この記事のまとめ
- 新卒でデータベースエンジニアとして就職するのは狭き門
- データベースエンジニアの5つの基本情報を解説
- データベースエンジニアのやりがいや就職方法を押さえよう
- 適職診断
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この記事を読んでいる人に
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近年のITの発達によって膨大な量のデータを扱うデータベースを活用する企業が増加しました。このデータベースの開発・設計や運用・管理をするのがデータベースエンジニアです。エンジニアの一種で、就職を検討している学生も多いかと思います。
しかし、データベースエンジニアに関して「具体的にどんな仕事をするのかわからない」「自分は向いているかわからない」「就職が有利になる方法がわからない」と疑問がある人もいますよね。
この記事では、キャリアアドバイザーの谷所さん、木村さん、ITストラテジストの伊沢さんと一緒にデータベースエンジニアの仕事内容や必要なスキル、やりがい・厳しさなどを解説したうえで、向いている人、就職する方法を解説します。データベースエンジニアに興味がある人はぜひ参考にしてください。
データベースエンジニアは狭き門! 実務経験を積んで就職を実現させよう
データベースエンジニアは未経験の新卒を採用することは多くないため、狭き門となっています。しかし可能性はゼロではありません。大学生のうちから実務経験を積んでおけば就職が実現できる可能性が高まります。
この記事では、前半でデータベースエンジニアの仕事内容や年収、将来性、就職する方法、必要なスキルなど、基本情報を解説します。そして、記事後半でデータベースエンジニアとして働くことのやりがいや厳しさ、向いている人、就職が有利になる方法など、学生に役立つ情報を紹介します。
まずはデータベースエンジニアの基本を押さえて、その後に就活をどのように攻略するかを考えていきましょう。
あなたがエンジニアに向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、エンジニアに向いているか確認できます。
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・時間をかけずに自己分析をしたい人
まずは押さえよう! データベースエンジニアの基本情報
データベースエンジニアの基本情報
最初にデータベースエンジニアの仕事内容や年収、就活状況などの基本情報を解説します。選考を受けるかどうか判断するには、まずは基本を押さえることが重要です。すでに理解している人もおさらいの意味も込めて確認しましょう。
仕事内容
データベースエンジニアの仕事内容
- 開発・設計
- 管理
- 運用
データベースエンジニアの仕事内容は、大きく3つに分けられます。
データベースエンジニアの仕事の領域は広いため、内容によって担当者を分けることがほとんどです。それぞれどんなことをするのか確認していきましょう。
開発・設計
顧客に「どんなデータを確認するのか」「どのような用途で使用するのか」などをヒアリングし、開発・設計するのがデータベースエンジニアの仕事の一つです。OracleやMicrosoft SQL Serverなどのデータベース製品を扱いながら、顧客のニーズに合わせたデータベースを設計・開発します。
顧客は必ずしもデータベースやITに関して詳しいわけではないため、開発・設計をする際、顧客の要望を聞き出すヒアリング力も必要になります。
管理
データを保存しているサーバーの管理をおこなうのもデータベースエンジニアの仕事です。データベースの中で長くデータを保存し続けるには、正常に稼働しているか監視したり、バックアップを取ったりするなど、サーバーの管理が欠かせないのです。
また、サーバーの最適化や効率化などの改善をすることもあります。
運用
アクセス権の管理やデータのバックアップなど、データベースシステムの運用をするのもデータベースエンジニアの仕事です。
適切に運用ができていないと、システム内に不正アクセスしたり、データが流出したりする可能性があります。データベースエンジニアがしっかり運用することでそのようなリスクを防ぎ、セキュリティ管理ができるようになるのです。
上記のほかにも、データベースのパフォーマンスチューニングもおこないます。
これは、データベースを効率よく利用するための作業で、高速にデータにアクセスするためのインデックスを作成したり、データの取り出しを効率的におこなうクエリ最適化などをおこないます。
データエンジニア・データサイエンティストとの違い
データベースエンジニアと類似した職業に、データエンジニアやデータサイエンティストなどがありますが、それぞれ仕事内容が異なります。
職業名 | 仕事内容 |
---|---|
データベースエンジニア | データベースシステムの設計、開発、管理、運用を手がける。 |
データエンジニア | データの収集や調整、管理、分析など、データの活用に関することをする。 |
データサイエンティスト | 意思決定をしなければいけない場面で、データに基づいて決定ができるようにサポートする。 |
3つの職業はデータを扱う仕事ですが、その扱い方が異なります。そして、仕事内容も大きく異なるため、違いをしっかり把握して、エントリーする際、間違いがないようにしましょう。特にデータベースエンジニアとデータエンジニアは職業名が類似しているため、要注意です。
年収
求人ボックスの求人統計データによると、求人ボックス上で掲載されていた求人情報から算出されたデータベースエンジニアの平均年収は、2024年4月時点で571万円。そして、求人ボックスが引用している国税庁の令和4年分 民間給与実態統計調査によると、日本の平均年収は458万円となっています。
このように、データベースエンジニアは日本の平均年収よりも高い傾向にあることがわかります。データベースエンジニアは専門的な知識やスキル・資格が必要になることや需要の高さから、平均年収が高くなっていると考えられます。
専門的な技術が求められることはもちろん、エンジニアとしてIT業界である程度経験を積んだ後に、データベースエンジニアとして活躍することが多いので、年齢に比例して年収も高くなっていると考えることができます。
就活状況
データベースエンジニアは人手が不足しているため、関連企業は採用に積極的な傾向にありますが、高度で専門的な知識やスキル、資格、実務経験が必要になるため、誰でも簡単に就職できるわけではありません。
