デザイナーは、「自分の思いを形にできる」「ユーザーの反応が直に見られる」魅力があり、花形職業の1つです。そのため、憧れてデザイナーを目指す人は多くおり、就活の際も熱意を伝えたいと考える人も多いでしょう。
しかし、ただデザイナーへの夢や憧れを語っても、採用担当者の心には響きにくいです。なぜなら志望動機で重要なのは、「応募先企業でなければならない」理由にあるからです。
多種多様なデザイナー業界なので、企業とのマッチ度をアピールすることが選考突破につながります。まずはデザイナー職について理解を深め、作成のポイントを押さえていきましょう。
キャリアアドバイザーの板谷さん、永田さん、平井さんとともに解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
デザイナーの志望動機は他社との差別化を意識しよう!
そもそもデザイナーとは、視覚領域について設計や図案などを手掛ける職業の総称です。デザイナーといってもファッションデザイナーのように形のあるものをデザインする職から、最近ではゲームデザイナーやWebデザイナーなど、IT領域で活躍する人もいます。
そのため、ただ「デザインがしたくて志望しました」という理由では、採用担当者には「それってうちの会社でなくても良いのでは?」と思われてしまうでしょう。
受かる志望動機を作るなら他社との差別化を意識して、「その会社でなければならない理由」を明確に述べましょう。
志望動機の書き分け必須! おもなデザイナー職5つ
志望動機の書き分け必須! おもなデザイナー職5つ
選考通過できる志望動機を書くには、志望先の業界について理解し、「その業界・企業でなければならない理由」を述べる必要があります。
志望業界を絞るためにも、まずはデザイナーについてどのような職種があるのか、どんな仕事をしているのか理解を深めましょう。
ここからは、おもなデザイナー職を5つ紹介するので、自分がどんなデザイナーになりたいのか、どんな業界で働きたいのかを考えてみてくださいね。
Webデザイナー
Webデザイナーは、企業や個人が運営するWebサイトのデザインをする職種です。
サイトの美しさはもちろんのこと、ユーザーの使いやすさも求められるため、デザインの知識以外にもプログラミングスキルが必要になります。
Webデザイナーにとってデザインは全体の作業のうちの1つに過ぎません。業務はデザイン以外にクライアントへのヒアリングや、情報収集・分析、プログラミングコードを書くコーディングなど多岐にわたります。
Webデザイナーの魅力は、成果が数字としてわかりやすい点です。自分の手掛けたサイトのアクセス数や商品の購入数が数値で測れるため、自信につながりやすいでしょう。
グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーは雑誌の表紙や商品のパッケージなど、広告や宣伝に関するアイテムのデザインを手掛けます。一般的には広告代理店やデザイン事務所、企業の広報部に勤務することが多いです。
デザイン対象が多岐にわたるため、「雑誌の表紙をデザインしたい」「ポスターを作りたい」など、自分のなりたいデザイナー像をよく考え、業界・企業研究をしっかりおこないましょう。
グラフィックデザイナーを目指すなら、色彩やデザインのスキル、それらを作成するためのソフトのスキルが求められます。
Adobe(アドビ)の能力認定試験や色彩検定など、デザインに関係するスキルの取得がおすすめです。
ゲームデザイナー
ゲームデザイナーはゲームプランナーとも呼ばれ、ゲームの基本設計に携わります。ゲームのキャラクターはもちろんのこと、背景やUIなどあらゆるデザインに関わるので、幅広い知識が必要です。
ゲームの流行にも敏感でなければいけません。どんなに素晴らしいデザインでも流行に乗れなかったり、トレンドのゲームでも作り込みが足りないとユーザーは買いませんよね。
逆に、流行すれば社会現象になるようなことも多く、成果がわかりやすいのが魅力です。ファンもつくことがあるため、やりがいを感じる場面も多いでしょう。
また、ゲームは多くの人が関わって作るため、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力が重要です。
ファッションデザイナー
ファッションデザイナーは衣類やバッグなどの服飾品をデザインする職種です。流行の最先端を行く職業であり、華やかなイメージも相まって、常に人気の高い職といえるでしょう。
ファッションデザイナーになるには特に資格や免許は必要ありませんが、一般的には大学や短大・専門学校で服飾関係の知識を身に付け、卒業後はアパレルメーカーやデザイン事務所に就職して技術を磨きます。
ファッションデザイナーのやりがいは、新しい流行を生み出せることです。また、将来的には独立して自分のブランドを持てるなど、夢のある職でもあります。
