この記事のまとめ
- デザイン思考を身に付けるのは4つのメリットがある
- デザイン思考テスト独自の考え方を身に付けて選考を突破しよう
- デザイン思考は7つの方法で身に付けることが可能
- WEBテストパーフェクト問題集
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この記事を読んでいる人におすすめ
就活において多くの企業が筆記試験やWebテストなどの適性検査を実施しますが、近年注目されているのがデザイン思考テストです。デザイン思考テストとほかの適性検査は内容だけでなく、企業が導入する目的も異なります。
しかし、デザイン思考テストに関して「そもそもデザイン思考って何?」「どんな問題が出題されるのかわからない」「対策方法を知りたい」と疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
この記事ではキャリアアドバイザーの木村さん、小峰さん、瀧本さんと一緒にデザイン思考テストの基本情報や問題内容、対策方法などを解説します。デザイン思考テストを受検する可能性がある人は参考にしてください。
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実践が重要! 能力を身に付けてデザイン思考テストで高得点を取ろう
デザイン思考テストで高い評価を得るには、デザイン思考という能力を身に付ける必要があります。そして、このデザイン思考は実践によって身に付けられます。
しかし具体的な能力の身に付け方や、その能力を発揮する方法がわからない人もいると思います。
この記事では、前半でデザイン思考テストの基本情報や問題内容を解説するので、まずはデザイン思考テストの概要を押さえてください。
そして記事後半で、デザイン思考を実践するプロセスやデザイン思考テストの対策方法などを解説します。「どのように対策を始めたら良いかわからない」を解決できる内容となっているので、ぜひ参考にしてくださいね。
デザイン思考テストとは? 基本情報を解説
デザイン思考テストの基本情報
- デザイン思考テストの概要
- デザイン思考テストの種類とその違い
- 導入実績
最初にデザイン思考テストの概要や種類、導入実績など基本的な情報を解説します。基本情報を知らなければ効果的な対策は難しくなります。より効果的な対策をするためにも、まずは基本情報を把握しておきましょう。
すでにデザイン思考テストの基本を知っている人も、おさらいの意味を込めて確認してください。
デザイン思考テストの概要
デザイン思考テストとは、イノベーションを創出する際に必要とされる思考プロセスを自ら瞬時に回して、事業を創造する力を測定するテストです。後ほど詳しく解説しますが、イノベーション創出に必要な思考プロセスは以下の5段階と言われています。
イノベーション創出に必要な思考プロセス
- 共感
- 定義
- 概念化
- 試作
- テスト
これらのプロセスを順番に回して事業を創造する思考とされています。
また、デザイン思考テストの内容は創造セッションと評価セッションの2種類です。両方を受検し、それぞれのスコアの合計点数で評価されるテストとなっています。
デザイン思考テストの種類
デザイン思考テストには公開テストと団体テストの2種類があります。それぞれの違いは以下の通りです。
公開テスト | 団体テスト | |
---|---|---|
テストの概要 | 一般の人向けに公開 | 特定の団体向けに公開 |
テストの日時 | すでに決められた日時で実施 | 各団体が日時を指定 |
受検方法 | ホームページ(HP)から申し込み | 各団体が案内するURLから申し込み |
支払い方法 | 受検者個人が支払う | 各団体が支払う |
結果の開示 | 5日以内に開示 | 開示または非公開を団体が指定 |
スコアの利用 | 公式スコアとして2年間利用可能 | 団体テストによって利用可能な場合がある |
公開テストと団体テストでは受検日や支払い方法、スコアの利用の可否などに違いがあります。とはいえ出題内容は変わらないため、同じ方法で対策可能です。
上記の2つの違いとして、個人が自分で申し込んで受検する場合は、団体テストには申し込むことができません。
一方、団体テストでは各団体による申し込みと支払いがおこなわれ、受検結果についても団体が受検者に開示するかしないかを指定できるという特徴があります。
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導入実績
デザイン思考テストは300社以上の導入実績があり、受検者数は28万人を突破しています。公式HPによると具体的には以下のような企業に導入されています。
幅広い業界の企業に導入されていることがわかります。その中でもデベロッパーや総合商社、金融業界などが導入する傾向があります。特にこれらの業界を希望する人は、日頃からデザイン思考を意識して養いましょう。
