この記事のまとめ
- 海外企業の採用に対する考え方を把握して新卒での海外就職を成功させよう
- 新卒で海外就職するには5種類の方法がある
- 新卒でも海外就職しやすい国や職業を把握することが大切
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
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大学を卒業してすぐに海外で就職したいと考えている人もいるでしょう。情報の入手が難しく、「そもそも新卒から海外で働けるか知りたい」「新卒の海外就職を成功させる方法を教えてほしい」と疑問を持つ人もいると思います。
新卒の海外就職は日本での就活とは手順や求められる能力などが異なり、事前準備から海外就職に特化した対策が必要です。
この記事では、キャリアコンサルタントの小西さん、高尾さん、加藤さん、古田さんのアドバイスを交えつつ、新卒の海外就職を成功させる方法を解説します。新卒で海外就職しやすい傾向にある仕事やおすすめの国も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
海外で働くために必要な情報を集めて新卒の海外就職を成功させよう
新卒の海外就職は日本の就活と異なる部分が多くあります。そのため、成功に向けて海外就職に特化した情報を集める必要があるのです。情報を収集しないまま就職活動を始めた場合、「何から取り組むべきかわからない」「実際に海外で働くイメージが湧かない」などの課題に直面してしまう可能性があります。
この記事では、前半で新卒採用における日本と海外の違いや、新卒で海外就職する方法と魅力、求められる能力を紹介。
また、海外就職しやすい仕事やおすすめの国、海外就職に向けて取り組むべきことを説明します。最後に注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
海外で働くために必要な情報を集めて、新卒の海外就職を成功させましょう。
海外就活について、以下のQ&Aで事情を詳しく解説しているので、併せてチェックしてみてください。
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新卒採用における日本と海外就職の違い
日本 | 海外 |
---|---|
新卒として就活する | 新卒という考えがない |
大学在学中に就活を始める | 大学卒業後に就活を始める |
会社の役員が面接をする | 人材を募集するチームのメンバーが面接をする |
ポテンシャル採用をおこなう | 職種ごとに採用される |
日本と海外では新卒採用における考え方や方法に大きな違いがあるため、事前に把握しておく必要があります。日本の就活と同様の考えで海外就職を進めようとすると、ギャップが大きく選考突破が難しくなってしまいます。
ここからは、前提・就活の時期・面接の方法・求める人物像・募集内容に分類して、新卒採用における日本と海外の違いを解説します。日本と海外の就活の違いを踏まえて対策のスケジュールを考えていきましょう。
前提:新卒採用という考え方がない
日本では、多くの会社が大学または高校を卒業する人を新卒社員として雇用しています。一方で、海外では新卒採用という考え方がなく、採用時期を設けずに通年採用を導入しています。
そのため、日本のようなエントリーや本選考解禁などもなく、就活のスケジュールは学生によって大きく異なるのです。また、日本のように1年近く就活するケースはあまりなく、3カ月程度で内定を獲得する人が多いです。
海外での就職スケジュールは、日本とは異なる場合があり、おおむね下記のフェーズとなります。ただし、地域によってズレがある点には留意してください。
・最終学年の前半(春〜夏が一般的):履歴書や職務経歴書の作成、LinkedInプロフィールの充実、自己分析やキャリアゴールの明確化など、就職活動に向けた準備を進めます。
・最終学年の後半(秋〜冬が一般的):就職活動を本格的に開始します。企業研究や業界調査、適切なポジションや会社のリサーチをおこないます。また、履歴書や職務経歴書の提出、面接の対策や模擬面接の受講など、就職活動に必要な準備を整えます。
・内定獲得後(卒業後の春〜秋が一般的):内定を受けた場合は、雇用契約の条件や企業の文化、福利厚生などをよく理解し、入社の準備を進めましょう。
就活の時期:大学を卒業してから始める
日本の就活スケジュールは、大学3年生の夏〜冬にかけて就活を開始し、4年生の夏ごろに終えるのが一般的です。一方、海外では大学在学中は学業に専念し、大学を卒業してから就活を始めるケースが多くなっています。
大学卒業後に就活を始める理由は、大学卒業が難しいからです。たとえば、アメリカでは在学中は勉強で忙しく、就活の時間を確保するのが難しいと言われています。そのため、大学卒業が近付いてきても、勉強に追われて就活ができない学生が多いのです。
また、アメリカやヨーロッパなどの欧米を中心にギャップイヤーという考えが根付いていて、卒業してからそのまま就職するのではなく、ボランティア活動に参加したり、海外旅行におこなったりする人もいます。
あなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
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面接の方法:人材を募集しているチームの各メンバーが担当する
日本では人事部の採用担当が面接をおこない、最終面接に近づくにつれて年次や役職が上の人が面接を実施するのが一般的です。最終面接では現場で働く社員が面接を担当するケースは少なくなっています。
一方で海外ではチーム単位で採用するケースが多く、面接官を務めるのは募集しているチームのメンバーです。最終的な決定権はチームのマネージャーが持っているため、最終面接にはマネージャーが同席する確率が高くなります。
なお、日本でも企業によって面接時間や回数にバラツキがあるように、海外でも面接の流れは企業ごとに異なるため、注意が必要です。
求める人物像:即戦力となる人材が求められている
日本の新卒採用では、学生の人柄や素養などのポテンシャルが重視されます。ポテンシャル採用と呼ばれていて、自社に貢献する人材の育成に時間をかけるという考え方が一般的です。
一方で海外では即戦力となる人材が求められているケースが多く、選考段階から大学で学んだ内容や身に付けたスキルが重視されています。そのため、大学卒業後すぐに就職する難易度が高く、インターンに参加するなどして実務経験を積んでから就活を始める人が多くいます。
- 日本企業でインターンに参加していたのですが、海外で実務経験として認識されるのでしょうか?