また、近年の求人票を見ると、データベースに関する知識・スキルだけを保有しているデータベースエンジニアは市場価値が下がっている傾向にあります。データベースのほかにも、インフラやネットワークなど、ITに関して総合的な知識・スキルを持ったエンジニアが求められるようになりました。
そのため、データベースエンジニアを目指す場合は、ITに関して網羅的に理解しておくとより就職可能性が高まるといえます。
データベースエンジニアを募集している企業例
一例に過ぎませんが、以下の企業がデータベースエンジニアを募集しています。
多くのIT企業がデータベースエンジニアを募集しています。気になる企業があれば、各社のホームページ(HP)や採用ページから確認してみましょう。
キャリアパス
データベースエンジニアのキャリアパスは、大きく分けて以下の2つが考えられます。
データベースエンジニアのキャリアパス
- マネージャー・サポートの分野に進む
- 専門職に就く
マネージャー・サポートの分野に進む場合は、ITコンサルタントや管理職などが考えられます。データベースエンジニアで培った知識・スキルを活かして、顧客の課題解決をサポートしたり、プロジェクトチームの仕事が円滑に進むようマネジメントしたりします。
また、データまたはデータベースの専門家としてさらに専門性を極め、データサイエンティストや独立して複数の企業に携わるといったことも可能です。
どのキャリアパスを描くべきかは実際に仕事をしてみないとわからないかと思いますが、就活の時点である程度キャリアパスを考えておくと、やるべき仕事や身に付けるべき知識・スキルが明確になり、マッチ度を考えやすくなりますよ。
他にも考えられるキャリアパスは、データベースの運用技術やデータ分析が事業経営に大きな影響力を持つ企業で、事業の運営に最適なデータベースの運用や分析などの技術と運用方法を経営者に提案したり、実際に運用できるCTO的な立場になるなどがあります。
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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
データベースエンジニアの将来性・今後の動向
データベースエンジニアの将来性・今後の動向
- 全体:AI(人工知能)技術の発達とともに需要が高まる傾向にある
- 運用保守・管理専門:需要は低くなると同時に求人数も少なくなると見られる
- データベース専門:仕事が少なくなるが技術・知識を持つ人の需要はさらに高まる可能性がある
- 設計・構築専門:データベース自体は必要とされるため需要が高まる可能性がある
データベースエンジニアとして就職しても、将来性がなければ就職後に後悔してしまう可能性がありますよね。
そこで、データベースエンジニアの将来性・今後の動向を仕事内容別に解説します。データベースエンジニアの将来性や今後の動向を確認して、本当に就職を目指すべきか判断しましょう。
全体:AI(人工知能)技術の発達とともに需要が高まる傾向にある
データベースエンジニア自体は、AI(人工知能)技術の発達とともに需要が高まると考えられています。AI技術が発達することで、より多くのデータを取り扱うことになり、同時にデータベースの管理が求められると見られるためです。
データベースエンジニアの需要は、AI技術の発達と比例して高くなると考えられます。しかし、仕事内容によっては今後必要性がなくなる場合もあります。
ここから仕事内容ごとの将来性・今後の動向を解説します。より良いキャリアを描くためにもしっかり確認しておきましょう。
運用保守・管理専門:需要は低くなると同時に求人数も少なくなると見られる
運用保守・管理を専門とするデータベースエンジニアの需要は低くなり、同時に求人数も少なくなることが考えられます。なぜなら、データベースの運用保守・管理ができるクラウドやソフトが発達し、専門的な知識・スキルがなくとも可能になると考えられているからです。
そのため、運用保守・管理を専門としているデータベースエンジニアは、知識・スキルの幅を広げて、データベースに関して網羅的に業務ができるようにしておかなければいけません。
SQLの知識やバックアップ、リカバリの手法、パフォーマンスチューニング、セキュリティ対策、アクセス管理などに加えて、クラウド技術に関する知識も必要です。
自社にあるデータベースをクラウドに移行する技術なども身に付けると良いでしょう。
データベース専門:仕事が少なくなるが技術・知識を持つ人の需要はさらに高まる可能性がある
データベース専門のデータベースエンジニアも需要が低くなる可能性があります。その理由は、運用保守・管理専門と同様で、クラウドやソフトの発達によって、データベースエンジニアがいなくとも管理・運用ができるようになるからです。
しかし、データベースだけでなく、プログラミングやインフラ・ネットワークなど、ほかのIT知識・スキルも兼ね備えている人はさらに需要が高まると考えられます。データベースの知識・スキルを活かしながら、さまざまな場面で活躍できるようになるからです。
そのため、データベースエンジニアに必要な知識・スキルを学ぶと同時に、IT全般の知識・スキルも身に付けることが求められます。
設計・構築専門:データベース自体は必要とされるため需要が高まる可能性がある
データベースの設計・構築を専門とするデータベースエンジニアの需要は今後も高まると考えられています。なぜなら、データベース自体は今後も必要とされ続け、顧客の要望に合わせて新たなデータベースを設計・構築する必要があるからです。
とはいえ、システムやツールの発達によって、最小限のスキルでデータベースが設計・構築できるようになる未来も考えられます。そのため、設計・構築を専門としている場合でも、知識・スキルの学習は継続することが大切です。
- 今後AIによってデータベースエンジニアの仕事が奪われる可能性はないのでしょうか。
すべての仕事がAIによって奪われる可能性は低い
中長期的に見れば、現状のデータベースエンジニアが担っている業務の役割の中で、部分的にAIで対応可能になることは考えられます。
しかし、AIに任せられる業務の範囲とそうでない範囲、つまり人が対応しなければ上手くいかない範囲の切り分けはそう簡単ではありません。
また、今後はどのような作業がAIの得意分野で任せた方が効率的であるのかを適切に判断できる能力が求められ、そのような能力やスキルを持ち合わせている人材、そして、AIが対応した業務が正しく実施されたのかを検証できる能力やスキルも必要になるはずです。
そのため、データベースエンジニアが現在担っている役割のすべてがすぐにAIに奪われてしまうとは考えにくいでしょう。
新卒の未経験からデータベースエンジニアに就職することは可能?