建築・インテリア系デザイナー
建築・インテリア系デザイナーは、建築物の外観や内部空間のデザインを手掛ける職種です。
業務範囲は幅広く、家具や内装についての知識はもちろんのこと、建材や照明などの知識も求められます。そして、それらの知識を総動員して、用途に合った空間を作るセンスが必要です。
大変な職業ではありますが、数カ月から数年にわたるプロジェクトも多く、大規模なものを手掛けるので、非常に大きな達成感を得られるという魅力があります。
建築・インテリア系デザイナーになるためにはインテリアに関する知識とデザインに関する知識の双方が必要であるため、一般的には大学や専門学校などで学びます。その後は住宅メーカーや建築関係に就職する人が多いです。
アドバイザーコメント
永田 修也
プロフィールを見る同じデザイナーでも携わる業務によって適性は異なる
Webデザイナーはブラウザ上で表示されるページに関してデザインをおこなう職業です。プログラミング等のITスキル・知識に精通している必要があります。
グラフィックデザイナーは、ポスターや看板などあらゆるデザインにかかわっています。抽象度の高いアイデアを具体的なデザインに落とし込む必要があるので創造力を必要とする職種になります。
ゲームデザイナーはゲームの企画や世界観を一から作り上げていく点で、ユーザー目線になって楽しんでワクワクしながら設計していける能力が必要となります。改善を繰り返していくこと自体に楽しみを見いだせる人が向いているといえます。
ファッションデザイナーは、コンセプトを元に衣服等などファッションに関連したデザインをおこなっていきます。はやりやトレンドの傾向を読み、先を見通すことができる先見性が求められます。
建築・インテリア系デザイナーは施工業者や依頼主の要望を聞き取り建物の設計・デザインをおこないます。最終的にその建物にかかわる人の気持ちを大事にし、試行錯誤を繰り返しながら良いものを作り上げるためには努力を惜しまないという資質が大事になってきます。
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志望動機でアピールしたいスキル4選
「デザイナーの志望動機には何を書けば有利なの?」と疑問に思っている就活生は多いでしょう。デザイナーといっても幅広いので、仕事内容や業界によって志望動機を一から考えるのは大変ですよね。
しかし、実際には、デザイナーに求められる基礎的な能力はほとんど共通しています。専門性は後から身に付くものなので、現状のレベルはそこまで気にする必要はないでしょう。
そこで、以下ではデザイナーの志望動機でアピールしたいスキルについて紹介します。どんな場面で役立つのかについても解説するので、自分が活躍する姿を想像しながら見てみてくださいね。
デザインスキル
デザイナーを目指すなら、基礎的なデザイン知識やスキルを身に付けておくと有利です。採用担当者としても、適性を判断できる材料の1つになるので、忘れずにアピールしましょう。
特に、クリエイティブ業界の就活では、ポートフォリオの提出が求められる場合があります。ポートフォリオとは、自分の経歴や制作物をまとめた作品集のことで、持っているスキルや実績を効果的にアピールできます。
ポートフォリオに載せる作品がないという人は、提出しないのではなく、ワークショップやイベントなどで1つでも作品を作るのがおすすめです。
未経験者でポートフォリオのレベルが低いことは問題ではありません。就活では即戦力級の人材が求められているのではなく、「ポートフォリオを作れるくらい前向きで志望度があるか」という姿勢が見られていると覚えておいてくださいね。
デザインスキルが最低限あるのかどうか、どのようなテイストの作品を作るのかをポートフォリオで確認することで、企業に入ってからどのように活躍できるかを企業側がある程度想定することができます。
グラフィックソフトウェアを使うスキル
デザイナーに求められる特徴的なスキルとして、グラフィックソフトウェアを使うスキルもアピール可能です。
よく使われるソフトウェアには、PhotoshopやIllustratorなどがあります。これらのスキルについて文面でアピールするだけでなく、ソフトを使った作品をポートフォリオとして提出することで、より説得力が増すでしょう。
ただし、ここでもレベルの高さはあまり重視されていないので、「あまり詳しくないから」と不安になる必要はありません。
重要なのは触れたことがあるかどうか、適性があるかどうかです。まずはグラフィックソフトウェアについて理解を深め、慣れておきましょう。
会社によっては入社してから身に付ける場合もあるかと思いますが、ソフトの使用はデザインするうえで必須となるスキルなので、まずそういうものに耐性があるかどうかという視点で見られると思います。