- デザイン思考テストの受検要否はどの段階で知ることができるのでしょうか。
基本的にはエントリー後にしかわからない
就活中の学生にとって、志望する企業に関してデザイン思考テストの受検が必要かどうかは気になるところだと思います。
これまでも書類選考や面接に加えて、玉手箱やSPIなどの適性検査を実施してきた企業がありました。デザイン思考テストは、これらの適性検査の代わりに採用する企業が増えています。
そのため企業の選考方針によっても異なりますが、一般的には従来の適性検査と同じように、エントリーが済んだ段階で学生に適性検査の種類と受検方法が伝えられるようです。
デベロッパー業界については、以下の記事で詳しく解説しているので、関心のある人は確認してみてくださいね。
ディベロッパー大手6社を徹底比較! 人気業界を突破する5つの正攻法
商社への就職を目指している人は以下の記事を参考にすることで、事業内容や内定獲得までの道のりを把握できますよ。
5大商社を徹底比較! 事業や社風の違いから内定への道筋まで解説
金融業界への就職を目指している人は、以下の記事を参考に対策を進めましょう。
金融業界を徹底調査! 押さえておくべきトレンドや対策まで大解剖
就活ではデザイン思考のほかにも、よく導入されるSPIも勉強しておくと安心です。こちらのQ&AコンテンツでキャリアアドバイザーがSPIについてわかりやすく解説しているので、併せて確認しておきましょう。
デザイン思考が注目されている背景
近年デザイン思考が注目されている背景には、消費者の購買行動の変化があります。
これまでは商品やサービスの種類が少なかったり、デジタルサービスが普及していなかったりすることから、そもそも選択肢が少ないため、商品やサービスを販売すれば購入してもらえる可能性がありました。
しかし近年はデジタルサービスやAIの普及・代替、かつ商品やサービスが増えたことにより、消費者は数多くの選択肢から自分に合った商品やサービスを選ぶようになりました。そこで、企業側は消費者視点に立って、消費者が真に必要としているものを提供することが求められるようになっています。
ここで必要になるのがデザイン思考です。デザイン思考を身に付けると消費者のニーズを汲み取ったアイデアを生み出せるようになります。
多くの企業は他社との差別化を図れる商品・サービスを創出するために、デザイン思考が身に付いた人材を求めているのです。
DX推進など新しく変化を求めていく今の時代では、顧客が気づいていないニーズを汲み取り、サービスやプロダクトを創造していくことが重要視されています。
そのため、ユーザー視点に立った課題の本質を発見できるデザイン思考のプロセスが注目されているという背景があります。
デザイン思考を身に付けることのメリット
デザイン思考を身に付けることのメリット
- アイデアを思い付くことが習慣化する
- 多様な意見を受け入れられるようになる
- チームのコミュニケーションが活性化する
デザイン思考テストを対策する際、「そもそもデザイン思考を身に付けることにどんなメリットがあるのか?」という疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
デザイン思考を身に付けることの大きなメリットは3つあります。それぞれのメリットについて詳しく解説します。
アイデアを思い付くことが習慣化する
デザイン思考を身に付けると、どんな物事も「これから何か新しいことは生まれないか」とアイデアを考えることが習慣化します。アイデアの実現可能性はそこまで重要ではありません。とにかくアイデアの量が重要になります。
商品やサービスがリリースされるまで、アイデア出し、企画、開発、テスト、改善といったプロセスがあります。アイデアの母数が少なければ本格的に実行される商品・サービスも少なくなってしまうのです。
そのため、アイデアを量産できる人は貴重な人材として重宝されることが期待できます。
イノベーション創出の可能性が高まる
考えたアイデアのほとんどは誰かがすでに取り組んでいる、または誰かがすでに取り組んだが失敗したため今は誰もやっていないものです。
しかし普段からたくさんのアイデアを考えると、より画期的なアイデアを思い付いたり、アイデアとアイデアを掛け合わせて誰も考えたことがないものを作り出せたりします。
このようにアイデアを思い付くことが習慣化すると、イノベーション創出の可能性が高まるのです。
今後、深刻化する気候変動、食糧問題、エネルギー問題、そしてパンデミックなどの未曾有の課題に立ち向かうためには、これまでとは違った新しいアプローチが必要となります。
これらの課題に対してイノベーションを通じて解決策を導き出すことが、社会全体が持続可能となる発展につながっていくのです。
多様な意見を受け入れられるようになる
