この記事のまとめ
- 商社業界の志望動機を考えるには徹底した業界・職種理解が大切
- 業界の課題や動向を押さえたうえで志望動機を考えよう
- 総合商社・専門商社別で例文10選を紹介
- 志望動機作成ツール
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この記事を読んでいる人に
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商社業界は学生から毎年多くの人気を集めています。「商社業界はかっこよさそうだけど志望動機が思いつきません」「過去の経験や自分の強みをどう商社の志望動機に活かせば良いかわかりません」という悩みについて多くの学生から相談を受けます。
志望動機は頻出質問の1つであり、企業側も「なぜ学生は自社を志望しているのか」をとても重要視しています。100倍以上の倍率にもなる人気な商社業界を突破するには、他者と差別化した志望動機を考え適切に伝えることが求められます。
この記事を読めば、商社業界の志望動機を考えるのに必要な知識を把握し、ほかの学生と差別化した志望動機を考えることができるようになります。
キャリアアドバイザーの隈本さん、木村さん、渡部さんのアドバイスを交えながら商社業界の志望動機の書き方について詳しく解説していきます。商社業界を志望している人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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商社業界の志望動機を考えるには徹底した業界・職種理解が大切
説得力のある志望動機を考えるには、まず業界・職種について徹底的に理解することが大切です。
商社業界はどんな仕事をしているのか、どのような企業とかかわり合っているのか理解していない学生をよく見かけます。倍率の高い人気な商社業界では、実態をきちんと理解した内容を伝えることができないと、選考に突破することは難しいのが現状です。
特に現在の商社業界は、従来のビジネスモデルが変革しつつ、職種別に採用する企業も多いです。そのため、徹底した業界・職種を理解したうえで、論理的に志望動機を伝えることが大切なのです。
この記事では、まず商社業界の特徴や求められるスキルについて解説します。そのうえで、志望動機をつくる前に考えておきたいことや例文、つくったあとに確認したいチェックポイントまで網羅的に解説していきます。
志望動機が思い浮かばずに悩んでいる人も、ほかの学生と差別化した志望動機を作ることができる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
商社業界にかかわらず、さまざまな業界についての知識を深めたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。この記事を読むことで、主要な8つの業界知識をつけることができ、業界研究でチェックすべきポイントがわかるようになりますよ。
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まずは押さえておきたい! 商社業界の2つのビジネスモデル
基本的に法人への事業を展開する商社業界については、学生にとってどんなことをしている業界なのかなじみが薄いことでしょう。だからこそ、きちんと業界についての理解に努めることが大切です。
商社業界は大きく以下の2つのビジネスモデルで構成されています。
商社業界の2つのビジネスモデル
- トレーディング
- 事業投資
それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
ビジネスモデルは、その業界の企業がどのような製品やサービスを提供することで収益をあげているかを表しています。そのため、ビジネスモデルを知ることは仕事理解の最初の一歩とも言えます。
トレーディング
商社業界といったらまず思い浮かぶのがこの「トレーディング」ではないでしょうか。仕入れたものをその額より高く販売することで、中間手数料を得るという仕組みです。
原料を仕入れてメーカーに卸す流通の川上を担う企業もあれば、消費者に届く商品化されたものをメーカーから仕入れて小売店に販売する川下を担う企業などさまざまで、川下よりも川上を主力事業としている企業の方が多くあります。
経済産業省資源エネルギー庁の2023−日本が抱えているエネルギー問題(前編)によると、2021年度の日本のエネルギー自給率は13.3%と低く、海外からの輸入に依存しています。このように、原料調達のため海外で勤務するといったグローバルな環境で働くこともあります。商社業界のビジネスの中核を担うのはこのトレーディングです。
事業投資
第二次世界大戦後、資源の輸入をおこなう商社のトレーディングビジネスによって、日本の高度経済成長に大きく貢献したという歴史があります。
しかしバブルが崩壊し、現在では商社を介さずに取引をおこなうメーカーの現れやインターネット技術の急速な発展の影響で、トレーディングだけに頼った収益源では厳しいことから、総合商社では事業投資という新たなビジネスを始めました。
事業投資とは、将来性のある会社や事業に経営資源を投資することで収益を得るという仕組みです。経営資源のうち「カネ」の投資による資産価値の上昇を狙うキャピタルゲインがイメージしやすいでしょう。
そのほかにも、商社の幅広いネットワークを活かした経営資源の「ヒト」や豊富な「情報」を提供することで、投資先企業の価値を高めていく事業経営にも着手しています。
商社のビジネスモデルについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。より理解を深めたい人は併せて参考にしてみてください。
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商社業界の2つの業種とその違いとは
商社業界は、大きく「総合商社」と「専門商社」の2つの業種に分けられます。商社業界を志望する学生は、面接でこの点についてさまざまな角度から必ず深掘りされることになりますし、自身に合った企業を見つけるうえで、最低限必要な知識です。
以下でそれぞれの概要や特徴、良い点・悪い点について両者を比較しながら解説していきます。きちんと違いを押さえたうえで、自分に合っている方を見極め、さらに深堀りした研究を進めていきましょう。
商社業界の2つの業種
- 総合商社
- 専門商社
総合商社
総合商社は「カップラーメンからロケットまで」と言われることもあるほど、多岐にわたる商品を取り扱っています。その幅広さがゆえに、日本のみならず世界中でビジネスを展開しています。グローバルでスケールの大きい仕事がしたい人にとっては魅力的といえるでしょう。
また、トレーディングとは別の事業投資によって、流通とは異なる領域における利益の拡大を図っています。幅広い商材やビジネスを展開している総合商社は、何かの事業が打撃を受けてもある程度、ほかの側面でカバーしやすいのが有利な点といえるでしょう。
しかし、スケールが大きく多くのお金を動かしているからこそ、失敗すると損失が大きく、痛手になることもあります。
国内に存在する総合商社はそう多くはなく、以下の7社が総合商社として7大商社と言われています。
- 総合商社はかなり人気のイメージです。学歴や全国大会出場などの大きな実績がないと難しいのでしょうか?
