この記事のまとめ
- SPIは試験方式によって一問当たりの制限時間の有無や所要時間が変わる
- SPIは制限時間を意識した対策をしておくことが大切
- 分野ごとに時間配分のコツがある
- SPIパーフェクト問題集
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この記事を読んでいる人におすすめ
多くの就活生が経験するSPI。書店には関連書籍が立ち並び、選考が本格化する前に対策しておくことは必須であると考えられています。
SPIは「制限時間内に解くことができなかった」「方式によって試験時間が違って戸惑った」といった試験内容そのものではない部分についても多く悩みを寄せられます。
人によっては攻略が難しいと感じてしまいがちなSPIですが、特徴を理解して対策をおこなえば、高得点を狙うことは可能です。
この記事では、キャリアアドバイザーの田邉さん、鈴木さん、瀧本さんのアドバイスを交えつつ解説します。これからSPIを控えている人や、SPIでなかなか良い結果を出せない人はぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
SPIは制限時間を意識した対策が選考突破のカギを握る
SPIは、出題される内容を把握して正確に回答することが大切ですが、それと同様にいかに時間切れにならないようにスピーディに回答できるかも、選考通過のためには重要になります。
この記事では、SPIの試験内容や方式ごとの特徴からはじめ、時間切れとなる原因や、素早く回答し高得点を狙うための対策について詳しく解説していきます。その後、分野ごとの時間配分のコツや必要な勉強時間など、SPI攻略に必要な準備を確認していきます。
解説する5つの対策のコツと分野ごとの時間配分を意識することで、SPIの時間切れを防ぎやすくなります。
さらに、企業が指定する筆記試験の所要時間からどの形式のSPIが実施されるのかという見分け方や、時間配分以外の受検時の注意点も紹介するので、より安心して試験に臨みたいと考えている人は参考にしてみてくださいね。
SPI以外の適性試験を受ける場合は、こちらの記事で特徴や対策を詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
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企業がSPIを実施する目的
企業がSPIを実施する目的
- 応募者の能力を客観的な基準で判断する
- 人柄や人物像を把握し会社や部署の適性を見極める
SPIを運営するリクルートのホームページ(HP)によると、年間14,400社もの企業が採用選考に導入しています。なぜこんなにも多くの企業がSPIを導入しているのでしょうか。
SPIについて知るために、まずは企業がSPIを実施する目的や狙いを確認しておきましょう。
企業側の意図を確認しておくことで、SPIの重要性が確認できるだけではなく、SPIを通して求められていることが把握でき、選考通過に必要な対策をおこなうことができます。
応募者の能力を客観的な基準で判断する
企業は、応募者の能力や特徴を、SPIというテストの客観的な基準を通して評価・判断するために採用選考のフローに盛り込んでいます。
特に有名企業や人気企業には多数の応募が集まり、すべての応募者の書類に目を通し、面接を開催するのは時間的にも労力的にも難しいです。
そこで、基準を設定して選考の合否を判断し、次の選考に進む応募者の人数を減らしたり、SPIの検査結果を応募者の基礎的な能力や性格特徴の判断材料として、その後の選考を進めやすくするというのが企業の狙いです。
SPIの結果は企業へ送付され、そのデータの一覧を見て就活生の能力を判断しています。能力検査の結果は得点と段階が数値化されていて、企業が求めるレベルに達しているか判断されるケースが多いです。
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人柄や人物像を把握し会社や部署の適性を見極める
SPIを実施することで、企業は提出書類や面接では確認できない人柄や人物像といった内面の適性を確認しようとしています。
書類や面接では具体的なエピソードをもとに行動・思考の特徴が示されますが、入社してからの再現性を計るためには「資質」そのものを見る必要があります。その異なる環境においても共通して見られる特徴を把握する目的でSPIが用いられているのです。
これによって、多面的に人柄や人物像を把握できるため、社風に合っているかや配属の選定などの参考にする企業もあります。
SPI試験に関しては、チャートやグラフで就活生の個人的な適性や性格についてまとめられています。その結果から、自社の社風に合うか、どのような仕事が適職なのかを判断しているのです。
そもそもSPIとは? 2種類の試験内容
種類 | 試験内容 | 評価内容 |
---|---|---|
性格検査 | 普段の行動や考え方などについての質問 | 性格の傾向 行動の特性 |
能力検査 | 言語分野 非言語分野 (英語) (構造的把握力) | 業務に必要な基礎学力 思考力・対応力 |
そもそもSPIとはどのような試験なのかわからないという人もいるでしょう。対策をするためには、まず試験の特徴を知っておく必要がありますね。
ここからは、2つに分かれる試験内容のそれぞれの特徴や問題の中身について解説していきます。試験内容を頭に入れてから、具体的な試験の方法や制限時間について確認できるように見ていきましょう。
SPIの基本情報やほかの適性検査との違いはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて確認してみてください。
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①性格検査
SPIの性格検査は、普段の行動や考え方などについての質問に対する回答で、「行動」「意欲」「情緒」「ライスケール」の4分野の性向をテストするものです。
性格検査で見られる性向
- 行動:行動原理やその背景となる考え方を見るもの
- 意欲:目標を達成するために積極的に取り組む姿勢や行動をしようという意思を見るもの
- 情緒:ストレスや失敗の受け止め方など、自分の感情のコントロールの仕方を見るもの
- ライスケール:回答の虚偽を見極めるもので、該当した数で虚偽の強度を決めていくもの
問題数は300問あり、すべて選択肢から回答を1つ選ぶ方式です。この回答から受検者の人柄や、特徴の強弱の度合いを測定します。
個人の性格に沿った回答を求めることから、すべてに明確な正解があるわけではありません。
しかし、一貫性がない・矛盾していると判断されるような回答をすると、性格や人柄が十分に把握できないだけでなく、虚偽の回答をしているとみなされて、評価されない可能性もあります。
