この記事のまとめ
- 職場いじめを乗り越えるために重要なのは自分を守る行動
- よくある職場いじめの具体例7つ
- 今日から実践できる8つの職場いじめの対処法
職場いじめを受けていて、乗り越え方がわからずに悩んでいる人は少なからずいるのではないでしょうか。
職場での人間関係が悪いと、常に自分に矛先が向くのを不安に感じたり、理不尽な出来事にイライラしたりしながら過ごさなければならず、やがて心身に悪影響が出てくる恐れもあります。大切な自分の人生やキャリアプランを壊されないためにも、自分を守る行動を取れるようになっておきましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの吉野さん、吉田さん、西さんのアドバイスも交えながら、職場いじめの内容や乗り越え方について解説します。現在いじめを受けている人、いじめを受けないか不安な人は、ぜひ参考に実践してみてくださいね。
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職場いじめの乗り越え方で重要なのは相談先と自分を守る行動
職場いじめの乗り越え方はさまざまなものがありますが、重要となるのは適切な窓口に相談することです。なぜなら、いじめに対処できる権限を持つ窓口や専門的なアドバイスを受けられる窓口に相談することが、解決への一番の近道となるからです。
また、相談するだけでなく、自分を守る行動を取ることで、被害に遭うのを未然に防ぐことができます。とはいえ、今いじめに遭っている人は「効果的な対処法で一刻も早く解決したい」と思っていますよね。
そこで、この記事ではまずよくあるいじめの具体例について解説。自分の受けているのがいじめなのか、またどんな種類なのかを認識することで、対処がしやすくなります。
後半では、実際の対処法について心理カウンセラーのアドバイスを含めて紹介していきます。法的措置についても解説するので、状況に合った対処法を実践してくださいね。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
悩んでいるのはあなただけじゃない! 問題視される職場いじめ
職場いじめは多くの人を悩ませていて、近年ではコンプライアンスを意識する企業が増えたこともあって、より問題視されるようになってきています。
厚生労働省の公表した令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況によると、令和5年度に総合労働相談コーナーへ寄せられた「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は60,125件で、12年連続最多となりました。
このことから、個人の意識も変わりはじめていて、自分を守るために行動する人が増えたことがわかります。いじめは、どんな些細なものでも決して許されるものではありません。
あなたが今感じている孤独感やつらさ、無力感は、あなた以外にも多くの人が感じているものです。しかし、だからこそ、解決のための一歩を踏み出すことが大切です。
信頼できる上司や友人、家族など、誰かに相談することで少しでも心が軽くなるかもしれません。あなたに寄り添い、解決に導いてくれる人はきっといます。
いじめに屈することなく、自身の尊厳や精神の健康を守るために行動しましょう。
「自分さえ我慢すれば」と考えず、ぜひ自分を守るために声を上げて、周囲に協力を求めてください。
職場いじめはどの職場でも起こりやすい問題であり、公的な相談窓口やハラスメント防止の取り組みがおこなわれているほど、深刻な課題です。
これっていじめ? よくある職場いじめの具体例7つ
これっていじめ? よくある職場いじめの具体例7つ
職場いじめにはさまざまな種類があるため、知っておかなければ自分がいじめられていると認識できない可能性もあります。しかし、認識できないまま嫌がらせを受け続けるのは損です。
以下ではよくある職場いじめを7種類紹介するので、自分が受けているのがどんないじめなのかチェックしてみましょう。
もし、これらのいじめのなかに自分が経験しているものがあると感じたら、それはあなたのせいではありません。 つらい状況に置かれている場合は、信頼できる同僚や上司、あるいは外部の相談機関に助けを求めてくださいね。
①パワーハラスメント(パワハラ)
パワハラは、職場において自分の優位性や立場を利用して、ほかの人に精神的・肉体的な苦痛を与えるハラスメント行為です。
暴力や暴言といった肉体的・精神的な攻撃、無視や仲間外れなど、上司や目上の人から受けるいじめにはパワハラに該当するものが多くあります。
また、無理な課題を与えたり、逆に仕事を与えなかったりといった業務上の理不尽な行為もパワハラに当たります。
特に、直属の上司や先輩は仕事上どうしてもかかわらなければならないので、そういった人たちと毎日顔を合わせるのはつらいですよね。
