
宅地建物取引士(宅建)試験は、不動産業界はもちろん、金融や建設業界でも評価されやすい国家資格の一つです。出題範囲が法律分野を中心に多岐にわたるため、早めに全体像をつかんで計画的に学習を進めることが合格への近道になります。
この記事では、キャリアコンサルタントの板谷さんとともに宅建試験の解き方のポイントを解説していきます。出題されやすいテーマも一覧で紹介しているので、押さえておくべき知識に抜け漏れがないか必ず確認しておきましょう。
記事の後半には練習問題を15問用意しています。本番前に自分の理解度を試したい人は、ぜひ一通り解いてみてください。
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例題を解く前に確認しよう! 宅地建物取引士試験の解答のコツ
宅地建物取引士試験の概要
- 問題パターン:4択選択式
- 1問あたりの時間:100秒
- 出題頻度:テストセンター(なし)ペーパーテスト(あり)Webテスティング(なし)
- 宅建の解答のコツを教えてください!
まずはテキストを一通り読もう! 苦手な分野を繰り返し解くことで得点アップ
宅建は、不動産業務では必須資格であるほか、建設、住宅メーカーや銀行などでも不動産担保融資の知識として活用することが可能です。
最近は、地方の酒蔵や老舗企業が一棟貸しの高級ホテルを開業するなどの新規事業が増えてきています。新規事業や店舗開発の文脈でも活かすことのできる知識です。
ほかにも、副業として民泊をおこなう場合やシェアハウスを始めるケースなどでも、宅建を持っている契約内容の確認に役立ちます。知名度のある国家試験のため、継続して試験勉強ができる自己管理能力を示すのにも有用です。
問題の難易度としては、中学生でも論理的に考えれば解ける問題と、法改正を踏まえた知識問題が混在しています。
出題パターンは決まっているので、まずはテキストを一度おおまかに読んでみましょう。過去問を解きながら、間違えた問題や苦手な問題を集中的に復習する進め方がおすすめです。
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宅建の練習問題15問|板谷さんによる解き方の解説付き!
ここからは、宅建試験の練習問題を板谷さんの解説付きで15問紹介します。法律用語や数字の細かい部分が問われやすいので、わからなかった問題こそ解説をしっかり読み込んでおきましょう。
宅建試験の対策を始めたばかりの人は、まず「問題を解く前に確認! 宅建試験の解答のコツ」を読むことをおすすめします。
問題1(難易度:★★★☆☆)
問題
宅地建物取引業法における「宅地」に関する次の記述のうち、宅地に当たるものはいくつあるか。
ア.登記記録上の地目が保安林で、リゾートマンションの敷地に供する目的で取引される土地
イ.登記記録上の地目が宅地で、地方公共団体が公衆の憩いの場として管理する広場
ウ.登記記録上の地目が牧場で、家畜を飼育するための畜舎の敷地として永続的に使用されている土地
エ.登記記録上の地目が畑で、資材置場として利用されている土地
選択肢
正解:B
宅地建物取引業法において「宅地」とは、①現に建物の敷地に供されている土地、②将来建物の敷地として使用する目的で取引される土地、③用途地域内の土地(道路・公園・河川・広場・水路を除く)のいずれかに該当しているものをいう。
ア:リゾートマンション(建物)の敷地として使用する目的で取引される土地であり、②に該当するため宅地に当たる。
イ:登記上の地目は宅地だが、公衆の憩いの場として公共の用に供される広場に当たるため、除外対象となり宅地ではない。
ウ:畜舎は建築基準法上の「建物」に該当する。そのため、畜舎の敷地として現に使用されている土地は①に該当し、宅地に当たる。
エ:資材置き場として利用されている土地は、建物の敷地でも建物用地として取引されるものでもないため、宅地には当たらない。
よって、宅地に該当するのはア・ウの2つであり、正解はBである。
この問題のポイントは「地目は関係ない」ということです。
宅建法上の「宅地」かどうかは、登記記録上の地目ではなく、その土地が建物の敷地として使われているか、使う目的で取引されているかで判断します。
「イ」で「地目が宅地だから宅地」と選んでしまわないように注意しましょう。
「地目」と「宅地法上の宅地」が別物と覚えておくと類似問題が出題された際に対応できるようになります。
問題2(難易度:★★★☆☆)
問題
宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引士の登録に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A.宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、いかなる場合であっても登録を受けることができない。
