楽天グループはやばい? 楽天主義や公用語を英語とする働き方にIT企業経験者が言及

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  • キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

    Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う

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  • キャリアコンサルタント

    Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味

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  • 国家資格キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Hiroshi Sakai〇大手ICT企業で人事部長・人材開発部長として採用・育成・制度・労務を統括。面接は5,000人超。国家資格キャリアコンサルタントとして就労支援・研修講師も担当。

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本企画について

「噂や評判に、プロの確実な視点を。」をテーマに企業選びや意思決定の支援をする企画です。漠然とした不安には「確度の高い事実」を、意思決定には「キャリアの専門家による視点」を提供することを目指します。

あらゆるサービスを展開しており、多くの人が企業名を目にする楽天グループですが、「楽天モバイルが赤字」「長時間労働で激務」といった噂から、「やばい」という印象を持たれることがあるようです。

そこで、企業がやばいという噂について真偽を理解するために、キャリアコンサルタントとともに詳細な解説をしていきます。就活のプロとともに、企業の正しい情報を読み解いていきましょう。

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1分でわかる楽天グループ

楽天グループとは

世界中の人々に革新的なインターネットサービスやフィンテックサービスを提供している企業。

具体的には、Eコマースをはじめ、FinTech、デジタルコンテンツ、通信など、多岐にわたる分野で事業を展開。国内外にグローバル展開拠点を持ち、多様なサービスを通じて世界中の人々に喜びや楽しさを届けることで、社会をエンパワーメントすることを目指す。

会社名楽天グループ株式会社 (英文社名: Rakuten Group, Inc.)
従業員数(連結)29,419人(2025年12月31日時点)
本社所在地東京都世田谷区
おもな事業・Eコマース・インターネットサービス: 「楽天市場」や「楽天トラベル」といったオンラインショッピングおよび旅行予約サービスの運営。また、海外向けECや電子書籍サービス(Kobo)なども展開。
・FinTech(金融・決済): 楽天カードをはじめとするクレジットカード・金融事業、保険事業、電子マネー「Edy」、実店舗向け決済端末「楽天ペイ ターミナル」の開発など、幅広い金融・キャッシュレス決済サービスを提供。
・通信・モバイル: 「楽天モバイル」として携帯通信事業を展開しており、AI(人工知能)を導入した次世代のモバイルネットワーク技術(Open RAN)の構築とエコシステムの推進をおこなう。
・デジタルコンテンツ・エンターテインメント: 「Rakuten Content Central」を通じたコミックプロデュースのほか、スポーツや文化を通じた地域コミュニティへの貢献など、エンターテインメント事業にも注力。
売上高2兆4,965億7,500万円(前年同期比9.5%増)(2025年12月期)
IFRS営業利益143億8,200万円(同72.9%減)(同期間)
企業HPhttps://corp.rakuten.co.jp/
新卒採用HPhttps://corp.rakuten.co.jp/careers/graduates/
企業情報

「楽天グループがやばい」と言われる4つの理由|プロが読み解く

楽天グループがやばいと言われる理由を4つにまとめました。キャリアコンサルタントからは就活のプロ目線でアドバイスをしているので、併せて参考にしてみてください。

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①楽天モバイルが赤字だから

楽天グループは2018年12月期に過去最高の当期利益を上げて以降、2025年12月期までは赤字の状況が続いています(※1)。赤字となったおもな要因は、携帯キャリア事業である楽天モバイルへの莫大な先行投資だと分析されています(※2)。

2018年12月期2019年12月期2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期
当期利益(百万円)141,889▲33,068▲115,838▲135,826▲380,244▲329,535▲129,485▲123,213

ただし、売上収益については年々上昇を続け、2025年12月期には過去最高となる2兆4,965億7,500万円を記録しており、営業利益もマイナスが続いていたものの、2024年12月期からは黒字化しています。(※1)。

2018年12月期2019年12月期2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期2024年12月期2025年12月期
売上収益(百万円)1,101,4801,263,9321,455,5381,681,7571,920,8942,071,3152,279,2332,496,575
IFRS営業利益(百万円)170,42572,745▲93,849▲194,726▲371,612▲212,85752,97514,382

楽天グループは幅広く事業展開をしています。そのため、一部の事業のマイナスや一時的な数値の下落だけをとらえず、総合的な視点で企業を見ることが大事です。

※1 楽天グループ 各年有価証券報告書
※2 楽天グループ 統合報告書 2025年12月期

プロのアドバイザーはこう分析!楽天グループの赤字は将来のための投資だととらえよう

キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

野村 芳克

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赤字が続いている点に不安を感じるのは自然です。ただし、楽天グループの場合は、赤字の理由を「会社全体が弱っている」と単純に見るのではなく、楽天モバイルへの先行投資の影響として見る必要があります。

