この記事のまとめ
- 文系の大学院では汎用性が高いスキルを多く習得できる
- 文系大学院生の就職は不利な場合もあるが対策すれば成功させられる可能性は十分にある
- 大学院進学か就職で迷っている文系学部生が後悔しない進路を見極める方法を解説
- 適職診断
たった3分であなたの受けない方がいい職業がわかる!
この記事を読んでいる人に
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文系大学院への進学について、「理系と比べて将来的なメリットが少ない」「文系大学院生は就職で不利になる」のような噂を耳にしたことがある人は少なくないですよね。大学院に行って、もっと本格的に研究したいと考えている学生は特に噂の信ぴょう性が気になっているのではないでしょうか。
この記事では、キャリアアドバイザーの隈本さん、瀧本さん、内藤さんのアドバイスを交えつつ、文系大学院生の就活の実態と選考対策を解説します。
大学院への進学を視野に入れている学生や、就活を控えた文系大学院生が知っておくべき情報を紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
文系は大学院進学と就職どちらを選ぶべき? 実態を理解したうえで判断しよう
同学年の学生が就活を始める一方で、大学院への進学を検討している人もいますよね。文系の大学院となると、理系と比べてネガティブなイメージがあり、判断に迷う人も多いのではないでしょうか。漠然としたイメージを基準に判断せず、実態を理解したうえで自分が後悔しない進路を選択しましょう。
記事ではまず文系大学院に進学するメリット、文系大学院へのネガティブなイメージと実態を解説。そして、進学か就職で迷っている学生が後悔しない進路を見極める方法を伝授します。今自分がやりたいことやありたい姿だけでなく、数十年先の未来まで見すえて、理想のキャリアの描きましょう。
そして記事終盤では、文系大学院生が就活を成功させる秘訣も解説しています。現役の大学院生や大学院進学を決意している人も参考にしてくださいね。
- 文系大学院生は就職で不利なのでしょうか。
競争は激しいが不利ではない
文系大学院生の就職市場は競争が激しいといえますが、だからといって不利になるわけではありません。新卒採用時の年齢を特に気にするような航空会社のパイロットなどのケースを除き、基本的に文系学部生と同じです。
大学院生かどうかに限らず、重要なのは自己アピールの方法です。自身の専門知識とスキルを強調し、企業が求める価値を伝える必要があります。また、長期インターンシップでビジネス経験を積むことも有益です。
面接やエントリーシート(ES)では自己成長意欲や人間性をアピールすることも忘れずに。自分の強みを活かして企業との相互の適合性をアピールすることで、就職活動で成功するチャンスを高められますよ。
文系の大学院では何ができる? 進学するメリット
文系の大学院では何ができる? 進学するメリット
- 興味がある領域の研究に集中できる
- 知識が豊かな教授からより多くのことを学べる
- 汎用性が高いスキルを身に付けられる
大学院に関して漠然としたイメージはありつつも、進学する具体的なメリットがわからず、決意しかねている人もいるのではないでしょうか。
ネガティブなイメージを持たれがちな文系大学院ですが、大学院だからこそできる経験や身に付けられるスキルは多数あります。
ここでは文系の大学院に進学するメリットを解説します。大学院のことをよく知らない人は、まずここで解説する3つのメリットを押さえて進路選択の判断材料にしましょう。
興味がある領域の研究に集中できる
学部生の間は学部に関連する授業が多いものの、教養科目として自分の興味には合わない授業も受ける必要がありますよね。たとえば、経済学部であっても英語や第二外国語、体育の授業などが必修科目とされている大学は少なくありません。
その点大学院で受ける授業は、自分が専門とする研究に関連が強い科目ばかりです。極めたい分野以外の勉強に時間を割く必要がなく、興味がある領域を集中して学ぶことができるのです。
知識が豊かな教授からより多くのことを学べる
大学院に進学すると研究室でおこなわれる授業が多くなります。研究室への出入りが増えるため、必然的に教授と交流する機会も多くなります。
また、文系の大学院生は学部生や理系の大学院生と比べて少数の傾向にあるので、教授が学生一人に割ける時間が多いのが特徴です。
汎用性が高いスキルを身に付けられる
文系の大学で学ぶことは実践的でないと思われがちですが、そんなことはありません。専門的な知識そのものを仕事に活かせる機会は少ないですが、研究の過程で身に付けられるスキルは汎用性が高いもので、多くの仕事に活かせます。
大学院生は一つの研究テーマに根気強く取り組まなければならない場面や多くの人の前で自身の研究を発表する機会があり、その過程では多くのスキルを身に付けることが可能です。
論理的思考力 | 困難な局面やトラブルが発生したときに原因を解明し、筋道を立てて解決に導く能力。 |
