この記事のまとめ
- 5大商社とは三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅のこと
- 5大商社の強み・業績・社風・今後の動向・年収を徹底解説
- 5大商社に就職する魅力は「規模」「グローバル」「専門性」「給与」がキーワード
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商社に興味を持った人なら一度は耳にする「5大商社」。「学生からの人気が高いということは知っているけど、5大商社ってどんな企業なのかわからない」「5大商社の違いを知りたい」という声が多く寄せられます。
多くの学生から人気のある企業だからといって、5大商社の特徴を知らないままなんとなくで選考を受けてしまうと、企業に刺さるアピールができずに合格を得ることができません。5大商社それぞれの企業の特徴を押さえて、5大商社の魅力や内定するためにやるべきことを押さえていきましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの隈本さん、鈴木さん、木村さんのアドバイスを交えつつ解説します。5大商社に興味を持っている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
5大商社の入社難易度は高いため各社の違いを押さえることが必須!
商社業界自体が人気の高い業界であり、さらに業界大手の5大商社は多くの学生が応募をする傾向にあります。そのため、5大商社は非常に入社難易度が高いことで有名で、明確な違いを理解しないまま選考を受けてしまうと選考を突破することはできません。
記事では、5大商社を「強み」「業績」「社風」「今後の動向」「年収」の5つの切り口から特徴を徹底比較をしていきます。それぞれの企業にどんな特徴や魅力があるのかを参考に、自分が目指すべき企業であるかを確認してみてくださいね。
また、5大商社に内定するためにやるべきこと4選と押さえておきたい言葉一覧も紹介。5大商社の選考に向けて入念な対策をして、希望の内定を勝ち取れるように行動に移していきましょう。
商社はインターンやOB・OG訪問も重要になります。商社に照準を合わせて就活をする場合の流れをつかんでおかないと出遅れてしまう原因になりますよ。こちらの記事を参考に就活の流れを確認していきましょう。
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就活の流れを事前に理解しておくと、本格的に就活が始まったときに慌てず対応することができます。記事では、キャリアアドバイザーの谷所さん、平井さん、鈴木さんと一緒に就活の流れや必要な準備について解説していきます。
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5大商社とは?
5大商社とは?
- 三菱商事
- 三井物産
- 伊藤忠商事
- 住友商事
- 丸紅
例年多くの学生が志望し、就職難易度も高くなる5大商社。5大商社には三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅の5つの総合商社が含まれています。
東洋経済ONLINEの「入社が難しい有名企業ランキング」トップ200社で5大商社は、三井物産が4位、住友商事が7位、三菱商事が10位、伊藤忠商事が13位、丸紅が22位といずれも上位に入っています。
またキャリタス就活2025の就職希望企業ランキングでは、6位伊藤忠商事、11位三菱商事、15位三井物産、24位丸紅、36位住友商事で学生からの人気の高さがうかがえます。
5大商社は学生からの人気が高く、必然的に多くの学生が応募します。
そのため企業側の選考試験の内容も高難度になりやすく、事前準備はもちろん面接でも臨機応変に対応する力が求められます。
総合商社のビジネスモデルとは?
総合商社のビジネスモデル
- トレーディング
- 事業投資
5大商社は総合商社であり、さまざまな分野で事業をおこなっています。総合商社のビジネスモデルはおもに「トレーディング」「事業投資」の2つあり、それぞれの組み合わせによって収益を稼いでいます。
トレーディングとは?
仲介業者として需要と供給を結び付ける事業であり、仲介業者として手数料収入(コミッション)と需要者への売値と供給者からの買値の差額(マージン)で収益をあげる
事業投資とは?
継続的・多面的な経営参画を前提に企業へ投資をおこなう事業であり、取込利益や配当金、株式の上昇による利益(キャピタルゲイン)で収益をあげる
総合商社には単に商材を右から左へ受け流すだけでなく、以下のような商流を円滑にするための機能も備わっています。
総合商社の機能
- 物流機能
→例:船舶などの輸送手段の手配 - 金融機能
→例:保険機能の付与 - 情報機能
→例:販路開拓のための情報提供
総合商社は名前のごとく総合的に商材を扱います。近年では扱う商材が資源分野から非資源分野へと変わってきている特徴があります。また総合商社のビジネスモデルとしても、トレーディングから事業投資へ移り変わってきています。
資源分野とは?
石油や天然ガスなどのエネルギー資源や、鉄鉱石などの金属資源などをあつかう分野
非資源分野とは?
資源分野に含まれない事業を指し、食料品や機会、住宅、繊維、情報通信業などさまざまな商材をあつかう分野
総合商社のビジネスモデルは上記で解説した通り、おもに2つの事業からなります。
1つ目は事業投資です。会社に出資をして企業経営に参画することで、取り込み利益や株の利益を得ます。2つ目は中間業者としてトレーディングで手数料を得ていますよ。
総合商社を志望している人は以下の記事も参考にしてみてください。詳しい仕事内容から7大商社との違いまで解説しています。
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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
5大商社の特徴を5つの切り口から比較しよう!
選考難易度の高い5大商社は、「なんとなく理解していたつもり」では選考を突破することは厳しくなってしまいます。今から解説するように、各社の違いを押さえることで企業理解を深めていくことが大切です。
三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅からなる5大商社を「強み」「業績」「社風」「今後の動向」「年収」の5つの切り口から徹底比較をしていきます。それぞれの企業にはどんな特徴があるのかを押さえていきましょう。
①5大商社の強み
企業名 | 強み |
---|---|
三菱商事 | 総合力とバランスの良い事業経営 |
三井物産 | 金属資源事業 |
伊藤忠商事 | 生活消費関連事業 |
住友商事 | メディア事業 |
丸紅 | 穀物事業と電力事業 |
「なぜ他の商社ではなく、当社を志望するのですか」と企業から問われたときに、しっかりと答えられるようにするためにも、5大商社各社の強みを押さえておく必要があります。
5大商社は事業領域が広くメイン事業も似ていることが多いため、どんな分野に強みを持っているのかを比較していきましょう。
三菱商事の強み
三菱商事とは?
- 設立:1954年7月1日
- 資本金:204,446百万円
- 本社所在地:東京都千代田区丸の内二丁目3番1号(登録上の本店所在地)
- 国内拠点:11
- 海外拠点:107(事務所等46/現地法人 本店36、支店等25)
- 社員数:5,448名(2023年3月31日現在)
- 企業HP:三菱商事
三菱商事の強みは、三菱グループを基盤とした総合力です。潤沢な資金力に支えられ、事業提携や企業買収などさまざまな事業機会にアプローチすることができます。
三菱商事はバランスの良い事業経営をおこなっています。中でも天然ガスや資源分野の利益が高く、金属資源も強みともいえます。
また、現在経済回復局面において事業環境が改善したこともあり、自動車関連事業や鮭鱒養殖事業などで収益機会を着実に伸ばし利益につなげています。
三井物産の強み
三井物産とは?
