何年か。
選択肢
正解:B
まず、何年後に3倍になるかを求める。x年後とする。
式は70+x=3(8+x)となる。
展開すると70+x=24+3x。
整理して2x=46、すなわちx=23。
23年後に条件を満たすため、現在の西暦に加算する。
2024+23=2047。
よって、2047年である。
xの値を求めて満足せず、西暦に換算する手順を忘れてはならない。
この年齢算の問題では、答えとして求められているのが「何年後か」という期間ではなく、「西暦何年か」という具体的な年である点に最大の注意を払う必要があります。
解き方のコツとしては、まず「二人の年齢差」が何歳あるかを正確に出すことからスタートしましょう。何年経っても変わらないこの「差」を、目標とする「3倍」という比率に当てはめて考えます。おじいちゃんが「3」、お孫さんが「1」の比率になる時、その差である「2」という比が、先ほど計算した実際の年齢差に相当するわけです。
この関係から「その時のお孫さんが何歳か」を導き出し、現在の年齢との差を計算すれば、今から何年後の出来事かが判明します。あとはその年数を2024年に加算するだけです。
SPIは制限時間が厳しいため、xを使った方程式で解くのも良いですが、こうした比の性質を使いこなせれば、より確実に得点源にできるでしょう。
問題11(難易度:★★★☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
両親2人と子供3人の5人家族がいる。現在、5人の年齢の和は139歳である。3年前、両親2人の年齢の和は、子供3人の年齢の和の3倍であった。現在の子供3人の年齢の和は何歳か。
選択肢
正解:D
現在の子供3人の和をxとする。現在の両親2人の和は(139-x)である。
3年前なので年齢を引く。
子供側(3人):x-(3×3)=x-9
両親側(2人):(139-x)-(3×2)=139-x-6=133-x
方程式は133-x=3(x-9)となる。
133-x=3x-27
4x=160
x=40
よって、40歳である。
過去に遡る場合、引き算の計算ミスに注意する。
この年齢算の問題では、「3年前」という過去の時点における人数分の年齢変化を、いかに正確にシミュレーションできるかが攻略の鍵を握ります。単純に合計から「3」を引くのではなく、両親は2人分、子供は3人分というように、それぞれのグループで減る年齢の合計が異なる点を見落とさないようにしましょう。
まずは、3年前の家族5人全員の合計年齢が何歳だったのかを算出してみてください。現在が139歳であれば、そこから両親2人の計6歳(3年×2人)と、子供3人の計9歳(3年×3人)を差し引いた数字が、当時の総和となります。この「過去の総和」が分かれば、あとは「3倍」という比の関係を当てはめるだけです。
具体的には、3年前の子供たちの合計を「1」とすると、両親の合計は「3」になり、家族全員では「4」の比率になりますよね。この「4」という比が、先ほど計算した過去の総和と等しくなることを利用して、当時の子供たちの合計年齢を導き出してください。
最後に「現在」の年齢を問われているので、算出した3年前の数値に子供3人分の増加分を足し戻すことを忘れないようにするのが、ケアレスミスを防ぐコツとなります。
問題12(難易度:★★★☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
ある企業のプロジェクトチームには、マネージャー4人とスタッフ6人の計10人が所属している。現在、10人の年齢の和は300歳である。6年後、マネージャー4人の年齢の和と、スタッフ6人の年齢の和が等しくなる。現在のスタッフ6人の年齢の和は何歳か。
選択肢
正解:D
現在のスタッフ6人の和をxとする。マネージャー4人の和は(300-x)である。
6年後、スタッフ側は6×6=36歳増え、マネージャー側は6×4=24歳増える。
等しくなるので、(300-x)+24=x+36という式になる。
324-x=x+36
2x=288
x=144
よって、144歳である。
人数が多い場合、増加分の計算(経過年数×人数)を間違えないように整理する。
この年齢算の問題では、合計10人という人数の多さと、「6年後」という時間の経過が各グループにどう影響するかを正確に整理することが、ミスを防ぐ最大のポイントになります。単に全体に6歳を足すのではなく、マネージャー4人とスタッフ6人という異なる人数のグループごとに、合計で何歳ずつ増えるのかを個別に書き出す習慣を付けましょう。