パワハラは線引きが難しく、明らかな暴力や暴言はわかりやすい一方で、育成のための強い叱責や高度な業務の割り振りといった合理性のあるものは、グレーゾーンとしてパワハラに該当しない場合もあるでしょう。
最近話題になったのが「放任上司」です。あえて部下とコミュニケーションを取らない上司のことを指します。放任上司は指示をせず、かかわろうとしません。
また、情報を意図的に隠すこともパワハラとして問題視される可能性があります。
②モラルハラスメント(モラハラ)
モラハラは道徳・倫理から外れた発言や態度による精神的な嫌がらせのことです。
理不尽な暴言、人格否定のような言葉によるものだけでなく、理由もなく不機嫌な態度を取る、無視するなどの行為もモラハラに該当する場合があります。
たとえば、「あいつは無能」といった暴言や、「この人のお姉さんは離婚したらしいよ」というようにプライベートを触れまわることもモラハラです。
モラハラは精神的なものであるため立証が難しく、裁判となっても認定されないこともあります。そのため、モラハラの相談をする場合は、メールや音声データなど客観的な証拠を残しておくことがポイントです。
とはいえ、「モラハラかどうかわからないから」と我慢しているだけでは、自分がどんどんしんどくなってしまいます。「モラハラかな」と思ったら我慢せず、証拠を集めて窓口に相談してくださいね。
③セクシュアルハラスメント(セクハラ)
セクハラは、性的な言動で他者を不快にさせる行為です。
たとえば、卑猥な発言をする、身体的な特徴について話題にする、必要のない過度なボディタッチなどがセクハラに該当します。
また、男性から女性だけでなく、女性から男性、男性から男性、女性から女性など、性別を問わずセクハラは成立します。
信頼し切っていない赤の他人から、パーソナルスペースに侵入されたり、しつこく干渉されたりするのは嫌ですよね。
そのため、不快感を感じる性的な言動を受けていれば、それはいじめかもしれません。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
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④マタニティハラスメント(マタハラ)
マタハラは、妊娠に対しておこなわれる嫌がらせ行為です。
たとえば、妊娠して仕事を休むことに対して嫌味や文句を言ったり、急に仕事を与えなくなったりといったケースがあります。
また、妊婦への配慮をせずに放置するのもマタハラに当たる場合があります。
さらに、出産後の育休や育児に関してもハラスメントを受けることがあるかもしれません。妊娠はうれしいことなのに、マタハラのせいで憂うつな気分になるのは避けたいですよね。
マタハラを受けたら、一人で抱え込まずに働く女性を支援する女性ユニオン東京や各都道府県の労働基準監督署に相談しましょう。
⑤ジェンダーハラスメント
ジェンダーハラスメントは「男だから」「女だから」というように、性別を理由にして不当な要求や差別をすることです。
たとえば、「男のくせに重いものを持てないのか」「女なんだからお茶を出せ」といった、性差別的な発言はハラスメントに当たります。
また、ジェンダーハラスメントにはキャリアに関する差別や、プライベートへの干渉も含まれます。
たとえば「彼氏/彼女はいないの? 」「女性は育児で休むから昇進できない」といった発言はジェンダーハラスメントです。頑張って働いているのに、性別だけを理由に差別されるのは納得いきませんよね。
ジェンダーハラスメントはモラハラやセクハラと同様、精神的なものなので判断が難しい側面があります。そのため、相談する際はハラスメントの証拠を残しておくことが重要です。
ジェンダーハラスメントとセクシュアルハラスメントはどちらも性に関するハラスメントですが、ジェンダーハラスメントは性別に対する偏見や固定観念によるものが多い印象です。
一方、セクハラは嫌がらせや性的快楽を目的とした性的な言動といえます。
⑥ソーシャルハラスメント
ソーシャルハラスメントは、SNSのようなメディアを通じた嫌がらせです。
ソーシャルハラスメントはSNSが普及した2010年代ごろから徐々にトラブルが増え始めていて、あまり理解していない人も多いかもしれません。
そのため、知らず知らずのうちに被害を受けていたり、悪気はなくても加害者になっていたりする場合があります。
たとえば、部下にSNS上でのつながりを迫ったり、部下の投稿を逐一チェックしていたりといった行為から、部下が精神的苦痛を感じた場合はソーシャルハラスメントです。
SNSでの度を超えた嫌がらせや誹謗中傷は、名誉棄損罪や侮辱罪に問われる可能性がありますが、ソーシャルハラスメント自体の判例は現在のところありません。
とはいえ、被害者が不快感やプレッシャーを感じるようないじめを受けていたら、それはソーシャルハラスメントかもしれません。
- ソーシャルハラスメントに遭わないためにはどうすれば良いですか?