売上収益は拡大しており、営業利益も黒字化しているため、事業全体としては回復に向けた動きが見られます。

赤字の詳細から企業の実態を把握! 事業戦略も確認しておこう

一方で、当期利益の赤字が続いている以上、就活生としては楽観し過ぎない視点も大切です。

確認したいのは、楽天モバイルの契約者数や収益改善が続くか、EC・金融など既存事業が安定して利益を出せているかです。

また、赤字が将来の成長に向けた投資なのか、構造的な収益悪化なのかを分けて見ることも重要です。就活では、決算数値だけでなく、事業ごとの利益の出方や今後の投資方針も確認しましょう。

面接や説明会では、今後どの事業を成長の柱にするのか、若手にどのような役割を期待しているのかを聞くと良いでしょう。「赤字だから危ない」と決めつけず、投資と回収の見通しを確認することが大切です。

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自分の適職や適さない職業を理解して、自信を持って就活を進めましょう。

②社内の公用語が英語だから

楽天グループ内において、2010年から社内で公用語を英語とするEnglishnizationが開始されました(※1)。2015年にはTOEICの全社平均スコアが800点を超えるという、グローバル企業を目指すうえでの一つの成果を挙げています(※2)。

実際に職場では、社員全体の約20%が外国籍社員であり、朝会や会議などでは英語でのやり取りをおこなっています。そのため、英語に苦手意識を持つ人からすると、「やばい」と感じる理由になっている可能性が考えられます。

しかし、公用語を英語にしたことで、同社は世界中の人々を採用できるようになり、国内で不足している人材を補えるようになりました(※3)。特にAI(人工知能)人材の確保にも貢献しており、会社の事業を推進するための強力な追い風となっていると言えます。

※1 楽天グループ 統合報告書 2012年12月期
※2 楽天グループ 採用情報 カルチャー
※3 楽天グループ 統合報告書 2018年12月期

プロのアドバイザーならこうアドバイス!必要なのは完璧な英語力ではなく話そうとする泥臭い姿勢

キャリアコンサルタント

高尾 有沙

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「英語公用語化」と聞くと身構えてしまいますが、結論から言うと、現時点で帰国子女レベルのペラペラである必要はまったくありません。

楽天が求めているのは完璧な文法で美しく話す知識ではなく、拙くても、自分の意見を英語で伝え、世界中の仲間と泥臭く成果を出す覚悟(GET THINGS DONE)です。

実際の業務では、洗練された表現よりも、結論ファーストで誤解を生まない平易な英語(いわゆるグロービッシュ)でのやり取りが主体となります。

入社までにTOEIC 800点という基準こそ課されますが、社内には手厚い学習サポート環境もありますし、実務で毎日使うことで「生きたビジネス英語」は後から身に付いていきます。

大事なのはためらわないこと! 楽しむ感覚で英語を身に付けていこう

本当に厳しいのは英語そのものよりも、「英語を言い訳にして、会議で発言を躊躇してしまうこと」です。

言葉の壁を恐れず、AIや翻訳ツールも賢く使いながら「伝えよう、巻き込もう」というオープンなマインドを持てる人なら、苦手意識があっても必ず活躍の場を見出せるはずです。

英語を単なる「勉強」としてではなく、世界中にいる20%の外国籍社員とつながるための最強のツールとして楽しめるかどうかが、楽天という巨大な生態系をサバイブするうえでの最大のカギになると言えるでしょう。

③長時間労働で激務だから

楽天グループについて調べると、「激務」「長時間労働」というワードがヒットしますが、具体的な残業時間については公表されていません。参考までに、グループ企業では楽天銀行が20時間程度(※1)と公表しています。

ただし、同社の有給休暇付与日数は16.9日(※1)で、情報通信業界の平均18.7日(※2)と大きな差はありません。有給休暇取得日数も13.8日(※1)と、同業界の平均12.5日(※2)を上回っているため、一般的な休みは取れる傾向にあります。

楽天グループ情報通信業界の平均
有給休暇付与日数16.9日18.7日
有給休暇取得日数13.8日12.5日

同社は国内外を問わず、あらゆる事業を展開しているため、詳細な残業時間や激務となるタイミングは、部署によっても異なる可能性があります。そのため、自分が希望する仕事の実態を知るためにOB・OG訪問などを活用しておくと良いでしょう。

※1 楽天銀行 楽天銀行の働き方
※2 楽天グループ 統合報告書 2025年12月期
※3 厚労省 令和6年就労条件総合調査の概況

アドバイザーからワンポイントアドバイス会社全体が忙しいわけではない! 楽天で業務が集中するときの条件

国家資格キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

酒井 宏

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楽天グループで忙しさを感じやすいのは、会社全体というより、変化の大きい事業や、社内外との調整が多い仕事に携わる場合です。