コミュニケーションスキル
デザイナーになるために必要なのは、デザインのスキルだけではありません。デザイナーはチームで動いたり、クライアントからフィードバックをもらったりすることが多いため、コミュニケーションスキルが非常に重要です。
特にクライアントの意図を読み取って商品に落とし込む必要があるデザイナーは、高いヒアリング力が求められます。
クライアントの意向に沿えなかったり、コミュニケーションに問題があったりすると、継続の仕事はなかなか獲得できません。
また、チーム内のコミュニケーションを円滑にして仕事の生産性を上げるのも重要です。チーム内で意思疎通が取れないと納期に遅れが生じたり、意図したものと違う作品が出来上がってしまいます。
第一に発注者と良好な関係を築き、発注者の希望や期待、表現したいことをしっかり聞き取る力が必要です。
次に、聞き取った発注者の希望を実現するために社内のほかの役割をしているメンバーとも関係を作り、指定された期日までに発注者の期待に応える成果物を創り上げていきます。
そのため、コミュニケーションスキルが重視されているのです。
プレゼンテーションスキル
デザイナー同士の会話だと、ある程度意図を理解することもできますが、多くのクライアントはデザインの知識に明るくない人たちです。
そうした人たちへきちんと意図を伝えられるかどうかというプレゼンテーションスキルも重要です。
プレゼンテーションスキルは「プレゼンが得意です」とアピールするというよりかは、志望動機を作成できているか、自分の強みを伝えられているかなど、選考の中で判断されます。
特に、最近では「1分で自己PRをしてください」というように、企業側からプレゼンテーションを求められるシーンも増えています。
企業がプレゼンテーションを求めるのは、普通の質問では見られない対応力や思考力、表情などを見るためです。
質問されて焦らないように、模擬面接や本選考の場数を踏んでプレゼンテーションスキルを磨いておきましょう。
Webデザイナーで考えると、自分が設計したアイデアやデザインを的確に他者に伝える必要があるため、人前で説明する機会も多くなります。そのためプレゼンスキルがあるかどうかも選考において大切な指標となります。
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差別化可能! デザイナーならではの2つの志望動機作成ポイント
差別化可能! デザイナーならではの2つの志望動機作成ポイント
- 自分のデザイン志向性との親和性をピックアップする
- 「この会社でなければならない理由」を書けるようにする
デザイナーの志望動機は技術やセンスをアピールすれば良いと勘違いされることが多いですが、本当に重要なポイントは別にあります。
新卒就活で企業が人材に求めているのは、現在の実力ではなくポテンシャルや仕事への適性です。学生時代に経験を積んでいても、即戦力級の人はなかなかいないものです。
スキルに自信がない人も心配せず、求められる要素についてしっかりアピールしましょう。
逆に、自分のスキルに自信のある人は、併せてアピールすることでより有利に選考を進められます。
以下では、デザイナーならではの2つの志望動機作成ポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
自分のデザイン志向性との親和性をピックアップする
デザイナーならではの志望動機の作成ポイントとして、志望企業と自分のデザイン志向性がマッチしていることをアピールする必要があります。
例えば、グラフィックデザインが得意なのにインテリア系職を志望するのには、説得力が足りません。
また、同職種であっても、可愛いデザインが得意な人が、ホラーゲームの制作を志望するのもちぐはぐですよね。
自分の得意分野以外のデザイナー職を志望すること自体は問題ありませんが、「なぜうちに?」という疑問を覆すだけの理由が必要です。
ここからは、それぞれのデザイナー職について特徴をピックアップするので、自分の志向性と照らし合わせてみましょう。
Webデザイナーの場合
Webデザイナーはグラフィックデザインのような視覚的デザイナーに比べて、情報設計の意味合いが強くなります。
また、企業によってWebデザイナーの受け持つ範囲が変わるという特徴もあります。コーディングまでおこなう企業もあれば、Webデザインを中心とする企業もあるので、応募の際は業務内容をある程度把握しておくとミスマッチを避けられるでしょう。
また、Webデザインの中でもUIデザイナー、UXデザイナーに細かく分かれている場合もあります。
選ぶ企業や与えられる業務によっては身に付くスキルに大きな違いが出るため、将来のキャリアプランにも影響が出ることを考慮しましょう。
