スペシャリスト・ゼネラリストとは? 特徴や活躍のコツも解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/NC Harmony代表

    Eriko Arima〇大手人材紹介会社で約5年、転職者や若者、女性のキャリア支援を担当した。その後はIT企業の採用責任者を務め、現在は幅広い世代を対象にキャリアや就職活動の支援もおこなっている

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/公認心理師

    Ikuko Yoshino〇就職支援歴18年。若者就労支援NPOに勤務の後、独立。現在は行政の就職支援施設にて、学生/既卒/フリーター/ニート/ひきこもり/女性などを対象に相談やセミナー講師を担当

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級

    Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • スペシャリストとゼネラリストは働き方や求められることが異なる
  • 企業が成長するためにはスペシャリストだけでなくゼネラリストが必要
  • 今後もスペシャリストに負けないためにゼネラリストが活躍する方法

働く人材はスペシャリストとゼネラリストに分けられます。この両者は、企業で求められている能力や働き方が異なるため、自分がどちらのタイプなのか理解しておかなければ、企業に求められることと自分の理想の働き方とでミスマッチをおこしてしまうかもしれません。

また、近年はゼネラリストが時代遅れという話を聞いて、目指して良いのか不安に思う人もいるかと思います。

そこでこの記事では、キャリアコンサルタントの有馬さん、吉野さん、隈本さんと一緒にスペシャリストとゼネラリストの違いやそれぞれのメリット・デメリットなどについて解説します。自分の適性を見極めて、働き方を明確にしましょう。

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目次

スペシャリストとゼネラリストの違いを理解して将来像を明確にしよう

スペシャリストとゼネラリストはどちらも企業にとって必要な存在ですが、求められる働き方が異なります。入社後に企業で活躍するためには、自分にはどのような働き方が向いているのか理解して、具体的なキャリアを考えていく必要があるのです。

しかし、人によっては自分がスペシャリストとゼネラリストの、どちらの適性があるのかわからない人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事の前半では、スペシャリストとゼネラリストがそれぞれどのような働き方をするのか、企業に何を求められているのかなどを解説していきます。まずは両者の特徴から、それぞれの役割を理解していきましょう。

そしてその後で、スペシャリストとゼネラリストの、それぞれに向いている人や働くメリット・デメリットを解説します。記事を最後まで読めば、自分がスペシャリストとゼネラリストのどちらに適性があるのか理解でき、企業で発揮するべき能力が明確になります。

有馬 恵里子

プロフィール

働くうえで異動や転職など変化はつきものです。スペシャリスト・ゼネラリストについて理解し、自分の強みや特性とどう掛け合わせるかを考えられていると、変化を味方にしながら自分のキャリアの満足度を上げることができます。

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専門分野を持つ技術者! スペシャリストの基本情報

スペシャリストの基本情報

  • スペシャリストの働き方
  • スペシャリストに求められること
  • スペシャリストの仕事の例

スペシャリストは、特定の分野に対する専門知識を有している人のことを指す言葉です。スペシャリストは高い専門性を駆使して働くことで、社会への貢献や人々の生活をサポートすることが求められます。

この章では、スペシャリストの働き方や企業に求められることなどの基本情報を解説します。企業でスペシャリストがどのように活躍しているのかを理解して、自分の適性があるのかを考えましょう。

スペシャリストの働き方

スペシャリストは企業に勤めたら、自分の持つ専門知識やスキルを活かせる業務に従事します。たとえば、システムエンジニアやプログラマーなどであればシステムの設計書を作成したり、その設計書をもとにプログラムを考えたりする業務でその能力を発揮するのです

ほかにも、医師や看護師といった専門的知識や技術が必要な仕事もスペシャリストといえます。

スペシャリストはその分野に特化した能力を持っているため、持っている技術を活かして働いていく必要があります。

特に、スペシャリストの仕事は年月が経つにつれて新しい知識や技術が更新されるケースもあり、働きながらも自身の専門性を高めていくことが欠かせません。そのため、職種によっては業務として技術や知識を高めるための研修が実施される場合もあります。

スペシャリストに求められること

スペシャリストの仕事は業務に対して高い専門性を求められるため、働きながらも情報の更新や仕事に必要な技術を身に付けていくことが必要です。

たとえば、プログラマーとして働いている場合は、一つのプログラミング言語を活用するだけでなく、新しいプログラミング言語を身に付けていかなければスペシャリストとしての業務範囲を広げられず、評価を上げていくこともできません。