B.刑法第204条(傷害)の罪により罰金の刑に処せられた者は、その刑の執行を終わり、または刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないと、登録を受けることができない。
C.宅地建物取引業法の規定に違反したことにより拘禁の刑に処せられ、その刑の執行予備を言い渡された者は、その執行猶予期間が満了した日から5年を経過しないと、登録を受けることができない。
D.心身の故障により宅地建物取引士の業務を適正におこなうことができない者として国土交通省令で定めるものに該当することとなったため登録が削除された者は、その事由が消滅したときであっても、削除の日から5年を経過しないと、再度登録を受けることができない。
選択肢
正解:B
Aは誤り。法定代理人から宅地建物取引業法を営むことについて許可を受けた未成年者は、成年者と同一の行為能力を有する者として扱われるため、登録を受けることができる。よって、「いかなる場合であっても」は誤り。
Bは正しい。刑法第204条(傷害)の罪は、宅建業法第18条第1項第5号に定める欠格事由の犯罪対象に該当する。罰金刑であっても欠格事由となり、刑の執行が終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しなければ、登録を受けることができない。
Cは誤り。宅建業法違反により執行猶予付きの拘禁刑に処せられた場合は、執行猶予期間が満了すれば登録欠格事由は消滅し、さらに5年間待つ必要はない。
Dは誤り。心身の故障を理由として登録が削除された者は、その状態が回復すれば、5年を経過しなくても再登録を受けることができる。
この問題のポイントは、「5年待つ必要があるケース」と「5年待つ必要がないケース」の見極めです。
刑の執行終了後は原則5年の欠格期間がありますが、執行猶予が満了した場合はその時点で即座に欠格が解消されます。また、心身の故障は回復すれば再登録可能で、5年は関係ありません。
「どんな場合でも5年」ではないため、この機会に整理して覚えておきましょう。
問題3(難易度:★★★☆☆)
問題
宅地建物取引業者甲が、宅地建物取引士乙をして、宅地建物取引業法第35条の規定にもとづく重要事項の説明(以下この問において「重要事項説明」という)をさせる場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A.乙は、重要事項説明をおこなうに際し、相手方から請求がなかったため宅地建物取引士証を提示しなかった。この場合、乙は10万円以下の過料に処せられることがある。
B.乙が、甲の専任の宅地建物取引士ではなく、非常勤の短時間勤務労働者である場合、甲は、乙をして重要事項説明をさせたとしても、法第35条の義務を果たしたことにはならない。
C.甲は、当該売買、交換または貸借の契約を締結した後に、遅滞なく、乙をして重要事項説明をさせ、かつ、法第35条の書面を交付させなければならない。
D.重要事項説明の相手方が宅地建物取引業者である場合、甲は、乙をして重要事項説明をさせる必要はなく、法第35条の書面の交付も省略することができる。
選択肢
正解:A
Aは正しい。宅建業法第35条第3項により、宅地建物取引士は重要事項説明をおこなう際、相手方からの請求の有無にかかわらず、自ら宅地建物取引士証を提示しなければならない。提示を怠った場合は、同法第73条第1項により10万円以下の過料に処せられることがある。
Bは誤り。重要事項説明は専任の宅地建物取引士である必要はなく、法定の要件を満たす宅地建物取引士であれば足りる。
Cは誤り。重要事項説明および35条書面の交付は、契約成立前におこなわなければならない。
Dは誤り。相手方が宅建業者である場合には重要事項説明自体を省略できるが、35条書面の交付義務まで免除されるわけではない。
宅建士証の提示は「相手方に請求されたら提示する」ものではなく、「説明の際に必ず自ら提示する」義務です。請求の有無は関係ありません。
また、相手方が宅建業者の場合は説明は省略できるが、書面交付は必須という区分に関しても頻出ポイントです。
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問題4(難易度:★★★☆☆)
問題
宅地建物取引業者がおこなう宅地または建物の売買の媒介における、宅地建物取引業法第35条の規定にもとづく重要事項を記載した書面(以下この問において「35条書面」という)および同法第37条の規定にもとづく書面(以下この問において「37条書面」という)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A.買主が宅地建物取引業者である場合、35条書面の交付を省略することはできないが、37条書面の交付は省略することができる。