デザイン思考を身に付けるには、他者の立場になって物事を考えることが求められます。要するに、自分の考えや価値観とは異なる視点を把握しなければいけないということです。
デザイン思考を身に付けられれば、多様な意見を受け入れられるようになります。多様な意見を受け入れられるとさらに視野が広がり、他者を否定することがなくなったり、新たなアイデアを考えられたりするようになります。
また、自分を変えるきっかけにもなることが期待できるのです。
チームのコミュニケーションが活性化する
前述の通り、デザイン思考を身に付けることで多様な意見を受け入れられるようになります。そうすると、他者が述べた意見への抵抗感もなくなるため、チームのコミュニケーションの活発化も可能になります。
チームのメンバーが「自分も意見を述べても良い」と思えることは、心理的安全性やチームへの貢献・帰属意識を持つうえで重要です。これらはデザイン思考を身に付けることで実現できる可能性が高まります。
チームのコミュニケーションが活発化すると、さらにアイデアの量が増えるため、イノベーション創出の可能性が高まることも期待できます。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るデザイン思考はコミュニケーションを活性化させる
デザイン思考は問題解決のためのアプローチの一つであり、その特徴的なプロセスがチームのコミュニケーションを活性化し、結果的にはより良いアイデアや解決策を生み出すことにつながります。
まずデザイン思考の初期段階では、共感(Empathize)と定義(Define)のフェーズがあります。これらのフェーズでは、チーム全体がユーザーの視点に立って問題を理解し、その問題を明確に定義することが求められます。
このプロセスは、チームメンバー間での深いコミュニケーションを必要とし、互いの視点を理解し合うことで、チーム全体の理解が深まります。
意見の活発化によりチーム全体の良いアイデアにつながる
次に、アイデアを生み出す概念化(Ideate)のフェーズでは、自由な発想が求められます。この段階ではチームメンバーが自由に意見を出し合い、それをほかのメンバーが受け入れ、さらにそれを発展させるというコミュニケーションが活発におこなわれます。
これにより、チーム内のコミュニケーションが活性化し、多様な視点からのアイデアが生まれやすくなるのです。
最後に試作(Prototype)とテスト(Test)のフェーズでは、アイデアを具体的な形にし、それを試すことで、新たな学びを得ることができます。このプロセスもまた、チームメンバー間のコミュニケーションを通じておこなわれ、結果としてチーム全体の学びと成長につながります。
以上のようにデザイン思考のプロセスは、チームのコミュニケーションを活性化し、それが結果的により良いアイデアや解決策を生み出すことにつながるのです。
例題付きで解説! デザイン思考テストの内容
前述の通り、デザイン思考テストには創造セッションと評価セッションの2種類があります。それぞれ内容が異なるため、その違いを把握しておく必要があります。
ここからは例題付きで創造セッションと評価セッションの内容をそれぞれ解説します。
創造セッション
創造セッションは与えられた選択肢の中から「誰が」「どこで」「どんなときに」の組み合わせを選び、自らシチュエーションを設定します。そして、この設定したシチュエーションにおけるニーズを考えるという問題になっています。
具体的な流れは以下の通りです。
創造セッションの具体的な流れ
- 与えられた選択肢から「誰が」「どこで」「どんなときに」の組み合わせを作る
- 選択したシチュエーションから、20〜120文字で願望を記述する
- 願望を解決するために必要となるキーワードの組み合わせを選択する
- 選択したキーワードを用いて20〜120文字で願望を解決するアイデアを記述する
制限時間は30分です。実際に記述する文字数は少ないですが、質を意識して回答することが求められます。
創造セッションは、選択したシチュエーションに置かれた人物にとって、実現したらうれしい状況はどんな方法で叶えることができるか、制約なしに自由な発想をすることがポイントです。
また、普段からそれを言葉にするトレーニングをしておくと良いでしょう。
創造セッションの例題
創造セッションの例題
1.Who、Where、Whenから1つずつワードを選択して、シチュエーションを作成してください。
Who(誰が)話し好きな | Where(どこで)近所の | When(いつ)急いで |
---|---|---|
秘書 | 学校 | ショッピングをしているとき |
おじいさん | オフィス | 走っているとき |
友達 | 駅 | 休憩しているとき |
スポーツ選手 | スポーツジム | 仕事をしているとき |
ビジネスパーソン | 電車 | 掃除をしているとき |
高校生 | 自宅 | 立ち話をしているとき |
