公務員で有利な資格って? 職種別の資格とアピールのコツも解説

4名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

    Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う

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  • キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー

    Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう

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  • キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー

    Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている

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  • 社労士/涌井社会保険労務士事務所代表

    Wakui Yoshifumi〇平成26年に神奈川県で社会保険労務士事務所を開業。企業の人事労務相談や給与計算などを請け負う。また、関与先企業の社員のキャリアプランなどに関してアドバイスをしている

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この記事のまとめ

公務員を目指す人で、資格を取得してほかの学生と差別化したいと考えている人は少なくありません。「公務員に有利な資格って何だろう?」と思っている学生も多くいるでしょう。

公務員に有利になる資格を理解せずに手当たり次第資格を取得しようとすると、選考で人事の目には魅力的には映らずに評価されず、結局もったいない時間を費やしてしまうことになります。

この記事では、キャリアアドバイザーの野村さん、永田さん、桒田さんのアドバイスを交えながら公務員に有利になる資格を紹介します。取得した資格を書類や面接でアピールする際の注意点も解説するので、公務員を目指している人はぜひ最後まで目を通して参考にしてくださいね。

公務員を目指す人のうち、民間企業と併願して就活対策を進める人もいるでしょう。こちらの記事で公務員と民間企業の就活を両立して成功させるためのコツを解説しているので参考にしてみてください。
公務員と民間企業の併願で共倒れ? 状況別で両立のコツを解説

目次

自分が目指す公務員で活用できる資格を理解することが内定への近道になる

「就活に有利って聞くから」「周りの学生がみんな取得しているから」といった理由でよく調べずに資格を取得しても、就活に有利に働くとは限りません。自分が目指す公務員像でどのようなスキルを活かせるのかを理解してから資格を取得をすることで、適切にアピールすることにつながります。

記事では、始めに公務員になるための前提条件である必須の所有資格について解説します。まずは必ず必要とされる資格を理解して土台を築いてからプラスアルファの資格の取得を目指すようにしましょう。

次に公務員の就活で資格は本当に有利なのかについて、実情をキャリアコンサルタントが詳しく解説します。現場の実情を理解して、自分は資格を取得してアピールしたいのか、あるいはほかの強みをアピールしたいのかを判断しましょう。

それらを説明したうえで、公務員に活かせる資格を公務員像別・分野別に紹介します。自分が目指す公務員像や分野に当てはめて確認してみてください。最後に資格を書類や面接でアピールする際の注意点も解説しているので、記事の内容を参考に今後の就活を有利に進められるようにしましょう。

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前提知識! まずは公務員を目指すうえで必須の資格を理解しよう

公務員に必須の資格

公務員として就職するには、まず前提として公務員試験に合格していることが条件になります。

公務員は大きく「国家公務員」と「地方公務員」に分類されます。ここではそれぞれで必要とされる公務員試験と、分類される職種について解説します。そもそも公務員試験に合格していないと公務員として就職できないため、自分が目指す職種はどちらに属しているのかを正しく理解して、公務員試験の突破を目指しましょう。

野村 芳克

プロフィール

公務員試験をこれから受験しようとしている人は、まずは国家公務員と地方公務員の違いを明確にして正しく理解し、希望の職種をはっきりさせることが大切です。

希望の職種を明確にしてから実際の試験と同じ時間制限を設けて模擬試験の受験を重ねていくことで、公務員試験の受験の準備が整うはずです。

公務員を目指すうえで必須になる公務員試験ですが、「どんな服装で受験すれば良いのだろう?」と悩んでいる人もいるかもしれません。こちらの記事で解説しているので事前にチェックしておきましょう。
公務員試験にふさわしい服装は? 選び方やNG例も併せて解説

国の公務に携わる国家公務員は「国家公務員試験」の合格が必須

国家公務員は「国」に採用される公務員です。そんな国家公務員として働くためには、「国家公務員試験」に合格している必要があります

国家公務員の仕事は、政策の企画や立案などをする「総合職」と、事務処理などをする「一般職」の2分類に分けられます。総合職試験は大卒程度~大学院卒を対象、一般職は高卒程度~大卒程度を対象としているので、自分が受けられる区分をチェックしておきましょう。

試験の流れもそれぞれ異なるので、試験をまだ受けていない人は下記を参考にしてください。

分類試験区分試験の流れ
総合職院卒者試験
大卒程度試験
第一次試験 → 第二次試験 → 官庁訪問 → 採用
一般職大卒程度試験
高卒者試験
社会人試験
<大卒程度試験>
第一次試験 →官庁訪問 → 第二次試験 → 採用
<高卒者試験・社会人試験>
第一次試験 → 第二次試験 → 官庁訪問 → 採用
国家公務員試験の区分と試験の流れ

国家公務員の職種例

  • 衆議院事務職員
  • 各省庁の事務職員
  • 国立病院の医師・看護師・薬剤師
  • 国立大学の教員
  • 警察官(警視正以上)
  • 海上保安官
  • 国立図書館職員

地域住民を支える地方公務員は「地方公務員試験」の突破が条件

地方公務員は、都道府県庁・市町村など地方の機関で働く公務員のことを指します。消防官や警察官のような公安系の職種も基本的に地方公務員に含まれます。

国家公務員と同様、地方公務員も公務員試験に合格する必要があります。地方公務員として働きたい人は「地方公務員試験」の合格を目指しましょう

地方公務員試験の内容は職種や自治体によって異なりますが、試験区分は基本的に同じとなっています。学歴によって受けられる試験が異なるので、下記表を参考にチェックしてください。

試験区分条件試験の流れ
上級大卒程度第一次試験 → 第二次試験 → 採用
中級短大卒程度
初級高卒程度
地方公務員試験の区分と受験条件

地方公務員の職種例

  • 都道府県や市町村の職員
  • 各分野の事業所職員
  • 公立病院の医師・看護師・薬剤師
  • 公立学校の教員・事務員
  • 公立幼稚園の教諭
  • 公立保育園の保育士
  • 消防士
  • 警察官(警視以下)

公務員のエントリーシート(ES)は、民間企業と違った着眼点や注意点があります。こちらの記事を参考に、熱意を正しく伝えられるESの作成をしてみてください。
公務員を目指す理由が必ず伝わるエントリーシートの書き方|12例文