結論、新卒の未経験からデータベースエンジニアに就職することは非常に難しいです。なぜなら、専門的な知識・スキル・経験が必要とされているからです。また、実務経験を必須とする企業も少なくありません。
ただ、可能性はゼロではありません。新卒ですぐにデータベースを目指さず、ほかのエンジニアの経験を積んでから目指すといった方法もあります。データベースエンジニアとして就職する方法は後ほど解説します。
- 実際新卒からデータベースエンジニアを目指すのはどれくらい難しいのでしょうか?
実務経験が必要になるので新卒から目指すのはかなり難しい
データベースエンジニアは、実務経験を重視する企業もあり、新卒で就職するのはかなり難しいでしょう。新卒でITエンジニア職として採用されて、その後データベースを担当する部署やチームに配属されて、スペシャリストを目指すというケースが一般的です。
ただし、データ分析を専門におこなっている企業やSler企業などは、専門職として就職することも可能です。データベースの構築・運用経験やITインフラの知識があれば、短期間で戦力になることがアピールできるでしょう。
選択肢は多様! データベースエンジニアとして就職する方法
データベースエンジニアとして就職する方法は、大きく分けて2つあります。同じデータベースエンジニアでも、それぞれプロセスが大きく異なります。自分に合うのはどちらか確認してみましょう。
あなたがエンジニアに向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、エンジニアに向いているか確認できます。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
ITベンダーやSlerに入社する
データベースエンジニアとして就職するには、ITベンダーやSIerに入社することが一般的と言われています。
ITベンダーとは
システムやソフトウェアなど、IT製品を販売する会社のこと。
SIerとは
「System Integration(システムインテグレーション)」の略称で、顧客の要望に応じて、ソフトウェアの設計や運用などの仕事を請け負う企業のこと。
ITベンダーやSIerにて、必要な知識・スキルを保有していると認められればデータベースエンジニアとして入社できます。
しかし、前述の通り、新卒でデータベースエンジニアとして入社するのは狭き門となっています。データベースエンジニアに必要な知識・スキルが不足している人は、これから紹介するほかの職業を経てからステップアップするといった方法があります。
入社後の配属は採用の段階で方針が決まっている可能性もあるので、自分の希望通りになるとは限りません。
希望の配属先については、選考の段階から会社側に伝える機会があれば理由とともに伝えておくことが大切です。
プログラマーやシステムエンジニアからステップアップする
まずはプログラマーやシステムエンジニアとして入社して、実務経験を積んでからデータベースエンジニアにキャリアアップするといった方法があります。
データベースエンジニアがプログラミングをすることは基本的にはありませんが、プログラマーやシステムエンジニアはほとんどの確率で業務中にデータベースに触れることになるため、そこでキャリアを積むことでデータベースエンジニアとしての仕事も円滑に進められるようになります。
まずはプログラマーやシステムエンジニアとして入社して、働きながらデータベースエンジニアに必要な知識・スキルを身に付けてキャリアアップすることも視野に入れましょう。
システムエンジニアを目指す人は、こちらの記事でシステムエンジニアの詳細や就活の対策方法を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
システムエンジニアとは? 仕事内容から未経験の就職方法まで解説
プログラマーになる方法はこちらの記事で詳しく紹介しているので、プログラマーになることを検討している人は併せて読んでみてください。
プログラマー志望は最初に読みたい! 仕事内容から適性まで完全網羅
保守業務からステップアップする
保守業務はマニュアルに沿ってできる業務が多いため、キャリアの浅い新卒でも採用してもらえる可能性があります。保守業務にはデータベースを操作する作業が含まれていることもあるため、業務中にデータベースに関する知識・スキルを身に付けられることがあります。
このように、まずは保守業務を担い、仕事をする中でデータベースエンジニアに必要なスキル・知識を身に付けることで、データベースエンジニアにステップアップできます。
フリーランスで活動する
企業に就職せずフリーランスで活動する方法もあります。企業と業務委託契約を結び、常駐して仕事をするといった働き方が多くあります。フリーランスには誰でもなれるため、回り道せずにデータベースエンジニアになることができます。
しかし、フリーランスになる前に以下のようなデメリットがあることを把握しておかなければいけません。
フリーランスのデータベースエンジニアの注意点
- 自分で企業に営業をして案件を獲得しなければいけない
- 企業は実績を見て採用するか判断するため、実績は必要不可欠
- 経理などの事務作業も自分でする必要がある
- 収入が安定しにくい
上記の通り、フリーランスは実績で判断される傾向にあります。そのため、新卒の場合は、まずは企業に就職して実務経験・実績を積むことがおすすめです。
アドバイザーコメント
伊沢 剛
プロフィールを見るシステムエンジニアやプログラマーからのステップアップがおすすめ
データベースエンジニアとしてのキャリアを目指す方法はさまざまですが、新卒の人に特におすすめなのは、システムエンジニアやプログラマーとしての経験を積んでからのステップアップです。
この方法は業務中にデータベースと頻繁に触れ合い、必要な知識・スキルを自然に身に付けることができます。また、システムの運用保守業務から始める方法もあります。運用保守業務は基本的にマニュアルに沿って作業をおこなうため、初めての職場でも比較的安心して取り組むことができます。
フリーランスを目指す人はまずは企業に就職して経験を積もう
そして、その中でデータベースに関する知識を得ることが可能です。フリーランスとして働く選択肢もありますが、初めての職場としてはリスクが高いです。フリーランスは自身のスキルや経験により仕事を得るため、実務経験がない新卒の場合は、まずは企業に就職して経験を積むことをおすすめします。
また、大学の研究室でデータベースに関する研究をおこない、その経験を活かしてデータベースエンジニアになるという方法もあります。データベースはシステムで扱うデータが保存される重要な仕組みです。安定して動作させるためには、高度な知識や経験が必要になります。
データベースエンジニアに必要な知識・スキル
データベースエンジニアに必要な知識・スキル
前述の通り、データベースエンジニアには専門的な知識・スキルが必要になります。そして、専門的なもの以外にも、ある思考力や能力も必要になります。
まずはどんな知識・スキル・能力が必要になるかを把握し、これからの学習の参考にしてください。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
情報システムに関する網羅的な知識
データベースエンジニアの業務範囲はデータベースだけではありません。サーバーやネットワークなど、ITインフラ業務にかかわることもあるのです。そのため、情報システムに関して網羅的な知識を身に付けている必要があります。