B.35条書面は宅地・建物を取得または借りようとする者(買主・借主)を保護するための書面であり、契約成立前に買主に対して交付すればよく、売主への交付は不要である。一方、37条書面は契約の当事者双方の権利義務を明確にするための書面であるため、契約成立後に売主・買主の双方に交付しなければならない。
C.35条書面および37条書面のいずれについても、宅地建物取引業者に交付する前に、宅地建物取引士をしてその内容を説明させなければならない。
D.買主が宅地建物取引業者でない場合、35条書面および37条書面の交付は、宅地建物取引業者の事務所以外の場所でおこなうことはできない。
選択肢
正解:B
Aは誤り。取引の相手方が宅建業者であっても、35条書面・37条書面の交付義務は免除されない。
Cは誤り。35条書面・37条書面には宅地建物取引士の記名が必要であるが、その内容について宅地建物取引士が説明する義務まではない。
Dは誤り。35条書面・37条書面の交付は事務所内に限定されず、事務所以外の場所でおこなうことも認められている。
35条書面と37条書面は「何が違うか」を整理しておきましょう。以下3つがポイントです。
①タイミング
35条は契約成立前、37条は契約成立後遅滞なくです。
②交付相手
35条は買主・借主のみ、37条は契約の両当事者(売主・買主・貸主・借主の双方)となっています。
③説明義務
35条は説明が必要ですが、37条は記名だけで良いです。
問題5(難易度:★★★☆☆)
問題
宅地建物取引業者でない買主甲が、宅地建物取引業者である売主乙と宅地の売買契約を締結した場合における、宅地建物取引業法第37条の2の規定による売買契約の解除(以下この問において「クーリング・オフ」という)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A.甲は、甲自らの申出により、甲が懇意にしている法律事務所の応接室で売買契約を締結したときは、クーリング・オフによる契約の解除をすることができない。
B.甲は、乙の従業員の申出により、甲の自宅で売買契約を締結したときは、クーリング・オフによる契約の解除をすることができない。
C.甲は、乙から売買の媒介を依頼された宅地建物取引業者丙の申出により、丙の専任の宅地建物取引士が置かれた事務所で売買契約を締結したときは、クーリング・オフによる契約の解除をすることができない。
D.甲は、乙の設置した土地の分譲地にあるテント張りの案内所で買受けの申込みをし、その翌日、乙の申出により甲の勤務先で売買契約を締結したときは、クーリング・オフによる契約の解除をすることができない。
選択肢
正解:C
Aは誤り。買主の申出であっても、事務所等に該当しない法律事務所の応接室での契約締結はクーリング・オフの対象となる。
Bは誤り。買主の自宅での契約締結は、買主自らが申し出たときに限りクーリング・オフの対象外となる。売主側からの申出による場合は解除できる。
Cは正しい。クーリング・オフが適用されない「事務所等」には、売主から媒介を依頼された宅地建物取引業者の事務所も含まれる。丙の申し出かどうかは関係なく、丙の事務所が「事務所等」に該当するためそこで締結した契約に関してはクーリング・オフによる解除をすることができない。
Dは誤り。申込みと契約の場所が異なるときは申込場所を基準とする。テント張りの案内所は事務所等に該当しないため解除できる。
クーリング・オフは「どこで申し込み・契約したか」が判断基準です。
「誰が申し出たか」は原則関係ありませんが一つだけ例外があります。買主の自宅・勤務先だけは、「買主本人が申し出た場合のみ」対象外です。
また、申し込みと契約の場所が異なる場合は「申し込み場所」が基準となります。テント張りの案内所は事務所等には該当せず注意が必要です。
問題6(難易度:★★★☆☆)
問題
被相続人甲の子が乙であり、乙の子が丙であり、丙が甲の直系卑属である場合において、民法の規定によれば、甲が死亡した際に丙が乙を代襲して甲の相続人となるときをすべて掲げたものはどれか。
ア.甲が死亡する以前に、乙が死亡したとき
イ.乙が甲を脅迫して自分に有利な遺言書を作成させ、相続欠格となったとき
ウ.乙が甲を虐待したため、甲の請求によって乙が家庭裁判所から排除されたとき
エ.乙が甲の相続について、家庭裁判所に相続放棄の申述をしたとき
選択肢
正解:B
代襲相続が認められる原因は、相続開始以前の「死亡」、遺言書の偽造や強迫による「相続欠格」、被相続人への虐待などによる「排除(廃除)」の三つに限られる。相続放棄は代襲相続の原因とはならない。