- 設立:1947年7月25日
- 資本金:342,560百万円
- 本社所在地:東京都千代田区大手町一丁目2番1号
- 国内拠点:11
- 海外拠点:117 (海外店: 25 現地法人: 92(現地法人本店35))
- 社員数:5,449名(単体)(2023年3月31日現在)
- 企業HP:三井物産
三井物産は資源分野が強く、特に金属資源に強みを持っています。しかし資源分野は資源価格の影響を受けやすいデメリットもあり、安定感および競争力のある事業ポートフォリオの組替えや事業再編成を積極的におこなっています。
事業ポートフォリオの組替えをおこなう中においては、食料品や消費財などの製造・販売、医療・ヘルスケア分野などの生活作業事業のほか、鉄道などのインフラ分野を強みとして有し始めています。
参考:2023年3月期決算
伊藤忠商事の強み
伊藤忠商事とは?
- 設立:1949年12月1日
- 資本金:253,448百万円
- 本社所在地:東京都港区北青山2丁目5番1号
- 国内拠点:7
- 海外拠点:86
- 社員数:4,187名
- 企業HP:伊藤忠商事
伊藤忠商事は非資源分野で高い収益力を有しており、特に生活消費関連ビジネスを強みとしています。資源分野と非資源分野の事業ポートフォリオのバランスが良く、資源価格の影響に左右されづらいです。
海外に関しては、中国・アジアにおける収益基盤もあり、中国最大の政府系コングロマリットであるCITICの株式20%を取得した実績もあります。
また、SDGsへの貢献や取り組み強化をしており、化石燃料事業・権益からGHG排出量を大幅に削減し、環境への高い配慮も有名です。
住友商事の強み
住友商事とは?
- 設立:1919年12月24日
- 資本金:2,200億円
- 本社所在地:東京都千代田区大手町二丁目3番2号大手町プレイスイーストタワー
- 国内拠点:20
- 海外拠点:109
- 社員数:5,223名
- 企業HP:住友商事
住友商事は、そのほかの競合商社と比較しても多種多様なモノを取り扱っており、堅実経営を徹底しています。
住友商事の強みはメディア事業です。機動的にDXやAIなどの新技術へのビジネスにシフトをするなど先端技術への適応力があります。
DXとは?
デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略語。 デジタル技術を用いることで、人々の生活やビジネスをあらゆる面でより良い方向に変化させていくこと
また、オフィスビル、商業施設、住宅、物流施設、不動産ファンドなどの不動産事業も強く、物件開発から運用までをグループで一貫して手掛けるノウハウを持ち、ほかの事業部との連携によってビジネスのシナジーを生み出すことができています。
参考:2022年度通期決算情報
丸紅の強み
丸紅とは?
- 設立:1949年12月1日
- 資本金:263,324百万円
- 本社所在地:東京都千代田区大手町一丁目4番2号
- 国内拠点:12
- 海外拠点:84 (海外店55、現地法人29(現地法人本店34))
- 社員数:4,340名
- 企業HP:丸紅
丸紅は穀物事業と電力事業が強みです。穀物の取扱量は国内No. 1であり、それに派生した飼料・肥料のビジネスでも大きな収益を上げています。2022年3月決算の収益としても穀物は堅調に増収しています。
電気事業では米国メキシコ湾石油・ガス開発事業における一部不採算鉱区からの撤退関連損失などがあったものの、地域・電源において最適な資産ポートフォリオを構築しています。
参考:決算情報 2022年度
- 5大商社には各社それぞれ強みがあるということがわかりましたが、こうした強みは選考にどのように活かせば良いのでしょうか?
押さえた強みは志望動機に盛り込もう
各社の強みを把握できていれば、各社にあわせて志望動機を差別化できます。企業側は、学生がほかの5大商社に応募していることを意識したうえで、優秀な学生を採用したいと考えています。
そのため、志望動機を伝える際に、応募した商社の強みをほかの商社と比較したうえで伝えることができると面接官に響きやすくなります。
また各社で投資先の事業内容や力を入れている地域が異なるため、キャリアプランも各商社によって違いが出てきます。自分のキャリアプランを満たせる商社の選定や、面接で自分が貢献したい分野をアピールする際にも使えるでしょう。
商社業界は人気も高く志望している人も多いと思います。以下の記事では、商社の志望動機の書き方を解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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毎年、就活生に人気の商社ですが、選考を突破するために徹底した業界・企業研修を実施したうえで志望動機を作成する必要があります。記事では、キャリアアドバイザーの解説を交えながら、商社の志望動機を作成するうえで押さえておくべきポイントや注意点を解説します。総合商社・専門商社の志望動機も交えて解説しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
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5大商社で共通する強みとして、福利厚生が挙げられるかもしれません。次の記事では、福利厚生の種類について、実際に福利厚生に力をいれている企業例とともに解説しています。ぜひ読んでみてくださいね。
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就活生向けに多くの企業で導入されている福利厚生や人気の福利厚生をランキング形式で紹介し、福利厚生に着目した企業選びについて解説します。キャリアアドバイザーによる企業側の視点も解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
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あなたが商社に向いているか確認してください
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②5大商社の業績
上記は2022年度の5大商社の売上高と純利益の比較グラフです。新型コロナウイルス感染症の影響により工場での生産がストップするなど、モノの供給不足が起きる一方で、ワクチンの普及にともない経済活動が再開しました。そのため、世界的にエネルギー需要が高まり、原油や天然ガスなど資源価格が上昇しています。
商社は海外の鉱区を入札などで買い取っており、そこから想定量より多くの鉱物や化石燃料が出れば利益が膨らみます。 そして資源価格があがると想定よりも高く資源が売れるため利益が増えます。そのため、2022年は資源価格の値上がりが起きたため5大商社の利益や仲介料などが増え、高い売上高と純利益を誇っています。
5大商社の中では三菱商事が首位に立っていることがわかります。
③5大商社の社風
企業名 | 社風 |
---|---|
三菱商事 | 人と人との結びつきを大切にする社風 |
三井物産 | 「個」を尊重する社風 |
伊藤忠商事 | 三方よしの精神のもとの自由闊達な社風 |
住友商事 | 結束心のある平等主義な社風 |
丸紅 | 挑戦を大切にする社風 |
働くうえで「業務として何に取り組むか」も重要ですが、「働く環境」も重要です。一般的に週5日間1日7時間以上は働くことになるため、周囲の働く人の雰囲気が自分に合っていないと苦痛に感じてしまう可能性が高まります。自分に合った社風はどの企業かを考えていきましょう。
また、社風には経営者の考え方や会社の成り立ちが反映されることも多いです。そのため、企業研究の一環として社風を押さえることは選考対策においても必須ともいえます。
5大商社にはそれぞれ創業に至った経緯があり、創業者の想いが社是や企業理念に色濃く反映されていることが多いです。
そのため各社の社風に大きく影響していて、同じ業界でもかなり異なる場合があります。
就活をしていると目にする「社風」ですが良し悪しは人それぞれです。以下の記事では納得して働ける企業の見つけ方を解説しているので参考にしてみてください。
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社風が良いとは? 納得して働ける企業の見分け方をプロが解説!