プレゼン力 | 伝えたい情報を的確に説明できる能力。聞き取りやすい話し方や適切な身振り手振り、効果的なプレゼン資料を作成できることも含む。 |
情報収集力 | 信頼性が高い情報を効率良く手に入れられる能力。 |
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る文系の大学院で身に付けられるスキルは社会に出ても活かされる
進学先の学部によって習得するスキルには差がありますが、以下のような能力は就職先でも特に活用できるでしょう。
①データ分析と批評能力
大学院の研究テーマに対する答えを論理的に組み立てるためにおこなうデータ収集やその分析力、論文や文献から自身の研究と関連性のある情報を見つけて客観的な目線で批評する能力はそのまま就職先で活かせます。
②ディスカッション能力
自分の考えをわかりやすく相手に伝えるプレゼン能力はもちろん、他者と建設的な議論をおこないながら答えを導くディスカッション能力も就職先で活かせます。
ディスカッションでは自分の意見を一方的に伝えるだけではなく、相手の発言の意味を読み取ってより良い答えを導くことを目的とするため、就職先でもさまざまなシーンで活用できます。
③法律に対する専門知識
法科大学院に進学している学生ならば、法律に対する専門知識が就職先で活かせます。法科大学院生は司法試験の受験資格を得られるレベルにあるため、学部生に比べて法律に対する専門知識を習得できます。
実際に模擬法廷での弁論経験なども積むため、就職先でもコンプライアンスにかかわる法務部門などで重宝されます。
法科大学院に進学していて法律関係の仕事に興味がある場合は、以下の記事で法律関係の仕事を紹介しているので、ぜひチェックしてください。
法律関係の仕事24選! 仕事内容や必要な資格を徹底解説
文系から大学院に進む人は少ない? 進学しない主な理由と実態
総務省による平成28年の大学院の現状を示す基本的なデータによると、学部生のうち大学院に進む人の割合は、もっとも多い教育分野でもわずか6.0%でした。そのほかの分野でも人文学が4.7%、社会科学が2.5%と、文系で大学院に進学する人はかなり少ないことがわかります。
一方理系では、理学で41.8%、工学で36.4%、農学で23.4%の学部生が大学院に進学し、理系と比較するとさらに文系の大学院進学率が低いことがわかります。
分野別の大学院への進学率
- 文系
教育学:6.0%
人文学:4.7%
社会科学:2.5% - 理系
理学:41.8%
工学:36.4%
農学:23.4%
文系の大多数の学部生が大学院に進学しないのはなぜでしょうか。大学4年間で研究に満足したうえで就職を志す人も多いですが、大学院に心惹かれつつも進学より就職を選ぶ人も少なくありません。その理由と実態を解説していきます。
経済的に厳しいから
大学院に進学するとまず入学金を支払う必要があり、そして授業料を納めなければなりません。合計して支払う金額は決して手頃な金額ではなく、国公立大学でも卒業までに約130万円が必要とされています。
大学院に進学すれば、卒業までの数年間でそれだけの出費が発生するのです。一方、同学年で就職を選んだ場合、当然進学しないので支払いの必要はありません。むしろ就職して仕事をすれば、収入を得られるので経済的にゆとりを持つことができます。
経済的な面に焦点を当てると、目先の2年間で大きな出費をするか、就職して収入を得るかであれば、後者の方がリスクの少ない選択に思えます。よって、経済的な面が理由の一つになって進学を諦める学生が出てくるのです。
奨学金を利用する人が多い
日本学生支援機構による令和4年度学生生活調査結果によると、修士課程の学生のうち奨学金を受給している人の割合は51.0%、博士課程では58.9%です。大学院生の半数が奨学金を利用しています。
奨学金にはいくつか種類がありますが、多くは卒業後に返還する必要があります。文系の大学院生に限った話ではありませんが、就職後奨学金の返済が経済的な負担になって苦しむことから、大学院進学を躊躇する人もいるのが現実です。
大学院卒業後の進路が不安だから
文系大学院への進学を検討する際、卒業後の進路を不安視する人は少なくありません。理系のように学校推薦を経由しての就職や、院生が優遇されるような採用が少ないため、「就職できないのではないか」「選択肢が狭まってしまいそう」と懸念しているのです。
大学教員や研究者になれればと願う人も多いですが、これらの職種に就ける人はごくわずかで、実力だけでなく人脈や運もあり現実的に考えにくい人がほとんどでしょう。
となると民間企業や公的機関への就職を目指すことになりますが、大学院に進学したからといって採用される可能性が高まるわけではないので、進学せずに就職を選ぶ人が多いのです。
教職や公務員を志望する人が多い
教育や文学、法学、経済学など文系の分野で学べることを活かす機会があるのが、教職や公務員です。
これらが文系大学院生に人気なのは、仕事内容に興味を抱きやすいだけでなく、学部卒と比べて初任給が高く設定されていたり、昇給しやすいケースが見られるのも理由の一つです。