スペシャリストの専門性の高さはスキルを活かせる業界であれば即戦力になるものの、同時に高い成果を求められる傾向があるのです。成果を残すためにも、新しい技術や知識を率先的に身に付け、より自分の専門性を高めていくことが大切です。

このように、スペシャリストには今の状況で満足するのではなく、企業に役立つ知識や技術を探求し続けることが求められます。

スペシャリストの仕事の例

スペシャリストの仕事は、以下のような仕事が当てはまります。

スペシャリストの仕事の例

  • 医師
  • 看護師
  • 薬剤師
  • 研究職
  • エンジニア
  • 美容師
  • 弁護士
  • 管理栄養士
  • 教師

スペシャリストの仕事は、上記のような資格が必要な仕事や、専門的な技術が求められる職種などが当てはまります。スペシャリストを目指す場合は、なりたい仕事に合わせた資格を取得するか、勉強をして必要な知識を身に付けることで、目指せる可能性が高まります

また、医師や薬剤師など仕事によっては資格の取得だけでなく、特定の学部を卒業することが必須条件のものもあるため、学歴に合わせて目指せる職業が変わる可能性も理解しておきましょう。

スペシャリストに当てはまる仕事を目指す場合は、資格を取得するだけでなく仕事への理解を深める必要もあります。下記の記事ではそれぞれの仕事の特徴を解説しているため、合わせてチェックしましょう。

医療業界
医療業界の志望動機を書くなら必見! 6つの職種別例文

看護師
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研究職
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エンジニア
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美容師
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管理栄養士の志望理由を職場別に解説! OK・NG例文7選

保育士
例文25選|保育士の自己PRが作れる5ステップと好印象のコツ

幅広い知識を持つオールラウンダー! ゼネラリストの基本情報

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

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ゼネラリストの基本情報

  • ゼネラリストの働き方
  • ゼネラリストに求められること
  • ゼネラリストの仕事の例

ゼネラリスは、幅広い知識を有しており、一つの業務だけではなくさまざまな業務をおこなえる人のことを指します。所持している複数の知識を活かして臨機応変な対応ができるため、各分野ごとの専門家と協力して業務を進められるのです。

ここからは、そのようなゼネラリストの働き方や企業から求められていることを解説します。どのような仕事がゼネラリスに当てはまるのかも解説しているため、ぜひ参考にしてください。

ゼネラリストの働き方

ゼネラリストは、企業で部署間の調整や全体のスケジュール管理などを任せられることがおもな仕事です。ゼネラリストとして活躍するためには、まずはさまざまな部署で幅広い業務の経験を積む必要があります

そして、企業のなかのあらゆる業務を経験したあとは、管理職やマネージャー職など、組織全体を動かす仕事を任せられることが多いです。

ゼネラリストは、プロジェクトのスケジュールに支障がある場合は、どの部署で問題が起きているのか、何を解決すれば問題がないのかなど、さまざまな側面からの解決法の提案が求められます。

チーム全体を見渡しつつ、必要であれば他部署と連携をおこない、企業全体の業務が進むように働く必要があるのです。なお、ゼネラリストとして企業に勤める場合は他部署のことを理解できるように、入社後に異動を経験する可能性もあります。

吉野 郁子

プロフィール

ゼネラリストに特徴的に求められるのは、「人と人とをつなぐ」という役割だと考えます。これは、まだAIには難しい曖昧さを含む業務です。このような曖昧さに対応するためには、明文化されていない業務を引き受けるゼネラリストの力が欠かせません。

ゼネラリストに求められること

ゼネラリストは、特化した専門分野を持たない分幅広い知識を有しており、専門家をまとめる働き方を求められます。複数の知識を有していることから、一つの分野の専門家では見落としがちな解決方法に気付いて、企業が抱えるトラブルを解消することを目指す必要があるのです

たとえば、企業が進めているプロジェクトのなかで何が課題となるのかを見極め、その課題の解決のために専門分野の知識が必要な場合は、スペシャリストに専門的な業務の依頼をおこないます。

また、複数の分野のスペシャリストとの連携が必要な場合、プロジェクト全体が滞りなく進められるよう、ほかの部署との橋渡し役となることもゼネラリストの仕事なのです。

このようにゼネラリストは、企業のなかでも中枢となる部分で多くの人を動かしながら仕事を進めるリーダーシップや、プロジェクトを成功に導くためのプロセスを考えられる課題解決力などが求められます。