書類や面接で必ず聞かれるといっても過言ではない「自己PR」について、人事に評価されるためのコツをこちらの記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
公務員の自己PRのコツは? 評価される作り方を例文付きで解説

就活では書類選考を突破できたら面接対策を始める必要がありますが、頻出質問を知っておくことで効果的に対策をすることができます。こちらの記事では公務員面接での頻出質問と回答例を紹介しているのでチェックしてみてください。
公務員面接の頻出質問15選|意図を汲み取った回答で好印象を残そう

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資格は本当に有利になる? 公務員就職の実情をキャリアコンサルタントが解説

公務員を目指す人の中で、「資格を取得したら本当に就活に有利になるの?」といった疑問を抱いている人もいるでしょう。

ここではキャリアコンサルタントの永田さんに、資格を取得をすることで公務員就職に有利になるのかについて解説してもらいます。就活のプロの視点からのアドバイスを踏まえて、公務員就職の実情を正しく理解していきましょう。

アドバイザーコメント

業務に関連する資格であれば活用できる場合がある

取得する資格の内容にもよると思うのですが、その保有資格が職種に直接関連する場合には持っておくと便利な場合もあります。

官公庁や役場などで事務仕事をする行政職の場合であれば、MOSや簿記の資格が役に立ち、土木や建築で調査などをおこなう技術職の場合は土木施工管理技士や測量士の資格も役に立つことでしょう。

また、児童相談所や家庭裁判所の職員として働く場合には、社会福祉士の資格を取って児童福祉司として勤めたり、臨床心理士や公認心理師を取得して心理職として仕事を請け負うことも可能になります。

より専門的な仕事をするためには、その専門性に沿った資格というのが欠かせない条件となってくることでしょう。

プラスアルファの資格がなくても大丈夫

一方で、何も資格を持っていなくとも公務員として不適切かといえばまったくそんなことはありません。

部署異動なども定期的におこなう行政組織では、まったく未経験の分野で働くことも想定されるので、資格うんぬんよりも「与えられた業務を適切にこなせるか」ということの方が重要だったりします。

昔取得した資格でもアピールして良いですか?

桒田 里絵

プロフィール

資格取得時期を気にする必要はない

資格で問われることは資格所持者だからこそ持てる技能や知見です。それに取得時期は関係ありません。

逆に最近取得したからといって、技能がともなわなければ資格をアピールしても意味がありません。資格をアピールするということは、その資格を持つ者としての働きに責任を持つことでもあります。

私はこの資格を持っています、というだけでなく、「資格を持っているので、〇〇に貢献できます。△△については任せてください」ということが必要と考え、資格の先にある現場をイメージできていることを伝えてアピールしましょう。

こちらのQ&Aでは、「資格がなくても就活はうまくいくのか」についてキャリアコンサルタントが回答しています。併せてチェックしてみてください。

資格だけではなく、インターンシップの参加有無も公務員に有利になるのか気になっている人もいるでしょう。こちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが回答しています。

希望職種が決まっていないならこれ! 公務員全般で活用できる資格4選

公務員全般で活用できる資格

  • Microsoft Office Specialist(MOS)
  • 日商簿記
  • ファイナンシャルプランナー(FP)
  • 自動車運転免許

公務員には数多くの職種が存在していますが、まだ希望職種が決まっていないという人もいるでしょう。そういった人でも、公務員として活用できる資格はいくつか存在します。

ここでは、公務員全般の仕事で活用できる資格を6つ紹介します。「まだ職種は決まっていないけどとりあえず資格を取得しておきたい」と考えている人は、ぜひ参考にしてください。

希望の職種が決まっても、なりたい理由がうまくまとまらない……と悩んでいる人は以下の記事を参考にしてみてください。公務員になりたい理由の回答と言語化のコツを解説しています。
例文あり|公務員になりたい理由の最適な回答と言語化のコツを解説

職種どころか、希望の業界すら決まっていません。この状態で資格を取っても就活に有利になるのでしょうか?

野村 芳克

プロフィール

公務員試験への挑戦は希望職種が未定でも良い

志望の職種や業界が未定でも心配無用です。公務員試験への挑戦は、社会に奉仕し、国や地域の発展に貢献する素晴らしい決断です。

そして、資格取得は多様なキャリアに開かれた扉であり、専門的なスキルや知識を身に付けることで競争力向上にもつながります。

また、志望動機を明確にする際には、自分の価値観や経験を踏まえ、なぜ公務員になりたいかを感情豊かに表現することも重要です。これらのステップを踏んで順に歩むことで、素晴らしい公務員の道が開けるでしょう。

ChatGPTを活用すれば受かる自己PR文が作れます

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しかし、書こうしてもネタが思いつかなかったり、学業やアルバイトで忙しく手つかずの学生も多いのではないでしょうか?

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 (継続力が強みの場合) 
私の長所は、継続力です。大学時代、スポーツチームのキャプテンを務めました。学園祭の新企画を立ち上げ、チームメンバーと協力して準備を進めました。練習や打ち合わせを重ね、当日は多くの来場者を集めることができ、大きな成功を収めました。この経験から、チームをまとめるリーダーシップや計画を具体化する能力を身につけました。御社に入社後も、継続的な努力を惜しまず、チーム全体の成長に貢献したいと考えています。


①Microsoft Office Specialist(MOS)

MOS

正式名称:Microsoft Office Specialist
PowerpointやExcel・WordなどのMicrosoft Officeを扱える証明となる国際資格

PCを使用する仕事であれば、資格を活用することができます。公務員に限らずMicrosoft Officeを導入している企業は多くあり幅広い企業で役立てられるため、保有している人は一般的なPCスキルがあることをアピールできます

MOSは基本的な編集機能を理解している「スペシャリスト(一般)レベル」と、高度な機能を理解している「エキスパート(上級)レベル」に分類されます。一般レベルは独学で取得を目指せるため、人気な資格の一つです。公務員を目指す場合は、エキスパートレベルまでを取得してアピールすることをおすすめします。

