就活は3月がカギ! 前後でやることリストと全体スケジュールを解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

    Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/コラボレーター代表

    Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士

    Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 就活の全体スケジュールから3月の重要性を確認しよう
  • 3月までに終わらせたい就活準備11選を優先度順にチェック
  • 就活準備ができないまま3月を迎えた人がやるべき行動も解説

「就活は3月から」と聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。しかし、3月から具体的には何をすれば良いのか、さまざまな情報があふれる昨今では迷ってしまいますよね。

大学3年生の3月になると、学生も企業も就活に向けて本格的に動き出します。周囲に遅れを取らないためには、3月までにおこなっておくべき準備を把握しておくことが重要です。

この記事では、キャリアアドバイザーの野村さん、板谷さん、瀧本さんとともに、3月にどのような行動を取ると就活をスムーズに進められるかを解説します。まだ就活の全容を把握できていない人や、準備が不十分なまま3月を迎えてしまった人はぜひ参考にしてください。

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目次

就活は3月が転換点! 内定から逆算した行動計画で準備を整えよう

就活は3月1日から本格的に動き出しますが、そのスタートダッシュに乗り遅れないためにはそれ以前に十分な準備をしておかなくてはなりません。初動が遅れると、周囲との差が開くだけでなく、志望企業の説明会や選考を受けられない可能性もあるのです。

記事ではまず、就活の全体的なスケジュールを踏まえて3月の動き出しについて詳細を説明します。3月にどのような動きをすべきかを把握したのち、必要な準備を考えていきましょう。就活準備のなかには数日から数週間かかるものもあるので、早め早めの行動が鍵です。

しかし、さまざまな事情によって3月まで就活のことを考えられなかった人もいますよね。周囲に遅れを取ってしまったときに真っ先にやるべきことも紹介するので、優先順位を明確にしたメリハリある行動で遅れを取り返し、志望企業の内定を獲得しましょう。

面接が上手くいかないときは、面接回答集を活用してください

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これらの質問に一目で答えられる!(一部)
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【花王株式会社】
・この職種を希望する理由を教えてください。
・あなたにとって仕事とは何ですか。
【森永製菓】
・あなたの強みを当社でどう生かせますか。
・当社の業界を志望する理由を教えてください。

なぜ3月が重要? 就活スケジュールから3つの理由をチェック

4年制大学の学生の一般的な就活スケジュール

一般的に就活は3月から本格的に動き出すといわれていますが、そもそも本格的な動きとはどのようなものを指すのでしょうか。

まずは就活の全体的なスケジュールを参照しながら、なぜ就活で3月がそれほど重要になるのかを確認していきます。全体の流れを把握し、自分の就活をより具体的にイメージしていってください。

就活のスケジュールについてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

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①企業がエントリーを受け付け始める

3月1日になると、多くの企業がエントリーを受け付け始めます。エントリーとは「その企業に興味がある」という意思表示であり、説明会の案内など就活に必要不可欠な情報を受け取るための行為です

エントリーしたからといってその企業の選考に絶対に応募しなくてはいけないわけではありませんが、エントリーをおこなわないと説明会への参加や選考への応募ができません。よって、就職したい業界・企業が決まっていない人も、円滑な情報収集や応募のために3月からエントリーをおこなう必要があります。

なお、多くの企業がエントリーの受け付けを3月1日に始めるのは、政府が企業に対して就活スケジュールの基準を以下のようにアナウンスしているためです。これは就活が学生の学業の足かせにならないためのルールであり、基本的には各企業がこのスケジュールに沿って採用活動を進めます。

広報活動開始卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
採用選考活動開始卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日卒業・修了年度の10月1日以降
内閣官房が定める就職・採用活動日程ルール

野村 芳克

プロフィール

業界や企業方針によって異なりますが、3月中にエントリーを締め切る企業もあります。 特にコンサルティング業界や総合商社など、学生からの人気が高い企業はエントリーを早期に締め切る傾向が高いです。

希望する企業の動きを早めに確認し、間に合うようにエントリーシート(ES)準備や面接対策を進めることが大切です。

エントリーの開始は「就活解禁」と呼ばれることもあります。こちらの記事ではエントリー開始前後の最新のスケジュールを詳しく解説しているので、就活を控えている学生はぜひ目を通してください。

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なお、企業に興味を持ったと示すことをプレエントリー、選考に参加することをエントリーと細かく分けて呼ぶこともあります。説明会などで聞いたときに戸惑わないよう、こちらの記事で細かな違いを確認しておきましょう。

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まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

②多くの企業で説明会が開催される

エントリーを済ませると、企業説明会に参加できるようになります。説明会ではその企業のビジネスにまつわる基本的な話や、社員の働き方、選考から入社までのおおよその日程などが聞けます。

多くの企業は3月中に複数回の説明会を開催するので、都合の良い日程の説明会へ参加を申し込みましょう。なお、一回の説明会に参加できる学生の人数に上限を設定している企業もあるので、申し込みは早めにおこなうのがおすすめです。

ホームページ(HP)に詳しい情報を載せる企業もありますが、説明会は企業の社員から直接話を聞ける貴重な機会です。新卒で入社した社員が登壇し、働きやすさや入社してから大変だったことなどを話してくれることもあります。

説明会に参加したらその企業の選考を絶対に受けなくてはならないというわけではないので、企業研究だけでなく、業界研究・職種研究のために説明会を活用するのも手です

説明会に参加しなくても選考を受けることはできますか?

