この記事のまとめ
- TALに絶対的な対策方法は存在しない
- 企業がTALを導入する目的を知って直感的な回答を心掛けよう
- TALの例題から傾向をつかんで突破率を上げよう
- WEBテストパーフェクト問題集
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適性検査にはたくさんの種類がありますが、その一つに「TAL」があります。TALは近年導入する企業が増加している適性検査ですが、TALに関する情報はほかの適性検査に比べて少ないのが現状です。
そのため、「TALはどんな問題が出題されるの?」「そもそもなぜ企業はTALを実施するの?」「TALの対策方法が知りたい」と疑問や不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
この記事ではキャリアアドバイザーの瀧本さん、田邉さん、平井さんと一緒にTALの基本情報や出題内容、対策方法などを網羅的に解説します。少しでもTALを受検する可能性がある人はチェックしておきましょう。
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TALは対策が難しい? 直感的な回答で自分の能力をアピールしよう
後ほど詳しく解説しますが、TALは潜在能力や性格を測る適性検査です。そのため、「これをすれば確実に突破できる!」という明確な対策方法はほとんどなく、直感的に回答することが求められます。
しかし、その中でも突破率を上げる対策方法やコツは存在します。この記事では、前半でTALの基本情報や試験内容を解説するので、まずはTALの基礎を固めましょう。
そして記事後半で対策方法やコツ、注意点などを解説します。実際に対策する際の参考となるため、TALを受検する可能性がある人は最後まで読んでみてください。
最初に押さえよう! TALの基本情報
TALを実施する企業はまだ少なく、情報もあまり出回っていないため「TALって何?」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
まずは、TALの概要や導入実績のある企業・業界など、基本情報を解説します。過去に調べたことがある人もおさらいの意味も込めて確認しましょう。
TALとは?
TALとは、脳科学と図形式検査を掛け合わせることで、受検者の潜在的人間力を測る適性検査です。人総研が提供しています。
TALの受検方法や時間、分析する項目などの基本情報を表にまとめました。
試験内容/制限時間 | 文章形式/約15分 図形配置/約5分 |
受検方式 | インターネットによる受検 |
分析時間 | 回答終了後すぐ |
分析項目 | コミュニケーション能力 ストレス耐性 責任感 行動力 向上心 メンタル傾向 コンプライアンス傾向 |
表からわかるように、SPIや玉手箱などほかの適性検査とは分析項目が異なります。ほかの適性検査では検査の点数から受検者のポテンシャルを測りますが、TALはコミュニケーション能力やストレス耐性など、主に受検者の内面を分析するのです。
このように、書類や面接、ほかの適性検査ではわからない「人間性」を重点的に見られるのが特徴的です。
TALを導入した実績がある業界・企業
TALはIT業界や鉄道会社、金融機関などの企業が導入しています。
なお、これらの企業・業界はTALだけでなく、ほかの適性検査と掛け合わせて実施することもあります。志望企業がTALを実施する傾向が強くても、ほかの適性検査の対策も怠ることがないようにしましょう。
TALを導入する企業の特徴として、銀行や証券、保険などの金融機関であることが挙げられます。
特にNTTグループの情報通信技術(ICT)関連のサービスや製品を提供している企業でTALを導入しているのが目立ちますね。
上記TALを導入しているIT業界や金融業界などに興味がある人は、この記事から業界の全体像を把握しましょう。
IT業界
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金融業界
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企業がTALを導入する目的
企業がTALを導入する目的・理由を知ることで、何を見られているかを把握できます。受検する姿勢を考えるうえで重要なので、事前に確認しておきましょう。
企業がTALを導入する目的・理由は大きく分けて2つです。それぞれの目的・理由について詳しく解説します。