業界・企業研究を深めたうえで、自分の希望するポジションが募集とマッチしていることを伝えてくださいね。
グラフィックデザイナーの場合
グラフィックデザイナーの場合は、志望先の企業が手掛けるデザインによって変わります。
例えば、パンフレットや雑誌、Webなどさまざまな事業を手掛ける企業であれば、「多くのデザインに関わり、経験を積むことで将来的にはアートディレクターを目指したい」という志向性は印象が良いでしょう。
逆に、看板のような1枚のグラフィックデザインに注力するような企業であれば、「経験を積んで、将来はより規模の大きなプロジェクトに関わりたい」と言うことができます。
ほかにもグラフィックデザイナーにはコンサルタントや独立の道などがありますが、就活を突破するなら「貴社に長く勤めて貢献したい」というスタンスで志望動機を作成しましょう。
ゲームデザイナーの場合
ゲーム業界のデザイナー職には2D・3Dデザイナー、キャラクターデザイナー、UIデザイナー、モーションデザイナーなどさまざまな種類があります。身に付くスキルが違ってくる可能性があるので、下調べをよくした上で、どの職を目指すのか決めておきましょう。
ゲームデザイナーからは、ディレクターやプロデューサーを目指すのが一般的です。また、運営中心の業務に転向する人もいます。
応募先企業との親和性をより考えるなら、企業の手掛けるゲームタイトルを引き合いに出して、自分がどう関わっていきたいのか述べるのも有効です。
さらに、ゲーム業界は流行の移り変わりが激しい業界でもあるので、企業戦略についてもチェックし、会社の描く未来となりたい自分がマッチしているかどうかも確認しておきましょう。
ファッションデザイナーの場合
ファッションデザイナーの場合は、各企業に自社カラーが出ており、自社ブランドを持っている企業も多く、シンプルに親和性をアピールしましょう。
キャリアプランはフリーランスや独立などさまざまありますが、企業に留まって貢献するなら、昇進してチーフデザイナーになるのが一般的です。以降は管理職のような経営側に回ることになるでしょう。
また、ファッション業界は流行の移り変わりが激しい業界でもあるので、企業戦略についてもよく確認しておきましょう。
建築・インテリア系デザイナーの場合
建築・インテリアデザイナーの場合は、デザイン会社か建築設計事務所に入社後、設計の場数を踏んでキャリアを積み、昇進を目指すのが一般的です。経験を積むと大きな仕事や重要ポジションを任されることも増え、それに伴って収入も上がるでしょう。
独立して自分の事務所を立ち上げる人も多いですが、就活の際はそのことについては触れず、会社に長く貢献したいことをアピールしましょう。
特に、小さな設計事務所では多様な経験が積めるため、独立を目指して入社する人も多い傾向にあります。
「この会社でなければならない理由」を書けるようにする
デザイナーの志望動機を作成の際、特に重要となるのが「この会社でなければならない理由」を明確にすることです。
デザインを手掛ける企業は自社ブランドを持っているなどカラーがはっきりとしていることも多く、ほかの職種と比較して差別化はしやすいでしょう。しかし、逆に言えば明確に記載しないと印象を大きく下げてしまう可能性もあります。
極端に媚びる必要はありませんが、自社の商品を褒められると採用担当者も嬉しく感じるものです。
熱意を具体的に伝えることで、志望動機に説得力を持たせましょう。
アドバイザーコメント
平井 厚子
プロフィールを見る志望動機では自社と応募者の「世界観」がマッチしているかが重視される
「世界観」という言葉を聞いたり見たりしたことはありませんか。「世界観」とは「自分が考える世界とはこういうものだ」という定義です。自分(自社)はどんな世界を創りたいのか、そのために自分(自社)の商品サービスはどう貢献するのか、を述べたものです。
企業によって世界観はそれぞれ異なる
あなたが希望するデザイン分野でも、それぞれの会社が世界観を持っています。たとえばデザイン事務所で大手といわれる三社の経営理念を比較してみます。
株式会社日本デザインセンター 「本質を見極め、可視化する」
株式会社たきコーポレーション 「つくる。その喜びで、生きる。動かす。」
株式会社ドラフト 「新しい常識をつくる。デザインの力で。」
全く違いますね。正直、素人の私が見てもそれぞれの会社のデザインの特徴はよくわからないのですが、プロの眼から見たら違いは確かにあり、それを生み出しているのは各社の世界観であり価値観です。
応募先の世界観を理解して共感できるかは、「なぜ当社なのか」の答えになるのです。
デザイナーの志望動機の構成
デザイナーの志望動機の構成
- デザイナーを志す理由
- 具体的な背景
- その企業でなければならない理由
- 入社後にどうなりたいか