総合商社は選考難易度が高いが、実績だけで判断されるわけではない
確かに総合商社は学生に人気なので、学歴が高く、部活やそれ以外の活動でも実績を挙げている人が多く応募するため、採用試験は非常に難しくなります。
しかし、企業はこれまでの実績だけを評価して採否を決めるわけではありません。自社の理念や社風などとのマッチ度はもちろん、ポテンシャルも評価しています。
まずは、自分がこれまでの経験でどう成長し、入社後に強みを活かして活躍できることを伝えることが重要です。ただし、書類選考の段階でハードルが高いことは認識したうえで、志望動機や自己PRをしっかり作り込む必要があることは認識しておきましょう。
7大商社についてより詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。7大商社それぞれの特色と、就職を成功させる対策をまとめています。
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7大商社のなかでも5大商社に興味がある人は、こちらの記事がおすすめです。各社の強みなど違いをわかりやすく解説しています。
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専門商社
トレーディングを主力事業とし、売上高に占める専門分野に特化した商品の割合が50%以上である企業のことを一般的に専門商社と指します。トレーディングを通じて蓄積した、特定領域の専門的なノウハウを活かした物流やファイナンス、商品開発まで事業を拡大する企業もあります。
専門商社は、専門分野に特化しているからこそ、その領域における知識が豊富です。また、既存顧客との関係性が濃いことが多いです。そのため、顧客と意思疎通がしやすく、融通が利きやすいこともあるでしょう。このような理由から総合商社ではなく、専門商社と取引をするというメーカーも多いです。
一方、事業が専門分野に偏っているため、取り扱っている商材における需要や市場の縮小、経済・社会状況の影響を受けたときのダメージは大きくなります。
専門商社の選考では、総合商社ではなくなぜ専門商社なのか、そしてなぜその商材なのかを自分の言葉で説明できるかどうかがポイントになります。
さらに、同じ商材を扱う専門商社の数が多い場合は、なぜその他社ではなくその会社なのか、説得力のある理由が必要です。
商社業界の3つの職種と業務内容
志望動機では、仕事や業務において自分の強みがどう活かせるのかを具体的に伝えることが大切です。そのためには、業界知識のみならず各職種の具体的な仕事内容についてもきちんと把握する必要があります。
「漠然と商社業界に興味があるけど、どんな仕事が自分に向いているのか」「商社で働く人って具体的にどんな仕事をしているのかな」という疑問を抱えている人も多いことでしょう。各職種を把握することで、入社後に携わりたいことや実現したいことを発見するヒントを得ることもできますよ。
商社業界の主要な職種は以下の3つが挙げられます。
商社業界の主要な職種
- 営業
- 事務
- 事業計画
各職種の仕事内容をそれぞれ確認していきましょう。
営業
営業の主な仕事内容は、仕入れた商品の販売や仕入先の確保と調整、市場分析などが挙げられます。既存顧客のみならず、新規顧客への営業もおこなうため、商品知識はもちろん、市場分析も大切な仕事です。
商社営業は、自社商品を営業するメーカーのように取り扱う商品が制限されていないことから、幅広い商品ラインナップから各取引先ごとに合った商品を提案することができます。そのため、商品という「モノ」を通じて、コンサルティング要素を持った営業をすることができるのも魅力の1つといえるでしょう。
このように、自社で商品の製造をしていないからこそ、営業に付加価値をつけることが求められるのです。
商社の顧客はほかの業種よりも多種多様です。商流で言えば川上と川下のどちらも顧客になるので、モノやお金の流れを俯瞰的に把握して課題解決を図ることが求められます。発想力と柔軟性は他業種より必要になります。
営業職が自分に向いているか知りたい人は、こちらの記事で適性をチェックしてみましょう。不向きな人におすすめな道も解説しています。
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営業向いていないと十分な検討をせずに決めつけることは危険です。まずは営業職の理解を深めましょう。この記事では営業に向いていない傾向のある人の特徴16選や、おすすめの道をキャリアコンサルタントが解説します。
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事務
事務の仕事内容は、総合職のサポート業務や資料・印刷物の作成、商品の受注・発注などをおこないます。取引先との連絡を取ることもあるため、社内の事業状況をはじめ商品知識や顧客情報についての把握が大切です。
海外との取引がある企業では語学力も求められます。商社の一般事務は、他業界の一般事務と比べて総合職に近い専門性が求められます。高い事務処理能力や作業効率に加えて、好奇心を持って学び続けていく力や語学力など高いスキルが必要です。
総合職と一般職という採用をしている企業が多く、一般職に代表される職種として事務職が挙げられます。また、一般事務、営業事務、貿易事務などが分かれているケースもあり、企業によってさまざまです。
- 商社の一般職志望です。一般職だからこそ、志望動機で気を付けるべき点はありますか?
一般職だから難易度が低いと考えず入念な準備をしよう
一般職は総合職よりも競争率が低いと思い込み、より可能性の高い職種に応募しようという考えで一般職を志望する人もいるかもしれません。
しかし、そのような安易な考えで志望を決めるのは危険です。近年は、一般職のほうが総合職よりも倍率が高い傾向にある総合商社もあるようです。総合職との違いをよく理解し、自分が希望する仕事の内容や企業のビジョン、事業方針などを客観的に検討したうえで志望を決めることが重要です。
さらに、一般職とは言っても、特に総合商社の場合は総合職と同じぐらいの能力やスキルが求められると考えて準備する必要があるので、軽い気持ちで一般職を志望しないように注意しましょう。
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事業計画
事業企画の仕事内容は、事業における目標設定やそれに基づく計画、目標達成に取り組む担当部署のサポートをおこないます。経営陣の掲げる方針やビジョンに即した経営戦略を立て、具体的な行動計画を立案し、実務に落とし込む役割を持ちます。
事業計画の仕事は、もちろん目標や行動計画を立てるだけではありません。目標に対して実態はどうなのか、目標達成における課題は何かなど、目標改善や新たな計画につなげることが重要です。
事業が上手くいくかどうかを担う重要な役割であるため、新入社員がいきなり事業計画の部署に配属されることは少ないでしょう。営業などで培ってきたことを活かして、将来事業計画に携わりたいというその後のキャリアプランとして伝えるのが最も現実的です。
職種についての理解を深めたい人はこちらの記事を読んでみてください。混乱しがちな業種との違いや自分に向いている職種の選び方まで理解することができます。
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就活の軸を決めるために、さまざまな職種の種類について理解を深めましょう。この記事では職種の種類を紹介するだけでなく、向いている職種の選び方をキャリアコンサルタントが解説します。自分のキャリアを明確にして職種を選択するカギにしてください。
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今後の商社業界に求められる課題
志望動機を考えるうえで、業界が抱える課題を理解することはとても大切です。その課題に基づいて、自分がどう課題に向き合っていきたいのかを考えることで、成し遂げたいことが明確になり、志望動機をつくるヒントになります。