永田 修也

プロフィール

資格自体が大きな意味を持つわけではありませんが、その程度の知識を有しているのかを測る材料にはなります。

「Excelで関数など問題なく使えるだろう」というイメージはありますが、さほど大きなアドバンテージにはなり得ない印象になることは注意が必要です。

②日商簿記

日商簿記

正式名称:日本商工会議所および各地商工会議所主催簿記検定試験
企業の経営活動を記録・計算・整理して、企業の経営成績と財政状態を明らかにする技能を測る試験

日商簿記では、経理業務に必要とされる知識や財務諸表の読解力、企業の財務状況の理解、経営管理・分析をする力を身に付けることができます。そのため、経理や財務担当、コスト計算が必要な営業職などで実務に活かせます。

日商簿記試験は1級・2級・3級に分類され、取得難易度は3級→2級→1級の順となっています。独学で取得を目指すことができ、履歴書は一番低い3級から記載できるため、学生に人気の資格となっています。

③ファイナンシャルプランナー(FP)

ファイナンシャルプランナー

正式名称:ファイナンシャル・プランニング技能検定
資産運用や税金、住宅ローン、不動産、相続などといったお金に関する幅広い知識を得られる資格

ファイナンシャルプランナーの知識は、税務関係の仕事が多くある公務員の業務に幅広く結びついています。たとえば、国民健康保険や年金の知識は社会保険関係の部署、所得・住民税や固定資産税の知識は市民税・資産税・人事課、不動産の知識は管財・土地計画課などの実務で活用できます。

ファイナンシャルプランナーは1級から3級までの級数が設けられています。3級の合格率は80~90%前後であるため独学で取得することができますが、2級は50%前後、1級は10%前後と合格率はかなり低いため、2級以上の取得を目指す場合は資格取得対策コースなどの受講をおすすめします。

④自動車運転免許

普通自動車第一種運転免許

正式名称:普通自動車第一種運転免許
公道で一般車を走らせるために必要とされる免許

業界問わず、外回りをする営業職がある職場では、自動車運転免許を保有していることは強みになります。特に、地方に配属される場合は運転免許は必須となるでしょう。

運転免許を取得するには自動車学校に通うか、免許合宿に参加する必要があります。最短でも2週間、基本的には3カ月ほど取得までに時間がかかるため、時間がある学生のうちに取得をしておくことをおすすめします。

営業職以外でも自動車運転免許は有利になりますか?

桒田 里絵

プロフィール

有利になるとはいえないがさまざまな場面で活用できる

公務員は人々の暮らしを守るためさまざまな場所に出向く必要があります。打ち合わせ、協力を取り付けるための訪問、問題が起こった場合は現場・警察・関係者を訪ねる場合もあるでしょう。

イベントや催しをおこなう場合は荷物や人を運ぶ必要もあるかもしれません。そんなときは自動車運転免許が役に立ちます。

公務員はさまざまな部署に配属される可能性があるので、どこでも役に立つことのできる自動車運転免許があることは必要条件といえるでしょう。

ただし有利になるとはいえません。社会に出れば、運転免許は持っていて当然と思われることも少なくありません。機会を捉えて免許を取得しておくに越したことはないと考えておきましょう。

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あなたはどっち? 理想の公務員像別で公務員に有利になる資格を紹介

人によって、目指したい公務員像は異なるはずです。この違いを意識せずに公務員におすすめの資格を取得しても、理想の公務員には活用できないというもったいない事態に陥ってしまう可能性があります。

ここでは「幅広いスキルを身に付けたい人」と「専門的な知識を持った公務員を目指したい人」に分けて、おすすめの資格を紹介します。自分の理想とする姿と照らし合わせて、ぴったりな資格の取得を目指しましょう。

どんな職種にも活きる! 幅広いスキルを身に付けたい人におすすめの資格

幅広いスキルを身に付けたい人におすすめの資格

  • ビジネス実務法務検定
  • VBAエキスパート

専門的な知識で狭い分野で仕事をするよりも、幅広いスキルを持って多角的な視点でゼネラリスト的な働き方をしたいと考えている人は少なくありません。

そういった人には、「ビジネス実務法務検定」「VBAエキスパート」などのような、さまざまな職種で実務に活かせるスキルを取得できる資格がおすすめです

ここで紹介するどの資格もビジネスシーンで活用できるため、自分に合った資格はどれなのかを考えながら確認してみてください。

①ビジネス実務法務検定

ビジネス実務法務検定

正式名称:ビジネス実務法務検定試験
民法・労働法・著作法などのビジネスにかかわるさまざまな法律を学べる検定

ビジネス実務法務検定での知識は、営業や販売、総務、人事、経理など、さまざまな職種での実務に役立ちます。

取引契約書に関連する知識や労働関連に必要な知識、法的トラブルについてわかりやすく伝える知識など、これらを幅広く身に付けることで、取引の際の不備や不利益、不手際の有無を正しく判断でき、トラブルを未然に防ぐことができます。

面接では、法務関連の専門的な知識に加えてビジネス全体への総合的な視点もあることをアピールできるでしょう

ビジネス実務法務検定は1級から3級がありますが、受験資格が必要ないため飛び級して受験することが可能です。また、2級と3級であれば同時に受験することもできるため、「2級を取れる自信はないがチャレンジしておきたい」という人におすすめです。

野村 芳克

プロフィール

ビジネス実務法務検定は、契約書解析から政策立案まで幅広く活用できます。具体的には、3級は契約書解析で公共事業契約の条件の理解、2級は企業交渉や紛争解決の実務経験、そして1級は法改正分析で政策の立案などに活かされると思います。

②VBAエキスパート

VBAエキスパート

正式名称:VBAエキスパート
VBA(Virtual Basic for Application)に関するスキルや知識を証明できる民間資格

VBAエキスパートでは、Microsoft ExcelやAccessのマクロ機能で用いるプログラミング言語に関連するスキルや知識を得られます。

VBAは膨大なデータの中から必要な情報や指定した情報を抜き出したり、情報を自動抽出したりして業務効率化を図ることができ、どの職種でも活用できるため、面接官に「効率性や生産性、技術力の高さがある」という印象を与えられます

VBAは「Excel VBAベーシック」「Excel VBAスタンダート」「Access VBAベーシック」「Access VBAスタンダート」の4つに分けられます。ベーシックはスタンダードより取得難易度は低いですが、それでも最低でも6カ月は必要とされています。業務改善の知識を身に付けて即戦力として働くために、ぜひ挑戦してみてください。

永田 修也

プロフィール

業務を効率化する指示を受けた場合などは、これらの知識を用いて活用することができます。たとえばデータの入力業務や計算、グラフの作成などあらゆるタスクにおいて迅速さが求められる場面で必要になってきます。