たとえば、楽天モバイルのように改善スピードが強く求められる領域では、方針変更や課題対応が重なりやすくなります。

また、EコマースやFinTechでも、大型キャンペーン前後、仕様変更、障害対応、関係部署の多いプロジェクトでは業務が集中しやすいでしょう。

社内文化が忙しさに影響する! 部門や時期ごとの実態を確認しておこう

加えて、楽天は英語を社内公用語とし、「スピード!!スピード!!スピード!!」を掲げる企業文化があるため、同じ業務量でも、短い時間で質と成果の両方を求められることに負荷を感じる人もいます。

有給休暇の取得状況だけを見ると、極端に休めない会社とは言いにくい一方で、忙しさの感じ方には部署差が出やすいと見ておいたほうが良さそうです。

激務かどうかは会社全体で見るのではなく、志望部門の繁忙期やプロジェクトの進め方まで確認しておきたいところです。

あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう

就活を成功させるためには、自分に合う職業・合わない職業を早めに知ることが不可欠です。しかし、それがわからずに悩む人も多いでしょう。

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早いうちに自分に合う職業・合わない職業を知って、就活を成功させましょう。

④営業のノルマが厳しいから

前提として、営業の働き方が厳しいと感じるかどうかは人によって異なると考えられます。

そのうえで、楽天グループには従業員に求める価値観・行動指針として「楽天主義」というものがあり(※1)、その内容が厳しさをイメージさせている可能性があります。

「様々な手段をこらして何が何でも物事を達成する」「勝つために人の100倍考える」といった厳格な姿勢が述べられています

楽天主義

  • ブランドコンセプト
    大義名分 -Empowerment-
    品性高潔 -気高く誇りを持つ-
    用意周到 -プロフェッショナル-
    信念不抜 -GET THINGS DONE-
    一致団結 -チームとして成功を掴む- 
  • 成功のコンセプト
    常に改善、常に前進
    Professionalismの徹底
    仮説→実行→検証→仕組化
    顧客満足の最大化
    スピード!!スピード!!スピード!!

また、2017年以降、人事改革の一つとして報酬の制度が刷新されました。以前は成果にかかわらず一定の給与を支給していましたが、より従業員のパフォーマンスを反映するため、評価制度が成果型の報酬制度に変更されています(※2)。

企業の価値観と、評価制度の刷新が、「やばい」と言われる理由となっていることが想定されます。

※1 楽天グループ 楽天主義
※2 楽天グループ 統合報告書 2019年12月期

プロのアドバイザーならこうアドバイス!受け身な人は要注意? 楽天の社風がプレッシャーに感じる理由

キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

野村 芳克

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楽天グループでは、営業職に限らず、仕事のスピードや成果への意識の高さに厳しさを感じる場面は少なくありません。

「楽天主義」には、常に改善する、やり切る、スピードを重視する、といった考え方が含まれており、受け身で指示を待つ働き方よりも、自分で考えて動く姿勢が求められやすい会社だと考えられます。

そのため、安定してゆっくり働きたい人にはプレッシャーを感じる可能性があります。

厳しさは成長材料かもしれない! 楽天を志望するなら確認すべきこと

一方で、若いうちから成長したい、変化の大きい環境で挑戦したい、成果を出して評価されたい人にとっては、鍛えられる環境とも言えます。

厳しさはマイナスだけでなく、成長機会にもなりますが、当然ながら適性の有無は生じます。

就活生は「厳しそう」という印象だけで判断せず、自分がスピード感や成果志向に前向きに取り組めるかを考えることが大切です。

説明会やOB・OG訪問では、若手がどの程度の目標を持つのか、困ったときに相談できる体制があるのか、評価基準はどのように決まるのかを具体的に確認すると良いでしょう。

信ぴょう性のある情報から楽天グループの実態を知ろう

楽天グループに対するネガティブな噂だけで、企業の状態を判断するのはもったいないです。企業選びの際には噂の背景を把握して、信頼できる情報から実態を確認することで、企業と自分との適性を見極めていきましょう。

プロのアドバイザーはこう分析!楽天のなかでも事業や働き方が異なることを押さえよう

国家資格キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

酒井 宏

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この記事で触れられていないギャップとして知っておきたいのは、「楽天グループ」という一つの名前で見ても、実際には事業ごとに求められる力や働き方にかなり幅がある点です。

Eコマース、FinTech、モバイルでは事業段階も収益構造も異なるため、同じ会社でも職場ごとの色合いには違いが出やすいと見ておいたほうが良いでしょう。

楽天のリアルな状況や評価から読み解く活躍するためのヒント

加えて、楽天では半年ごとにパフォーマンスとコンピテンシーの両面で評価されており、成果だけでなく、スピード感や自走性、周囲を巻き込む姿勢も見られやすい環境です。

また、社員の出身国・地域は100を超えるとされ、多様な人材のなかで合意形成する力も重要になりやすいと考えられます。

入社後のギャップを防ぐには、「楽天」というブランドだけで判断せず、志望部門で求められる行動や評価のされ方まで具体的に確認しておきたいところです。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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