ゼネラリストの仕事の例

ゼネラリストの仕事は、以下のような仕事が当てはまります。

ゼネラリストの仕事の例

  • 総合職
  • 総務・人事
  • 管理職
  • コンサルタント
  • マーケター

ゼネラリストの仕事は明確に資格が必要になる仕事はあまり多くないですが、幅広い分野に関する知見や基本的なスキルなどが必要です。

特に総合職として採用された人材は、各部署を転々としながら経験を積み、ゆくゆくは管理職として企業の業務全体をまとめていくことが求められます

そのためゼネラリストとして活躍できるようになるためには、それ以前にしっかりと時間をかけて幅広い分野の業務について学ぶ下積み期間が必要になるのです。

サポートしたなかでは、ゼネラリストに適性がある人は営業やメーカーの技術職などからキャリアを積む人が多かったです。

営業職は顧客との折衝を通じて業界知識や課題解決力を磨き、社内外の調整役としての経験が積めます。一方、メーカーの技術職は製品開発や品質管理にかかわりながら、他部署と連携する機会が多く、幅広い知識と調整力が求められます。

ゼネラリストに向いたそれぞれの仕事を志す場合は、仕事の特徴を理解しておくことで選考突破できる確率が高まります。こちらの記事ではそれぞれの仕事の特徴を解説しているため、興味がある職業に目を通しておきましょう。

営業職
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ

企画職
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?

マーケティング職
新卒でマーケティング職に就くには? 仕事内容から対策まで徹底解説

人事職
例文付き|人事の志望動機の書き方7ステップ! ポイントや注意点を解説

事務職
例文20選|事務職の志望動機を職種別・業界別に徹底解説

既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう

既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。

これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。

また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。

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キャリアコンサルタントに聞いた! ゼネラリストは本当に時代遅れ? 

働く人材の特徴はおもに、スペシャリストとゼネラリストの2つに分けられますが、皆さんのなかには「ゼネラリストは時代遅れ」ということを聞いたり、自分自身でそう思っていたりする人もいるのではないでしょうか。

そこでこの章では、キャリアコンサルタントの吉野さんに、本当にゼネラリストは時代遅れなのかを解説してもらいます。ゼネラリストが時代遅れといわれてしまう理由を理解して、就活に役立てましょう。

アドバイザーコメント

「ゼネラリストは時代遅れ」といった論調は一時的なもの

社内外や他者にとってゼネラリストのスキルがわかりにくいことから、ネガティブに語られたのでしょう。

「スペシャリスト」と「ゼネラリスト」の区分も、時代に応じて変化していく可能性があります。自分がどちらのタイプになるかは、自分で決めるのではなく、周囲からの期待や任される役割によって定まっていくものです。

また、年齢や立場に応じて役割が変化することも大いにあります。自分はどちらのタイプか、今すぐ自分で決定しよう、と考えると苦しくなるため、あくまでイメージワードとしてとらえましょう。

仕事はニーズがあってこそ生まれるものであり、スペシャリストだからといって、全体の業務に無関心で良いわけではありません。同じように、ゼネラリストが知識や技術の研鑽を怠って良いわけでもありません。

長い目で職業人生を見すえることが大切

ネット上には、人の不安をあおる論調や他人を見下すゴシップなどの、根拠のない記事があふれています。そのような情報に振り回され、目先の損得にとらわれたり、努力を怠ったりすることがないようにしましょう。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
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ゼネラリストは必要な存在! 企業の人材がスペシャリストだけではダメな理由

企業の人材がスペシャリストだけではダメな理由

  • スペシャリストの専門外の分野に弱い経営になりやすいため
  • 複数の分野に渡った業務が進みにくくなるため
  • 他社からのニーズも高く人材が定着しにくいため

企業が成長していくためには、スペシャリストだけではうまくいきません。ゼネラリストの存在もあるからこそ、企業は業務を進めやすくなるのです。しかし、なぜ企業にスペシャリストだけではダメなのかわからない人もいるのではないでしょうか。

ここでは、企業の人材がスペシャリストだけではダメな理由を解説します。ゼネラリストとスペシャリストの立ち位置を理解して、ゼネラリストが企業に必要な理由を理解しましょう。

