「素直さ」は就職活動でアピールできる長所になり得ますが、伝え方には若干の注意が必要です。

「素直さ」という性格は「言われたことは文句を言わずやるが、自ら動く自主性がない」というネガティブな印象につながることもあります。就活で「素直さ」をアピールするときはこの点に気をつけて伝えましょう。

言い換えるとすれば、「柔軟性がある」という表現でも良いかもしれません。自分の考えに固執して、他人からのアドバイスを受け付けない性質を「頑固」と言います。

質問者さんが考えている「素直さ」が、人からの意見やアドバイスに耳を傾け、自分の考えをすぐに修正したり、行動に移すことができるというものであれば、「柔軟性がある」と表現しても良いでしょう。

企業の求める人物像から働くうえで必要な「素直さ」を考えよう

質問の後半にある、「素直さを評価されやすい企業とマイナス印象になる企業の違い」については、企業の求める人物像を見れば分かります。

たとえば日本の有名なコンサルティング会社「野村総研」のホームページにある「社員の行動指針」には次のような文言が書かれています。「真のプロフェッショナルとしての誇りを胸に、あくなき挑戦を続ける」。

このような行動を社員に求める会社に、私は素直ですという「だけ」では会社が求める人物としてアピールできないでしょう。「素直さ」をこの行動指針にどうつなげるかを考えなければなりません。

たとえば「あくなき挑戦を続ける」ために、自分の考えに凝り固まることなく、常に柔軟な姿勢を持って変化し続けることができる、という表現に変化させるのです。

今の時代、会社が求める「素直さ」は単に聞き分けの良い、言われたことを一生懸命するという性格ではありません。間違いを認めて素早く考えを切り替えられることや、変化に対して柔軟に対応できる性格のことなのです。

素直さは、多くの企業が求める長所として知られています。しかしその素直さを効果的にアピールするためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

まず自分自身が考える「素直さ」とは何かを明確に定義することが大切です。指示に忠実に従うことや、新しいことを学ぶ意欲があること、他人の意見を受け入れる柔軟性があることなど、具体的な行動や態度を示すことが求められます。

次に、その素直さが企業にどのようなメリットをもたらすのかを具体的に考え、説明することが重要です。

たとえば素直な性格のためにチーム内のコミュニケーションがスムーズになるという点や、新しい業務やツールを迅速に学べるという点を強調することが考えられます。

そして自分の過去の経験から、その素直さがどのように役立ったのかを示すエピソードを共有することで、面接官に対してその長所の信ぴょう性を伝えることができます。

受け身の印象にならないように自分の考えも示すことが大切

一方で、素直さをアピールする際には注意点もあります。過度な受け身の態度や、自分の意見を持たないという印象を与えてしまうことは避けるよう心掛けることが大切です。

多くの企業は、素直な人の方が学びやすく、チーム内でのコミュニケーションも円滑におこなわれるとポジティブに考えていますが、その背景にある自分の価値観や経験をしっかりと伝えることで、より深く理解してもらうことができるでしょう。

自分の経験や考えをしっかりと伝えることで、素直さという長所を最大限に活かしてください。