職場での適切なコミュニケーションでハラスメントを回避しよう
ソーシャルハラスメントは、そもそもお互いの人間関係が築けていないために起こることが多いです。お互いに職場でしっかりとコミュニケーションを取り、相手の話を聞く(傾聴)ようにしましょう。
自分の意見を一方的に主張したり、異なる相手の意見を真っ向から否定するのではなく、最後まで話を聞くことが重要です。
また、SNSの設定で個人のプライバシーについてどこまで公開するのか、線引きすることも大切です。トラブルに遭いそうな場合は、しかるべき部署に相談しましょう。
⑦オストラシズム(排除・無視)
オストラシズムは職場における「無視」や「排除」といった形のいじめを指します。これは、仲間外れにすることで相手を孤立させ、精神的な苦痛を与える行為です。
たとえば、あいさつを無視したり、業務上の情報を共有しなかったり、飲み会や会議に参加させなかったりといったものが該当します。
オストラシズムはパワハラと似ていますが、こちらは同僚から同僚や部下から上司といったように立場に関係なく発生しうるものです。
もしあなたがオストラシズムを受けているなら、「自分は立場が上だから」といった理由で我慢する必要はありません。自分の身を守るために、適切な部署や外部機関に相談してください。
特に、無視や孤立は表面的には見えにくく、問題が深刻化しやすい傾向にあります。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
予防しよう! 職場トラブルに巻き込まれやすい人の特徴
予防しよう! 職場トラブルに巻き込まれやすい人の特徴
いかなる理由があろうとも、職場いじめは決して許されることではありません。しかし、現実には職場トラブルに巻き込まれやすい特徴のある人がいます。
現在いじめに遭っている人は「なぜ自分が」と憤りを感じているでしょうし、遭っていない人も「いじめられるのが怖い」と不安になっているでしょう。
そこでここからは、職場トラブルに巻き込まれやすい人の特徴を6つ紹介していくので、自分を守るためにしっかりチェックしてくださいね。
自己主張が苦手でおとなしい
自己主張が苦手でおとなしい性格の人は、自分の意見を伝えないことで誤解を招きやすく、職場での孤立やパワハラ、いじめの対象になるケースが見られます。
また、自分の意見や感情を表現することが苦手であるため、トラブルに直面しても声を上げにくい傾向があります。
そのため、他者から無視されたり、不当に扱われたりすることがあっても周囲に気づかれにくく、問題が深刻化しやすいのです。
自己主張が苦手な人は、性格を改善するのではなく、行動を少しずつ変えるのがポイントになります。「会議では複数回発言する」「自己紹介は自分からしてみる」といったように、具体的な行動を意識しましょう。
「アサーション(さわやかな自己主張)」というコミュニケーション技法があります。
断り方・頼み方などが上手になるための技法で、公共施設などでもトレーニングが受けられるので、検討してみてください。
空気を読むのが苦手
基本的には職場はチームで仕事をする場なので、空気は読むべきだと考えます。
しかし、空気を読みすぎて必要以上に自己犠牲を払ってしまったり、問題やハラスメントを見過ごしてしまったりすることは避けなければなりません。バランスを取ることが大切です。
部署やチーム内では、言葉にならないニュアンスやその場の雰囲気を観察する「空気を読む」能力が求められる機会が日常的にあります。
しかし、空気を読むのが苦手な人は、無意識に場にそぐわない発言や行動をしてしまい、周囲とのズレが生じやすい傾向があります。その結果、反感を買いやすく、孤立やトラブルのきっかけになることも。
職場での孤立やトラブルを予防するためには、周囲の表情や状況に敏感になり、適切に対応できるコミュニケーションスキルを高めることが重要です。
- 空気を読めるようになるために職場で普段から実践できることはありますか?
コミュニケーション能力の高い人を観察・真似してみよう
まずは、「周囲の人のコミュニケーションスタイルに注目する」ということから始めると良いと思います。こんなふうになりたいな、と思う人を見つけ、自分も見習いたいところ、吸収したいところを見つけてみましょう。
言葉の選び方や、表情、タイミングなど、いろいろな工夫ポイントがあると思います。まずは、静かに観察し、周囲の動きをよく見てみましょう。
反抗的な態度を取る
反抗的な態度を取る人は、上司からのパワハラや同僚からのオストラシズムを受けやすいといえます。
たとえば、仕事上のミスを注意された際に反抗的な態度を取ると、注意した側からは反感を買いやすくなります。結果として、仕事を任されなくなったり、チームから除外されたりといった形でどんどん孤立していくことも考えられます。
トラブルを避けるためには、自分の意見ばかりを主張するのではなく、相手の話にもきちんと耳を傾け、素直に受け止めることがポイントになります。
まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
遅刻や欠勤などが多い
遅刻や欠勤が多い人は、同僚や上司との信頼関係が築けません。
特にチームでの業務が多い職場では、ほかのメンバーの負担が増えるため、不満や不信感が積み重なり、対立やトラブルに発展することがあります。
さらに、この状況が悪化すると勤務態度に対する批判や監視が強まり、いじめや偏見の引き金にもなりかねません。
職場での立場を悪化させないためには時間管理を徹底し、生活習慣を見直しましょう。また、周囲に配慮した言動も重要です。
仕事の能力が高い
仕事の能力が高いのは一見すると良いことのように思えます。しかし、能力の高い人は周囲の妬みや嫉妬を買いやすく、それが無視や仲間外れなどのいじめに発展する場合があります。
また、能力の高い人に仕事が集中したり、他人のミスのフォローを任されることが多くなり、過労やストレスが増加するケースもあります。
トラブルを予防するためには、適度に自己主張し、周囲と協力する姿勢で業務に臨むことがポイントです。
仕事の能力が高い人ほど、仕事を自分で背負い込みすぎず、相手に任せるように心掛けてください。
自分の成長は相手の成長でもあります。どのようにすれば周囲も同じレベルで戦っていけるのか、具体的なアドバイスをしてあげてください。「こんなこともできないのか」と言ってはいけません。
ミスが多い
仕事上のミスが多い人も、トラブルに巻き込まれやすい特徴があります。仕事で頻繁にミスをすることで、上司や同僚の信頼を損ない、次第に厳しい目で見られるようになるかもしれません。
さらに、ミスは時にほかのメンバーがフォローに回らなければならないこともあり、結果的に負担をかけることになります。
最終的には次第に業務を任されなくなっていったり、陰口やいじめの対象になるかもしれません。
ミスが多い場合は、原因をしっかりと分析し、改善するための姿勢を見せることが重要です。また、ミスを予防するために、業務に取り掛かる前や作業中の確認を怠らないように心掛けましょう。
仕事についていけず、ミスが続いてつらい人は、以下で要因別に対処法を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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「仕事についていけない」から脱却! 要因別で適した対処法を解説
「仕事についていけない」と悩む人は少なくありません。記事では、仕事についていけない悩みを解消する方法についてキャリアコンサルタントと一緒に解説していきます。要因別に対処法を解説するので、満足のいく毎日を過ごすためにぜひ参考にしてくださいね。
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キャリアコンサルタントに聞いた! 実際に多い職場いじめはどんなもの?
