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文系の学生が就職するうえで有利な資格ってありますか?
文系の大学に通う2年生です。大学3年生からの就職活動を目前に控えているこのタイミングで資格を取ろうかと思っているのですが、文系向けの、就職するのに有利な資格ってありますか?
やはりTOEICなどの語学系の資格は文系でも取っておくべきでしょうか? MOSなどのPCスキル系の資格も気になっています。
文系でも就職に有利になる資格があれば、具体的な資格名とそれがどのような業界や職種で役立つのか教えていただきたいです。
※質問は、エントリーフォームからの内容、または弊社が就活相談を実施する過程の中で寄せられた内容を公開しています
資格の有無で評価されるのではなく資格を取得した背景が評価される
文系の学生さんにとっても、就職活動をするうえで、資格は「何ができるか」を示す分かりやすい手段の一つです。ただし、資格そのものが「内定を保証する武器」になるわけではありません。
私自身、企業の採用担当として多くの学生を見てきましたが、「この資格があるから採用する」のではなく、資格からその人の努力、興味、準備の姿勢が伝わってくるかどうかが評価のポイントではないかと思います。具体的なポイントが以下の3点です。
①採用担当者として印象に残った資格と理由
私が採用担当だった頃に文系の学生さんで特に好印象だったのは、TOEIC600点以上や日商簿記2~3級、MOSなどの資格でした。
たとえば営業職を志望する学生がTOEICのスコアを提示していると「海外取引がある部署でも活躍できそう」と感じましたし、簿記の資格を持っていれば「数字に強く、経理やコストについての意識、知識がある人かもしれない」と注目していました。
MOSについても、「基本的なExcelやWordのスキルがある=入社後即戦力として活躍することが可能」という実務的な利点もあり、事務系の職種では安心材料として見られます。
つまり、資格の内容そのものより、「仕事を意識してしっかり準備してきた姿勢」が企業の採用担当者の印象に強く残るのです。
②これまでのキャリア支援のなかで資格が有利に働いた学生の例
これまで私が支援してきた学生のなかには、資格があることで選考が有利に進んだという人も少なくありません。
たとえば、IT系企業を志望していたある学生は、MOSの資格を持っていたことで、事務系ポジションでの書類選考の通過率が高かったです。
そのときの企業現場の担当者からは、「実務で使えるスキルがあると即戦力として期待しやすい」と評価されていたことも記憶にあります。
こうした経験から、資格は話のきっかけになり、自己PRに説得力を加える武器になると実感しているのです。
③業界・職種ごとの傾向と文系学生におすすめの資格
文系の学生が資格でアピールしやすい分野としては、ビジネススキルや業界知識に関するものだと思います。企業の面接選考でよく聞く資格と、それが評価されやすい業界・職種の傾向をまとめてみました。
まず、一般企業の事務職で有利になる資格は、MOSや日商簿記3級~2級です。評価される点としては実務スキルの証明ができ、研修期間がなくとも即戦力として期待できるという所になります。
次に、商社やメーカーなどの営業職であれば、TOEIC600点以上や簿記2級が有利な資格となるでしょう。グローバル展開や数値管理への対応力が期待できるためです。
そして、銀行や保険などの金融業界では、FP3級や日商簿記2級が有利となり、金融知識の基礎があることで育成がしやすいというのが評価ポイントになります。
最後に、広告・出版・マスコミの場合は、TOEIC600点以上や漢検2級が有利な資格です。言語感覚や情報処理能力の素地が感じられるのが評価される点となります。
このように、「自分がどんな仕事に就きたいか」によって、取るべき資格の方向性も変わるのです。
④何を取ったかより「なぜ取ったか」を伝えることが大切
面接では資格の名前だけでなく、「どうしてその資格に挑戦したのか」「どんな風に自分の将来に役立てたいのか」を語れることが何より大事です。
たとえば「簿記2級を取ったのは、営業職でも数字に強い人になりたかったからです」と話せれば、それだけで意欲や将来的なキャリア像が伝わります。