また、データベースの設計・開発、運用・管理をするには、組織のIT戦略を理解しておく必要もあります。しっかり理解するためにも、ITに関する知識は身に付けておくのがベストです。
システム開発の知識・スキル
データベースを開発するだけでシステムを使えるようになるわけではありません。ほかの要因も組み合わせてようやくシステムが機能するようになるのです。つまり、データベース開発はシステム開発の一部ということです。
データベースエンジニアの主な業務範囲はデータベースにかかわることですが、システム開発全般の知識・スキルを保有しておくことで、チームの他者のことも考慮できるようになります。そうすると、プロジェクトがスムーズに進みやすくなりますよ。
データベース製品の知識・スキル
データベースエンジニアはデータベース製品を取り扱うための知識・スキルが必要とされます。特に知識・スキルを身に付けておくべきデータベース製品は以下の通りです。
身に付けておくべきデータベース製品の知識・スキル
また、後ほど詳しく解説しますが、ベンダー資格を取得しておくことでこれらの製品について熟知していると証明できます。
ベンダー資格とは
IT関連製品を製造・販売するベンダーが、自社製品についての適切な操作技術や管理技術を満たしていることを認証するための民間資格制度。
データベース製品に関する学習をする際は、同時にベンダー資格の勉強も進めることをおすすめします。
データモデリングツールの知識・スキル
データモデリングツールとは
データベース構造を作成するためのアプリケーション。データ要件を視覚的に伝えられるようになる。
システムを設計・開発する前に、どのようなデータベースシステムを作成するか可視化する必要があります。それができるのがデータモデリングツールです。顧客や開発チームと共通認識を持ったうえでシステムを開発するためには、データモデリングツールを扱う知識やスキルが必要となります。
まずはデータモデリングに関する本や記事を読んで、データモデルの理解を深めるところから始めましょう。
システム開発、ITインフラの基礎知識などを理解したうえで、データモデリングに関する書籍を読んで理解を深めていくと良いでしょう。書籍だけではなく、オンライン講座などを活用してスキルを高めていく方法もあります。
セキュリティの知識・スキル
データベースエンジニアはセキュリティに関する知識・スキルも必要不可欠です。なぜなら、データベースエンジニアは膨大な量のデータを扱う仕事であり、それらが漏洩したり、流出したりすることは許されないからです。
具体的には、アクセス権の適切な付与やアクセスの制御、データの暗号化などが求められます。また、サイバー攻撃など、データベースへの攻撃に関する知識も身に付ける必要があります。
顧客からの信頼を保持するためにも、セキュリティの知識・スキルは身に付けておきましょう。
論理的思考力
論理的思考力とは
網羅的に論点を整理して考える力。複雑なことをシンプルに整理して考える力とも言われている。
データベースを構築する際、利用者がデータを格納しやすくしたり、素早くかつ簡単に取り出せるようにしたりすることが求められます。一度設計すると、後から仕様を変更するのは難しいため、設計の段階でシンプルに整理しておく必要があるのです。
また、論理的思考力があれば、複雑なことでもシンプルに伝えられるようになります。顧客は必ずしもデータベースやITに関して詳しいとは限らないため、誰でもわかるように伝える必要があるのです。
学生のうちに論理的思考力をトレーニングしておきましょう。実際に、身近にある事象や決まり事に対して、「なぜそうなのか」「どういう理由でそのようなルールややり方になっているのか」と疑問を持ち、具体的に順序立てて説明することで鍛えられます。
コミュニケーション能力
データベースエンジニアは、顧客の要望に合わせてシステムを設計・開発する必要があります。そのため、顧客からの要望を引き出したり、正しい情報を伝えたりするためのコミュニケーション能力が必要なのです。
また、ほとんどのプロジェクトは複数人のチームで取り組みます。チームで円滑にプロジェクトを進めるためにもコミュニケーションが必要となります。
データベースエンジニアは、トラブルへの対応力も求められます。データベースシステムのトラブルを拡大せず早急に解決するためには、状況を的確に把握し、柔軟かつ冷静に対応できるトラブル対応力が求められるのです。
取得しておくと有利になる! データベースエンジニアにおすすめの資格
データベースエンジニアにおすすめの資格
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- ORACLE MASTER
- データベーススペシャリスト試験
- OSS-DB技術者認定試験
- Microsoft認定資格プログラム
資格を取得すると、それに関する知識やスキルがあることを客観的に証明できるようになります。そして、データベースエンジニアは知識・スキルが必要不可欠であるため、資格を取得することによってスムーズに業務に携われるアピールになるのです。
ここからはデータベースエンジニアに特化した資格から、IT業界全般に役立つ資格までを紹介します。まずは取得できそうな資格の勉強から始めましょう。
以下の記事ではIT業界に就職する人におすすめの資格を紹介しているので、ほかにも資格を見てみたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
厳選15選|目指すべきIT資格の見つけ方から勉強方法まで徹底解説
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は国家資格です。AIやビッグデータ、IoTなど、新しい技術や手法の概要に関する知識、経営、ネットワーク、プロジェクトマネジメント、ITなど、ITに関することからビジネス全般まで幅広い分野を取り扱うITパスポートの上位資格となっており、ソフトウェアの技術的な知識も問われます。
基本情報技術者試験を取得するには、データベースに関する知識・スキルも必要になります。そのため、基本情報技術者試験を取得しておくことで、データベースに関する知識・スキルを身に付けていることを証明できるようになるのです。
難易度はやや高いですが、しっかり勉強すれば未経験からでも取得できますよ。
基本情報技術者試験の基礎知識
- 主催団体:IPA
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:多肢選択式
- 試験日:春期(4月)・秋期(10月)
- 受検費:7,500円(税込)
- 目安勉強時間:200時間ほど
- 合格率:58%ほど
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位資格です。すでにデータベースを始めとする基本的なIT知識・スキルを身に付けていて、さらにレベルアップしたい人が目指す資格と言われています。
出題範囲は基本情報技術者試験とあまり変わりません。しかし、問題の難易度が高いため、より深い知識・スキルが必要になります。
難易度は高く、合格率も低いですが、すでにデータベースに関する知識・スキルを身に付けている人は、チャレンジしてみるのもおすすめです。
応用情報技術者試験の基礎知識
- 主催団体:IPA
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:多肢選択式
- 試験日:春期(4月)・秋期(10月)
- 受検費:7,500円(税込)
- 目安勉強時間:500時間程度
- 合格率:20%前後
選考通過率がグッと上がる!