国家公務員の場合、総合職に院卒者専用の採用枠が設けられています。そこで、安定性と社会的信頼が得やすい公務員への就職を希望している人が多いのです。
文系大学院生の主な就職先というのは出身の大学院や社会情勢などによっても変わってきます。特に毎年人気のある業界は商社や通販、出版、広告、コンサル、保険、銀行、証券などです。
文系大学院生の就職活動における懸念点
文系大学院生の就職活動における懸念点
- 専門性を活かせる職業が限られている
- 学業と両立させるのが難しい
- 年齢がネックになって選考で不利になることがある
- 人柄に関してネガティブな先入観を持たれることがある
教職や公務員を志望する人が多く、民間企業を志望する人は少ないのが文系大学院生の実態です。民間企業へ就職する人が少ないのには、選考を突破しにくい、理系のように大学院生が優遇されることが少ないなどの理由があります。
なぜ企業は文系大学院生に理系のような優遇をあまりせず、採用に積極的ではない企業も少なくないのでしょうか。そこには企業が文系大学院生に抱いているいくつかの懸念があるのです。
ここでは、企業が抱いている懸念も含めて、文系大学院生が就職活動でつまずきやすいポイントを解説していきます。懸念を押さえれば有効な対策が見えてくるので、大学院生や大学院進学を決めている人もぜひ参考にしてくださいね。
①専門性を活かせる職業が限られている
理系の場合、採用人数は多くはありませんが、民間でも研究職の採用があります。たとえば、バイオ製品を製造するメーカーの研究職に農学部の人が就くと、大学院で学んだ専門的知識や実験の基礎的技術が活かせます。文系だとこのように専門性を直接的に活かせる仕事が少ないのです。
大学院まで進む人であれば、自分の研究分野に情熱を注いできた人や、学んだ知識に誇りを持っている人も多いはずです。しかし、研究で得た能力や知識を直接的に活かせる職業は限られており、思うようなキャリアが築けない可能性があるのです。
「文系の就職先は少ない」「文系は理系よりも就職が不利」と噂されることもありますが、こちらの記事では実は幅広い選択肢があることを解説しています。実態が気になる人はぜひ参考にしてみてください。
文系の就職先は多様! 業界別人気企業ランキングと後悔しない選び方
理系大学院生でも研究職に就くのは簡単ではありません。少ない採用人数で選ばれるための対策や研究職の概要をこちらの記事で解説しています。
研究職ってどんな仕事? 狭き門を勝ち抜くための志望動機例も紹介!
- 文系の専門性を活かしやすい業界があれば教えてください。
「言葉」を正しく扱うことが求められる業界
文系の専門性を特に活かしやすいのは、「言葉」を正しく扱うことが求められる業界でしょう。たとえば、法学部なら法律を正しく理解する必要がある法律の専門家として士業に携われます。
行政書士や司法書士などはもちろん、難易度は高いですが知的財産法の専門家である弁理士は、出願する特許技術の内容を理解したうえで特許を成立させるための手続きをおこなうため、製造業などで特に求められます。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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②学業と両立させるのが難しい
大学院の修士課程は2年で修了するのが一般的です。修了後はさらに高度で専門的な研究に取り組む博士課程に進むか、大学院を卒業するかのどちらかの道に進みます。後者の場合だと、就活は修士1年目の後半から始めなければ学部生に先を越されてしまいます。
大学院での生活にようやく慣れてきた頃には、就活を始めなければならないのです。大学院での取り組みは学部生よりも多くのことを求められます。ゼミや学会での発表、修士論文の作成などと並行して就活を進めなければなりません。加えて、収入を得るためにアルバイトをしなければならない人もいるでしょう。
大学院生の就活は学部生以上にハードです。大学院生の就活には、これを乗り越える体力や精神力があるかどうかが懸念されます。
学部時代よりも、大学院の課題や研究は何倍も過酷になります。そのような学業と就活の両立が求められるため、時間的に非常にハードで就活に失敗する院生が多いのも事実です。
企業研究、ES作成、面接対策など、多くのタスクを同時進行でこなす必要があります。場合によっては、就活アカデミーの活用も含めて、周りの力を借りてタイムパフォーマンス良く就活ができる環境を作りましょう。
③年齢がネックになって選考で不利になることがある
修士課程で留年したり、博士課程まで進んだ人は、年齢が一因となって採用を見送られてしまうケースがないとは言い切れません。企業が懸念しているのは、社員の年齢バランスが崩れることです。
新卒採用で入社する社員は20代前半の人がほとんどです。一方、大学院で留年したり博士課程まで進んだ人は30歳近くで入社することになります。
30歳近くとなると、すでに同じ年齢の人たちの中には仕事で成果を出し、責任の大きい仕事を任されている人も多いでしょう。