デザイナーの志望動機で重要なのは、「その企業でなければならない理由」です。実際に企業の商品を見て自分が魅力に感じたことを具体的に述べて、説得力を上げるのが選考突破のカギとなります。
理由が述べられないと「自社の商品について理解が足りない」「志望度が低い」と判断され、落ちる可能性が高まります。
ここからは、魅力的な志望動機に仕上げて選考通過率を上げる構成について順を追って解説していくので、作成の際の参考にしてくださいね。
①デザイナーを志す理由
まずは、志望動機の始めに「デザイナーを志す理由」を簡潔に記載しましょう。一文目に最も伝えたいことを書くことで、採用担当者は志望動機の概要をつかむことができます。
採用担当者は多くの志望動機を読んでおり、特に大手企業の選考ともなると、何百通もの志望動機に目を通します。
書き出しがわかりにくいと、それだけで「文章力に欠けている」と判断され、読んでもらえない可能性があります。
書き出しで興味を持ってもらえれば、その後の背景やエピソードについても目を通してもらえるので、特に力を入れて作成してくださいね。
志望動機の書き出しは簡潔かつ正確に主張を伝えなければなりません。そのため、なかなか書き出せないという人も多くいます。
書き出しで周囲と差を付けて高評価を得たいと考えている人は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。
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例文8選|志望動機の書き出しで本気度を見せ差別化する方法
志望動機の書き出しは、志望動機全体を印象付ける大事な部分です。書き出しのコツは「本気度」を伝えること。書き出しの基本的な考え方や高評価を得るコツ、やりがちな失敗についてキャリアコンサルタントとともに解説します。そのまま使える便利なフォーマットも紹介しているので、参考にしてください。
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②具体的な背景
続いて、企業に応募した具体的な背景について述べましょう。ここは、採用担当者が志望動機をイメージしやすくするための重要なプロセスであり、この完成度が動機の説得力にも大きく関わってきます。
志望先企業の商品に触れたエピソードに絡めて、志望動機につなげていきましょう。
ここで注意したいのが、エピソードの長さについてです。文字数制限のある中でここにボリュームを持たせてしまうと、動機や理由など、肝心な部分を書けなくなってしまう恐れがあります。
あくまでも説得力を上げるための部分なので、要点を押さえて簡潔に書くことを意識してくださいね。
③その企業でなければならない理由
志望動機と並んで重要なのが、「その企業でなければならない理由」です。ほとんどの採用担当者がこの部分を重視しているといっても過言ではありません。
理由については、エピソードに絡めることで説得力が上がるので、明確に書き分けなくても大丈夫です。
デザイン会社はそれぞれ独自のコンテンツを持っていることが多く、ほかの職種に比べて書き分けやすいでしょう。しかし、プラス評価に結びつけるためには表面的なところだけでなく、深い理解が必要です。
「よその会社でも良いよね」と思われるような志望動機だと、落選につながる可能性が高いので、しっかり作り込みましょう。
④入社後にどうなりたいか
最後に、入社後にどうなりたいかを1~2文で簡潔に述べましょう。ここでは、キャリアプランについて具体的に述べることで、応募者が入社後にどう成長していくかを想像させられます。
デザイナー職では、企業戦略との親和性があるかどうかも重要です。企業の将来に合った人物が選考を通過できるでしょう。
ただ、志望動機の締めくくりがきれいにいかず、悩む就活生は多くいます。締めくくりに失敗すると、せっかく魅力的な志望動機を書いていても、魅力が半減してしまいます。
ポイントを押さえれば難しい内容ではないので、ぜひこちらの記事も併せてチェックしてみてください。
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志望動機の締めくくり例文13選! そのまま使えるテンプレも紹介
志望動機は締めくくりが大変重要であり、全体の印象を左右します。志望動機の締めくくりの基本ルールをと伝えるべき内容を押さえましょう。この記事ではキャリアコンサルタントと、すぐに使える便利なテンプレートや例文も併せて解説するので、参考にして選考を突破しましょう。
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Webデザイナーであれば、IllustratorやPhotoshopなどのツールの使用経験やその他のデザインに関するツールを学ぶ意欲があることをアピールすると、入社後に活躍する能力があるとアピールできるため良いのではないでしょうか。