また、課題を理解しながら伝えることで、実態に即した志望動機を考えることができます。単なる憧れやイメージによる志望ではないことを論理的に言葉で伝えることができるでしょう。新卒採用では、スキルよりも熱意が評価される傾向にあります。そのため、よく業界・企業研究をしていることについて、回答を通じてアピールしていきましょう。
ここでは、今の商社業界が抱える注目の課題を3つ解説していきます。面接では、志望動機以外にも「〇〇という課題についてどう思うか」と意見を求められることがあります。自分自身でも業界の課題について積極的に調べてみましょう。
資源分野に頼らない非資源分野の拡大
2024年3月期の連結決算における総合商社上位3社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事)は8000億円を超える好決算となりました。この要因は、供給不足の一方で需要が拡大したことにともなう資源価格の高騰です。
資源分野は、資源価格の急落や需要減、事業トラブルによって、大きな損失を出すこともあるハイリスクハイリターンなのが特徴です。リスクを抑えて安定した収益を保つために、資源分野に依存しない非資源分野の拡大を図ることが課題になっています。
ロシアのウクライナ侵攻による経済制裁などの影響から、資源価格は大きく変動しています。ロシアやウクライナの事業にかかわる日本の商社は、業績に影響が出ることは避けられないでしょう。
事業ポートフォリオの見直し
総合商社では、多くの事業を展開しています。企業としての利益を上げるには、事業の割合を適切に管理することが重要です。これをビジネス用語でPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)とも呼びます。
安定的な収益を保つには、非資源分野の強化が課題であることを前述しました。非資源分野にも繊維や食料、住生活、情報・金融、機械、化学品、石油製品、鉄鋼製品などさまざまな分野があります。
その中で成長性や収益性、市場シェアを考慮してどのようなポートフォリオにするのかについての見直しは企業の利益にとって重要です。
情報テクノロジーを活かした事業推進
現代では、テクノロジーが急速に発達していることから、どんな業界でもIT技術との適切な向き合い方が問われています。商社業界もその例外ではありません。以下のようなIT技術と掛け合わせた経営で、業務の効率化やコスト削減、既存事業を発展させた新規事業の創出および投資をしていくことが求められます。
流通を主力事業とする商社では、物流事業を展開している企業も多いです。Iot技術やビックデータを活用した物流の効率化や精度の高い情報システムの構築を今後もよりいっそう発展させていくことが課題といえるでしょう。
Iot技術とは
“Internet of Things”の略で「モノをインターネットに接続する」ことを意味します。Iot技術により、モノが持つ膨大な情報を収集し、遠隔地の状況把握や操作が可能となります。患者の遠隔診断や生産現場における稼働状況の確認、混雑・交通渋滞状況の確認など業界を問わずさまざまな場面で活用されています。
ビックデータとは
人間が扱うことが困難である膨大なデータのことを指します。ビッグデータによる分析がおこなわれることで、より精度の高い予測が可能となります。それによって、無駄の削減やデータのリアルタイム利用が可能となるのです。
Iotと同様に業界を問わずさまざまな場面で活用され、今後も自動運転の実現などさらにビッグデータの活用が見込まれています。ビックデータによる情報テクノロジーとその蓄積によって、「モノ」の提供のみらず、商社が持つ豊富な「情報」を提供することでさらに高い付加価値をつけることができるのです。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る環境問題とテクノロジーのトレンドに注目しよう
商社が関連する世界的なトレンドとしては、以下の2つが挙げられます。いずれもこれから欠かせない、基本も含めて押さえておくべきテーマです。
①SDGsと脱炭素
SDGsが世界標準のテーマとなる中、環境に配慮した脱炭素技術の革新が欠かせない状況です。2050年のカーボンニュートラル目標達成のためには、日本だけでなく海外のメーカーや商社との連携が欠かせません。
②世界的なDXの推進
DXは、日本だけでなく世界レベルで進められています。DX市場に関するIDCの調査によると、DXに関する世界的な投資額は2027年には約3兆9000億ドルになると予想されています。
生成AIソリューションに関する支出は2027年に1,430億ドルに達するとされており、市場規模の大きさがわかります。一方で、日本は「2025年の崖」という課題があり、レガシーデータによる経済損失は年12兆円ほどと見積もられています。
DXを含めたIT技術に関しては、世界的に見ても遅れているのが現状であり、商社としてこの領域への取り組みが期待されます。
特別な動機がなくても大丈夫!
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「この職種に就きたい!」と思っていても、なぜそうなのか学生時代に培ったスキル・経験を踏まえて伝えるのに苦戦する学生は多いです。
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ぜひ活用して、志望企業の選考を突破しましょう。
(IT業界の場合)
志望動機でアピールしよう! 商社業界で求められるスキル
志望動機を伝える際に、企業の求めるスキルをダイレクトにアピールすることで、活躍してくれる人材であるだろうと評価してもらう判断材料の1つになります。
企業は、適性のある人を採用し、活躍してもらうことで、自社の利益に貢献をしてほしいと考えています。自己PRと合わせて志望動機でも、商社業界で求められる自分のスキルを伝えていきましょう。ここでは、多くの商社業界が求める4つのスキルについて解説していきます。
ただし、志望動機はあくまで「その会社を選んだ理由」を説明することが大切です。自分のスキルや経験のアピールばかりにならずに、「その企業ならば自分のやりたいことができる」という目線での回答を心掛けましょう。
コミュニケーション能力
商社のビジネスの中心は、仕入先と販売先の中間的な役割を担うことです。双方のニーズを汲み取る必要があり、相手に寄り添ったコミュニケーション力が求められます。
営業職にコミュニケーション能力が求められるのはどの業界でも同じなのではと思うかもしれません。しかし、ものを製造していない商社だからこそ営業に付加価値をつけることが何よりも重要なのです。
企業規模や取り扱う商品にもよりますが、多くの商社では既存顧客のみならず、新規顧客の獲得も欠かせません。交渉力や提案力、プレゼンテーション力、傾聴力など幅広くかつレベルの高いコミュニケーション能力が必要になります。
商社は、売り手と買い手の仲介役をするビジネスです。そのため、厳しい交渉でも結果としていわゆるWin-Win(ウィンウィン)の取引だと双方に感じてもらえるような、真摯な姿勢と誠意あるコミュニケーション能力が求められます。
商社の面接ではコミュニケーション能力を評価するケース面接をおこなう企業があります。以下に記事ではケース面接について詳しくまとめているので参考にしてみてください。
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コンサルや外資系企業ではケース面接が実施されることがあります。難しいイメージを持つ人がいるかもしれませんが、対策方やコツを掴めば突破可能です。この記事ではケース面接の出題内容や対策方法などを解説します。
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好奇心