企業に在籍できる年齢の上限は決まっているケースが多く、年齢が若い人の方がその分企業で活躍できる期間が長くなります。そのため、年齢が若い学生と比較して就職活動で不利になるケースがあるのです。
ただ、個人的には単純に年齢がネックで不採用になるということは少ないと思っています。留年したならばその理由、大学院で学んだことと就職希望先の業界や職種との関連度の高さが重要視されるので、年齢だけで判断されることはあまりありません。
④人柄に関してネガティブな先入観を持たれることがある
偏見に過ぎませんが、文系大学院生に対して「就職したくないから大学院に進んでいそう」のようなネガティブなイメージを持つ人もいます。
文系大学院生の母数が少ないため、どんな研究をしているか知られず、事実に即していない先入観を持たれることがあるのです。もちろん先入観を持たずに一人ひとりの学生と向き合って評価する企業も多数あります。
面接での話し方や振る舞いによって、ネガティブなイメージを払拭することも可能です。しかし、書類選考や短時間の面接などでは先入観を覆すことは難しく、就職が難航してしまうケースもあるのです。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る企業が文系大学院生に求めていることを理解しよう
文系大学院生に対して企業が期待していることは、専門知識と研究力に基づいた大学院での研究成果や論文執筆経験です。
そして、すでに身に付けた問題解決能力にも期待しています。そこでは複雑な問題を分析し、解決策を提案できる能力が企業にとっての大切なポイントとなります。
さらに、コミュニケーション能力にも注目されます。円滑なチームコミュニケーションや顧客・パートナーとの関係構築ができるかどうかが求められているのです。
また、世界中の誰と組んでも成果を残せる人が持つ、特徴的な行動や思考(グローバルマインドセット)も重視されるので、留学経験や国際交流の経験、英語力があると有利となります。
文系大学院生が懸念されやすいのは対人スキル不足や知識の偏り
一方、懸念される点としては実務経験の不足が挙げられます。大学院生は研究に重点を置くため、実務的なスキルや経験の不足が懸念されやすいのです。
また、コミュニケーションスキルの不足も懸念材料です。ただ研究に没頭するのではなく、普段から対人関係も含めたコミュニケーションスキルを向上させておく必要があります。
さらに、専門知識の過剰特化も懸念されます。企業は総合的な視野や多様な知識を持つ人材を求める傾向があるので、狭すぎる研究内容は懸念事項となります。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
文系大学院生の就活は難航することも…… だからといって諦める必要はない
文系大学院に進みたい人にとって、就職が不利になるかもしれないのは大きな懸念ですよね。事実、文系大学院生の採用に消極的な企業や、ネガティブな先入観を持った企業は存在し、就活が難航することはあります。だからといって希望がないわけではありません。
たしかに文系大学院生は過少評価をされることがあります。それは、文系の大学院がどういうところなのかが一般に知られず、身に付けられるスキルの多さや仕事への活かし方を企業の担当者がイメージできないことが理由として挙げられます。
日本の文系大学院への進学率の低さは問題視されていて、今後文系大学院への企業側の理解を促す動きは拡大していく可能性が高いです。最近では採用活動でも多様性を意識した取り組みが広がっていて、大学院生を中途採用枠でも採用する企業が増えてきています。
最初に大学院に進学するメリットとして解説したように、文系大学院では論理的思考力やプレゼン力など汎用性が高いスキルを獲得する機会があります。身に付けたスキルを効果的にアピールして自分を採用するメリットを感じてもらえば、希望する就職が叶う可能性は十分にありますよ。
進学か就職で迷っている文系学生必見! 後悔しない選択をする方法
ここまで大学院に進学するメリットや、就職活動での懸念点を述べてきました。進学か就職で迷っている文系学生には、さらにどちらを選ぶべきかわからなくなってしまった人もいるのではないでしょうか。
進学か就職を決める選択をしなければならないということは、今人生の岐路に立っているといえます。ここでどちらを選択するかによって、将来自分が築くキャリアが大きく変わる可能性があるのです。
そのため、今の自分の気持ちだけを頼りに決めるのではなく、数十年先にありたい姿まで想像して選択することが大切です。ここからは、後悔しない選択をする方法を解説するので、進路に迷っている文系学生はぜひ実践してくださいね。
①進みたい大学院の就職実態を調べる
進学か就職で迷っているのであれば、その両方を調べなければ比較ができず、自分が選ぶべき道筋も見えてきません。
まずは大学院の就職実態を調べましょう。大学院に進学した場合、どんなキャリアが描けるのかをより具体的にイメージできるようにします。そのために、研究室を訪問したり、先輩に話を聞いて情報を集めましょう。