スペシャリストの専門外の分野に弱い経営になりやすいため

スペシャリストは自分の専門分野に特化した業務をおこなうことがおもな仕事であり、専門外の業務に関しては知見が深くありません。

そのため、特定の分野に特化したスペシャリストだけで会社を経営してしまうと、スペシャリストの守備範囲の分野以外の知識や技術に乏しくなり、業務範囲の拡充ができなかったり、分野外のトラブルが発生した際に解決に時間がかかったりしてしまう場合があるのです

企業にゼネラリストが在籍していれば、幅広い知見や経験をもとに各分野の業務全体を見ることができるため、スペシャリストだけが在籍しているよりも気付ける事柄が多くなり、各専門部署間の連携もスムーズに進められます。

さらに新しい事業をおこなう場合にも、ゼネラリストがいれば各部署の役割を客観的に見ることができるため、事業に必要な人員を配置でき、専門性が極端に偏ったチームになる可能性を減らせるのです。

企業にとって、高い専門性で貢献していくスペシャリストも必要な存在ですが、ほかの分野のフォローもできるゼネラリストのような存在がいることで、各専門分野の良さを最大限に活かす経営がおこなえるようになります。

複数の分野に渡った業務が進みにくくなるため

企業が進める製品やサービスなどのなかには、一つの分野ではなく複数の分野の技術や知見が取り入れられたものもあります。

たとえば、ダイエットの方法を提案するアプリを制作する場合、アプリ制作に関するシステム分野の技術だけでなく、ダイエットや健康への知見も必要です。

もし、上記のような状況で企業が各分野のスペシャリストを採用できたとしても、ゼネラリストの存在がなければ部署間の意見の調整が難しくなり、業務が滞りやすくなる可能性があるのです

事業を円滑に進めていくためにも、企業はスペシャリストだけでなく総合的に事業をまとめる橋渡し役としてゼネラリストを配置する必要があります。

有馬 恵里子

プロフィール

スペシャリストは自分の専門分野には長けていますが、専門外の視点は持てていない場合があります。ゼネラリストがいることで、全体を俯瞰してみることができ、スペシャリスト同士の橋渡しにもなるため会議が円滑に進みます。

他社からのニーズも高く人材が定着しにくいため

スペシャリストは専門分野に特化した知識や技術を有しているため、同じ専門分野の仕事であればどんな企業でも即戦力となることができるため、ほかの企業からの需要も高く、転職のニーズも高い傾向にあります。

たとえば、有能なプログラマーであれば能力を考慮して良い条件を企業から持ちかけられれば、引き抜きに応じて転職してしまうかもしれません。

仮に企業がスペシャリストだけで構成されていると、有能な人材であれば競合他社からの引き抜きにも合いやすく、より条件の良い企業を見つけたスペシャリストに転職されてしまう可能性があるのです

こうした課題に対し、管理職としてゼネラリストを配置することで、定期的な面談や日々の業務を通してスペシャリストの考えや希望に沿ったキャリアのサポートなどがおこなえるため、スペシャリストのモチベーションを維持することができます。

ゼネラリストがスペシャリストを含む従業員を総合的にまとめることができれば、従業員間でより良い人間関係を築くことができ、企業としての結束力を高めることができるのです。

あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

職業選択においてやりたいことはもちろんですが、その中でも適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうため適職への理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業と低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみよう!

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
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・時間をかけずに自己分析をしたい人

どっちに適性があるか見極めよう! スペシャリストとゼネラリストに向いている人

スペシャリストとゼネラリストへの理解が深まっても、自分にはどちらが適しているのか判断が難しい人もいるのではないでしょうか。適性が理解できれば目指す職業も明確になり、就職活動が進めやすくなります。

この章では、スペシャリストが向いている人、ゼネラリストが向いている人をそれぞれ解説します。自分に当てはまる部分がないか考え、スペシャリストとゼネラリストの適性を見極めましょう。

スペシャリストに向いている人

スペシャリストが向いている人は、以下の項目に当てはまる人です。

スペシャリストが向いている人

  • 興味のあることに探求心を持って行動できる人
  • 専門分野を継続的に学び続けられる人
  • 課題の解決へ向けて努力できる人
  • 一つのことに黙々と集中できる人
  • はまったらやり込む凝り性な人

スペシャリストは専門分野への知見や、新しい情報を更新し続けることを求められるため、途中で飽きてしまう人や複数分野へ興味が移りやすい人は向いていません

逆に、自分の興味のある専門分野に関することであれば、納得するまで探求し続けられる人は、スペシャリストとして企業のなかで高い専門性を発揮して活躍できるといえます。

吉野 郁子

プロフィール

スペシャリストは、良くも悪くもオタク気質な人に向いていると思います。探求心や好奇心が強い人は、単位認定にこだわらず、専攻分野の勉強をさらに深掘りすることもあります。