アは甲の死亡前に乙が死亡しているため、死亡を原因とする代襲相続が成立し、丙が相続人となる。
イは乙が強迫によって甲に相続に関する遺言書を作成させた場合であり、民法891条4号の相続欠格に該当する。欠格は代襲相続の原因となるため、丙が相続人となる。
ウは乙が甲を虐待したことにより排除(廃除)された場合である。被相続人の請求による家庭裁判所の廃除は代襲相続の原因となるため、丙が相続人となる。
エは乙が相続放棄をした場合であり、相続放棄をした者は初めから相続人でなかったものとみなされる(民法939条)。相続放棄は代襲相続の原因とならないため、丙は代襲相続人とはなれない。
したがって、丙が代襲して相続人となるのはア、イ、ウのときであり、正解はBである。
代襲相続の原因は「死亡・欠格・排除(廃除)」の3つです。「相続放棄」は含まれていないため注意しましょう。放棄した人の子どもは代わりに相続できません。
また、相続欠格は被相続人への殺害・遺言書の偽造、強迫など、故意による違法行為が原因となります。廃除は家庭裁判所への申し立てが必要な点も押さえておきましょう。
問題7(難易度:★★★☆☆)
問題
都市計画法に規定する都市計画の内容に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A.景観地区は、市街地の良好な景観の形成を図るため定める地区であり、都市計画に建築物の形態意匠の制限などを定めることができる。
B.高度利用地区は、用途地域内において市街地の高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度および最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度などを定める地区である。
C.第一種低層住居専用地域は、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域である。
D.特別用途地区は、農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地区である。
選択肢
正解:D
Aは正しい。景観地区では、良好な景観形成のために建築物の形態意匠などを規制することができる。
Bは正しい。高度利用地区では、土地の合理的かつ高度な利用を図るため、容積率や建ぺい率などが定められる。
Cは正しい。第一種低層住居専用地域は、低層住宅のための良好な住環境を保護することを目的としている。
Dは誤り。特別用途地区は、用途地域を補完し、地域の特性に応じた特別の目的のために土地利用を増進する地区である。本肢は田園住居地域の趣旨と混同した内容となっている。
この問題のポイントは「田園住宅地域」と「特別用途地区」の混同を見抜けるかどうかにあります。
「農業の利便の増進を図りつつ、低層住宅の良好な住環境を保護する」のは田園住宅地域(9番目の用途地域)の説明です。
特別用途地区は、用途地域の指定を補完する形で、地区ごとの特別な目的に応じて土地利用をコントロールするものです。
問題8(難易度:★★★☆☆)
問題
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、条例による特別の定めはないものとし、「都道府県知事」とは指定都市・中核市・施行時特例市にあってはその長をいう。
A.市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域においておこなう、社会福祉法に規定する社会福祉施設の新築については、都道府県知事の許可が不要である。
B.開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的でおこなう土地の区画形質の変更をいい、1ヘクタール以上の野球場の建設は開発行為にはあたらない。
C.区域区分が定められていない都市計画区域において、宿泊施設の建築の用に供する目的でおこなう5,000平方メートルの開発行為は、都道府県知事の許可が不要である。
D.自己の居住の用に供する住宅の建築を目的としておこなう開発行為以外の開発行為にあっては、原則として開発区域内に建築基準法に規定する災害危険区域内の土地を含んではならない。
選択肢
正解:D
Aは誤り。社会福祉施設は公益上必要な建築物から除外されたため、市街化調整区域での新築には都道府県知事の許可が必要となる。
Bは誤り。1ヘクタール以上の野球場は第二種特定工作物に該当するため、その建設を目的とする土地の区画形質の変更は開発行為にあたる。
Cは誤り。非線引き都市計画区域では3,000平方メートル以上の開発行為に許可が必要であり、5,000平方メートルは許可が必要となる。