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陥りがちな失敗! デザイナーの志望動機を作成する際の注意点
陥りがちな失敗! デザイナーの志望動機を作成する際の注意点
- 夢や憧れは志望動機としては弱い
- 応募先の企業が求める人材を理解する
- 待遇を志望動機にしない
デザイナーの志望動機を書く際はさまざまな視点から内容を考えますよね。デザイナー職を目指したきっかけや、学んできたこと、スキルなど、どれが選考で有効なのか悩む人も多いでしょう。
どれもじっくり練れば魅力的なものになる可能性がありますが、中には注意したいポイントもあります。
注意点について理解しておかないと、弱い志望動機になってしまったり、「うちには合わない」と足切りの原因になってしまったりするかもしれません。
選考の通過率を上げるために、以下の3つのポイントについて確認しておいてくださいね。
夢や憧れは志望動機としては弱い
デザイナーの志望動機としてよくやってしまうポイントに、夢や憧れをメインとしてしまうものがあります。
夢や憧れがあるのは当然のことで、熱意も伝わるので悪くはないのですが、それだけでは漠然として説得力がないため志望動機として不十分です。
夢や憧れを志望動機として書くなら、プラスして具体性を持たせましょう。例えば、応募先企業のブランドが好きなら「貴社ブランドの○○という点が好き」という具体例を出すことで、企業研究をしっかりしていることが伝わります。
また、入社後の意欲について述べるのも良いでしょう。どのように成長することで企業に貢献できるのかを述べられると、採用担当者はあなたの働く姿について想像しやすくなり、志望動機の説得力が上がります。
- 夢や憧れを志望動機にすると、マイナス評価でしょうか?
マイナス評価になるとは限らない
漠然とした夢や憧れのレベルでは「本気なのかな」と思われる可能性がありますが、夢や憧れから出発して自分の考えまで深められれば大丈夫です。
デザイン力を上げるには、良い作品をたくさん見ることだといわれています。好きなデザイナーの作品を探せるだけ探して見てみましょう。ただ見るのではなく、デザイナーの意図を予測しながら見るのです。
できれば好きなデザイナーのライバルと思われる方の作品も、同じように見て勉強してみましょう。そこまでやれば、きっかけは夢や憧れでもデザインについて自分なりの考えができているはずですよ。
応募先の企業が求める人材を理解する
志望動機を書く際は、応募先の企業が求める人材について理解し、自分の長所と併せてマッチ度をアピールしましょう。企業が求める人物像に合っていれば、内定の確率も高くなります。
逆に、どんなに優れていても、企業の社風や適性とマッチしていなければ、落選する可能性はあります。
特に、新卒就活はスキルや実績ではなくポテンシャル重視の採用になるため、性格や適性を重点的に見られるでしょう。
自分の長所をアピールする際は、いくつかピックアップしておいて、企業の求める人物像に合ったものを選んで作成するのがコツです。
企業の求める人物像を調べるなら、企業のホームページ(HP)やSNS、経営者のインタビュー記事を読むのがおすすめです。
また、OB・OG訪問やインターンシップで実際に働く社員からアドバイスをもらうのも良いですよ。
- 求める人物像の正解はどうやったらわかりますか?
まずは志望先企業のHPをチェックしてみよう
志望先の企業のHPの採用のページに「求める人物像」に関する記載があるかどうかを確認しましょう。
また、実際に企業に所属している人が「求める人物像」に当たります。企業のHPの中にある所属している人のインタビュー記事などを確認しましょう。
企業のインターンや説明会でも企業の社員の雰囲気をつかむこともできます。志望先の企業で働いている人がいないか学校のキャリアセンターで調べ、OB・OG訪問を依頼して実際に会ってみるのも良いと思います。
待遇を志望動機にしない
福利厚生や待遇を志望動機にするのはNGというわけではありませんが、採用担当者の印象を下げてしまう可能性があるので注意しましょう。
福利厚生は業務とは直接関係のないことなので、アピールすると意図していない回答だと思われるかもしれません。また、「業務に対する熱意が低い」「すぐに辞めてしまいそう」といった印象を与える可能性もあります。
福利厚生を志望動機として書く場合は、福利厚生以外の志望動機を強調し、福利厚生については自身のキャリアビジョンと相性が良いという程度のアピールに留めておくのが無難です。
長く働きたいという理由の1つとして挙げるくらいなら問題ありません。
- 福利厚生は志望動機になるのでしょうか?
