保育士試験の対策方法! 筆記試験の例題80問と解き方をプロが解説

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板谷 侑香里
キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍

保育士試験は出題範囲が非常に広いため、試験の全体像を把握し、科目ごとの問題パターンに合わせて効率よく学習を進めることが重要です。

この記事では、専門家である板谷さんとともに、保育士試験の対策方法を解説していきます。頻出科目を知りたい人や、それぞれどこまで対策すべきか知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

記事の後半には、全出題範囲を網羅した例題を用意しています。まずは前半で試験の基本情報を把握してから例題に挑戦していきましょう。

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Webテストコンテンツは、生成AI(人工知能)も活用しながら社内の編集部メンバーが作成したオリジナルの問題となります。チェック・監修体制としては、1問につき、Webテストに精通した外部パートナー最低1人のチェック、Webテストを得意領域とするキャリアコンサルタントによる最終チェックと監修をおこなっています。

目次

例題を解く前に確認しよう! 「保育士試験」の解答のコツ

保育士試験の特徴

  • 問題パターン:選択問題、◯×の組み合わせ、空欄補充、並び替え問題、図を見て答える問題
  • 1問あたりの時間
    ・60分科目(心理学、原理、子ども家庭福祉、社会福祉、保健、食と栄養、実習理論):約2分
    ・30分科目(教育原理、社会的養護):約1分〜1分半
  • 受験形式:ペーパーテストのみ
保育士試験を解くときのコツをわかりやすく教えてください!

キャリアコンサルタント/コラボレーター代表

板谷 侑香里

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苦手科目を中心に過去問を解こう! 途中退室の制度を利用するのも一つ

保育士の試験は、過去問が重要です。授業などで取り組んだことのある科目であれば、一度過去問を解くだけで得点源になる可能性もあります

科目数が多いので、苦手科目を重点的に取り組みましょう。

保育士試験は「教育原理」と「社会的養護」を除いて、試験時間が60分の科目については試験開始から30分が経過すると途中退出できます。

余裕を持って解き終えた場合は、30分を目安に退出し、会場の空き教室などで次の科目の過去問を見直すこともおすすめです。

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保育士試験の概要

保育士試験の筆記試験は、全9科目で構成され、すべてマークシートの五肢択一式でおこなわれます。合格ラインは原則として「各科目100点満点中、6割(60点)以上」です。

科目合格制度が導入されていて、合格した科目は翌年・翌々年まで免除されるため、複数回に分けて合格を目指すことも可能となります。

ただし、「ニコイチ」と呼ばれる「教育原理」と「社会的養護」はそれぞれ50点満点で、同日・同試験回に両方とも6割(30点)以上を取らないと合格にならないため注意が必要です。以下の表で、科目別の出題構成と合格基準を把握し、学習計画に役立てましょう。

科目別の出題構成と合格基準はここをチェック(クリックして開く)
科目名教科目名問題数・満点合格基準
※教育原理と社会的養護は、同じ回の試験で両方とも合格基準を満たす必要あり
保育原理保育原理、乳児保育Ⅰ、乳児保育Ⅱ、障害児保育、子育て支援20問(100点満点)6割以上
教育原理教育原理10問(50点満点)6割以上※
社会的養護社会的養護Ⅰ、社会的養護Ⅱ10問(50点満点)6割以上※
子ども家庭福祉子ども家庭福祉、子ども家庭支援論20問(100点満点)6割以上
社会福祉社会福祉20問(100点満点)6割以上
保育の心理学保育の心理学、子ども家庭支援の心理学、子どもの理解と援助20問(100点満点)6割以上
子どもの保健子どもの保健、子どもの健康と安全20問(100点満点)6割以上
子どもの食と栄養子どもの食と栄養20問(100点満点)6割以上
保育実習理論保育内容の理解と方法、保育内容総論、保育内容演習、保育実習Ⅰ、保育実習指導Ⅰ、保育実践演習、保育者論、保育の計画と評価20問(100点満点)6割以上

「保育士試験」例題80問|板谷さんによる解き方の解説付き!

ここからは、保育士試験の筆記の練習問題を板谷さんによる解説付きで80問紹介します。保育原理から保育実習理論まで、すべての範囲を出題するため、筆記試験を総合的に対策できます。

どの科目をどこまで対策すれば良いか迷っている人や、試験の概要をまだ確認していない人は、「例題を解く前に確認しよう! 「保育士試験」の解答のコツ」と「保育士試験の概要」を読んでから問題に取り組みましょう。

問題1(難易度:★★☆☆☆)

保育実習理論:図を見て答える問題

問題

次の【事例】を読んで以下の問題に答えなさい。

【事例】
保育園の子どもたちが、図のようにカニのマークを考えた。このマークを消しゴムはんこで作って、カードにたくさん押すことにした。

次の1〜5のうち、図のようにはんこを押すことができる「版(はん)」として、正しいものを一つ選びなさい。なお、紙を折ったり切ったりせずに考えること。

選択肢


正解:C
はんこや版画は、版にインクを付けて紙に押し当てるため、刷り上がりは版と左右が逆になる。したがって、元のマークと左右が完全に入れ替わっている図形を選ぶ必要がある。この問題では、左右が反転したときにハサミの大小、足の向き、甲羅の斜線の傾きがすべて鏡合わせの状態になっている「C」が正解となる。

問題2(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」の一部である。( A )〜( D )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・保育所は、保育の計画の展開にあたっては、子どもの( A )や活動の実態などを踏まえ、家庭と連携して保育が展開されるよう配慮しなければならない。
・保育所は、保育の質の向上を図るため、自ら( B )をおこない、その( C )を公表するよう努めなければならない。
・保育所は、その運営の客観性を確保し、保育の質の向上を図るため、( D )などの評価を適切に実施するよう努めなければならない。

選択肢


正解:C
保育所保育指針にもとづく適切な語句を問う問題である。保育所は家庭との連携を重視し、子どもの「生活の連続性」に配慮することが求められる。また、質の向上のために「自己評価」をおこない、その「結果」を公表し、客観性確保のために「外部の者」による評価を受けるよう努めることが明記されている。選択肢BやEのように、用語が似ていても指針の文言と異なるものは誤りとなるため、正確な記憶が求められる。

板谷 侑香里

プロフィール

保育所保育指針の文言は、似た表現との混同に注意が必要です。

「自己評価→結果の公表」「外部評価→客観性の確保」という役割の違いを意識して覚えることで、選択肢を絞りやすくなります。

関係性を理解してミスを防ぎましょう。

問題3(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、保育における子どもの人権尊重や、子どもの最善の利益の考慮として適切なものを〇、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

a 1歳児クラスにおいて、着替えのときに自分でおこなおうとする意欲を尊重し、時間がかかっても保育士は手を出さずに最後まで一人で見守り続ける。
b 2歳児クラスにおいて、午睡の時間に眠くないと訴える子どもに対し、集団の生活リズムを身に付けるため、動かずに布団の上で横になっているよう強く命じる。
c 3歳児クラスにおいて、集団活動に参加したがらない子どもがいるとき、その子の気持ちを尊重し、無理強いはせずに本人がやりたくなるまで別の遊びをして待つ。
d 4歳児クラスにおいて、給食の配膳中にふざけていた子どもの注意を引くため、あえてその子の分だけ配膳を最後にして、反省を促す。
e 5歳児クラスにおいて、子ども同士のトラブルが起きたとき、双方の言い分を聞く前にお互いに「ごめんなさい」と言わせて、速やかに解決を図る。

選択肢


正解:B
aについて、発達段階に応じて適切に援助をおこなう必要があるため、完全放置ともとられかねない対応は不適切である。bは生理的な欲求や個差を無視しており、苦痛を与えるため不適切である。cは子どもの主体性を尊重しており適切である。dは不適切な罰を与える行為であり、eは子どもの感情の育ちを無視した形式的な解決を強いているため、ともに不適切である。したがって、cのみが適切であり、答えはBとなる。

板谷 侑香里

プロフィール

Aに関して、「時間がかかっても保育士は手を出さずに最後まで一人で見守り続ける」という行動は「完全放置」とは断言できず、自発性を尊重する意図もあるでしょう。

しかし、より適切な配慮が求められるため、この問題では不適切としています。

問題4(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、「保育所保育指針」第5章「職員の資質向上」に関する記述として、適切なものを〇、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

a 保育所は、保育の質の向上を図るため、保育士等の専門性の向上や、保育の組織的な管理体制の整備に努めなければならない。
b 保育士等は、常に自己研鑽に励み、専門的な知識および技術の向上に努めるとともに、保育の向上を図るための取り組みを継続的におこなわなければならない。
c 保育の自己評価は、各保育士が個人的におこなうものであり、その結果を保育所全体の組織的な改善につなげる必要はない。
d 保育所は、保育の質の向上を目的として、自ら評価をおこなうとともに、保護者などによる評価や外部評価を適切に実施するよう努めなければならない。

選択肢


正解:B
保育所保育指針において、保育の質の向上は重要な責務である。aおよびbは、組織的な体制整備や保育士等の専門性向上の努力義務として適切である。cは不適切であり、個人の自己評価は組織的な改善や保育内容の充実に反映させるべきものとされている。dは、運営の客観性を確保するために、自己評価に加えて保護者評価や外部評価の実施に努めるべきであるという規定にもとづいているため、適切である。

問題5(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の2「保育の目標」の一部である。( A )に当てはまる語句として、正しいものを一つ選びなさい。

健康、安全など生活に必要な基本的な習慣や態度を養い、( A )の基礎を培うこと。

選択肢


正解:C
保育所保育指針第1章「総則」の「保育の目標」において、保育の究極的な目的は「健全な心身の健康の基礎を培う」ことと定義されている。選択肢にある「人格形成」や「社会性」なども保育の過程で育まれる重要な要素ではあるが、指針の条文上の正確な表現としては「心身の健康」が正しい。このように、指針の基本原則に関する用語は、他の教育・福祉用語と混同しないよう正確に把握しておく必要がある。

問題6(難易度:★★★☆☆)

問題

次の「児童福祉法」における児童の定義や施設の規定について、適切なものを〇、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

a 「児童」とは、満18歳に満たない者をいう。
b 「幼児」とは、満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者をいう。
c 「少年」とは、小学校就学の始期から満20歳に達するまでの者をいう。
d 児童自立支援施設は、不良行為をなし、あるいはなす恐れのある児童等を入所させ、個々の児童の状況に応じて必要な指導をおこない、その自立を支援することを目的とする施設である。

選択肢


正解:B
児童福祉法第4条において、「児童」は満18歳に満たない者、「幼児」は満1歳から小学校就学の始期までと定義されているため、aとbは適切である。「少年」は小学校就学の始期から満18歳に達するまでの者であり、20歳とするcは不適切である。dは同法第44条に規定される児童自立支援施設の目的にもとづく正しい記述である。少年の年齢定義は、他の法律と混同しやすいため注意が必要である。

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問題7(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、2015(平成27)年に開始された「子ども・子育て支援新制度」における「地域型保育事業」に分類されるものをすべて組み合わせたものとして、正しいものを一つ選びなさい。

1 家庭的保育事業
2 延長保育事業
3 小規模保育事業
4 一時預かり事業
5 事業所内保育事業
6 居宅訪問型保育事業

選択肢


正解:B
子ども・子育て支援新制度において、地域型保育事業として規定されているのは、家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業、居宅訪問型保育事業の4つである。これらは市町村による認可事業として、おもに3歳未満児を対象に少人数での保育をおこなうものである。一方で、延長保育事業や一時預かり事業などは「地域子ども・子育て支援事業」に分類される。制度上の分類を正確に区別して理解しておくことが重要。

問題8(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」に示されている「保育の目標」および「養護と教育の一体性」に関する記述として、適切なものを二つ選びなさい。

a 保育所における「教育」とは、小学校以降の学習の先取りを主目的とし、知識や技能を習得させることである。
b 「養護」のうち「生命の保持」とは、子どもが健康、安全で快適に過ごせるようにするとともに、生理的な欲求を満たしていくことである。
c 「養護」のうち「情緒の安定」とは、子どもの自己肯定感を育み、情緒が安定するようにかかわることである。
d 保育の計画を作成する際、養護と教育は別個の活動として時間を分けて構成することが、専門性の発揮につながる。
e 乳児保育においては、養護の側面のみを重視すれば良く、教育的側面を考慮する必要はない。