研究室を訪問して教授に相談してみる
在学中の大学に進学するケースもあれば、学外の大学院への進学を希望している人もいますよね。どちらにせよ迷っている段階で一度、研究室を訪問してみるのがおすすめです。
研究室に行けば、院生が研究をしている様子から自分が進学した場合にどのような研究ができるのかをイメージすることができます。
研究室に教授がいれば、卒業生の就職先について話を聞きましょう。大学教員としてのキャリアが長い人であれば、数多くの大学院生の卒業を見届けてきたはずです。卒業生の就職先、キャリアの築き方を質問してみましょう。
教授への質問例
- どのような研究をしているのか
- 大学院生にはどのような指導をしているのか
- ゼミや定例会はどの程度実施されるのか
- 卒業生はどのような進路を進んでいるのか
- 就職活動との両立は可能なのか
文系大学院生に話を聞いてみる
現役の文系大学院生であれば、大学院の先輩や同学年の就職実態などリアルな情報を知っています。時間をもらって話を聞いてみると良いでしょう。
院生の数は決して多くないはずなので、希望先の研究室の院生に限らず幅広い文系分野の院生の話を聞いてみるのがおすすめです。
就職先がすでに決まっている院生であれば、その就職先を選んだ理由や今後のキャリアの希望についてもヒアリングすると、自分の将来を考えるときに参考になりますよ。
文系大学院生への質問例
- なぜ大学院に進むことを決めたのか
- 大学院に進んだメリットとデメリットは何か
- 就職活動との両立は可能か
- 就職活動はいつから始めたか
- 就職先はどのように決めたか
大学院への進学を検討している学生は、大学の就職相談室に確認するのが早いでしょう。教授は自分の研究室の情報は熟知していても、ほかの研究室の情報は知らない可能性があります。
学部ごとに過去の就職履歴がまとめられている可能性もありますが、まずは就職相談室への問い合わせがスムーズです。
②就職活動を始めておく
進学か就職で迷っている状態でも就職活動は始められます。もし最終的に進学を選んだとしても、就活を通して新しい知識を得たり、大学で身に付けたスキルの活かし方がわかると、視野が広がったり、学業へのモチベーションを高めることにもつながります。
中には就活を回避するために進学を考えている人もいるかもしれません。しかし、インターンやセミナーに参加してみると、自分に合った仕事ややりがいを感じられる仕事が見つかることもあります。
ぜひ就職活動はなるべく早く始めましょう。
これから就職活動をスタートする人は、こちらの記事を読んで流れや準備するべきことを押さえてくださいね。
就活のやり方は? 内定を勝ち取るために必要なすべてを徹底解説!
インターンに参加する
就活の第一歩としてインターンへの参加をおすすめします。インターンで職業体験をすれば働くイメージが具体的になり、その仕事が自分に向いているのかどうかが正確に判断しやすくなります。
インターンはマイナビやリクナビのような就職情報サイトで探せます。会員登録すればエントリーすることも可能です。大学のキャリアセンターでも紹介しています。いくつかの方法で探してみて、興味のあるインターンを見つけて参加しましょう。
インターンに参加する方法やメリットは、こちらの記事でさらに詳しく解説しているので確認してくださいね。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
インターンが実施されるタイミングやインターンの種類など、参加前に知っておくべき情報をこちらの記事でチェックしましょう。
インターンはいつから参加? 応募から選考までのスケジュールを解説
人気企業のインターンでは、参加者を選考で決めるケースもあります。インターン選考対策について以下の記事で解説しています。
ES
インターンシップ参加を掴むエントリーシートの書き方|例文あり
面接
インターンシップの面接を突破する3つのカギ|質問と回答例12選
自己PR
例文18選|インターンシップ選考を勝ち抜く自己PRは5ステップで完成!
志望動機
例文19選|インターンシップの志望動機づくりはこれで完璧!
説明会やセミナーに参加する
3、4年生の中にはインターンに参加するタイミングを逃してしまった人もいるでしょう。該当する人は説明会やセミナーでも企業理解を深めることは可能です。
インターンは数日間かけて実施されますが、説明会やセミナーは単日もしくは数時間で終わるので、その分多くの企業の話を聞くことができます。
進学しようと考えていて業界研究がまったくできていない人、どんな企業があるのかもよく理解できていない人は、まず説明会やセミナーに参加して各業界や企業の特徴をつかみましょう。
Web説明会を実施する企業が増えています。Web上での説明会であれば、より気軽に参加できますよ。こちらの記事を読んで参加方法や注意点を押さえてくださいね。
Web説明会参加マニュアル|服装やメール送信例まで完全網羅
- 大学4年生なのに就活はほとんどできていません。今からでも就活をするべきでしょうか?