瀧本博史

プロフィール

選考は受けられるが情報収集がしづらくなる可能性がある

企業が主催する説明会に参加せずに選考を受けることは可能です。企業説明会は、企業や業界について理解を深めるために役立つものですが、参加しなかったからといって選考を受ける権利を失うことはありません。

また、説明会に参加したかどうかが企業に自動的に知られることはないので、選考への影響もないと考えて良いです。

ただし、説明会で得られる情報や社員とつながる機会を逃すことで、志望動機や面接での発言に深みを持たせることが難しくなるかもしれません。

説明会参加者限定の選考情報を用意する企業もあるため、可能であれば参加することが望ましいでしょう。

企業説明会を有効活用するためのコツを以下の記事で解説しているので、併せて参考にしてみてください。

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③選考がスタートする

説明会だけでなく、選考も3月から始まります。3月から始まることが多いのは書類選考です。

企業によっては3月中に書類選考を終わらせてしまうこともあるので、3月の早いうちに志望企業の説明会に参加し、各企業の選考スケジュールをしっかりと把握しておくことが大切です。そのためには、3月までに志望企業・業界をある程度絞り込む必要があります。

さらに書類選考を通過する時期によっては、適性検査や面接も3月中におこなうことになります。企業の判断スピードや選考フローによっては3月中に合否が確定するので、3月までに選考対策を完了させておくことが重要です。

このように就活は3月中に本格化するため、3月に入る前にできる限りの準備を整えておくことでライバルとの差をつけることができます。

板谷 侑香里

プロフィール

選考の内容は企業によって異なりますが、ES、適性検査、グループディスカッション、面接などさまざまな項目があります。

複数の選考を通して企業とのミスマッチを減らしたい学生と、優秀な学生を早い段階で採用したい企業の思いから、選考が3月に始まることが一般化しています。

時期に応じた選考対策についてはこちらの記事でも解説しています。就活の全体像と併せて確認しましょう。

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既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

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就活の本当のスタートは3月じゃない? 近年の就活の実態とは

就活の本当のスタートは3月じゃない? 近年の就活の実態とは

  • 早期選考をおこなう企業は増加中
  • 3月までに内々定を獲得する学生は約35%

前章では政府の要請をベースにした就活スケジュールについて解説しましたが、「就活が早期化している」という話を聞いたことがある人や、身近に3月以前に内々定を獲得している知人がいた人もいるでしょう。

エントリーが3月から始まるにもかかわらず、それよりも前に就活を進められる学生がいるのはなぜなのでしょうか。ここからは近年の就活の実態について、企業目線・学生目線でそれぞれ解説します。

早期選考をおこなう企業は増加中

早期選考とは、3月から動き出す一般的な選考よりも前におこなわれる選考を指します。企業は就職に意欲的な学生といち早く接点を持つことで、自社に興味を持ってもらおうとしているのです

早期選考を受けるには、3月よりも前にエントリー受付を開始する企業を探したり、選考とセットになっているインターンシップや就活イベントに参加したりする必要があります。

マイナビの2025年卒企業新卒採用予定調査によると、2月以前に選考を開始した企業はアンケートに回答した1,679社のうち36.0%です。前年度は1,900社中26.4%だったので、割合で見れば9.6%増えています。

なお、エントリーを受け付け始める時期を前年度より早めると回答した企業が1,679社中26.5%、遅らせた企業は0.9%で、企業は選考を始める時期を早めている傾向にあるとわかります。

さらに同調査は、選考に直結する企業説明会やセミナーを2月以前に開始した企業は1,440社のうち29.7%だったと報告しています。前年度は1,666社中21.6%であり、やはり割合は増しています。早期選考につながるルートを設け、学生からのコンタクトを歓迎している企業の割合が増えているのです。

これらの結果を踏まえると、実際の就活は3月よりも前に始まっているといえます。

野村 芳克

プロフィール

特に早期選考に前向きな企業として、大手金融機関やコンサルティングファーム、IT企業が挙げられます。

これらの企業の狙いは、優秀な学生を早期に確保して採用競争を回避することです。インターンなどを活用し、ミスマッチなどの採用リスクを低減させようと考えているのです。

早期選考に積極的な企業が多い業界については以下の記事でそれぞれ詳しく解説しているので、早期選考を受けてみたい人はぜひ目を通してください。

金融業界
金融業界を徹底調査! 押さえておくべきトレンドや対策まで大解剖

コンサル業界
例文12選|コンサルの志望動機で必須のアピール内容とNG例を解説

IT業界
IT業界を徹底解剖! 押さえておきたい将来性やトレンドまで解説

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

3月までに内々定を獲得する学生は約35%

マイナビの2025年卒大学生活動実態調査(3月1日)によると、アンケートに回答した2025年卒の学生1,200人のうち、34.3%が3月1日時点で内々定を保有しています。前年度同月は3,080人中18.1%、一昨年度同月は5,769人中15.1%です。

母数が変わっていることには注意が必要ですが、年々内々定の保有率が上がっている点は注目です。特に2024年度から2025年度は内々定率が16.2%上昇しています。このタイミングで内々定を獲得するには、2月以前に選考を終わらせていなくてはなりません。

早期選考に参加した学生はそうでない学生よりも就活に慣れています。すでに内々定を保有しているとそれ以降の就活も精神的ゆとりを持って取り組むことができ、内々定を保有していなくとも経験を活かして準備を充実させられます。

先に挙げた調査によると、3月までに内々定を獲得した2025年卒の学生のうち、71.6%が就活を継続する予定です。本選考ではゆとりや経験を持った学生とも比較されてしまうので、早期選考に参加していない人はその差を埋めるための対策を練る必要があります

就活準備は3月からでも間に合う? キャリアアドバイザーが解説

ここまで解説したように、就活が本格的に動き出す3月までに十分な準備ができていれば、周囲に遅れを取ることはありません。

とはいえ、就活の早期化や、学生が3月1日に一斉に企業説明会の予約枠を確保しようとするという意味の「クリック戦争」などの言葉を聞いていると、「3月からの準備では間に合わないのでは?」と不安に感じるかもしれません。

そこで就活準備を始めるベストな時期はいつなのか、3月からの準備で注意すべきことは何か、キャリアコンサルタントの瀧本さんに話を聞きました。瀧本さんはこれまで4万件以上のキャリア面談を実施した経験を持ち、大学での講演実績も持っています。瀧本さんの意見を参考に、就活準備をいつから始めるべきか考えていきましょう。