ゼネラリストに向いている人

ゼネラリストが向いている人は、以下の項目に当てはまる人です。

ゼネラリストが向いている人

  • 臨機応変に対応できる人
  • コミュニケーション能力がある人
  • あらゆる意見に耳を傾けられる柔軟性がある人
  • 人をまとめたり指導したりした経験がある人
  • いろいろな業務に好奇心を持って取り組める人

ゼネラリストは特定の分野に特化した知識ではなく、幅広い分野への知見が求められます。またトラブルが起きた場合にも、一つの専門分野からの視点からだけで考えるのではなく、多角的な視点でどのような対処が必要かを考え、各部署をまとめることが必要なのです

このことから、あらゆる人の意見に耳を傾け、柔軟に物事を考えられる人や、一つのことだけを努力するのではなく、すべての業務に均等に熱量を持って行動できる人といえます。

ゼネラリストとして活躍するには、多様な業務に適応できる資質が求められます。

そのため、柔軟な思考力や複数の関係者と調整しながら業務を進める高いコミュニケーション能力、特定分野にこだわらずに新しい知識を貪欲に吸収できる好奇心などが求められます。

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専門性が高い分の大変さとは? スペシャリストとして働くメリット・デメリット

スペシャリストとして働くメリット・デメリット

  • メリット①:特定業種で長く働きやすい
  • メリット②:即戦力として評価されやすい
  • デメリット①:技術の習得には時間がかかる
  • デメリット②:キャリアチェンジが難しい可能性がある

スペシャリストは専門性が高く企業が成長する際に大切な存在ですが、一方でなりたい! と思ったときに一朝一夕でなれる存在ではありません。

またスペシャリストは、その後のキャリアの選択肢が制限される可能性もあるため、メリットとデメリットどちらも理解したうえで選ばなければ、自分の思うようなキャリアを築くことができない可能性があるのです。

そこでここからは、スペシャリストとして働くメリット・デメリットを解説します。専門的な技術を習得してから「思っていた働き方ではなかった」と後悔してしまわないよう、この機会にデメリットも理解しておきましょう。

メリット①:特定業種で長く働きやすい

スペシャリストは専門的な知識や技術を持っているため、専門分野の職業であれば、長く働くことができます。

たとえば、プログラミング言語を扱う知識や技術があれば、プログラマーとして長期的に働き続けることができ、専門的な技術と併せて経験を積むことでより高く評価してもらえるのです。

スペシャリストの持つスキルや技術は、一度身に付ければ簡単にはなくならないからこそ、職種によってはフリーランスや個人事業主として、企業に縛られずに働くこともできます

このように、スペシャリストは特定の業種への専門知識や技術があれば企業や働き方を変えて仕事を続けやすい点がメリットです。

スペシャリストを目指していても、飽き性な面があると仕事が続けられないのではと不安に思う人もいるのではないでしょうか。こちらの記事では長く続けられる仕事を見つけるコツを解説しているため、ぜひ参考にしてください。

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飽き性な人におすすめの仕事20選をキャリアコンサルタントとともに紹介。飽き性な人の仕事選びの方法や注意点、また仕事に飽きてしまった場合の対処法も解説します。飽き性ならではの強みを活かして、意欲を保ちながら長く続けられる仕事を見つけましょう。

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メリット②:即戦力として評価されやすい

スペシャリストは専門分野に関してすでに知識や技術を有しているため、企業に即戦力として評価されやすい傾向があります。即戦力として企業に扱われれば、成果を上げることで昇給やキャリアアップがしやすくなります。

またスペシャリストは専門性が高いことで、スペシャリストにしかできない業務も多く具体的に目に見える実績を積みやすいです。そのため、その企業で残した成果を転職活動で伝えれば、自分の評価をさらに高めて有利な条件で転職できる可能性もあるのです

ほかにも、スペシャリストは、ライフイベントの変化があった際に別の場所に引っ越したとして、引越し先で同じ仕事を続けやすくなります。新しい就職先を探す場合でも、知識やスキルを評価されやすくなるのです。