「自分の職場にもいじめはあるのかな」「実際に巻き込まれたらどうしよう」と不安に思っている人もいるでしょう。いじめに遭うと、場合によっては心や体を壊してしまい、キャリアに悪影響が出たり、転職を余儀なくされたりするかもしれません。
大事な自分の人生なのに、心ない人のせいで台なしにされるのは嫌ですよね。
そこで、ここでは職場のトラブルにも詳しい、キャリアアドバイザーの吉田さんに、実際に多い職場いじめはどんなものか質問しました。
いじめの被害に遭わないよう予防策を講じるためにも、よく確認しておきましょう。
アドバイザーコメント
吉田 隼人
プロフィールを見る精神を疲弊させる職場いじめに遭遇したらすぐに周囲に相談しよう
これまで多くの社員の話を聞いてきましたが、実際に見てきたなかで多いものは3つあるかと思います。
1つ目は無視されたり、冷たい態度を取られることです。これは直接的に被害を受けることはないですが、孤立感や不快感を感じます。たとえば、あいさつをしても返事をしなかったり会話に入ろうとすると急に会話をやめようとすることなどが挙げられます。
さらに仕事に影響が出るものとして、業務上必要な情報が共有されないということもあります。
2つ目は陰口や悪口です。仕事スキル、容姿、人間関係など事実をベースにしたものや事実無根の悪口やデマを流してその人の信頼を損ねようとするケースもあります。
職場いじめには能力や人格を攻撃するものも多い
3つ目は人格を攻撃するような発言です。相手を傷つけるために、能力を否定したり人格を攻撃する発言を繰り返すことがあります。
同僚はもちろん上司からも「君は本当に仕事ができないな」などと繰り返し言われ続け、社員が精神的に疲弊して退職してしまうことなどもあります。
これらの状況に遭遇した場合には、一人で解決しようとせず、信頼できる同僚や人事担当者、あるいは外部機関に早急に相談することが大切です。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
職業選択においてやりたいことはもちろんですが、その中でも適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうため適職への理解が重要です。
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まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみよう!
・楽しく働ける仕事がわからない人
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いじめのダメージは深刻! いじめが心身に与える悪影響
「いじめ」と一言で言い表わすのは簡単ですが、そのダメージは時に被害者の命を奪ってしまうほど深刻です。いじめを受けると、被害者は心身にさまざまな影響を受けます。
精神的な影響にはストレスや不安、自己肯定感の低下などがあります。不眠に悩まされる人も少なくありません。
さらに、ストレスが大きくなると、次第に身体的な影響が出始めます。まずは頭痛や胃痛、続いて慢性的な疲労感や食欲不振、免疫力の低下など健康面のトラブルにつながる可能性があります。
さらに悪化するとうつ病や不安、パニック障害などの精神疾患を発症し、最悪の場合は命の危機にさらされます。
人生を台なしにしないためにもいじめは絶対に許してはいけません。自分自身を守る行動も重要です。
いじめに負けない! すぐにできる乗り越え方
いじめに負けない! すぐにできる乗り越え方
職場でのいじめは、精神的に大きなダメージを与える深刻な問題ですが、適切な対策を講じることで乗り越えることができます。
以下では、すぐに実践できる具体的な乗り越え方を紹介していくので、いじめに負けず自分自身を守り、健康的な職場環境を取り戻すための第一歩を踏み出しましょう。
上司や専門の部署に相談する
まず社内でできる行動が、信頼できる上司や専門の部署に相談することです。
同僚や友人に相談しても良いですが、その人たちはストレス解消の手助けや助言はしてくれても、直接状況を打開できる権限を持っていません。
一方、上司や専門の部署はいじめの加害者を処分したり、直接あなたのサポートをしてくれたりといった行動を取ってくれます。
社内で相談できる専門の窓口には、人事労務担当部門やコンプライアンス担当部門、社内カウンセラーなどがあります。
もし社内に相談できる窓口がないのであれば、後述する外部の専門機関に相談しましょう。
部署の異動を申し出る
部内の人からいじめを受けていて顔を合わせるのもしんどいというときは、部署の異動を申し出ましょう。
部署を異動すればフロアーや勤務地が変わる可能性があるため、いじめの加害者と顔を合わせずに済みます。また、部署内の空気を根本から解決するよりも、異動してしまった方が悩みの解消が早い場合も多々あります。
異動の申し出先は、上司か人事担当者です。申し出る際は異動の理由を正直に伝えましょう。
このとき、いじめの事実を隠して「自分には向いていないから」と言うと、良い印象を持たれず、キャリアに悪い影響が出る可能性があります。そのため、可能であればいじめがあったという証拠も添えつつ正直に話す方が、キャリアに影響が少なく済みます。