内容が異なるため実務経験として認識されるケースは限定的
インターンが始まってから、それほど時間が経っていない日本と比べると、海外のインターンは歴史が異なります。
加えて、日本のインターンはおおむね短期間で終えるのに対し、海外のインターンは長期間にわたって繰り広げられます。
さらに、職場の雰囲気などを知る色彩が強いのが日本のインターンである一方、海外のインターンは実践的な面が多々あるのです。
以上を勘案すると、「似て非なるもの」であることが浮き彫りになります。
日本企業のインターンに参加したことによって、実務経験として評価、認識されるのは、海外の日系企業など極めて限定されるのが現実です。
自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
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募集内容:職種ごとに採用される
日本では、総合職や一般職という枠を設けて採用活動をおこなっていて、入社後に適性を見て職種を決めるのが一般的です。一方で、海外では部署や役職によって採用枠が設けられていて、職種ごとに有望な人材を採用するケースが多くあります。
部署や役職に適した人材を採用するために応募資格が細かく設定されていて、条件を満たしていない場合は選考に進めないことが多々あります。応募段階では資格や学士号の有無、実務経験などを伝え、入社後すぐに活躍できる人材かどうかを確認されると把握しておきましょう。
日本のように新卒採用を固定的におこなうのではなく、海外は労働市場の流動性に合わせて採用をおこないます。そのため、新卒採用という概念がありません。
また、入社後に育てていくというスタンスはなく、入社したら即戦力になることが前提条件であるのも日本と異なる点です。
新卒で海外就職する5つの方法
新卒で海外就職すると一括りに言っても、その方法には複数の選択肢が考えられます。海外で働きたいという目的を達成するためには、それぞれの特徴や流れの確認が必須です。
ここでは新卒で海外就職する方法を解説します。まずはどのような方法が自分に合っているのか確認してみましょう。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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①現地の企業の就職試験を受ける
海外就職では現地企業とコンタクトを取ってエントリーすることで採用試験を受けられるようになります。現地企業にエントリーする方法は大きく分けて以下の二つです。
現地企業にエントリーする方法
- 直接会社に連絡する
- 現地の人材紹介会社を利用する
興味のある企業が求人を出していたら、連絡することで選考に進める可能性があります。ただ、応募条件に該当する企業を見つける必要があるため、エントリーできる企業数は日本での就活と比べると少なくなるのが一般的です。
新しい企業を見つけにくく、すでに興味がある企業を見るだけに留まる可能性が高いため、より多くの求人を見てエントリーする企業を探したい人は、海外企業を掲載している人材紹介会社を利用するのがおすすめです。
会社によっては日本人向けに日本語で情報を公開していて、就職までに必要な対策や手続きまでサポートしてもらえることもあります。
より多くの求人を確認したい場合は、複数のサービスに登録しておくのがおすすめです。
②海外でインターンシップに参加する
即戦力社員を求めている海外での就職を成功させるには、インターンへの参加がおすすめです。経験やスキルで劣り「即戦力にならない」と判断された場合、無給もしくは薄給の待遇でないと採用される確率が低いため、インターンでスキルなどを身に付けておきましょう。
日本の就活とは違い、海外就職におけるライバルは新卒社員に限定されません。経験豊富な応募者に対抗するためには、熱意でしか勝れないケースがあります。
また、海外ではインターンに参加した後に就職という流れが一般的です。会社の雰囲気やチームの働き方を知ってから入社できるため、ギャップを感じずに済むというメリットがあります。
インターンのメリットや選び方についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
関連記事
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インターンは、効率的な企業研究とスキルアップが可能な、一石二鳥の就活対策です。まずはインターンに参加するメリットデメリットを押さえましょう。この記事ではインターンの探し方や選考対策、おすすめのインターンなどをキャリアコンサルタントと解説します。
記事を読む
海外でインターンシップに参加する流れ
海外インターンに参加する際に最もおすすめなのが、海外インターンの仲介サイトの利用です。さまざまなインターンが掲載され、サイトによっては専任カウンセラーが終了までサポートしてくれます。
おすすめの海外インターン仲介サイト
たとえばインターンスタイルでは、6カ月〜1年前に個別カウンセリングと英語力チェックがおこなわれます。そしてカウンセリング内容からインターン参加条件を満たしているかチェックされ、クリアしている場合のみ正式登録が可能です。
そして4カ月前までには受入企業による選考がスタートし、受入先や渡航時期などが決まったらビザを申請します。
渡航前には滞在先の手配や海外保険の加入を済ませることができ、渡航後のオリエンテーションと現地でのサポートも付いているため、安心して利用できるケースがあります。
③新卒で海外配属を目指す
日本企業に新卒社員として入社し、初期配属で海外配属を目指すという方法があります。
海外勤務は交渉力や高い解像度が必要とされる難しい仕事が多いので、新卒社員が配属される可能性は低いですが、決して0ではありません。
面接から内定獲得後にかけて常に人事部に伝えていたうえで、海外経験が豊富で日本から出ても大丈夫だと判断されると新卒でも海外で働ける可能性が出てきます。
もし新卒から海外で働ける会社かどうか知りたい場合は、これまでに新卒で海外に配属された人がどのくらいいるのか、面接の逆質問やOB・OG訪問で聞いてみましょう。
OB・OG訪問や逆質問についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
OB・OG訪問
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
逆質問
面接の逆質問50例|熱意を伝えつつ企業とのマッチ度を見極めよう
新卒で海外配属になる可能性は限りなく低いです。少なくとも、私は聞いたことが皆無です。
社員を海外に派遣するのには、引っ越し費用や現地の住居補助など多大なコストがかかります。職務経験のない新卒社員をリスク覚悟で送り出すのは極めて稀です。
④オーペアを利用する
オーペアとは、現地の家庭で子育てや家事に参加することによって、ベビーシッターとしての給料をもらいながらホームステイするプログラムのことです。
アメリカやオーストラリア、カナダがオーペアに人気の国で、特にアメリカでは国が認めたオーペアプログラムが提供されています。
国によって条件が異なるため、オーペアを希望する国の情報を調べておきましょう。たとえばアメリカでオーペアを利用する場合、宿泊費用や食費だけではなく、日本からアメリカへの航空券や滞在中の保険までもが無料です。
