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伊勢丹──コム・デ・ギャルソン。ファッションの最先端で磨いたプロフェッショナルとしての経験と、コミカルなキャラクターが多くの人気を集めるよこちるどれんに、就活やキャリアについてたずねる連載企画。
連載最終回となる本記事では、「おしゃれになりたい」「何者かになりたい」という悩みの裏に隠れた本音への向き合い方や、就活で活きる「よこちる流」コミュニケーション術を伺いました。
※本記事は連載記事です。過去の記事は下記のリンクから飛べます。
・1記事目:ファッションインフルエンサー「よこちるどれん」に就活着こなし相談! スーツはこう着る
・2記事目:叫べないから服を着た。「よこちるどれん」が服と歩んだ独立までのランウェイ
・3記事目:「まずは働こ」。クリエイター・よこちるどれんが「好き」と「安定」の二兎を追えた理由
| ▼よこちるどれん プロフィール ファッションインフルエンサー。1993年、高知県四万十市生まれ。自身のYouTubeチャンネルやTikTokで日常や洋服を軸とした動画コンテンツを発信。各SNSの総フォロワー数は約50万人に上るなど、ファッションを楽しむ若者層から厚い支持を集めている SNS:YouTube / X(旧Twitter) / Instagram / TikTok |
【特別インタビュー企画】
「あの人」に聞く未来の“出会い方”社会という広い海へ漕ぎ出す就職活動。
地図も決まった航路もないなかで、
どうやって自分の進むべき道を決断すればいいのでしょうか。
必要なのは、誰かが作った正解ではなく、自分が納得して進むための「羅針盤」。
本企画では、自分だけの羅針盤をもって
オリジナルの道を歩む人たちにインタビュー。
迷いながらも進み続けた人生ストーリーから、
明日からの就活がちょっと楽しみになるヒントをお届けします。
「おしゃれになりたい」は「知ってほしい」

──ズバリ、「おしゃれ」になるためにはどうすればいいんでしょうか。
よこちるどれん)「ズバリ」ですね(笑)。でも視聴者から同じような相談を受けることが結構あるんですが、一つ思うことがあって。
まず、その「おしゃれになりたい」という気持ちは、別の言葉で言い換えられないか、ということ。
「おしゃれになりたい」は表面的なもので、「自分のことを知ってほしい」が本音なんじゃないでしょうか。

──「知ってほしい」が本音……確かにそうかもしれません。
よこちるどれん)おしゃれな服を、派手な服を買っても、それをアウトプットする機会って意外と少ないんですよ。だからSNSとかでその欲求を発散させている。よこちるのコーデ紹介に送っている。「見てくれ!」って。
その根本には「自分のことをもっと知ってほしい」というメッセージが潜んでいるんじゃないのかなと。そう考えるのは、僕もそうだったからです。
それが悪いって話ではなくて、その「本当の気持ち」を理解しておかないと、本当に着たい服も、本当にしたいこともわからない。
「おしゃれになりたい」という質問へのアンサーは、「まずは自分の本音と向き合おう」ですね。

「何者か」にならなくていい
よこちるどれん)最近よく聞くようになった「何者かになりたい」という悩みにも、同じことが言えると思うんですね。
SNSが発達して、インフルエンサーのきらきらした生活が目につくようになってしまったばかりに、表面的な「キラキラ」に焦らされたり、惑わされたりしてしまう。
でも、その状態で進路や今後のことを決断してしまうと、やっぱり後悔しちゃうかもしれない。どんな仕事でもそうですが、裏側では意外と泥臭かったり、必死な努力が求められるものですから。

よこちるどれん)だからこそ、ここでも「なぜ何者かになりたいと思うのか」と本音に向き合って考えてほしい。
それに、SNSで発信している自分が言うのも何ですが、別に「何者かになろう」と焦る必要はまったくないですしね。
そもそもどんな仕事を、どんなことをしていても、そこであなたが必要とされている時点でもう「何者か」になっているわけですから。
ベストマッチな輝き方を見つけるという点でも、自分に向き合うことはやはり大切だと思います。
「知る力」さえあれば

──まずは自分を知ることが大切なんですね。
よこちるどれん)そうですね。だから知るための手段を知って「知る力」を高めるというのは、とても大切だと思います。
それは自分へ向いた矢印においてもそうですし、外側へ向いた矢印、つまり「他者を知る力」という観点でもです。
仕事においてコミュニケーションってすごく大事じゃないですか。相手に合わせた適切な言葉が選べるか、相手が話したいことを引き出せるか、とか。
この「相手のことを知る力」は、すべての仕事の基礎になるんじゃないかと思います。むしろ、これがないと仕事にならないというか。