アドバイザーコメント

就活は3月から本格化するのでそこまでに準備を終わらせておくべき

大学生が就活準備を始めるタイミングは、できるだけ早めが良いです。一般的には、大学3年生の4~6月にかけて、自己分析や業界研究を始め、夏のインターンに備えるのが良いとされています。

最近は、夏のインターンやオープンカンパニー直後に早期選考の案内が来ることも多く、冬の1day仕事体験からも早期選考の案内が高確率で来ます。

一部の経団連加盟企業では大学3年生の3月に企業の広報活動が解禁され、6月から本格的な選考が始まるため、3月時点で何も準備をしていない場合、やや遅れを取るかもしれません。

人気業界・企業の選考を受けたい人ほど早い動き出しが重要

とはいえ、3月からのスタートでも、しっかりと集中して取り組めば巻き返しは可能です。

しかし、特にIT業界や外資系企業、人材業界などでは早期選考が進む傾向があるため、早めの準備が一層重要です。

3月からでも間に合うものの、準備を怠ると人気企業や競争の激しい業界では不利になることがあります。そのため、できるだけ早い段階での自己分析やES添削、インターン参加を強くおすすめします。

近年は大学3年生のうちに就活準備を進める動きが一般化しつつあるため、準備に取り掛かっていない状態だと「本当にこのままで大丈夫なのか」と不安に感じる人もいますよね。まず取り組むべきことをこちらの記事で解説しているので、併せて参考にしてください。

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あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

職業選択においてやりたいことはもちろんですが、その中でも適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうため適職への理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業と低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみよう!

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優先度別に解説! 3月までに終わらせたい11の就活準備

就活は3月に入ると同時に本格的に動き出すため、周囲のライバルもそのタイミングに照準を合わせて準備を進めます。とはいえ、準備とは具体的に何をしたら良いのかわからない人もいますよね。

この章では3月までに終わらせておくべき11の就活準備を、優先度別に解説します。3月までの猶予を考えつつ、スムーズに就活を進められるよう、今すべき準備が何かを把握しましょう。

就活準備の始め方はこちらの記事でも解説しているので、就活対策の内容を時期別に確認したい人はぜひ参考にしてください。

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必須の準備3選:エントリーに備える

まずはエントリーにかかわる3つの準備について説明します。エントリーしていない企業の説明会や選考には参加できないため、今から紹介する3つの準備は就活準備のなかでも非常に重要度が高いといえます。

準備に時間がかかるものや、準備すべきタイミングが決まっているものもあるので、万全の状態でスタートダッシュを切れるよう、多くの企業でエントリーが始まる3月1日を見すえて行動していきましょう

なお、就活で一般的に求められるマナーには一部男女で異なるものもあります。面接官によっては気にすることもあるので、知識として押さえつつ、自分らしさを発揮できる企業探しに役立ててください。

①就活サイトへの登録

企業にエントリーするには大きく2つの方法があります。各企業のHPから直接エントリーする方法と、大手就活サイトを経由してエントリーする方法です。

就活サイトの例

企業HPからエントリーするには、その企業のことを事前に知っていなくてはなりません。一方で就活サイトには有名企業だけでなく隠れた優良企業や中小企業の求人も掲載されています。3月1日からのエントリー開始に備え、2月中には登録を完了させましょう。エントリーしたい企業に目星をつけておくと、3月以降の行動がさらにスムーズになります

また、就活サイトを経由して説明会や選考の日程を決めると、スケジュールを一括で確認できます。ダブルブッキングによる直前のキャンセルは印象を悪くしてしまうので、就活サイトを使わない場合はいっそうスケジュール管理に注意が必要です。

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②証明写真の撮影

好印象を残す証明写真の撮り方

エントリーに使うサイトによっては、証明写真の登録を求められることがあります。履歴書の提出でも必要になるので、早めに撮影しておきましょう。

履歴書に貼る証明写真は、縦4cm×横3cmのサイズが一般的です。近年は履歴書などをWebで送ることも多いので、実物だけでなくデータでも保存しておくと便利です。

撮影の際はスーツを着用し、目や表情が隠れないよう髪を整え、自然な表情で臨みます。化粧をする場合は、顔立ちを活かしたナチュラルメイクが一般的なビジネスマナーとされていることを念頭に置きましょう。企業によって服装や化粧、ポーズを指定される場合があるので、応募時にはその点も注意してください。

なお、証明写真は3カ月以内に撮ったものを使うのが一般的です。証明写真は本人確認のために使うものであり、面接などで対面したときに写真と本人の印象が大きく違っていると違和感を持たれる可能性があります。証明写真は適切なタイミングでの撮影を心掛けましょう。

証明写真の映りが悪いと不合格になるって本当ですか?

板谷 侑香里

プロフィール

証明写真から受ける印象は合否を分ける要因になる

就活では第一印象がきわめて重要で、証明写真の映りが悪くて選考に進めないという例もあるくらいです。

倍率の高いアナウンサーやキャビンアテンダントなどの職業を受験する際には、職業に相応しいメイクや服装で写真撮影してもらえるスタジオで撮影する人も一定数います。

スマホでの撮影自体がだめというわけではないですが、ビジネスカジュアルやフォーマルな服装を選び、明るい場所で背景に気を付けて撮影するべきです。

「スマホで」「自然体で」といった指定がない場合には、明らかにスマホの自撮りだとわかる写真も相応しくありません。

また過度な加工で顔の印象を変えてしまうと、面接で実際に会った際に、「写真と違い過ぎる」ということでネガティブな評価につながってしまいます。適度な加工に留めておきましょう。

証明写真をデータで提出するよう求められたとき、「実物しか持っていない」「データが見つからない」と困ってしまわないよう、データ化の方法も確認しておきましょう。

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③リクルートスーツ・小物の用意

スーツ類は証明写真の撮影のほか、説明会に参加するときにも必要になる可能性があります。たとえWebでの説明会だとしても、企業から特段の指示がない限りはビジネスマナーに従ってスーツで参加するのが無難です。対面形式の説明会であれば小物も必要になります。