具体的には、マネージャー陣は4人いるので「6年×4人=24歳」、スタッフ陣は6人いるので「6年×6人=36歳」が、現在のそれぞれの合計年齢に加算されることになります。問題文にある「6年後に和が等しくなる」という状態は、この加算後の数値が一致するという意味です。
方程式を立てて解く場合は、スタッフの現在の合計をxと置き、マネージャーの現在を300-xと表現したうえで、それぞれの増加分を足してイコールで結んでみてください。
SPIの非言語分野は、一見複雑な設定でも、このように「誰が何人いて、合計で何歳動くのか」を整理するだけで、驚くほどスムーズに計算の糸口が見えてきます。
問題13(難易度:★★★☆☆)
問題
次の問いに答えなさい。
現在、先生1人と生徒6人がいる。7人の年齢の和は80歳である。10年後、先生の年齢と、生徒6人の年齢の和の比は1:2になる。現在の先生の年齢は何歳か。
選択肢
正解:E
現在の先生の年齢をxとする。現在の生徒6人の和は(80-x)である。
10年後、先生は(x+10)歳になる。
生徒6人の和は、(80-x)+(10×6)=140-x歳になる。
比が1:2なので、内項の積と外項の積より2(x+10)=1(140-x)となる。
2x+20=140-x
3x=120
x=40
よって、40歳である。
1人の年齢と複数人の和を比較するパターンである。
この年齢算の問題では、先生一人と「生徒6人」という人数のバランスが大きく崩れている点に注目することが、正解を導き出すためのカギとなります。10年という月日が流れたとき、先生は当然10歳年を取るだけですが、生徒たちは6人全員が10歳ずつ年を重ねるため、グループ全体では合計60歳も年齢の和が増えるという事実を正確に把握しなければなりません。
まずは、10年後の「7人全員の年齢の総和」がいくつになるかを計算してみましょう。現在が80歳で、そこから先生の10歳分と生徒6人分の60歳分を加算すると、未来の合計年齢が見えてきます。この総和を、問題文にある「1:2」という比率で分けることができれば、10年後の先生の年齢がスムーズに割り出せるはずです。
方程式で解く場合も、現在の先生をx、生徒の和を80-xと置き、それぞれに「10」と「60」を足してから比の計算に持ち込むのがセオリーです。
問題14(難易度:★★★★☆)
問題
次の問いに答えなさい。
スポーツチームのレギュラー5人と控え選手4人の計9人がいる。現在、9人の年齢の和は190歳である。2年後、レギュラー5人の年齢の和は、控え選手4人の年齢の和より10歳多くなる。現在の控え選手4人の年齢の和は何歳か。
選択肢
正解:D
現在の控え4人の和をxとする。レギュラー5人の和は(190-x)である。
2年後の控え4人の和:x+(2×4)=x+8
2年後のレギュラー5人の和:(190-x)+(2×5)=200-x
「レギュラーの方が10歳多い」ので、低い方(控え)に10を足して等式を作る。
(200-x)=(x+8)+10
200-x=x+18
2x=182
x=91
よって、91歳である。
「倍数」ではなく「差」で示される場合の方程式の立て方に慣れておく必要がある。
この年齢算の問題では、比率(倍数)ではなく「具体的な年齢の差」が条件になっている点に注目しましょう。まず、2年という時間が経過したとき、レギュラー5人と控え4人のそれぞれのグループで、合計年齢が何歳ずつ増えるのかを個別に計算することが、正確な立式への第一歩となります。
具体的には、2年後にはレギュラー陣が計10歳、控え陣が計8歳、現在の和に上乗せされますよね。この「2年後の合計」どうしを比べたときに、レギュラー側が10歳多くなるという関係を式に表していきます。
方程式を立てる際は、現在の控え4人の和をxと置き、レギュラー5人の和を190-xと表現して、それぞれの増加分を加えた後に「+10」をどちら側に付ければ天秤が釣り合うかを冷静に判断してください。
SPIの年齢算で「和」や「差」が絡む問題は、このように人数の違いによる増加量のズレをしっかり図解して整理すると、うっかりミスを防ぐことができます。
問題15(難易度:★★★★★)
問題
次の問いに答えなさい。