社風とは、企業独自の雰囲気や価値観のことです。記事では自分に合う社風を知るための自己分析のコツや、簡単にできる社風の調べ方をキャリアコンサルタントとともに解説します。志望動機への活かし方や社風が合わないときの対処法も解説するので、参考にして就活に活かしましょう。
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社風は志望動機に盛り込むことも可能です。社風を志望動機にしたい人は以下の記事を参考にしてくださいね。
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「社風の志望動機」は注意が必要! 例文付きで受かるコツを伝授
安易に社風を志望動機にすると選考通過は難しくなります。社風を志望動機とするメリットを理解し、盛り込むべき内容を押さえて志望動機を作成しましょう。キャリアコンサルタント監修の例文も紹介するので参考にしてください。
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三菱商事の社風
三菱グループは「組織の三菱」とも呼ばれ、三菱商事も同様に組織を大切にする社風が根付いています。
社長メッセージからも、今まで培ってきた「多様性」や「つながり」から生まれる「総合力」を最大限に発揮するとあるように、人と人との結びつきを大切にしている社風がうかがえます。
また三菱商事は、経営人材が育つ会社を目指しています。そのため、内外環境の変化を想定し先を見すえた戦略を練り上げる「構想力」のある人、人と組織を牽引し最後までやり抜く「実行力」のある人、そして謙虚さと誠実さを持って周囲から信頼される「高い倫理観」のある人を求めています。
三菱商事の示す経営人材とは?
経営マインドをもって事業価値向上にコミットする人材
三井物産の社風
三井グループは「人の三井」と呼ばれ、三井物産においても「個」が尊重される自由闊達な社風があります。会社を大きな存在と捉えるよりも、個々の集まりを会社として捉える傾向です。
個を大切にするからこそ、個々の適性に応じた働き方を尊重し、部署間の異動を柔軟にさせることでも知られています。
伊藤忠商事の社風
リーダーシップを発揮することで非資源No.1商社へとなった伊藤忠商事。組織よりも「個」の力を重視し、一人ひとりが「商人」として自由闊達に仕事をする文化が根付いています。
また、創業者である伊藤忠兵衛をはじめとする近江商人の経営哲学である「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」が根付き、持続可能な社会に貢献をしようとする社風があります。
三方よしとは?
近江商人の経営哲学のひとつで「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそ良い商売といえる」という考え方
「売り手によし、買い手によし、世間によし」を示す
住友商事の社風
住友グループには「結束の住友」という言葉があるように、住友商事も社風として結束心があります。新卒入社の社員を大切にして教育することはもちろん、能力に基づいた人材配置をおこなうなど平等主義が根付いています。
また、信用やコンプライアンスへの高い意識が備わっており、「他者から信頼が得られているか」を大切にする価値観があります。
丸紅の社風
丸紅は、社是「正・新・和」の精神が根付き、挑戦を大切にする社風があります。常に新しいチャレンジをして、時代の変化を機敏に捉えて顧客ニーズに答え続けようとしています。
この挑戦をすることを大切にする社風から、5大商社のなかでは年功序列の風潮が比較的弱い傾向にあるともいえます。「若手だからこそやってみよう」が根付いた風土により、風通しが良く周囲の意見をくみ取る雰囲気が醸成されています。
5大商社はいずれも社歴が長いため、沿革を通してその事業展開の流れを把握することができます。
また、各社の社長の言葉はもちろん、東洋経済などのビジネス新書や「現代総合商社論」などの各社に関連した書籍もあるため一読してみましょう。そうすることで、5大商社の社風を詳しく押さえられるようになります。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る「年齢の垣根を超えて取り組む姿勢」を感じた
5大商社は組織として優秀なだけでなく、個としても非常に優秀な人材が多い傾向にあります。ここでは丸紅の社風について私の実体験をもとに紹介したいと思います。
私はビジネスとして丸紅とかかわり、ある新規性のある商品について話をしたことがあります。そこでは物についての話ではなく、マーケット規模・市場性など「どのディストロビューター(直接顧客には販売せずに代理店へ商材を卸す企業)がその商品について専門性が高く販売拡大ができるか」という話をしました。非常に理路整然とまとめられており、ビジネスに精通している社員という良い印象をもっています。
この話をした丸紅の社員は年齢的には50代以上ですが、新しい物事への取り組む姿勢や顧客ニーズを徹底的に調査する部分において、年齢差を感じさせないコミュニケーションを取りました。
「若手だから、先輩だから」といった年齢の垣根を越えて一緒にビジネスに取り組んでいくという姿勢を、肌で感じたのをよく覚えています。このように丸紅については、新しいものに挑戦していく力を強く感じる社風だといえます。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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④5大商社の今後の動向
企業名 | 今後の動向 |
---|---|
三菱商事 | EX関連やDX関連などの成長分野への投資を進める |
三井物産 | エネルギーソリューション、ヘルスケア・ニュートリション、マーケット・アジアでの成長を目指す |
伊藤忠商事 | 利益の源泉を川上から川下にシフトする |
住友商事 | 次世代エネルギーなど次世代ビジネスの育成 |
丸紅 | グリーン事業の強化 |
新卒で入った就職先で40年以上働く人もいます。ファーストキャリアを決めるうえで、将来性のある企業に入社をしたいと考える人も多いでしょう。
後悔のない選択をするためにも、5大商社のそれぞれの今後の動向を押さえていきましょう。また、今後の動向を押さえることで入社後にやりたいことが見えてくるかもしれません。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見る5大商社は資源から非資源に比重が移り変わっている
5大商社全体のここ最近のトレンドとしては、石油やエネルギーなどの資源に関する分野から非資源に関する分野に比重が移りつつあります。また一時期は新型コロナウイルス感染症の影響でサプライチェーンが分断され、銅やLNG(液化天然ガス)の価格高騰が続いたこともありました。
世の中の情勢を敏感に察知した動きに注目しよう
さらに今後は、総合商社の事業展開の中でも、これまでよりもいっそうDX(デジタルトランスフォーメーション)とSDGs(持続可能な開発目標)およびESG投資(環境・社会・ガバナンス)に配慮した取り組みが求められることが予測されています。
2050年までのカーボンニュートラルへの取り組みは待ったなしの課題であり、巨額のプロジェクトを多くかかえる総合商社がDXとSDGsへの取り組みにも積極的になっています。下請け企業の取り組みをバックアップする必要もあるでしょう。
一方で、ロシアのウクライナへの侵攻が及ぼすリスクをどのようにとらえるか、ビジネスの投資を継続するか撤退するかの判断も各社で割れるかもしれません。総合商社の企業分析については、不確実な国際情勢の展開にも注意しながら検討していく必要があるでしょう。
三菱商事の今後の動向
三菱商事が掲げる「中期経営戦略2024」では、三菱商事グループの総合力を強化することによって社会課題を解決し、社会へ大きな影響を与える「MC Shared Value(共創価値)」を継続的に創出することを目指すとされています。
そのために、収益基盤の維持・拡大をするとともにEX関連やDX関連などの成長分野への投資をするとしています。
EXとは?