就活で必要になる衣服・小物類

  • リクルートスーツ
  • シャツ・ブラウス
  • 自立するA4サイズ対応のビジネスバッグ
  • 革靴・パンプス
  • ストッキング(スカートの場合)
  • 腕時計
  • コート

色味は黒・紺・グレーのいずれかで統一するとまとまりが出ます。模様や装飾が目立つデザインはビジネスシーンにふさわしくない印象を与える恐れがあるので避けましょう。

スーツショップで就活用に売り出されているものであれば色・デザインともに問題ないので、そこで一式そろえるのも手です。

自分に合ったサイズのものを取り寄せたり、裾直しをしたりする場合には、実物が手元に届くまで時間がかかります。2月上旬から中旬までに手配を済ませ、3月に入る前に手元にある状態にしましょう。

就活で好印象を残すスーツの着こなしについては以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。

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重要な準備5選:選考に向けて動き出す

エントリーや説明会の後には選考が始まります。第一フェーズである書類選考は始まるのが早いうえ、各企業の締め切りも重なりやすいので、早めに準備をしておかないと志望企業に応募し損ねてしまうかもしれません

また、書類選考は最も多くのライバルと枠を競うフェーズです。充実した内容の書類を送って採用担当者に好印象を残し、面接へ駒を進めましょう。

①自己分析をおこなう

自己分析とは、自分の得手不得手、性質、価値観などを分析することです。

「自分のことはすでによくわかっている」と思うかもしれませんが、働いたことのない学生にとって、本当に自分に合った業界・企業を見つけるのは難易度が高いです。自分の価値観を深掘りし、働きがいを感じられる企業の条件を明確にしましょう

「なぜ規模の大きな仕事に携わりたいのか」「なぜ生活に密着した仕事がしたいのか」などを自問し、そういった価値観を持ったきっかけを第三者にもわかるように説明できるようにしていくと、価値観・条件の明確化がスムーズに進みます。

また就活では、「なぜこの業界に興味があるのか」「なぜ自社に入りたいのか」「どうしてほかの企業ではだめなのか」と、自分の主張を多角的に深掘りされます。論理的思考力やプレゼンテーション能力も就活では評価の対象になるので、価値観についてロジカルに説明する練習も併せておこないましょう。

瀧本博史

プロフィール

3月までに自己分析を完成させておくことで、自分の強みや志向性が明確になり、それをもとにした企業選びやESの作成もスムーズにできます。

これによって志望動機や面接時の回答に具体性と説得力を持たせることができるため、選考の通過率も向上するでしょう。

具体的な自己分析の進め方はこちらの記事で解説しています。自己分析に活用できるフォーマットも紹介しているのでぜひ役立ててください。

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自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。

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②業界・企業研究を進める

志望業界、志望企業の特徴や市場での立場、トレンドなどを調査することを業界研究・企業研究といいます。志望動機などを書く際に企業について調べる学生は多いですが、企業への理解をさらに深めるには、その企業が属している業界を知ることも非常に重要です

志望企業が業界のなかでどのような立ち位置にいるのか、業界全体はどのように動いているかなどを総合的に考えると、「この企業が業界トップを目指すには、技術力を磨くよりも、技術をもっと幅広いところで活かすべきだ」などと企業の将来の動きを想像できるようになります。

こういった仮説は入社後に何をしたいかを考える際にとても役に立ちます。入社後のビジョンが明確だと志望度が高く企業理解が深いことが企業にも伝わりやすく、内定獲得にもぐっと近付きます。

業界・企業研究は3月までにどの程度まで終わらせるべきですか?

野村 芳克

プロフィール

3月までに志望業界の動向について持論を展開できるようになろう

業界・企業研究は3月までに可能な限り完了させておきましょう。

完了した状態を具体的にいうと、まず業界の課題や市場動向、主要企業の立ち位置について把握します。そしてトップ企業がどのような戦略を立案しているのか、自らの考察を加えて言語化できると完了です。

つまり、業界の今後の動きについての持論がある状態です。

特に面接試験で聞かれそうな質問に対して、自分なりの視点や考えを明確に述べることができる程度に準備できれば、ライバルに差をつける大きな強みとなるでしょう。

業界研究・企業研究の具体的な進め方は以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

業界研究
業界研究のやり方|業界全体をとらえたうえで気になる業界を研究しよう

企業研究
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!

③履歴書を書く

履歴書はESと一緒に送ることが多いですが、ESと違って提出先に応じて内容を変更する必要がほとんどありません。都度提出するとしても、内容の準備だけ先に済ませてしまいましょう。

履歴書に書く内容は、氏名、生年月日、住所と連絡先、学歴・職歴、保有資格などです。自分自身のことを書くのにわざわざ事前準備が要るのかと疑問に思う人もいるかもしれませんが、履歴書は形式に慣れていないと書くのに時間を要する可能性があります。

Webでの提出のためにWordやExcelで履歴書を作成する場合も同様です。提出物に書き損じのないよう前もって丁寧に進めてください

また、履歴書の種類によっては自己紹介や趣味を書く欄があります。この場合は、企業にどのようなイメージを持ってもらいたいかを考えて内容を決めましょう。志望動機や自己PRを記入するのであれば、企業研究の内容を盛り込むことも重要です。人となりを伝えつつ、自分の強みをしっかりとアピールしていきましょう。

履歴書に志望動機や長所を書く欄があります。ESとは違うことを書くほうが良いですか?