オーペアを活用することで、費用を抑えて生活しながら給料を受け取れるうえに、海外経験も同時に積めます。
オーペアを利用する流れ
オーペアを利用する際は、エージェントに登録して申し込むのが一般的です。エージェントに登録しておくことで、渡航までのビザ申請やホストファミリーとのマッチングをサポートしてもらえます。
オーペアを利用する流れは以下の通りです。
例:オーペアAIJを利用する流れ
- 審査書類提出
- Skypeインタビュー
- 日本人スタッフと個人面談
- 申請書類提出
- ホストファミリー探し
- ビザを申請して渡米準備
たとえばオーペアAIJの場合、最初に自己紹介フォームと英語オンラインテストを提出し、条件を満たしているか確認されます。そしてSkypeのインタビューを受けて、オーペアプログラムの概要や現地生活の心構えを伝授されます。
インタビュー時の英会話レベルチェックを通過すると、次は日本人スタッフとの個人面接です。
再びスピーキングレベルを確認され、基準をクリアしていると申請書類を作成して提出します。書類提出が完了した時点でホストファミリー候補者があなたのプロフィールを確認できるようになり、インタビューなどを通してマッチング可能です。
ホストファミリーが決まったら、ビザ申請やチャイルドケアトレーニングをおこなって渡航準備を進めます。渡航してホストファミリー宅に到着したら、オーペアのプログラムがスタートします。
オーペアプログラムから海外での正規雇用につながる割合については、正確な統計データがないため一概には言えませんが、海外経験や語学力を身に付ける良い機会となり、その後の就職活動に有利に働く可能性は高いといえるでしょう。
ただし、オーペアからの正規雇用に直接につながる確率は、そこまで高くありません。オーペア経験者が海外で就職するためには、通常の就職活動(応募、面接など)を別途おこなう必要があるからです。
オーペアは海外就職への最短ルートではありませんが、グローバル人材としての資質を高め、その後の就職活動を有利に導くステップとして価値のあるものです。
⑤ワーキングホリデーをおこなう
ワーキングホリデーとは、18〜30歳を対象に協定国で働きながら現地の生活を体験できる海外留学制度です。仕事を見つけて一定の収入を確保できれば、初期資金が少なくても海外留学にチャレンジできます。
2024年3月現在、日本とワーキングホリデーの協定を結んでいるのは以下の国を含む29カ国です。
日本とワーキングホリデーの協定を結んでいる国
- オーストラリア
- ニュージーランド
- カナダ
- 韓国
- フランス
- ドイツ
国によって年齢を含む条件が異なるため、必ず事前に外務省のワーキング・ホリデー制度を確認しておきましょう。
- 大学を卒業後にワーキングホリデーに行くと、就活で不利になってしまうのではないかと不安です……。
得たスキルや経験の活かし方を具体的に伝えられれば有利になることも
ワーキングホリデーは「ワーキング」とついていますが、「ホリデー」のイメージの方が強いため、不利になるのではないかと不安になるのかもしれません。
働くことはできますが義務ではないため、習慣や文化が異なる海外で、遊びの延長のようなアルバイトをしたくらいでは評価されにくいでしょう。
「ビジネスレベルの英会話を身に付けた」「グローバル企業に就職するためにフルタイムで本格的な就労経験をしてきた」など、ワーキングホリデーで得たスキルや経験を今後の仕事にどう活かすかを具体的に示すことで、有利に働く可能性はあります。諦めずに活かす方法を考えてみましょう。
モチベーションにつながる! 新卒の海外就職における4つの魅力
新卒の海外就職における4つの魅力
- キャリアの幅が広がる
- 語学が堪能になる
- 外貨を稼げる
- 日本とは異なる環境で働ける
新卒の海外就職を成功させるためにはすべきことが多く、モチベーションの維持が欠かせません。ただ、「最後までやり切れるか不安」という学生もいるはず。
ここからは、新卒の海外就職における魅力を解説します。魅力を確認しておくことでモチベーションにつながり、大変な状況でも対策に注力できますよ。
①専門性に磨きをかけられる
専門性を重視する海外で就職すると、独自のキャリアを積めるというメリットがあります。新卒一括採用が根付いている日本では総合職として入社し、部署異動を通じてさまざまな仕事に取り組むキャリアが一つの方法として考えられます。
一方、海外就職では入社時から職種が決まっているケースが多く、希望の仕事に就いて自身でキャリアを形成していけるのです。そのため、専門性に磨きをかけ、着実にスキルを付けて多くの企業から求められる人材を目指せます。
②語学が堪能になる
海外で働き始めると現地の言葉でコミュニケーションをとるため、語学が堪能になります。仕事の会話はもちろん、日常会話でも日本語以外の言葉を使用する機会が多く、語学力は格段にアップします。
日本の英会話スクールで学ぶよりも実践的なコミュニケーションが可能で、最低限の会話に加えてジョークや訛りも理解できるようになるでしょう。
また、英会話スクールや留学の場合はコストがかかりますが、海外就職の場合は報酬をもらいながら語学力を伸ばせます。
- 英語力にあまり自信がありません……。英語が話せないと海外就職は難しいでしょうか?
意欲と努力次第で挽回できるため諦める必要はない
海外企業の多くは英語を公用語としているため、ある程度の英語力が求められるのは事実です。ただし、それだけで諦める必要はありません。
まず、エントリーレベルの求人であれば、日常会話が可能なだけの英語力があれば対応できる職種も存在します。
また、日本人社員が多数在籍する現地法人への就職であれば、英語を業務で使う必要がある場合は限られ、通常は日本語で問題ない会社も少なくありません。
英語力が伸び悩んでいる状況であれども、確かな意欲と努力次第では十分に海外就職は可能です。
焦らず、自分に合った方法で着実に語学力を高めていけば、夢を諦める必要はありません。
英語力がどれほど就活に役立つかは以下の記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
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英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説
就活において英語は強力な武器になります。英語が採用条件もしくはプラス評価になるケース、求められる英語力などについて現場のプロであるキャリアコンサルタントと解説します。より良いキャリアを選択するためのカギにしてください。
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③外貨を稼げる
海外で働いていると、報酬は現地の通貨で支払われます。円安の場合外貨で支払われた収入を円に変えるとより多くの報酬を受け取れるのです。
総務省統計局の世界の統計によると、アメリカの月平均賃金は4,845米ドルです。1ドル=100円(2013年に記録)の場合、日本円で見た月収は約48万円になります。
一方で、1ドル=150円(2024年に記録)の場合、日本円で見た月収は約72万円になるのです。円安が続いている現代では、外貨を稼ぐことによって日本円で見るとより収入が増加することになります。
- 外貨で給料を受け取るのは不安です。企業によって円を指定することは可能でしょうか?