性格適性検査の対策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。不安な人は併せて読んでみてください。
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アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る性格検査を通して人との接し方や仕事の取り組み方などを見られる
SPIの性格検査は、自社の業務に適性があるのか、周囲と協調して仕事ができるのかといった性格的な特性も含めて人材を総合的・網羅的に評価することで、入社後のパフォーマンスを想定しようとする検査です。
面接では表れない、受検者の内面を把握することに役立てる検査として、その人がどんな人なのか、どのような仕事や組織に向いていそうかなどを多面的に把握する手助けにします。
SPIの性格検査をおこなうことで、人との接し方や仕事への取り組み方、目標の持ち方などと関係が深い、さまざまな性格特徴が測定されます。
公安系の職業であればYG性格検査で応募者の内面を見ることが多い
他の検査では、公安系の職業でもよく使われる「YG性格検査」があります。YG性格検査は、分類した5系統・全15型(5系統×3類)のいずれに該当するかを判定することで、被検査者の性格傾向をつかみ、面接や人材配置に役立てたり、精神的な自覚症状を問うことをします。
②能力検査
能力検査
- 言語分野:
二語関係・ 熟語の成り立ち・ 語句の用法・文の並べ替え・文法の並び替え 空欄補充・長文読解 - 非言語分野:
推論・順列/組み合わせ・割合と比・損益算・料金割引・仕事算・代金精算・速度算・ 集合 - 英語:
同意語・ 反意語・英英辞典・空欄補充・長文読解 - 構造的把握力:
言語系問題・非言語系問題
能力検査はその名の通り、受検者の能力を測るテストであり、主に「言語分野」「非言語分野」に分かれた内容の問題が出題されます。これらに加えて、実施する企業によって「英語」「構造的把握力」についても追加で出題されます。
能力検査は基礎的な学力を見ており、一般的には、企業が設定する一定の基準を満たしていない場合は不合格になります。
ただし、出題内容は中学〜高校レベルに留まるため、事前に企業の指定した出題内容を確認し、各分野ごとの出題内容を把握し対策しておくことで、選考通過を狙うことができます。
- 能力検査の合格ラインはどれぐらいのものですか? 企業の規模や知名度で大きく変わりますか?
知名度がある企業や大手企業は高い倍率が設定される
基本的には6〜7割の正答率が基準ですが、大手企業の基準は8割程度が多いです。
大手企業は応募者が多いため、就活生を選抜するために高い基準が設けられていることが多いです。大手企業ではなくても、知名度がある企業についても同じ理由で高い基準が設定されています。
一方で、中小企業は平均レベルを基準に設定していることが多いですが、中小企業の中には正答率の基準を設定していないこともあります。
自分が応募する企業がどのレベルを求めているのかをリサーチし、スケジュールに余裕を持ってSPI対策をすることが大切ですね。
言語分野
言語分野では、言葉の意味や文章を理解する問題など、「国語」に関する出題がおこなわれます。
言語分野の出題内容
- 二語関係
- 熟語の成り立ち
- 語句の用法
- 文の並べ替え
- 文節の並び替え
- 空欄補充
- 長文読解
二語の関係や語句の意味など、知識があればすぐに解けるという問題から、文章の並び替えや長文読解など、設問を読み、その場で内容を理解する必要がある問題も出題されます。
言語分野の出題傾向として特筆すべき点は、「語彙力」。特に反義語・類義語を覚えておくことがポイントです。語彙力を磨くには、多くの文章に触れることが大事です。
非言語分野
非言語分野とは「数学」にあたる内容で、数的な処理ができるか、論理的思考力があるかを問われます。
非言語分野の出題内容
- 推論
- 順序・組み合わせ
- 割合と比
- 損益算
- 料金割引
- 仕事算
- 代金精算
- 速度算
- 集合
非言語分野は出題形式の種類が多く対策に時間をかける必要がありますが、中でも「推論」「仕事算」「順列・組み合わせ」は頻出問題であるなど、出題頻度にバラつきがあるのも特徴です。
SPIはスピード検査でもあるので、時間がかかりやすい問題に慣れておくことが必要です。特に順位や総当たり、トーナメント、位置関係に関する問題である「推論」は、図を書かなくても解答ができるよう繰り返し練習しておきましょう。
SPIの非言語対策について詳しく知りたい人はや非言語に苦手意識のある人は以下の記事をチェックしてみてください。
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英語
SPIにおける英語は前述の通り、企業によって出題の有無が変わる、オプション科目の位置づけです。
検査内容としては、語彙・文法の理解力や読解力を問うもので、選択式での出題となります。内容や回答方式としてはTOEICに似ていると言われていますが、難易度は大学入試のセンター試験レベルであり、比較的易しいです。
SPIの英語についてはこちらの記事で詳しく解説しています。英語に苦手意識のある人はぜひ併せて読んでみてください。
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- 英語があったりなかったりするのはわかりましたが、英語を追加することが多い業界はありますか?
入社後に英語を使用する業界では英語が追加されることが多い
仕事で英語を使う場合には、英語力が足りないとミスマッチとなってしまいます。企業によってはTOEICスコアの提出を求めることもありますが、SPIでも英語力を図るケースがあるのです。
以下の業界では、SPIの英語が出題される傾向にあります。
・総合商社
・外資系金融機関
・外資系コンサル
・メーカー
・航空、空港
・広告
これまでは出題されていない企業であっても、例年とは異なりSPIの英語を採用する可能性もあります。該当する業界を志望する就活生は、SPIの英語の試験準備もしておきましょう。
構造的把握力
構造的把握力とは、英語と同様に企業によって出題の有無が分かれる試験で、物事の共通性や関係性を、構造的に把握する力を測る検査です。
たとえば「彼は優しい」「彼は背が高い」「彼は賢い」といった文章があり、「彼は背が高い」のみ外見を説明していて、残りの2つは内面を説明しているといったように、違いを判別して仕分けるような内容です。
問題の内容は、計算する必要がある非言語系といわれる「計算の構造が似ている文章を仕分ける問題」と計算の必要はない言語系である「内容の異なる複数の文章を仕分けする問題」の2パターンです。
- 構造的把握力を求める企業ってどんな企業ですか?