商社では、さまざまな原料や商品を取り扱い、新規事業・ビジネスの創出を図ることにも注力しています。そのため、情報に敏感となり自ら興味を持って調べる好奇心の強い人は活躍することができるでしょう。
幅広い知識や情報を得て応用することで、新たな可能性やビジネスチャンスを獲得することにつながります。
チャレンジ精神
先述したように、商社を介さずに取引をおこなうメーカーや高度なテクノロジーの存在から、これまで主力としてきたトレーディングだけで収益を拡大することは難しくなっています。この流れは今後も変わることはなく、むしろ加速していくことでしょう。
商社の持つ多様なネットワークや経営資源を活かし、既存のビジネスを掛け合わせた新規事業の創出や潜在的な新規顧客の拡大が求められます。
そのためには、常に情報にアンテナを張り巡らせ、時代に合った新たなことへの挑戦に積極的なチャレンジ精神が大切です。
チャレンジ精神を発揮するには、実現したいことやその達成に向けてどんなことに着手する必要があるのかを考える課題設定・論理的思考力も必要です。また、それを最後までやり通す体力も重要になります。
チャレンジ精神の有効的なアピール方法についてはこちらの記事で詳しくまとめているので参考にしてみてください。
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多くの企業がチャレンジ精神のある人材を求めているため、アピールすること自体は効果的です。しかし、チャレンジ精神をアピールする就活生は多くいるため、差別化が大切です。記事では、周囲と差をつけるチャレンジ精神のアピール方法をキャリアコンサルタントと解説します。
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語学力
商社業界で勤務するようになると、語学力が求められることがあり、高い語学力があると重宝します。
入社する企業や担当部署によって語学力の必要性は大きく異なるのが実態です。とくに海外を拠点とするビジネスを展開する総合商社や専門商社、海外展開に直接携わる部署では、語学を用いる機会が多くあります。海外勤務をする場合はもちろん、国内での勤務でも連絡のやりとりをするうえで、語学力を要する場面が存在します。
就活における語学力の評価基準は、適性検査の英語とTOEICの点数を用いられることが多いです。低学年の頃から余裕を持って、語学力の向上に取り組めると良いでしょう。しかし、選考まで時間がない人は、入社後にも学ぶ姿勢を示し、ほかの選考対策との優先順位をつけることが大切です。
商社で求められる語学力については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしましょう。
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就活において英語は強力な武器になります。英語が採用条件もしくはプラス評価になるケース、求められる英語力などについて現場のプロであるキャリアコンサルタントと解説します。より良いキャリアを選択するためのカギにしてください。
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アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見る異文化に対する理解とコミュニケーション能力をアピールしよう
扱う商材にもよりますが、商社は一般的に海外の企業や政府関連機関などとの取引にかかわることが多い事業体です。そのため、海外各国の市場や動向についての理解と取引上のコミュニケーション相手の理解は、入社後に仕事を覚えて活躍していくために必要不可欠です。
つまり、日本に生まれ育った人とは異なる考え方や文化を持つ海外の人たちとの交渉を円滑におこない、事業を進めていくための異文化に対する理解と、世界の共通語である英語によるコミュニケーション能力があることを適切にアピールできれば、かなりの強みとなるはずです。
TOEICのスコアだけではアピールにならない
ただし、英語力は強みにはなりますが、その能力を実践的に活かした体験がなくTOEICのスコアを獲得しただけでは強いアピールにはならないでしょう。
なぜ異文化に対する理解を育むことができたのか、実体験としてどのような課題や葛藤に直面し、それをどのような考え方や方法で克服しようとしたのか、その結果何を学び、どのような理解が深まったのか、具体的なエピソードを臨場感を持って伝えられるかどうかがポイントです。
志望動機が思いつかない人は、ツールを使うのが一番オススメ
・業界・職種ごとの志望動機がわからない人
・アルバイトやゼミで忙しい人
商社業界の志望動機を考える前にしておきたい4つの準備
商社業界の志望動機を考える前にしておきたい4つの準備
- 自己分析で自分の強みや価値観を明確にする
- 他業界と比べて商社業界を志望する理由を書き出す
- 商社業界で成し遂げたいことを挙げる
- 商社業界の中でも志望企業における独自の強みを見つける
志望動機が思いつかず、なかなか手が進まずに困っている人は多くいます。彼らに共通していることは、何の準備もせずにいきなり志望動機を考え始めていることです。
数学の応用問題を解くのに、その土台となる計算などの基礎を理解する事前準備がなければ正解を導くことはできませんよね。志望動機を考えるうえでも同様で、土台となる事前準備が重要なのです。
念入りな事前準備をしておくことで、面接における志望動機の深掘りについても、堂々と一貫した回答ができるようになります。
志望動機を考える前にしておきたい4つの事前準備について以下で詳しく解説していきます。しっかりと時間を取って、個性のある志望動機をつくるための事前準備をしていきましょう。
①自己分析で自分の強みや価値観を明確にする
志望動機では、自分の持つ強みや価値観を企業で活かすことができるという自分と企業のマッチ度を伝えることが大切です。
企業は、自社とマッチする学生の入社後の活躍によって、自社に利益を生み出してくれる人材であることを期待して採用しています。学生にとっても、自分の強みが評価され、価値観の合う環境で働けることで生き生きと仕事に取り組むことができるでしょう。
つまり、企業と労働者の間では、お互いの相性がマッチする、「win-win」の関係性を築くことが重要で、その視点を持って志望動機を伝えることが大切なのです。志望動機で相手の心をグッとつかむために、改めて自己分析をおこない、自分の強みや価値観を明確にしていきましょう。
自分の強みや価値観を明確にするには自己分析が重要です。自己分析が上手く進まないという人はこちらの記事を参考にして自己分析を進めていきましょう。
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自己分析は就活の明暗を分ける重要なポイント。自己分析をするメリットや自己分析のやり方、注意点などをキャリアコンサルタントが解説します。自分に合った自己分析方法を見つけて選考や企業選びに活かしましょう。
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②他業界と比べて商社業界を志望する理由を書き出す
各企業の志望動機を考える前に、まずは商社業界を志望する理由を書き出しましょう。
面接でもその企業への志望理由と同時に業界の志望理由についても深掘りされることが多いです。業界を志望する理由が浅い人は、他業界でも良いのではと面接官に思われてしまいます。業界における志望理由について深掘り、言語化まで落とし込みましょう。
商社しか興味がないという人は、周辺業界にも視野を広げてみると良いでしょう。商社のビジネスでは、さまざまな業界とかかわり合い、特に取引の中心はメーカーや小売店です。それらの業界研究も含めておこなうことで、なぜ自分が商社にこだわっているのか再発見することができますよ。
- 年収や待遇に惹かれて商社業界を志望しているのですが、これを選考で伝えるのは良くないと思います。どのように業界の志望理由を考えていけばいいのでしょうか?