選択肢


正解:B
保育所保育指針では、保育は養護と教育が一体となっておこなわれるものと定義されている。bの生命の保持とcの情緒の安定は、養護の内容として適切である。aのように教育を小学校の先取りととらえるのは誤りであり、dのように養護と教育を分離して計画することも不適切である。また、fについて、乳児期であっても養護と教育は一体的に提供されるべきものであり、発達の基礎を培う教育的かかわりは欠かせない。

問題9(難易度:★★★☆☆)

問題

次の記述は、「保育所保育指針」第1章「総則」の2「保育の内容」における「養護に関わるねらい及び内容」の一部である。記述の内容として正しいものを〇、誤っているものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

1 「生命の保持」におけるねらいは、一人ひとりの子どもの健康状態を把握し、病気や事故の予防に努め、心身の健康の基礎を培うことである。
2 「情緒の安定」の内容として、子どもの自己肯定感が育まれるよう、子どものありのままの姿を受け止め、共感的かつ受容的にかかわることが示されている。
3 「生命の保持」の内容として、子ども自らが心身を調節して生活できるようにするため、保育士等は必要以上に手を貸さず、子どもの生理的な欲求が自然に満たされるのを待つこととされている。
4 「情緒の安定」のねらいは、子どもが安心感をもって活動できるよう、保育士等との信頼関係を基盤として、自己を十分に発揮できる環境を整えることである。

選択肢


正解:D
保育所保育指針において、養護は「生命の保持」と「情緒の安定」で構成される。1、2、4はそれぞれのねらいおよび内容として適切である。3は誤りであり、生命の保持においては、保育士等が子どもの状態を適切に把握し、生理的な欲求を満たし、清潔で安全な環境を整えるという積極的な援助が求められる。「自然に満たされるのを待つ」という消極的な姿勢は、生命の保持の理念に反するため不適切である。

問題10(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の1「保育所保育に関する基本原則」における(2)「保育の目標」の一部である。( A )に当てはまる語句として、正しいものを一つ選びなさい。

人とのかかわりの中で、人に対する愛情と信頼感、そして人権を大切にする心を育てるとともに、自主、自立及び協調の態度を養い、( A )の芽生えを培うこと。

選択肢


正解:C
保育所保育指針第1章「総則」に明記されている保育の目標についての問題である。「人格形成」、「生活習慣」、「社会性」、「自立心」も保育において重要な要素ではあるが、条文上の正確な語句としては「道徳性」が正しい。基本的な目標を規定する重要な一節であるため、正確に覚えておく必要がある。

問題11(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」において、領域「人間関係」の内容として正しいものを三つ選びなさい。

1 保育士等に見守られながら、身の回りのことを自分でおこなおうとする。
2 身近な大人や友達と触れ合い、一緒に遊ぶ楽しさを味わう。
3 自分の気持ちを言葉で伝えるとともに、友達の気持ちがあることに気付く。
4 友達とのかかわりの中で、きまりの大切さに気付き、それを守ろうとする。
5 文字などの記号に興味や関心をもち、自分の名前を読んだり書いたりしようとする。

選択肢


正解:A
1歳以上3歳未満児の「人間関係」にかかわる内容についての問題である。1は身の回りのことへの自立の芽生え、2は他者と遊ぶ楽しさ、3は自己と他者の存在への気付きであり、これらは指針の「人間関係」の内容として適切に示されている。4の内容はおもに3歳以上児の段階で見られるものであり、5の文字への関心は領域「言葉」のさらに発達した段階の内容であるため、この年齢区分の人間関係としては不適切である。

問題12(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」の1「保育所保育に関する基本原則」の(3)「保育の方法」に照らし、保育における環境の構成に関する記述として、適切なものを〇、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

1 保育の環境を構成するにあたっては、子ども自らが周囲の環境に積極的に関わり、そこから豊かな体験を得られるように、人的環境と物的環境を固定的に維持することが最も重要である。
2 保育士等は、子どもの発達の過程を見すえ、子ども一人ひとりの情緒の安定が図れるよう、家庭的な雰囲気の中で、くつろいで過ごせるような環境を整えなければならない。
3 保育所は、施設内の物的環境だけでなく、地域における自然や社会の事象、さらには地域の人々との触れ合いなども、保育の環境として一体的にとらえ、活用するよう努めるものとする。
4 保育における環境とは、遊具や園舎などの物理的な設備を指すものであり、保育士等の関わりや子ども同士の人間関係は、環境の概念には含まれない。

選択肢


正解:B
保育の環境は、人的環境、物的環境、自然や社会の事象などが相互に関連して構成されるものである。したがって、人間関係を環境から除外する4は不適切である。また、環境は子どもの活動や発達に応じて柔軟に構成されるべきものであり、固定的な維持を最優先とする1も誤りである。2および3は、指針において環境構成の基本として示されている内容と一致しており、適切である。保育所はこれらの要素を一体的にとらえ、子どもが主体的にかかわれるよう配慮する責任を持つ。

問題13(難易度:★★★☆☆)

問題

次の記述は、「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」における「指導計画の作成」に関するものである。記述の内容として適切なものを三つ選びなさい。

1 指導計画の作成にあたっては、子どもの生活の連続性や発達の過程を見すえ、家庭と連携して保育が展開されるよう配慮しなければならない。
2 指導計画は、保育所全体としての整合性を保つため、年度当初に作成した内容を厳格に守り、年度途中の変更は原則としておこなわない。
3 子どもの生活や遊びの状況を的確に把握し、個々の生活リズムや特性を尊重しながら、養護と教育が一体的に展開されるようねらいと内容を設定する。
4 指導計画には、具体的な活動の内容だけでなく、保育士等の適切な援助や関わり、配慮すべき事項についても明確に記載する。
5 長期的な指導計画を作成すれば十分であり、週案や日案などの短期的な計画を作成するかどうかは、各保育士の裁量に委ねられている。

選択肢


正解:B
指導計画の作成に関する基本原則を問う問題である。1、3、4は、指針において指導計画作成の際に配慮すべき事項として適切に示されている。特に、生活の連続性、養護と教育の一体性、具体的な援助の内容の明記は重要である。一方、2は不適切であり、子どもの実態に応じて柔軟に見直すことが求められる。また、5についても長期的な計画にもとづき、短期的な週案や日案を作成して具体的な保育を展開することが必要であるため誤りである。

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問題14(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文の( )に当てはまる人物として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1907年、ローマの貧民街に「子どもの家」を創設した( )は、子どもが本来持つ自己教育力を信じ、独自の教具を用いた感覚教育を提唱して、世界中の幼児教育に多大な影響を与えた。

選択肢


正解:B
「子どもの家」を創立し、モンテッソーリ教育を確立したマリア・モンテッソーリについての記述である。彼女は、子どもが自分自身を教育する力を備えているという考えにもとづき、発達段階に合った環境を整えることを重視した。選択肢のルソーは「エミール」の著者、オーエンはイギリスで性格形成学院を設立した人物、デューイは進歩主義教育の代表者、フレーベルは世界初の幼稚園の創設者であり、それぞれの功績と混同しないよう区別が必要である。

問題15(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「教育基本法」第11条(幼児期の教育)の一部である。( A )〜( C )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

(幼児期の教育)
第11条 幼児期の教育は、生涯にわたる( A )の基礎を培うものとして極めて重要であることに鑑み、国( B )地方公共団体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備( C )適切な措置を講ずるよう努めなければならない。

選択肢


正解:A
教育基本法第11条の条文知識を問う問題である。幼児期の教育は、生涯にわたる「人格形成」の基礎を培うものと定義されている。続く主体についての記述は、国「および」地方公共団体となる。また、講ずべき内容の接続は「その他の」が正しい。保育所保育指針の「心身の発達」や、他の接続詞「ならびに」と混同しやすいが、法規の正確な文言を把握しておくことが重要である。

問題16(難易度:★★★☆☆)

問題

次の【Ⅰ群】の説明と、【Ⅱ群】の人物を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
1 『隠者の夕暮』や『リーンハルトとゲルトルート』を著した。孤児院での実践を通じ、頭、心、手の三つが調和した人間形成を目指す「三つのH」の教育を唱えた。
2 『大教授学』を著し、あらゆる人にあらゆる事柄を教授する術を説いた。客観的実在を直接とらえる「直観教授」を提唱し、近代教育学の父といわれる。
3 『二十世紀は子供の世紀』を著し、子供の権利を尊重し、子供の内面的な要求に基づいた教育をおこなうべきであると主張した。

【Ⅱ群】
ア エレン・ケイ(Key, E.)
イ コメニウス(Comenius, J.A.)
ウ ペスタロッチ(Pestalozzi, J.H.)
エ フレーベル(Fröbel, F.W.)

選択肢


正解:A
1はペスタロッチである。民衆教育の父といわれ、知育、徳育、体育の調和(三つのH)を説いた。2はコメニウスであり、近代教育学の先駆者として『大教授学』を著し、直観教授の重要性を主張した。3はエレン・ケイである。スウェーデンの思想家として子供の権利を唱え、その著作名は二十世紀の教育思想を象徴する言葉となった。したがって、ウ、イ、アの順となる組み合わせが正しい。

問題17(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「教育基本法」第13条(学校、家庭および地域住民等の連携協力)の一部である。( A )〜( C )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

(学校、家庭および地域住民等の連携協力)
第13条 学校、家庭および地域住民その他の( A )は、教育におけるそれぞれの( B )と責任を自覚するとともに、相互の連携および協力に努めるものとする。
(教育振興基本計画)
第17条 政府は、教育の振興に関する施策の総合的かつ( C )な推進を図るため、教育の振興に関する施策についての基本的な方針、……(後略)

選択肢


正解:A
教育基本法第13条および第17条の規定に関する問題である。第13条では、学校、家庭、地域住民等の「関係者」が、それぞれの「役割」と責任を自覚し、連携協力に努めることが定められている。また、第17条では、政府が教育振興基本計画を策定し、施策を「計画的」に推進することが明記されている。教育基本法の条文は、保育所保育指針とも関連が深いため、重要な用語を正確に把握しておく必要がある。

板谷 侑香里

プロフィール

「保護者」や「関係者」など、条文の中で言葉を入れ替えて出題されることがあります。

きちんと覚えておきましょう。

問題18(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「諸外国の教育統計」などに示された、ある国の学校制度や幼児教育についての説明である。正しい国名を一つ選びなさい。

かつては幼稚園(エコール・マテルネル)と小学校(エコール・エレマンテール)に分かれていたが、2019年の法改正により、義務教育の開始年齢が満3歳からに引き下げられた。これにより、すべての幼児が幼稚園段階から教育を受ける権利が保障されている。初等教育の修了後はコレージュ(前期中等教育学校)へ進学する、単線型の教育体系を基本としている。

選択肢


正解:B
フランスでは、2019年9月から義務教育の開始年齢が6歳から3歳に引き下げられ、世界的に見ても早い段階からの教育保障をおこなっている。エコール・マテルネル(幼稚園)は教育省が管轄する教育機関として位置付けられており、初等教育以降はコレージュへ進学する。他の選択肢にある国々も幼児教育の充実に努めているが、満3歳からの義務教育化という特徴的な制度を持つのはフランスである。

問題19(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文の(   )に当てはまる語句として、最も適切なものを一つ選びなさい。

意図的に編成された教育課程とは別に、学校や保育所における生活のなかで、子どもが暗黙のうちに身に付ける知識、価値観、行動様式などのことを(   )という。たとえば、教員の何気ない振る舞いや施設の雰囲気、集団のなかでのルールなどを通じて、意図せぬ教育的効果が子どもに及ぶことを指す。

選択肢


正解:C
学校生活などを通じて無意識に伝達される教育的影響は、潜在的カリキュラム(ヒドゥン・カリキュラム)と呼ばれる。これは、あらかじめ作成された指導計画にもとづく教育活動とは異なり、集団の中での人間関係や生活習慣、保育士の意識せぬ言動などから、子どもが自然と学び取るものである。保育士は、自らの振る舞いが子どもに与える影響を意識し、良い環境を構成するよう心掛ける必要がある。

問題20(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、パーカーストによって提唱された「ドルトン・プラン」についての説明として、適切な記述を三つ選びなさい。

1 「自由」と「協同」の二つの原理を教育の基礎としている。
2 主要な各教科ごとに専門の教員が配置された「研究室(ラボラトリー)」が設けられている。
3 子どもは一週間や一カ月などの一定期間におこなう学習内容について、教員と「契約(コントラクト)」を結ぶ。
4 学校生活の基本単位を「根幹グループ」と呼び、三つの学年にわたる異年齢集団で活動をおこなう。
5 「会話・遊び・仕事・催し」という四つの基本活動を循環させることによって、学校生活を構成する。