ビジネスモデルの転換や問題解決を事業にする会社に多い
構造的把握力を課す企業は、ビジネスモデルの転換を図ったり、問題解決を実施する企業であることが多いです。
このことから、コンサルティング会社や、ベンチャー企業、企画会社などで求められる可能性が高い能力になります。
現在はVUCAの時代ともいわれており、先の見通しが立てづらい時代です。そのような時代に活躍できる学生の採用が企業にとっての命題になるので、この能力が高い学生は重宝されるかもしれません。
4つの形式別! SPIの制限時間と特徴
形式 | 制限時間 | 特徴 |
---|---|---|
ペーパーテスト | 性格検査 35分 能力検査 70分 | 電卓使用不可 前の問題に戻れる |
テストセンター | 性格検査 30分 能力検査 35分 | 電卓使用不可 一問ごとに制限時間有 |
Webテスティング | 性格検査 30分 能力検査 35分 | 電卓使用可 一問ごとに制限時間有 |
インハウスCBT | 性格検査 30分 能力検査 35分 | 電卓使用可 一問ごとに制限時間有 |
SPIには4種類の実施方法があり、同じSPIであっても制限時間の設定が異なったり、回答方法や受検環境が大きく分かれるため、それぞれの特徴を踏まえて対策を取る必要があります。
実施方法は企業によって都度変わる可能性があるので、それぞれの制限時間や特徴を知って、時間切れを防止するために何が必要かを確認していきましょう。
①ペーパーテスト
ペーパーテストはその名の通り、紙の冊子とマークシートの解答用紙を用いた試験方式を指します。この形式の場合は、企業や企業の指定会場に赴き受検します。
ペーパーテスト形式の場合、性格検査が35分、能力検査が70分の、合計105分が試験時間です。能力検査のうち、言語分野が30分で、非言語分野が40分です。また、ペーパーテスト形式の場合は、英語と構造的把握力のオプション科目は実施されません。
ペーパーテストの特徴
- 回答時間は長いが問題数は多い
- 自分で時間配分を組み立てやすい
ペーパーテストを選ぶ企業には、就活生が解答する様子を見たいと考えているのと、不正の確率を下げたいという意図があります。
丁寧な接客が必要とされる業界では、試験中に就活生が無意識にとっている姿勢さえも、評価の対象になるケースがあるのです。
回答時間は長いが問題数は多い
ペーパーテスト形式は他の3つの形式よりも試験時間が長いという特徴が挙げられます。一見ゆとりがあるように感じられますが、その分問題数が多く、スピーディな解答が求められます。
能力検査の言語分野は制限時間30分に対し、40問。非言語分野は40分に対して30問と、一問一問に時間をかけることができない問題量になっています。
自分で時間配分を組み立てやすい
ペーパーテストの問題は冊子として配布されるため、受検者にとっては開始時に全体の内容を把握することができるというメリットがあります。
最初に問題数や内容と自身の得意不得意を照らし合わせると、時間配分がしやすく、効率的に問題を解くことにつながりますね。
受検方式がペーパーテストと決まっている場合は以下の記事をチェックしてください。問題内容や解き方のコツをまとめています。
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②テストセンター
テストセンター形式とは、SPIの専用会場に行って用意されたPCで受検するもので、多くの企業がこの形式を採用しています。この形式の場合は、各自で事前に性格検査を自宅PCなどで済ませ、能力検査のみを受検します。事前受検の性格検査は30分、能力検査の試験時間は35分です。
この形式は共通の試験会場であることから複数社に同じ試験結果を提出できるというメリットがある他、企業によって英語と構造的把握力の問題が出題されるといった他の形式とは異なる特徴があります。
テストセンター形式の特徴
- 一問ずつ制限時間が設けられている
- 正答率によって出題内容が変わる
- 電卓は使えない
テストセンターは個別のブースで受検するため、PCの操作音だけが聞こえる緊張感ある環境で受検します。時計を含む私物の持ち込みもできず、そのような雰囲気に慣れることも重要なテスト対策です。
一問ずつ制限時間が設けられている
テストセンター形式は、会場に用意されたPC上で解答するものですが、ペーパーテスト形式と大きく異なる点として、一問ずつに解答の制限時間が設けられていることが挙げられます。
画面に制限時間を表す目盛りのような表示が出ていて、時間切れになると解答を終えていなくても自動的に次の問題に切り替わってしまいます。そのため、無回答にならないように、答えを導き出すか、わからなくても選択肢を選ぶことが重要です。
- 回答時間のバーの見方・考え方を知りたいです。緑のうちに回答を終えてないとまずいですか?
赤になる前に回答をすれば良いペース
回答時間のバーは、だいたい1分で緑から黄色に、1分15秒で黄色から橙色に、1分30秒で橙色から赤に変わります。緑で回答しなければならないということはなく、赤になる前に回答をすれば良いです。
このことから、バーの色が変化していくことに気を取られ過ぎて、問題に集中できなくなるのは避けましょう。確実に時間配分がわかるサポート的なものだと理解して、問題に取り組むことをおすすめします。
時間がない人におすすめ!