Energy Transformationの略で、地球温暖化防止のために脱炭素社会へ転換するなどの、エネルギー分野の変革のこと
また、再生エネルギーなどの地域エネルギー資源の積極的な開発をすることで日本の自給率を高め、カーボンニュートラルな新産業の創出を未来創造の実現のため取り組むとされています。
カーボンニュートラルとは?
温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味する
政府が2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」として、カーボンニュートラルを目指すことを宣言した
参考:環境省脱炭素ポータル
三井物産の今後の動向
三井物産は強みである金属資源・エネルギー分野で着実に収益基盤を拡大させるだけでなく、機械・インフラ、生活産業を中心とした非資源分野の強化を達成してきました。
昨今の不透明な事業環境での早期の成長軌道への回復には、既存事業の収益性向上が最重要と判断を下し、成長投資と追加還元へ資金配分を実行していくとされています。
また、同社はデジタル化や脱炭素のトレンドは加速すると捉え、エネルギーソリューション、ヘルスケア・ニュートリション、マーケット・アジアでの成長を目指しています。
伊藤忠商事の今後の動向
非資源分野No.1の伊藤忠商事は「利は川下にあり」として、利益の源泉を川上から川下にシフトしつつあります。たとえば、ニーズをとらえた食品・アパレルなどの商品企画力とブランド力の強化をするほか、EC活用による消費者接点の拡充を図る予定です。
また、脱炭素社会を業界に先駆けて実現するために、水素やアンモニアなどの次世代燃料のバリューチェーンの構築を成長戦略として掲げています。水素ステーションの展開をするなど、既存の事業基盤を活かした新たなビジネスが期待されます。
住友商事の今後の動向
社会構造変化への挑戦をするために、次世代ビジネスの育成を中期目標として掲げています。
次世代成長戦略としては、カーボンフリーエネルギーの開発や展開をする「次世代エネルギー」、途上国におけるインフラ整備をする「社会インフラ」、医療分野に加え、健康・予防・介護分野における新たなビジネスの創出が期待されます。
また、「農業」としてデジタル・テクノロジーを活用した農業セクター向けのビジネスも拡充していく予定とされています。
丸紅の今後の動向
デジタル化の浸透加速と拡大や行動様式の変化を受けて、新たな価値を創造していく動きがみられます。さまざまな変革を起こす中でも、グリーン事業の強化などから総合商社におけるグリーンのトップランナーを目指す姿が顕著です。
環境負荷の低減や脱炭素社会への移行に欠かせない天然ガスや液化天然ガスなどの取り組みをするために、既存グリーン事業の再生可能エネルギー分野や森林・植林事業を強化拡大していく戦略がとられています。
- 5大商社の今後の動向を自分でももっと調べたいです。どうやって調べると良いですか?
決算報告会の資料を確認してみよう
5大商社の今後の動向について自分で調べたい場合は、各社が発表している決算報告会の資料を確認すると良いでしょう。
この場合、会社ごとの新規事業計画や上市計画(市場に出している計画)を「成長見通し」として掲載しているため各社の情報をつかむことができます。
成長見通しを確認してから、自分の興味のある商社の事業性がどの方向性を向いているのか、また自分が活躍できる可能性があるのかを調べることができます。
⑤5大商社の年収
企業名 | 平均年収 |
---|---|
三菱商事 | 1,939万円 |
三井物産 | 1,783万円 |
伊藤忠商事 | 1,730万円 |
住友商事 | 1,605万円 |
丸紅 | 1,593万円 |
多くの学生が気になる収入面ですが、初任給は大卒が25万円程度、院卒が29万円程度とどの5大商社も変わりません。
しかし、各社の有価証券報告書によると平均年収には若干の差が出ており、5大商社の中で最も高収入な三菱商事が1,939万円、最も低い丸紅の1,593万円と差があります。
差があるとはいえ、いずれの5大商社も高い年収水準となっています。高収入を狙いたい学生にとって5大商社はおすすめだといえますね。
5大商社については、年収が高水準になる傾向にあります。その理由としては、働くエリアや環境が幅広く、あらゆる事業に携わるために社員のスキルや適性が高い人材を必要としているからです。
新卒で高収入を目指している人は以下の記事を参考にしてみてください。高収入を目指せる業界と注意点をまとめています。
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新卒の平均年収は約240万〜300万円ですが、学歴や業界によっては300万円以上も十分狙えます。この記事では、学歴別や企業規模別での新卒平均年収について説明します。高年収を狙える業界8選の特徴も解説するので、年収を重視した就活を目指す人は参考にしてください。
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5大商社に就職する4つの魅力
5大商社に就職する4つの魅力
- 規模の大きな仕事にたずさわれる
- グローバルな舞台で活躍できる
- 1つの製品について高い専門性を持つことができる
- 給与水準が高い
5大商社は多くの学生から人気のため、なんとなく魅力的に映ってしまうこともあります。5大商社の魅力が曖昧なまま就活を進めると、選考で志望動機などを上手くアピールできないだけでなく、入社後に自分の想像していた魅力を感じられず、ミスマッチを感じてしまうかもしれません。
今から解説する5大商社の4つの魅力を踏まえて「なぜ人気なのか」を考えていきましょう。
そして自分にとって本当に5大商社が魅力的な企業であるかを整理し、自分の中に落とし込んでくださいね。
- 5大商社に就職する魅力以外にデメリットも気になります。どんなデメリットがあるのでしょうか?