就職先企業によるため応募時に確認しておこう
労働基準法24条1項「賃金の通貨払いの原則」により、賃金は通貨(ここでの通貨の定義は日本円)で支払う必要があるとしていますが、ただし書きには「通貨払いの例外(労働協約で定める方法により外貨支払いが可能)」を定めているため、海外にある日本の企業で、外貨での賃金払いが可能になっています。
ただ、海外駐在員として現地で生活しているために現地通貨で賃金が支払われているわけなので、不安というだけで日本円に指定できるのかはわかりません。
また、そもそも選択できるようになっているかも企業によって異なるでしょう。
指定できる可能性もゼロではないので、応募時に必ず確認しましょう。
④日本とは異なる環境で働ける
海外ではチャレンジ精神を重視する傾向があります。そのため、積極的に挑戦して目標達成を目指すことが可能です。住む環境も異なっていて、現地の生活と相性が良ければ仕事面だけではなくプライベート面でも充実感を得られる可能性があります。
また、日本から出て働いてさまざまな文化に触れることによって、視野を広げられます。多角的な視点を持っていれば、海外に向けた商品開発や販売戦略の立案に役立つため、帰国後も市場価値の高い人材として勤務できるでしょう。
アドバイザーコメント
高尾 有沙
プロフィールを見る海外就職には3つの魅力もある! 押さえて海外就職すべきか検討しよう
ここまで紹介した魅力以外にも、以下のような魅力も見逃せません。
①ネットワーキングの機会が広がる
海外で働くことで、異なる文化的背景を持つ人々と出会い、ビジネス上のつながりを築くことができ、そのネットワークは将来的にキャリアに大きな影響を与える可能性があります。
②チャレンジングな環境で成長できる
海外での就労は、言語、文化、生活習慣の違いから常にチャレンジを強いられます。こうした環境下で問題解決能力や適応力、異文化理解力や柔軟性などを身に付けることができ、自身の可能性を大きく広げられるでしょう。
③自己実現の機会が広がる
日本国内と比べ、海外では能力主義が徹底されている現場が多く、実力次第でキャリアアップのチャンスが待っています。成果を上げれば、ポジションや報酬面でのメリットも期待できます。
このように、海外就職はリスクもありますが、その分チャンスも多く存在する興味深い選択肢だといえるでしょう。
成功のために必須! 新卒の海外就職で求められる能力
新卒の海外就職で求められる能力
- 専門的なスキル
- 語学力
- 行動力
日本のポテンシャル採用と違い、海外では入社後すぐに活躍できる人材を求めています。そのため、選考では一定以上の能力が備わっているかどうかが見られています。
海外就職の成功のために欠かせない能力なので、自身の強みと照らし合わせてみてください。
①専門的なスキル
即戦力を求めている海外では、入社後人材育成に注力する会社は多くはなく、採用時から専門的なスキルが求められています。海外で活かせる専門的なスキルは以下の通りです。
海外で活きる専門的なスキル
- 営業力
- プログラミングスキル
- データ分析スキル
- マネジメントスキル
すぐチームに貢献できるかという視点で見られていて、専門的なスキルがあることは必須条件といえます。なお、結果が出なければ短期間でも契約を打ち切られる可能性があるため、入社後もスキルを磨き続けてください。
②語学力
コミュニケーションがとれないと仕事にならないため、海外就職には最低でも日常会話レベルの語学力が欠かせません。営業力やデータ分析というスキルがあったとしても、言葉がわからないと活用しようがないのも事実です。
多くの国で使われている英語はもちろん、就職を目指す国によっては他の言語も話せるようになっておきましょう。
仕事で英語を使うならビジネスレベル以上を習得しておく必要があります。業界や職種で当たり前に使われる専門用語も英語で聞き取り・スピーキングができるようになっておきましょう。
海外で働くにあたって、「英検〇級があれば大丈夫」、「TOEIC〇〇〇点あればやっていける」という明確な数値基準はありません。
そのうえで、具体的な基準として挙げれば、書類が読める、メールの読み書きができる、コミュニケーションが取れるなどがあります。
③行動力
日本では謙虚さが評価されやすいと言われていますが、海外の文化として自ら行動していかなければチャンスを得られないどころか損失を出してしまう可能性もあります。そのため、行動力がある人は就活で一緒に働ける素質があると見られることが多くあります。
慣れない土地で働くことを決める海外就職には、行動力が欠かせません。集めるべき情報や取り組むべき対策が多く、スピーディーに行動しないと「海外で働く」という目的を達成できないからです。
また、海外就職はハードルが高いため、チャレンジせずに諦める人も多いでしょう。行動力がなければ頭で考えているだけで終わり、海外で働くチャンスをつかみ取れません。
また、日本以上に主体的に仕事を探す必要があり、応募先を見つけるためには積極的な行動が不可欠です。
行動力の自己PR法は以下の記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
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自己PRの「行動力」は6つの言い換えで差別化できる! 例文30選
行動力は幅広い業界や職種で評価されやすい力の1つです。企業が求める行動力を見極めて自己PRしましょう。求められる行動力の見極め方や自己PR方法、留意点をキャリアコンサルタントとともに解説します。例文を参考に人事に響く自己PRを作成しましょう
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他にはコミュニケーション力や、マーケティング力・経営視点からの発想力・アイデア力なども活かせるでしょう。
就いた仕事で、その仕事が求めている結果を出すことが大前提になるので、対人コミュニケーションや、素早い判断力に関係する能力は必須です。
就活で求められる発想力については以下の記事で詳細を解説しているので、参考にしてアピールしてみましょう。
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例文10選|発想力の自己PRで勝負するならエピソードが最重要
発想力は自己PRに効果的です。特に発想力の自己PRは、題材にするエピソードが重要になります。この記事では、発想力をアピールするために大切な基本や、差別化のための応用事項を、例文を交えてキャリアコンサルタントと解説します。
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事前に確認! 新卒でも海外就職しやすい仕事
新卒で海外就職を成功させるためにも、海外で就職しやすい仕事を把握しておきましょう。需要のある仕事を希望していれば、採用確率を高められるからです。
日本にはない海外ならではの仕事もあるため、自分に合った仕事がないか確認してみましょう。
①日本語教師
日本語を学びたい外国人が多いため、日本語教師には一定の需要があります。国際交流基金の2021年度海外日本語教育機関調査によると、日本語の学習者数は約380万人にものぼります。141の国と地域に18,272の教育機関があり、教師数は74,592人もいるのです。