高難易度! 専門的な知識を持った公務員を目指したい人におすすめの資格

専門的な知識を持った公務員を目指したい人におすすめの資格

「ほかの人と差を付けた専門的な知識を身に付けて仕事がしたい!」と考えている人には、専門的な職種に特化した資格を取得することをおすすめします。

専門的でより深い知識を必要とするため、合格難易度は高いものが多いですが、資格を取得すれば自身の大きな強みとなります。専門的なスキルでも、特にどの分野に特化したいのかをすり合わせながらそれぞれチェックしていきましょう。

アドバイザーコメント

合格までのスケジュールを逆算して試験勉強に取り組もう

難易度の高い資格は取得するまでの期間が長期にわたるため、前もっていつまでに合格を目指すか計画を立てて取り組むと良いでしょう。

長期にわたる理由としては、高難易度の資格になるほど理解すべき情報量が多くなることもありますが、ほとんどの資格は受験機会が年1回に限られ、一次・二次試験にわたったり、科目別に受験する方式になっていたりするためです。

受験にかかる時間や費用を計算しておくことも大切

行政書士・司法書士・税理士・弁理士・社会保険労務士・中小企業診断士などの難易度の高い資格は、総じて合格率が10%以下、勉強時間は約1,000時間は必要といわれていて、合格するまでは資格取得の優先度が上がることになるでしょう。

そのため、独学で自身を律しながら取り組むことは非常に難しくなります。その点、お金はかかりますが、資格取得対策講座に通ったり資格予備校を利用したりする人も少なくありません。

こういった講座を利用するメリットとしては、資格取得のコツを効率よく学べることはもちろん、情報交換できる仲間や先輩との人脈を作れたり、同じ目的の仲間ができて励みになることもあるため、検討する価値は大いにあるでしょう。

①行政書士

行政書士

正式名称:行政書士試験
行政書士の業務に関連した必要な知識や能力を得るための試験

行政書士は、各省庁・都道府県庁・市/区役所・町村役場・警察署などの官公署に提出するための書類を作成したり、これらの内容に関する相談や手続きの代理をおこなったりします

試験では憲法や行政法、民法、商法、法令について深い知識が問われるため、全体の試験合格率は10%前後といわれています。非常に難易度の高い試験ですが、行政書士として働きたい、ほかの人にはない専門的な知識や能力を身に付けたいという人は挑戦してみてください。

行政書士資格は、法律や行政手続きに関する深い知識やスキルを持っていることを示すものであるため、「法律の専門家としての知識や能力を持っている」という印象を選考で残すことができます。

②司法書士

司法書士

正式名称:司法書士試験
法律に関する高度な知識を要する書類の作成・手続きを依頼者の代理でおこなうために必要とされる国家資格

司法書士の仕事は、個人や企業から依頼を受けて、法律の知識に基づき関連書類の作成・手続きの代行をおこないます。特に、不動産登記や商業登記などの登記業務が多いとされています。

こういった仕事をするためには、司法書士試験に合格しなければなりません。司法書士試験は国家資格の中でも特に難易度の高い試験ともいわれていて、合格率は4~5%とされています。受験資格はないため、誰でも受験可能です。

法律や法的手続きに関連する豊富な知識や経験を持っていることを資格では示せるため、選考では高いレベルの専門知識や問題解決能力を有しているという印象を残すことができます

③税理士

税理士

正式名称:税理士試験
税理士に必要な学識や応用能力を判定するための国家資格

納税者が所得を計算して納税額を算出する申告納税制度を推進する役割を担っている税理士は、税に関する正しい知識を持っていることが必要とされます

税理士資格では、細かい規則や法律に基づいた法的・経済的な問題にかかわる知識を持ち合わせていることを示せます。そのため、税務関連の高度な問題に対して対処する力を有しているということを選考で印象付けられるでしょう。

税理士試験の試験科目は、簿記論・財務諸表論の2科目と、所得税法・法人税法・相続税法・消費税法または酒税法・国税徴収法・住民税または事業税・固定資産税のうちの3科目、合計5科目を受験する必要があります。しかし、1科目ずつ受験することも可能なため、時間をかけて対策して苦手を潰しながら受験することができます。

税理士を目指している人は以下の記事を参考にしてみてください。税理士事務所の志望動機の書き方を詳しく解説しています。
例文4選! 税理士事務所の志望動機を具体化する3つの準備

④弁理士

弁理士

正式名称:弁理士試験
弁理士に必要な学識や応用能力を判定するための国家資格

弁理士は、特許や意匠・商標などを特許庁に出願して登録し、知的財産を守ることがおもな仕事です。そんな弁理士になるためには、弁理士試験に合格していなければなりません。

弁理士資格を保有していることは、知的財産に関連する事柄への深い知識があることを示します。そのため、専門的な高い知識を有していることから会社に貢献してくれるという印象を面接官に残せるでしょう

弁理士試験の合格率は、6~8%程度であり、難易度がかなり高い国家試験のうちの一つです。「短答」「論文」「口述」の3段階で試験は構成されていて、さらに論文では必須科目と選択科目に分かれています。弁理士試験を受ける際は、「短答」「論文」「口述」のそれぞれの対策をおこなう必要があります。

⑤社会保険労務士

社会保険労務士

正式名称:社会保険労務士試験
社会保険労務士に必要な学識や応用能力を判定するための国家資格

企業の経営効率化を助けるために人事・労務管理全般への問題点を洗い出して改善策を助言する社会保険労務士は、省略して「社労士」と呼ばれることが一般的です。社会保険労務士資格は、国家資格の中で雇用や社会保険、労働問題、公的年金の分野では唯一であるため、社会や企業で非常に必要とされている仕事です

社会保険労務士資格を保有していることで労務や社会保険に関する豊富な知識やスキルを持っていることを示せるため、選考では専門的な知識で会社で活躍できるという印象を残せるでしょう。

そんな国家資格である社会保険労務士ですが、試験では選択式が8科目、択一式が7科目出題されます。試験では、法律に関連する専門的な知識が必要とされるため、法学部ではない学生がまったくの独学では合格をめざすのは難しいかもしれません。専門学科に進んだり、試験対策プログラムに参加して勉強することをおすすめします。