「年功序列」「配属リスク」「プレッシャーが大きい」
就職後のリスクとしては、5大商社はいずれも大きな組織であるため上下関係の階層が明確にあることです。たとえば入社時の配属先を始め、その後の異動や転勤も組織の都合と事業方針に従うことが求められる可能性が高いでしょう。
仮に配属や転勤先について自分の希望を申告できる場合でも、希望通りになる可能性はあまり期待できません。
さらに、総合商社では規模の大きな仕事に携わる可能性があるからこそ、その責任も大きく失敗できないというプレッシャーも受け止めなくてはなりません。自由に休みを取ることが難しい可能性も十分にあります。
就職後もしっかりオンとオフを切り替えられる生活をしたい人にとってはデメリットといえるかもしれませんね。
①規模の大きな仕事にたずさわれる
総合商社は幅広い産業分野で、原料や加工品を始め、食料品、サービスなどあらゆる商材を取り扱います。
そしてそれらの商材を買いたい相手と売りたい相手を結びつける仲介役をするほかにも、総合商社がもつネットワークを駆使して事業投資をおこなうなど仕事は非常に幅広く、規模が大きい傾向にあります。
さらに海外まで事業展開をすることもあり多額の資金が動きます。一度の取引で数千万円の資金が動くだけでなく、ときには億単位の資金を動かせることもあり、たずさわれる仕事のスケールの大きさが5大商社の魅力の一つです。
規模の大きな仕事としては、たとえば2030年度までに天然ガスへの投資プロジェクトに2兆円規模を投入するなどが挙げられます。
5大商社ではいずれも再生可能エネルギーや蓄電池の材料になるレアメタルや、カーボンニュートラルLNG(液化天然ガス)への投資に力を入れていますよ。
②グローバルな舞台で活躍できる
5大商社の活躍の場は国内にとどまらず、さまざまな国とかかわりながら働くことが可能です。たとえば、日本国内にいながら海外の顧客やパートナー企業、関係会社の職員とメールや電話でコミュニケーションを進める場面もあります。また、出張で海外に頻繁に行き、商談を進めることもあります。
さらに、5大商社といえば海外駐在。海外に赴任しながら現地の人々と仕事をすることに憧れている学生も多いですよね。企業にもよりますが、アメリカなどの主要先進国からアジアやアフリカなどの発展途上国まで幅広い拠点があり、多くの社員が駐在に行く機会を得ています。
このようにグローバルな環境で働くことができるため、幅広い人脈形成や国際感覚などを身に付けられることが5大商社の魅力です。
③1つの製品について高い専門性を持つことができる
総合商社が取り扱う商材は幅広いですが、実際に働く際に担当する商材は1つであることが一般的です。そのため1つの商材について高い専門性を持てることも5大商社の魅力といえます。
1つの商材に専門性を持つというとメーカーと同じように聞こえるかもしれませんが、5大商社の場合は川上から川下まで一つの業界を俯瞰して自由に企画や行動をすることが可能です。
具体的にいうと、川上である原料の調達から川下である製品やサービスが顧客に届くまでにかかわることができるということです。
川上から川下とは?
商品の流通経路を川になぞらえて、メーカーを起点として消費者に流れる様子を表す言葉
一般的に川上はメーカー、川下は小売業を指し、中間に位置する卸売業は川中と呼ばれる
④給与水準が高い
商社は在庫を持たないためかかるコストが少なく、利益を人件費に回しやすいため給与水準が高い傾向にあります。上記で5大商社の平均年収を解説しましたが、三菱商事1,939万円、三井物産1,783万円、伊藤忠商事1,730万円、住友商事1,605万円、丸紅1,593万円と給与水準が高いです。
働くうえでやりがいや成長なども重要な要素ですが、やはり生きていくうえでは生活にお金が必要です。そのため給与水準が高いことは5大商社の大きな魅力だといえます。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る5大商社に入社すると成長面でのメリットが大きい
5大商社に就職する魅力について、おもに成長についての目線で2つ紹介します。
①優秀な人とのかかわり合いが成長につながる
5大商社で働く社員は優秀な人が多く、先輩や上司から多くのことを学べるのはもちろん、レベルの高い同期や同僚と競い合うことで自身の成長を促すこともできるでしょう。
自分のロールモデルとなる人物を見つけやすいという点も大きな魅力です。また、さまざまな価値観や考え方を持った多種多様な国内外の顧客とかかわる可能性が高く、人としての成長にもつながるでしょう。
②将来起業を目指す人にとって貴重な経験ができる
将来的に起業を目指す人にとっては、5大商社に就労することは大きなメリットになります。実際に国内外の多くの顧客とかかわることで、事業投資先となる市場についての知識習得はもちろん、投資回収のためのロジカル的な思考力や経営的な感覚を身につけることもできます。
また、交友関係も広げやすいため起業の際に役立つ人脈の構築も可能です。さらに社内ベンチャー制度を活用すれば、自ら起業する前に事業立ち上げの経験ができるのはもちろん、自分の経営者としての適性を確認することもできます。
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2ステップ! 自分に合った5大商社はどれかを考えよう
2ステップ! 自分に合った5大商社はどれかを考えよう
- 自分の価値観を把握してキャリアプランとライフプランを考える
- 各社の強みと社風を把握して自分の理想の将来像と照らし合わせる
5大商社の就職難易度は高いため、どれか1つだけ選考を受けるというよりも5つとも選考を受けることになる学生が多いでしょう。5大商社すべての選考を受けるとはいえ、5大商社のなかでも自分にはどの企業が合っているのか押さえておくことが大切です。
なぜなら、選考対策をするうえでどの企業に最も力を入れるべきか優先順位をつけられるようになるからです。また、その企業のどこが自分に合うかを考えておくことで、自分と企業のマッチ度を明確にアピールできるようになりますよ。
今から解説する2ステップで自分に合った5大商社はどれかを考えていきましょう。
①自分の価値観を把握してキャリアプランとライフプランを考える
まずは自己分析をして自分の価値観を把握しましょう。どんな環境にやりがいを感じるのか、どんなことが辛いと感じるのかを自分史を作成して整理することが大切です。
自分史の作り方
①ノートとペン、もしくはwordなどまとめられるものを用意する
②以下の内容を参考に小学校から現在までの出来事を年代別に洗い出していく
一番頑張ったこと
一番辛かったこと
一番うれしかったこと
当時、熱中していたこと
大きな失敗や挫折
困難を乗り越えたこと
自分から率先しておこなったこと
③過去の経験を喜怒哀楽などで考え方が似ているエピソードをまとめる