なお、海外で日本語を教えるにあたって特別な資格は不要ですが、現地の就職試験への合格が必須です。
2024年4月から導入された日本語教師の国家資格である登録日本語教員を取得しておくと、海外の選考でも有利に働く可能性があります。
日本語教師は単に日本語を教えるだけではなく、「教授法・カリキュラム作成力」「学習者の母語を理解したうえでのコミュニケーション能力」「教材作成力」「文化理解力」「学級運営力」といったさまざまな高度な能力が求められる職種であり、決して簡単な仕事ではありません。
日本語教師は、教え方一つとっても常に創意工夫と努力が求められ、言語知識だけでなく、さまざまな高度なスキルが求められる職種なのです。
②コールセンター
現地在住の日本人に対応する人材として、コールセンターで働くことができます。おもな相手は日本人で日本語を話す機会も多いため、新卒で海外就職する人にも働きやすい環境です。
また、社内や日常生活のコミュニケーションには英語や現地の言葉を使用し、語学力を磨きながら海外で生活できます。また、英語や現地の言葉の研修プログラムを用意しているケースもあります。
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③現地企業の日本人採用担当
「日本人を雇いたいが日本語が苦手なのでうまく面接ができない」「優秀な日本人の見抜き方がわからない」と悩んでいる現地企業があり、そのような企業で日本人を採用する採用チームのメンバーとして働く選択もあります。
採用チームに1人は日本人を入れたいと考えているケースでは、コミュニケーションが取れれば新卒でも採用担当として海外で働くチャンスがあるのです。
④エンジニア
エンジニアには、プログラマーやシステムエンジニアなどのITエンジニア、工場勤務の製造系エンジニアの2種類があります。どちらも一定以上の需要があり、特に技術が急速に進歩しているITエンジニアのニーズは非常に高いです。
そのため、新卒でもスキルが身に付いていれば、エンジニアとして海外で働けます。ただし、社内マニュアルは英語や現地の言葉で記載されているため、語学力は必要不可欠です。また、コミュニケーションにおいても日本語を使用する機会がないため、最低でも実務レベルの語学力が求められます。
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仕事の特性上言葉の壁は低くなる! 一定のエンジニア経験を積むのがおすすめ
一概に言えないのが実情ですが、エンジニアという職種の特性上、ここで挙げられたほかの仕事に比べると、いわゆる「言葉の壁」に直面することが比較的少ないということはいえます。
要は、そこまで高度な語学力がなくても、世界各国でエンジニアの仕事は務まります。無論、文書の読解力然り、周囲とのやり取りにおける語学力は必要です。
あくまでも、受け入れ先の判断次第ですが、仕事として一定のエンジニア経験がある人の方が、採用されやすいのではないでしょうか。
⑤寿司・和食職人
寿司や天ぷら、すき焼きといった日本食は海外でも人気を集めていて、多くのレストランが出店しています。そのため、寿司職人や和食職人は引く手あまたで、大学在学中に調理経験があれば新卒でも海外で働ける可能性が高いです。
また、旅行で来た日本人が来ることも多いため、日本語が話せるスタッフの求人をおこなっています。オーナーが日本人であるケースもあり、他の職種と比較すると語学力がなくても働きやすいです。
ただし、参入障壁が低い分、海外就職を希望する多くの人が日本食レストランで働こうとしているケース多いため、倍率が高くなるケースも考えられます。
⑥通訳・翻訳
通訳とは、異なる言語を使う人たちの間で言語を翻訳して伝える仕事です。会議通訳やビジネス通訳、スポーツ通訳など、さまざまな働き方があります。
翻訳とは、本や論文などの文章を別の言語で言い換える仕事です。インターネットが発達した現代では働く場所を選ばないため、フリーランスとして活用している人もいます。
通訳が話し言葉を口頭で訳すのに対して、翻訳は書かれた言葉を訳すという違いがあります。どちらも必要な資格はありませんが、相手の意図まで汲み取った翻訳力が必要なため、異文化を理解した仕事を求められます。
その国のことわざやジョークなども含む、深い語学力が求められるでしょう。
ただ、英語が得意なだけでは、他人の気持ちを代弁することは困難です。
長期滞在経験があるなど、その国の文化や人柄・人間性も深く理解していることが必要だといえます。
⑦留学エージェント
留学生をサポートする留学エージェントとして、海外で働いている人もいます。外国人に日本の大学の情報を提供したり、留学の手続きを代わりに実施したりする仕事です。
また、海外留学を検討している日本人大学生をサポートするケースもあります。現地のスタッフや大学生との会話は英語や現地の言葉がメインになるので、語学力が欠かせません。
なお、留学経験者しかわからない悩みや要望に気が付く可能性があるため、選考において留学経験は大きなアピールにつながります。
⑧旅行代理店
現地の旅行代理店では、ツアーを企画するツアープランナーや現地で観光客を案内するツアーガイドとして働けます。日本人観光客を相手にする機会を除くと、コミュニケーションは英語や現地の言葉です。英語圏のツアー客を案内する場合は、英語での説明を求められます。
また、日本の旅行代理店に就職して、駐在員として海外で働くケースもあります。たとえばHISに就職すると、海外ツアーを申し込んだ人の送迎やオプショナルツアーの案内などがおもな業務です。
旅行代理店の選考についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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⑨保育士
日本企業の駐在員が多い国や地域にある保育園では、日本人保育士の採用に注力しています。日本から来た海外に在住している人は、現地の人ではなく、勝手がわかっている日本人に子どもを見てもらいたいと考えている夫婦が多いと言われています。
海外で保育士として働くためには、その国の保育士資格と合わせて実務経験が求められるケースがあります。そのため、新卒から海外で働きたい場合は、ワーキングホリデーで2〜3年程度経験を積んだり、日本で実務経験を積んでから海外の保育園の選考を受ける方法があります。
⑩ホテル・レストランスタッフ
日本人観光客が安心して利用できるように、日本語を話せるスタッフを募集しているホテルやレストランが多くあります。ハイシーズン限定の求人をおこなっている場所もあるため、まずは様子見で短期間だけ働くことも可能です。
また、ホテルとレストランともにワーキングホリデーでも求人をおこなっていて、他の職種と比較すると働き始めるまでの難易度が低いです。ただ、オーストラリアやカナダのような人気の国には応募者が殺到するため、良い条件の求人を見つけるのが難しくなっています。
そのほかの海外で働ける仕事については、こちらの記事で解説しているのでぜひ参考にしてください。
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- とにかく海外で就職したいと思っているのですが、特にハードルが低く始めやすい仕事を教えてください!