①志願者のストレス耐性を知るため
新しい環境に移ったときは、これまでやったことがないことに取り組んだりさまざまな人とかかわることになるため、どんな人でも一定のストレスを感じます。そのうえ新入社員は社会人としての責任なども感じてしまい、特にストレスを感じることが続いてしまうのです。
そして、ストレス耐性によっては、このストレスによって退職したり病気になったりする人も実際にいます。
ストレスによって社員が働けない状態になることは、企業側も避けたいと考えます。最悪の事態を避けるためにも、TALによって志願者のストレス耐性を測り、自社で働き続けられるかを確認するのです。
なお、ストレス耐性が弱いから落とされるわけではありません。あくまでも総合的な性格を見て、自社に合うかどうかを判断するものなので安心してください。
TALの適性検査は、回答の選択肢が用意され、選んだものに応じてストレス耐性の有無が計測されます。
ただし、TALは心理学に由来している検査ではなく脳科学に基づいているので、ストレス耐性があると計測される回答が見分けづらいといえます。
②志願者の潜在能力を把握するため
TALで測られる能力・思考性
- コミュニケーション能力
- ストレス耐性
- 責任感
- 行動力
- 向上心
- メンタル傾向
- コンプライアンス傾向
TALは「〇〇と回答したら△△と診断される」などのような回答と診断内容の関係性がわかりづらく、対策するのが難しいことが特徴です。だからこそ、学生の本当の能力や思考性を測ることができるのです。
オリジナリティ溢れる人材を採用したい場合も活用される
ほとんどの企業は自社で活躍できる人材を採用するためにTALを導入します。一方で、特にクリエイティブ職など独創性が求められる企業では、オリジナリティ溢れる人材を採用することを目的にTALを活用する企業もあるのです。
とはいえ、個性があることをアピールしようと、故意的に意思とは異なる回答をするのは良くありません。あくまでも自分の直感に従って回答するようにしましょう。
- クリエイティビティが求められる企業を志望していますが、自信がありません。TALでどのような回答をするのが良いのでしょうか。
企業に合わせて3つの資質を伝えていこう
クリエイティビティが求められる企業では、以下の3つの資質を意識した回答が大切になります。3つの資質とはコミュニケーション能力、転換力、行動力です。
1つ目のコミュニケーション能力があると、アイディアや考えを効果的に伝えることができ、周りと協力しながらプロジェクトを成功させることができます。
2つ目の転換力は、新しいトレンドや技術変化に対応し、企業の競争力を高めるうえで大切です。
そして3つ目の行動力は、考えたアイディアを具体的な形にするうえで活きます。
ただし、上記3つ以外でも企業や職種によって求められる資質の重要度は異なるうえに、これらに相当する選択肢を判断するのも難しいので、意識しすぎないようにすることも大切です。
企業ごとに用途が異なる! 採用フローにおけるTALの実施時期
採用フローにおけるTALの実施時期
- ほかの適性検査と併用する場合
- 面接時の参考資料とする場合
- 面接後の最終確認として活用する場合
企業によってTALを導入する目的や用途が異なります。そして目的・用途によって、採用フローにおけるTALの実施時期が異なるのです。
ここからは、企業の用途別で採用フローにおけるTALの実施時期の違いを解説します。
ほかの適性検査と併用する場合
企業によってはSPIや玉手箱などのほかの適性検査とTALを併用で実施する場合があります。TALはより精度の高い性格適性検査ができるため、能力・スキルをほかの適性検査、性格をTALで診断することがあるのです。
ほかの適性検査と併用する場合、以下のような流れで実施されるケースがあります。
ほかの適性検査と併用する場合のTALの実施時期
- 会社説明会
- エントリーシート(ES)提出
- 適切検査+TAL
- 面接
- 内定
実施時期はES提出後の適性検査と同じ時期です。そのため並行してSPIや玉手箱の対策をしておく必要があります。
学生の性格や適性は、1つの適性検査だけでわかるものでもありません。企業としては多面的に学生を見るために、TALも含めて複数の適性検査を併用しています。
ほかのWebテスト対策ができていない人は、こちらの記事を読んで対策方法を把握しておきましょう。受検当日まで時間がない人でも、Webテストを網羅的に対策することができます。