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志望度が高い企業にSPIで落ちてしまうのは本当にもったいないです。しかし何冊も問題集を解くのは時間が足りないですよね。
そこで「SPIパーフェクト問題集&模試」を活用しましょう。この問題集を使えば解く上で重要なポイントの解説を見ながら効率よく勉強することができます。
また本番形式の模試も付いているので、前もって本番の感覚をつかむことができますよ。
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正答率によって出題内容が変わる
テストセンター形式には、前半の問題の正答率が高い場合には、後半に出てくる問題の難易度が上がるといった特徴もあります。
難易度の高い問題ほど配点が高いとされており、後半の難しい問題を正解するほど高得点になります。そのため、いかに序盤でミスをせず、後半の難しい問題を解くことができるかが重要になってきます。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る言語分野の難しい問題は「長文問題」と「4タブ問題」
テストセンター形式では、言語分野の場合、始めは語彙問題や文章読解が出題されますが、正答率が高い人は長文問題と4タブ問題が出題されます。
長文問題は回答する時間がかかり、SPIの設問の中でも難易度が高い問題の一つです。また、一つの設問に対して4つの小問が設けられている4タブ問題も正答率が下がる、難易度が高い問題です。
非言語分野は「推論」と「推論かつチェックボックス形式の問題」に注意しよう
一方で、非言語分野の始めの問題は計算や確率的思考の問題になります。これらの問題に正答すると、難易度が高い推論やチェックボックス形式(答えが複数ある)の推論が出題されます。
もちろん難易度が高い問題が出題されたことで、これらの問題が出題されるまでの正答率が高いことは判断ができます。
しかし、これらの難易度が高い問題を正答しなければ、他の就活生と差をつけることはできません。そのため、難易度が高い問題にもきちんと回答ができるように、SPIの準備をすることが大切ですね。
電卓は使えない
テストセンターには電卓を持ち込むことが禁止されていて、もしも使用が発覚すると、その場で試験を中断され、企業に報告されてしまうというリスクがあります。
会場では計算用紙をもらうことができ、その紙に計算式や図形などを書いて内容を整理しましょう。
③Webテスティング
Webテスティング形式の場合、テストセンター同様にPCを用いた受検方法ですが、自身のPCなどから各自で専用サイトに登録・ログインして受検します。
そのため、企業からの指定期間内であれば、自身のタイミングで、解答しやすい環境を整えてから臨むことができます。
制限時間はテストセンターと同様に、性格検査は30分、能力検査は35分です。
Webテスティング形式の特徴
- 入力式が多く一問ごとの制限時間もある
- 電卓が使用可能
入力式が多く一問ごとの制限時間もある
Webテスティング形式の場合は、PC上での受検であるため、テストセンターと同じように一問ごとに制限時間が設定されています。
他の形式に比べて時間や場所の自由度が高い分、自分で文字や値を入力する入力式の問題も多く含まれていて、選択式に比べて、素早く解答する必要があります。
電卓が使用可能
Webテスティングで入力式の問題が多い背景として、自分の都合に合わせて受検ができるため、電卓や辞書などのツールを使いながらの解答が許容されていることが挙げられます。
入力式のため、選択肢から選ぶよりも自力で計算する必要がありますが、その分電卓を使うことで計算時間の短縮が見込まれるため、テストセンターと同じ試験時間だと考えられます。
電卓を使用した解き方と使わない解き方では勝手が異なります。電卓を使用できる場合は電卓に慣れておく必要があります。以下の記事では電卓で効率よく問題を解くコツをまとめているので参考にしてみてください。
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SPIの電卓の使用可否について、キャリアコンサルタントとともに解説。SPI対策に詳しい講師による、電卓を使える場合と使えない場合の解き方についてのアドバイスも掲載。SPIの電卓の使用可否について正しい認識を持って、対策に取り組みましょう。
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以下の記事では制限時間65分の対策と時間配分のコツをプロが解説しているので参考にしてみてください。
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65分のSPIとは? 出題内容や時間配分のコツを対策のプロが解説
SPIは受検方式によって時間が異なり、Webテスティングの場合65分となります。制限時間によって問題数が異なるため、受検方式に合わせた対策が必要です。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に65分のSPIの対策方法を解説します。
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④インハウスCBT
インハウスCBTとは、企業の指定会場に行き、企業の用意したPCで受検する方式です。
会場やPCを手配するという労力がかかるため、この形式を導入する企業は非常に少ないですが、Webテスティングに比べて不正をしにくいといったメリットから実施する企業もあります。
インハウスCBTの特徴
- 入力式が多く一問ごとの制限時間もある
- 電卓が使用可能
インハウスCBTは、データを見ると1%の企業が導入しているようです。このような企業は、採用にかける時間を大切にしている企業が多いです。
Webテスティングと内容や形式は同じ
試験時間や出題内容などについてはWebテスティングと同じで、受検環境のみ企業が用意したものという違いに留まります。
ただし、企業の指定によっては同日に面接も設定されていたり、企業独自の筆記試験も併せて受検する場合もあります。そのため、テストセンターやWebテスティングのようにSPIだけに専念できるわけではなく、より計画的に面接対策などと並行して準備が必要です。
忙しい就活生必見!頻出SPI問題集を確認しよう!