自分の状況や目指す未来に合わせて行動を考えた場合でも、スペシャリストとしての能力があれば、働ける環境が見つかる可能性が高くなります。

有馬 恵里子

プロフィール

スペシャリストの場合、実績を具体的に示しやすいため、専門分野を深めることで社内外の認知が高まり、自分のブランドを確立できます。このことから、専門知識が求められる場面で重要なポジションを任されることも多いでしょう。

デメリット①:技術の習得には時間や費用がかかる

スペシャリストは一度技術や専門知識を身に付ければ、同じ職種で長く働ける可能性が高まります。しかし、スペシャリストと認められるだけの技術やスキルを身に付けることは簡単ではないため、一から勉強するとなると時間とお金が必要になる場合があるのです

たとえば、プログラマーになりたいと思ったとしても、プログラミング言語への知識がなければ、作りたいものに合わせて必要な言語を習得する必要があります。プログラミング言語への知識を身に付けても、実際にプログラムを組んだ経験がなければ、スキルがあるとはいえません。

このように、身に付けた知識を実際に技術として落とし込む作業も必要になるため、スペシャリストになるまでには時間がかかります。

ほかにも、医師や看護師になりたい場合は医学部や看護学科へ通う必要があり、数年単位の時間をかけて技術や知識を身に付けていくのです。

このように、スペシャリストとして働くためには自分がやりたい仕事に合わせた知識やスキルを身に付けることが欠かせません。自分の目指したい専門分野の技術習得にどの程度の時間や費用が必要なのかを考えて、計画的に学習やスキルアップを進める必要があります。

デメリット②:キャリアチェンジが難しい可能性がある

企業でスペシャリストとして働き始めた場合、専門業務を中心に仕事を任せられる可能性が高いです。そのため、専門分野とは関係のない仕事をしたいと思ったときにスキルや知識が足りず、キャリアチェンジを目指す場合は新しく学び直さなければいけません

たとえば、社内SEとして働いていた人が営業職にシフトチェンジする場合は、営業のノウハウを一から勉強することが必要になるうえ、今までとまったく異なる仕事をすることになります。

まったく異なる分野のノウハウを一から身に付けることは簡単ではないため、人によっては馴染みのない新しい分野を学びなおすことがつらいと感じ、デメリットになってしまう場合もあるのです。

スペシャリストの仕事は技術や知識の習得に時間がかかるからこそ、自分が本当にやりたいことなのかよく考えて目指す必要があります。

今の仕事で働きながらスペシャリストを目指すのは難しい気がしています。在職中でも目指しやすいスペシャリストの職業にはどのようなものがあるのでしょうか。

独学や実務経験を通じて専門性を高められる職業を選ぼう

たとえば、営業職であればデータ分析を活用する専門家であるセールスアナリストや、特定業界に精通したコンサルタントなどの道があります。

また、メーカーの技術職であれば、品質管理や生産技術、特定の製造プロセスに特化したエンジニアとしての専門性を深められるでしょう。

さらに、どの職種でもデータ活用スキルは需要が高く、スペシャリストとして活躍できます。たとえば、ビッグデータやBIツールを活用するスキルを習得すれば、社内で専門家としての地位を確立できる可能性があります。

突出した強みを示しづらい? ゼネラリストとして働くメリット・デメリット

ゼネラリストとして働くメリット・デメリット

  • メリット①:早く出世できる可能性がある
  • メリット②:さまざまな人とかかわりながら仕事ができる
  • デメリット①:器用貧乏になりやすい
  • デメリット②:転職で具体的な強みを伝えにくい

ゼネラリストは、企業が業務全体を円滑に進めるために重要な存在であるものの、器用貧乏になりやすい側面もあり、自分なりの強みが伝えにくくなるというデメリットがあるのです。

メリット部分だけでなくデメリットも理解しておくことで、自分がゼネラリストとして今後どのようにすれば活躍できるのかが見えてきます。

ここでは、ゼネラリストとして働くメリット・デメリットを解説します。スペシャリストとは違ったメリット・デメリットを理解して、適性を踏まえて目指すかを検討しましょう。

メリット①:早く出世できる可能性がある

ゼネラリストはチーム全体の様子を見て業務を進めることが得意なため、管理職やマネージャー職に向いています。企業にチームをまとめられる人材だと評価されれば、管理職を任せるために早く出世できる場合があるのです