選択肢


正解:C
ドルトン・プランは、パーカーストが提唱した個別学習を重視する教育形態である。子どもが自分のペースで学習を進める「自由」と、社会的相互作用を促す「協同」を原理とし、教員と学習の「契約」を交わす点や、各教科の「研究室」で自習をおこなう点が特徴である。選択肢4および5は、ペーターゼンが提唱したイエナ・プランの説明であるため不適切である。各教育方法のキーワードを正確に区別して理解しておく必要がある。

板谷 侑香里

プロフィール

この問題では、ドルトン・プランとイエナ・プランの内容を正確に把握しておく必要があります。

ドルトン・プランは「契約・研究室・自由と協同」、イエナ・プランは「根幹グループ・四活動」のセットで覚えましょう。

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問題21(難易度:★★★☆☆)

問題

次の説明文が示している語句として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1996年のユネスコ(国際連合教育科学文化機関)のデロール報告において提唱された概念である。生涯にわたって学習を継続していくための基盤として、「知ることを学ぶ」、「なすことを学ぶ」、「共に生きることを学ぶ」、および「(   )を学ぶ」という四つの柱が示されている。

選択肢


正解:D
デロール報告(『学習:秘められた宝』)で示された「生涯学習の四つの柱」に関する問題である。四つ目の柱は「人間として生きることを学ぶ(Learning to be)」であり、個人の人格の調和のとれた発達を目指すものである。リカレント教育や生涯学習の文脈で非常によく問われる重要語句であり、他の選択肢のような紛らわしい表現と混同しないよう正確に覚えておく必要がある。

問題22(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「こども基本法」第3条(基本理念)の一部である。( A )~( C )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・全てのこどもについて、個人として尊重されること、その( A )が侵害されないこと並びに差別的取扱いを受けることがないようにすること。
・全てのこどもについて、適切に養育されること、生活を保障されること、( B )を保障されることその他の福祉に係る権利が等しく保障されるとともに、教育を受ける権利が等しく保障されること。
・全てのこどもについて、その( C )に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及びその意向が尊重される機会が確保されること。

選択肢


正解:A
2023年(令和5年)施行のこども基本法第3条に規定される基本理念を問う問題である。こどもの「基本的人権」の侵害防止、福祉に係る権利としての「健やかな成長」の保障、そしてこどもの「発達の程度」に応じた意見表明権の確保は、同法の柱となる考え方である。児童の権利に関する条約の4原則を反映した内容となっており、他の福祉法規や保育所保育指針の用語と混同しないよう、正確な条文理解が求められる。

問題23(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「児童の権利に関する条約」第3条の一部をまとめたものである。( A )〜( C )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

1 児童に関するすべての措置をとるにあたっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによっておこなわれるものであっても、( A )が( B )として考慮されるものとする。
2 締約国は、児童の父母、法定保護者又は児童に対して法的責任を有する他の者が有する権利及び義務を考慮し、児童の( C )のために必要な保護及びケアが当該児童に確保されることを確保することを約束する。

選択肢


正解:C
児童の権利に関する条約第3条における「児童の最善の利益」に関する規定である。第1項では、児童に関するすべての措置において、児童の最善の利益が「第一義的」に考慮されるべきことが示されている。また、第2項では、父母等の権利義務を考慮しつつ、児童の「福祉」のために必要な保護を確保することが締約国の義務として記されている。これらは、日本国内の児童福祉法やこども基本法の理念とも共通するきわめて重要な原則である。

問題24(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、児童福祉の歴史における人物と、その人物にかかわりの深い記述として、最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
a アダムス(Adams, A.P.) b バーナード(Barnardo, T.J.) c ラザルス(Lazarus, E.) d リッチモンド(Richmond, M.E.)
【Ⅱ群】
ア 岡山博愛会を設立し、隣保事業(セツルメント)をおこなった。
イ 「どの子にも家を」をスローガンに、イギリスで孤児の救済をおこなった。
ウ 心理的ストレスのトランスアクショナルモデルを提唱し、ストレスを人と環境の相互作用としてとらえた。
エ 「社会診断」を著し、ケースワークの理論を体系化した。

選択肢


正解:A
アダムスは岡山博愛会を設立し、セツルメント活動の先駆者となった。バーナードはイギリスで孤児救済に尽力し、家庭的な環境での養育を重視した。ラザルスは心理的ストレスのトランスアクショナルモデル(認知的評価理論)の提唱者である。リッチモンドは近代ケースワークの母といわれ、科学的な社会福祉の基礎を築いた。これらの人物は国内外の児童福祉や社会福祉の発展において、きわめて重要な役割を担っている。

問題25(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、「児童福祉法」や「こども基本法」等に規定されている子どもの権利や支援に関する記述として、適切なものを〇、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

a 「こども基本法」では、すべてのこどもが、自分に直接関係するあらゆる事項について意見を表明し、その意見が尊重される権利を持つことを基本理念の一つとしている。
b 「児童の権利に関する条約」における「児童の最善の利益」とは、大人が子どものためになると判断したことを優先的に実施すべきという考え方のみを指す。
c 自治体などが子どもの意見を聴き、権利を守るための独立した機関を設置して、子どもの相談や救済にあたる仕組みを「子どもオンブズパースン」などという。
d 児童養護施設などの施設長は、子どもに対して入所措置がおこなわれる際、子どもの意向を確認する義務はない。
e 子どもが自らの権利を理解し、主体的に意見を伝えることができるよう支援する取り組みを「意見表明等支援(アドボカシー)」という。

選択肢


正解:B
「児童の最善の利益」は、子どもの視点に立って最も良い選択をすることを指し、大人のパターナリズムによる判断のみを指すものではない。よってbは×。また、児童相談所長や施設長などは、措置決定や生活のなかで子どもの意見を聴くことが義務付けられており、意向確認を怠ることはできない。よってdは×。こども基本法の理念やアドボカシー、オンブズパースンに関する記述は適切である。子どもの主体性を重んじる姿勢が現代の児童福祉においてきわめて重要といえる。

問題26(難易度:★★★☆☆)

問題

「児童福祉法」および関連する「社会的養育の推進に向けて」などの指針にもとづき、現代の社会的養護における養育形態の分類に関する記述として、適切なものを選択しなさい。

「児童福祉法」第3条の理念にもとづき、児童が家庭において養育されることが適当でない場合に優先される、里親やファミリーホームなどの「家庭と同様の養育環境」について、厚生労働省の「新しい社会的養育ビジョン」などで示されている考え方として、適切なものを二つ選びなさい。

1 地域小規模児童養護施設
2 里親
3 乳児院
4 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
5 福祉型障害児入所施設

選択肢


正解:B
現在の社会的養護の推進においては、施設による養護よりも、家庭に近い環境で養育をおこなう家庭的養護が重視されている。具体的には、里親や小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)が「家庭と同様の養育環境」と定義されている。これに対し、地域小規模児童養護施設などは、施設でありながら家庭に近い雰囲気を持つ「家庭的養護」の枠組みには含まれるが、前述の二つとは区別してとらえられる。

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問題27(難易度:★★★☆☆)

問題

「児童福祉法」における里親制度のうち、養育里親に関する制度の内容および現状について、適切な記述の組み合わせを選びなさい。

次のうち、養育里親に関する記述として適切なものを二つ選びなさい。

1 養育里親が同時に養育できる委託児童の定員は、実子を含めて最大で4人までと定められている。
2 委託の期間については、数日や数週間の短期委託から、数年にわたる長期委託まで、児童の状況に応じて柔軟におこなわれる。
3 里親認定の要件には、配偶者の有無は問われないため、独身者であっても養育里親として認定を受けることが可能である。
4 「令和4年度福祉行政報告例」の統計によると、里親の種類別のなかで、委託児童数が最も多いのは養子縁組希望里親である。
5 委託児童の対象年齢は、原則として義務教育を終了する15歳までであり、それを超える場合は児童養護施設へ入所させなければならない。

選択肢


正解:C
養育里親は、特定の期間にわたり家庭を必要とする児童を養育するものであり、期間は短期から長期までさまざまである。また、認定要件において配偶者の有無は規定されていないため、独身であっても認定されうる。1については、養育里親が同時に養育できる委託児童の定員は4人までであるが、実子を含めた合計は6人と定められているため誤りである。4については、里親のなかで委託児童数が最も多いのは養育里親である。5については、都道府県知事が必要と認めるときは、満22歳に達するまで措置を継続できる。

問題28(難易度:★★★☆☆)

問題

「児童福祉法」の一部を改正する法律にもとづき設置された、こども家庭センターの役割や業務に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

次のうち、こども家庭センターの業務や設置目的として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

a 市区町村において、児童福祉と母子保健の機能を一体的に提供し、すべての妊産婦や子ども、子育て世帯を対象とした支援をおこなう。
b 実情を把握したうえで、サポートプランを策定し、関係機関との連携を図りながら継続的な支援を実施する。
c 子どもの健やかな成長を支援するため、育児に関する情報の提供や、家庭からのさまざまな相談に応じる。
d 虐待の防止や早期発見のために、児童相談所や学校、保健所などの関係機関との連絡調整をおこなう。

選択肢


正解:A
こども家庭センターは、従来の児童福祉を担う子ども家庭総合支援拠点と、母子保健を担う母子健康包括支援センターの機能を統合して設置された機関である。すべての妊産婦や子どもを対象とし(A)、サポートプランの策定(B)や相談支援(C)、関係機関とのネットワーク構築(D)を通じて、切れ目ない支援をおこなう。したがって、提示されたAからDの記述はすべて適切である。

問題29(難易度:★★★☆☆)

問題

「体罰等によらない子育てのために――みんなで育児を支える社会に――」(令和2年厚生労働省)の指針、および関連する法令にもとづき、体罰の定義や子育て支援のありかたに関する記述として、適切なものを三つ選択しなさい。


1 2019(令和元)年の児童福祉法等の改正により、親などは、児童のしつけに際して、体罰を加えてはならないことが法律上明記された。
2 体罰に該当するかどうかは、あくまでも保護者のしつけの主観的な意図によって判断されるため、親が良い教育のためだと考えた場合は体罰にあたらない。
3 身体に何らかの苦痛を引き起こす行為だけでなく、言葉による脅しや、子どもの自尊心を傷つけるような暴言も、子どもを健やかに育むうえで避けるべき行為とされている。
4 体罰等によらない子育てを推進するためには、保護者の努力義務にとどめ、行政や地域社会は家庭内のしつけに介入すべきではない。
5 子どもが何をしようとしているのか、どのような気持ちでいるのかなど、子どもの状態を理解しようと努めることが、体罰によらない関わりの第一歩として示されている。

選択肢


正解:B
改正児童福祉法により体罰禁止が法定化された(1)。体罰は子どもの主観や苦痛の程度にもとづくため、親の意図がしつけであっても体罰に該当しうる(2は不適切)。指針では、暴言などの言葉による虐待的なかかわりも避けるべきとされ(3)、子どもの気持ちに寄り添う理解の重要性が説かれている(5)。また、保護者を孤立させず、社会全体で支援する体制の構築が求められているため、4は不適切である。

問題30(難易度:★★★☆☆)

問題

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
児童養護施設に勤務するL保育士は、入所しているMさん(10歳、女児)を担当している。Mさんは幼少期に適切な養育を受けられず、特定の大人に対して過度に甘えたり、逆に激しく拒絶したりするなど、対人関係において不安定な様子がみられる。L保育士は先輩保育士に、Mさんとの信頼関係をどのように築いていくべきか相談した。すると、先輩保育士からは、「Mさんが安心して過ごせるよう、特定の養育者との間に安定した情緒的結び付きを再構築していくことが大切である」との助言を受けた。

【設問】
次のうち、先輩保育士からの助言の内容を表す専門用語として、最も適切なものを一つ選びなさい。

選択肢


正解:B
子どもと特定の養育者との間に形成される情緒的な結び付きをアタッチメント(愛着)という。虐待等により適切な養育を受けられなかった子どもは、この形成が不十分なことが多いため、社会的養護のなかで安定した関係を再構築することが重要となる。Aは権利擁護、Cは説明にもとづく同意、Dは困難を乗り越える力、Eは潜在能力を引き出すことを指すため、本事例の結び付きに関する記述としてはBが最も適切である。

問題31(難易度:★★★☆☆)