創造セッション例題(続き)
2.上記のシチュエーションから創造されるWhoの叶えたい願望(Why)を「〜したい」という表現で20〜120字で記入してください。
3.上記のWhyを解決するために必要なモノ(What)を以下から選択してください。
カロリーを | 消費する技術またはデータ |
脂肪を | 軽減する技術またはデータ |
トラブルを | なくす技術またはデータ |
位置情報を | 隠す技術またはデータ |
作業を | 強化する技術またはデータ |
創造セッションの例題(続き)
4.Whatをどのように使用してWhyを実現するか、具体的な解決案(How)を20〜120字で記入してください。
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志望度が高い企業にWEBテストで落ちてしまうのは本当にもったいないです。しかし何冊も問題集を解くのは時間が足りないですよね。
そこで「WEBテストパーフェクト問題集」を活用しましょう。この問題集を使えば解く上で重要なポイントの解説を見ながら効率よく勉強することができます。
また本番形式の模試も付いているので、前もって本番の感覚をつかむことができますよ。
ぜひ活用してWEBテストを突破しましょう。
評価セッション
評価セッションは、デザイン思考テストのほかの受検者が創造セッションにて提出したアイデアを30分以内に評価するテストとなっています。
具体的には、他者が創造したアイデアを見ながら、与えられた質問に対して「まったくそう思わない」「そう思わない」「そう思う」「非常にそう思う」の4段階で評価します。
制限時間は30分です。Who、Where、When、Whatの組み合わせが一貫しているか、文章が伝わりやすいかなどを適切に評価することが求められます。
アイデアの内容をよく読まずに選択をすると、評価を下げられる可能性があることには注意が必要です。
評価セッションは、創造セッションで生まれたアイデアに共感できるかどうかがポイントです。
つまり、同じようなシチュエーションにおいて自分も同じような願望が沸き起こるかどうか、といったところを意識してみると良いと思います。
評価セッションの例題
評価セッションの例題
以下の状況におけるニーズ(Why)に対する解決策(What,How)を評価してください。
Who(誰が):話し好きな友達
Where(どこで):学校
When(いつ):掃除をしているとき
Why(叶えたい願望)
掃除をせずに掃除の時間に友達と立ち話をしたい
What(何を)
作業をなくす技術またはデータ
How(願望を解決するアイデア)
生徒が掃除をしなくても、ロボット1台で学校全体を掃除してくれるロボット
1.Whoの立場になったときに共感できる内容か?
2.現状、ほかの方法によって実現できていない願望か?
3.新規性(既存の解決策がない)の高い解決方法か?
4.ニーズを実現するために有効な解決法か? (技術的な実現可能性も踏まえて評価してください)
手順を理解すれば怖くない! デザイン思考の実践プロセス
スタンフォード大学の研究によって、デザイン思考を実践する際は5つのプロセスを踏む必要があることがわかっています。
ここからは、デザイン思考の各実践プロセスの詳細を解説します。デザイン思考を身に付けるためには理解する必要があるため、よく確認しておきましょう。
①共感
デザイン思考は利用者の共感を得ることからスタートします。利用者に実際にアンケートを取ったり、インタビューをしたりして、製品・サービスの何に共感しているのか、何を求めて導入したのかなどを見つけ出していきます。
アンケートやインタビューなどの結果をもとに、利用者の真の共感ポイントを探ります。共感ポイントを探る際、アンケートやインタビューの回答を鵜呑みにせず、回答内容からさらに分析をして本音を見つけ出すことが大切です。
- 他人が何を考えているのかを考えるのが苦手です。どのようにしたら共感が上手くなりますか。
まずは自分の考えや価値観を言語化してみよう
たしかに他人が何を考えているのか? と考えるのは難しいことですよね。何を考えているのかはあくまで主観的な想像であり、他人の価値観はわからないからです。
そのため、まずは自分ならどう考えるだろうか? と想像してみると良いと思います。次にそれはなぜだろうか? と考えてみてください。そこには自分の価値観があると思います。
自分の価値観を言語化できるようになると他人の価値観も理解できるようになり、価値観が理解できてくると、その人ならどう考えるだろうかという想像も得意になっていき、だからそう考えるのかという共感もできるようになります。
まずは他人の価値観に目を向けていくのがコツということですね。
②定義
共感のプロセスをもとにして、利用者がどんなニーズを持っているのかという定義をします。