以下は実際の社労士からのコメントになるので、ぜひ参考にしてください。

涌井 好文

プロフィール

社労士は、社会保険分野の専門家として公的年金に関する専門的な知識を有しています。資格を取得すれば、その知識は市区町村役所の年金課などに配属された際に役立つでしょう。

⑥中小企業診断士

中小企業診断士

正式名称:中小企業診断士試験

中小企業の経営課題に対応・助言をするために必要な国家資格

中小企業診断士は、企業の経営に関する課題を抽出して課題解決に向けて対応や助言をおこなう仕事です。経営コンサルタントとしての唯一の国家資格なため、厳しい経営環境の中で助言を求める企業から必要とされている職種です

中小企業診断士資格は、中小企業に関する深い知識や経験があることを示します。そのため、選考では面接官に「ビジネスの課題を理解して解決できる能力がある」という印象を残せます。

中小企業診断士の資格を取得するためには、3段階の試験を突破する必要があります。一次試験では企業経営やコンサルティングに関連する基礎的な知識を問うマークシート式の試験、二次試験では中小企業診断士に要される応用能力の有無を判断するための筆記・口述試験、最後に実務補習または実務に従事して、資格を取得することができます。

独学で難易度の高い資格勉強をする際は何から始めれば良いですか?

永田 修也

プロフィール

まずは参考書を手に取ってみよう

書店で立ち読みでも構わないので、まずは情報に触れてみるところから始めましょう。

最初はわからない用語や知識ばかりかもしれませんが、いきなり全部覚えようとするのではなく、まずは概要をつかむためにさらっと1周読んでみることをおすすめします。

その後、必ず覚えておかなければいけないキーワードをノートにまとめていく作業をしていきましょう。

この時、試験の過去問などを閲覧できる状況であれば、事前に見ておくようにしましょう。試験で必ず出てくる問題などの傾向を早めにつかんでおくことで勉強の効率も上がるので、その点を踏まえて学んでいくことが大事になってきます。

ここまで紹介した高難易度の資格は、法律関係の知識を問われるものがほとんどです。紹介した資格や法律関係の仕事に興味がある人は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
法律関係の仕事24選! 仕事内容や必要な資格を徹底解説

高難易度の資格がある一方で、比較的取得しやすい資格も存在しています。時間がなくなるべく早く資格を取得して就活でアピールしたいと考えている人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
取りやすい資格25選|取得から就活でのアピールの仕方まで解説

職種によって求められるスキルは違う! 公務員の分野別で有利になる資格を紹介

公務員の分野

  • 医療系
  • 福祉系
  • IT系

先にも述べたとおり、ひとくちに公務員といってもさまざまな職種が存在します。目指したい職種がすでに決まっている場合は、その職種で必要とされているスキルを身に付けられる資格を取得することで、就活に活用できます。

ここでは3つの分野に分けて有利になる資格を紹介します。自分の目指す分野を改めて確認して、医療系で活かせる資格を参考にしてみてください。

医療系の分野を目指す人におすすめの資格

医療系の分野は、人の命を預かったり健康を左右する仕事なため、専門的な知識についての深い理解が必須です。加えて、専門的な深い知識であるため、合格までには大変な道のりが待っています。

医療系の分野への就職を目指す人は、医療系の中でもどの職種に就きたいのかを明確にしてから資格の取得を目指しましょう。

では、医療系の分野を目指す人におすすめの資格を7つ紹介します。自分が目指す職種で活かせるものを当てはめながら確認してみてください。

桒田 里絵

プロフィール

医療系の資格はすべて人の病や不具合を癒すことにつながりますが、資格によって、おこなえる手技や治療できる範囲が明確に規定されています。自分がどういった分野で人の役に立ちたいのか明確に認識したうえで目指す資格を選ぶことが必要です。

①臨床心理士

臨床心理士

正式名称:臨床心理士資格
心の問題に取り組む心理専門職の証しとなる資格

臨床心理士は、臨床心理学にもとづいた知識や技術で、人の心や精神的な問題にアプローチをして不安を取り除くためのサポートをします。臨床心理士の資格を保有していれば、国家公務員や地方公務員で公務員心理職に就くことができます

また、資格を保有していることで心理的な問題に関する知識を有していることを示せるため、専門知識や経験から患者をサポートする面で活躍できるという印象を選考の時点でアピールすることにつながります。

試験は、マークシート・論述形式の一次試験と面接の二次試験で構成されています。合格率は65%前後で、専門性が高い分野なため、しっかりとした対策が必要です。

また、日本臨床心理士資格認定協会が認定する第1種指定大学院を修了していることなどの受験条件があります。臨床心理士資格に興味がある人は、自分が受験資格を得られるのか注意しましょう。

②看護師

看護師

正式名称:看護師国家試験
看護師免許を取得するための国家試験

看護師資格を持っていれば、国や地方自治体が運営する公的機関で看護師として働くことができます。民間病院と比較して、給与水準が高かったり、安定性・福利厚生が充実していたりすることがメリットに挙げられます。

また、資格では医療や健康関連の専門知識、経験があることを示せます。そこから、医療チームの一員として責任を持って患者を支えてくれるという印象を残せるでしょう。

看護師国家試験を受験するには、指定されている看護学校や看護師養成所の卒業が必須であるため、独学のみで看護師免許を取得することはできません。卒業後に試験を受けられるため、注意しましょう。

病院は待遇や福利厚生が充実しているため志望している人も多いと思います。しかし志望動機でそのまま伝えてしまうのは危険です。以下の記事では病院の志望動機の書き方とNG例を解説しているので参考にしてみてください。
病院の志望動機は適性の高さを示すのがコツ! NG・職種別例文も

③保健師

保健師

正式名称:保健師国家試験
保健師として働くために必要な保健師免許を取得するための国家試験

保健師資格を保有していると、「行政保健師」として勤務できます。公務員の保健師である行政保健師は、地方自治体の保健所・保健センターなどの行政管轄下の機関で仕事をします。

健康や福祉に関する豊富な知識やスキルを有していることを資格を保有していることで示せるため、選考では専門知識で職務に大きく貢献できるという印象を残せるでしょう

保健師国家試験は、午前と午後に分けて試験が実施され、合計4科目が出題されます。合格率は90%前後と合格しやすい資格試験ですが、保健師として働くためには看護師資格を持っている必要もあるため、どちらも取得できるようにしっかりと対策をしましょう。