野村 芳克

プロフィール

履歴書とESでは企業の評価基準が異なるので書き方を変えよう

企業側は、履歴書で基本的な情報や人となりを確認し、ESではさらに深い部分を見たいと考えています。

そのため、内容をまったく変える必要はありませんが、履歴書とESでは視点を変えて意見を述べることが望ましいです。

たとえば、履歴書に自分の興味関心や志望動機を書いたとしたら、ESで同じ質問に答える際はその背景にある具体的なエピソードを盛り込むといった工夫が効果的です。

同じテーマであっても、それぞれの書類の役割に応じた記載をしましょう。

新卒の履歴書の書き方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ目を通してください。

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④ビジネスマナーを身に付ける

なかにはビジネスマナーに苦手意識を持っている人もいるかもしれませんが、自信がないものこそ時間をかけて準備しましょう。ビジネスマナーは社会人の基礎を押さえているかどうかの判断基準にもなります

特にビジネスマナーの習熟度が問われるのは面接です。面接では身だしなみ、言葉遣い、姿勢、所作をおもにチェックされます。

そのなかでも身だしなみと姿勢は得手不得手ではなく意識の問題として受け取られやすく、一定レベルに到達していないと面接官に悪い印象を残す原因になりかねません。

面接前の身だしなみチェックリスト

  • 髪色・メイク・スーツの色は派手でないか
  • 髪が乱れていないか
  • 衣服にシワ・汚れ・ほつれはないか
  • 靴に汚れはないか
  • シャツの裾が出ていないか

姿勢は、立っているときも座っているときも背筋を伸ばし、肩を丸めないように注意してください。目線は面接官と合わせましょう。身だしなみや姿勢の乱れはだらしない印象をもたらすため、「仕事のやり方も雑なのではないか」「顧客からの自社へのイメージを下げるのでは」と不安視されてしまいます。

ビジネスマナーは面接前だけでなく日頃からも意識することで、自然と身に付けられます。習慣化での対策を図りましょう。

ビジネスマナーについては以下の記事でも詳しく解説しているので、併せて参考にしてみてください。

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⑤適性検査・筆記試験に向けて予習する

適性検査とは、性格検査と能力検査が一体になったテストのことで、SPIや玉手箱がその代表例です。学生の基礎能力と性格を把握し、企業や業務との相性を確認するのが企業の目的です

対策が必要になるのはおもに能力検査で、これはおもに国語力を問う言語分野と、計算力を問う非言語分野の二部構成になっています。一問一問に制限時間がついているので、得意な問題を素早く解いてもその時間を苦手な問題に回すことはできません。

問題自体の難易度以上に、形式に慣れているかどうかが結果を左右します。だからこそ適性検査を受ける3月よりも前に予習を始めることで、経験値を積むことが重要です。

ただし、点数が高いからといって必ず選考を通過できるわけではありません。合格ラインが企業によって異なることはもちろん、適性検査の合否は基礎能力と性格の総合判断で決まるからです。あくまでも学生と企業の相性を見るツールなので、予習で不安を取り除き、自然体で臨むことを大切にしてください。

性格を企業の求める人物像に寄せたほうが適性検査に受かりやすいですか?

板谷 侑香里

プロフィール

ミスマッチのリスクになるのでまったくの嘘はやめよう

性格を企業の求める人物像に寄せたほうが、適性検査に受かりやすいことはあるかもしれません。

ただ、適性検査では矛盾点についてや信頼係数などの数値も出されるため、人物像を寄せたからといって、その結果が必ずしも「信頼に値する」と判断されるとは限らないことも覚えておきましょう。

また人物像を偽って入社することができたとしても、ずっと偽り続けた性格を演じ続ける必要が出てきてしまうので、職場に馴染めずに苦しんだり、早期離職へつながったりする危険もあります。

企業に少し寄せる程度にしておいたほうが賢明です。

適性検査の対策については以下の記事で詳しく解説しています。適性検査は複数種類あるので、志望企業が用いる適性検査に対応できるよう、早めに対策を始めましょう。

適性検査とは
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有益な準備3選:就活の質を上げる

ここまでに紹介した計8つの準備は、就活を進めると必ずどこかのタイミングで求められるものでした。ここからはさらに一歩踏み込み、将来像を明確化したり、早くから面接の経験を積んだりできる準備について説明します。

これまでの準備よりもさらに前から取り掛からなくてはならないものですが、その分ライバルとの差をつける大きなチャンスです。時間的な余裕がある人はぜひ試してみてください。

①インターンに参加する

インターンの時期は大きく夏季・冬季に分けられ、サマーインターンは7~10月頃、ウィンターインターンは10~2月頃にそれぞれおこなわれます。夏季は大学の夏休みに重なるため、長期インターンを開催する企業もあります。反対に冬季は短期インターンが中心です。

インターンは企業説明会と就業体験がセットになっていることが多く、企業の情報を先んじて知ることができるうえ、通常入社後に知るはずの業務に触れることができるため、その企業・業務と自分の価値観がマッチしているかを確認することができます

さらに、インターンが早期選考の入り口になっていることも珍しくないので、実際の選考を早くに体験したい人にとっても有益です。インターンは参加できる人数が限られているので、興味のある業界・企業のインターンには早めに申し込みましょう。

3月までにインターンに参加していないと就活で不利になりますか?

瀧本博史

プロフィール

多少の機会損失はあるものの入念な準備でカバー可能

3月までにインターンに参加していないからといって、必ずしも就活で不利になるとは限りません。

ただし、インターンに参加することで得られる経験や企業との接点、自己分析の機会は、就活を有利に進めるための重要な要素です。インターンが早期選考につながることもあるため、参加しない場合、それらの機会を逃す可能性があります。

とはいえ、インターンに参加しなくてもほかの方法で自己分析や企業研究をおこない、十分な準備をしていれば問題ありません。

3月以降でも短期インターンや説明会をおこなう企業はあるので、それらのチャンスも有効に活用しましょう。

インターンへの参加方法やインターンの役立て方は以下の記事で詳しく解説しているので、参加してみたい人はぜひ目を通してください。

インターンの選び方
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説

インターンの選考対策
インターン選考は何を見てる? 受かる対策の秘訣を企業目線で解説

②OB・OGを訪問する

OB・OG訪問とは、志望企業に勤める大学の先輩に、業界・企業のことを直接質問する情報収集のことです。近年は意味が広がり、自分が直接コンタクトを取った社会人にインタビューすること全般をOB・OG訪問と呼ぶようになっています。