就活対策で悩んだらプロンプト集がおすすめ!
✓チャットでできる!模擬面接プロンプト
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ORACLE MASTER
ORACLE MASTERは、データベースシステムのベンダーであるOracleが提供する資格試験です。出題される問題はOracleの製品がベースとなっていますが、取得することで企業側からは「データベースに関する知識を網羅している」と評価されやすくなります。
ORACLE MASTERは4つのレベルに分けられていて、各レベルに相当するIT系国家資格と比較すると以下のようになります。
国家資格 | ORACLE MASTER |
---|---|
ITパスポート | ORACLE MASTER Bronze |
基礎情報技術者試験 | ORACLE MASTER Silver |
応用情報技術者試験 | ORACLE MASTER Gold |
データベーススペシャリスト | ORACLE MASTER Platinum |
データベースエンジニア志望の人は、取得しておくと就職が有利になりますよ。
ORACLE MASTERの基礎知識
- 主催団体:Oracle
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:CBT(Computer Based Testing)方式
- 試験日:随時実施
- 受検費:29,400円
- 目安勉強時間:20〜40時間程度
- 合格率:60%〜70%ほど
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、情報システムの要件定義や開発・運用までの役割を担う人、技術支援をおこなう人を対象にした資格です。データベースの企画・設計・要件定義、開発、管理・運用などに関する知識・スキルを学ぶことができます。
取得しておくことでデータベースエンジニア就職は有利になりますが、難易度は非常に高く、合格率は15%前後となっています。未経験の人はまずはITパスポートや基礎情報技術者試験から取得し、知識・スキルを身に付けてからデータベーススペシャリスト試験を受検するのがおすすめです。
データベーススペシャリスト試験の基礎知識
- 主催団体:IPA
- 資格種類:国家資格
- 試験形式:多肢選択式、記述式
- 試験日:秋期(10月)
- 受検費:7,500円(税込)
- 目安勉強時間:200時間程度(実務経験者の場合)
- 合格率:15%前後
OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験(オープンソースデータベース技術者認定試験)は、オープンソースデータベースに関する知識を身に付けていることを認定するIT技術者認定試験です。
オープンソースデータベースとは
ソースコード(プログラミング言語で書かれた文字列)がインターネット上に公開されているデータベースのこと。無料でダウンロード可能で、その内容を変更してそのままデータベースとして利用できる。
認定を得ることで、データベースの開発ができるようになったり、システムの運用・管理ができるようになったります。OSS-DB技術者認定試験にはGoldとSilverの2種類がありますが、未経験の人はSilverから受検するのがおすすめです。
OSS-DB技術者認定試験の基礎知識
- 主催団体:エルピーアイジャパン(LPI-Japan)
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:CBT(Computer Based Testing)方式
- 試験日:いつでも可能
- 受検費:16,500円(税込)
- 目安勉強時間:3カ月〜半年
- 合格率:70%前後
Microsoft認定資格プログラム
Microsoft認定資格プログラムは、Microsoftの製品に関する知識とスキルをレベル別に認定するプログラムです。MicrosoftはMicrosoft AzureやMicrosoft Power Platform、Microsoft 365など、さまざまな製品を提供していますが、資格を取得すると、これらの製品に関する知識・スキルを身に付けていると認められます。
また、Fundamentals・Associate・Expertの3段階に分けられており、Fundamentalsが初級レベルです。まずはFundamentalsから取得して、徐々に知識・スキルを身に付けていくのがおすすめです。
Microsoft認定資格プログラムの基礎知識
- 主催団体:Microsoft
- 資格種類:民間資格
- 試験形式:CBT(Computer Based Testing)方式
- 試験日:いつでも可能
- 受検費:10,780円
- 目安勉強時間:80時間程度
- データベースエンジニアを目指すなら、資格は在学中に取得しておくべきなのでしょうか?