好待遇な理由は何かを深掘りして考えてみよう
高い年収や好待遇があるのはなぜか? と考えてみてください。それは社員が仕事に高い付加価値をつけているから、利益が出ているということです。
では次に、なぜ、どうやって付加価値を高めているのか、と考えてみてください。あなたが「年収や待遇が欲しい」と思うことをビジネスライクに翻訳すると、あなたは「高い付加価値をつける高度な仕事がしたい」ということになりますね。
さらに、どのように高度な仕事なのか? を考えてみてください。これは人それぞれ違うはずです。あなたの得意分野、スキル、特徴を使ってあなた自身が自分の仕事を高度にし、高い付加価値をつけるのです。
このように「なぜ」「どのように」を繰り返していくと、志望動機に近いものが出てくると思います。
③商社業界で成し遂げたいことを挙げる
企業へ入社したあとのことを想像し、仕事で成し遂げたいことについて自分の理想を挙げていきましょう。
商社業界で成し遂げたいことを具体化することで、志望動機の説得力を上げることができます。「②他業界と比べて商社業界を志望する理由を書き出す」で考えた他業界ではなく商社業界だからこそできることと掛け合わせて考えることで、相手の心にグッと刺さる志望動機をつくることができますよ。
さらに、商社業界で成し遂げたいことを明確化しておくことで、キャリアプランも定まります。すると、面接でのさまざまな質問において一貫性を持って受け答えすることができるようになります。
④商社業界の中でも志望企業における独自の強みを見つける
商社業界を志望する理由や成し遂げたいことが明確化したら、志望する企業における独自の強みを見つけていきましょう。
自分と企業がマッチしているということを伝えるには、その企業でなくてはいけない理由を明確化して伝えることが大切です。いくつもある企業の中からなぜその企業を志望するのかをきちんと答えられないと「うちじゃなくてほかの企業でも良いのでは?」と面接官に解釈され、選考を突破することが難しくなってしまいます。
他企業と比較しながら企業研究をおこない、志望企業における独自の強みを発見していきましょう。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る採用関連の情報に留まらない情報収集で業界理解を深めよう
商社の仕事はなかなかわかりにくいものです。特に総合商社はスケールが大きく、あらゆる事業分野にかかわっているので、採用関連の情報だけでは事業の理解が進まないかもしれません。大手を志望するなら、投資家向けの情報を使いましょう。
総合商社はもちろん、専門商社でも中堅より大きな企業は上場企業が多く、投資家向けに情報開示しているので、決算書や事業報告書を見ることができます。株主向けの情報はあらゆることが載っているので、企業の全体像を理解するには欠かせないものです。志望する会社が上場企業でない場合は、扱う商品の似た同業他社の上場企業を探してみてください。業界の理解が進むはずです。
実際に働く人に話を聞いてみることも重要
全体像をある程度把握できたら、次にミクロな情報源を探します。OB・OGがいるなら直接職場のことをたずねても良いですし、大学にも当事者の生の声について、何らかのデータベースがあると思います。
商社のような複雑な事業モデルを研究する場合は、マクロとミクロの両方から情報を整理していくことをおすすめします。
実際に働く人に話を聞くなら、OB・OG訪問がおすすめです。詳しいやり方はこちらの記事を参考にしてください。
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OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
OB・OG訪問は社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。万全の準備をして最大限に活用しましょう。この記事ではOB・OG訪問の準備方法やマナーなどについてキャリアコンサルタントが解説します。OB・OG訪問を実施し、就活を成功させましょう。
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当てはめるだけでOK! 商社業界の志望動機の構成
商社業界の志望動機の構成
- 結論(志望動機)
- 商社業界を志望する理由
- 商社業界の中でもその企業を志望する理由
- 入社後の展望
志望動機を書く際に、「どのように書けば自分の想いが伝わるのだろうか」と頭を悩ませていませんか。
志望動機を上手く伝えるために、あれこれ考えがちですが、わかりやすく伝えられる適切な構成・型というものが存在します。それに沿って書くことで、誰でもわかりやすい志望動機をスムーズに書くことができますよ。
面接での受け答えでは言葉のキャッチボールが大切です。構成に沿った文章をそのまま丸暗記して伝えるのは適切ではありません。しかし、伝えるべきポイントは共通しているので、以下で解説する構成の流れをきちんと把握しておきましょう。
商社に限らず、基本的な志望動機の考え方はこちらの記事で詳しくまとめているので参考にしてください。
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面接の志望動機は、書類よりも深掘りをした内容にすることが重要です。面接で志望動機を答えるための3つの構成を理解し、4ステップで面接の志望動機を考えましょう。回答例文や伝え方のコツを踏まえてキャリアコンサルタントが解説します。
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①結論(志望動機)
まずは企業を志望する理由である結論を伝えましょう。限られた時間の中で成果を出すことが求められるビジネスの現場では、結論から伝えることがマナーとされています。就活の面接においても非常に限られた時間の中で、入社後に活躍する人材として自分を理解・評価してもらう必要があり、結論から話すことが重要です。
企業の担当者は、多くの学生からのエントリーシート(ES)を確認します。人気企業だとその量は膨大になります。結論を最初にはっきり明示しないと、相手は内容を理解するのに苦労し、最後まで読んでもらえないこともあるのです。
志望動機に限らず、どんな質問においてもまずは「結論から」ということを意識しましょう。
志望動機の書き出しの考え方はこちらの記事で詳しく解説しています。インパクトを残すために非常に重要な部分となるので、併せて参考にしましょう。
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②商社業界を志望する理由
続いて、結論に基づく業界の志望理由を伝えます。いきなり企業の志望理由を伝えるより、その前提である業界の志望理由から伝えるというステップを踏むことで、相手は理解しやすくなります。
数ある企業の中から、まずは「業界」という方向性を示したうえで、その企業の志望動機を伝えるという流れで相手の理解を促しましょう。
③商社業界の中でもその企業を志望する理由
業界を志望する理由を伝えたあとは、同業他社ではなくその企業を志望する理由を伝えましょう。構成の中でも、ほかの学生と差別化を図るのに決め手となる部分で、ここが1番の腕の見せ所です。
「他の企業でも良いのでは」と思われるような抽象的な内容では、人気の商社業界の選考を突破することは難しいです。商社業界の中でもその企業でなくてはいけない理由を明確に伝えて、「採用したい」と思ってもらえる志望動機を作りましょう。
そのためには、他社との企業比較が重要です。企業独自の強みを用いながら、自分の価値観と合致することを面接官にアピールしましょう。
「生活を豊かに」や「インフラを改善」のような抽象的な事しか言えないのは、職業理解が不十分な印象です。逆に、他業界でNGとされる「何でもやります」は総合商社では好意的に見る人もいます。本当に何でもやっているので。
業界の中でもその企業を志望する理由を考えるには、企業選びの軸の明確化が必要です。企業選びの軸が明確でない人は、こちらの記事を参考にして企業選びの軸を明確化し、後悔のない企業選択をおこないましょう。
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④入社後の展望
最後は、入社後に自分が活躍する姿を相手がイメージできるよう、入社後の展望を伝えましょう。
入社後にどんな貢献をしていきたいのかについてアピールすることで、企業が自分を採用するメリットを感じ、それが面接官の中で深く印象に残ります。
はじめの情報が影響を与える初頭効果と最後の情報が影響を与える親近効果という心理効果が存在します。この心理効果を活用して、はじめの結論と最後の入社後の展望によるアピールが上手くできると、面接官にとって印象に残る志望動機を作ることができます。
構成の流れや伝え方が多少前後したりその場に合った答え方になったりしても問題ありません。一方、最初の「結論」と最後の「入社後の展望」は固定してアピールすることで、多くの学生の中でも相手の心に印象を残せるようにしましょう。
初頭効果
最初に与えた情報が印象に影響を及ぼしやすいこと
親近効果
最後に与えた情報が印象に影響を及ぼしやすいこと。初頭効果の対となる
志望動機の締めは印象に残りやすい重要な部分です。こちらの記事も併せて確認し、熱意が伝わる締めを考えましょう。
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ここまで解説した中でも、特に商社業界を選んだ理由はしっかりと語る必要があります。
商社が世の中で果たす役割を自分なりの考えで語ったうえで、他業界ではなく商社を選んだ理由を説明しましょう。
ここの考え方が企業とずれていると、そもそも商社でなくてもいいのではと判断されかねません。
商社の志望動機を考えたら確認したいチェックポイント
商社の志望動機を考えたら確認したいチェックポイント
- 単なる憧れやイメージによる志望理由になっていないか
- 「なぜ総合商社か」「なぜ専門商社か」という理由が明確か
- 専門商社では扱う製品に対する想いを伝えられているか
- メーカーの仕事と混同していないか
ここまで志望動機を考える前におこなうべきことや伝わりやすい構成について解説してきました。自分なりの志望動機をつくることはできましたか。志望動機は一度作って終わりではなく、何度も推敲することが大切です。
ここからは、作成した志望動機について確認したいチェックポイントを解説していきます。以下で解説する点を参考に、自分が考えた志望動機が適切なものになっているかを確認し、必要に応じて修正することで志望動機に磨きをかけていきましょう。
①単なる憧れやイメージによる志望理由になっていないか
たとえば、「グローバルに働きたいからです」「大きなプロジェクトに携わりたいからです」という志望動機において、「それはなぜ?」と聞かれたときに、具体的なビジョンや考え、価値観などを伝えることが必要です。
確かに、商社ではグローバルでスケールの大きい仕事をおこなうチャンスは多くあります。しかし、それを魅力に感じる理由が単なる憧れであっては採用してもらうことはできません。企業は、入社する社員に利益を出してもらいたいと考えています。単なる憧れで志望している人を採用しても、企業はコストを掛けて採用するメリットを得られないからです。
とくに、商社は人気で高倍率になるからこそ、将来を具体的に考えられていない憧れや現実に即さないイメージによる志望理由では選考を突破することができません。商社に入社をして、どんなことを成し遂げたいか、自分のどんな強みを活かせるのかが伝わる内容になっているか確認してみましょう。
- 商社への憧れが強いのですが、どうすればこの憧れを企業が納得する志望動機に変換できるのでしょうか?