Dは正しい。自己居住用以外の開発行為では、技術的基準として開発区域内に災害危険区域などを含まないようにしなければならない。
開発許可の問題では、
①どのエリアか(市街化区域・非線引き・市街化調整区域など)②規模が基準以上か(非線引きは3,000平方メートル以上)
③許可が不要な例外に該当するか
の3点を順番に確認するよう意識しましょう。
また「第二種特定工作物」は1ヘクタール以上の野球場等、動物園、遊園地が該当します。ゴルフコースは規模に関係なく、第二種特定工作物です。
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問題9(難易度:★★★☆☆)
問題
建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
A.建築主は、建築確認が必要な建築物の新築をしようとする場合は、建築基準法令の規定に適合させるだけでなく、都市計画法などの建築基準関係規定にも適合することについて確認を受ける必要がある。
B.建築主は、階数が2の木造住宅を新築しようとする場合は、工事着手前に建築確認を受け確認済証の交付を受ける必要があるが、当該住宅の大規模の模様替えをしようとする場合には建築確認を受ける必要はない。
C.延べ面積が1,000平方メートルを超える木造建築物は、その外壁および軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造としなければならない。
D.床面からの高さが1メートル以下の階段の部分には、手すりを設けなくてもよい。
選択肢
正解:B
Aは正しい。建築確認では建築基準法令だけでなく都市計画法などの建築基準関係規定への適合も審査される。
Bは誤り。2025年4月施行の建築基準法改正により、従来「4号建築物」として確認対象外だった木造2階建ての建築物のうち、述べ面積200平方メートルを超えるものは「新2号建築物」に移行し、大規模な修繕・模様替えにも建築確認が必要となった。本問の「階数2の木造住宅」が新2号に該当する場合、大規模な模様替えにも確認が必要であり「不要」とする記述は誤りである。
Cは正しい。延べ面積1,000平方メートル超の木造建築物は外壁等の延焼のおそれのある部分を防火構造にする必要がある。
Dは正しい。手すりの設置義務は高さ1メートルを超える階段に生じるため、1メートル以下であれば不要である。
2025年4月に建築基準法が改正され、旧4号建築物の扱いが変わりました。
木造2階建て延べ面積200平方メートルを超える住宅は「新2号」に移行し、大規模修繕・模様替えにも建築確認が必要になっています。古いテキストを使っている人は注意が必要です。
2025年の重要法改正は「【宅建試験対策】令和7年(2025年)の重要法改正(改正点)一覧」を参考にしてみてください。
問題10(難易度:★★★☆☆)
問題
土地の売買による所有権の移転登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
A.この税率の軽減措置は、登記記録上の地目が山林となっている土地の売買による所有権の移転登記についても適用される。
B.この税率の軽減措置の適用対象となる土地は、その価額が5,000万円以下のものに限られる。
C.この税率の軽減措置は、宅地建物取引業者である法人が土地の売買による所有権の移転登記を受ける場合には適用されない。
D.この税率の軽減措置の適用対象となる土地は、その面積が500平方メートル以上のものに限られる。
選択肢
正解:A
Aは正しい。土地の売買による所有権移転登記の登録免許税の税率軽減措置は、土地の地目を問わず適用されるため、山林であっても対象となる。
Bは誤り。この軽減措置には土地の価額に関する制限はないため、5,000万円を超える土地であっても適用される。
Cは誤り。この軽減措置は個人のみならず、法人であっても適用される。
Dは誤り。この軽減措置には土地の面積に関する制限の定めはないため、500平方メートル未満の土地であっても適用される。
登録免許税の軽減措置は「土地の売買による所有権移転登記」が対象で、税率が本則2%から1.5%に下がります。
ただし、2029年3月31日までの期間限定であるため、注意しましょう。
問題11(難易度:★★★★☆)
問題
宅地建物取引業者Aは売主甲の依頼を受け、宅地建物取引業者Bは買主乙の依頼を受けて、甲乙間に代金4,000万円とする土地の売買契約を締結させた。AおよびBが受領した報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。なお、A、Bともに消費税の課税事業者とする。
A.Aが媒介でBが代理の場合、Aは甲から140万円、Bは乙から120万円の報酬を受領した。