部署異動が勤務地など環境が変わる場合は問題なくいじめが解決するケースが多いです。
一方、解決しないケースは、そもそも上司や会社全体からいじめられている場合です。そのような場合は外部の専門機関に相談しましょう。
加害者と直接対話する
職場いじめを乗り越える方法の一つとして、勇気を出して加害者と直接対話する方法もあります。
これは、加害者が自分の行動に気づいていない場合や、コミュニケーションのすれ違いからトラブルが発生している場合に有効です。解決できれば、「いじめに屈さなかった」という自信にもつながります。
ただし、加害者との対話は早期解決が可能な一方、リスクも大きいことに注意が必要です。仮に加害者が悪意を持っていじめをしてきていた場合、直接対話することでよりいじめがエスカレートする可能性もあります。
対話での解決を望むのであれば、第三者の立ち合いのもと安全な環境を用意し、万が一対話が成立しなかったときの対処法も考えておきましょう。
加害者は、自分がいじめをしているという自覚がないことがよくあります。そのため、事実の解釈で争わないよう、客観的な事実を集めたり、第三者の意見を聞いたりすることが大切です。
また、対話の際にも録音や画像保存など、後で検証できるデータを残しておくことも重要です。
会社を休む
いじめがひどくて会社に行くのもしんどいと感じる場合、診断書を会社に提出して休職するのも有効な方法です。
いじめからは一時的に逃げることになりますが、ひとまず休職すればこれ以上被害を受けることはありません。また、これからの対処法についてゆっくり考える時間も確保できます。
休職診断書は、医療機関で診察を受けることで発行してもらえます。いじめによるメンタルの不調で休職する場合は、精神科や心療内科を受診するのがおすすめです。
しかし、自分に非がないのに、休職によってキャリアに悪影響が出るのは損です。すでにいじめによってしんどい思いをしているのに、これ以上自分ばかりが不利益を被ると、後々まで悔しい思いをするかもしれません。
大切な自分のことなので、自分のためにまだ頑張れるなら頑張るというのも一つの手です。休職はどうしてもつらいときの手段だと考え、まずは解決に動いてみてはいかがでしょうか。
休職する場合は、休職期間を上司との相談をもとに設定します。
また、休職を申し出る際には会社の規定を確認してください。休職の1ヵ月までには申し出たほうが、休んでいる間の仕事の段取りも決められます。
転職する
職場いじめがいつまでも改善されない場合や、解決に時間がかかりそうなら転職して環境を変えてみるのも1つの手段です。
会社を休んだり部署を異動したりするとキャリアに悪影響が出る可能性がありますが、転職は必ずしもそうではありません。
むしろ、自分が現職で培ったスキルや実績を高くしてくれる会社があれば、大幅に待遇や収入が上がり、「転職して良かった」と思える可能性もあります。
必ずしも転職で収入が上がるわけではありませんが、コンプライアンス意識の高い環境に身を置けば、いじめに怯えることなくパフォーマンスを発揮でき、モチベーションも上がるでしょう。
転職に不安や恐れを感じている人は、以下で払拭方法や対策を解説しているので、思い切って転職の第一歩を踏み出しましょう。
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初めての転職であれば怖いと感じるのは当然です。怖いと思う理由を明らかにし、理由に応じた対策を実践しましょう。キャリアコンサルタントとともに、怖さを軽減させる方法、内定獲得に近づく方法を徹底解説します。
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また、いじめで休職している間に転職活動をする場合は、慎重に判断する必要があるので、以下の記事もチェックしておきましょう。
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休職中に転職活動をしても良いのか。休職中に転職活動を進める場合、応募企業には伝えた方が良いのか。キャリアコンサルタントとともに、休職中の転職活動に関するリスクや注意点を徹底解説します。
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労働基準監督署に相談する
外部への相談先として思い浮かべる人が多いのが、労働基準監督署です。労働基準監督署は、事業所の監督や労働者の保護に関する業務をおこなう機関です。
労働基準監督署に相談すると、まずは相談内容に応じて解決に向けた情報提供を受けられます。それでも解決しない場合は、労働局長から会社に対して助言や指導がおこなわれます。
それでもなお解決しないときは、紛争調整委員会によるあっせんを勧めることもあります。
あっせんとは、会社と労働者の間に第三者である紛争調整委員(あっせん人)が介入し、双方の意見や立場を理解しつつ、和解形成を促進することを目的としたものです。
あっせんは裁判と異なり無料で利用でき、法的手続きを取る前に円満解決に向けて話し合いができる有効な手段といえます。労働基準監督署へ相談する手段は、以下のように直接訪問と電話の2つがあります。