④まとめた内容が自分の価値観を表す
そして、自分の価値観を踏まえて、どんなキャリアを歩みたいのか、どんな人生を送りたいのか、キャリアプランとライフプランを考えてみましょう。
たとえば、将来的にはアジア圏に駐在をしたい、プライベートでは30歳で結婚をしたいなどです。
キャリアプランとライフプランは、一度決めたらこの先も守らなければいけないというわけではなく柔軟に変更していくものです。まずは大枠を気軽に考えてみましょう。
②各社の強みと社風を把握して自分の理想の将来像と照らし合わせる
自分の方向性がわかったら、自分の目指す方向と企業の特徴が一致しているか確認していきましょう。5大商社各社の強みや社風と自分の理想の将来像を照らし合わせてみてください。
たとえば、自分が携わりたい分野に力を入れてる企業はどこか、自分が心地良いと感じる社風はどれかを考えてみましょう。
もし自分が食料品分野に携わりたいと考えていても、非資源分野には力をあまりいれておらず部署の人数も少ないようでは、配属される確率が低く自分の将来像とズレが生じてしまいます。
就職先の決め方で悩んでいる人は、以下の記事を参考にしてくださいね。後悔しない進め方を解説しています。
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アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る自分の将来ありたい姿と5大商社の特徴を照らし合わせよう
自分に合った5大商社については上記で解説しているように、自己分析を実施し、キャリアプランやライフプランを練ったうえで、5大商社の特徴について情報収集と分析を実施してください。
自己分析については、自分史で自分がどのような人物であるかを客観的に書き出すことができるため、自分の気づかなかった性格や特徴を知ることができます。そのうえで、キャリアプランとライフプランを練ることで希望する生き方が見えてきます。
マッチングの視点で決算説明会資料を見ることも大切
5大商社の情報収集については決算説明会資料などを調べると、希望する企業の現在の状況や、将来の方向性を知ることができます。この資料を見るか見ないかで商社に対する理解度は大きく変わってくるため必ず目を通しましょう。
また自分が希望する仕事について、5大商社のうちどの商社が取り組んでいるかを知ることができるため、働きたい仕事とのマッチングといった視点でも決算説明会資料を見ることはおすすめです。
自己分析と5大商社の分析をきちんとおこなうことで、あなたに合った商社を見つけることができるようになるため、甘く考えずにつきつめておこないましょう。
5大商社に内定するためにやるべきこと4選
5大商社に内定するためにやるべきこと4選
- 業界・企業研究を念入りにおこなう
- OB・OG訪問に参加する
- テストセンター・筆記試験の対策をおこなう
- 語学力を磨く
繰り返しになりますが5大商社は学生から根強い人気を誇り、就職難易度は非常に高いです。生半可な対策では面接で不合格になるだけでなく、そもそも書類選考すら通過できないかもしれません。
今から解説する5大商社に内定するためにやるべきこと4選を実践して、5大商社の内定を目指しましょう。
①業界・企業研究を念入りにおこなう
5大商社はもちろん、商社業界自体も人気の高い業界です。ほかの学生のアピールに埋もれないためにも、志望度の高さを伝えられるようにするためにも、業界分析をしてビジネスモデルや歴史を振り返りましょう。
5大商社とまとめられているとはいえ、各社の事業領域や強みとなる事業、投資先の国や地域は異なります。
そのため、商社ごとの注力業界や収益性の高い業界などについては必ず理解しておき、その違いや将来性を説明できるようになる必要がありますよ。
総合商社は業務上さまざまな業界とかかわるため、メーカーや小売などほかの業界についても分析しておくことがおすすめです。
商社以外の業界に対する理解が深まることで、総合商社が具体的にどんな場面でかかわるのかなどより深くビジネスモデルを理解できるようになります。
業界分析のやり方
- 業界地図を見る
- 商社業界に関する書籍を読む
- 日本経済新聞の「総合商社」に関するニュースを見る
- 総合商社の専門雑誌 ブレーンズを見る
- 一般社団法人日本貿易会を見る
業界を分析したうえで、5大商社それぞれの企業の特徴を押さえていきましょう。この記事で解説したとおり各企業の強みや業績、社風、今後の動向、年収を押さえることが必須です。
企業研究のやり方
- 各商社の社長メッセージなどを読む
- OB・OG訪問をする
- 各商社のトレーディングと事業投資の特徴を押さえる
5大商社のビジネスモデルに大きな違いはないからこそ、その企業の強みを明確にしたり、求める人物像を正しく理解して適切にアピールする必要があります。求める人物像の調べ方としては以下の通りです。
求める人物像の研究方法
- 採用HPや求人票を見る
- 企業に関連する書籍を調べる
- 企業が取り上げられている記事をネットで調べる
- 企業HPにある「社長メッセージ」などを読む
- 中期経営計画など今後の企業方針から考える
- 社歴から企業の事業に対する姿勢を見い出す
- 企業HPにある「社員紹介」などを読む
もし、まだ商社業界以外にも興味があって業界が絞りきれないという人は、以下の記事を参考に業界を絞ってみてくださいね。
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②OB・OG訪問に参加する
OB・OG訪問をすることで、自分で調べただけではわからない一歩踏み込んだ業界研究や企業研究をすることが可能です。自分の中で曖昧だった志望度の優劣をつけることもできるでしょう。
また先述したとおり、5大商社のビジネスモデルに大きな違いはないため、総合商社というビジネスモデル自体に魅力を感じたと志望動機などで伝えてしまうと「他の商社でも良いのではないか」と思われてしまいます。企業に「御社だからこそ志望している」という熱意や志望度の高さをアピールするためにも、OB・OG訪問に参加して一歩踏み込んだ情報を得ることは必須ともいえます。
たとえば「なぜ5大商社のなかでうちの企業なのか」と問われた際の回答として、OB・OG訪問やインターンシップに参加していれば「社風に魅力を感じた」などといえますよね。
OB・OG訪問の詳しい準備内容を押さえたい人は、こちらの記事を参考にしてくださいね。準備から当日までの流れをまとめています。
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- 5大商社ではOB・OG訪問の内容が人事部と共有されており、選考の一環になっているという噂をよく耳にしますが、実際どうなのでしょうか?