在学中の取得を目指すとアピールポイントになる
在学中の資格取得を必須とする企業はそれほど多くないと思いますが、入社後に取得を必須としている企業は一定数あると考えられます。
できるだけ早い段階での取得を目指して、在学中から勉強を開始していることを伝えることで、ある程度積極性をアピールすることは可能です。
在学中の資格取得を目指す場合は、本来の学業と就職活動との日程面や体力面でのバランスを上手く取れるようにする必要があるので、無理のない計画を立てて実行することが大切です。
アドバイザーコメント
伊沢 剛
プロフィールを見るまずは基本情報技術者試験を取得しよう
IPAの主催する情報処理技術者試験は就職に有利です。ついつい難しい資格にチャレンジしようとしてしまいますが、資格試験合格のコツは、階段を登るようにコツコツと簡単な試験から合格して、自信をつけながらステップアップすることです。
まずは、基本情報技術者試験の合格を目指しましょう。この試験は年中いつでも受検できます。次に、応用情報技術者試験の合格を目指していきます。学生時代に応用情報技術者試験まで合格できているとかなりのアドバンテージがあります。
ベンダー系の資格は就職してから必要に応じて取得しよう
Oracle Masterなどのベンダー系の資格は学生時代というよりは、就職してから必要に応じて取得すると良いです。データベースエンジニアとして活躍したい、活躍している人はやはりデータベーススペシャリスト試験がおすすめです。
この試験はデータベースの設計能力や管理の手法、SQLなど、幅広くデータベースについて問われる試験です。この試験の鬼門は午後2で、データベースの設計能力を求められる内容になっています。難易度は高いですが、合格すればデータベースについての高度な知識があることを証明できます。
データベースエンジニアのやりがい
データベースエンジニアのやりがい
- 多くの業務の効率化・利便性向上に貢献できる
- ITに関する幅広い知識・スキルを習得できる
- 経営に関連する重要なビジネスにかかわれる
- 開発プロジェクトの不可欠な人材になれる
働くうえでやりがいが感じられることは重要です。やりがいが感じられないと楽しく仕事に取り組めなくなり、ネガティブな気持ちになってしまいます。
データベースエンジニアとして働くことにはどんなやりがいがあるのか確認していきましょう。
多くの業務の効率化・利便性向上に貢献できる
データベースシステムを構築することで、膨大な量のデータを取り扱えるようになります。そして、その膨大な量のデータを簡単かつ素早く格納したり、管理したりすることができるようになるため、業務効率化・利便性向上につながるのです。
顧客はデータの管理・運用に課題を感じていることからデータベースの構築を依頼します。データベースエンジニアはシステムを構築し、運用・管理することで、顧客の業務効率化・利便性向上に貢献できるため、やりがいを感じられるのです。
ITに関する幅広い知識・スキルを習得できる
データベースエンジニアはデータベースに関する知識・スキルだけを身に付ければ良いわけではありません。システムはさまざまな要因が掛け合わさって開発されるため、プロジェクトをスムーズに進めるためにもIT全般の知識・スキルが必要になるのです。
それらを学ぶことで、ITコンサルタントなどへの幅広いIT職種へのキャリアチェンジが可能になったり、他社でも通用する技術を身に付けることができます。学習を続けて、ITに関する幅広い知識・スキルを身に付けられると、仕事の幅も可能性も広がりやりがいを感じやすくなります。
- 現役のデータベースエンジニアはどのように学習時間を捻出しているのでしょうか。
すべてを学ぶのではなく今必要なスキルを集中して勉強している
データベースエンジニアの仕事をしながら学習時間を捻出するのは大変ですが、すべてを学ぼうとするのではなく、今必要なスキルを集中的に学ぶようにしているでしょう。
書籍に加えてオンライン講座などで学ぶことで、効率よく学習することができます。またデータベースエンジニアとしての弱い部分を強化していくなど、自己分析をおこなったうえでの計画的な学習もしています。
携わっている業務を通じて、知識やスキルを高めていくこともできるでしょう。
経営に関連する重要なビジネスにかかわれる
データは企業経営において非常に重要な資源となります。データを分析したり活用したりすることで、課題の解決や新事業の創出など、より良い方向に導く可能性を秘めています。
そして、データベースエンジニアは重要な役割を持つデータの管理・運用を任される責任重大なポジションです。業務効率化や課題の解決などができれば、企業の経営に直接貢献できます。自分がデータを管理・運用することで企業経営がより良い方向に向かっていると実感できたときには、やりがいを感じられます。
開発プロジェクトの不可欠な人材になれる
データベースエンジニアはシステム開発に必要不可欠です。データベースシステムの設計・開発を担うため、開発プロジェクトに深くかかわることができるのです。また、顧客にヒアリングして、必要事項を洗い出すのもデータベースエンジニアの仕事です。
このように、データベースエンジニアはデータベースに関するあらゆるプロジェクトのチームの主要メンバーとして働けることにやりがいを感じられますよ。
アドバイザーコメント
伊沢 剛
プロフィールを見る新しい技術を実装することがやりがいにつながる
データベース分野は新しい技術がたくさん出てきています。それらの技術を積極的に利用して実装することがやりがいにつながります。特に、データベース関連のクラウド技術は興味深いものがありますよ。
データベースの利用量に応じてデータベースサーバーの台数を増やして負荷分散を図ったり、データベースを動作させる仮想のコンピュータそのものについて、CPUやメモリの量をアップグレードさせたりと、今まで以上に自由なシステム展開ができるのです。
データベース分野は便利な技術がどんどん出てきている積極的に活用しよう
バックアップの仕組みも2重、3重と冗長性を高めることも簡単にできます。
また、データベースサーバーがダウンした時、待機用のデータベースサーバーに自動的に制御が切り替わるような仕組みの実装も簡単におこなうことができます。クラウドの技術を学習すると、これらができるようなります。
データベースは関係型データベースと言われる表の形式でデータを管理するタイプのものが主流ですが、最近はNoSQLと言われるデータベースの考え方も積極的に使われるようになってきました。
このように、データベースの世界は基礎の部分は不変ですが、それを動作させるための便利な仕組みがクラウドサービスを中心に提供されているのです。
冗長性とは
通常は重複しているという意味である一方、IT用語としては、「余裕のある状態」「二重化」など、肯定的な意味で使われる
NoSQLとは
Not Only SQLの略で、多くの企業で使われている、リレーショナルデータベース管理システム以外のデータベース管理システムの総称
やめとけという声も? データベースエンジニアの厳しい一面
データベースエンジニアの厳しい一面
- 設計の緻密さが求められる
- データベース関連の知識・スキルを熟知する必要がある
- 企業のデータを守るという大きな責任がプレッシャーになる
- 人材不足により一人当たりの業務量が多い傾向にある
データベースエンジニアはやりがいがある一方で、厳しい一面があることも事実です。入社後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔しないためにも、厳しさも事前に把握しておきましょう。
設計の緻密さが求められる
データベースシステムを構築した後に仕様を変更するのは難しいため、後戻りをすることは良しとされていません。そのため、設計の段階から緻密さが求められるのです。
また、住所やメールアドレス、クレジットカード番号などの個人情報を扱うため、漏洩したり、流出したりすることは決して許されません。万が一のことがないよう、不備のない設計が求められます。
このように、データベースエンジニアは常に細かく、地道で、完璧に近い作業が求められます。働きながら、孤独や責任からのストレスなどを感じることも考えられます。
データベース関連の知識・スキルを熟知する必要がある
近年、IT業界が急速な変化を遂げていますが、データベースに関しても同様です。クラウド化が進んだり、新しいシステムが誕生したりするなど、日々目まぐるしく変化しています。
このような状況で、知識・スキルを吸収しないデータベースエンジニアは需要が低くなり、必要とされなくなってしまいます。つまり、需要に応え続けるためにも、データベース関連の知識・スキルを学び、熟知する必要があるのです。
日々の業務で忙しいデータベースエンジニアですが、合間時間や休日などを利用して、最新の知識やスキルを取り入れなければいけません。常に仕事関連のことを考えなければいけないことにストレスを感じる場合もあります。
企業のデータを守るという大きな責任がプレッシャーになる
前述の通り、企業にとってデータは重要な資産となります。データを分析したり、活用したりすることによって、企業経営が上向きになる可能性もあるからです。
そして、このデータの運用・管理をするのがデータベースエンジニアの仕事です。つまり、企業の重要な資産を任されているということ。非常に責任重大で、その責任をプレッシャーに感じてしまうこともあります。
一方で、責任重大な仕事を任されているといった意識から、やりがいを感じられる人もいます。自身のプレッシャーへの耐性を振り返って、やりがいと感じられるかどうか判断しましょう。
- もしデータが流出してしまった場合、データベースエンジニアはどのように責任を取りますか?