3つの仕事と5つの働き方の例を確認してみよう
海外就職へのハードルを下げるには、以下の方法が考えられます。
①語学力のハードルが低い仕事(日本語で業務可能な環境)を見つける
②受入企業が多く、需要が高い職種を探す
③現地ネットワークを活用する
具体的な仕事例としては、以下が挙げられます。
①日系企業の現地法人での事務職やコールセンタースタッフ
②日本食レストランのホール・キッチンスタッフ
③旅行代理店やホテルのフロント係
④工場や物流センターでの作業員
⑤日本人会やコミュニティスクールなどの職員
最初は気軽に就職できる仕事から始め、現地生活に慣れ、語学力とスキルを伸ばしていけば、将来的に希望の仕事に転職することも可能となります。
海外での就職は探し方次第で、意外とハードルを下げられるものです。
特徴別! 新卒の海外就職におすすめの国
新卒の海外就職におすすめの国
新卒で海外就職するにあたって、特定の国に絞って対策しておくことで、志望先に合わせて効率的に選考を進められます。
ここでは入社後キャリアアップしやすい国・ワーキングホリデーが盛んな国・VISAが取得しやすい国に分類しておすすめの国を解説します。新卒の海外就職に適した国を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
入社後キャリアアップしやすい国
海外就職ではキャリアアップに重点を置いている人も多いでしょう。そのような人に向けて、入社後キャリアアップしやすい国を紹介します。
どんどん出世したい、高度なスキルを身に付けたいなどと思う人は参考にしてください。
アメリカ
キャリアアップを目指すなら、世界経済の最先端を走っているアメリカへの就職がおすすめです。
大学を卒業したばかりの社員にも実務経験を求めているのが、実力主義のアメリカです。
新卒で働く人は学生の間に長期インターンに参加し、現場でスキルや経験を得ています。なお、日本の大学に通っている学生がアメリカでの新卒就職を目指す場合も、長期インターンからスタートすることになります。
就労ビザの取得が難しいアメリカですが、インターン先が決まっていればビザを取得可能です。インターンで経験を積んでそのまま就職するというルートもあるため、新卒からアメリカで働きたいならまずは在学中にインターンに参加しましょう。
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ワーキングホリデーが盛んな国
ワーキングホリデーが盛んな国
- オーストラリア
- カナダ
実務経験のない新卒でアジア圏以外を希望している人には、ワーキングホリデーでの渡航をおすすめしています。協定国であればワーキングホリデービザで渡航し、現地で仕事を探せるからです。
先述の通り、ワーキングホリデー制度の協定国は29カ国ありますが、その中でも人気の高い2カ国を紹介します。ワーキングホリデーで働き始めることを考えている人は、ぜひ参考にしてください。
オーストラリア
オーストラリアは1980年から日本とのワーキングホリデー制度を開始していて、最初の協定国です。オーストラリアはワーキングホリデーの渡航先として人気で、シドニーやケアンズ、メルボルンには多くの日本人がいます。
ワーキングホリデーで入国した日本人向けの求人が多く、レストランやホテル、農場などさまざまな場所で就労可能です。
日本より物価が高いものの給与水準も高いため、日本と同じように生活できます。ワーキングホリデー以外で就職するとなると、2年間フルタイムで勤務した経験とビジネスレベルの英語力が必要といわれています。
そのため、新卒でオーストラリアへ渡航して働く場合は、ワーキングホリデー制度の利用がおすすめです。
カナダ
カナダは、オーストラリアとニュージーランドに次ぐ3番目の協定国としてワーキングホリデー制度がスタートしています。多くの日本人が制度を利用して渡航していて、新卒でカナダに就職する人もいます。
カナダのワーキングホリデーでは、バンクーバーやトロント、モントリオールなどで働くのが一般的です。
ホテルやレストランに加えて、雪が多い国らしくスキー場の求人もあるため、スキーやスノーボードが好きな人から特に人気です。また、就労年数に制限がないことや治安が良いことも、渡航先として人気を集めている理由として挙げられます。
移民を多く受け入れてきたカナダ、オーストラリアに加えて、同様に英語圏であり、時差が少ないニュージーランドもおすすめです。
同じく英語圏で考えれば、アイルランドとイギリスもあります。近場というのであれば、韓国や台湾も候補に上がってくるでしょう。
ビザを取得しやすい国
ビザを取得しやすい国
- タイ
- インド
- フィリピン
「何としても海外で働きたい」という人には、就労ビザを取得しやすい国がおすすめです。就労ビザを取得しやすいということは準備にかかる時間が短くなり、効率的に就活を進められるためです。
一般的に就労ビザを取得するには実務経験が求められるため、新卒で海外就職するのは難しいです。しかし、今回紹介する国は実務経験が不要なので、新卒でも働きやすくなっています。
タイ
タイは東南アジアでも就労ビザを取得しやすい国で、新卒の海外就職に適しています。日本人街があって日系企業も多く進出しているため、就職先を探しやすくなっているのです。
また、親日家が多いうえに物価も安く、暮らしやすいのが特徴です。すでにインフラが整備されていてレジャー施設も充実しているため、平均的な収入で生活水準を落とさずに暮らせるでしょう。
インド
経済成長が著しいインドは世界から注目されていて、多くの企業が進出しています。進出企業には日系企業も含まれていて、さまざまな求人がおこなわれています。そのため、仕事を獲得しやすいのが特徴です。
また、発展段階のインドでは人材の確保に注力している企業が多く、特別な能力やスキルがなくても働きやすい傾向があります。実務経験がなくてもビザを取得できることから、新卒未経験でも仕事を見つけられる可能性があります。
ただし、インドは衛生状態に課題を抱えていて、綺麗な場所で暮らしたい人には不向きといえます。水質が非常に汚く、飲むのはもちろん良くありませんが、触れただけで感染症にかかるケースもあります。
フィリピン