WEBテスト対策完全版|効率重視で準備する方法を徹底解説
適性検査はWebサイトやアプリで対策することも可能です。下記記事でおすすめの方法を紹介しています。
Web適性検査の練習でおすすめのサイト7選|本やアプリも紹介
面接時の参考資料とする場合
面接時の参考資料とする場合のTALの実施時期
- 会社説明会
- ES提出
- 適性検査
- TAL
- 面接
- 内定
面接前に面接時の参考資料としてTALを実施する場合があります。具体的には上記のような流れになります。
この場合、必ずしもTALの結果によって合否が分けられるというわけではありません。あくまでも面接時の参考資料といった立ち位置であるため、「TALの結果によっては落ちるかも」という心配はそこまでしなくて良いでしょう。
面接後の最終確認として活用する場合
面接後の最終確認として活用する場合のTALの実施時期
- 会社説明会
- ES提出
- 面接
- TAL
- 内定
面接終了後に、学生の最終確認としてTALを活用する場合があります。具体的な流れは上記の通りです。
この場合、面接の内容とTALの結果にあまりにも大きな乖離があれば、「面接で誇張した回答をしている」と判断され、内定をもらえない可能性があります。
このように、TALは面接後の事実確認として活用される場合があることも覚えておきましょう。
企業によってTALを実施するタイミングはさまざまです。たとえば面接から内定までの日程が短い場合は面接直後に実施し、面接から内定までに時間がかかる場合は実施が後日となることもあります。
「まだ面接対策ができていない」という人はこちらの記事を参考にしてください。就活の面接の対策方法を学べて、内定獲得に一歩近づくことができますよ。
就活の面接の質問70選! 完全攻略できる準備や回答方法を解説
TALの試験内容は2つに分けられる!
TALは2種類の試験に分けられています。それぞれの問題数と制限時間は以下の通りです。
試験の種類 | 問題数 | 制限時間 |
---|---|---|
文章形式 | 36問 | 約15分 |
図形配置 | 1問 | 約5分 |
ここからは各試験の具体的な内容を解説します。
①文章形式
文章形式問題は質問に対して7つの選択肢が設けられており、その中から当てはまるものを2つまたは1つを選ぶという問題です。選択できる数は設問によって異なります。
後ほど例題を紹介しますが、この形式では独特な設問が出題されます。回答内容と結果の関係性がわかりづらいですが、直感的に回答するようにしましょう。
②図形配置
図形配置問題は、出題されたテーマに従って用意された10〜15個の図形を枠内に配置していくという問題です。用意される図形は丸や三角、顔のマークなどさまざまあり、それらを直感的に配置していきます。
なお、出題されるテーマは抽象的なものがほとんどです。「どのように図形を配置すれば良いかわからない」と迷ってしまうかもしれませんが、制限時間の5分以内には完了するようにしましょう。図形配置のコツは後ほど詳しく解説しますね。
TALの例題と回答例
TALには「こう回答すると高得点を得られる」という模範回答はありません。しかし、当日焦って回答しないためにも出題傾向をつかんでおくことが大切です。
ここから紹介する例題を見て、TALで出題される問題の内容を把握しておきましょう。
文章形式の例題
最初に文章形式の例題から紹介します。非現実的な選択肢が設けられていることもありますが、常識内かつ自分の直感に従って回答することが大切です。
「あなたが手に持っても良いと思う卵は?」
例題
あなたが手に持っても良いと思う卵を次の選択肢から2つ選びなさい。
・殻が剥かれていないゆで卵
・殻が剥かれているゆで卵
・生卵
・ウズラの卵
・卵の模型
・殻が剥かれていて、切って皿に盛り付けられているゆで卵
・殻が剥かれていて、輪切りしたゆで卵
正解はありません。ただし、例題の選択肢の中から「卵の模型」と「生卵」を選んだ場合のみ印象が悪くなる可能性があります。
この問題から、受検者に温かい気持ちがあるかどうかを診断することがあります。卵の模型は無機質で冷たいイメージがあるため、温かい気持ちとは反すると判断される場合があるのです。
また、一般的に生卵を手に持つことはないでしょう。生卵を選択した場合、「常識的ではない」と診断される可能性があります。
「自動販売機が壊れてお釣りが出ない時、あなたはどうする?」
例題
自動販売機が壊れてお釣りが出ない時、あなたならどうする?