説明会などの企業が設ける情報収集の場は、志望職種の経験者など、自分が話を聞きたい経歴の社員が来るとは限りません。また、説明会に呼ばれた社員は企業の代表として話をするので、情報が広く浅くなる可能性もあります。業務の詳細や企業の実情などを聞きたい人は、OB・OG訪問をおこなうのがおすすめです

OB・OG訪問に決まった時期はありませんが、相手は勤務のかたわら善意でOB・OG訪問に協力してくれているので、相手の都合を考えた日程調整で誠意を示しましょう。

訪問先を探す際は、大学のキャリアセンターの名簿を見たり、OB・OG訪問を支援するアプリを活用したりするとスムーズに連絡が取れます。

OB・OG訪問のおこない方や進め方は以下の記事を参考にしてみてください。

OB・OG訪問の手順
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅

OB・OG訪問の質問
OB・OG訪問は質問選びが鍵! おすすめ質問100選を紹介

③早期選考を受ける

そもそも早期選考とは、一般的なエントリー解禁日である3月1日以前におこなわれる選考のことです。

早期選考を受けるには、早期選考がセットになっているインターンに参加したり、スカウト型の就活サイトに登録したり、リクルーター面談やOB・OG訪問で案内を受けたりとさまざまな方法があります。

早期選考は本選考に比べて参加ハードルが高く、主体的に行動しないとチャンスをつかめません。まずは就活サイトに登録しつつ、インターンを探してみるのがおすすめです。

早期選考で内々定をもらえればその後の就活にゆとりを持って臨めるというメリットがあり、不採用だったとしても自分の弱点や準備不足に早くから気付けます。内々定を獲得したからといってその企業に必ず入らなくてはならないわけではないので、面接の練習として選考を受けるのも手です。

板谷 侑香里

プロフィール

早期選考は、企業からある程度優秀だと認識された学生が集まっているので、全体の人数が少ないにもかかわらず倍率は高いといったことがあります。

また、学生と企業の間の関係性が構築されている早期選考では、少ない面接回数で選考を進められます。

一方、本選考は書類選考の通過率が低い傾向にあることと、段階的な選考フローが特徴です。

早期選考に前向きな業界についてはこちらの記事でも解説しているので、早期選考を受けてみたいと考える人はぜひ目を通してください。

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早期選考を実施する業界一覧! 早めに内定を獲得する5つの秘策

キャリアコンサルタントとともに早期選考の対策方法を解説しています。就活生のレベルが高く、入念な準備が必要な早期選考。どのような対策方法が有効なのか、キャリアコンサルタントの視点から解説します。

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いざ3月になったら! 理想的な過ごし方を就労支援のプロが解説

ここまで、就活が本格化する3月までにおこなうべきことについて解説してきました。就活は社会人としてのスタートを決める重要なアクションです。入念な準備をおこない、万全の体勢で臨みましょう。

しかし、準備さえできていれば3月以降は安泰というわけではありません。自分に合った企業とのマッチングを果たすためには、説明会や選考を受けながら考えるべきことがあるはずです

今回はキャリアコンサルタントの野村さんに、就活中の学生が3月中におこなうべきことを聞いてみました。野村さんは民間企業で約10年間採用に携わった経験を持っています。面接官経験者のアドバイスをもとに、3月の有効な過ごし方を考えていきましょう。

アドバイザーコメント

3月は各企業の動きに応じて具体的な就活準備を進める必要がある

3月は就活が本格化するために非常に重要な時期です。この時期の準備が、後の選考結果に大きく影響します。

まず3月1日以降、多くの企業がエントリーの受付を開始します。特に人気の企業や業界では、定員数がいっぱいになってすぐに受付を終了してしまうことも多いため、興味のある企業へのエントリーは優先的におこなってください。

そして説明会でつかんだ企業の特徴をふまえ、自分がその企業でどのように働きたいかというイメージを明確化します。この時、思い浮かべた将来像を実現させるために自分のどのような強みが活かせるかも併せて考えましょう。それが自己PRの内容に直結します。

また、3月は多くの企業がESや履歴書の提出を求めるタイミングでもあるので、書類作成に集中し、各企業の求める人物像に合わせて内容を適宜調整する必要もあります。

自身の興味関心や経験を適切にアピールするには、企業側に関心を持ってもらえるよう、応募先に合わせてプレゼン内容をカスタムすることが重要です。

3月は待機ではなく行動のための期間だと考えよう

3月は準備を整える月というより、3月以降も業界研究や企業研究を継続し行動をしていくという気持ちを持ち続けましょう。一つひとつの行動を確実に実行し、焦らず進むことが成功への鍵となります。

納得度が上がる! 3月以降にもやるべき3つの就活対策

納得度が上がる! 3月以降にもやるべき3つの就活対策

  • 自己分析をさらに深めよう
  • 業界・企業研究の対象を広げよう
  • 本番に近い形の模擬面接を依頼しよう

3月までにおこなうべき準備、3月中におこなうべき準備についてそれぞれ解説してきましたが、就活は3月で終わるわけではありません。

選考は4月以降も続くことが多く、そうでなくともこれまでと違う企業の説明会に参加することもあります。だからこそ、継続的に対策をおこなう必要があるのです。

ここからは、3月1日を過ぎてからも継続的におこなうべき就活対策を紹介します。これまでの準備を活かした行動で、就活の質を高め、自分らしく働ける環境を目指しましょう。

①自己分析をさらに深めよう

自己分析は就活において最も重要な準備の一つです。就活では自分自身についてさまざまなことを言語化し、第三者に理解してもらわなくてはなりません。特に採用担当者や面接官は学生を見ることに慣れているので、準備不足にはすぐに気付かれてしまいます。