データベースエンジニア一人が責任を負わされることは稀
一般的に、企業が事業で扱うデータはセキュリティ対策がとられているので、もしデータが流出してしまった場合は、事前に決められたルールに従って処理されることになります。
個人が故意にデータを流出させたといった場合を除き、データ流出についてデータベースエンジニア一人が責任を負わされることは稀ですが、担当部署として何らかの責任を問われて、対処業務が割り当てられる可能性はあります。
その場合、事後処理や再発防止のための対策を講じる作業を短期間で実施する必要が生じたり、その他通常業務とは別に急ぎで対応が求められる可能性もあります。
人材不足により一人当たりの業務量が多い傾向にある
データベースエンジニアは需要が高まっている一方で、高度な知識・スキルが必要とされています。知識・スキルは簡単に身に付けられるものではないため、そもそも採用できる人材が限られていて人手不足な状態です。そのため、一人当たりの業務量が多くなり、残業時間が長くなったり、休日出勤が求められたりすることもあるのです。
「ワークライフバランスを重視したい」「仕事とプライベートはできる限り分けたい」と考えている人にとっては、厳しく感じることがあります。「プライベートよりも、まずは仕事で成果を出したい」と考えている人におすすめです。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るデータベースエンジニアにはほかにも4つの厳しい面がある
データベースエンジニアのほかの厳しい面について考えてみましょう。
①評価されにくい
データベースエンジニアの運用や管理といった仕事は、システムやアプリを裏から支える仕事のため、地道な作業で縁の下の力持ちのような仕事が多く、評価されにくい仕事だといえるかもしれません。
②急な対応に追われる
トラブルが発生するとシステム全体に影響を及ばさないように、早急な対応が求められます。迅速かつ冷静にトラブル対応をおこなわなければいけないことは、厳しい一面といえるでしょう。
また設計などでは、顧客や部門の意向により仕様変更がおこなわれることがあり、納期を間に合わすために迅速な対応をおこなわなければなりません。
③常に稼働している状況での業務
データベースエンジニアは、データベースシステムの設計、構築、管理など運用全般をおこないますが、データベースが24時間稼働しているため、常に監視やトラブル対応などが必要になります。
④一人作業が多い
データベースエンジニアは、プロジェクトでほかのメンバーとのコミュニケーションは大切ですが、一人で任されることが多いでしょう。そのため担当業務の仕事量が増えるだけでなく、一人で業務を遂行しなければいけないため、孤独を感じることがあるかもしれません。
データベースエンジニアが向いている人の特徴
データベースエンジニアが向いている人の特徴
- 几帳面な性格の人
- 急な変更でも冷静に対応できる人
- 集団行動に苦を感じない人
データベースエンジニアには向き不向きがあります。向いている人にとってはやりがいを感じられる魅力的な仕事ですが、向いていない人にとっては楽しく仕事ができない可能性があります。
向いている人の特徴を把握して、自分に当てはまるかどうかをチェックしましょう。
几帳面な性格の人
データベースエンジニアは、取り扱いに注意が必要だったり、企業の重要な資産になったりするデータを扱います。そのため、緻密な作業が得意だったり、細かい部分まで気に掛けられる几帳面さが求められるのです。
また、エラーが発生した際は、該当箇所を一つひとつ確認しながら作業する必要もあり、大雑把な性格の人にはあまり向いていません。几帳面な人や地道で細かい作業をするのが好きな人は、データベースエンジニアに向いています。
データベースエンジニアの仕事は、データベースが間違いなく、効率的に機能するように調整をおこなうなど、細かく正確性が求められる作業が多くあります。そのため、慎重に業務をおこなうことができる几帳面な人が向いているでしょう。
急な変更でも冷静に対応できる人
データベースエンジニアの仕事は、基本的には顧客ワークとなります。顧客から仕様の変更を要求されたり、納期を早めてほしいなどの急な要望があったりすれば、それに対応しなければいけません。また、突然システム障害が発生する可能性も考えられます。
このように、データベースエンジニアとして働くと、急な変更やトラブルが付き物となります。予定外の事態でも冷静かつ正確に対応できる人はデータベースエンジニアに向いています。
集団行動に苦を感じない人
データベースエンジニアは、基本的にはチームでプロジェクトを進めます。同じオフィスで同僚と協力しながら、プロジェクトを遂行するのです。
1人でプロジェクトが完了することはほとんどありません。そのため、集団行動に苦を感じず、むしろチームで1つの目標に向かって進むことが好きな人はデータベースエンジニアが向いています。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見るデータベースエンジニアはマナー・社交性がある人にも向いている
データベースエンジニアは、客先で定期的な作業をおこなうことも珍しくない仕事です。作業自体はある程度決められたルーチンワークが中心となることも多い立場ですが、客先での言動は意外と見られているものです。
そのため、データベースエンジニアとしての技術力や対応力だけでなく、現場でマナーを守り客先の担当者や関係者に適切な配慮ができる社交性も兼ね備えている人は、特に向いているといえるかも知れません。
たとえば、突然のシステム障害などが発生すると、データベースエンジニアは時間との闘いの中で客先からの暗黙のプレッシャーを感じながらも冷静に作業をおこなって問題を解決しなければなりません。
日頃から客先の担当者や関係者と良好な関係を築くことが大切
普段から客先の環境の中でマナーよく適切な人間関係を築けていれば、問題解決のために現場の関係者と協力して取り組むことができ、システムの復旧作業に集中してより早く円滑に作業を進めることができます。
逆に、客先でのマナーや関係者への配慮を怠り自分だけでシステム障害を解決しようとするデータベースエンジニアは孤立しがちになり、向いているとは言えないでしょう。