自分の考えるキャリアは商社でしか実現できないことをアピールしよう
憧れをそのまま語っても伝わらないため、商社でしか自分の目標や理想的な働き方が達成できないことを説明する必要があります。そのためには、商社に対する憧れの理由を明確にすることが大切です。
業界分析の際に、「商社だからこそできること」をしっかりと抽出したうえで、「自分なりの商社像」を語れるようになりましょう。憧れは理想とほぼ同義ですが、企業側から納得を得られるには抽象的な表現だけでなく、理論的に納得のいく説明も重要です。
商社で達成したい理想や目標を具体化して語ったうえで、応募先の商社だからこそ達成できる理由を説明しましょう。
②「なぜ総合商社か」「なぜ専門商社か」という理由が明確か
総合商社と専門商社では、以下のようにさまざまな違いがあります。
総合商社と専門商社の違いの例
- 取引する顧客先と関係性の深さ
- 取り扱う商材の幅広さ
- 提供する価値
- ネットワークの広さ
- 事業領域
- 経済・社会に与える影響
そのため、「なぜ総合商社か」「なぜ専門商社か」という視点を持ち、適切に答えられるようにすることが大切です。総合商社の志望動機において、専門商社でも成し遂げられることを伝えてしまうと「総合商社でなく専門商社でも良いのでは?」と思われてしまいます。
自分の成し遂げたいことや価値観に対して、どちらが合致するのかを明確にしておきましょう。
③専門商社では扱う製品に対する想いを伝えられているか
専門商社を志望している人は、扱う製品に対する想いを伝えられているか確認してみましょう。
ここでいう「想い」というのは、決してその商品が「好き」である必要はなく、「自分がその専門領域における商品を扱いたいこだわり」と表すことができます。
社会における課題意識や成し遂げたい将来を実現させるには、専門商社で扱う特定の商品の流通に携わることが必要であることを伝えましょう。このように、専門商社でないといけないとこだわる理由を伝えることが大切です。
④メーカーの仕事と混同していないか
製品の製造に加えて商社的な機能を持つメーカーの存在や商社の中には、あるメーカーの商品に特化して販売をおこなうメーカー系商社の存在があります。そのため、商社を志望する学生の中にはメーカーの仕事と混同している人がしばしばいます。
商社とメーカーの違いがあやふやのままでは、説得力のある志望動機を伝えることが難しいだけではなく、入社後に思っていた仕事とは違ったというギャップを生むことにもつながってしまいます。それぞれの特徴や違い、選考を受ける企業のビジネスモデルや関連企業とのかかわりまできちんと理解しておきましょう。
一般的にメーカーと商社の大きな違いは、「自社製品を製造しているかしていないか」です。メーカーは工場を持ち、自社製品を製造して販売をすることで利益を得ています。
一方、商社は自社で製造をおこなっていないため、自社製品を持っていません。だからこそ、商社は顧客のニーズを適切に汲み取り、それに合致した提案をおこなうという付加価値をつけることが大切です。
商品そのものを作るメーカーとして顧客のニーズに応える事業で活躍したいのか、商品は作らずに顧客の元へ届ける商社としての事業で活躍したいのか、その違いを押さえて、志望する企業の事業に合わせて志望動機を作成しましょう。
商社業界の志望動機例文10選
商社業界の志望動機例文10選
商社業界における知識や商社業界だからこそ、志望動機を作成するのに気をつけたいポイントについて理解が深まってきたことでしょう。そのうえで、商社業界の志望動機例文について10選紹介していきます。
実際の志望動機例文を見ることで、記事を通して学んできた理解の確認に努めてください。そして、実際に志望動機を作成してみることをおすすめします。学んだ知識をインプットするだけではなく、アウトプットして理解を形にしていきましょう。
例文①総合商社
例文①
商社ビジネスの新たな転換に携わることで、経済の発展に大きく寄与したいからです。
私は、「経済の発展に大きく貢献できる仕事がしたい」という軸を第一に、就職活動をしています。そのため、業界規模が大きく、これまでの経済における発展に大きく寄与してきた歴史を持つ総合商社を志望しています。
業界研究を進める中で、商社のトレーディングの需要が希薄化している現状について知り、新たなビジネスの柱を広げていく必要性を強く感じています。トレーディング事業を縮小する一方で、他業界にも渡る企業経営など周辺領域へと力を入れていくことに積極的な御社に新たな可能性を感じました。
私は学んだことを他領域へ応用する力が自身の強みであると考えています。御社に入社をさせていただいた際には、一つひとつの学びから他領域の業務や事業に応用することで、ビジネスチャンスを逃さず、商社ビジネスの新たな転換に携わってまいります。
「学んだことを他領域に応用する」という点が、業界の特徴を踏まえたうえで、自分の強みをそこに寄せて表現していることが伺えます。ちょっとしたところからも職業理解の度合いや商社業務に対しての適性が感じられる良い例文ですね。
例文②総合商社
例文②
国内のみに留まらず世界中の発展に貢献し、持続的で豊かな世界を創り続けたいからです。
大学で歴史学を専攻する中、先人の知恵がつなぎ合わさって、現在の豊かな生活を送ることができていると強く感じています。この学びから、働くことを通じて世界中が持続的で豊かな未来を創り上げる一端を担いたいと思うようになりました。世界を舞台にさまざまなソリューションを提供する総合商社は、自身の夢を実現することができると考えます。
その中でも、御社はトレーディング事業で得たネットワークやノウハウを活かして、インフラビジネスや途上国の発展にも大きく寄与されています。そのような強みを持つ御社と自分が成し遂げたい将来との方向性は最も合致していると考え、御社を志望しています。
御社に入社させていただいた暁には、幅広い視点を持ち、国内外問わず大きな影響力を与えられるよう、尽力してまいります。
結論ファーストで志望動機を語っており、自分なりの商社像も持っている点がいいと思います。ただし、具体的な説明が少なく「自分の夢」も何をしたいのかが見えてきません。その会社だからできる具体的なことを盛り込むといいでしょう。
例文③総合商社
例文③
チャレンジすることを恐れず常に成長を実感することで、何事にも高いモチベーションを持って取り組むことができるからです。
中学生で生徒会長に立候補し、高校では100名を超えるサッカー部の部長を務め、大学では1年間の休学を経て世界一周を旅しました。このように、私はどんなに大きな挑戦や苦労がともなうことでもチャレンジすることを恐れず挑戦してきました。その過程で、自分が成長していることを感じると高いモチベーションを得ることができ、さらに自分を高めるサイクルを上手く回すことができていると自負しています。
扱う商品の多さをはじめ、経済や人々に与える影響の大きい総合商社では、既存のビジネスのみならず、チャレンジすることを恐れずに突き進む姿勢が求められると考えます。その中でも、M&Aに活発である御社では多角的な事業が展開され、チャレンジする機会の多さを感じ志望しました。