しかし何より重要なのは、自己分析を深めると、自分がいきいきと働ける環境がどのようなものかを明確化できるという点です。社会人経験のない学生にとって、将来像や理想の働き方を考える材料になるのが自分の価値観であり、自己分析でそれを明らかにすることで企業とのミスマッチを防げます

選考では価値観は「就活の軸」として問われます。自分のスキルや特性を活かしつつ、前向きな気持ちで働ける企業の条件を自己分析で明確にして、選考で自分がその企業に適した人材だと理解してもらえるように準備しましょう。

瀧本博史

プロフィール

自己分析を深めるためには、まず過去の経験を振り返り、自分の価値観や強みを明確にすることが重要です。

「自分史」を作成し、過去の出来事を整理し、それらがなぜ印象に残っているのかを深掘りしてみてください。

自分の行動や感情の源を見つけることで、就職活動における自己PRや志望動機をより説得力のあるものにできます。

就活の軸の考え方については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

就活の軸一覧
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説

企業選びの軸の答え方
意欲が伝わる「企業選びの軸」の回答例50選|見つけ方も解説

自己分析を深めるには、「自分史」「モチベーショングラフ」などのフォーマットを使うことをおすすめします。以下の記事ではすぐに活用できるテンプレートも紹介しているので、ぜひ役立ててください。

自己分析シート
簡単15分! 自己分析シートのフォーマット6選

自分史のテンプレート
自分史のテンプレ3選! 例文付きで当てはめるだけで自己理解が深まる

モチベーショングラフのテンプレート
テンプレ付き|モチベーショングラフを駆使して自己分析を深めるコツ

②業界・企業研究の対象を広げよう

自己分析で就活の軸をはっきりさせていると、自分の力が発揮できそうな業界・職種がわかりますが、それはあくまでも自分がある程度の知識やイメージを持てているものに限ります。

学生がイメージを持つ企業の多くは日常生活で社名を聞くもので、BtoBビジネスをメインにする企業や中小企業に詳しい人は少ないでしょう。

つまり、幅広い業界・職種の知識を持っていないと、力を活かせそうな環境を見逃してしまう可能性があるのです。より多くの企業情報に触れるには、説明会に参加したり、大学のキャリアセンターや就職エージェントに相談して知恵を借りたりするのもおすすめです。視野を広く持ち、自分に合った企業を探してください。

板谷 侑香里

プロフィール

自分に合った企業をなかなか見つけられない人は、適職診断や職業適性検査、エニアグラム適職診断などをヒントにしつつ、興味のある業界から絞り込んでみましょう。

最初は広く浅く検討を重ね、年明けから3月までには3〜5つくらいの業界について研究してみてください。

興味のある業界が見出せない場合には、5W1Hの何を重視するかを考えてみるのも手です。

業界・職種については以下の記事でそれぞれ詳しく解説しています。これまで詳しく知らなかった業界・職種で自分の強みが活かせることもあるので、ぜひ視野を広く持っていろいろな仕事について情報を集めてください。

業界一覧
就職活動で役立つ業界一覧|仕事内容から動向まで各業界を徹底解説!

職種一覧
職種の種類一覧を徹底解説! 業種・業界・職業との違いも押さえよう

③本番に近い形の模擬面接を依頼しよう

自己分析や企業研究も大事な面接対策ですが、その成果を発揮するのは選考です。しかし社員と直接話す面接では、緊張して成果を十分に出し切れないことも考えられます。

面接に慣れるには数をこなすのが一番ですが、志望度の高い企業の面接が早い時期に設定されたら、場数を踏むのは難しいですよね。そういった場合に有効なのが、模擬面接です。

模擬面接とは本番に近い形式での面接練習であり、面接官役を大学のキャリアセンターの相談員や就職エージェントなどに依頼しておこないます。模擬面接では面接官目線からのフィードバックがもらえるのが大きなメリットです。

加えて、「志望企業の面接を想定してほしい」と事前に依頼しておけば、特定の業界・職種の面接で聞かれやすい質問を投げかけてくれるので、限りなく本番に近い面接の経験が得られる点も注目です。なお依頼から模擬面接の実施まで数日から数週間かかる可能性もあるので、早めに予約をおこないましょう。

模擬面接の役立て方はこちらの記事で解説しているので、模擬面接に興味のある人はぜひ目を通してください。

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模擬面接の効果を発揮させる6つのコツ|準備から進め方まで一挙解説

模擬面接は、面接の緊張感や雰囲気を体験しながら練習することが大切です。模擬面接の事前準備から実施方法までキャリアコンサルタントが解説します。模擬面接をおこなうメリットを把握し、活用することで選考突破に役立ててください。

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3月まで就活準備ができなかった人が今すぐ取るべき行動

3月まで就活準備ができなかった人が今すぐ取るべき行動

  • 優先順位の高いことから着手する
  • 就活対策と選考を並行して進める

これまで3月までに就活に向けて動き出せることを前提にした解説をおこなってきましたが、学業や部活動などを優先した結果、3月まで就活にまったく手を着けられなかったという人もいるかもしれません。

そこでここからは、周囲からの遅れを3月中に取り戻すためのリカバリー方法を紹介します。たしかに就活では準備が大切ですが、効率的な行動で遅れをカバーできれば、納得のいく結果は得られます。自分がするべき準備を明確にして、志望企業からの内定獲得を目指してくださいね。

優先順位の高いことから着手する

真っ先にやるべきことは、3月までに終わらせたい11の就活準備で紹介した、エントリーに必須の3つの準備である、就活サイトへの登録、証明写真の撮影、スーツ類の用意です。

写真とスーツは手元に届くまでに時間がかかる可能性があるのですぐに手配しましょう。そして就活サイトに登録したら、興味を引かれた企業にエントリーして説明会に参加していきます。

ただし、話を聞く企業に偏りがあると本当にその企業が自分にとって理想的な職場かどうか判断できないので、自己分析の結果をもとに複数業界をピックアップして説明会に参加し、各業界・各企業を比較検討するのがおすすめです