問題

「保育所保育指針」第4章「子育て支援」に示されている、保護者に対する支援の基本原則に関する記述について、空欄に当てはまる語句の適切な組み合わせを選択しなさい。

次の文は、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」の「子育て支援に関する基本的事項」の一部である。( A )~( C )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・保護者に対する子育て支援をおこなう際には、保護者の( A )を侵害しないように配慮すること。
・子どもの利益に反しない限り、保護者の( B )を尊重し、保護者が自ら子育てを担う意欲や能力を高めていけるよう支援すること。
・家庭の状況に応じて、適切な( C )をおこない、保護者の負担を軽減するとともに、子どもの健やかな育ちを支えること。

選択肢


正解:D
「保育所保育指針」では、保護者支援において「プライバシー」の保護に十分配慮することが求められている。また、保護者が自律的に子育てに取り組めるよう、その「自己決定」を尊重することが基本である。さらに、各家庭の状況に応じて、保育に関する適切な「情報の提供」や助言をおこない、保護者の孤立を防ぐ役割が示されている。これらは保護者との信頼関係を築くうえできわめて重要な視点である。

問題32(難易度:★★★☆☆)

問題

次の【事例】を読んで、保育士が保護者に利用を勧める支援事業として、最も適切なものを一つ選びなさい。

【事例】
A保育所に通うB君(3歳、男児)の母Cさんは、これまで近所に住む知人にB君の降園後の預かりを頼んでいた。しかし、その知人が急に入院することになり、Cさんの仕事が終わるまでの間、週に二回ほどB君を預ける先がなくなってしまった。Cさんは残業を避けることが難しく、一時的な預かり先を探して担当保育士に相談した。

選択肢


正解:D
保護者の就労などのため、放課後や保育施設の開始前・終了後に、子どもの預かりや送迎をおこなう有償ボランティアによる支援は、子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)が担う。一時預かり事業はおもに保育所等での一時的な預かりを指し、子育て短期支援事業は宿泊をともなう短期入所等がおもである。事例のような個別の送迎や預かりのニーズには、地域住民による相互援助活動であるDが最も適切である。

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問題33(難易度:★★★☆☆)

問題

現代の社会福祉を支える重要な理念や概念に関する次の記述について、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

社会福祉の理念に関する次の記述について、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

a ノーマライゼーションは、知的障害者の親の会などの運動に端を発し、障害がある人もない人も、地域社会のなかで普通に生活することが当たり前であるという考え方である。
b ウェルビーイング(well-being)は、身体的、精神的、社会的に良好な状態であることを指し、単に病気でないことにとどまらない包括的な幸福の概念である。
c ナショナルミニマムとは、国家が国民に対して最低限度の生活水準を保障することであり、日本では「日本国憲法」第25条の生存権がその根拠となっている。
d バリアフリーとは、物理的な障壁を除去することに限定される理念であり、制度的、心理的、文化的な障壁の除去については含まれないと考えられている。

選択肢


正解:B
ノーマライゼーション(a)、ウェルビーイング(b)、ナショナルミニマム(c)の記述は、社会福祉の基本理念として適切である。dについては、バリアフリーは物理的な障壁だけでなく、制度、文化、心理的な障壁など、社会生活を営むうえで妨げとなるすべての障壁を除去するという考え方を含んでいる。したがって、物理的障壁に限定されるとするdの記述は不適切である。

問題34(難易度:★★★☆☆)

問題

日本の児童福祉に関する法体系のうち、いわゆる「児童福祉六法」に分類される法律について、正しいものを選びなさい。

次のうち、「児童福祉六法」に含まれる法律として、適切なものを二つ選びなさい。

1 「母体保護法」
2 「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」
3 「次世代育成支援対策推進法」
4 「身体障害者福祉法」
5 「児童手当法」

選択肢


正解:D
児童福祉六法は、「児童福祉法」「児童扶養手当法」「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」「母子及び父子並びに寡婦福祉法」「母子保健法」「児童手当法」を指す。したがって、2と5が正解となる。5の「児童手当法」は1971年に制定された。ちなみに、1の「母体保護法」は旧優生保護法である。

板谷 侑香里

プロフィール

児童福祉六法は以下の6つです。

①児童福祉法
②児童扶養手当法
③特別児童扶養手当等の支給に関する法律
④母子及び父子並びに寡婦福祉法
⑤母子保健法
⑥児童手当法

問題文の4「身体障害者福祉法」は福祉六法の一つで、児童福祉六法には含まれません。福祉六法には「生活保護法」などもあります。

「児童福祉六法」と「福祉六法」の混同に注意しましょう

問題35(難易度:★★★☆☆)

問題

ソーシャルワークの援助過程における、情報の収集から具体的な支援方針を決定するまでの各段階に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ソーシャルワーク過程のうち、アセスメント(課題分析)およびプランニング(援助計画)に関する次の記述について、適切な組み合わせを一つ選びなさい。

a アセスメントでは、利用者の抱える課題や生活状況などの情報を収集し、利用者自身の強み(ストレングス)についても把握する。
b プランニングの段階では、アセスメントの結果に基づき、解決すべき課題の優先順位を整理したうえで、具体的な支援目標を設定する。
c 支援目標の設定にあたっては、長期間をかけて達成を目指す長期目標のみを定め、具体的な活動内容は支援者の判断で随時変更することが望ましい。
d プランニングでは、利用者の自己決定を尊重し、策定した支援計画の内容について利用者やその家族の合意を得るプロセスが不可欠である。

選択肢


正解:B
アセスメントで強みを把握すること(a)や、プランニングで優先順位を整理し目標を立てること(b)は適切である。また、利用者の自己決定を尊重し、同意を得るプロセス(d)もきわめて重要である。cについては、支援目標は段階的に達成できるよう短期目標と長期目標の両方を設定するのが一般的であり、かつ具体的な活動内容は計画にもとづき組織的に実施すべきものであるため、不適切である。

問題36(難易度:★★★☆☆)

問題

「社会福祉法」にもとづき実施されている、福祉サービス第三者評価事業の仕組みや目的に関する次の記述について、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

福祉サービス第三者評価事業に関する次の記述について、適切な組み合わせを一つ選びなさい。

a この事業のおもな目的は、事業者が自らの提供する福祉サービスの質を客観的に把握し、サービスの質の向上を図ること、および利用者の適切な選択に資することである。
b 「社会福祉法」第78条において、社会福祉事業の経営者は、自ら提供する福祉サービスの質の評価をおこなうことなどにより、良質かつ適切なサービスを提供するよう努めなければならないと定められている。
c 第三者評価の受審は、すべての社会福祉施設において法的義務となっており、受審しない場合には行政処分の対象となる。
d 評価結果の公表は、事業所が選定した第三者機関が独自のウェブサイトでのみおこなうこととされており、都道府県社会福祉協議会などが運営するサイトでの公表は認められていない。

選択肢


正解:B
福祉サービス第三者評価事業は、サービスの質向上と利用者の選択支援を目的としており(a)、その根拠は「社会福祉法」に定められている(b)。しかし、一部の施設(社会的養護関係施設など)を除き、受審は原則として努力義務であり、義務ではない(c)。また、評価結果は利用者が比較検討できるよう、都道府県が運営するネットワークシステムなどで広く公表される仕組みとなっているため、dは不適切である。

問題37(難易度:★★★☆☆)

問題

子どもの発達の状態を把握するためのアセスメントや発達検査の実施、およびその解釈に関する記述について、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもの発達のアセスメントに関する次の記述について、適切な組み合わせを一つ選びなさい。

a アセスメントの目的は、単に発達の遅れの有無を判定することだけではなく、子どもの現在の発達水準や特性、強みを把握し、適切な支援の手がかりを得ることにある。
b 発達検査のうち、日本版K――ABCIIは、子どもの継次処理や同時処理といった認知尺度を測定することで、学習の習得度や得意な情報処理様式を把握できる検査である。
c 子どもの発達を評価する際には、検査場面での結果のみを絶対視するのではなく、日常生活における保護者からの聞き取りや、自由遊び場面での行動観察の結果などを総合的に判断する必要がある。

選択肢


正解:C
アセスメントは子どもの特性や強みを把握し、支援につなげるためにおこなわれる。日本版K――ABCIIは認知処理のプロセスと習得度を測定する検査として適切である。さらに、特定の検査結果のみならず、行動観察や保護者からの聞き取りなど、多角的な情報を統合して子どもの全体像を理解することがアセスメントの基本である。したがって、すべての記述が適切であり、正しい組み合わせはCとなる。

問題38(難易度:★★★☆☆)

問題

次の【Ⅰ群】の心理学者および理論と、【Ⅱ群】の具体的な事例を結び付けた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

次の【Ⅰ群】の用語と、【Ⅱ群】の内容を正しく結び付けなさい。

【Ⅰ群】
a ソーンダイク(Thorndike, E.L.)の試行錯誤
b ワトソン(Watson, J.B.)の恐怖条件づけ
c ローレンツ(Lorenz, K.Z.)の刻印付け(インプリンティング)
d ヴィゴツキー(Vygotsky, L.S.)の発達の最近接領域

【Ⅱ群】
ア 生後間もないガチョウの雛が、初めて見た動く物体を親だと思い、その後を追いかけるようになる。
イ 猫が空腹の状態で箱に入れられ、偶然レバーを引いて外に出られた経験を繰り返すなかで、無駄な動きが減り、すぐに脱出できるようになる。
ウ 子どもが一人では解けないパズルを、保育士が隣で少しヒントを出すことで、最後まで完成させることができた。
エ 白ネズミを怖がっていなかった乳児に、ネズミに触れようとするたびに大きな音を鳴らし続けると、ネズミを見ただけで泣き出すようになった。

選択肢


正解:B
ソーンダイクは問題箱を用いた猫の実験から、成功した行動が定着する「試行錯誤」(イ)を、ワトソンはアルバート坊やの実験から、情動が条件づけられる「恐怖条件づけ」(エ)を提唱した。ローレンツは離水鳥の雛に見られる「刻印付け」(ア)を、ヴィゴツキーは他者の援助があれば解決可能な領域を指す「発達の最近接領域」(ウ)をそれぞれ示した。これらは学習理論や発達理論を理解するうえで、きわめて重要な基本概念である。

問題39(難易度:★★★☆☆)

問題

心理学における人間の発達や学習に関する基本的な概念および用語の記述として、適切なものを選択しなさい。

次のうち、発達に関する記述として、適切なものを三つ選びなさい。

1 発達過程において、特定の機能や能力の獲得が最も容易であり、その時期を逃すと獲得が困難になる特定の期間を、臨界期(または敏感期)という。
2 遺伝的な要因と環境的な要因が、互いに独立して別々に発達へ影響を及ぼし、それぞれの効果を単純に合算したものが発達の成果であるとする考え方を、輻輳説という。
3 成熟によって準備が整っていない段階で訓練をおこなっても学習効果は上がらないことを、ゲゼルは双生児の階段登り実験によって示し、この準備状態をレディネスと呼んだ。
4 ピアジェは、子どもが周囲の環境に合わせて自らの認知構造(シェマ)を変化させていく過程を調節、新しい情報を既存の枠組みに取り込む過程を同化と呼んだ。
5 乳幼児期において、特定の養育者との間に形成される情緒的な結びつきをアニミズムといい、その後の対人関係の基礎となる重要な概念である。

選択肢


正解:B
臨界期(1)、レディネス(3)、同化と調節(4)の記述は、発達心理学における基本的な定義として適切である。2については、遺伝と環境を単純に足し合わせる考え方は加算説であり、輻輳説は両者が合わさって発達が規定されるとする。しかし、現在は相互作用説が主流である。5については、情緒的な結び付きはアタッチメント(愛着)であり、アニミズムは無生物に命があると思い込む幼児期の思考特徴を指す。

問題40(難易度:★★★☆☆)

問題

スキャモン(Scammon)の器官別発育曲線に関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

次の文は、スキャモンの器官別発育曲線に関する記述である。適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

a 一般型は、身長、体重、胸腹部臓器、筋肉、骨などの発育を示す曲線であり、乳幼児期と自律神経が発達する思春期に急激に伸びる。
b リンパ型は、胸腺、リンパ節、扁桃などの免疫系組織の発育を示し、12歳頃には成人の値の約200%にまで達する。
c 神経型は、脳、脊髄、頭囲などの発育を示し、4歳から6歳頃までには成人の値の約80%から90%に達する。
d 生殖型は、卵巣、睾丸、子宮などの発育を示し、乳幼児期から学童期にかけて緩やかに増加し、成人期に最大となる。
e スキャモンの発育曲線は、20歳の時点の発育量を100として、各年齢での発育の割合をグラフ化したものである。