・何もせずに諦める
・おかしいと思う
・運が悪かったと考える
・「お金を取られた」と悔しがる
・自動販売機の運営会社に電話して苦情を言う
・むしゃくしゃした気持ちになる
・自動販売機を蹴る
この質問からは、予想外のことが起きたときに感情にどのような変化が現れるかが見られていると予想されます。
仕事は予想外の出来事の連続です。そのような場合でも平常心で適切な行動を取ることが求められます。
この質問に対して「自動販売機を蹴る」や「むしゃくしゃした気持ちになる」などを選択すると、「ちょっとしたことでも感情的になる」と診断される可能性が高くなるのです。
「何もせずに諦める」や「おかしいと思う」などは、予想外の出来事が起きても平常心でいられるイメージを連想させると考えられます。
- 問題の回答から何を見られるかは、どのように判断したら良いのでしょうか。
判断は難しいので直感に従って正直に回答しよう
TALでは質問の意図を推し量ったり、模範解答を作ろうとするよりも、直感に従って正直に答えることをおすすめします。
TALを提供しているvivid-japanのホームページにはTALの特徴について、「TALは心理学由来の適性検査と異なり、設問からその意図が読み取れない構成になっている」とあります。
提供側がこのように明言している以上、その裏をかくような作戦を立てるのは得策ではないと考えます。
図形配置の例題
ここからは図形配置の例題を紹介します。文章形式と同様に絶対的な正解はありません。直感に従って回答するようにしましょう。
「入社後に活躍している自分の姿は?」
図形配置の問題にも絶対的な正解はありません。一方で、以下のような回答例があります。
顔のマークを一番上に配置する | 高い位置に顔のマークを配置することで、自分が昇進・昇格している姿をイメージさせる |
円の中に顔のマークを入れる | 円の中心に顔のマークを配置することで、入社後もほかの社員と円満な状態で仕事をしている姿をイメージさせる |
オリジナルの回答 | 独自の回答で自分の入社後の理想的な姿をイメージさせる |
あらゆる図形を活用して、入社後の理想的な姿をイメージさせられるような配置を心掛けましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る星マークや上向き矢印でポジティブな印象を残そう
適性検査の形式に慣れてくると、ほかに意識すべきことがないか不安になりますよね。しかし、本文で解説されているとおり、TALには絶対的な正解がないため、直感的に回答することが求められます。
とはいえ、自分の回答から予測される印象を考えることはできます。図形問題の回答は、それぞれの図形が持ち合わせているイメージを把握することで、ポジティブな印象を残すことができますよ。
たとえば、星マークは輝いているイメージがあり、入社後に活躍してる姿につながります。また上向き矢印は、上昇志向なイメージを残すことができるのです。
直感的な回答が企業とのミスマッチを防ぐ
このように、図形が持ち合わせているイメージを活用して「台形の中にハートマークを入れる」や「星と上向き矢印を近くに配置する」などでポジティブな印象になりますよ。
ただし、最も大切なポイントは、あなたの直感のイメージを表現することです。正解がない適性検査のため、図形が持っているイメージを想像して、受検するときに感じたことを表現するとミスマッチが防げます。
前提を押さえよう! TALには確実的な対策方法が存在しない
繰り返しになりますが、TALには絶対的な対策方法が存在しないという前提は理解しておきましょう。
TALを実施する目的は、受検者が対策しづらい内容を出題して、素直な能力や性格を把握することです。そもそも対策されないように問題が作られていることは理解する必要があります。
この前提を理解していなければ、検査で「これが正解なのではないか」と考えたうえでの回答をしてしまい、オリジナリティを発揮できなくなってしまいます。自分の直感に従って回答するようにしましょう。
- 直感に従った結果、一般的な常識からズレていると感じた場合は修正した方が良いのでしょうか。
一般常識とのズレは考えずに回答しよう