福利厚生を志望動機にするのはなるべく避けよう
心の内としては志望動機にはなり得るかもしれませんが、表立って志望動機として相手に伝えるのは得策ではないでしょう。
先述のように「会社や業務への熱意は乏しいな」と思われてしまう可能性もあり、自分の立場を優先的に考えているのだろうと思われてしまう気がします。
一方で海外や外資系の企業であれば自己主張が大事になってくるので、福利厚生を第一の目的にしても問題なさそうです。むしろそういうことをハッキリ最初に聞いておく姿勢の方が好まれそうですね。
デザイナーの職種別の志望動機例文5選! 作成のイメージをつかもう
デザイナーの職種別の志望動機例文5選! 作成のイメージをつかもう
デザイナーについて理解しても、限られた文字数で要点を押さえつつ、受かるための志望動機にするのは大変です。書き出しから悩んで進まない、という人もいるでしょう。
そこで、ここからはデザイナーの志望動機の例文を職種別に5つ紹介します。本記事で紹介したポイントや、各例文のキャリアコンサルタントのアドバイスも参考に、自分の志望動機を作成する際の参考にしてみてくださいね。
Webデザイナーの志望動機
Webデザイナーの志望動機
私が貴社を志望するのは、貴社サイトの高い訴求力に魅力を感じたからです。
私は学生時代からIllustratorやPhotoshopに熱心に取り組み、自ら旅のブログを運営する中で表現力に加えて企画力も磨いてきました。
貴社は旅行・観光業を中心としたサイトを顧客に提供しており、私のこれまでの学びと経験を活かして貢献したいと強く感じています。
入社いたしましたら、貴社での経験を通じて、クライアントや社会に貢献するプロフェッショナルとして成長し、『人々に喜びや感動を届ける』という思いを貴社と共有したいと考えております。
応募先の仕事と親和性の高い趣味や勉強をしてきたことを具体的に伝えているのは、再現性があり良いですね。応募先のサイトに感じた高い訴求力とはどんな点かも付け加えてみると、より良くなりますよ。
グラフィックデザイナーの志望動機
グラフィックデザイナーの志望動機
貴社には、幅広い商品のデザインをおこないたいと考え志望しました。
私は絵を描くことが好きで、特に目を引く色彩については強い興味があります。実際に、大学では油絵について学び、学祭のパンフレットや看板などの制作を手掛けました。
貴社は書籍や広告事業を幅広く手掛けており、特に色彩面については他社にはない魅力があると感じています。
また、貴社が重視するクリエイティブな視点やデザインに対する情熱、そして社員一人ひとりが持つ豊富な経験や知識に触発され、自身もよりスキルを磨きながら成長していきたいと考えております。
入社しましたら、さまざまな媒体のトータルデザインに携わり、将来的にはアートディレクターとして人々の心を動かすような商品を企画できる人材になりたいです。
自分の大学で学んだ油絵についてのことや、実際に学祭のパンフレット等のデザインに携わった経験があることのアピールから経験値があることを伝えられていて良いと思います。
このように実績を持ち出すことでイメージしやすくなるのが良いポイントですね。
ゲームデザイナーの志望動機
ゲームデザイナーの志望動機
貴社の手掛けるゲームの世界観に魅力を感じ、志望いたしました。
きっかけは、小学生の頃、父の影響で貴社の○○をプレイしたときです。○○は街の細部や普通にプレイしているだけでは見ないような部分にまでこだわりがあり、非常に感銘を受けました。
それがきっかけでさまざまなゲームをプレイし、将来はよりゲームの魅力をたくさんの人に広めたいと感じるようになりました。
貴社は現在オープンワールドのゲームに力を入れており、新時代を築こうとしています。私もその一員として注力し、「ゲームの可能性」について追求したいです。
志望する背景となった小学生の頃の企業との接点や、現在企業が力を入れているオープンワールドのゲームに関して言及している部分では、具体的な説明ができているため志望度が高いことがアピールできていて良いですね。
ファッションデザイナーの志望動機
ファッションデザイナーの志望動機
私が貴社を志望するのは、見た目はもちろんのこと、着心地にまでこだわった服づくりを大切にされているからです。