自分自身と改めて向き合おう
直面している状況について大変難しい選択を迫られていることだと思います。しかし、大学4年生の4月からでも就職活動を開始するのに決して遅すぎることはありません。
なぜなら、若年者の人手不足が慢性化しているため、多くの企業が一年中採用活動をおこない、学部を卒業するまでに選考を受けられるチャンスが以前よりも多く存在するようになったからです。
大学院への進学は深い学問への興味や特定の専門職を目指す場合には良い選択肢とはなりますが、それはあなたが目指すキャリアのゴールに必ずしも一致するものとは限りません。
まず、自分自身と向き合い、自分が何を達成したいのか、どのようなキャリアを望んでいるのかを再評価してみてください。そして、その評価を元に最も効果的な経路を選択することが大切です。
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③自己分析をしたうえで自分に合う方を見極める
当然ながら大学院に進学した後、「進学して良かった」と感じる人もいれば、「就職すれば良かった」と後悔する人もいます。就職した場合も同様で、後悔する人としない人の両方がいます。
自分はどちらの道を選べば後悔しないのか。先のことを見極めるヒントは自己分析をすると見えてきます。自己分析をして自分の強みや価値観を明らかにすると、自分にとって幸せな働き方やキャリアの築き方が推測できるのです。
大学院の就職実態や就活を通して得られた情報を参考にしながら、自分の理想のキャリアを実現できるのはどちらか見極めましょう。
自己分析が初めての人はこちらの記事を参考にしてくださいね。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
マインドマップやシートを作りながら自己理解を深める方法もおすすめです。自分に合う方法を実践しましょう。
マインドマップ
マインドマップで自己分析を極めよう! 活用方法や注意点を徹底解説
自己分析シート
簡単15分! 自己分析シートのフォーマット6選
①自分の強みや価値観を明らかにする
自己分析でまず明らかにしたいのは自分の強みや価値観です。
強みを活かせる仕事に就くと、やりがいや充実感を持って仕事がしやすくなります。幼少期まで遡り、周りに感謝された場面や逆境を乗り越えた経験を振り返り、そのとき発揮できた能力を言語化します。たとえば、学級委員としてバラバラなクラスの意見をうまくまとめた経験があれば、リーダーシップが強みといえます。
また、価値観は自分のモチベーションが上下した過去に焦点を当てると見えてきます。モチベーションが上がったときには共通した条件があるはずです。たとえば、「誰かの役に立てたこと」がきっかけでモチベーションが高まった経験が多い人は、「人の役に立つことに喜びを感じる」という価値観を持っているといえます。
このように、自己分析から自分の強みや価値観を明らかにしましょう。
自分に合った仕事の探し方はこちらの記事でも解説しています。
良い仕事とは? 自分に合う働き方や会社が必ず見つかる3ステップ
②それぞれを選択したと仮定してビジョンを描いてみる
強みや価値観がわかったら、学部卒のキャリアと大学院卒のキャリアを比較しましょう。
大学院卒の就職先は学部卒と比較して、民間企業が少なく教員や公務員が多い傾向にあります。どちらの方が自分の強みを発揮できるか、価値観に合っているのかを考えてみましょう。
たとえば、大学院生が公務員になりたい場合、研究と両立しながら公務員試験の対策をしなければなりません。学部卒であれば、その間社会に出て実践経験を詰んでいます。大学院卒で社会に出る頃には、ある程度の仕事を覚え、成果を出せている人もいるでしょう。
ただ、研究と両立しながらの試験は大変ですが、スムーズに合格できれば学部卒で就職するよりも良い待遇を受けられることもあります。こちらの方が合っているという人もいますよね。
このように、それぞれを選択したと仮定してビジョンを具体的にしてみると、後悔しない方が見えてきますよ。
将来のことを具体的に考えるのは難しいですよね。こちらの記事で、将来ありたい姿の考え方や実現させる方法の見つけ方を解説しています。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
アドバイザーコメント
内藤 寅之助
プロフィールを見る進学か就職で迷っているときは多角的な視点から検討しよう
文系大学院進学か就職か迷っている学生には、以下のポイントを考慮して判断することをおすすめします。
①キャリア目標の明確化
自分が将来どのようなキャリアを築きたいのかを明確にすることが重要です。自分の興味や情熱がある領域や職種、役割を考え、それに向かって進むかどうかを検討しましょう。
②専門性の獲得
大学院進学は専門知識の獲得や研究能力の向上に役立ちます。研究に興味があり、学術的なキャリアを追求したいのであれば、大学院進学が適しています。一方、実務経験や実践的なスキルの習得を重視するのであれば、早期に就職する方が適しているかもしれません。
③希望する業界の就職市場の動向
行きたい業界がある人は、若い人材を好む業界なのかそうではないのかなどを含む就職市場の需要と供給のバランスや、産業の成長分野を調査しましょう。現在の求人傾向や将来の予測を把握することで、自分の選択肢を客観的に評価できます。