一般的な常識では回答しないような回答だと、組織になじめないと判断されそうで不安になりますよね。しかし、常識と考えるものに修正する必要はなく、直感に従った回答をしましょう。
そもそも、何が常識か判断すること自体がとても難しいことです。さらに、本文で解説されている通り、対策されないように問題が作られています。
自分を偽ってしまうと、そのせいで選考落ちになる可能性があったり、採用後にミスマッチになってしまったりする可能性が高くなります。あなたの直感に従って回答をしましょう。
突破率を上げよう! TALの対策方法
TALの対策方法
- ポジティブな回答を意識する
- 故意的に自分を誇張せず素直な気持ちで回答する
- 常識のある回答を心掛ける
- 例題や過去問から出題傾向を押さえておく
前述の通り、TALには絶対的な回答がありません。通過の基準も企業ごとに異なるため、「〇〇と回答したら通過できる」という正解はないのです。
しかし、突破できる可能性を上げられる方法はあります。企業に良いイメージを持ってもらうためにも対策方法を把握しておきましょう。
①ポジティブな回答を意識する
「この人はネガティブな思考を持っている」と診断されるリスクを軽減するためにも、常にポジティブな回答をすることを意識しましょう。
会社ではチームで働くことがほとんどなので、協調性のある人やポジティブな思考を持っている人が好まれる傾向があります。一方で、ネガティブな思考は伝染しやすいため、企業はそのような思考の持ち主を採用したくないと考えるケースが多いのです。
悪い印象を持たれるリスクを軽減させるためにも、ポジティブさを意識して回答するようにしましょう。
②故意的に自分を誇張せず素直な気持ちで回答する
前述でポジティブさを意識すると解説しましたが、故意的に自分を誇張するのは避けましょう。そもそもTALには絶対的な正解がないため、自分を誇張しても良い方向に評価されるかわかりません。
悪い印象を持たれるリスクを軽減し、等身大の自分を知ってもらうためにも素直な気持ちで回答することが大切です。素直な気持ちで回答したうえで不採用となった場合は「会社と自分の性格がマッチしなかった」、採用となった場合は「社風が自分に合っている」と判断するのがおすすめです。
③常識のある回答を心掛ける
他人とは違ったところを見せようとして、一般的な常識から外れた回答をするケースが見られますが、これはあまりおすすめしません。
企業によっては、TALの診断結果から独創的な思考を持っている人を採用する場合もあります。しかし、多くの企業は入社後のトラブルを防ぐために、一般的な常識を持っている人を採用したいと考えるからです。
たとえば、「自動販売機が壊れてお釣りが出ないとき、あなたならどうする?」の問題で「自動販売機を蹴る」という回答は少し攻撃的な印象にとらえられる可能性があり、「短気」「自分に不都合なことが起きたときに感情的になる」と診断されてしまう可能性もあります。
悪い印象を持たれるリスクを軽減するためにも、一般的な常識内での回答を心掛けましょう。
④例題や過去問から出題傾向を押さえておく
TALで出題される問題はほかの適性検査とは大きく異なります。検査中に回答方法に迷ったり、不具合を起こしたりしないためにも出題傾向を押さえておくようにしましょう。
また、TALの文章形式では問題数に対する制限時間が短くなっており、1問30秒ほどで回答することが求められます。制限時間内で回答し、満足のいく結果を得るためにも出題傾向を押さえておくことが大切です。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る学生時代に部活動やサークルに励むことがTAL対策につながる
TALは、企業の求める人材に合致した学生を採用するための適性検査です。そのため、面接の前に導入する企業が多くなっています。
TALの評価項目から逆算すると、学生時代に部活動やサークルで活動することが有効です。活動を通して、ほかのメンバーとのコミュニケーションや物事に取り組む主体性が身に付くでしょう。
また、活動の中でストレスなどにも直面すると思いますが、自分を律して行動する力も身に付きます。この力が、社会人になっても不祥事を起こさず、仕事を一生懸命に取り組む姿勢につながるのです。