ニーズを定義する際、アンケートやインタビューの回答をそのまま引用するだけでは不十分です。共感プロセスの内容から利用者自身も気が付いていない潜在的なニーズを探り出し、言語化することが求められるのです。
たとえば、インタビューやアンケートで「速く走る車が欲しい」という回答を得られたとします。この段階で速く走れる車を開発してしまうと利用者の本来のニーズを満たせない可能性があります。
そこで「なぜ速く走る車が欲しいのか」を考えると、「早く家を出たくない」「朝ゆっくり寝たい」など、潜在的なニーズがあるかもしれません。
このように定義をしっかりおこなうことで、潜在的なニーズを満たしたアイデアを考えられ、かつ方向性を定められるようになります。
③概念化
定義した利用者のニーズから、アイデアやアプローチの手法を考えていきます。アイデアやアプローチ手法を考える際に用いられる手法がブレインストーミングです。
ブレインストーミングとは
複数人が自由に話し合い、アイデアをどんどん出していくこと
ブレインストーミングをする際に大切なことは、量とチームワークです。前述の通り、アイデアを考える際は質よりも量が重要です。そして「意見をどんどん出しても良いんだ」というチームの空気感を作ることも大切になります。
これらを意識してブレインストーミングを実施し、アイデアやアプローチ手法を考えていきましょう。
④試作
アイデアやアプローチ手法が固まったら試作をします。試作をする際に大切なのがコストや時間をかけないことです。クオリティは求められないため、いったんアイデアを形にして、そこから改善点を探していきます。
一方で、あまりに簡易的すぎるとユーザーが魅力的に感じない可能性もあります。機能性だけでなく、ユーザーが本当に使いたいかどうかを確認するためにも、ある程度ビジュアル面も実際の形に近づけるのがおすすめです。
試作プロセスでは、フィードバックの収集と反復も重要です。
試作の目的はアイデアを具体的な形にし、ユーザーやチームメイトからの反応を得ることなので、試作の完全性よりもフィードバックを引き起こすことに重きを置きましょう。
⑤テスト
試作が完成したらテストとして第三者に実際に利用してもらい、フィードバックを参考にしてブラッシュアップをしていきます。
そして、テストをする際は試作したものだけでなく、「そもそも定義したニーズの方向性は正しいか」「アイデアを練り直す必要がないか」なども確認して、より精度の高い製品・サービスを作っていきます。
これらのデザイン思考の実践プロセスは1回実施したら終わりではありません。何度も行ったり来たりして、より精度の高いものを作り上げていくことが求められます。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見るプロセスが長いのでゴールを見失わないように注意しよう
デザイン思考のプロセスは、共感、定義、概念化、試作、テストの5つのフェーズで成り立つと定義されています。1つのプロジェクトにおいてすべてのプロセスを終えるまでにはかなりの時間を要することも珍しくありません。
そのためプロジェクトごとに、自分たちがプロセスの中のどのフェーズにいるのか、どのようなゴールに向かっているのかを見失わないように進めていくことが大切です。
実際のビジネスでは市場の変化に合わせた柔軟な対応が必要
またデザイン思考のプロセスは、より良いものを追求する中で、テストを繰り返しながら進むことが多いものです。
実際の企業活動の中では、商品やサービスの開発には期限があるため、デザイン思考のプロセスによって、どのレベルまで追求して市場に投入するべきかを事前に決断しておかなければなりません。
さらにプロセスの実践中に顧客のニーズや市場に大きな変化が発生することも考えられます。その場合、プロジェクトを継続すべきかどうかの判断も必要になるのです。
結果的に実践プロセスの途中で中止せざるを得ない事態もあることを念頭に置き、そうなった場合の対策も事前に検討しておく必要があるでしょう。
デザイン思考テストで算出されるスコア
「デザイン思考テストはどのように評価され、スコアが出されるの?」と疑問を持つ人もいるかと思います。
デザイン思考テストは創造力スコア計200点、評価力スコア計200点の合計400点満点となっています。そして、テストの点数をランク別に算出すると以下のように分けられます。
SSランク | 受検者の上位1%以内に相当する |
Sランク | 受検者の上位5%以内に相当する |
Aランク | 受検者の上位20%以内に相当する |
Bランク | 受検者の上位40%以内に相当する |
Cランク | 受検者の上位60%以内に相当する |
Dランク | 受検者の上位80%以内に相当する |
Eランク | 受検者の下位20%以内に相当する |
テストで高得点を獲得するにはどのように評価されるかを把握しておくことが大切です。ここからは、どのような基準でスコアが付けられるのかを確認していきましょう。