フィリピンも実務経験がなくても就労ビザを取得できる国の一つです。IT関係の仕事がメインになる首都マニラ、もしくは観光客が多く訪問するセブ島で働くのが一般的です。
語学力に不安がある人には、日本の飲食店や旅行会社などが多いセブ島をおすすめしています。日本人を相手にする仕事が多く、英語を話せなくても十分に働けるからです。英語のレッスンも定期的に開催されています。
なお、マニラにも一定数の日本人が住んでいて、日本人を相手にするコールセンターやレストランの仕事もあります。さまざまな求人があるため、目的や希望する場所に合わせてチェックしましょう。
アドバイザーコメント
小西 一禎
プロフィールを見る海外就職は目的を抱くことが重要! 目的別に渡航先を検討しよう
何をしたいのか、どの言語を学びたいのか、どんな経験を積み重ねたいのか、どのような仕事をしてみたいのかなどによって、選択の幅が広がります。
目的をしっかりと抱くことで、実りのある時間になるでしょう。「海外なら、どこでもいい」という姿勢で臨むのは避けた方が賢明です。
一つの例として、ワーキングホリデーとして、言語を学びたいケースを考えてみましょう。
上述のように、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの3カ国は英語圏であり、移民やワーキングホリデーを世界各国から受け入れてきた実績があります。
世界で最も汎用性がある英語を学ぶことを考えている場合、これらが有力候補となります。
加えて、イギリス、アイルランドにも同じことが言えます。他にも世界の主要言語に位置付けられる言葉が通じるドイツ、スペイン、フランス、さらには台湾も考えられます。
アメリカは多様な就労ビザがありかけがえのない経験ができるためおすすめ
アメリカ居住歴がある身として1点指摘しておきますが、アメリカには多様な就労ビザがあります。
先述の通り、ビザ取得は困難であるものの、日本人に最もなじみのある国・アメリカで生活することは、かけがえのない経験になること必至です。
「海外で働きたい」を叶える! 新卒が海外就職するために取り組むべきこと
新卒が海外就職するために取り組むべきこと
- 英語力を磨く
- 即戦力だと認められるスキルを習得する
- 就労ビザの取得条件を確認する
- 新卒でも海外就職しやすい仕事を把握しておく
「新卒の海外就職に向けて何をすべきかわからない」と悩んでいる人もいるでしょう。海外就職をしたいと思うものの、情報が少なくて実行できていない学生がいるのも事実。
ここでは、新卒が海外就職するために取り組むべきことを解説します。海外で働きたいという夢を叶えるにあたって、優先順位が高い対策を知りたい人は参考にしてください。
英語力を磨く
仕事ではコミュニケーションをとる必要があるため、会話できない人を雇ってくれる企業はほとんどありません。もし運良く雇ってもらえたとしても、非常に条件が悪い可能性が高いです。海外で働くという目的を叶えるためには、英語力を磨きましょう。
英語の実力を目に見える形で確認したい人には、TOEICの受験がおすすめです。アメリカやオーストラリアのように公用語が英語のネイティブスピーカーが多い国では900点以上、タイやフィリピンのような非ネイティブが多いアジア圏では730点以上が目安になると言われています。
ただ、TOEICのスコアが高くても英語で会話できないと意味がないので、点数は目安程度に考えておき、英会話力やビジネスで使える単語力を磨いておきましょう。
就活で必要なTOEICのスコアは以下の記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
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即戦力だと認められるスキルを習得する
海外は入社後すぐに貢献できる人材を求めているため、即戦力だと認められるスキルを身に付けておきましょう。ITスキルや営業力、マネジメントスキルなどを習得していると、一定の企業から求められる人材になれます。
また、大学や大学院で専門的な内容を学んでいるのであれば、効果的にアピール可能です。たとえば文学部や教育学部で日本語を非ネイティブに教えられるようになっていれば、教員免許を取得していなくても海外の日本語教師として働けるケースがあります。
IT化を進めている国ではIT関連の専門知識が重宝され、コンサルティング会社が多い国では金融関連の専門知識が重宝されます。製造工場が多い国も同様です。あらかじめ、どの産業が活発か調べていくと良いでしょう。
就労ビザの取得条件を確認する
国によって就労ビザの取得条件が異なるため、必ず確認しましょう。実務経験が数年以上必要な国が多く、経験のない新卒ではそもそも就労ビザを取得できなくて働けない可能性があるからです。
タイやインド、フィリピンは実務経験がなくても就労ビザを取得できるため、新卒の海外就職に適しています。
一方で、アメリカやオーストラリア、カナダは数年以上の実務経験が必要なので、長期インターンやワーキングホリデー、オーペアを検討してください。なお、アメリカは2024年6月時点ではワーキングホリデーの協定国に含まれていない点に注意が必要です。
就労ビザがなくても、国によりますが入国は可能です。
仮に、ワーキングホリデーで入国した場合、原則として1年間が在留期間になります。在留期間を超えて滞在を続けると不法滞在になり、強制送還されることもありえるので、注意が必要です。
新卒でも海外就職しやすい仕事を把握しておく
需要の少ない仕事は募集がない可能性もあるため、より合格可能性を上げるには、新卒でも海外就職しやすい仕事を把握しておくのがおすすめです。先述しましたが、改めて新卒でも海外就職しやすい仕事を紹介します。
新卒でも海外就職しやすい仕事
- 日本語教師
- コールセンター
- 現地企業の日本人採用担当
- エンジニア
- 寿司・和食職人
- 通訳・翻訳
- 留学エージェント
- 旅行代理店
- ツアーガイド
- レストラン・ホテルスタッフ
上記の仕事で自分に向いていると感じられるものがあれば、海外で働ける確率を高められるといえるので、参考にしてみましょう。
新卒で海外就職を目指す際の注意点