④薬剤師

薬剤師

正式名称:薬剤師国家試験
薬剤師になるために合格が必要な国家試験

薬剤師資格を持っている公務員薬剤師は、薬系技術職員として行政や研究を中心とする業務をしたり、公立病院や薬局・保健所・役所・研究所などで勤務をしたりします

資格を持っていることで医療や医薬品に関する深い知識やスキルがあることを示せます。そのため、医療分野の高度な知識を活用して職務を遂行できるという印象を選考で残せるでしょう。

薬剤師試験は2日間にわたって実施され、試験は7科目の必須問題と薬学理論問題、薬学実践問題に区分される一般問題で構成されています。合格するには、総点と絞り込み点数の両方の基準を超える必要があるため、苦手科目の徹底的な対策が重要になります。

薬剤師を目指している人は以下の記事を参考にしてみてください。他の学生と被らない志望動機の書き方をまとめています。
薬剤師の志望動機はトレンドで差別化|他学生と被らない3つのコツ

⑤作業療法士

作業療法士

正式名称:作業療法士国家試験
作業療法士として働くために必要な免許を取得するための国家試験

作業療法士は、日常生活に必要な応用的な動作の訓練や社会復帰のサポートをおこない、作業療法士として働くには作業療法士資格を保有していることが条件となります。公務員作業療法士の働く場所として、公立病院や行政機関・就労支援施設・特別支援学校・総合福祉センター・療育センターなどが挙げられます。

医療分野での身体的サポートに関する豊富なスキルや知識を資格保有で示せるため、選考では、「専門性があり高い技術力で患者をサポートできる」という印象を残せるでしょう。

試験は筆記試験と口述試験・実技試験で構成され、受験をするためには指定された大学や専門学校で3年以上の勉強が必要となるため、独学で受験をすることができません。作業療法士養成課程のある大学や養成施設に通っていて、作業療法士として働きたいと考えている人は受験をおすすめします。

⑥理学療法士

理学療法士

正式名称:理学療法士国家試験
理学療法士になるために必要な免許を取得するための国家試験

事故や病気で身体が不自由になった人の身体機能の回復を図り、社会復帰のサポートをおこなう理学療法士は、公務員として働くこともできます。公立病院や県庁・市役所などの地方自治体に勤務することが一般的です。

理学療法士試験を受験するには、養成学校で専門的な知識を学ぶことが必要になります。試験内容は、筆記試験と口述試験・実技試験で構成され、それぞれ試験会場が異なるため、受験を考えている人はしっかりと確認しておきましょう。

資格を保有していることで、専門的な知識を用いてけがや病気を患う患者のケアやリハビリのサポートができることを示せます。そのため、高度な専門スキルで業務を適切に遂行できるという印象を選考で残せるでしょう。

理学療法士を目指している人は以下の記事を参考にしてみてください。志望動機の書き方を詳しくまとめています。
例文14選! 理学療法士の志望動機は王道3パターンを押さえよう

⑦臨床検査技師

臨床検査技師

正式名称:臨床検査技師国家試験
臨床検査技師になるために必要な免許を取得するための国家試験

臨床検査技師は、医師の指導のもとで患者の血液や尿などの検体や、患者の身体の検査をおこないます。公務員の臨床検査技師は、国公立病院や保健所・衛生環境研究所、科学検査研究所などで働きます。

試験は午前と午後で合計5時間実施され、受験者の合格率は80%前後になっています。受験資格として指定の教育課程を修了している必要があるため注意してください。

資格の保有から、医師の指示に従って患者に細かい検査を施せることを示せるため、選考では医療従事者の一員として深いスキルを用いて貢献できるという印象を残せるはずです。

野村 芳克

プロフィール

医療系の資格は高難易度なものが多いことに加えて、必要単位や実務経験が課せられていることがほとんどです。これらの確認を怠らずに学習計画を立て、進捗管理をしっかりとしながら学習を進めることが重要です。

学業面と資格勉強を両立する計画を慎重に練り継続的な行動をすることが、成功の鍵となります。

福祉系の分野を目指す人におすすめの資格

福祉系の分野を目指す人におすすめの資格

  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 保育士

公務員の福祉系の分野の仕事には、多くの種類の業務内容があります。高齢者や障がい者を支援する仕事、日常生活で困難な状況に陥っている人をサポートする仕事、子どもや親を支える仕事、保育医療面から支援する仕事など、多岐にわたります

福祉系の分野を目指す場合は、自分が福祉の仕事でどのようにかかわりたいのかをしっかりと考える必要があります。これらを考えながら、ここで紹介する資格を確認してみましょう。

①社会福祉士

社会福祉士

正式名称:社会福祉士国家試験
医療や福祉に関連する相談援助に必要とされる専門知識やスキルを持っていることを証明する国家資格

高齢者や心身に障がいのある人、生活困窮者などの日常生活に支障のある人の相談に乗ったりサービスの提案をしたりする社会福祉士ですが、公務員として勤務することができます。国家公務員であれば総合職の人間科学分野や裁判所総合職・法務省専門職員、地方公務員であれば公立病院や介護施設、地域包括センター、児童相談所などで勤務します。

社会福祉士になるために必要な社会福祉士資格を保有していれば、福祉の相談・援助に関する深い知識やスキルを有していることを示せます。そのため、選考では福祉に関する深い理解や技術で貢献できるという印象を残せるでしょう。

試験の合格率は30%ほどで、ほかの福祉系国家資格と比較して難易度が最も高い資格試験だといわれています。科目数が多く出題範囲が広いことから難易度が上がっているため、全体的な試験対策が必要になるでしょう。

②精神保健福祉士

精神保健福祉士

正式名称:精神保健福祉士国家試験
精神的な病気や悩みを持っている人からの相談に対して助言・指導をして社会復帰を援助する国家資格

精神保健福祉士は、心の病や悩みを抱えた人が日常生活を送るための生活支援をおこないます。公務員の精神保健福祉士は、保健所や病院・障がい者福祉施設、役所、保護観察所などで勤務します。

精神保健福祉士資格では、精神面での悩みや病気を抱えている人からの相談に対して指導・社会復帰のサポートができることを示せます。そこから、選考では課題や問題に対して適切に対処してサポートできる能力を有しているという印象を残せるでしょう。