④ネットワーキングと情報収集
就活アカデミーの講師や、大学の先輩、現場で働くプロ、大学院生・卒業生との交流を通じて情報を収集しましょう。業界の現状や将来の展望、大学院進学や就職のメリット・デメリットを知ることができます。
⑤プランBの検討
文系大学院進学を希望していても、合格できなかった場合や途中で転換を考えたい場合に備えて、プランBを考えることも重要です。基本的には学部時代も同時並行的に就職活動をしたり、インターンなどを経験するようにしましょう。
最終的な選択はあなた自身がおこなうべきです。将来のキャリア目標や自身の能力、情熱に基づいて判断しましょう。将来の幸福と成長につながる選択をするためにも、時間をかけて慎重に考えることをおすすめします。必要な情報を集め、周囲のサポートを活用しながら自信を持って進んでください。
文系大学院生の就活は学部生とほぼ同じ! 情報収集から始めよう
「大学院生はどのように就活をすれば良いのだろう」「学部生との違いはあるのかな」と疑問に思っている人もいますよね。文系大学院生の就活は学部生とほとんど変わりません。同じようにインターンに参加し、説明やセミナーで情報収集をし、同じように選考を受けます。
学部生に遅れを取らないよう、情報収集は常に怠らないようにしましょう。大学院生は学部生より人数が少ないため、同じ学年に気軽に情報交換をできる人がいないケースも多いです。大学のキャリアセンターを利用したり、セミナーに積極的に参加するなどして情報を主体的に入手するように心掛けてくださいね。
また、大学院生は中途採用枠で応募可能な企業もあります。新卒向けの就職情報サイトだけでなく、転職情報サイトにも目を通して採用情報は幅広く確認しましょう。
転職サイトの例
就活の進め方に迷ったり、就活に関してわからないことがある場合は、以下の記事で紹介している機関や専門家に相談しましょう。新卒向けの記事ですが、既卒や第二新卒の人も利用できる方法を紹介しています。
就活の相談先14選! 良い決断ができる相談相手の選び方も解説
- 文系大学院生の就活と学部生の就活に違いはありますか。
専門家としての就職でなければ学部生との間に大きな違いはない
文系大学院生と学部生の就活に大きな違いはありません。
理系と違って専門性の部分を高く評価されたり研究室ごとの推薦があったりするとは限らないため、学部生と同様にコミュニケーション力などの社会人基礎力が求められます。
大学院の研究テーマや培った専門性を活かす研究職や専門機関などへの就職を目指す場合は、学部生と違って研究テーマや取り組みなどが評価対象となります。
そのため、マッチ度が低い職業への就職難易度は高くなるでしょう。
文系大学院生が知っておくべき! 就職を成功させる3つのアピールポイント
文系大学院生が知っておくべき! 就職を成功させる3つのアピールポイント
- 興味関心が向くものへの高い熱量
- 社会人としても通用するコミュニケーション能力
- 研究を通じて身に付けた知識やスキルの再現性
選考は採用担当者に自分を採用するメリットを感じさせてこそ、内定につなげることができます。自分の強みやスキルが仕事に活かせることを、説得力を持って伝えることが重要です。
ここでは、文系大学院生がアピールすると効果的なアピールポイントを3つ取り上げて解説します。文系大学院生は採用選考でのアピールに役立ててくださいね。
①興味関心が向くものへの高い熱量
文系の大学院に進む人は少なく、理系と比較して就職でメリットになることは多くありません。それでも大学院に進学したということは、研究がしたいという強い意志や専攻する学問に対する情熱があるからではないでしょうか。また、大学院を卒業するのは学部を卒業するのと比較して難易度が高く、中途半端な熱量では乗り越えることができません。
大学院を卒業する見込みがあるということは、興味関心が向くものに対してそれだけ高い熱量を注げるということです。この熱量を仕事に対しても向けられると、高い成果を上げることが期待できます。
選考では志望している企業の仕事内容に対して興味関心を持っていることや、これまで興味関心が原動力になって成果につながったエピソードなどをアピールすると、熱量を持って仕事に励める人材だという期待を得られますよ。
文系大学院生は「自分が学んできたことを活かしたい」という自信を持っているイメージがあるので、企業のビジョンや価値観を理解し、自身のスキルや経験が企業の目標達成にどう貢献できるかを具体的に示せると効果的です。
②社会人としても通用するコミュニケーション能力
文系大学院生は世間からネガティブな先入観を持たれていることがあります。その一つがコミュニケーション力に関するものです。文系大学院生は少なく、世間から見ると珍しい存在であるために、変わった考えを持っていそうで接しにくいとイメージ付けてしまう人が一定数います。
実際、普段同じ分野を研究している人との会話が多いため、専門用語を使った説明や知識レベルに差があることを想定していない伝え方をする文系大学院生が少なくありません。
しかし、コミュニケーション能力はどんな仕事でも欠かせない能力です。「文系大学院生だからコミュニケーション能力が低そう」というイメージを払拭する必要があります。