選択肢


正解:C
リンパ型(b)は12歳頃に成人の約2倍(200%)に達し、その後低下する。神経型(c)は乳幼児期に急速に発達し、6歳頃には成人の約90%に達する。スキャモンの発育曲線は(e)は、20歳時点の発育量を100としている。したがって、B、C、Eの組み合わせが適切である。一般型(a)は「S字状」を描くが、思春期の伸びは自律神経ではなく二次性徴にともなうものである。生殖型(d)は思春期に急増し、それまではほとんど発育しない。

問題41(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、保育所における保健計画の作成と運用に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所における保健計画の立案や内容について、適切なものはどれか。

a 保健計画は、保育所の「全体的な計画」に基づき、子どもの発達過程や地域の状況を考慮して作成しなければならない。
b 子どもの健康状態や感染症の発生状況などの情報を収集し、評価・反省をおこなうことで、次期の計画改善につなげる。
c 保健計画の内容は専門性が高いため、看護師などの保健担当者のみが把握していればよく、他の職員と共有する必要はない。
d 事故防止や安全対策、環境衛生に関する事項は、保健計画に盛り込むべき重要な要素の一つである。

選択肢


正解:B
保健計画は、全体的な計画にもとづき作成され(a)、評価や反省を通じてPDCAサイクルを回すことが求められる(b)。また、安全対策や衛生管理も重要な項目である(d)。しかし、子どもの健康保持は保育所全体の課題であるため、保健担当者だけでなく全職員が内容を理解し、共有したうえで取り組む必要がある。したがって、特定の職員のみが把握すれば良いとする記述(c)は不適切である。

問題42(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、保育所において絵本の読み聞かせや環境構成をおこなう際の留意点として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

子どもたちが絵本の世界に親しみ、豊かな経験を育むための保育士の配慮や環境作りについて、適切な記述の組み合わせはどれか。

1 読み聞かせをおこなうときは、子どもが絵や物語に集中できるように、玩具や掲示物などが視界に入りにくい落ち着いた場所を選ぶことが望ましい。
2 絵本を選択する際は、子どもの発達段階や興味・関心にもとづくとともに、季節感や行事、そのときのクラスの状況などを総合的に考慮する。
3 読み聞かせの途中で子どもが反応を示したときは、物語の進行を優先して一律に静止させるのではなく、子どもの思いを受け止めながら進めていく。
4 絵本の物語を深く理解させるためには、読み終えた直後に「一番好きな場面はどこか」や「なぜ主人公はそうしたのか」などの問いかけを必ずおこなうべきである。
5 1歳児クラスでは、言葉の響きやリズム、色彩の豊かさよりも、物語の教訓や社会的なルールを学ばせる内容の絵本を優先して選ぶ。

選択肢


正解:A
読み聞かせの環境構成(1)、子どもの実態に即した選書(2)、子どもの反応への柔軟な対応(3)は適切である。絵本は子どもが自ら楽しみ、想像を広げるものであり、読み終えた直後に知識の確認や教訓の理解を強制するような問いかけ(4)は、余韻を損なうため避けるべきである。また、低年齢児(5)に対しては、物語の教訓よりも、言葉の心地よさや視覚的な楽しさを通して絵本に親しむ体験を優先することが良いとされる。

問題43(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「保育所保育指針」第5章「職員の資質向上」の1「職員の資質向上に関する基本的事項」の一部である。( A )〜( D )に当てはまる語句を【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

保育所においては、……(中略)……職員が( a )を自ら高めるとともに、……(中略)……それぞれの専門性の向上を図り、あわせて職員全体の( b )や組織としての( c )を向上させるよう、計画的な( d )の機会を確保しなければならない。

【語群】
ア 保育実践力 イ 倫理性 ウ チームワーク エ 能力 オ 専門性 カ 研修 キ 管理 ク 経験

選択肢


正解:B
保育所保育指針第5章の記述にもとづいた問題である。職員はまず自らの「倫理性(イ)」を高めることが求められる。また、個々のスキルの向上だけでなく、職員全体の「専門性(オ)」や組織としての「能力(エ)」を向上させることが重要である。そのための具体的な手段として、職場内外での計画的な「研修(カ)」の機会を確保することが規定されている。よって、Bの組み合わせが正しい。

問題44(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の1「乳児保育に関わるねらい及び内容」の(2)「ねらい及び内容」イ「健やかに伸び伸びと育つ」の一部をまとめたものである。( A )〜( C )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

一人一人の子どもの( a )や状態を把握し、……(中略)……清潔に保たれる心地よさを感じ、自ら( b )や食事などの( c )に向かおうとする気持ちが育つようにすること。

選択肢


正解:C
乳児保育における健康に関する記述である。乳児期は生命の保持が基本であり、個々の「生理的欲求(a)」を満たすことが重要である。そのうえで、おむつが替わって気持ちが良いという感覚から、自ら「排泄(b)」や食事にかかわろうとする意欲を育て、のちの「基本的な生活習慣(c)」の基礎を培うことが指針に示されている。用語を正確に把握し、乳児期の発達に即した援助の方向性を理解することが求められる。

問題45(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、保育実習における実習日誌の記述や記録のあり方に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

実習日誌を作成する目的や、記述の際の留意点に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

a 実習日誌は、単なる出来事の報告書ではなく、子どもの姿や保育者の援助を分析し、自分自身の課題を明確にするための自己省察の記録である。
b 記録の客観性を保つため、子どもの発言や行動を記述するときは、保育士としての主観的な解釈や感情を交えずに事実のみを簡潔に記すことが原則である。
c 実習中に起きた特定の出来事を深く掘り下げて記録する「エピソード記述」をおこなう際は、そのときの状況や前後関係、保育者の意図などを詳細に記述することが望ましい。
d 実習校や実習先から指定された様式がある場合でも、自分の書きやすさを優先して独自のレイアウトに変更して提出することが、主体的な姿勢として評価される。

選択肢


正解:C
実習日誌は事実の記録とともに自己の振り返りをおこなう重要な媒体である(a)。記録には客観的な事実が不可欠であるが、それに対する実習生自身の考察や気付きを記述しなければ学びにつながらないため、事実のみを記すとする(b)は不適切である。エピソード記述(c)は状況を詳細にとらえる手法として適切である。一方で、実習は養成校の教育課程の一部であり、指定された様式を守ることは基本的事項であるため、独自の変更を認める(d)は不適切である。

問題46(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、「児童福祉法」における保育士の定義や義務、および資格の取り扱いに関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

児童福祉法に定められた保育士の役割や法的義務について、適切なものはどれか。

a 保育士は、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び保護者に対する保育に関する指導をおこなうことを目的とする。
b 保育士の信用を傷つけるような行為をした場合、都道府県知事は、その登録を取り消し、または期間を定めて保育士の名称の使用の停止を命ずることができる。
c 保育士試験に合格した者は、合格した時点で「保育士」と名乗ることができ、業務に従事することが可能となる。

選択肢


正解:B
保育士の定義(a)には、児童の保育だけでなく保護者への指導も含まれる。信用失墜行為に対する登録取り消しや名称使用停止の規定(b)も法に明記されている。しかし、保育士として業務をおこなうためには、試験合格後、保育士登録簿に登録され、保育士証の交付を受ける必要がある。合格しただけでは名称独占の規定に抵触するため、保育士と名乗ることはできない。よって(C)は×。したがって、正しい組み合わせは「○・○・×」である。

問題47(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」における、指導計画の作成に関する記述である。( A )〜( C )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

指導計画においては、……(中略)……子どもの生活の( a )や発達過程を見通し、一人一人の子どもの( b )を考慮して、個別の配慮が示されるようにすること。また、……(中略)……家庭との( c )を図り、保育の展開を適切に把握し、評価をおこない、改善に努めること。

選択肢


正解:A
「保育所保育指針」第1章の記述にもとづく問題である。指導計画の作成にあたっては、子どもの生活の「連続性(a)」や発達を見通すことが不可欠である。そのうえで、個々の「心身の状態(b)」に合わせた配慮を明記しなければならない。また、保育の質を維持するためには、家庭との「連携(c)」を密にして、評価及び改善をおこなうことが規定されている。よって、正しい組み合わせはAとなる。

問題48(難易度:★★★☆☆)

問題

次の記述を読み、移調後のコードとして最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

5歳児クラスで新しい歌を練習したところ、全体の音程が高く、多くの子どもが声を出しにくそうにしていた。そこで、ピアノの伴奏を長2度(全音)下げて演奏することにした。原曲で以下のコードが使われているとき、移調後の正しいコードの組み合わせはどれか。

原曲のコード:E C#m F#7

選択肢


正解:A
楽典における移調の知識を問う問題である。長2度(全音)下げる場合、それぞれの音名を一つ分(全音)低い音へと移行させる必要がある。具体的には、E(ホ)の全音下はD(ニ)、C#(嬰ハ)の全音下はB(ロ)、F#(嬰ヘ)の全音下はE(ホ)となる。したがって、コード進行はD Bm E7へと変わる。他の選択肢は短2度(半音)下げたものや、マイナー・セブンスの属性が誤っているものである。

問題49(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、保育における造形活動で用いる用具や材料の性質について、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

造形表現の活動で使用する材料や用具の取り扱いについて、適切なものはどれか。

a 画用紙のサイズにおいて、四つ切りサイズは、八つ切りサイズ二つ分の大きさである。
b 粘土べらにはさまざまな形があるが、一般に粘土を切るための「切り糸」は、大きな粘土の塊を分割する際にも用いられる。
c カッターナイフを使用して直線に紙を切る際は、定規の目盛りがついているほうの縁に刃を当てて切るのが最も安全で正しい方法である。
d 油性マジック(マーカー)は、水溶性の性質を持つため、プラスチックや金属の表面に書いても乾いた後に水で洗えば簡単に落とすことができる。

選択肢


正解:B
四つ切りは八つ切りの二倍の面積を持つため適切である(a)。粘土の切り糸は塊を分ける用途に適しており適切である(b)。カッターで切る際、目盛り側は傾斜があるため刃が乗り上げやすく、反対側の垂直な面を当てるのが基本であるため不適切である(c)。油性マジックは水に溶けない性質を利用して定着させるものであるため、水洗いで落ちるとする記述(d)は誤りである。よって、正解は「○・○・×・×」となる。

問題50(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、保育における紙芝居の製作および演じ方に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもたちが物語に集中し、共感して楽しむための紙芝居の仕組みや製作上の留意点について、適切なものはどれか。

a 紙芝居の絵を製作する際は、集団の中で遠くから見る子どもにも内容がはっきりと伝わるよう、輪郭線を明確にしたり色使いを工夫したりして視認性を高める。
b 市販の紙芝居の構造と同様に自分で製作する場合も、一作目(表紙)の文は、最後の場面の絵の裏面に書くように構成する。
c 紙芝居を演じる際の「抜き」の効果を出すため、場面の切り替わりで絵を抜く方向は、常に一定の速度で左から右へ水平に抜くことが最も良いとされる。
d 舞台(紙芝居枠)を使用する場合は、演じ手の顔が隠れるように設置し、声だけで物語の世界を表現することが子どもの想像力を広げるために不可欠である。

選択肢


正解:B
紙芝居は集団で見せることを想定するため、はっきりとした描写が求められる(a)。紙芝居の仕組みとして、現在見せている絵の裏側には「次の場面」の文があるため、一作目(表紙)の文は最後の一枚の裏に書くのが正しい(b)。抜き方については、物語の展開に合わせて速さを変えたり、途中で止めたりする演出が効果的であるため、常に一定とする(c)は不適切である。また、演じ手の表情も表現の一つであり、顔を隠すことを不可欠とする(d)も不適切である。

問題51(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、保育所における救急処置および心肺蘇生法に関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

子どもが意識不明の状態で発見された際の対応や心肺蘇生法について、適切な記述の組み合わせはどれか。

1 意識や反応がないことを確認したら、周囲に助けを求め、119番通報とAEDの持参を依頼する。
2 乳児(1歳未満)の胸骨圧迫をおこなうときは、指二本で胸の厚みの約3分の1が沈むまで強く圧迫する。
3 胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせる場合、その回数の比率は、対象が子どもであっても30:2でおこなう。
4 AED(自動体外式除細動器)を使用する際、未就学児であれば、必ず未就学児用(小児用)パッドを使用しなければならず、大人用パッドで代用することはできない。
5 誤飲により窒息していることが疑われる乳児に対しては、背部叩打法と腹部突き上げ法(ハイムリック法)を交互におこなう。