たとえ難関資格でなくても、「自分で考えて行動した」という事実は、間違いなくあなたの評価につながるのです。
資格は、自分自身に自信を与えてくれるツールでもあります。この先の就活で「行動した自分」と「何もしなかった自分」、どちらにチャンスが巡ってくるか、是非想像してみてください。
自分のやりたい仕事につながる資格を取ることが結果的に有利になる
「就職するのに有利な資格ってありますか? 」という質問は、文系・理系にかかわらず学生が就職のことを意識しだす時期によく聞かれる質問の一つです。
やりたいことがはっきりとわからない時期には「何か就職に有利な資格を……」と考えるのはよくわかります。
しかし、この質問に対する答えはやりたい仕事につながる資格を取るというのが答えです。つまり文系でこの資格を持っていたら、何にでも有利という絶対的なものはありません。
もちろん、公認会計士、税理士、司法書士、社会保険労務士など超難関資格と言われる業務独占資格であれば、その道に進もうと思っている人にとってはかなり有利になるでしょう。
質問にあるような語学系の資格やMOSなどのPCスキルも「何となく持っていたほうが有利そう」というイメージを抱いている人が多いのが事実です。
当然無駄ではありませんが、採用側が知りたいのは「どうしてそれを勉強したのか」「どういう考えがあってその資格を取得したのか」という考えの部分になります。
資格を持っていて就職に有利になったケースはたしかにありますが、それは金融系に進みたい学生が簿記2級の資格を持っていたとか、総合商社に入社して海外で仕事をしたいと思っている学生がTOEIC800点台を持っていたという自分のやりたいことと資格に一貫性がある場合です。
就職に有利になるための資格ではなく企業に本気度を伝えられる資格を取ろう
学生生活のなかで資格を取得する場合「資格を先に考えない」ことが大事なポイントになります。
それでも質問にあるように文系でも就職に有利になる資格という前提で考えるなら、敢えて言えば英語でTOEIC800点台後半以上を取るなど、高得点なら多少目を惹くでしょう。
MOSは基本的には評価されるとは思わないほうが良いと思います。
「MOSを持っているから仕事ができる」という評価にはならず「パソコンをまったく使えないということはないのだな」くらいの印象となるからです。それであれば「授業で使っていました」でも十分でしょう。
ほかにも最近社会人に人気のITパスポートという資格があります。ITに関する基礎知識があることを証明する国家資格ですが、これもMOS同様持っているから就職が有利になるとまではいきません。
繰り返しになりますが、資格が有利になるのは「やりたいことにつながる資格」を持っている場合です。
その資格が「◯◯をやりたい」という気持ちの本気度を表すものとなるので、採用側としても「あなたの◯◯がやりたいという気持ちは嘘ではないですね」と感じることができ、有利に働く可能性があります。
もし今から就職のために準備をしたいと思うのであれば、その熱量を将来やりたいことや興味への解像度を上げることに使いましょう。
または学内外の活動やアルバイト、何らかのプロジェクトに参加するなどガクチカに力を入れたほうが就職の際に話題にもなりやすく役立つと思います。
もし資格取得をガクチカにしたいと思うのであれば学生が片手間で取得したとは言われないくらいの難易度の高いものか、語学系で高得点を狙いに行くといった戦略も一つの方法です。
しかし、難易度の高い資格にはそれなりの労力と時間が必要なので、本当にそれだけのコストをかけることが良いのかどうかは慎重に判断すべきでしょう。
どんな資格があると有利になるのかが気になる就活生はたくさんいます。以下の記事では業界や状況別に就職に有利な資格を解説しているので、参考にしてみてください。
大学生の内に取るべき資格が知りたい人は、こちらの記事をチェックしてみましょう。取りたい資格が見つけられていない人はぜひ参考にしてください。
こちらのQ&Aでは、資格がない場合でも就活はうまくいくのかと疑問に思う学生に向けて、キャリアコンサルタントがアドバイスをしています。
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