B.Aが代理でBが媒介の場合、Aは甲から150万円、Bは乙から100万円の報酬を受領した。
C.AとBがともに媒介の場合、Aは甲から120万円、Bは乙から140万円の報酬を受領した。
D.AとBがともに代理の場合、Aは甲から150万円、Bは乙から130万円の報酬を受領した。
選択肢
正解:B
代金4,000万円の売買における媒介の報酬上限は、一方につき(4,000万円×3%+6万円)×1.1=138万6,000円、代理はその2倍の277万2,000円となる。複数の業者が関与しても受領できる全体の合計上限は277万2,000円である。
選択肢Aについて、A=媒介140万円、B=代理120万円 A媒介:140万円>138.6万円→個別上限環境外× B代理:120万円≤277.2万円○
合計:260万円≤277.2万円○ →媒介Aが個別上限を超えているため違反している。
選択肢Bについて、A=代理150万円、B=媒介100万円 A代理:150万円≤277.2万円○ B媒介:100万円≤138.6万円○
合計:250万円≤277.2万円○ →代理のAが150万円、媒介のBが100万円で、それぞれ個別の上限を超えておらず、合計額250万円も全体の限度額以内であるため違反しない。
選択肢Cについて、A=媒介120万円、B=媒介140万円 A媒介:120万円≤138.6万円○ B媒介:140万円>138.6万円→個別上限超過×
合計:260万円≤277.2万円○ →Bがそれぞれ個別の上限を超えているため違反している。
選択肢D:A=代理150万円、B=代理130万円 A代理:150万円≤277.2万円○ B代理:130万円≤277.2万円○
合計280万円>277.2万円→合計超過× →合計額が277万2,000円を超えるため違反となる。
報酬計算問題は
①媒介の個別上限(138.6万円)
②全体合計の上限(277.2万円)
の2つの基準をチェックする必要があります。
消費税課税事業者の場合は、1.1倍にすることを忘れないようにしてください。代理業者の上限は媒介の2倍ですが、複数業者が関与する場合でも全体合計は277.2万円になります。
報酬計算は出題頻度の高い得点源の単元です。計算式を書いて練習しましょう。
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問題12(難易度:★★★★☆)
問題
所有者甲が乙に土地を売却し、その後乙が丙に当該土地を売買契約にもとづき売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例によれば、正しいものはどれか。なお、丙は背信的悪意者ではないものとする。
A.土地の所有権移転登記が甲の名義のままであった場合、乙が丙に土地を売却した後は、乙は甲に対して自己に土地の所有権移転登記をするよう請求することはできなくなる。
B.丙は、土地の所有権移転登記を備えていなければ、乙から直接買い受けていない甲に対して、自己が土地の所有者であることを主張することができない。
C.甲乙間の売買契約が、乙丙間の売買契約締結よりも前に甲により解除されていた場合、または乙丙間の売買契約締結後に甲により解除された場合のいずれの場合であっても、丙は、土地の所有権移転登記を備えれば、甲に対して自己の所有権を主張することができる。
D.甲乙間の売買契約が、乙丙間の売買契約締結よりも前に乙の強迫を理由として取り消されていた場合、または乙丙間の売買契約締結後に乙の強迫を理由として取り消された場合のいずれの場合であっても、丙は、乙の強迫につき善意であり、かつ過失がなければ、甲に対して自己の所有権を主張することができる。
選択肢
正解:C
Aは誤り。乙は丙への売却後でも、甲に対して所有権移転登記を請求する権利を失わない。乙が丙に売却した事実は、甲に対する登記請求権に影響しない。
Bは誤り。甲→乙→丙という順次譲渡の場合、甲はすでに乙への売却で所有権を失っているため、丙と甲は対抗問題の当事者とならない。丙は登記がなくても甲に対して所有権を主張することができる。
Cは正しい。甲乙間の売買契約が甲により解除された場合、①乙丙間の契約締結前に解除されたときは丙は解除後の第三者となり、登記を備えれば甲に対して所有権を主張できる。②乙丙間の契約締結後に解除されたときは丙は解除前の第三者として民法545条1項ただし書により保護され、登記を備えれば甲に対抗できる。よって、いずれの場合も登記があれば甲に主張できる。
Dは誤り。強迫による取消しは詐欺と異なり、取消し前の第三者は善意・無過失であっても保護されない(甲が優先される)。また、取消し後の第三者に対しては登記の先後で決まるため、いずれの場合であっても「善意・無過失であれば当然に所有権を主張できる」とする記述は誤りである。