OB・OGから人事部に伝わっている可能性があると想定しておこう
商社によって採用方針や選考の進め方は異なりますが、OB・OG訪問の内容が選考に活用されている可能性は否定できません。
商社によっては、学生からの希望を受けてOB・OG訪問のマッチングをおこなっています。そのため、実際にOB・OGとの面談時のマナーや就職に対する意欲、会話を通しての能力の高さなどの評価は、OB・OGから人事部に伝わっている可能性があると想定しておきましょう。
OB・OG訪問を依頼する段階から選考はスタートしていると考え、しっかりと事前準備をするのはもちろん、時間を割いてくれた相手に敬意を払うことを忘れないようにしましょう。
③テストセンター・筆記試験の対策をおこなう
5大商社では多くの学生が応募に殺到するため、面接に呼ぶことのできる学生は限られます。そのため、試験である程度学生をふるいにかけています。
5大商社は試験の合格基準点が高く設定されており、テストセンター・筆記試験の通過率が低いことで有名です。5大商社が第一志望であるものの、筆記で不合格となり悔しい思いをする学生も少なくありません。
大学3年生の3月頃から試験がある場合も多く、遅くとも1月には対策を始めておくことがおすすめです。
具体的なWebテストの対策については、以下の記事を参考にしてくださいね。効率よく対策する方法をまとめています。
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- 商社はよく「学歴フィルター」を耳にしますが、テストセンターや筆記試験で高い点数を取れたら問題ないのでしょうか?
学歴フィルターに関しては明言できないが、筆記テストで高い点数を取るに越したことはない
この質問は非常に難しい質問です。「学歴フィルター」についての存在の可否についての明言を避けますが、企業としては優秀な社員を採用し活躍してもらいたいという強い意思を持っています。
テストセンターや筆記試験で高い点数をとることは、希望する企業への入社が近づくことは確かなことであり、それが学歴と相関していることは完全には否定できない場合もあるかもしれません。
次の記事で、学歴フィルターについてより詳しく解説しているので、気になる人はぜひ読んでみてくださいね。
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④語学力を磨く
5大商社はグローバルに活動しているため、応募をするなら英語力や国際感覚は必須条件と考えましょう。
また、市場を開拓していくための事業構想力や実行する行動力が必要とされ、必然的にロジカルな思考力や優れた倫理性も求められています。
5大商社では海外とのかかわりが多いとはいえ、募集要項には「語学力が必須」とは記載されていないため必ずしも就活時点で英語力がある必要はありません。とはいえ、テストセンター・筆記試験で英語の問題が出題されるため、一定の英語力を身に付けておく必要があります。
多くの学生はTOEIC高得点を所持していたり留学経験があったりする場合も多いため、英語力があるに越したことはありません。
帰国子女でなかったり留学経験のない人であれば、TOEIC730点以上を所持していれば最低限の英語力を備えていることをアピールできます。英語力をアピールポイントとする場合は860点以上を目指しましょう。
また、欧米諸国のみならずアジア圏でのビジネスも多くあるため、中国語の資格である、「中国語検定」2級以上や「HSK」4級以上を取得していると有効なアピールポイントとなります。
そのほかにも商社での就職に有利な資格が気になる人は以下の記事を参考にしてくださいね。
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5大商社は海外との仕事が多いため、語学力のアピールが重要です。しかし就職活動においては、あなた自身を面接官にうまくアピールすることで、面接官が自社に合うかを判断したうえで採用するか否かが争点となります。
そのため、語学力のアピールのみに偏らないように注意してください。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見る5大商社では総合的な人間力が見られている
5大商社の選考は競争率が激しく、多くの応募者の中で勝ち抜かなくてはならないため、内定に至る人材に求められる要件はおのずと厳しくなります。自己分析や業界・企業分析を入念におこなって周到な準備をすることは必須になるでしょう。しかし、それは必須条件ではあるものの、それだけでは十分条件とはいえません。
多くの応募者が殺到する5大商社で内定に至る人材には、「精神的なタフさ」「個性を磨く力」「グローバルな視点」「柔軟な考え方」「楽観的なマインド」などを合わせ持った、総合的な人間力が求められるでしょう。
自分の信念を面接で伝えられるようにしよう
つまり、最終的には知識だけではない「人として魅力的な人材」を目指しましょう。いろいろなことに興味を持ち細部をおろそかにせず、一方で大局的に物事を見ることができるようにしておくことが重要になります。
「なぜ5大商社に就職したいのか」「なぜ商社なのか」「なぜ大きな規模のプロジェクトに携わりたいのか」「それによって何を実現したいのか」「なぜその企業なのか」など、しっかり自分の考えや信念と向き合い、それを企業にわかるように伝える技術も磨いておきましょう。
学生から人気のある5大商社から内定をとるためにやることを解説しましたが、以下の記事あでは一流企業から内定をとるための対策もまとめています。
ぜひ参考にしてみてください。
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5大商社に内定するために押さえておきたい言葉一覧
5大商社に内定するために押さえておきたい言葉一覧
- キャッシュ・フロー(CF)→資金の流れ
- コーポレート・ガバナンス→企業を健全に運営するための内部統制の仕組み
- コンプライアンス→法律や倫理観を守りながら、企業が組織活動をおこなうことを指す
- サプライチェーン→製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れを指す
- ステークホルダー→株主、顧客、従業員、取引先、金融機関など企業活動をおこなううえかかわるすべての人を指す
- フリー・キャッシュフロー(FCF)→企業が本来の事業活動によって生み出すキャッシュフローのこと
- バリューチェーン→川上(原料)、川中(加工・製造・中間流通)、川下(小売)をつなぎ、収益の最大化を図る戦略
- ブランドビジネス→商品にブランドという付加価値を加え、輸入のみならずライセンスとの組み合わせ、取り扱いブランド製品の生産、M&Aなど多層的なビジネスモデルを構築するビジネス
- リスクアセット→投資を含むバランスシート上のすべての資産およびオフバランス取引において将来発生しえる最大毀損額
- CSR→Corporate Social Responsibilityの略称で、「企業の社会的責任」
- ESG→持続可能な世界の実現のため、企業が長期的な成長をするのに重要なEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)
- IFRS→International Financial Reporting Standardsの略称で、会計基準の総称
- 脱炭素→二酸化炭素の排出量と吸収量を等しくさせて、二酸化炭素の排出を実質ゼロに抑えること
5大商社は有名ながらも、正直どんなビジネスをしているのかわからないという学生も多いもの。
ここで解説した5大商社でよく使われる用語を13選を押さえておくことで、企業説明会のときの内容がぐっと理解しやすくなりますよ。
今のうちから専門用語を覚えておけば、選考の一貫であるグループディスカッション時や面接の場でより具体的で現実味のある議論ができます。