選択肢


正解:A
反応がない場合は迅速に応援を呼び、通報とAEDの手配を依頼する(1)。乳児の胸骨圧迫は指二本を用い、胸の厚みの3分の1程度を圧迫する(2)。圧迫と人工呼吸の比率は30:2である(3)。AEDは小児用パッドの使用が望ましいが、ない場合は大人用パッドで代用し、パッド同士が重ならないよう注意して貼る必要がある(4)。また、乳児の窒息に対して腹部突き上げ法は内臓損傷の恐れがあるため禁忌であり、背部叩打法と胸部突き上げ法を組み合わせておこなう(5)。

問題52(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、保育所における健康診断および保健管理に関する記述として、最も適切なものを一つ選びなさい。

保育所における健康診断や子どもの健康管理のあり方について、適切なものはどれか。

選択肢


正解:B
保育所における健康診断は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準にもとづき、入所時および定期的に実施する必要がある。入所時の健診は必須であり、母子健康手帳の確認のみで代えることはできない。また、保育所では定期健診は少なくとも一年に二回おこなうものと定められている。診断の結果、異常が認められたときは、嘱託医の指示にしたがい、保護者に対して適切な指導や受診の勧奨をおこなうことが求められる。保育所では歯科健診も実施するが、歯や口腔の状態も重要な健康情報であるため、完全に独立して計画されるわけではない。健康診断や疾病の記録については、保育や安全確保のために担任以外の職員にも情報共有する必要がある。

問題53(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、保育所における感染症対策に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所における感染症の予防と対応に関する記述として、適切なものはどれか。

a 「保育所における感染症対策ガイドライン」は、嘱託医や保護者と情報を共有し、施設全体で感染拡大を防止することを目的としている。
b 感染症にかかった子どもが登園を再開する際には、病状が回復していることとともに、周囲への感染の恐れがないことを確認する必要がある。
c 保育所における出席停止の期間の基準は、原則として「学校保健安全法施行規則」に定められた期間を準用することが望ましい。
d 感染症の流行時には、嘱託医や保健所などの専門機関と連携を図り、迅速かつ適切な指示を仰ぐ体制を整えておく。

選択肢


正解:A
提示された記述はすべて適切である。保育所における感染症対策は、ガイドラインにもとづき、嘱託医や保護者、地域の保健所等と連携して取り組むことが求められる。登園再開の判断は、本人の回復および二次感染の防止の両面からおこなう。出席停止期間については、学校保健安全法の基準が指標となる。流行時には、専門機関の助言を仰ぎ、施設内での集団感染を最小限に食い止める体制を構築しておくことが重要である。

問題54(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、炭水化物(糖質および食物繊維)に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

炭水化物の働きや栄養学的特性に関する記述として、適切なものはどれか。

a 炭水化物は、体内で消化されてエネルギー源となる「糖質」と、消化されにくい「食物繊維」に分けられる。
b 糖質の1g当たりのエネルギー量は、脂質と同じ約9kcalであり、脳のおもなエネルギー源として重要である。
c 食物繊維は、人の消化酵素で消化することができないが、整腸作用や血糖値の上昇を抑制するなどの機能を持つ。
d 炭水化物(糖質)の過剰な摂取は、体脂肪としての蓄積を招くことがあるため、適切な摂取量を維持することが望ましい。

選択肢


正解:D
炭水化物は糖質と食物繊維に分類される(a)。糖質のエネルギー量は1gあたり約4kcalであり、約9kcalである脂質とは異なるため(b)は不適切である。食物繊維は消化されないものの、生体機能の調節に欠かせない役割を持つ(c)。また、余分な糖質は中性脂肪として蓄えられ、肥満の原因となる(d)。したがって、正しい組み合わせは「○・×・○・○」となる。

問題55(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文は、「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年 厚生労働省)における離乳の進め方の目安についての記述である。( a )〜( c )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

離乳中期(生後7、8か月頃)は、一日二回食で食事のリズムを作っていく時期である。この時期の食物の形態は、( a )でつぶせる固さとする。また、離乳後期(生後9カ月頃から)になると、一日三回食となり、( b )でつぶせる固さのものを与える。この頃から、自分の手でつかんで食べる( c )を大切に見守るようにする。

選択肢


正解:A
離乳中期(生後7、8カ月頃)の食物の形態は「舌でつぶせる固さ」が目安である。離乳後期(生後9カ月頃から)は、より形のあるものを「歯ぐきでつぶせる固さ」にステップアップさせていく。さらに、この時期からは自分で食べようとする意欲を育むための「つかみ食べ」が始まるため、保育士はこれを適切に見守り支援することが重要である。よって、Aが正しい。

問題56(難易度:★★★☆☆)

問題

次のうち、「保育所保育指針」第3章「健康及び安全」の2「食育の推進」に関する記述として、(a)〜(c)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・保育所における食育は、健康な生活の基本としての(a)「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことを目標とすること。
・子どもが生活と遊びのなかで、進んで食に関わり、食を楽しむ(b)「食の自立」が図れるよう、心身の成長及び発達過程に配慮すること。
・自然の恵みとしての食材や食の循環・環境への意識、調理する人への感謝の気持ちが育つように、子どもと調理員等との関わりや、調理室など(c)食に関わる保育環境に配慮すること

選択肢


正解:C
「保育所保育指針」の記述にもとづくと、食育の目標は「食を営む力」の育成(a)である。また、食育の環境整備では食に関わる保育環境(c)に配慮する必要がある。よって、正しい組み合わせはCとなる。

板谷 侑香里

プロフィール

bの「食の自立」に関して、保育所保育指針 第3章2(2)の実際の文言は下記の通りです。

子どもが生活と遊びの中で、意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものであること。

このように、「食の自立」という表現は指針にはありません。指針を正しく押さえましょう。

問題57(難易度:★★★★☆)

問題

次の記述は、認定こども園の普及状況や利用児童数の推移に関する統計資料(令和5年および令和6年公表資料)の内容を説明したものである。適切なものを〇、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

1 全国の認定こども園の施設数は、年々増加を続けており、令和6年4月1日現在では9,000カ所を超えている。
2 認定こども園の類型のうち、施設数が最も多いのは「保育所型」であり、最も少ないのは「地方裁量型」である。
3 認定こども園に在籍している園児の総数は、少子化の影響にもかかわらず、施設数の増加にともなって前年よりも増えている。
4 幼保連携型認定こども園に在籍している園児数は、認定こども園全体の園児数の半数を超えている。

選択肢


正解:B
認定こども園の現状に関する統計問題である。施設数は増加傾向にあり、令和6年時点で9,000カ所を超えているため1は適切である。類型のうち施設数が最も多いのは「幼保連携型」であり、2は不適切である。3については、未就学児の人口が減少するなか、認定こども園への移行が進んでいるため、利用児童数は増加を続けており適切である。4についても、幼保連携型が認定こども園の中核を担っており、在籍園児数でも過半数を占めているため適切である。

問題58(難易度:★★★★☆)

問題

「社会的養育の推進に向けて」および厚生労働省の統計資料にもとづき、近年の社会的養護の現状と各施設・制度の特徴に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

社会的養護をとりまく現状に関する次の記述について、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

a 児童養護施設に入所している児童の入所理由としては、父母による虐待が最も多い。
b 社会的養護の施設のうち、入所児童における「障害等のあるこども」の割合が最も高いのは、児童心理治療施設である。
c 里親委託率の向上を目指すなかで、就学前の児童については、原則として乳児院ではなく里親委託を優先する方針が示されている。
d 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)において、委託されている児童のうち被虐待体験がある者の割合は、里親に委託されている児童の割合よりも低い。

選択肢


正解:A
aは、現在の児童養護施設における入所理由の主たるものが虐待であるため適切である。bは、心理的ケアや専門的治療を必要とする児童を対象とする児童心理治療施設において、障害等のある児童の割合が最も高いため適切である。cは、新しい社会的養育ビジョンにおいて、乳幼児期の家庭的環境での養育が強く求められているため適切である。dについては、ファミリーホームの方が里親よりも被虐待体験を持つ児童を高い割合で受け入れているため不適切である。

問題59(難易度:★★★★☆)

問題

次の【事例】を読んで、社会的養護の施設における保育士および施設の対応として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【事例】
児童養護施設に勤務する保育士のJさん(男性)は、担当しているユニットの中学生であるK君(15歳、男子)から放課後、「最近、スマートフォンで知り合った大人と会う約束をしている。でも、本当に行っても良いのか不安になった」と相談を受けた。K君は周囲に他の児童がいない場所で、困惑した表情で話している。

a J保育士はK君の不安な気持ちを受け止め、相手とのやり取りの内容や会うことになった経緯について詳しく話を聴いた。
b J保育士は、SNSなどの利用は自己責任であるため、トラブルが起きたときは自分自身で解決すべきだとK君を諭した。
c J保育士はK君に対し、見知らぬ大人と直接会うことの危険性について具体的に説明し、今回は会うことを控えるよう助言した。
d 施設では今回の事例を受け、SNSの適切な利用方法やネットトラブルへの対応について、職員全体で共有し、児童向けの学習機会を設けることを検討した。

選択肢


正解:B
児童が不安を抱いて相談した際、まずは受容的に話を聴き(a)、安全確保のために具体的な危険性を伝えて適切な行動を促すこと(c)は、生活指導として適切である。SNSの利用を自己責任として突き放す対応(b)は、信頼関係を損なうとともに児童を危険にさらすため不適切である。また、個別の事例を施設全体の課題としてとらえ、職員の意識向上や児童への啓発に取り組むこと(d)は、再発防止の観点からきわめて重要である。

問題60(難易度:★★★★☆)

問題

「里親及びファミリーホーム養育指針」における社会的養護のありかたや、養育者の役割に関する記述について、( a )〜( c )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

次の文は、「里親及びファミリーホーム養育指針」の「里親・ファミリーホームの役割」の一部である。( a )〜( c )に当てはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 里親及びファミリーホームでの養育は、子どもが、特定の( a )との適切な関係を築くなかで、自己の存在が大切にされているという( b )を育むことを目的とする。
・ 子どもに対して、家庭的な環境のなかで、一人ひとりの発達の状況に応じたきめ細やかな養育をおこなうことで、子どもの( c )の回復を支援する役割を持つ。

選択肢


正解:A
「里親及びファミリーホーム養育指針」では、特定の養育者との安定した関係を通じて、子どもが大切にされているという自己肯定感を持つことが重視されている。また、虐待などによって傷ついた子どもの愛着関係の回復を支援することが、家庭的養護における重要な役割として明記されている。したがって、適切な語句の組み合わせはAとなる。

問題61(難易度:★★★★☆)

問題

「児童養護施設運営指針」に示されている、子どもの自立支援計画の策定および評価に関する記述について、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

「児童養護施設運営指針」における、子どもの支援体制と計画策定に関する次の記述について、適切な組み合わせを一つ選びなさい。
a 自立支援計画は、入所している子どもの最善の利益を考慮し、子どもの意向や保護者の状況を反映させたうえで策定しなければならない。
b 子どもの支援方針を決定する際には、施設長や担当職員のみならず、嘱託医や学校関係者などの外部専門家とも必要に応じて連携を図ることが求められる。
c 自立支援計画の評価および見直しは、子どもの成長や環境の変化に対応するため、少なくとも一年に一度、定期的におこなうことが規定されている。
d 計画の策定過程においては、子ども本人が自らの権利の主体であることを踏まえ、年齢や発達の段階に応じて、子どもが計画の内容を理解し、意見を述べる機会を確保するよう努める。

選択肢


正解:B
a、b、dは運営指針の理念および具体的取り組みとして適切である。特に多職種連携や子どもの意見表明権の尊重は、現代の社会的養護においてきわめて重要視されている。一方でcについては、自立支援計画の評価および見直しは「少なくとも半年ごと」におこなうことと定められているため、不適切である。子どもの状況は変化しやすいため、より頻繁なモニタリングと見直しが組織的に機能している必要がある。

問題62(難易度:★★★★☆)

問題

次のA~Eは、日本における児童福祉や社会福祉に関連して戦後に制定された法律である。これらを、制定された年の古い順に正しく並び替えている組み合わせを一つ選びなさい。

次のa~eの法律を、制定された年の古い順に並べたものとして、正しいものを一つ選びなさい。
a 児童手当法
b 児童福祉法
c 身体障害者福祉法
d 生活保護法(現行)
e 知的障害者福祉法(精神薄弱者福祉法)