創造力スコア
創造力スコアは、ニーズ発見力スコアとソリューション創出力スコアの2つのスコアから算出されます。
ニーズ発見力スコア(100点) | 人間の根本的なニーズや時代の流れを汲み取って新しいニーズに気が付く力 |
ソリューション創出力スコア(100点) | ニーズに対して、新規性が高く、かつ適切なソリューションを作り出す力 |
要するにニーズを発見する力と、そのニーズの解決策を作り出す力があるかどうかが見られるのです。高い評価を得るには、日頃から世の中の課題やニーズとその解決策をセットで考える習慣を身に付けておくことが大切になります。
世の中の課題やニーズは、日常生活で「不便だな」と思うことを意識的に考えたり、ニュースを見たりすることで見つけられるようになります。そして、都度その解決策も考えてみることで、創造力スコアをアップできる力が身に付きます。
創造力スコアを高めるには、目に見えて不便と思われる課題やニーズとは逆に、すでに満たされていると思っているニーズや長い間同じやり方をしていることにも目を向けてみましょう。
なぜそのような現状になっているのか、ほかのやり方はないかを考えるトレーニングも必要なのです。
評価力スコア
評価力スコアはニーズ評価力スコアとソリューション評価力スコアの2つのスコアから算出されます。
ニーズ評価力スコア(100点) | 未解決のニーズや願望の強さを見極める力 |
ソリューション評価力スコア(100点) | ニーズに対して、そのソリューションが有効かどうか、革新的かどうかを見抜く力 |
高い評価力スコアを獲得するには、ソリューションがニーズを満たせるかどうかだけでなく、既存の製品・サービスがないかなど、事前知識も必要になります。
そのため、アイデアそのものの内容を見極めるだけでなく、そのアイデアに似た既存の製品・サービスも頭に入れておくことが求められます。
評価力で大事なポイントは「革新性」になると思います。
革新性とは、普通だと思っていたことを違う視点や観点で見ることによって、誰もが気が付かなかった新しい側面が見えてくることともいえます。
そのため、その視点や観点が今までとは違ってどう新しいのかという点について、根拠とともに説明できると良いでしょう。
- 創造力スコア、評価力スコアはそれぞれどのランクを目指せば安心ですか?
Aランクを目指すのが一つの基準
スコアによるランク分けは次のようになっています。
Sランク:350点以上
Aランク:300点以上350点未満
Bランク:250点以上300点未満
Cランク:200点以上250点未満
Dランク:200点未満
400満点だということを考えると、できれば創造力スコアと評価力スコアの両方でAランク(つまり、各領域で少なくとも150点)を目指すことを推奨します。
コツコツ練習しよう! デザイン思考テストの対策方法
デザイン思考テストの対策方法
デザイン思考テストで高評価を得るには、デザイン思考の基礎を身に付けておくことが大切です。そのうえでデザイン思考テストに向けた対策方法があります。
ここからはデザイン思考テストの対策方法を解説するので、コツコツ練習して本番を万全の体制で臨めるよう備えましょう。
①タイピングスピードを向上させる
デザイン思考テストの創造セッションでは自分の考えを記述する問題があります。その際、タイピングに時間がかかり思い通りに回答できないのは不本意ですよね。
自分の考えを素早く、かつ忘れないうちに記述するためにも、タイピングスピードを向上させておきましょう。タイピングスピードを向上させておくことで記述の時間が短くなり、考えることに時間を使えるようになります。
タイピングスピードを向上させる練習をする際に役立つのが寿司打というゲームです。画面に出てきた文字をローマ字入力でタイピングしてスコアを競います。レベルが3段階に分けられているため、自分のタイピングレベルに合わせて練習ができますよ。
- デザイン思考テストで高得点を得るためには、タッチタイピング(ブラインドタッチ)は必ず身に付けるべきでしょうか。
早いに越したことはないがテスト自体の勉強の方が大切
テストである以上、決められた時間内に自分の考えを十分に記述するためには、ある程度の速度のタイピングは当然必要になるでしょう。
しかしタッチタイピングの技術やタイピングスピードにこだわるよりも、いかに自分のアイデアや考えをわかりやすい文章構成にまとめるかということが、はるかに大切です。
よほどタイピングスピードが遅い人は別ですが、タッチタイピングを身に付けるための努力の時間を確保できるのなら、その時間で効率的な文章構成力を身に付けて、模擬テストに繰り返しチャレンジする方が効果的といえるでしょう。
②どんな学生でも理解できる文章を書けるようにする
創造セッションにて提出したアイデアを評価するのは、デザイン思考テストを受検するほかの学生です。