この問題は「解除」と「取り消し」、「詐欺」と「強迫」の違いを整理できるかがポイントとなります。
解除の場合は解除前・後いずれも「登記があれば保護される」で統一です。
取り消しは「詐欺」なら善意・無過失の第三者はおおむね保護されますが、「強迫」の場合は善意・無過失であっても保護されません。
問題13(難易度:★★★★☆)
問題
個人である甲が、①賃貸人乙と賃借人丙との間の期間2年の居住用家屋の賃貸借契約にもとづく丙の一切の債務の連帯保証契約を乙と締結した場合(以下「保証契約①」という)、②売主丁と買主戊との間の居住用建物の売買契約にもとづく代金支払債務の保証契約を丁と締結した場合(以下「保証契約②」という)に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
A.保証契約①は書面によってしなければ無効であるのに対し、保証契約②は書面によらず口頭で契約を締結しても有効に成立する。
B.乙が甲に対して連帯保証債務の履行を請求してきた場合には、甲はまず丙に請求するよう主張できるのに対し、丁が甲に対して保証債務の履行を請求してきた場合には、甲はまず戊に請求するよう主張することはできない。
C.保証契約①は保証の限度額である極度額を定めなければ無効であるのに対し、保証契約②は極度額を定める必要はない。
D.保証契約①および保証契約②において、甲が主たる債務者の委託を受けて保証人となった場合、甲が債権者に対して主たる債務の履行状況に関する情報提供を請求したとき、乙はこれを遅滞なく提供しなければならないのに対し、丁は提供する義務を負わない。
選択肢
正解:C
Aは誤り。民法446条2項は「保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない」と定めており、根保証が否かを問わずすべての保証契約に書面が要求される。保証契約②も書面によらなければ無効であり、口頭での成立は認められない。
Bは誤り。連帯保証人には催告の抗弁権・検索の抗弁権はないが、通常保証人には催告の抗弁権が認められる。
Cは正しい。個人が保証人となる根保証契約では極度額を定めなければならないが、特定の売買代金債務を保証する通常の保証契約には極度額の定めは不要である。
Dは誤り。民法458条の2により、主たる債務者の委託を受けた保証人から請求があった場合、根保証か否かを問わず債権者は遅滞なく主たる債務の履行状況に関する情報を提供しなければならない。したがって丁もこの義務を負う。
この問題のポイントは「根保証」と「通常保証」の違いです。
賃貸借の「一切の債務」のように将来生じる不特定の債務を保証する場合は根保証となり、極度額が必須です。
一方、売買代金のような特定の債務の保証は根保証ではなく極度額は不要となります。
また、連帯保証人は催告の抗弁権がなく、通常保証人は持っているという対比も頻出です。書面要件は全保証共通と押さえておきましょう。
問題14(難易度:★★★★☆)
問題
意思表示に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア.表意者が真意でないことを知ってした意思表示は、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、または知ることができたときは無効となるが、相手方が善意無過失であるときは、その無効を善意の第三者に対抗することができる。
イ.相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効であり、その無効は善意の第三者に対抗することができないが、当該第三者に過失があるときは、その無効を対抗することができる。
ウ.意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは取り消すことができるが、表意者に重大な過失があったときは、相手方が表意者に錯誤があることを知り、または重大な過失によって知らなかったときであっても、表意者は錯誤による取消しをすることができない。
エ.強迫による意思表示は取り消すことができるが、その強迫につき善意であり、かつ過失がない取消し前の第三者には、その取消しを対抗することができない。
選択肢
正解:D
アは誤り。①相手方が善意無過失であれば心裡留保は有効に成立するため、「無効を対抗する」という状況自体が生じない。②仮に相手方が悪意・有過失で無効になった場合であっても、民法93条2項により善意の第三者には無効を対抗することができない。よってアの後半記述は二重の意味で誤りである。
イは誤り。通謀虚偽表示の無効は善意の第三者に対抗できないが、第三者は善意であれば足り、過失があっても保護される。