選択肢


正解:A
児童福祉法は1947年、現行の生活保護法は1950年、身体障害者福祉法は1949年(公布)、知的障害者福祉法は1960年、児童手当法は1971年に制定された。したがって、正しい順番はb→c→d→e→aとなる。

問題63(難易度:★★★★☆)

問題

「児童の権利に関する条約」の規定にもとづき、条文内の空欄に当てはまる適切な語句の組み合わせを選択しなさい。

次の文は、「児童の権利に関する条約」第18条第2項および第3項の一部である。( a )〜( d )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
この条約に定める権利の行使を( a )し及び促進するため、締約国は、父母及び( b )が児童の養育についての責任を果たすに当たり、これらの者に対して適切な援助を与える。締約国は、児童の養育のための( c )の設置及びサービスの提供を確保する。締約国は、父母が働いている児童が、資格のある( d )によるサービスを利用する権利を有することを確保するためのすべての適切な措置をとる。

選択肢


正解:D
「児童の権利に関する条約」第18条の規定に関する問題である。第2項では、権利の行使を「保障」すること、父母及び「法定保護者」への援助、そして「児童養育施設」の設置について記述されている。第3項では、共働き世帯などの児童が「児童養育サービス」を利用する権利について明記されている。日本訳の条文において「法定保護者」や「児童養育施設」という用語が正確に使われているかを見極めることが重要となる。

問題64(難易度:★★★★☆)

問題

「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」に定められている、各施設における職員の配置規定について、適切な記述の組み合わせを選択しなさい。

「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」において定められている、専門職の配置に関する記述として適切なものを 二つ 選びなさい。
1 乳児院には、心理療法をおこなう必要がある乳児十人以上に心理療法をおこなう場合には、心理療法担当職員を置かなければならない。
2 児童養護施設には、児童の家庭環境の調整などをおこなう家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)を置かなければならない。
3 児童自立支援施設には、すべての施設において、医師および歯科医師を常勤で置かなければならない。
4 母子生活支援施設には、母子支援員のほか、母子を対象とした心理療法をおこなうために必ず精神保健福祉士を置かなければならない。
5 福祉型障害児入所施設には、児童心理治療施設と同様に、必ず個別対応職員を配置することが義務付けられている。

選択肢


正解:A
乳児院において心理療法を必要とする乳児が十人以上いる場合には、心理療法担当職員の配置が義務付けられている(1)。また、児童養護施設には家庭支援専門相談員を置くことが定められている(2)。児童自立支援施設の医師は嘱託でもよく(3)、母子生活支援施設において心理的ケアが必要な場合は心理療法担当職員を置くが精神保健福祉士に限定されない(4)。個別対応職員はおもに児童養護施設や児童心理治療施設等に置かれる(5)。

問題65(難易度:★★★★☆)

問題

乳幼児期から学童期にかけての心理的・社会的な発達過程に関する次の用語について、一般的な発達の順序として正しい組み合わせを一つ選びなさい。

次のa~dは、対人関係や認知の発達に関連する用語である。これらを発達の過程において出現する時期の早い順に並べた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
a 保存概念の獲得
b 三項関係の成立
c 第一反抗期
d 共同注意(ジョイント・アテンション)

選択肢


正解:D
発達の順序は、まず他者と同じものを見るd(生後9カ月頃)から始まり、自分と他者と対象物の三者を認識するb(1歳頃)が成立する。その後、自己主張が強まるc(2歳頃)を経て、物の形が変わっても量は変わらないと理解するa(6、7歳頃)へと至る。したがって、d→b→c→aの順が適切である。三項関係と共同注意は時期が近いため混同しやすいが、共同注意の広がりが三項関係の基盤となる。

問題66(難易度:★★★★☆)

問題

「こども基本法」および「こども大綱」(令和5年12月 こども家庭庁)の規定や内容に関する記述として、適切なものを選択しなさい。

次のうち、「こども大綱」に関する記述として、適切なものを二つ選びなさい。
1 「こども大綱」は、「こども基本法」にもとづき、政府がこども施策を総合的に推進するために策定するものである。
2 「こども大綱」の対象となる「こども」は、義務教育を終了するまでの15歳未満の者と定義されており、若者は含まれない。
3 「こども大綱」は、こども施策の具体的な数値目標や重要業績評価指標(KPI)を定めることを避けており、抽象的な方針のみを示している。
4 市町村は、「こども大綱」および都道府県こども計画を勘案して、「市町村こども計画」を定めるよう努めなければならない。
5 「こども大綱」は、こどもの権利利益を擁護するために、こどもの意見を聴くプロセスを一切排除して、専門家の合議のみによって策定された。

選択肢


正解:B
「こども大綱」は「こども基本法」を根拠法とし(1)、こども施策を総合的に推進する指針である。また、市町村は「こども大綱」などを勘案した「市町村こども計画」の策定が努力義務とされている(4)。対象は乳幼児から若者まで幅広く、具体的な数値目標も設定されているため、(2)と(3)は誤りである。策定にあたっては「こども若者★いけんぷらす」などを通じて、こども自身の意見が反映されているため、5も不適切である。

問題67(難易度:★★★★☆)

問題

「少子化社会対策白書」や関連する統計調査の結果にもとづき、日本の少子化をめぐる現状や課題に関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

次のうち、「令和5年版少子化社会対策白書」などにおける少子化の現状や分析に関する記述として、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
a 2022(令和4)年の合計特殊出生率は 1.26 であり、統計を開始して以来、過去最低の水準となった。
b 日本の家族関係社会支出の対GDP比(2020年度)は、2.01%となっており、スウェーデンやフランスなどの欧州諸国をすでに上回っている。
c 未婚者(18歳から34歳まで)を対象とした調査によると、いずれは結婚しようと考える者の割合は男女ともに減少傾向にあるものの、依然として8割を超える水準にある。
d 「社会保障・人口問題基本調査」によると、夫婦が理想とする子どもの数を持たない理由として、最も多く挙げられているのは「高齢で産むのが不安だから」である。

選択肢


正解:B
2022年の出生率は1.26であり、過去最低となった(a)。未婚者の結婚意思は減少しているが、依然として8割以上が結婚を望んでいる(c)。日本の家族関係社会支出は増加傾向にあるが、欧州諸国と比較するといまだ低い水準である(b)。また、理想の数の子どもを持たない最大の理由は「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」という経済的理由であり、年齢的要因ではない(d)。したがって、aとcが適切である。

問題68(難易度:★★★★☆)

問題

高齢期の発達心理や心身の適応に関する用語、および著名な理論家の提唱した概念について、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

高齢期における発達と適応に関する次の記述について、適切な組み合わせを一つ選びなさい。
a サクセスフル・エイジングとは、単に長生きをすることではなく、病気や障害のリスクが低く、高い認知機能や身体的機能を保持し、社会参加を継続しているような、より良い老いの状態を指す概念である。
b 流動性知能は、新しい場面への適応や情報の処理にかかわる知能であり、高齢期においても加齢による低下がほとんどみられず、むしろ維持あるいは向上が期待できる知能である。
c カミングとヘンリー(Cumming, E. & Henry, W.E.)が提唱した離脱理論によれば、高齢者が社会的な役割から徐々に身を引き、内面的な生活へと向かうことは、個人にとっても社会にとっても望ましい適応のプロセスであるとされる。
d ペック(Peck, R.C.)は、エリクソンの発達段階説をさらに発展させ、高齢期の課題として「引退の適応(自己の分身 対 仕事の役割への没頭)」など、身体的・社会的変化にともなう三つの心理的適応課題を示した。

選択肢


正解:B
サクセスフル・エイジング(a)、離脱理論(c)、ペックによる高齢期の適応課題(d)の記述は適切である。(b)については、流動性知能は新しい情報の処理などにかかわる能力であり、加齢にともない比較的早い段階から低下がみられる。これに対し、経験や知識にもとづく結晶性知能は高齢期でも維持されやすい。流動性知能が維持・向上するとしたbの記述は不適切である。

問題69(難易度:★★★★☆)

問題

心理学における「親としての発達」や子育てにともなう心理的変化に関する記述として、適切なものを選択しなさい。

次のうち、親になること、および親としての発達に関する記述として、適切なものを二つ選びなさい。
1 親が子育てを通じて、自分自身の内面を振り返ったり、忍耐強さや視野の広がりを獲得したりするなど、人格的に成長していく過程を「親性の発達」と呼ぶ。
2 「親準備性」とは、将来親になることに対する心理的な備えを指し、子どもの頃の遊びや、自分自身の親との関係、兄弟姉妹の世話などの経験を通じて、生涯にわたって形成されていくものである。
3 子育てのなかで、親が子どもに対して抱く両価的(アンビバレント)な感情、すなわち愛情と同時に生じるイライラや拒絶感は、親としての未熟さを示す異常な反応である。
4 子どもが自立して家を出た後、特に母親が役割の喪失感や深い孤独感を抱く心理的状態を「バーンアウト(燃え尽き症候群)」と呼ぶ。
5 現代の日本社会においては、伝統的な性別役割分業意識が完全に消失しているため、育児不安の程度に男女差はまったくみられないことが先行研究で証明されている。

選択肢


正解:A
子育てを通じた親自身の心理的成長である「親性の発達」(1)や、実親との関係や遊び等を通じて形成される「親準備性」(2)の記述は適切である。3については、育児において肯定・否定の両面的な感情を抱くことは、多くの親にみられる自然な心理現象である。4の空虚感は「空の巣症候群」であり、バーンアウトは過度のストレスによる心身の疲弊を指す。5については、依然として社会構造や意識の影響による育児不安の男女差は指摘されている。

問題70(難易度:★★★★☆)

問題

子育て家庭を取り巻く現在の社会状況や、統計調査の結果、およびワーク・ライフ・バランスに関連する概念について、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子育て家庭の現状と課題に関する次の記述について、適切な組み合わせを一つ選びなさい。
a 「令和3年社会生活基本調査」(総務省)によると、6歳未満の子どもを持つ世帯において、夫の家事・育児に関連する時間は、過去20年間でみると増加傾向にある。
b 「男女共同参画社会に関する世論調査(令和4年11月調査)」(内閣府)によると、女性が職業を持つことについて、「子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい」と回答した者の割合は、男女ともに、かつての調査結果と比較して大幅に減少している。
c 「第16回出生動向基本調査(2021年)」(国立社会保障・人口問題研究所)によれば、理想とする数の子どもを持たない理由として、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」といった経済的理由を挙げる割合が最も多い。
d 仕事と生活のどちらか一方が他方を犠牲にするのではなく、一方での経験が他方の生活にも良い相乗効果をもたらし、生活全体の質が高まることをワーク・ファミリー・ポジティブ・スピルオーバーという。

選択肢


正解:B
夫の家事・育児時間は長期的には増加傾向にあり(a)、理想の子ども数を持てない最大の理由は経済的問題である(c)。また、仕事と家庭の相乗効果を指すポジティブ・スピルオーバーの説明も適切である(d)。一方、女性が職業を継続することに対する肯定的な意識は年々増加しており、減少しているとする(b)の記述は不適切である。したがって、正解はB(○、×、○、○)となる。

問題71(難易度:★★★★☆)

問題

DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)における「脱抑制型対人交流障害」の特徴および診断に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

次の記述のうち、脱抑制型対人交流障害に関する内容として、適切な組み合わせを一つ選びなさい。
a 養育者による虐待やネグレクト、施設入所による養育者の頻繁な交代など、不十分な養育の極端な経験が原因となって生じる。
b 見知らぬ大人に対して、ためらいなく近づいたり、過度に馴れ馴れしい言葉遣いや身体的接触を図ったりする行動がみられる。
c DSM-5の分類においては、自閉スペクトラム症と同じ「神経発達症群/神経発達障害群」に属している。
d 診断基準の一つとして、発達年齢が少なくとも9カ月以上であることが求められている。

選択肢


正解:C
脱抑制型対人交流障害は、不適切な養育環境が原因で生じ(a)、見知らぬ大人への過度な脱抑制行動が特徴である(b)。また、発達年齢が9カ月以上であることも診断の条件となる(d)。しかし、DSM-5における分類は「心的外傷およびストレス因関連障害群」であり、自閉スペクトラム症などが含まれる「神経発達症群」ではないため、(c)は不適切である。したがって、正解はC(○、○、×、○)となる。

問題72(難易度:★★★★☆)

問題

「令和4年(2022)人口動態統計」などの公的統計にもとづき、日本における子どもの健康指標および死因に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