私自身、貴社のブランドのファンで、学生時代から愛用させていただいています。もともとはデザインが好みで着始めましたが、大学で服飾の勉強をする中で、貴社の服がいかに着心地にこだわっているかがわかり、「着る人に優しい服」を提供する姿勢に感銘を受けました。
現在も大学とアパレルショップでのアルバイトを通じて、流行や消費者目線での服について勉強を続けています。入社後も着る人のことを第一に考えるということを忘れずに、これまで以上にスキルアップに励み、貴社の商品をより多くの人に届けられるよう努力していきます。
実際に商品を使ってみたことや流行や消費者目線で情報収集していることが、とても説得力があります。
もし応募先が経営理念等で「着る人に優しい服」と述べているなら、「姿勢に感銘を受けた」でなく、「理念に強く共感した」的な表現が良いと思います。
建築・インテリア系デザイナーの志望動機
建築・インテリア系デザイナーの志望動機
老若男女問わず楽しめる空間作りに魅力を感じ、志望いたしました。
貴社を知ったきっかけは、学生時代に訪れた複合商業施設です。そこは、地元に根差しつつも、観光客も楽しめる空間があり、地元のお年寄りから家族旅行の人まで、さまざまな人が入り乱れていました。
しかし、雑多な雰囲気ではなく、仕切りの役割を果たすインテリアの活用により、憩いの場としての雰囲気を保っていたことに感銘を受けました。そして、私自身も人々が幸福に暮らせる日常的な環境整備に携わりたいと思いました。
入社いたしましたら、インプットやスキルアップに励み、一日でも早く戦力になれるように努めたいです。
その企業が手掛けたプロジェクトに魅力を感じ、それが元で入社志望するに至ったという背景が「入社してからもお客様の立場に立って考えてくれそうだな」という印象を与えることにつながり非常に良いと思います。
仕事は多種多様! デザイナーの志望動機は応募先とのマッチ度をアピールして熱意を伝えよう
デザイナーの志望動機を作成するコツについて、理解できたでしょうか。
デザイナーの志望動機で夢や憧れを語りたくなる人は多いかもしれませんが、採用担当者が見ているポイントは、熱意だけでなく「自社にマッチする人材かどうか」です。
「貴社でなければならない」と明確に伝えられれば採用担当者の印象も良くなるので、内定に一歩近づくでしょう。
デザイナーの夢をかなえるために、自分が生き生きと働いている姿を想像しながら、熱意の伝わる志望動機に仕上げましょう。
アドバイザーコメント
板谷 侑香里
プロフィールを見る4つのポイントを意識して志望動機を作成しよう
デザイナーの志望動機では、この記事で述べられていた下記の①〜④について自分の言葉を用意しましょう。
①デザイナーを志す理由
②具体的な背景
③その企業でなければならない理由
④入社後にどうなりたいか
作成に詰まったら一度立ち返ってみることが大切
もし行き詰まったときには、デザイナーを志す理由になった場所へ立ち返ることでデザイナーの世界へ足を踏み入れようとしている自分自身と向き合ってもらえたらと思います。
建築だったら美術館をはじめ好きな建築物を見つめ返す。洋服だったらデパートなどに行って、好きなデザイナーの洋服を手に取ってみる。Webデザインであれば好きなWebサイトを訪れてみる。
場に訪れることで、その土地のエネルギーや何らかの原点となる思いに出会えるかもしれません。人間は、想像したものを実際に創造していく力があります。デザインの世界はまさに、世の中になかったものを生み出す世界です。
ぜひ、デザイナーとして世の中にさまざまな価値や製品を生み出していってもらえたらと思います。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー
Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Atsuko Hirai〇ITメーカーで25年間人材育成に携わり、述べ1,000人と面談を実施。退職後は職業訓練校、就労支援施設などの勤務を経て、現在はフリーで就職・キャリア相談、研修講師などを務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/コラボレーター代表
Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍
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