デザイン思考テストでは「文章がわかりにくければ低評価を付けてください」といった注意書きがあるため、どんな人でも理解できる文章を書けるようにしておく必要があります。
わかりやすい文章を書くにはPREP法を活用するのがおすすめです。PREP法の順番で文章を書くことで、相手は「この人は何が言いたいのか」を把握しながら文章を読むことができます。
PREP法とは
以下の頭文字を省略した、文章を簡潔にまとめるフレームワークのこと
・Point:結論
・Reason:理由
・Example:具体例
・Point:まとめ
また、内容は誰でもわかる身近なものを選ぶことがポイントです。専門用語を用いたり、複雑なテーマを設定したりするとほかの学生が理解できない可能性があります。
ほかの学生でもわかる内容にするためにも、友人に日々の悩みや課題、困り事などを聞いておくのもおすすめです。より親近感の湧くアイデアを考えられるようになります。
③アイデアを考えることを目的に日頃から新しい情報を取り入れる
アイデアを考えるには基となる情報が必要です。日頃から新しい情報を取り入れて、アイデアを考えるための土台を作りましょう。
新しい情報を取り入れる際に重要なのが、アイデアを考えるという目的を念頭に置くことです。意識を明確にしたうえで新しい情報を取り入れるようにすると、より多くの情報を吸収することができます。
具体的にはスタートアップ企業に関するニュースを取り入れるのがおすすめです。世の中にはたくさんのスタートアップ企業が存在し、日々新しいアイデアを考えては形にすることを繰り返しています。
そしてその中には、誰もが思いつかなかった偉業を成し遂げる企業も存在します。このような情報を取り入れることで、オリジナリティがあり、かつ新しいアイデアを考えられるようになりますよ。
上記のほかにも、デザイン思考に関するニュースや実例を知るためのサイトがあります。以下を参考にしてくださいね。
・IDEO Japan
IDEOはデザイン思考の概念を広めた会社の一つであり、その日本語ウェブサイトではデザイン思考に関する記事や事例を多数掲載しています。
・GOOD DESIGN AWARD
日本のグッドデザイン賞の公式ウェブサイト。受賞作品の紹介を通じて、デザイン思考の具体的な適用例を学ぶことができます。
・日経デザイン
日経デザインはデザインに関する最新のニュースやトレンド、事例研究を提供しています。
・Coursera
Courseraは世界中の大学や教育機関が提供するオンラインコースを提供しており、デザイン思考に関するコースも多数あります。英語のコースですが、日本語字幕が付いているものもあります。
④アイデアのアウトプットを習慣にする
アイデアは考えて終わりでなく、形にしてアウトプットすることを習慣にしましょう。紙に書いたり、スマホのメモ帳にメモをするだけでも問題ありません。目に見える形にすることで、客観的に評価し、改善できるようになります。
最初は面倒に思うかもしれませんが、何度もアウトプットして習慣化すれば次々とアイデアが生まれるようになりますよ。
おすすめのアウトプット方法は他人にアイデアに関して話したり、SNSで投稿したりすることです。他人からフィードバックをもらえると新しい視点が加わり、より良いアイデアに成長させられる可能性が高まります。
⑤自分が取り組みやすい題材で思考を鍛える
例題の通り、デザイン思考テストは「Who(誰が)」「Where(どこで)」「When(いつ)」や、「What(必要なもの)」を選択肢の中から選びます。自分にとって親近感の湧く取り組みやすい題材にすることがポイントです。
ほかの学生と差別化するために難易度の高い組み合わせをする人も見られますが、組み合わせ自体は評価に影響を与えません。アイデアの内容の良し悪しが見られます。
そして日頃のアイデア出しの練習の際に、自分にとって取り組みやすい題材は何かを見極め、その題材で思考力を鍛えていきましょう。
なお、おすすめなのが自分が好きなことや趣味を題材にすることです。好きなことや趣味に関しては日頃から考える機会が多いですよね。そのため、アイデアを考えやすいというメリットがあります。
⑥出したアイデアはアプリを活用して評価してもらう
アイデアを出す練習は5dというサイトを活用するのがおすすめです。5dの利用の流れは以下の3ステップです。
5dの利用の流れ
- ランダムに表示される主人公やシーンになりきって願いことを作成
- 願いことを叶える新しいアイテムを考案
- タイムライン上の共感できる願い事や欲しいと思うアイテムを評価
このアプリではデザイン思考テストの一連の流れを体験できます。利用料金も無料であるため、気軽に活用できますよ。
⑦他人のアイデアを評価してみる
他人のアイデアを評価する練習にも取り組んでおきましょう。実際に他人のアイデアを評価するとなると、根拠を持って評価することに難しさを感じます。