直接訪問 | 勤務先企業を管轄する労働基準監督署 |
電話相談 | ・管轄の署への直通電話 ・総合労働相談ダイヤル(0120-939-009) ・労働条件相談ほっとライン(0120-811-610) |
労働基準監督署がおこなう助言や指導の効果は高いと思います。労働基準監督署の指導は、労働基準法などの法的根拠をもとに実施されるケースが多いため強制力もあるからです。
しかし、助言や啓蒙などの「改善の推奨」にとどまる場合、企業の改善は努力義務となるので、企業によって取り組み姿勢は異なります。
弁護士に相談する
弁護士に相談するのは法的措置を取る最終手段だと思う人もいるかもしれませんが、実際はそうではないので気軽に利用してみましょう。
弁護士に相談すれば、いじめへの適切な対処法や判断方法についてのアドバイスを受けたり、証拠収集のサポートを受けたりすることができます。
弁護士はいじめに関する判例にも詳しいので、裁判で争った場合に勝てるかどうかという判断もしてくれるでしょう。相談費用は30分あたり5,000円から1万円程度が一般的です。
弁護士に相談する際は、必ず電話やメールで予約を取りましょう。連絡先は、弁護士事務所のホームページ(HP)に記載されています。なお弁護士は外出していることも多く、いきなり電話や訪問をしても相談できない可能性があるので注意してくださいね。
相談する際は、相談内容や実現したい要望を明確にして、できればメモなどの書面でまとめておくと話がスムーズに進みます。
職場いじめの専門窓口に相談する
職場いじめの専門窓口として代表的なものには、総合労働相談コーナー、みんなの人権110番、 法テラス(日本司法支援センター)などがあります。
名称 | 管轄 | 役割 |
---|---|---|
総合労働相談コーナー | 労働局 | 労働問題全般の相談を受け付け |
みんなの人権110番 | 法務局 | 差別や虐待、ハラスメントなどの人権問題に関する相談を受け付け |
法テラス(日本司法支援センター) | 法務省所管の法人 | 労働問題や法的なトラブルに関する相談を受け付け |
これらはすべて無料で利用でき、電話や窓口など相談方法も複数用意されているので、状況に合わせて相談先を選びましょう。
実際に職場いじめに遭ったらどうしたら良い? 心理カウンセラーが解説
いじめの乗り越え方について前述しましたが、それでもいじめに遭うと思考力や判断力が鈍り、パニックに陥る可能性もあります。
また、「あの人も私のことを陰で悪く言っているのでは」などどんどんネガティブな考えが深まり、人間不信になってしまう可能性もあります。
いついじめが発生するのか、言いようのない不安や恐怖に襲われ、毎日が憂うつになってしまいますよね。
そこで、ここでは職場いじめについて詳しい心理カウンセラーの吉野さんに、専門的な視点からおすすめの対処法について質問しました。実際に職場いじめに遭って悩んでいる人は、ぜひ読んでください。
アドバイザーコメント
吉野 郁子
プロフィールを見る職場いじめを許す/許さないの線引きは自分で決めて良い
職場でいじめを受けたとき、「自分に原因があるのだろうか?」や「これくらいは耐えるべきなのだろうか?」と不安になることがあるでしょう。職場いじめに該当するかの客観的判断は別として、自分にとって不快な行為であり、許容できないものであることも事実です。
「嫌なものは嫌」「許せないものは許せない」という線引きは、自分で決めて良いのです。
それがあなたの尊厳であり、守られるべきものです。
心理カウンセラーに相談して心をケアしながら職場いじめに対処しよう
職場いじめに立ち向かうのに、法律家も強い味方になってくれます。そして、法律家とは異なる視点から支えてくれるのが、心理カウンセラーです。心理カウンセラーが最も念頭に置くのは、自殺予防です。生きていればなんとかなるし、働く先はまた見つければ良いのです。
本当に思いつめてしまうと、「この職場で通用しないなら、人生すべてがダメだ」といった、極端な考えになります。職業人であることが自分のすべてではありません。
一人で思いつめてしまってるな、と感じたら、「生きていれば何とかなる」ということを思い出してください。
最終手段! 法的措置を考える際に知っておきたいこと
最終手段! 法的措置を考える際に知っておきたいこと
- いじめで慰謝料は請求できる
- 訴訟する際には十分な準備が必要
- いじめで訴訟するのは費用倒れになる可能性もある
職場いじめの被害を受けた人のなかには、「いじめをしてきた相手と徹底的に戦ってやる」と憤りを感じている人もいるでしょう。
いじめは決して許されるものではありませんし、再発防止のためにもなあなあで終わらせずに毅然とした対応を取りたいですよね。
とはいえ、法的措置は対処法のなかでも最終手段です。訴えるメリット・デメリットがそれぞれあるので、以下で紹介する内容をしっかり確認してから判断してください。
いじめで慰謝料は請求できる
職場いじめは民法709条の不法行為に該当する可能性があり、同法710条に基づいて損害賠償が請求できます。