SPIで時間切れになる3つの原因
SPIで時間切れになる3つの原因
- 対策が十分にできていない
- わからない問題に時間をかけすぎている
- 適切な時間配分を決められていない
SPIの内容や形式の特徴を知って、時間切れの厳しさや選考を通過できるような結果が出せるか不安を感じてしまった人もいるかもしれませんね。ここから、SPIで時間切れにならず高得点を取るための解説に入っていきます。
まず最初に、SPIで時間切れになってしまう3つの原因から見ていきましょう。すでにSPIを受けてみて時間切れになってしまった人も、これからSPIの対策を進めるという人も、ぜひ時間切れの原因を念頭に置いて対策を進めてみてくださいね。
①対策が十分にできていない
まず最初に時間切れの原因として、そもそもSPIに向けた対策が十分にできていないことが考えられます。今まで経験したことのない受検形式や出題方法のものもあるため、形式に慣れていないと回答の仕方に戸惑うことも考えられます。
また、いくら中学〜高校レベルの問題で、落ち着いて考えれば解ける内容であっても、対策を通して解き慣れていなければ時間がかかってしまいます。
特に一問ごとに制限時間がある中で計算問題が出てきたときに、計算方法や公式を思い出すところからでは、時間切れになってしまうことが考えられるでしょう。
中学〜高校レベルの問題は勉強せずに回答できると思うかもしれません。しかし、緊張感ある試験会場では思い通りに回答できないことがあります。また、回答時間も限られているため、スムーズに回答できるように必ず対策しておきましょう。
SPIと同じポピュラーな適性試験で玉手箱という試験があります。SPIと玉手箱では対策方法が異なります。以下の記事ではSPIと玉手箱の違いをまとめているので参考にしてみてください。
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代表的な適性検査にSPIと玉手箱がありますが、これらの違いを把握していない人もいるのではないでしょうか。この記事ではSPIと玉手箱の違いとそれぞれの対策方法をキャリアコンサルタントと解説しています。
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②わからない問題に時間をかけすぎている
ペーパーテストの場合、できない問題に時間をかけ、後に控える問題に到達できないということが考えられます。
Webテスティングやテストセンターの形式は、一問ごとに制限時間で自動的に画面が切り替わりますが、わからない問題で制限時間いっぱいを使っても不正解の場合や解答が間に合わない場合は、全体の制限時間を圧迫してしまうだけです。
そのため、最後の問題までたどり着けないという場合は、途中で時間を使いすぎているということが考えられます。
③適切な時間配分を決められていない
時間切れの原因として、能力検査の各分野ごとにさまざまな問題形式がありますが、問題ごとに適切な時間配分を決められていないという人もいるのではないでしょうか。
序盤に出てくる、語句の知識や公式を覚えておけばすぐに解答を導き出せる問題に時間をかけすぎることで、後半の長文読解や文章題にかけられる時間が減ってしまいます。
「時間をかけて解くべき問題」とそれ以外をしっかり把握できていないと、適切な時間配分で解き進めることができないのです。
- 適切な時間配分ができず、焦って回答ミスをしてしまいがちです。時間を意識しつつも落ち着いて回答するコツが知りたいです。
時間を残す感覚を持てるように努力しよう
時間切れを起こしてしまう就活生は、時間を残そうとする感覚を持つようにしましょう。
言語分野のように覚えればすぐに解答できる問題に対して考え込んでしまったり、非言語分野で間違ったからといって消しゴムを使ってしまうと消している間に時間をロスしてしまいます。
また、小さな文字で計算しているとケアレスミスを起こしやすいです。
まずは言語分野の問題演習をたくさんおこなって、反射的に解答が出るようになるまで自分の能力を高め、非言語分野に時間を残す努力をしましょう。
時間切れを撲滅! SPI対策の5つのコツ
時間切れを撲滅! SPI対策の5つのコツ
- 問題集で苦手を洗い出して繰り返し解く
- 基本的な公式は覚えておく
- 暗算やメモ用紙ですぐ計算できるようにする
- 1問1分以内のペースで解けるように時間を計る
- 電卓やパソコンの操作に慣れておく
時間切れの原因を踏まえたうえで、ここからは時間切れをなくすための対策のコツを解説していきます。
SPIの対策がこれからという場合は、5つのコツをすべて意識した練習をしておくと、選考が本格化したときには時間切れに戸惑わないようになります。
すでにSPIを受検したことがある人は、自分がどの原因で時間切れになっているのかを考えて、それを解消できるコツについて実践してみてくださいね。
①問題集で苦手を洗い出して繰り返し解く
SPIの時間切れ対策のコツとして、まず問題集を解き進めて苦手を洗い出し、苦手な問題を解けるようになるまで繰り返すことがあります。
問題集を最初から最後までまず解いてみることで、どのような問題があるのかを知ることができ、どの分野のどの問題形式がわからなかったのか、時間がかかってしまうのかを把握することができます。
全ての問題形式に触れることで、時間がかかりすぎたわからない問題がどれで、どのような時間配分で解けば良いかを知ることにつながり、SPIで時間切れになる3つの原因のどの原因を解消するにも必要な対策といえるでしょう。
- SPIの対策は何冊もやるのではなく1冊を繰り返しやった方がいいと聞いたことがありますが本当ですか? おすすめの問題集の進め方があれば知りたいです。
SPIの対策は1冊を繰り返し解く勉強方法がおすすめ
内定獲得ができるか不安になると、さまざまな問題集を勉強した方が良いと思いますよね。しかし、1冊の問題集をすべて理解するまで勉強する方が、内定獲得に近づくことができますよ。
SPIの問題集はどの参考書にも似ている問題が掲載されています。そのため、すべて理解をせずに別の問題集を購入しても、同じような問題で誤答してしまうのです。
おすすめの問題集の進め方は、間違えた問題をチェックしておき、スムーズに回答できるまで復習する方法です。何度も復習をすると回答方法を習得でき、効率的に問題集の問題をすべて理解できますよ。
②基本的な公式は覚えておく
時間切れを解消するためには、数学の基本的な公式を頭に入れておき、設問を見たらどの公式で計算する必要があるのか一目で判断できるようにしておくことも重要な対策になります。
非言語分野の頻出問題で使う公式
- 順列
nPr
(n個の中からr個を選んで並べるとき)=n! / (n−r)! - 組み合わせ
nCr
(n個の中から異なるrを選ぶとき)=nPr / r! = n! / r!(n−r)! - 料金計算
(定価)ー(原価)=(利益) - 仕事算
全体の仕事=単位時間あたりの仕事×時間
また、非言語分野の公式だけでなく、言語分野の語句の意味や英単語など、知識があればすぐに答えを導き出せる問題も各分野にあるため、隙間時間にコツコツ知識を増やしておくと、解答スピードの短縮につながりそうですね。
わからない問題に時間がかかり、時間切れになりやすいと感じる人は、特に公式を覚えて、時間短縮につなげましょう。
③暗算やメモ用紙ですぐ計算できるようにする
時間切れ対策としては、電卓が使えない試験形式を想定して、暗算やメモ用紙での計算に慣れておくことも挙げられます。