図形配置のために日頃から芸術に触れてみよう
さらに、精神的な安定性を測る「図形配置」への対策としては、日常生活の中での芸術的な活動が有効です。
絵を描いたり美術館や展覧会を訪れることで自分の感性を磨き、意図した図形配置ができるようになりますよ。
TALの図形配置を受検する際の3つのコツ
TALの図形配置を受検する際の3つのコツ
- 顔のマークを活用する
- 人間の形を作って自分が活躍している姿を表現する
- 与えられた図形はできるだけ多く使用する
TALの図形配置は意図がわかりにくく、対策するのが難しいことが特徴です。その中でもより個性を表現して自分をアピールする方法はあります。ここからは、図形配置問題で自分の個性をアピールするコツを解説します。
①顔のマークを活用する
TALの図形配置では、ある場面の自分の姿をイメージさせる問題が出題されます。自分を明確に表現するためにも顔のマークは活用しましょう。顔のマークを配置するだけで自分の立ち位置や周りとの関係性を表現できます。
一方で、顔のマークは一つの図形でさまざまなことをイメージさせられるため、配置する場所は非常に重要になります。余裕を持って配置場所を考えるためにも、最初に着手するのがおすすめです。
図形を見て感じた第一印象を大切にしましょう。私は上向きの三角形には「上昇」、五角形には「人間関係のバランスが良い」、円筒形には「どっしりとした安定感」を感じました。
このような図形に感じた印象を組み合わせて、自分を表現してみてくださいね。
②人間の形を作って自分が活躍している姿を表現する
あらゆる図形を活用して人間の形を作ることで、自分の活躍する姿を表現しやすくなります。用意されている図形の種類にもよりますが、ハートや星などポジティブな印象がある図形を活用すると表現の幅がさらに広がるのです。
また、人間の形を作ったうえで矢印のマークを活用することで、現状に満足せずさらなる活躍を目指して精進するといった意気込みも表現できます。
③与えられた図形はできるだけ多く使用する
図形配置問題では18個の図形が用意されており、最大15個まで使用可能です。できるだけ多くの図形を使用して、表現の幅を広げることがポイントになります。
たとえば、10個だけ使用したものと15個使用したものを比べたとき、より個性をアピールできるのは図形の数が多い15個を使用したときでしょう。
そして、星やハートなど意味を表現しやすい図形をできる限り使用して、個性を表現することが重要です。
図形配置では、具体的な描写と図形の有効活用が高評価につながります。人物に服装を付け加えたり、手に物を持たせると良いでしょう。
また、シート上の線や範囲を最大限に活用すると、状況を把握する能力や対応力があることもアピールできますよ。
出題内容別! TALを受検する際に覚えておいてほしいポイント
TALの文章形式、図形配置のそれぞれで覚えておくべきポイントがあります。ここから解説する各問題のポイントを把握して、受検時の不用意な失敗を防ぎましょう。
文章形式を受検する場合
文章形式を受検する際の注意点
- 2つを選択する際に矛盾する回答は避ける
- 一度回答したら前の画面に戻れなくなる
- 「最大2つ選べ」という問題は無理に2つを選ぶ必要はない
文章形式を受検する際は、上記の3点に気を付けましょう。それぞれの注意点について詳しく解説します。
2つを選択する際に矛盾する回答は避ける
前述の通り、TALの文章問題では2つを選択することが求められる場合があります。その際、選択したもの2つが矛盾しないように気を付けましょう。
矛盾した回答をすると「芯や価値観が定まっていない」と診断され、減点される可能性があります。減点を避けるためにも、2つを選択する場合は明らかに矛盾した回答は避けるようにしましょう。
一度回答したら前の画面に戻れなくなる
TALの回答形式では一度回答したら前の画面に戻れず、やり直すことができません。
にもかかわらず、文章形式は36問に対して制限時間が15分と短めです。ほかのWebテストに比べてもかなりスピーディーに解かなければいけないので、焦りによる入力ミスがないように一問ずつ確認してから次の画面に進むようにしましょう。
- 万が一ミスをしてしまった場合、どのように対処すべきでしょうか。