慰謝料はいじめの内容や証拠、被害者の受けた損害によって変動しますが、相場は50~300万円程度です。いじめの期間が長ければそれだけ慰謝料も増え、過去には20年以上のいじめにより1,000万円超の慰謝料が命じられた判例もあります。
また、職場いじめの訴訟で訴える相手は加害者だけでなく、適切な処置を怠った使用者(企業)も対象になります。
訴訟中に加害者をSNSなどで非難したくなるかもしれません。心情的には理解できますが、控えてください。
そのようなことをしても裁判で勝ちやすくはならず、むしろ感情的な対立が激化し、和解が難しくなります。
訴訟する際には十分な準備が必要
もしもいじめで加害者や会社を訴えたいのであれば、裁判に勝てるだけの準備が必要です。
裁判でいじめが立証できなければ、いじめられたうえに裁判費用も負担することになり、より傷口が広がるだけになります。
以下では、訴訟のために準備しておきたいことについて詳しく解説するので、どちらもチェックしておいてくださいね。
まずは上司や会社に相談する
いじめの被害にあったらすぐに訴えるのではなく、まずは上司や会社に相談して社内での解決を図りましょう。
いじめを受けた時点で加害者に非があるのは間違いありません。しかし、多くの企業ではハラスメントに関する対応マニュアルや相談窓口が設けられているので、まずは社内ルールを遵守しましょう。
もしも社内ルールを遵守せずにいきなり法的手段を取ると、加害者だけでなく会社とも対立する形になりかねません。
会社に相談してもいじめが改善されないのであれば外部の機関に相談し、最終的に法的措置を取るといった段階的な対応がおすすめです。
在籍しながら会社を訴えれば当然周りからの視線は厳しいものになるでしょう。その結果として事実上退職を迫られることもありえます。
また、訴訟は時間がかかるため、弁護士費用などが非常に高額になってしまいます。さらに敗訴すれば、それまでの費用も無駄になります。
客観的な証拠を残しておく
法的措置を取るとしても、職場いじめの客観的な証拠がなければ慰謝料を勝ち取るのは難しくなります。また、法的措置を取らなくても、証拠があった方が解決はスムーズです。
いじめの証拠として有効なのは、現場の様子を記録した録音や録画データ、第三者の目撃証言などです。
また、自身の作成した日記やメモも証拠になるため、日時をしっかり記載して残しておきましょう。
被害を受けた結果生じた健康被害については、診断書が重要な資料となるので、かかりつけ医から必ずもらっておいてくださいね。
いじめで訴訟するのは費用倒れになる可能性もある
職場いじめの加害者や会社を訴訟するのは、法的に制裁を加えられる手段であり、満足感を得られるかもしれません。
しかし、回収できる慰謝料によっては費用倒れになり、金銭面で損をする可能性があることも頭に入れておきましょう。
職場いじめの慰謝料の相場が50~300万円なのに対し、弁護士費用は50~100万円です。また、訴訟しても、必ずしも損害賠償請求が認められるとは限りません。
裁判をするのに時間もかかり、費用対効果に見合わないと感じる可能性もあります。そのリスクを踏まえたうえで、訴訟が妥当だと自分で判断した場合には行動を起こしましょう。
心が壊れる前にしておきたい! メンタルケアとストレス対策
いじめに対処し始めても、対処法によっては解決にある程度の時間がかかるため、即日いじめがなくならない可能性は否めません。ただ、被害者は毎日のように嫌がらせを受けていて、ストレスはたまり続ける一方です。
ストレス耐性は目に見えるものではないので、解決の前に心が壊れてしまう、なんてことも十分ありえます。
そうならないように、すぐに自分でできるメンタルケアやストレス対策をして、少しでも心の痛みを和らげましょう。
自分でストレスを管理する方法
自分ですぐにできるストレス管理法は、以下のようにさまざまなものがあります。
自分でストレスを管理する方法
- リラックスする時間を作る
- 適度な運動をする
- 趣味に没頭する
- 適切な睡眠をとる
- 呼吸法や瞑想をする
- バランスの良い食生活を心掛ける
自分でストレスを管理する際のポイントは、できるだけ意識をつらいことから切り離すことです。そのための方法は人によって違うので、自分に最も合ったものを選んで実践するのが重要になります。
また、普段の食事や睡眠、運動といった生活習慣も、ストレスとは密接にかかわってきます。まずは体の健康面からアプローチして、心の健康を保ちましょう。
権利を行使しよう! いじめを受けた後の退職方法
いじめを受けて「もう会社にいたくない」「いじめが改善しない」といった際は、自分の身を守るために退職するのも有効な手段です。
ただし、退職方法について知っておかないと、本来受けなくてもよかった精神的苦痛を味わったり、手続きで損をする危険性があります。
そこでここからは、退職する際に行使できる権利について解説するので、退職を検討している人はぜひ実践してみてくださいね。
退職願・退職届を郵送すると精神的ダメージが少ない
退職願や退職届は手渡しが基本ですが、いじめを受けていてつらいのに、加害者がいる職場へ顔を出すのは嫌ですよね。そんなときは、必要書類を郵送で送ってしまえば精神的ダメージが少なく済みます。
退職届は手渡しでも郵送でも法律上の効力は変わらないので安心してください。また、郵送する際は内容証明郵便で送ると、紛失の恐れもありません。