御社に入社後、自らチャレンジすることで高いモチベーションを持って取り組み、挑戦から学んだことを次なるアクションへと活かすことで確実な結果を出していけるよう、努力します。
チャレンジ精神が旺盛であることが伝わってきますね。少し具体性が足りない印象があるので、実際に経験した「チャレンジ」とは具体的にどんな課題で何をどのようにして乗り越えたのか見えるようなエピソードを加えると良くなります。
例文④総合商社
例文④
日本の優れた技術を世界中の多くの人々に伝えたいと考えているからです。
私は異文化交流サークルに所属しており、国産の商品を外国人留学生に紹介すると、留学生はその安全性の高さや利便性に感銘を受けていました。その経験から日本の持つ技術力の高さを実感したことと同時に、日本の優れた技術はまだまだ海外へ浸透していない現状もあることを痛感したのです。
そこで、日本の技術力を活かした商品を幅広く世界へ流通させることができる総合商社を志望しています。その中でも御社は海外売上比率が最も高く、より多くの国・人々に日本の優れた技術を活かした商品を提供できると考え、志望しています。
御社に入社をさせていただいた暁には、自身の語学力と異文化理解力を活かし、世界に日本の優れた商品を提供することで日本経済の活性化に寄与したいと考えます。
総合商社向けとしてはやや近視眼的な点が気になりますが、異文化交流の体験をもとに志望動機につなげているところは具体性があって良いと思います。
例文⑤専門商社(食品系)
例文⑤
安定した流通網の構築とさらなる食品分野の発展に携わりたいからです。これは、大学でラグビー部に所属し、自身の体づくりにおいて食品は必要不可欠であることを強く感じたことがきっかけです。
食品は人が生存している以上必要なものであることはもちろん、人々のライフスタイルの多様化にともない、消費者ニーズに基づくマーケットイン型のさらなる成長市場であることに魅力を感じています。そのため食品商社を視野に就職活動を進めています。
その中でも、御社は積極的な海外への輸出と小売店への企画提案を強みとされていることを知り、食品分野の発展という自身の軸に合致すると考え志望しました。
ラグビー部で培った礼儀正しさを活かした既存顧客との信頼関係の構築、および精神力の高さを活かした新規顧客獲得による新たな市場開拓に励んでまいります。
冒頭で自分がかかわりたい分野を語ったうえで、自らの経験からその志望理由を語れている点が良いですね。
食品メーカーではダメなのかと思われる可能性があるので、具体的にどのような立場でどう流通させたいかという、メーカー営業と違う視点で語れるとさらに良くなるでしょう。
例文⑥専門商社(化学・医薬品系)
例文⑥
地域に密着して健康をサポートすることで、人々の健康において「近く」「深く」支える仕事がしたいからです。
私は高齢者介護施設のボランティアをおこなうなかで、地域の人々の健康を守ることにやりがいを感じました。それと同時に介護や医療現場における医療体制の不十分さについて課題を感じたのです。この経験から施設や機関の下支えをすることで、地域の健康を支えたいと考え、医薬品の専門商社を志望しています。
その中でも、御社は医薬品の安定的な流通に加えて、エリアを限定した地域のヘルスケア課題のサポートに重きを置いた事業を展開されています。このような地域密着型のビジネスでは、自身の成し遂げたいことと合致すると考えます。
御社に入社させていただいた際には、顧客の課題を汲み取り、商品やサービスの流通を通じて、課題に対するコーディネートやサポートなどの提案力を強化してまいります。
「高齢者介護施設のボランティアを~地域の人々の健康を守ることにやりがいを感じた」の部分が良いですね。実際に高齢者の方のどのような行動にどう対応したのか、なぜやりがいを感じたのかまで具体的に説明して説得力を持たせましょう。
例文⑦専門商社(機械・電子分野系)
例文⑦
日本の優れた技術力を世界中に流通させることで、多くの人々の生活を便利で豊かなものにしたいからです。
大学の一般教養の機械工学の講義にて、スマートフォンなどの電化製品や自動車など、自分の身の回りで普段何気なく使用する便利なものには多くの電子部品が使われていることを学びました。
さらに、日本の技術力なくして最終製品の製造は成り立たないことについて知り、電子分野の奥深さに興味を持ったことをきっかけにビジネスとして携わりたいと考えました。同業他社の中でも御社は業界内でトップシェアの顧客数と売上を誇っているため、多くの流通を通じて人々の生活を便利で豊かなものにできると考えます。
メーカーが研究・開発に注力できるよう、商社としての役割を担うことで、よりいっそう技術力向上の下支えをしていきたいと考えています。
途中メーカーの志望動機に見える部分もあるので、商社としての仕事内容にもっとウェイトを置いて説明できるとさらに良くなると思います。
例文⑧専門商社(鉄鋼・金属系)
例文⑧
グローバルな世界を舞台に大きな影響力を与える仕事に対して、高いモチベーションで取り組むことができるからです。
私は、幼少期から英語を学び、大学では中国語、韓国語、ドイツ語などの第二外国語も学ぶ中で、語学を活かした仕事をしたいと思うようになりました。しかし、就職活動で語学を使う仕事を探していても日常的には使用しない企業や語学を用いて大きな影響を与える仕事がなかなか見つかりませんでした。
そのような中で、グローバルにかつ鉄鋼という特殊なものであるからこそ、物流面の配慮など課題解決の試行錯誤をおこなう鉄鋼の専門商社に強い魅力を感じました。
さらに、御社は全社員が海外勤務経験があり、一人ひとりの裁量権が大きく、活躍されている社員の〇〇さんの姿に強い憧れを抱きました。自分の語学力と課題解決力を活かし、世界中の架け橋になれるよう、努力します。
経験・スキルの紹介は十分にできていますが、もう少し「なぜ鉄鋼なのか」に焦点を当てて、鉄鋼・金属業界で世の中にどうかかわっていきたいのか説明することを心掛けましょう。
鉄鋼業界についてもっと詳しく知りたい人は次の記事を読んでみてくださいね。鉄鋼業界について解説しています。
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鉄鋼業界のイメージはつかみにくいかもしれませんが、実は学生にとって魅力的な業界でもあります。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、鉄鋼業界の仕事内容や魅力、就職するための対策を解説します。
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例文⑨専門商社(繊維系)
例文⑨
あらゆるものにおいて環境に優しい原料の活用でサステナブルな社会を実現したいからです。
売り手と買い手の仲介役のみならず、メーカーとの共同研究開発や販売店への企画提案など幅広く事業を展開されることに魅力を感じ、繊維の専門商社を志望しています。その中でも、御社は環境に配慮した繊維素材と幅広いネットワークの強みを活かすことで、環境に配慮した社会の実現に大きく寄与されています。