また専門用語の正しい使い方を心得ていれば、議論そのものに深みが出るため、面接官からの信頼度も上がるでしょう。
これらの言葉は5大商社を目指す学生はもちろん、そのほかの総合商社や専門商社を目指している学生も覚えておくべき内容です。
また、商社以外の業界でグローバルなビジネスにたずさわりたい学生も押さえておいて損はない言葉といえます。
自分でも商社に関係のある言葉を調べるためには、会社説明会でわからなかった言葉をメモして調べてみましょう。
また商社に関連した経済誌の記事やビジネス書、会社四季報の「業界地図」などを読んで、頻繁に出てくる言葉やわからない言葉を調べるようにしましょう。
5大商社だけでない! そのほかの商社
第一志望が5大商社であっても、選考難易度の高さから他の企業の選考も受ける人が大半だと思います。5大商社以外にはどんな魅力的な商社があるのかを今から解説します。
視野を広げて複数の商社を見ることで、5大商社の良さが際立ったり、逆にそのほかの商社の魅力に惹かれそちらも第一志望群になったりすることも十分ありえます。5大商社との違いを考えながら、そのほかの商社を押さえていきましょう。
7大商社の豊田通商・双日
総合商社は、5大商社のほかに「7大商社」という呼び名もあります。7大商社には5大商社に加えて、豊田通商と双日の2社が含まれます。豊田通商はトヨタ自動車の関連会社であり、トヨタグループに関係する事業が柱となっています。
双日は日商岩井とニチメンという企業が合併してできた企業です。アメリカのボーイング社の販売代理店として大型旅客機の販売をするほか、小型ビジネスジェットの運行事業に力を入れています。
5大商社と比較した7大商社の魅力は、取引先の専門性が高い傾向にあることです。
そのため、自分が学んできた分野や興味がある分野について活躍できる機会の幅が広がる可能性が高いです。
7大商社に憧れている学生は多いと思います。以下に記事では7大商社について詳しく解説しているので参考にしてみてください。
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7大商社への就職を成功させる3つの対策|各社の特徴や魅力も解説
学生から人気の7大商社に入社するためには、企業を詳しく理解することが必須です。この記事ではキャリアコンサルタントのアドバイスを交えつつ7大商社それぞれの特徴や対策方法を解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
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専門商社も魅力的
専門商社とは?
特定の商材や分野において50%以上の売上を占める商社のこと
専門商社は専門分野への深い知識や広い人脈が強みで、特定業界への今後の動向に対して敏感に動くことができます。専門商社は、「メーカー系専門商社」と「総合商社系専門商社」と「独立系専門商社」の3つに分けることができます。
専門商社の種類
- メーカー系専門商社:おもにメーカーの商品を販売することで利益を得る商社
- 総合商社系専門商社:総合商社のなかでも特定の分野を中心に設立された商社
- 独立系専門商社:メーカー系にも総合商社系にも属さずに独自の事業をおこなう商社
専門商社は特定分野の商品を扱うため、希望しない部署に配属されるリスクが少ないといえます。やりたいことが明確に決まっている人は専門商社が良いかもしれません。
総合商社では、異動によって担当する商材や事業が予定外のタイミングで変わってしまう可能性があります。
しかし専門商社の場合は扱う商材が絞られているため、その道のスペシャリストになりたい人に向いているといえるでしょう。
専門商社には以下のような企業がありますよ。
代表的な専門商社の例
- メディパルホールディングス:医薬、化粧、日用雑貨をあつかう
- アルフレッサ ホールディングス:医薬品、医療用検査試薬、医療機器・用具をあつかう
- スズケン:医療用・医薬品をあつかう
- 阪和興業:鉄鋼、食品、石油をあつかう
- 三菱食品:加工食品をあつかう
阪和興業が扱っている鉄鋼について、業界知識を次の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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鉄鋼業界のイメージはつかみにくいかもしれませんが、実は学生にとって魅力的な業界でもあります。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、鉄鋼業界の仕事内容や魅力、就職するための対策を解説します。
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- 専門商社はたくさんあってどう探すべきかわかりません。どのように専門商社を探すのがおすすめですか?
自分がかかわりのあるモノやサービスに目を向けてみよう
専門商社は扱う商材や事業がある程度限定されているため、入社後はずっとその商材にかかわる仕事をすることになります。
そのため、扱う商材に個人的にも興味が持てるほうが仕事を長く続けていける可能性が高く、仕事も楽しいはずです。
したがって専門商社を探す場合は、自分が好きなことや普段良く利用しているモノやサービスに目を向けて、そのつながりから専門業者や専門商社を探してみると良いでしょう。
5大商社の魅力を押さえたうえで徹底的な対策をして内定をつかもう!
ここまで解説したとおり、5大商社には三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、双日といった5つの総合商社が含まれています。いずれの5大商社も学生からの人気が高く、就職難易度は非常に高いです。
5大商社にはそれぞれ特徴があるため、特徴を的確に押さえたうえで自分に合った5大商社はどれなのかを考えていきましょう。そして、内定を得るためには徹底した試験対策や業界・企業研究をおこなうことはもちろん、語学力を磨き、積極的なOB・OG訪問をおこない志望度の高さを伝えれれるように備えなければなりません。
今回紹介した5大商社の特徴と内定を得るためにやるべきことを踏まえて選考に臨み、内定を勝ち取ってくださいね。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る5大商社を目指すライバルが強いからこそ、入念な対策が必須
5大商社は事業領域の広さや収入の高さ、業務での自己裁量のウェイトの大きさなどから、学生に大人気です。そのため採用試験の難易度も高く、企業研究はもちろん関連業界に対する知識習得も欠かせません。
また、自分のライバルとなるほかの応募者も自分と同等以上の準備をしてくるため、面接試験では5大商社それぞれの強みや違いを理解したうえで志望動機を伝え、しっかりと自分をアピールする必要があります。
入社を目的とするのではなく、将来についても考えよう
商社は国内外の困難な案件にかかわるため、意欲と行動力が欠かせません。しかし、就職に際して5大商社に入社することが目的となってしまっては、入社した後にただ与えられた業務をこなすだけになりかねません。せっかく難関企業に入社しても、すぐに退職したくなってしまう可能性もありますよ。
就職先を選ぶ段階から自分の5年や10年後を想定しているか否かで、就職活動はもちろん入社後の業務に取り組む意識も変わります。業界・企業研究やOB・OG訪問を通して、自分の将来のキャリアプランについても考えることを忘れないようにしましょう。そして5大商社の内定を勝ち取ってくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役
Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる
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