新卒で海外就職を目指す際の注意点
- 治安が悪い国や地域は避ける
- 生活水準が下がる可能性がある
- 異文化を受け入れる必要がある
新卒で海外就職を目指すにあたって、いくつかの注意点を把握しておきましょう。注意点を知らないままだと働き始めてギャップを感じて、現地での生活が難しくなったりする恐れがあるからです。
せっかく夢をつかみ取っても、働き続けるのが厳しい状況に陥ると日本に帰国せざるを得なくなるかもしれません。後悔なく就活を終えられるように、海外就職を目指す際の注意点を把握しておきましょう。
治安が悪い国や地域は避ける
治安の良い日本に暮らしていると麻痺しがちですが、海外には治安が悪い国や地域があります。安全に暮らすことが大前提になるため、治安が悪い場所は避けましょう。
治安については、外務省の海外安全ホームページから確認可能です。危険情報が出ている国には地図上で色が塗られているため、簡単にチェックできます。就職先の国を選ぶ際は、まず危険情報が発令されていないか調べておきましょう。
生活水準が下がる可能性がある
能力や結果で収入が決まる報酬体系を採用している傾向があり、スキルなどがない状態でただ闇雲に海外で働こうとすると悪い待遇で働くことになるかもしれません。そのため、得られる収入が少なく、日本にいるよりも生活水準が下がる可能性があります。
また、国によっては一部の公共政策を自国民に限定しているケースがあります。現地で働いて税金や社会保険料を納めているにもかかわらず、恩恵を受けられないことがあるのです。
行政から守ってもらえないため、万が一の場合に生活が一気に苦しくなる恐れがあります。
そして、アメリカやオーストラリア、スイスといった物価の高い国で働くと、コストを抑えるために生活水準を下げざるを得ません。高い物価に合わせて収入も高い傾向がありますが、専門性やスキルがなければ高い報酬では働けないことを把握しておきましょう。
生活水準を落とさずに海外で暮らすためには、「物価水準」「収入水準」「公的サービスの質」の3点を総合的に確認しましょう。
生活水準を維持できる可能性が高い国としては、たとえば以下が挙げられます。
・シンガポール
・オランダ
・ドイツ
・カナダ
・ニュージーランド
これらの国は、物価が過度に高くなく、給与水準も比較的高く、社会保障制度も整備されているため、日本人の生活水準を維持できる国とされています。
異文化を受け入れる必要がある
食事や居住環境、価値観などが日本と海外で大きく異なるため、働き始めてから苦労する人が多くいます。
適応できずに働き続けていると仕事のパフォーマンスが低下したり、そもそも働き続けるのが難しくなったりするかもしれません。そのため、海外就職では異文化に対応できるかどうかを確認されるケースもあります。
働き始めてから現地の生活に慣れるには時間がかかるため、勤務前に1カ月ほど現地の生活を体験したり、インターンに参加して現地の人の仕事に対する考え方を知ったりすることがおすすめです。異文化を受け入れて働けるように、事前の準備を大切にしましょう。
自分に合った方法を見極めて新卒の海外就職を成功させよう
新卒一括採用や終身雇用といった制度が残っている日本と違い、海外には新卒採用という考え方がなく、採用時点で戦力になる人材を求めています。そのため、大学で専門分野を勉強したり、長期インターンに参加して実務経験を積んだり、仕事で役立つスキルを身に付けたりすることが大切です。
また、新卒の海外就職を成功させるためには、海外で働く方法を知っておく必要があります。海外インターンへの参加やオーペア、ワーキングホリデーなどがあるので、自身に合った方法を選択しましょう。
なお、海外で需要の高い仕事や就労ビザの取得条件を確認しておくと、よりスムーズに新卒の海外就職を進められます。実務経験のない新卒は就労ビザの取得が難しいため、特にビザについては詳しく調べておいてください。
海外の就職活動は日本との違いが多いため、調査を徹底し納得のキャリアを見つけましょう。
アドバイザーコメント
古田 文子
プロフィールを見る海外就職経験者はたくさんいる! 先輩に頼ることも検討しつつ慣れていこう
英会話に自信がないから海外で就職なんてできないと考えていませんか。世界の言語の中でも日本語は難易度が高いと言われていますが、気がつくと自然に日本語を話しているように、語学は「学ぶ」というより「慣れる」ものだとも言われています。
必要に迫られた環境にいると、知っている単語をつなげて何とか会話をしようとするでしょう。それを繰り返すうちに、自然と会話が身に付いていくものです。
海外で就職するのはあなたが世界初ではありません。周りを見れば経験者はたくさんいます。活用できるものは活用し、頼れる先輩がいるなら頼ってみましょう。
「高いスキルを身に付けるため」に海外に就職すると考えよう
「水が合わないかもしれない」「異文化になじめる気がしない」など、諦めるための理由はいくらでも出てきます。
物凄いスキルを持っているから海外で就職するのではなく、物凄いスキルを身に付けるために海外に行くと捉えてみましょう。
どうしても迷いが捨てきれない人は、できるかどうかではなく、やりたいかどうかで考えてみてくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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ジャーナリスト/キャリアコンサルタント
Kazuyoshi Konishi〇大手メディア政治記者を経て、配偶者の海外転勤に伴いキャリアを一時中断。現在は大学院でキャリア形成を研究する一方、プロの文章力を活かし各メディアで幅広く記事を執筆。
プロフィール詳細キャリアコンサルタント
Arisa Takao〇第二新卒を中心にキャリア相談を手掛け、異業種への転職をサポートする。管理職向けの1on1やコンサルティング業界を目指す新卒学生の支援など年齢や経歴にとらわれない支援が持ち味
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上
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