介護職の資格の中で、精神保健福祉士資格は比較的難易度が低いとされていて、合格率は60~70%ほどです。しかし、養成施設で1年以上勉強するか、保健福祉系のカリキュラムのある大学を修了していることが受験資格となるため、精神保健福祉士資格を取得しようとしている人は自分が受験資格に当てはまるか確認しましょう。

③保育士

保育士

正式名称:保育士資格
児童の保育やその保護者に対して保育指導をおこなう国家資格

地方自治体が運営する保育園や保育施設で働く保育士は、地方公務員に分類されます。そのため、保育士資格を所有している人は、公務員として勤務することが可能です。

また、資格では保育に関する専門的な知識やスキルを持っていることを示すことができます。そのため、保育における実践的な知識や技術を有しているという印象を選考で残せるでしょう。

保育士試験は筆記試験と実技試験の2種類で実施され、両方合格することで保育士資格を取得できます。合格率は20%程度と低く筆記試験は9科目と広範囲であるため、合格を目指すには全科目の対策が必要となります。

永田 修也

プロフィール

介護福祉士の資格は福祉業界で活躍できる資格です。現場での働き方や各施設の状況など、より細かい点に精通していることを示す資格なので、行政で務める際にも実際の実務として役立つ資格といえます。

IT系を目指す人におすすめの資格

IT系を目指す人におすすめの資格

  • ITパスポート
  • 基本情報技術者
  • 応用情報技術者

ITやインターネットに関する知識は、公務員の仕事で活かせることがあります。しかし、数多く存在するIT系の資格をよく知らずに取得しようとすると、あまりにも難しかったり自分に合わなかったりと挫折してしまうこともあるかもしれません。

公務員の仕事に適した難易度の資格を知ることで、資格取得のモチベーションにもつながるでしょう。ここでは3つのIT系の資格を紹介するのでそれぞれ確認していきましょう。

①ITパスポート

ITパスポート

正式名称:ITパスポート試験
ITに関する基本的な知識が証明できる国家試験

ITパスポートではパソコンの操作だけでなく、情報システムやネットワーク・データベースなどのITの基礎知識を身に付けることができます。個人情報や機密情報の保護が重要とされる公務員の仕事で、資格勉強で得た知識を幅広い業務において活用できるのです。

また、ITパスポートを保有していることで、選考ではITに関する基本的な知識を有しているため業務で活用してくれるという印象を残すことができるでしょう。

ITパスポートの合格率は50%程度であるため、独学で取得を目指すことが可能です。ITパスポートの受験を考えている人は、参考書を手に入れ、問題形式に慣れて繰り返し問題を解いてみましょう。

こちらの記事ではITパスポートについて、より詳しく解説しています。これから取得しようと考えている人はぜひ参考にしてください。
ITパスポートで就職が有利に? 必要性や活用方法を徹底解説

②基本情報技術者

基本情報技術者

正式名称:基本情報技術者試験
プログラマーやシステムエンジニアの基礎スキルがあることを証明できる国家資格

IT企業で働くにあたって求められるITに関する基礎的な知識やスキル・技能を、基本情報技術者試験で身に付けられます。身に付けた知識やスキルは、情報システム部門などで大いに活用できます。

基本情報技術者試験では、コンピューターシステムやネットワーク、データベース、セキュリティなどの情報技術に関する複数の分野での基礎的な知識が問われます。そのため、試験に合格していることで広範囲な問題に対して対処できる能力を有しているという印象を選考で残せるでしょう。

試験は午前試験と午後試験に分けて実施され、それぞれ別日に受験することが可能です。ITパスポートより広範囲で深い知識を要する問題が多くなりますが、重複している内容もあるためより専門的なスキルを身に付けたい人におすすめです。

桒田 里絵

プロフィール

今の時代はどんなサービスにもIT技術を利用する必要があります。

入職前から基本情報技術者試験を持っていることで、IT専門のエンジニアには不十分だとしても、一般の行政サービスの企画・立案・実施・運用などに必要なITの基礎知識を十分身に付けている人材という印象で評価される可能性は高いでしょう。

IT系への就職を目指している人や興味がある人は、プログラマーとシステムエンジニアの違いを押さえておきましょう。こちらの記事で詳しく解説しています。

プログラマー
プログラマー志望は最初に読みたい! 仕事内容から適性まで完全網羅

システムエンジニア
システムエンジニアとは? 仕事内容から未経験の就職方法まで解説

③応用情報技術者

応用情報技術者

正式名称:応用情報技術者試験
プログラマーやシステムエンジニアの高度なスキルがあることを証明できる国家資格

応用情報技術者試験では、エンジニアやプログラマーの基礎知識だけでなく、マネジメントやストラテジー関連の知識も身に付けることができます。基本情報技術者試験の上位に位置づけられ、身に付けたスキルは高度なデジタル技術を取り扱う部署で活かせます。

試験では、情報技術における専門的な課題解決能力が問われます。そのため、選考では実践的なスキルを保有しているという印象を残せるでしょう。

試験は午前と午後に分けて実施されていて、合格率は20%前後なため難易度は高めです。時間をかければ独学で合格を目指すことも可能ですが、受験指導をしているプログラムや学校もあるため、受験をしようと考えている人はぜひ活用してみてください。

IT系で活用できる資格はほかにも多数あります。以下の記事で資格と勉強方法について解説しているので、興味のある人は参考にしてみてくださいね。
厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説

公務員に限らず、就職に有利になるとされている資格はたくさんあります。こちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしておきましょう。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説

多くの学生が見落としがち! 資格をアピールするときの3つの注意点

資格をアピールするときの注意点

  • 志望する職種の仕事内容に合っている資格にする
  • 「資格を取得したこと」のみをアピールしないようにする
  • 取得難易度が低い資格は保有資格欄への記載のみにとどめる

「資格を取得したら選考でアピールしたい!」と考えている人もいるでしょう。しかし、書類や面接で資格の取得をしたことをアピールする際には注意が必要です。一歩間違えれば、アピールしているつもりでも、人事にはアピールとして伝わっていないという状況にもなりかねません。

ここでは資格をアピールするときの注意点を3つ解説します。すでに資格を持っている人も、これから資格取得を目指す人も、注意点をしっかりと押さえて効果的に魅力をアピールできるようにしましょう。