普段暗算する機会がなかったり、手書きで計算するということをしていない場合は、案外時間がかかったり、ミスをしてしまうものです。時間短縮を目指すだけでなく、ケアレスミスをなくすためにも、計算することに慣れておく必要があります。
また、テストセンター会場の場合は、A4メモ用紙2枚だけが渡されます。受検途中に計算スペースがなくなっても、予備のメモ用紙を追加でもらうことはできないので、無駄な余白が出ず、なるべくコンパクトに計算をまとめることも意識しましょう。
問題集を解くなど対策をしているはずなのに、本番で時間切れになってしまったという場合は、より計算スピードをあげられるように暗算やメモでの計算に慣れる練習もしてみてください。
④1問1分以内のペースで解けるように時間を計る
1問ごとの制限時間を意識した練習をしておくことが、Webテスティングやテストセンターに向けた対策として特に重要になります。
うまく時間配分ができていないと感じている人は、まずは時間を計ってみて自分の問題を解くスピードを把握して、全体の時間配分を決めてみましょう。
具体的には1問につき1分以内のペースを保って解答していくと時間切れにはなりません。一通り時間を計りながら問題を解き、1分に対して、どの問題に余裕があるのか、どの問題に時間がかかってしまうのかを確認しましょう。
そして、計算スピードの遅さや公式を忘れていたなど、時間がかかってしまう問題の原因を考え、それを解消するために何が必要かを考えることで、どのような対策を進めれば良いのかが見えてきます。
スマートフォンの無料アプリに「1分ごとタイマー音声アラーム」というのがあり、1分ごとや1秒ごとに音が鳴ったり、振動するようセットできるものがあります。このようなアプリをダウンロードして練習に使うと時間感覚が身に付くので良いでしょう。
⑤電卓やパソコンの操作に慣れておく
Webテスティングでの受検機会も多くあるため、電卓やパソコンでの入力の操作に慣れておくことも時間切れを防ぐことに役立ちます。
回答を入力する際のタイピングの速度は勿論のこと、選択肢を選ぶときにカーソル位置を迷わないために、画面の表示の配置を頭に入れておくことも時短のためには有効になります。PC上で本番の画面を再現した模試も受けられるので、積極的に活用しましょう。
また、図形の問題や、問題を整理するためにメモ用紙が必要になる問題もあるため、電卓などの操作に加え、受検する際の机の上の環境を整えたり、解きやすいように使用ツールの配置を決めておくのも細かな時間短縮につながります。
時間配分は十分できていても一問ごとの制限時間に間に合わないという人は、電卓の操作やPCの入力のスピードを今一度見直し、時間短縮できるよう練習してみてください。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る勉強方法も工夫して自己アピールにつなげよう
時間切れ以外にも、SPIを勉強する際に意識してほしい点があります。それは、SPIの勉強に関連し、企業に就職するときのアピール材料になるTOEICなどの勉強を取り入れることです。
SPI試験は就職試験の中の一つの評価ポイントとなっていて、就職を勝ち取るためには、自己アピールできる資格や評価があると良いことは、皆さんも想像できると思います。
その中でもTOEICに関しては、社会の中での必要度合いが高まっている英語を、外部機関の評価をもって証明することができるものです。SPI試験の英語対策にTOEICの勉強を取り入れて高得点を目指せるようになれば、SPIの結果だけでなくTOEICの結果からも自己アピールにつながります。一石二鳥です。
分野別に解説! SPIを実際に解くときの時間配分のコツ
分野別に解説! SPIを実際に解くときの時間配分のコツ
- 全体:わからない問題は諦めて次に進む
- 言語分野:語句の問題はとにかくスピードを意識
- 非言語分野:公式に当てはめて単純な計算で時間をかけない
- 英語:長文問題は時間がかかっても丁寧に読み解く
- 構造的把握力:先に答えの選択肢を見ておく
時間切れの原因や受検形式ごとの特徴を踏まえて、事前に対策する方法がわかっても、実際にSPIの問題を解くときの時間配分についても知らないと得点を取ることは難しいです。
能力検査の出題分野ごとにも各問題形式に併せて時間配分を組み立てることが、効率良く問題を解いていくうえで大切になってきます。
ここでは、解くときに意識したい時間配分のコツを分野ごとの出題内容に沿って解説していきます。複数分野に共通していえるものもあるので、しっかりコツを押さえて解答できるようにしてみてください。
全体:わからない問題は諦めて次に進む
前提として、出題の分野にかかわらず、わからない問題は諦めて次に進むという意識を持つことが、時間配分を考えるうえで大切になります。
あなたがわからない問題のその先に、あなたがすぐ解ける問題が待っているかもしれません。まずは、すべての問題と向き合ってから、わからない問題と向き合うようにすると「ひょっとしたらもうちょっと解答できたかも」という後悔が減ります。
ペーパーテストはわかる問題から解く
ペーパーテストは他の形式とは異なり、冊子で問題が手渡されるため、好きな順番で解答したり、一度飛ばした問題を後から解くことが可能です。
そのため、まずわかる問題から解いて、残り時間を苦手分野や時間のかかる問題に費やすといった時間配分をすることができます。
ペーパーテストの場合、手元に問題と回答が全て把握できる状態にあることから、自分が回答できる問題から解いていき、確実に点数を加算させていくことができます。
言語分野:語句の問題はとにかくスピードを意識
言語分野では、基礎的な語句に関する問題を素早く解答し、後半に出される長文読解など読むのに時間がかかる問題に余裕を残すことが大切です。
言語分野のスピード配分
- 素早く解きたい問題:
二語関係・熟語の成り立ち・語句の用法・空欄補充 - 時間がかかる問題:
長文読解・文の並べ替え・文節の並び替え
特に二語の関係や語句の成り立ちはパターンが決まっているので、反復で練習をして時間がかからないように対策をし、時間配分を決めておきましょう。
言語分野は基礎的な語句に関する問題が多く出題されますが、同意語・反意語・語句の意味・四字熟語は暗記でカバーできます。時間配分は「基礎的な語句に関する問題:長文読解=4:6」となるよう練習に励みましょう。
SPIの漢字の問題が解けず焦ってしまう学生は多いです。以下の記事ではSPIの漢字対策について詳しくまとめているのでぜひ参考にしてください。
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非言語分野:公式に当てはめて単純な計算で時間をかけない
非言語分野では、単純な計算をいかに素早く済ませるかで時間の余裕が大きく変わってきます。効率よく解答するためにも、必要な公式をインプットしておいて、問題を読むとともに必要な計算をすぐにイメージできることが攻略のポイントになります。
非言語分野のスピード配分
- 素早く解きたい問題:
順列/組み合わせ・割合と比・損益算・料金割引・仕事算・代金精算・速度算 - 時間がかかる問題:
推論・ 集合
簡単な計算に時間がかからない前提で考えることで、推論や組み合わせ、図形問題といった内容の整理が必要な問題の時間配分に余裕が出てくるでしょう。