ウは誤り。表意者に重過失がある場合でも、相手方が錯誤を知り、または重過失により知らなかったときは錯誤取消しをすることができる。
エは誤り。強迫による取消しは、詐欺と異なり、取消し前の善意無過失の第三者にも対抗することができる。したがって、誤っているものは四つすべてである。
意思表示の問題は、「詐欺・強迫・心裡留保・通牒虚偽表示・錯誤」の5つを整理するのが効果的です。
各パターンの状況に関しての表などをよく確認して、それぞれの場合についての理解を深めましょう。
問題15(難易度:★★★★☆)
問題
甲が乙から期限の定めなく金銭を借り入れる金銭消費貸借契約に関する次の記述のうち、民法の規定および判例によれば、正しいものはどれか。
A.甲は、本件契約に基づく自己の債務を担保するために、甲が所有する山林に対して、乙のために抵当権を設定することはできるが、質権を設定することはできない。
B.甲が本件契約に基づく債務の弁済を怠ったとき、乙が甲から別途預かっている時計を占有している場合には、乙は当該時計の返還時期が到来しても弁済を受けるまでその時計に関して留置権を行使することができる。
C.甲が本件契約に基づく債務の弁済を怠った場合には、乙は法律の定めに基づき、当然に甲の総財産に対して先取特権を行使することができる。
D.甲が、期限が到来している乙の悪意による不法行為に基づく損害賠償請求権を乙に対して有している場合、甲は甲の本件返還債務を乙に対する当該損害賠償請求権を自働債権として相殺することができる。
選択肢
正解:D
Aは誤り。不動産については、抵当権だけでなく質権を設定することもできる。
Bは誤り。留置権が成立するためには、その物に関して生じた債権であること(牽連性)が必要であり、本問では要件を満たさない。
Cは誤り。先取特権は法律が定めた特定の場合に限り成立する法定担保物権であり(民法306条等)、金銭消費貸借に基づく貸金返還請求権は先取特権の対象として列挙されていない。したがって、乙は先取特権を行使することができない。
Dは正しい。民法509条は「悪意による不法行為に基づく損害賠償債務を負う者(加害者)」が、その損害賠償債務を受働債権として相殺することを禁じている。しかし、本問では、被害者甲が加害者乙への損害賠償請求権を自働債権として、自己の借金返還債務を受働債権として相殺しようとしており、これは民法509条の禁止対象外である。よって甲は相殺することができる。
相殺ルールで引っかかりやすいのが民法509条です。「悪意の不法行為」が絡む相殺は禁止と覚えると誤答につながります。
禁止されているのは「加害者が損害賠償債務を受働債権として相殺すること」だけです。被害者が損害賠償請求権を自働債権として使う相殺は禁止されていません。
「誰が相殺しようとしているか」「自働債権・受働債権はどちらか」を丁寧に整理することで正答を導き出すことができます。
宅地建物取引士試験を対策する際のポイント
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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アドバイザーのリアル・アドバイス!分野ごとの対策方法をチェック! 最新の情報かどうか必ず確かめよう
キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
板谷 侑香里
プロフィールを見る宅建は合格率15%前後の国家試験ですが、出題パターンが決まっているため、繰り返し過去問を解くことで確実に得点できます。
まず、「宅建業法」を最優先に固め、次に「法令上の制限」、「税その他」の順で対策を進めましょう。民法の権利関係は深掘りせず、基本的な判例や規定の理解を中心に6〜7割の得点を目指すのが現実的な戦略です。
「宅建業法」では、重要事項説明(35条)、37条書面、報酬計算、クーリング・オフが頻出分野です。買主保護や消費者保護の観点を意識して、「なぜこのルールがあるのか」を意識することで、理解しやすくなります。
法律は数字とセットで暗記しよう! 法改正にも注意が必要
「法令上の制限」は暗記中心ですが、面積、期間、戸数などの取り違いが多い分野です。過去問を繰り返しながら、数字をセットで覚えましょう。
過去問によっては以前の法律が適用されているものがあるため、間違えて暗記してしまう可能性があります。建築基準法・建築物省エネ法 改正法制度説明資料(令和6年9月版・最新)などの最新の法改正に目を通し、改正ポイントについてはチェックしましょう。
「税その他」は出題パターンが絞られているため、過去問演習だけで対応できます。登録免許税、不動産取得税、地価公示法の基本論点を押さえておきましょう。
「民法の権利関係」は、意思表示、保証、相続、代理などの頻出テーマを中心に取り組んでください。