①志望する職種の仕事内容に合っている資格にする

記事では、公務員で活用できる資格を多数紹介しました。しかし、目指している職種と見当違いな資格を取得したことを選考でアピールしても、実務で活用できないため魅力を伝えられません

たとえば、料理に興味があるからという理由で管理栄養士の資格を取得したことをIT技術職の選考でアピールしても、なんの加点にもならないでしょう。応募する職種にマッチした資格を見極めて取得し、アピールすることで、ようやく魅力アップにつながるのです。

野村 芳克

プロフィール

志望する職種とまったく異なる資格を書類や面接でアピールした場合、伝えたいことの焦点が合わず、採用側の理解を妨げる可能性が増します。

一方で、職務に関連する資格を選定して具体的な活用事例を示すことができれば、採用担当者にあなたへの信頼感や職業理解への納得性も生まれやすくなるでしょう。

②「資格を取得したこと」のみをアピールしないようにする

難易度の高い資格を取得できれば、頑張って合格したという背景から自信がつき、どの選考でもアピールしたいと考える人もいるでしょう。しかし、どんなに難易度の高い資格でも、「〇〇の資格を取得しました」というだけでは、資格を取得・保有している事実を伝えただけで終わってしまいます。

資格をアピールする際は資格を取得したことをゴールとせずに、その資格を目指したきっかけや苦労したこと、工夫した点、学んだことなどの背景も併せて伝えるようにしましょう

ITパスポートを取得したことを面接でアピールする例

大学の授業をきっかけに情報技術に興味が芽生え、その分野でキャリアを築きたいと考えたため、ITパスポートの取得を目指しました。

専門知識がまったくない状態から勉強を始めたため、特に情報技術の基礎知識や専門用語についての理解に苦労しました。おもに独学で試験勉強を進めていましたが、概念やネットワークの構成などの複雑な項目に関しては理解を確実に深めたいと考え、大学の教授に積極的に質問したり、オンラインプラットフォームを活用して疑問を一つずつなくしていくよう努力しました。

ITパスポートの取得経験から、何事も継続的な努力と自己啓発の重要性を学びました。取得経験から学んだことから、入社後は新しいことに対して努力を怠らず、常に知識のアップデートをしていきたいと考えています。

③取得難易度が低い資格は保有資格欄への記載のみにとどめる

選考ではできるだけ多くの資格を記載しておきたいと考える人も多いかと思います。しかし、誰にでも取得できるような資格や評価に値しないような資格は、なるべく記載しないようにしましょう

厳密な決まりはないですが、たとえば「TOEIC400点」を記載すれば、英語が得意ではないという印象を抱く人事もいるはずです。

マイナス評価になる/評価につながらない可能性のある資格・スコア例

  • 英検4級
  • 業務にミスマッチな資格

桒田 里絵

プロフィール

今後目指したい職務があり、それに役立つ可能性が高いことを熱意をもって伝えられるのであれば、取得難易度の低い資格であってもアピールになります。

ただし、資格を取ったからその仕事ができるというのは間違いです。「〇〇への貢献が自分の目標であり、その準備の一貫で資格も取得した」という話なら通じるでしょう。

アドバイザーコメント

公務員就職で資格をアピールする際は3つのポイントを押さえよう

①志望職種にピッタリの資格をチョイスしよう
②スキルや経験もアピールにプラスしよう
③取得が簡単な資格は控えめにしよう

たとえば、福祉職なら介護資格をアピールする、TOEICを取得した背景に留学したことがあれば詳しいエピソードを伝える、そして、運転免許は保有している人が多いため目立ちづらいため避ける、というように①②③のポイントを踏まえてアピールすることで、適切な資格選びができ、魅力的なアピールにつながります。

ほかにも例を挙げるとすれば、地方自治体の公務員を目指す場合は、地方行政の知識を深められる自治体法務検定が効果的です。

実体験も伝えることでプラスのアピールになる

自分の強みを引き立てるために、資格の裏付けとして実務での経験や研究もアピールに加えられたらさらに良くなるでしょう。大切なのは資格が具体的な職務にどれだけ貢献できるかを示すことです。

これらのポイントを押さえて自分の強みを引き出してアピールできれば、これから目指す先で働いている職員にも好印象を残せるでしょう。

資格を取得できたら、就活で使用する履歴書の資格欄に記載します。こちらの記事では、履歴書の資格欄で好印象を残す方法を紹介しているのでチェックしてみてくださいね。
履歴書の資格欄で好印象を残すには? 書き方から疑問点まで完全網羅

理想の公務員像を目指すための資格を取得して有利に就活を進めよう!

公務員の就職で有利になる資格は、目指す公務員像にマッチした資格を見極めることが大切だということを解説しました。加えて、ここまで解説したとおり、資格の取得は必須ではなく、プラスアルファのアピールポイントです。

どの資格が自分に最適なのかを考えて取得を目指すことで、入職後に即戦力で活躍できることをアピールできます。記事で公務員像別・分野別で紹介した資格を参考に、自分にマッチした資格を取得してほかの学生との差をつけ、就活を成功に導きましょう。

アドバイザーコメント

「国家資格」かつ「業務独占資格」の取得を目指すことで専門性をアピールできる

公務員で役に立ちそうなところでは「行政書士」「宅建(宅地建物取引士)」「社会保険労務士」「日商簿記」「ファイナンシャルプランナー」ですね。

民間の誰もが簡単に取れるような資格は、取得しやすい代わりに差別化にはなりにくく、実際の仕事に役立ちにくいものも多いです。

一方で、国家資格は取得のハードルがそれなりに高く取得が困難である代わりに一定の信頼性が保たれるので、保有しておくだけで面接に優位に働きます。

希少性の高いスキルがあることで価値が高まる

また、公務員でリストラされるという可能性はほとんどないことだとは思いますが、万が一職を変えなければならなくなった場合でも、業務独占の資格があればその資格を持っている人しかできない仕事に就けるため、ニーズが高く、比較的簡単に就職口を見つけることができるかと思います。

興味がある資格を学び取得することができたら、そこから実務経験をたくさん積んで自分の武器にしていきましょう。そうすることで、あなたにしかない強みを作っていくことが可能になります。

ぜひ頑張ってください。応援しています。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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