非言語分野は、簡単な問題に正答すると、時間がかかる難易度が高い問題が出題される傾向にあります。そのため、簡単な問題を間違えずに、難易度が高い問題へ早く進むためにも、公式はあらかじめ覚えておくことがポイントです。
英語:長文問題は時間がかかっても丁寧に読み解く
言語分野の長文読解にも言えますが、英語は短い時間で文章の内容を把握できるかがやりくりをするうえで大切になってきます。
英語のスピード配分
- 素早く解きたい問題:
同意語/反意語・空欄補充・英英辞典・誤文訂正・和文英訳 - 時間がかかる問題:
長文読解
そのため、英単語や文法はできるだけ頭に入れておく必要がありますが、その一方で長文問題は時間がかかっても丁寧に読み解くことが高得点を取るためには必要になってきます。
急いで文章を読んだ後に設問を読んで、わからない部分を探すためにまた文章を読み返すとかえって時間がかかります。何度も読み返すことがないように、丁寧に読む必要があり、それを踏まえた時間配分を最初に意識しておくことが大切です。
英語は、まずは文章理解をすることを徹底してください。そうすることで問題を解くスピードが上がります。
SPIの英語の勉強方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
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構造的把握力:文章の流れと言葉のつながりに着目する
構造的把握力は、構造の近い文章を仕分ける問題ですが、2つの文章がどのような関係でつながっているのかを見極めることが必要です。
構造的把握力のスピード配分
- 素早く解きたい問題:言語系問題
- 時間がかかる問題:非言語系問題
非言語系の問題の場合は計算が必要になるため、言語系は特にスピードを意識して、接続詞に着目したり、2つの文章を分解して論理関係を整理するなどの工夫をした時間配分を設定しておきましょう。
解答時間の短縮を図るためには、言語系なら原因と結果や状況、条件、仮定など文章のつながりや構造から似ているところを探していくことから始めましょう。
非言語系は実際に解かなくても良く、計算方法の違いや似た計算の構造を見つけていくことから始めるのがコツです。
所要時間別の試験方法の見分け方
所要時間 | 試験方法 |
---|---|
65分 | テストセンター・Webテスティング・インハウスCBT |
90分 | SPIと他の検査の組み合わせ |
105分 | ペーパーテスト |
多くの企業が採用選考に筆記試験を導入していますが、導入しているテストはSPIだけでなく、さまざまな種類があります。志望企業の選考フローを事前に確認したときに、筆記試験があることは確認できてもそれがSPIであるかは確認できないという場合もありますよね。
選考が近づけば正式にアナウンスもされますが、事前にテストの種類や受検形式を確認しておきたい場合には、試験の所要時間からどのような試験か絞り込むこともできるので参考にしてみてください。
ここでは、筆記試験の所要時間から想定できるSPIの試験方法の見分け方を解説します。
65分:テストセンター・Webテスティング・インハウスCBT
筆記試験・適性検査が65分とされている場合は、SPIだとWebテスティング、テストセンター、インハウスCBTの形式が該当します。
出題範囲や電卓使用の可否などは変わりますが、PCを使った受検となるので、一問ごとの時間制限や、計算用紙を使用した練習などを意識した準備をしておくことができそうですね。
90分:SPIと他の検査の組み合わせ
本来SPIには90分という試験時間の形式はありませんが、90分という指定の場合もSPIの受検がある可能性があります。
90分の場合の多くは、SPIのWebテスティングに加えて、TALと呼ばれる約20分ほどの適性検査を併せて受検する形がとられます。
TALとはより応募者の内面を探ることに特化した適性検査で、明確な答えがない問題に対する解答から潜在的な特性を見極めるために用いられます。そのため高得点を狙うような検査ではなく、企業とのミスマッチを防ぐために導入されるものであり、素直な回答が求められます。
SPI以外の適性検査を加える企業は、採用ミスマッチを回避することが目的です。採用ミスマッチになると早期退職や精神疾患につながりかねません。採用前にリスクを把握するために、複数の検査を採用しているのです。
次の記事でTALについてより詳しく解説しています。攻略法もあわせて紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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105分:ペーパーテスト
105分の指定の場合は、SPIのペーパーテスト形式である可能性が高いです。
そのため、電卓を使用しない前提で、解ける問題から解き、時間配分をコントロールできるように準備しておくことができるでしょう。
SPI攻略に必要な勉強時間の目安とは?
SPIはそれほど難しくはないものの、シビアな制限時間や受検形式による違いがあり、事前の対策で出題の内容や形式に慣れておく必要性を感じた人も多いでしょう。
では、SPI攻略のために十分な対策をするためには、どれほどの勉強時間が必要なのかも確認しておきましょう。
40~50時間は必要
SPIの出題内容や回答方法に慣れるために必要な勉強時間はおよそ40~50時間ほどだと考えられています。
40時間の内訳としては、20時間程度で問題集を最後まで解き、10時間程度苦手の克服や全体の復習に使います。時間を計ったり模擬テストで5時間程使い、残り5時間は隙間時間などで語句や英単語のインプットにあてるといったイメージになります。
この時間はあくまで目安であり、より時間をかけて苦手問題と向き合ったり、実戦形式の経験を積むことで高得点を狙いやすくなるでしょう。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る苦手を克服する十分な時間を確保しよう
時間が取れるようであれば、明確化することができた苦手な分野・問題を重点的に勉強し、高得点を目指す為の試験対策を取るようにすると良いです。
特に苦手な分野・問題は、人それぞれで異なります。自分の苦手なポイントをきっちりと押さえ、反復して克服するようにしてください。
10時間程度確保し苦手ポイントを明確にして克服しよう
高得点を獲得するためには、苦手な分野・問題については、繰り返し解く反復練習をすることです。
そして、どのポイントがわからないかを明確にすることで、重点的に勉強することが非常に大事になります。
苦手分野は10時間くらいかけることで、理解が深まり、傾向もつかめてくるので、点数を稼ぐことができるようになります。
計画的な勉強スケジュールを立てることが大切
就職活動は筆記試験対策だけでなく、書類選考や面接対策など多忙を極めるものです。そのなかで40〜50時間の勉強時間の確保は簡単なものではありません。
選考が本格化してからでは時間の確保はさらに難しくなるため、計画的に、余裕のあるスケジュールで対策を進めることが大切です。
たとえば、1日2時間と設定するのであれば、40時間の目安に到達するには20日必要になります。この2時間についても1時間半は集中して取り組み、残り30分は移動中など隙間時間に語句を覚えるといった工夫も必要になります。
- 早めに対策した方がいいことはイメージできましたが、どれぐらいの時期から勉強をはじめるのがベストなんですか?