日本の子どもの保健統計に関する次の記述について、適切な組み合わせを一つ選びなさい。
a 乳児死亡とは生後一年未満の死亡を指し、日本における乳児死亡率は出生1,000に対して2.0を下回る水準にあり、諸外国と比較してもきわめて低い状況にある。
b 新生児死亡とは生後4週(28日)未満の死亡を指し、そのおもな死因は「先天奇形、変形及び染色体異常」や「周産期に発生した病態」などである。
c 5歳〜9歳における死因の第1位は「悪性新生物(がん)」であり、第2位は「不慮の事故」となっている。
d 不慮の事故による死亡について、0歳児では「不慮の窒息」が最も多いが、1歳〜4歳では「交通事故」を抑えて「不慮の溺死及び溺水」が第1位となっている。

選択肢


正解:D
日本の乳児死亡率は1.7(2022年)と世界的にみてきわめて低い。新生児死亡の定義およびおもな死因の記述も適切である。5歳〜9歳の死因第1位は長年「悪性新生物」であり、次いで「不慮の事故」となる。1歳〜4歳の不慮の事故による死因は、近年「不慮の溺死及び溺水」が「交通事故」を上回り、最も多い原因となっている。したがって、すべての記述が適切であり、正しい組み合わせはDとなる。

問題73(難易度:★★★★☆)

問題

次のうち、保育所における安全管理および危機管理に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所での事故防止やリスクマネジメントに関する記述として、適切なものはどれか。
a 「ハインリッヒの法則」によれば、一つの重大事故の背後には、29の軽微な事故と300の異常(ヒヤリ・ハット)が存在するといわれており、これらを把握することが重要である。
b 「SHELLモデル」における「L(Liveware)」は、当事者本人だけでなく、その周囲にいる人間、すなわち同僚や子ども、保護者などの人間関係も分析の対象とする。
c リスクマネジメントを円滑におこなうための PDCAサイクルのうち、「P(Plan)」は、過去の事故分析にもとづき、具体的な安全対策の計画やマニュアルの策定をおこなう段階である。
d 「インシデント」とは、実際に子どもに被害が生じた事故のことであり、被害がなかったヒヤリ・ハット事例とは明確に区別して管理しなければならない。

選択肢


正解:B
ハインリッヒの法則(a)は「1:29:300」の比率で重大事故の背景を示すものであり適切。SHELLモデル(b)のLは人間を指し、中心となる当事者と周囲の人間(L-L接続)のかかわりも重視されるため適切。PDCAのP(c)は計画の策定であり適切。一方、インシデント(d)は、事故に至る恐れのあったヒヤリ・ハット事例などを指し、実際に被害が生じた「アクシデント」と区別されるため、(d)の記述は不適切である。

問題74(難易度:★★★★☆)

問題

次のうち、「保育所における感染症対策ガイドライン」に示された、施設における衛生管理や組織的取組に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所における日常的な衛生管理および感染症発生時の組織的対応について、適切なものはどれか。
a 日常的な消毒については、環境や設備、玩具等の特性に応じて、適切な薬剤や方法を選択し、定期的かつ計画的におこなう。
b 感染症の発生に備え、嘱託医や協力医療機関、保健所などの関係機関との連絡体制をあらかじめ整備しておく。
c 施設内で感染症が発生したときは、速やかにその情報を保護者や全職員と共有し、流行の拡大防止に努める。
d 吐物や排泄物の処理をおこなう際は、二次感染を防ぐため、使い捨て手袋やマスクなどの個人防護具を適切に使用する。
E 職員自らの健康管理も重要であり、日頃から検温や体調確認をおこなうとともに、予防接種の推奨についても組織として取り組む。

選択肢


正解:A
提示されたすべての記述は、ガイドラインが定める衛生管理および組織体制のあり方として適切である。感染症対策は、個人の技術習得にとどまらず、マニュアルの整備や関係機関との連携、保護者への情報提供など、組織全体で取り組むべき事項である。特に、吐物処理などの実務的な対応から、職員自身の健康管理まで、多角的な視点を持つことが子どもたちの健康を守るうえで不可欠。

問題75(難易度:★★★★☆)

問題

次のうち、「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」に示された「エピペン(R)」の使用および管理に関する記述として、適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所におけるアナフィラキシー発症時の緊急対応や、自己注射薬「エピペン(R)」の扱いについて、適切なものはどれか。
a アナフィラキシーの症状が出現したとき、本人が持参している「エピペン(R)」を保育士が代行して打つことは、医師法違反にはならない。
b 「エピペン(R)」を打つ場所は、太ももの外側と決められており、ズボンの上からでも注射することが可能である。
c 「エピペン(R)」は非常にデリケートな薬剤であるため、品質を維持する目的で、夏場は保冷剤とともに管理することが望ましい。
d 症状が一時的に改善したように見えても、再び悪化する可能性があるため、使用後は必ず救急車を要請し、医療機関へ搬送する。

選択肢


正解:B
緊急時に保育士が「エピペン(R)」を代行して使用することは、実質的違法性が阻却されるため適切である(a)。注射部位は太ももの外側であり、緊急時は衣服の上からでも打つことができる(b)。保管については、15度から30度の常温で遮光して管理すべきであり、冷蔵庫や保冷剤による冷却は避ける必要があるため(c)は不適切。また、薬の効果は一時的な場合があるため、使用後は直ちに救急車で医療機関へ搬送しなければならない(d)。

問題76(難易度:★★★★☆)

問題

次のうち、厚生労働省による「国民健康・栄養調査」の結果や、子どもの食生活の現状に関する記述として、適切なものを三つ選びなさい。

わが国の食生活や健康状態の現状について、適切な記述の組み合わせはどれか。
1 成人の野菜摂取量の平均値は、男女ともに目標値である350gに達しておらず、約270gから280g程度で推移している。
2 20歳以上の男性における肥満者(BMIが25以上)の割合は、ここ数年、概ね30%を超えた状態で推移している。
3 主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を毎日二回以上食べている者の割合は、男女ともに20歳代および30歳代の若い世代で最も高い。
4 成人の一人一日当たりの食塩摂取量の平均値は、近年減少傾向にあるものの、依然として約10g程度であり、目標値よりも高い。
5 「家庭」での共食頻度は、一人暮らし世帯を除いた場合、どの世代においても「ほとんどない」と回答した者の割合が最も高い。

選択肢


正解:B
最新の調査結果によると、成人の野菜摂取量(1)は約280g程度であり、目標の350gには届いていない。男性の肥満者の割合(2)は30%を上回る水準にある。また、食塩摂取量(4)は約10gであり、依然として高い状況である。一方で、栄養バランスの良い食事を摂る割合(3)は若い世代ほど低い傾向にあり、家庭での共食(5)も「ほとんど毎日」とする割合が依然として高いことから、これらは不適切な記述となる。

問題77(難易度:★★★★☆)

問題

次のうち、「楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~」に示されている「3歳以上児の食育のねらい及び内容」の組み合わせとして、最も適切なものを一つ選びなさい。

選択肢


正解:B
「食と文化」のねらいでは、地域の産物や郷土料理、行事食などを通して、食文化への興味や郷土愛を育むことが内容として示されている。Aは「いのちの育ちと食」、Cは「食と健康」、Dは「食と人間関係」、Eも「いのちの育ちと食」に関連する内容であり、ねらいとの組み合わせが正しくない。指針に示された五つの「ねらい」と具体的な「内容」を正確に結び付けてとらえることが求められる。

問題78(難易度:★★★★☆)

問題

次のうち、保育所における食物アレルギーへの対応および食品表示に関する記述として、不適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

食物アレルギーの基礎知識やガイドラインにもとづく対応について、不適切なものはどれか。
a 「授乳・離乳の支援ガイド」によると、卵の進め方は、アレルギーを引き起こす性質が強い卵白から開始し、徐々に全卵へと広げていくことが推奨されている。
b 食品表示法にもとづき、容器包装された加工食品には、発症数や症状の重篤度が高い「くるみ」などの特定原材料について表示義務がある。
c カゼインは小麦に含まれる主要なたんぱく質であるため、小麦アレルギーがある子どもは、カゼインを含む食品をすべて除去しなければならない。
d 「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」では、事故防止の観点から、医師の診断にもとづく原因食品の除去は「完全除去」を原則としている。

選択肢


正解:B
離乳食における卵の進め方は、アレルゲン性の低い卵黄から始め、その後に卵白、全卵へと進めるのが正解であるため、(a)は不適切である。また、カゼインは牛乳に含まれるたんぱく質であり、小麦のたんぱく質はおもにグルテンであるため、(c)も不適切である。特定原材料の表示義務(b)および、保育所における誤食防止のための完全除去の原則(d)は適切な記述である。したがって、不適切な組み合わせはaとcとなる。

問題79(難易度:★★★★☆)

保育実習理論:図を見て答える問題②

問題

上記のヘ音記号(バス記号)で書かれた五線譜の内容を読み取り、設問に答えなさい。

上記の楽譜から長三和音(メジャーコード)をすべて抽出した正しい組み合わせを一つ選びなさい。

選択肢


正解:B
ヘ音記号の五線譜における各和音の構成音を分析する。アはソ・シ・レ(G Major)、イはラ・ド・ミ(A Minor)、ウはシ♭・レ・ファ(Bb Major)、エはシ・レ・ファ(B Diminished)、オはド・ミ・ソ(C Major)、カはレ・ファ・ラ(D Minor)である。このうち、根音から長3度、完全5度の音程を持つ長三和音は、ア、ウ、オの三つである。したがって、正しい組み合わせはBとなる。

問題80(難易度:★★★★☆)

問題

次の記述は、厚生労働省(およびこども家庭庁)が公表した「保育所等関連状況(令和5年4月1日)」の調査結果にもとづく、年齢区分別の利用児童数および待機児童数の傾向を示したものである。これらの内容を説明した記述として、誤っているものを一つ選びなさい。

1 保育所等の利用児童数の総数は270万人を超えており、そのうち3歳以上児の利用児童数は、3歳未満児(0〜2歳)の利用児童数よりも多い。
2 待機児童数の総数は調査開始以来、最も少ない数値となっているが、年齢別に見ると1歳児および2歳児が占める割合がきわめて高い。
3 保育所等の利用定員数は、前年度に比べて減少に転じており、待機児童の解消にともなって施設整備の重点が量から質へと移行していることがわかる。
4 待機児童数の内訳を見ると、3歳未満児(0〜2歳)が全体のおよそ9割近くを占めており、低年齢児の受け皿確保がいまだに課題となっている。
5 特定地域型保育事業の利用児童数は、すべて3歳未満児(0〜2歳)であり、待機児童の解消に向けて重要な役割を果たしている。

選択肢


正解:C
令和5年の調査結果において、保育所等の利用定員数は前年度比で微増、あるいはほぼ横ばいであり、減少には転じていないため3が誤りである。利用児童数については、少子化の影響を受けつつも共働き世帯の増加により3歳以上児が3歳未満児を上回る傾向が続いている。待機児童数は1歳児、2歳児が中心であり、全体の多くを低年齢児が占める実態がある。また、地域型保育事業は制度上、原則として3歳未満児を対象とするものである。

「保育士試験」の筆記を対策する際のポイント

アドバイザーのリアル・アドバイス!全科目に合格基準があることに注意! 原文を読むことで理解が深まる

キャリアコンサルタント/コラボレーター代表

板谷 侑香里

プロフィールを見る

保育士試験は科目数が多く、全科目に合格基準(各60%以上)が設けられていることが特徴です。1科目でも基準を下回ると、次回以降に該当科目を再受験しなければなりません。なお、合格した科目については3年間有効です。

筆記試験の対策として、まず過去問を3年分解き、間違えた問題にチェックを付けましょう。間違えた箇所を中心に繰り返し取り組むことで、出題のパターンが見えてきます。

合格には苦手科目の底上げを優先することが欠かせません。また、選択肢の中で明らかに誤りのものを除外していく「消去法」も活用しましょう。

法令や保育所保育指針の原文を一度じっくり読み込んでから過去問に取り組むと、試験の感覚をつかむことができますよ。

実技試験対策も忘れずに! 本番の制限時間を想定した対策が鍵

実技試験に進めた際は、早めに対策を始めましょう。

造形表現では、道具の選定が重要です。発色の良い色鉛筆を使うといった工夫をしましょう。保育室や園庭などを45分以内に描き切れるよう、本番前に複数回練習しておくことをおすすめします

音楽表現・言語表現は課題が事前に公表されます。本番を想定した練習を繰り返し、自信をもって臨めるように準備しましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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