データベースエンジニア就職が有利になる方法
前述の通り、データベースエンジニアとして就職するには高度な知識やスキル、実務経験が求められるため、未経験の新卒が就職するのは難しいです。
しかし、大学生のうちから準備をしておくことで就職の可能性は高められます。
エンジニアの実務経験を積んでおく
大学生のうちからエンジニアの実務経験を積んでおくと、就職が有利になります。前述の通り、プログラマーやシステムエンジニアの実務経験があることで、データベースエンジニアとしての仕事も円滑に進められるようになります。そのため、実務経験を重視する企業も少なくないのです。
大学生がエンジニアの実務経験を積む方法は、長期インターンシップへの参加と、企業との業務委託契約の2種類が考えられます。
長期インターンは社員に仕事やビジネスマナーなどを教えてもらいながら経験を積めるというメリットがあります。一方で、企業との業務委託契約は仕事を教えてもらうことはできませんが、インターンよりも高給与で仕事を任せてもらえます。クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングから案件を獲得できますよ。
それぞれの特徴を押さえたうえで、自分ができそうなことから始めて経験を積みましょう。
インターンについて何も把握できていない人は、こちらの記事からインターンの全体像を把握しましょう。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
学生のうちからエンジニアの実務経験を積む方法で、ハッカソンにチャレンジするという方法があります。ハッカソンを通して、システムの設計や実装だけでなく、課題の解決にもかかわることができるのが魅力です。
リモートで参加できるものもあるので、まずは気軽に参加してみるのが良いでしょう。
ハッカソンとは
エンジニア、デザイナー、プログラマーなどが集まって集中的に開発するイベント
データベースエンジニアに必要なスキルを取得してアピールする
データベースエンジニアはさまざまな知識・スキルが必要になりますが、それらは資格を取得することで客観的に証明できます。つまり、資格を取得することで企業側からも知識・スキルを身に付けていることを認められやすくなるのです。
おすすめの資格は前述でも紹介した以下の6つです。
難易度の高いものもありますが、しっかり勉強すれば未経験でも取得できる資格もあります。自分のレベルに合った資格を取得して、自己PRの際にアピールしましょう。
エンジニアスキルを最速で身に付けられるのはITスクール
前述で「エンジニアの実務経験を積むとデータベースエンジニア就職が有利になる」と解説しましたが、そもそもエンジニアの知識・スキルを身に付けるのも大変です。「できるだけすぐにエンジニアスキルを身に付けたい」「誰かに教えてもらいたい」と考えている人はITスクールに通うのがおすすめです。
ITスクールであれば学習の道筋を提示してもらったうえで学習できるため、回り道せずに知識・スキルの習得ができます。費用はかかりますが、確実かつ最速でエンジニアスキルを身に付けて、データベースエンジニア就職を叶えたいと考える人におすすめです。
おすすめのエンジニアスクールはこちらの記事で解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
おすすめのエンジニアスクール14選|失敗しない選び方の秘訣も紹介
世の中に貢献できる! スキルを習得してデータベースエンジニアの内定を勝ち取ろう
データベースエンジニアは、取り扱いに注意が必要だったり、企業の重要な資産になったりするデータを扱う仕事であるため、大変な部分もあります。しかし、企業経営に直接関与できるため、世の中に貢献している実感も得られる魅力的な仕事です。
未経験の新卒で入社するのは狭き門となっていますが、大学生のうちからスキルを習得してデータベースエンジニアの内定を勝ち取りましょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るデータベースエンジニアを目指すなら必要な知識やスキルを習得しよう
データベースエンジニアは、データベースシステムの設計、構築、管理など運用全般をおこなう仕事であり、今後AI技術の発達でビッグデータの解析など多くのデータを取り扱うことになります。
データベースをビジネスで活用するケースも増えていて、データベースエンジニアの仕事が、今後より重要になってくるでしょう。
就職後に必要な知識やスキルを習得することもできますが、サーバーやネットワークなど、ITインフラに関する知識、セキュリティに関する知識、SQL知識などは習得しておくと良いでしょう。
また基本情報技術者試験やORACLE MASTERなど、業務で活かせる資格を取得しておくことで、戦力になれる人材として有効なアピールになります。
データベースエンジニアを目指す方法は一つではない
データベースエンジニアは、専門的な知識やスキルを求めることが多いため、新卒でITベンダー企業やSIer企業に就職することが難しいかもしれませんが、諦める必要はありません。
新卒でデータベースエンジニアになれなくても、IT技術者としてプログラマーやシステムエンジニアからステップアップする道や、保守業務に携わり将来データベースエンジニアを目指す方法もあります。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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ITストラテジスト/情報処理安全確保支援士
Takeshi Izawa◯専門学校で10年以上アルゴリズムやJava、Python、人工知能、IoT、情報セキュリティなどのIT分野の教育に従事。現在は研修講師やITコンサルタントを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役
Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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