大学3年生の10月または11月頃から計画的に進めよう
遅くとも大学3年生の10月または11月には、SPIの勉強をしておくと良いでしょう。
2022年度の首都圏では、秋のインターンシップが前年よりも多く実施されているので、時間が取りにくいところもあります。
しかし、例年の10月・11月は企業で内定式があったり、次年度にむけて採用活動の準備が始まったりと採用活動が鈍る時期にあたります。
この停滞した時期にこそ、準備時間のかかるSPIなどの筆記対策をしておかないと12月以降の冬のインターンシップ参加に間に合いません。
時間配分以外に気をつけることは? SPIを受検するときの3つの注意点
時間配分以外に気をつけることは? SPIを受検するときの3つの注意点
- テストセンターは自身で登録・予約が必要
- WebテスティングはPCの設定や通信環境を整えておく
- 性格検査もスムーズに回答できるように準備しておく
SPIは制限時間に追われないために十分な対策が必要ですが、それ以外にも受検時に気をつけなければならないことはいくつかあります。
ここでは対策を無駄にせず、良い結果を企業に送るために必要な3つの注意点を解説するので、時間配分と併せて受検時には意識するようにしてみてくださいね。
①テストセンターは自身で登録・予約が必要
テストセンターは他の受検形式とは異なり、企業が日時や場所を指定するのではなく、自身で会場を選択し、受検したい日時に予約を入れる必要があります。
そのため、事前に受検者情報をテストセンター用のサイトで登録する必要があり、能力検査を会場に受けに行く前に、各自で性格検査を受けておくことも忘れてはいけません。
②WebテスティングはPCの設定や通信環境を整えておく
Webテスティングで受検する際は、自身のPCなどを使用する必要があるため、事前にPCの設定や通信環境が整っており、スムーズに受検を始められるようにしておくことも大切です。
さらに、SPIはPCにJavaと呼ばれるプログラムがインストールされていないと受検できない仕様になっているため、事前にPCを確認しておきましょう。PCのコントロールパネル内を検索し、表示されなければ新たにインストールの必要があります。
試験の期限ぎりぎりに受検しようとしてJavaがインストールされておらず間に合わないということがないように、期間に余裕を持って環境を整えておくと安心ですね。
③性格検査もスムーズに回答できるように準備しておく
この記事では主に能力検査について解説してきましたが、性格検査も企業の選考に影響を及ぼす重要な検査であり、いくら能力検査の結果が良くても、性格検査の内容があまりに悪ければ選考通過とならない可能性があります。
制限時間に対し問題数が多いので、直感でテンポよく解答する必要があります。質問に対して迷うことを防ぐために、模擬テストで慣れておくことや、自己分析などを通して回答の方向性を確認しておくとスムーズな回答ができます。
- 企業によって求める人物像は違うと思いますが、企業によって性格検査の回答は変えたほうがいいですか?
企業が求める人材像を意識しすぎず素直に回答しよう
性格検査については、本来の自分で回答することが重要です。企業ごとに求める人物像がありますが、回答を進めていくと、虚偽回答の確率が高まる可能性があります。
このような場合、企業の求める人物像に寄った虚偽回答をした就活生という結果になってしまい、自身の将来に自分で蓋をしてしまいかねません。
性格検査については正直に実施することをおすすめします。
受検するスケジュールにも注意しましょう。結果を使いまわすことを前提に考えていても、思い通りに回答できず再受検を希望することもありますよね。そのときに再受検の日程確保ができるよう、スケジュールに余裕を持って受検しましょう。
時間配分を意識してSPIを攻略しよう
SPIの特徴には、問題数が多く制限時間が厳しいというものがありますが、対策次第でうまく時間配分をコントロールして、余裕を持って問題に取り組むことができるようになります。
実力を発揮できるよう時間切れにならないための対策や分野ごとの時間配分を実践して、SPIに臨んでください。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るSPI試験を通して社会人としての行動も見られている
SPIの能力検査はテストとして個人のポテンシャルを見るという面もありますが、他方では社会人としてきちんとした行動ができるかどうかという面も測っています。
多くの採用試験では能力検査として、あらかじめ企業側がSPIの検査をおこなうと告知してから就活生が受検するという流れになっているので、「言われたことをきちんとやってくるかどうか」という面を確かめているところもあります。
努力できることや意欲の証明にもなるのでしっかり対策しよう
また、難しい問題があっても克服して自分の能力を高めていくことは、職場が求めている「自律型人間」であるかどうかも確認できます。
試験時間内に最大限の結果を出そうとすることは、仕事への集中力や最大限のパフォーマンスを出そうとするかどうかという姿勢を見ることにもつながり、制限時間に対して最後まであきらめない心も測ることができます。
出題自体はやり方を学んだり、練習を繰り返すことで能力が上がるようにデザインされており、練習すればクリアできるレベルとなっています。得点が高い低いというよりも意欲を測るものなので、しっかりと取り組みましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
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