Webで開催される説明会であれば、移動時間がなくなるので一日に複数企業の話を聞くこともできます。詳細を聞くにつれて仕事に対する考え方や企業に求めるものが明確になることもあるので、まずは情報を集めることが大切です。

なお、興味の引かれる業界が見つからない場合や適性検査・筆記試験に自信がない場合などは、そちらも優先的に着手し、不安や疑問を解消する必要があります。先に紹介した11の準備の章をもとに、就活準備に自分なりの優先順位をつけ、効率的に就活を進めてください。

野村 芳克

プロフィール

3月にゼロから就活を始める場合、記事にあるとおり就活サイトへの登録、証明写真の撮影、スーツの準備を優先しましょう。

これらは就活の基本であり、準備に時間がかかる場合もあるためです。

また、複数の業界にまたがる説明会へ積極的に参加し、広い視野で企業を比較検討することも大切です。

就活対策と選考を並行して進める

自己分析、業界・企業研究にじっくりと取り掛かるのは、選考への応募を済ませてからにしましょう。自己分析などは時期を選びませんが、応募が可能な時期は企業が決めています。もし間に合わなければ選択肢どんどん減ってしまうので、選考を優先する必要があります

選考を前にしてまずおこなうべきことは、自己分析、業界・企業研究、適性検査対策です。

選考の第一フェーズである書類選考には、分析結果を活かして作成したESと履歴書が欠かせません。書類選考と同じタイミングで適性検査を実施する企業もあるので、受験期限までに余裕があれば問題集で一通り問題に触れておくのも大切です。

問題傾向を知っていたり解説を読んだことがあったりするのとないのとではまったく精神的余裕が変わるので、たとえ問題を解く時間がなくとも問題集は一冊持っておきましょう。

書類選考に通過したら次に面接があり、一次面接から最終面接へ進むにつれて聞かれる内容がよりディープになりますが、このときも自己分析業界・企業研究にもとづいて面接に臨むので、やはりこれらの準備は優先すべきです。

面接を受けると分析の足りない部分が浮き彫りになることもあるので、振り返りによって分析をさらに深めましょう。

選考を受けながら対策までするのが大変そうで、こなす自信がないです……。

瀧本博史

プロフィール

やるべきことに優先順位をつけて就活を効率的に進めよう

就活を効率的に進めるためには、事前準備が非常に重要です。

就活の初期段階ではまず、自己分析と企業研究をしっかりおこないましょう。自己分析は、自分の強みや価値観を明確にし、志望動機や自己PRに説得力を持たせるために欠かせません。

また、企業研究を通じて志望企業を絞り込み、ESや面接での具体的な回答材料を用意します。それと並行して、スケジュール管理もポイントです。

就活は選考が始まると20社以上の企業に応募することも珍しくないため、タスクを分けて計画的に取り組んでください。

優先順位をつけ、早めに面接対策や筆記試験の準備を進めることができれば、忙しい時期でも自信を持って選考に臨めるでしょう。

何社にエントリーすれば内定を獲得できるのかの目安が知りたい人は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。自分が何社エントリーすべきかを導くことができます。

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就活では何社受けるのがベスト? あなたに合うエントリー数を解説

就活は何社受けるのがベストなのか、キャリアコンサルタントと解説します。自分に合ったエントリー数を把握すれば、無理なく、かつチャンスを逃さず就活を進められるので、ぜひこの記事をチェックしてください。

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みんなの悩みも参考にしよう! 就活の始め方にまつわるQ&A

就活に向けていつから動き始めるべきか、3月に何をすれば良いのか悩む学生は少なくありません。

以下のQ&Aでは、学生から寄せられた就活の始め方にまつわる悩みに対し、キャリアアドバイザーが回答しています。アドバイザーの意見を参考に、疑問や不安のない状態で就活に取り掛かりましょう

3月の迎え方が鍵! 先を見すえた就活で納得いく内定をつかもう

多くの企業の広報活動は3月から開始されます。それまでに自己分析やインターンなどを通じて興味関心のある業界・企業にある程度目星をつけておくと、充実した情報収集が可能です。3月は説明会や選考が始まり忙しくなるので、事前の準備でゆとりを確保することが大切です。

3月まで就活準備ができなかった人は、遅れをカバーするために説明会や選考に参加しながら自己分析や適性検査対策をおこなう必要があります。短期間で多くの準備を進めるうえで重要なのは、物事に優先順位をつけて効率的に行動することです。

どの時期から就活を開始するにせよ、就活の全体スケジュールを把握したうえで自分の取るべき行動を考えることが重要です。3月に一気に動き出す就活に向けて、常に一歩先をいく行動を意識して、納得いく企業からの内定獲得を目指しましょう。

アドバイザーコメント

就活は3月からの本格的な動き出しに乗り遅れないことが重要

多くの企業のエントリーがスタートするのが3月です。3月に就活が本格的に動き出したら、まずは企業説明会に参加し、各企業への理解を深めてどの企業の選考を受けるかを決めます。そして、集めた情報や取捨選択の基準をもとにして、ESを作成していってください。

これが就活のスタートダッシュの切り方です。納得のいく志望動機や自己PRなどを作成し、選考を進めていきましょう。

3月まで就活準備に取り掛れなかった人は、説明会や選考と並行して自己分析や適性検査対策をおこない、志望する業界・企業を明確にすることを目指してください。

自分が納得して入社できる1社からの内定を獲得しよう

就活では100社以上にエントリーをして複数企業から内定を獲得する人もいれば、インターンをした企業に縁を感じてその1社からの内定を得て就活を終える人もいます。

これらは極端な例ではありますが、それだけ就活の進め方は人それぞれだということです。

たとえ内定をたくさん獲得できたとしても、最終的に入社する企業は1社です。「この企業で良かった」という納得感を得られる内定を獲得できることが大切です。

親や友達の意見に流されすぎないように、自分の価値観を明確にするためにも、業界研究をしたり企業について学んだりしながら、就活を進めていってくださいね。

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執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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