伝統工芸の工房に、師範3人と弟子12人の計15人がいる。現在、15人の年齢の和は300歳である。5年前、師範3人の年齢の和は、弟子12人の年齢の和の4倍であった。現在の弟子12人の年齢の和は何歳か。
選択肢
正解:C
現在の弟子12人の和をxとする。師範3人の和は(300-x)である。
5年前を考える。
弟子側(12人):x-(5×12)=x-60
師範側(3人):(300-x)-(5×3)=300-x-15=285-x
条件より285-x=4(x-60)となる。
285-x=4x-240
5x=525
x=105
よって、105歳である。
人数が多くなると減少分の計算(特に5×12など)でミスが出やすい。また、数値が大きくなるため慎重な計算が求められる。
この年齢算の問題では、「5年前」という過去の時点において、15人という大人数の年齢が合計で何歳マイナスされるのかを正確に見極めることが合格への最短ルートです。
単に「5歳引く」のではなく、師範3人と弟子12人、それぞれのグループで合計何歳分が差し引かれるのかを個別に計算する意識を強く持ちましょう。具体的には、師範側は5×3=15歳、弟子側は5×12=60歳、現在の合計から減っているはずです。
この「5年前の各グループの合計」のバランスが「4倍」という関係にあったわけですよね。方程式を立てるなら、現在の弟子の和をxと置き、5年前の弟子の姿(x-60)と、5年前の師範の姿(300-x-15)を導き出し、それらを比率で結んでみてください。
SPIは大人数が登場するとパニックになりがちですが、このようにグループごとの「塊」でとらえれば、数値が大きくても計算の筋道は驚くほど明快になります。
練習問題が解けたら、次はSPI模試に挑戦して実力をチェックしてみましょう。
SPI 年齢算を対策する際のポイント
SPIの非言語に関する記事
◇非言語の対策
SPI非言語は対策すれば怖くない! 出題傾向や例題を徹底解説
SPIに関する記事
◇解答時間
SPIの解答時間を受検方式別に解説! 時間切れを防ぐコツ10選も
◇勉強法
効率抜群なSPIの勉強法|出題形式と頻出問題を踏まえた対策を伝授
◇勉強時間
SPIの勉強時間をプロが解説! おすすめの進め方や重点ポイントも
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi





アドバイザーからワンポイントアドバイス
瀧本博史
プロフィールを見る年齢算は要素ごとに存在する解き方の型に注目
SPI非言語の年齢算は、基本の考え方さえ押さえれば安定して得点しやすい分野です。年齢の差が常に一定であることに注目しながら、落ち着いて条件を整理していくことがポイントになります。
練習をするときは、年齢差・年齢の比・過去や未来の条件といった要素ごとに型を意識して解いていくと、文章を読んだ瞬間に「どの型の問題か」が見分けやすくなります。登場人物を横に並べ、縦方向に「今から何年後(何年前)」と年数の移動を書き込む図を用いると、条件の整理がしやすく、式も立てやすくなります。
頻出の2パターンを中心に対策しよう
学習時間の目安としては、1日20〜30分程度の演習を数日続けるだけでも、頻出パターンの感覚はつかみやすいです。ただし、理解度には個人差があるため、つまずくことが多い場合は同じ型の問題を繰り返し解いて徐々に慣れていく意識が大切です。
重点的に取り組みたいのは、「何年後(何年前)に年齢が何倍になるか」といった比の問題や、「ある時点で年齢差がどうなっているか」を手がかりにする問題です。これらは本番でも出題頻度が高く、解説サイトや参考書でも典型題として多く扱われています。
いきなり式を書かずに図や表で整理しよう
解くときのコツとしては、毎回「年齢差は変わらない」という視点を意識し、いきなり式を書こうとせず、まず図や表で情報を整理することが挙げられます。また、文字を置くときは必ずしもすべての人物の年齢をxにする必要はなく、年齢差や現在の年齢など動きの少ない量をxとおくと考えやすくなる場合が多いです。
一方で、「文章を読みながらその場で計算を始めてしまう」「登場人物全員の年齢をそれぞれ文字で置いてしまう」「過去と未来の条件を混同してしまう」といったミスもよく見られます。
年齢算は、計算よりも前に状況を整理する姿勢が何より重要ですので、「読む→図にする→式にする」という流れを意識すると、正答率を大きく高めやすくなります。