同じミスを繰り返さないように注意しよう
本文で解説されているとおり、一度回答すると前の画面に戻れないため、ミスを修正することはできません。そのため、あなたがすべきことは「同じミスを繰り返さないこと」です。
同じミスをしてしまうと、価値観が定まっていないと判断されてしまいますよね。よりマイナスな評価にならないために、次回以降の回答で矛盾しないようにしましょう。
また、矛盾する回答をしてしまうということは、等身大の自分で回答していない可能性もあります。リラックスをして問題文をきちんと読み、自分を偽らずに回答することを意識してくださいね。
「最大2つ選べ」という問題は無理に2つを選ぶ必要はない
文章形式には「〇〇を次の選択肢から最大2つ選べ」という問題が出題されることがあります。勘違いしがちですが、最大2つなので、1つだけでも問題ないのです。
文章をよく読まずに無理して2つ選んでしまうと、本心と乖離があったり、選択した回答に矛盾が生じたりする可能性があります。適切な診断をしてもらうためにも出題内容をよく読み、意味を理解するようにしましょう。
図形配置を受検する場合
図形配置を受検する際の注意点
- 一度配置した図形はもとに戻せない
- 15個目の図形を配置した時点で強制終了となる
図形配置を受検する際に注意すべきことは上記の2点です。それぞれの注意点について詳しく解説します。
一度配置した図形はもとに戻せない
一度図形を選択して配置したらもとの場所に戻したり、別の場所に移動させたりすることはできません。そのため不用意に図形をクリックしないようにしましょう。
また、図形配置では全体で意味を持たせることが大切になります。一つのミスで焦ることなく、全体で伝えたいことが伝わるようにほかの図形で調整することが重要です。
15個目の図形を配置した時点で強制終了となる
図形配置は18個の図形から最低10個、最大15個の図形を選んで配置します。そして、15個目の図形を配置した時点で強制終了となります。
「イメージしていたものを表現できなかった」とならないように、最初に全体像をイメージして、配置した図形を数えながら進めていくことが大切です。制限時間と配置した図形の個数を意識しながら、悔いのないように進めていきましょう。
図形配置では「ネガティブな印象が残る配置は避けること」を意識しましょう。そのためには、本文でも解説されているとおり、事前に全体配置のイメージをしておくことがポイントです。
ポジティブかつ素直な回答が重要! TALを突破して内定を勝ち取ろう
TALには絶対的な正解はありませんが、一般的な常識内でポジティブかつ素直な回答をすることが好印象につながります。そして出題内容が特徴的であるため、問題に慣れておくことが重要です。
本番で本来の能力を発揮でき、より納得のいく結果を得られるようにしっかり予習はしておいてくださいね。この記事で解説した対策方法やコツを意識してTALを突破し、志望企業からの内定を勝ち取りましょう。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る回答に迷ったら2つの視点から前向きに思える選択肢を選ぼう
記事の中で何度も出てきたように、「TALには絶対的な対策方法が存在しない」ということはもう一度確認しておきましょう。しかし、そう言われるとなおさら不安になる人もいますよね。
企業がTALを使う目的は「自社に合った人材かどうかを見るため」です。TALはストレス耐性と、面接ではわかりにくいその人の特性を把握するために使われています。
TALの特徴を踏まえて公開されている例題をみると、「感情的になりやすい状況でどう振る舞うか」「仕事に取り組む姿勢はどうか」を見ている感じがします。
直感で素直に回答するのが良いと思いますが、もし迷ったら上記2つの視点からポジティブと思える選択肢を選んでみてはどうでしょうか。
TALで不通過になっても自己否定はやめよう
対策が困難な適性検査なので、TALで不通過になっても自分を否定しないでください。企業とのマッチングの結果だと受け止め、次の応募への準備に取り組みましょう。応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細