評価セッションでは評価の内容にスコアが付けられるため、根拠を持って評価する練習もしておく必要があるのです。
具体的な練習方法としては、デザイン思考テストの一連の流れを体験できるサイト5dを活用したり、友人とそれぞれのアイデアについて互いに評価し合ったりするのもおすすめです。
他人のアイデアを評価する練習にも取り組み、評価セッションで高得点を得られるようにしておきましょう。
アドバイザーコメント
小峰 一朗
プロフィールを見る企業が知りたい「思考力」とは何かを考えよう
デザイン思考テストで企業が何を見たいのかというと、学生の思考力を測りたいわけです。そのため一番効果的な対策方法は、「思考力」を鍛えるということになると思います。
そして思考力とは脳で考える力なので、毎日筋トレのように脳を鍛えれば誰でも磨くことができます。
では「思考する」とは何でしょうか。思考するとは、問いに対して考えるということです。問いがあって初めて思考が始まります。
逆に言えば、問いによって思考する方向性が決まるのです。つまり思考力とは、問いの広さと深さによってそのレベルが決まってくるということです。
思考力は普段の生活で身近な題材から鍛えることができる
問いの広さとは、さまざまな観点から疑問を持つことです。いろいろな観点を持っていると問いの幅が広がります。
一方で問いの深さとは、考えた答えをさらに深掘りしていく結果です。どんどん深掘りしていくことで、新たな気づきを発見することにつながります。
したがって、普段の生活から問いを立てる習慣をつけて、その問いを横に広げてみたり、深掘りしたりしていくことにより、思考力を鍛えていくことができます。
なんでも当たり前だとか普通だとか思わずに、どんどん問いを立てて、素朴な疑問をその都度考えてみてください。
日頃から意識して対策! デザイン思考テストを突破して内定をつかみ取ろう
デザイン思考テストに必要となる能力・スキル・知識はすぐには身に付きません。日頃から意識してコツコツ対策する必要があります。
そしてデザイン思考テストを対策する際に重要なのが、日頃からアイデアを考える習慣を付けることです。習慣化することで、本番でもスムーズにアイデアを考えられるようになりますよ。
ぜひこの記事を参考にして能力を身に付け、デザイン思考テストを突破して第一志望の内定をつかみ取りましょう。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るデザイン思考を磨けば就活で役立つ武器になる
まず何より大切なことは、デザイン思考というフレームワーク自体を理解し、それが実際にどのような場面でどのように活用されているかを把握することです。
デザイン思考は問題解決の手法であり、その根幹にあるのはユーザーの視点に立って考えること、そして多角的な視点からアプローチすることです。
対策としては、まず基本的なデザイン思考のプロセス、つまり「共感」「定義」「概念化」「試作」「テスト」の5ステップを深く理解しましょう。
各ステップがどのような目的を持ち、どのように進行するのかを知ることが、テストで良いパフォーマンスを出すための基礎となります。
理論を押さえたら実践でデザイン思考をマスターしよう
次に実際の事例を調査し、どのようにデザイン思考が活用されてきたかを理解することが有効です。これにより、理論だけではなく実践的な視点からもデザイン思考を捉えることができます。
さらに可能であれば、デザイン思考の実践を体験してみてください。自身が抱えている問題や日常の小さな課題をデザイン思考で解決する試みをおこなうと、理解が深まるでしょう。
またチームでのディスカッションやブレインストーミングなど、他者とのコミュニケーションを通じて多様な視点を学び、柔軟な発想を身に付けることも重要です。
そして何よりも、失敗を恐れず、新しいことに挑戦する勇気を持ちましょう。
デザイン思考は試行錯誤を通じて最良の解決策を見つけ出すプロセスであり、一度の失敗が必ずしも悪い結果を招くわけではないという考え方を持つことが重要です。これらを踏まえて、テスト対策を進めていきましょう。
デザイン思考はあなたの就活における強力な武器になるはずです。自信を持って挑戦してください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役
Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント / システムエンジニア
Ichiro Komine〇大手電機メーカーでシステムエンジニアとして従事。若者の人生や成長にかかわりたいと思い、キャリアコンサルタントの資格取得。現在はコンサルティングや自己分析支援をおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
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