コミュニケーション能力の高さは、面接官との会話やグループディスカッションでのメンバーとの議論の様子などから評価されます。面接練習や模擬グループディスカッションで自分の話す姿や聞く態度を録画して振り返り、話し方の良くない癖を直したり、説明の仕方を改善して、定着するまで繰り返しましょう。
面接練習のやり方はこちらの記事で解説しています。
効果絶大な面接練習|最短で内定に近づく状況別練習法を紹介
面接官役をお願いできる人がいない場合もありますよね。自宅で一人でできる練習方法もあるので、こちらの記事を参考にしてくださいね。
一人でできる面接練習の方法|効果を劇的に高めるコツ6選
選考の序盤でグループディスカッションをおこなう企業も少なくありません。まずは、ディスカッションの進め方から押さえましょう。
グループディスカッションの進め方|選考を通過する7つの極意
③研究を通じて身に付けた知識やスキルの再現性
繰り返しになりますが、文系大学院で身に付けられるスキルは汎用性が高いものが多くあります。研究を通じて身に付けた知識やスキルは仕事での再現性まで伝えて、自分が企業にとって採用する価値がある人間だということを示しましょう。
たとえば、文系大学院で得られるスキルの一つに情報収集力が挙げられますが、「大学院で情報収集力を身に付けた」というアピールで終われば、文系大学院のことをよく知らない採用担当者はそれが仕事でも役に立つスキルなのか判断できません。
一方、「出展元をたどって信頼性の高い情報源であることを確認していた。リサーチが必要なときは出所を確認して情報の信頼度まで示すようにしたい」と言うと、採用担当者は大学院生が働く様子をよりイメージしやすくなりますよ。
学会やゼミなどで研究発表をした経験もぜひアピールしましょう。聞き手に理解してもらうために工夫したポイントを、社会人になって社内外の人とコミュニケーションを取るときにどう活かすかまでアピールすると、入社後活躍する姿がイメージできます。
多くの文系大学院生が就活でアピールするのは研究内容やその成果ですが、企業が知りたいのはその研究や成果そのものではありません。
そのため、自分の研究の「プロセス」が企業のどのような場面で活きるかをアピールできない限りは、採用が遠のいてしまうので要注意です。
大学院・就職どちらを選ぶにせよ覚悟が必要! 数十年先まで見すえて進路を決めよう
大学院に進学したとしても、いずれは卒業して就職する未来が待っています。大学院に進学した場合、その先どのようなキャリアを築いていくのか、具体的にビジョンを立てていくと自分が進みたい進路が見えてきますよ。
進学か、就職か。どちらの道を選んでも楽しいことばかりではなく、大変なこともたくさん待っています。自分で進路を決めるからには、自分の決断に責任を持たなければなりません。どちらにするか決めたら、その選択を後悔しないためにも学業や仕事に精一杯取り組み、自分が理想とするキャリアを着実に叶えていきましょう。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るこの機会にキャリアについてよく考え視野を広げよう
まず、進学を検討する場合は、自身の興味や将来希望するキャリアに合致する専門分野を選ぶことが重要です。これは研究テーマに情熱を傾けることで、より深い学術的知識と研究スキルを身に付けることができるからです。
そして、研究室や指導教員の選択も慎重におこないましょう。大学院進学後の研究環境や先生との相性は、学生生活や研究成果に大きな影響を与えます。一方、就職を検討する場合は、自身にどのようなスキルが備わっているのかと市場からの需要を考慮する必要があります。
自己分析がすべての基盤になる
まずは自己分析をおこない、自身の強みや興味がある業界や職種を明確にしましょう。それに基づいて職業研究や業界情報の収集をおこない、自分のアピールとなる強みを強化していくことが重要です。
ほかにも履歴書や面接の準備を怠らず、自己PRや志望動機などを明確に伝えるための工夫が求められます。また、両方の選択肢を検討している場合には、進学と就職のための別のプランも用意しておくことをおすすめします。
たとえば、進学が難しかった場合に備えて、就職活動を進めるなどの柔軟な対応です。さらに、大学院進学後に就職活動をすることも選択肢の一つとなります。
マスター(修士課程または博士課程前期)修了後に一定の実務経験を積むことができれば、専門性と実務力を兼ね備えた人材として自身の市場価値を高めることもできます。
自分の将来のビジョンやキャリアパスについてよく考え、視野を広げることは大切なことです。大学院への進学か就職かの選択ですべてが決まるわけではありません。自身の興味や目標に応じて、最適な選択をすることが重要です。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細就活アカデミーEdgey代表講師
東京大学法学部卒。ビジネス交渉学・国際契約法が専門。就活アカデミーEdgey2期に通い、最難関外資系企業複数社から内定を得るも経済系省庁に入省。仕事の傍ら、Edgeyにて無償で大学生の進路をサポート
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