郵送しても受け取ってもらえない、さらなる嫌がらせが怖いといった場合には、退職代行に頼るのもおすすめです。
退職代行は、本人に代わって退職の意思を伝えたり、手続きをしたりするサービスです。利用するのに費用はかかるものの、スムーズに辞められるメリットがあります。
辞職理由は「会社都合」にできる可能性が高い
退職すると失業保険を受け取ることができますが、このときの退職理由が「自己都合退職」か「会社都合退職」かによって、以下のように給付までの待機期間や給付日数が大きく変わってきます。
待機期間 | 給付日数 | |
---|---|---|
自己都合退職 | 原則7日経過した日の翌日から2カ月間 | 90~150日 |
会社都合退職 | 7日間 | 90〜330日 |
受給開始の時期だけでなく、受け取れる総額もかなり変わってくるので、できるだけ会社都合退職で退職したいところです。
いじめで退職する際に会社都合退職にするためには、退職届を提出する際に診断書を提出し、離職票に会社都合退職と記載してもらいましょう。
いじめを認めないグレーな会社は自己都合での退職を促してくることがありますが、それに従う必要はまったくありません。
もし強制的に自己都合にされてしまったら、いじめの証拠を持ってハローワークに相談すれば、退職理由を変更してもらえる可能性があるので覚えておいてくださいね。
- 転職の選考ではいじめで退職したことを言うべきでしょうか?
職場いじめに遭って退職したことを伝えるメリットは基本的にない
しばしば、いじめられたときの状況を選考で詳しく説明しようとする転職者がいますが、採用側はそれを聞きたいとは思っていないことがほとんどです。
つまり基本的には、転職で「いじめで退職した」ということを伝えるメリットはないのです。よって選考でそのことを正直に言うべきではありません。
もちろん退職理由は聞かれるはずなので、いじめというワードは使わずに、簡潔に伝えることと、それとは別にポジティブな理由もセットで用意しておきましょう。
転職活動は退職活動ではありません。なぜ退職するのかという過去に焦点を当てるのではなく、転職してどうなりたいのかという未来に焦点を当てたコミュニケーションを取っていくことが大切です。
職場いじめに屈する必要はなし! 乗り越え方を実践して自分の身を守ろう
多くの人が一緒に働く会社では、人間関係のトラブルは日常茶飯事です。しかし、それがいじめやハラスメントなら、決して屈する必要はありません。
いじめが原因のストレスは精神的にも肉体的にも深刻なダメージを与え、うつやPTSDなどの心の病気にもつながります。心の病気を患うと、完治までには数カ月~数年という長い時間を要し、キャリアプランが大きく崩れてしまうかもしれません。
大切な自分の人生、キャリアなので、この記事を参考に乗り越え方を実践して、損をしない解決をしてくださいね。
アドバイザーコメント
西 雄一
プロフィールを見る職場いじめは一人で立ち向かおうとせず周囲に相談して乗り越えよう
これまで見てきたように、職場いじめはストレスやうつなどの精神的な問題を引き起こすだけでなく、仕事のパフォーマンスが低下し、周囲とのコミュニケーション不足にもつながります。
そのため、必ず信頼できる人(上司、同僚、友人、親など)に相談し、また、社内の相談窓口を活用してください。必要ならば、外部の相談機関にも相談してください。
たとえば、私の友人はかつて勝手にタイムカードが書き換えられていたことがありました。しかし、友人は事前に毎回の出退勤時にタイムカードの写真を撮って記録を残していたのです。このように自己防衛もしておく必要があります。
職場いじめに遭ってしまったら自分を守るために勇気を持って行動しよう
もし今、職場いじめで悩んでいるならば、「あなたの命や健康を守る」ことを第一優先にしてください。勇気を持って声を上げ、行動することが大切です。
「こんなことを言えばみんなに迷惑がかかるのではないだろうか」「仕事を失うのではないだろうか」と不安になることもあるかもしれません。しかし、あなたをサポートしてくれる人は必ずいます。今行動することで、明るい未来が手繰り寄せられます。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/公認心理師
Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/西雄一教育研究所代表
Yuichi Nishi〇大学では就活に関するスキルを身に付けられる実践中心の授業を展開。また、講師として企業で新人や中堅社員に向けてコミュニケーション研修、キャリアコンサルティングをおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/就活塾「我究館」講師
Hayato Yoshida〇東証一部上場の人材会社で入社2年半で支店長に抜擢。これまで3,000名以上のキャリアを支援。現在はベストセラー書籍「絶対内定」シリーズを監修する我究館でコーチとして従事
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