限りある資源の中、人々が豊かに生活していけるサステナブルな社会の実現により、大きく貢献できるよう他社との信頼関係の構築をおこなってまいります。
「環境に優しい原料の活用でサステナブルな社会を実現」を目指すのは良いことですが、環境に配慮した繊維素材を扱う競合の商社が多くある中で、なぜこの企業を志望するのかが明確に伝わる具体的なエピソードや想いを加えると良いですね。
例文⑩専門商社(燃料・エネルギー系)
例文⑩
エネルギーの安定供給とさらなる課題への解決に携わることで、人々の生活の安心を守り続けたいからです。東日本大震災で普段当たり前のように使用していた電気やガスなどを享受できない現実に直面し、大きな恐怖心を抱いたことがきっかけです。
エネルギーの供給を担う専門商社において、安定供給のみならず、脱炭素社会の実現や新型コロナウイルス感染症の影響による輸送用エネルギー需要の低下、ロシアのウクライナ侵攻にともなうエネルギー資源価格の高騰など経済・社会両面から求められる課題が多く、厳しい現状があることも認識しています。
御社の中期経営戦略とそれに取り組む事業の見直し・拡大について拝見し、課題解決に向けて真正面からスピード感を持って取り組む御社に魅力を感じました。
御社に入社後、持ち前の責任感を活かして最後まで課題解決に向き合うことで、エネルギーを通じた社会課題の解決に尽力します。
志望の裏付けとして体験と時事問題の2つを使って説明していて説得力があります。業界の課題を認識している(内容が的外れではないことが前提ですが)ことにも触れているので、当事者感覚を持って働いてくれることに期待が持てます。
商社業界の業界・職種理解に役立つツールを紹介
志望動機を作成するには、業界・職種を理解することが大切であることについて記事を通して繰り返し強調してきました。業界・職種をよく理解していることで、志望動機のみならず、面接での受け答えの自信にもつながります。
そこで、商社業界の業界・職種理解に役立つツールを紹介します。「書籍」「映画・ドラマ」「Webサイト」の3つのツールに分けて解説していきます。自身の就活の状況に合わせて上手くツールを選択・活用し、商社業界の業界・職種の理解を深めていきましょう。
①書籍
書籍は、業界・職種を体系的に理解するのに役立ちます。学生におすすめする書籍の一例を以下に紹介しますが、書籍はたくさんあるので、中身を確認して自分の使いやすいものを選択しても良いでしょう。
おすすめの書籍
①現代総合商社論
三菱商事の社員がおこなう講義が書籍化したもので、商社の具体的な仕事内容を理解できる1冊です。これまでの総合商社の変遷や今後の商社の方向性についての理解を深めることもできます。この1冊を読むことで、面接でさまざまな確度から深掘りをされた際に業界についてよく理解した観点から受け答えすることができるようになります。
②図解即戦力 商社のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書
商社業界の最新動向から始まり、学生に役立つ商社で働く人の採用・待遇・キャリアパスが詳しく書かれているため、働くイメージを持つことができる1冊です。専門商社についても1章分設けて詳しく解説しているので、商社を志望する人全員におすすめしたい本です。グラフやカラーによる図解で解説されているため、理解もしやすいですよ。
③業界と会社研究 2025年度版 商社 商社パーソンの仕事と働き方がわかる
商社に勤める若手ビジネスパーソンへのインタビューによる各エピソードからリアルな仕事内容や働き方を具体的に把握できる1冊です。時間がなくてOB・OG訪問ができないという人も、この本を読むことで仕事のリアルを理解することができます。
②映画・ドラマ
映画・ドラマは、商社業界の働き方についてリアルな実態を理解するのに役立ちます。就活の息抜きや時間のある1、2年生にはとくにおすすめです。学生におすすめする映画・ドラマ作品の一例を以下に紹介します。
おすすめの映画・ドラマ
- 「プロフェッショナル 仕事の流儀 商社マン 片野裕の仕事 不屈の課長、情熱を力に」
- 「あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑 商社マン 儲かるしくみ つくります」
- 「不毛地帯」
- 「HOPE」
- 「ハル ~総合商社の女~」
- 「ザ・商社」
映画やドラマは、見て終わりだと記憶に定着しづらいこともあるため、作品からどんなことを感じたのかをまとめておくと良いでしょう。
③Webサイト
書籍や映画・ドラマは、新しい作品が出版・制作されますが、一度購入したものはどんどん内容が陳腐化していきます。
そこで、業界の最新情報を得るには、Webサイトの活用が役立ちます。その中でも、JFTC – 一般社団法人日本貿易会は、商社の機能と活動事例、今話題のビジネスなど商社業界についての理解が深まるコンテンツが豊富でおすすめです。
電車の移動中などにこまめに確認する習慣をつけられると良いですね。
差別化した志望動機で商社業界の選考を突破しよう
ここまで、商社業界の志望動機を作るうえで理解しておきたいことを網羅的に解説してきました。倍率が高く人気な商社業界だからこそ、ほかの学生と差別化した志望動機が求められます。志望動機は選考を突破するうえで、最も大事な質問であるといっても過言ではありません。
今回解説した業界・職種の特徴や業界の抱える課題の理解や自己分析を徹底しておこなうことで、商社業界の選考を突破していきましょう。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見る自分の興味と商社の仕事を結びつけて考えてみよう
商社は毎年学生に人気のある業界ですが、応募する前から諦める必要はありません。総合商社も専門商社も各社の特長があり、探し方次第で強い興味やモチベーションを掻き立てられるような事業を展開している企業に出会うこともあるでしょう。
志望動機は、表面的な言葉を並べるだけでは採用担当者には決して伝わりません。志望する企業の商材や事業の特長をできるだけ詳細に理解するように努力し、具体的に興味を惹かれる部分がどのような点なのか、なぜ自分はそれに惹かれるのかを紙に書き出してみることをおすすめします。
自分の言葉で語れるまで志望動機を深掘りしよう
志望企業の商材や事業に自分が惹かれる理由の源泉を知ることができれば、より強くその企業への関心が沸き、より具体的な志望理由に自分自身で気づくことができ、実体験のエピソードや志望動機を裏付ける自分の想いを、表面的な漠然とした表現ではなく、自分の言葉で表現できるようになります。
自分の本当の志望理由を認識できれば、説得力のある志望理由を書くことができます。自分の本音で具体的な想いを語り、説得力のある志望理由を作成してください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役
Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細