よこちるどれん)就活という場面でも、相手を知る力ってめっちゃ重要ですよね。
面接官が投げてきた質問の意図は何なのか、自分に何を求めているのか。そこを読み解けるかが面接では見られているわけで。
就活中はこの「知る力」を高めていくことを意識してもいいんじゃないでしょうか。
そのまま受け取らず、変換して咀嚼する
──よこちるさんはどのように「知る力」を高めていったのでしょうか?
よこちるどれん)仕事をしていくうちに、が正しいですが、やっぱり上司や周りの人からのアドバイスでブラッシュアップしていった実感はありますね。
伊勢丹で働いていたときのことです。3年目くらいのときだったかな。『ヨウジヤマモト』の店長さんに、「相手が言ったことを一旦受け止めて、考えてから発言しろ」って。
つまり、意見を受け入れたあと、一度頭の中で変換して、その意見が正しいのか、正しくないのか、自分が言っていることは適切なのか、しっかりとシミュレートして言葉として出力しろ、ということだったんですね。
そうすれば、仮に違う意見をもっていたとしても衝突したり、お互いに不快に思ったりすることはないと。

──大切な教えですね。
よこちるどれん)会社違うのにこんな良いこと言ってもらえて、ありがたいですよね(笑)。単純な話に見えますが、当時の自分にとってはとても重要な話でした。
新卒とか、若いうちって人から怒られたりすることってめっちゃあると思うんですね。就活時も面接官から厳しいフィードバックをもらうこともあるだろうし。
そんなときも、そのままダイレクトに受け止めるんじゃなくて、一度頭の中で変換してみる。「この人はなぜ自分に怒ったのだろう」「なぜこう言ったんだろう」と考えて咀嚼してみる。
すると、すんなり学びとして受け止められるかもしれません。
身に付けているものにヒントがある

よこちるどれん)ちょっと実践的な話になりますが、コミュニケーション術のヒントとして、「相手が身に付けているものを深掘りする」のも効果的ですね。
着ている服装からアクセサリー、髪型ってその人が自分で判断して選んだものなので、そこに興味を示すことで、相手も心を開きやすくなるんです。
相手側としても話しやすい話題だし、こだわりをもって選んでいる人であればあるほど、そういうのって語りたいじゃないですか(笑)。
面接が始まる前の雑談とか、ちょっとしたアイスブレイクなんかにも使えるトークテーマだと思います。
──これも会社の上司の方に教えてもらったのでしょうか?
よこちるどれん)いや、わらび餅屋さんの店主に教えてもらいました(笑)。
服は服、生活は生活

──これだけ「知る」手段を知っておけば、コミュニケーションのレベルも一段上げられそうですね。
よこちるどれん)そうかもしれないですね。ただ、個人的にはやはり「自分を知る」にこそ時間をかけてほしいな、とは思います。
特に就活は非常に大きな決断を迫られることになりますし、何を大切にしたいのかを見誤ってしまうと辛い結果になります。
自分にとって一番優先したいことは何なのか、その点をしっかりと言語化して、それをとことん大切にできる選択をする。それがベストな就活の進め方じゃないでしょうか。
僕も服をずっと軸にキャリアを積み上げてきましたが、服は服、生活は生活って切り分けて考えていて、大切にしたいものの優先度は明確にしています。

生活もサイジングが大事
──ちょっと意外です。
よこちるどれん)そこまで突き抜けている人もかっこいいと思うんですが、僕の場合、それって無理が来ちゃうと思うんですね。
だから家具とか食器とかにまで、服のような熱量を傾けているわけではありません。でも、それこそが「僕なりの生活」なんですね。
「無理をして頑張った自分」を演出し続けた先で破綻してしまうよりは、等身大の生活をちゃんと成り立たせることが大事だと思います。
着こなしはサイジングが大切なように、生活もまた自分にあったサイズを選ぶことが大切というわけです。

存分に「自分」を伝えられるチャンスを楽しんで!
──それでは、最後に読者へメッセージをお願いします。
よこちるどれん)就活は自分の強みや魅力を、面と向かって存分にプレゼンできるチャンスです。
自分のこんなところがすごい、こんなことが好き、そんなふうに初対面の人にたっぷり話せる場ってなかなかないですよね。そう考えたら、少しワクワクしてきませんか?
さまざまな出会いが待っている就活をぜひチャンスととらえて、楽しんでみてください。応援しています!

取材・執筆・撮影:小林駿平
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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