早く出世できれば給与が上がるだけでなく、仕事における裁量権が大きくなります。自分のやり方で仕事を進めやすくなるため、仕事のやりがいが増える点がメリットとなるのです。企業に自分が必要とされていることがわかり、熱意を持って働ける可能性が高まります。

さらに、複数のチームメンバーをまとめた経験はマネジメント経験として今後転職する可能性が出た際も評価される可能性があります。

このように、ゼネラリストとして企業に採用されて早くに出世した場合は、企業で重要な役割を任せられていたという実績ができるのです。

吉野 郁子

プロフィール

仕事を通じて何かを成し遂げたいなら、出世することは夢に近づく一歩になるでしょう。

「仕事の報酬は仕事」という言葉があります。いい仕事をすると、もっとおもしろい仕事を手掛けられるようにになる、という意味です。

メリット②:さまざまな人とかかわりながら仕事ができる

ゼネラリストは部署間を取り持ったり、専門分野を持つ人材をまとめたりして業務を進めていく必要があります。そのため、多くの人とかかわる機会があり、チームで仕事を進めていくことができるのです。

さまざまな人とかかわりながら仕事をできれば、人によって異なる価値観や考え方があることを理解でき、人に合わせた対応がさらにしやすくなります。その結果、別の人とかかわる際も今までの経験をもとに対応できるため、よりスムーズに業務が進めやすくなるのです。

また、人によっては人とかかわりながら仕事をすること自体が好きという人もいるのではないでしょうか。そのようなタイプの人であれば、ゼネラリストとして企業に勤めることで、やりがいを持って働ける可能性が高まります。

人とかかわりながら働きたい人は、どのような仕事があるのか理解して就職活動を進めると自分に合った仕事を見つけやすくなります。こちらの記事では人とかかわる仕事を解説しているため、ぜひ目を通しておきましょう。

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人とかかわる仕事19選|具体的な仕事内容や注意点まで徹底解説

人とかかわる仕事に就きたい人は、自分に合った人とのかかわり方を見つけることから始めましょう。この記事では各職種の人とのかかわり方や向いている人の特徴をキャリアコンサルタントとともに解説。既卒や第二新卒におすすめの人とかかわる仕事20選も紹介しています。

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人とかかわる仕事19選|具体的な仕事内容や注意点まで徹底解説

デメリット①:器用貧乏になりやすい

ゼネラリストは幅広い分野の経験はあるものの、スペシャリストほどの専門性がないことから器用貧乏になりやすい傾向があります。そのため、仕事をする際も深くかかわった感覚がないため、自分が企業の役に立っているのか理解しにくい可能性があるのです

またゼネラリストは、同時に複数の仕事を抱えることがあるため、一つの仕事に集中しにくいという場合もあります。結果的に仕事の質が低下してしまえば、評価を下げる原因になりかねません。

器用貧乏を避けるためにも、さまざまな分野の業務経験のなかでも、自分の得意な分野では専門性を高めることを意識しましょう。ゼネラリストとしての経験に加えて、強みとなる部分を作ることがができれば活躍できる可能性が高まります。

デメリット②:転職で具体的な強みを伝えにくい

先でも解説したように、ゼネラリストは幅広い業務経験が積めるものの、専門知識が乏しくなる傾向があるため、転職活動をする際に自分の強みをアピールしにくくなってしまう場合もあるのです。

ゼネラリストは、幅広い分野の知識を活かした臨機応変な対応力や、他者間を取り持つコミュニケーション能力などが強みといえますが、どれも専門性の高い能力とはいえず、自分だけが持つ強みとしてアピールできるわけではありません

自分の持つスキルが直接的に企業の事業や各分野の業務に関連するものではないため、そのスキルが活かされたことでの具体的な成果や実績が示しにくく、人によっては転職時のアピールに苦戦してしまう可能性があるのです。

とはいえ、ゼネラリストの持つ能力は専門性はないものの、どのような分野の仕事においても大切な汎用性の高い能力ととらえることができます。そのため、自分のスキルの汎用性を理解し、それを次の仕事ではどう活かすのかを示すことができれば、ゼネラリストでも貢献度の高い人材として評価されることにつながるはずです。

有馬さんがゼネラリストなら、自分が転職活動をするときにどのようなアピールを心掛けますか?

有馬 恵里子

プロフィール

ゼネラリストなら適応力や柔軟性のアピールが可能

ゼネラリストの人はスペシャリストのような深い知識はなくとも、自分に足りないものは積極的に学んで一定のレベルまで身に付けていると思います。

転職で業種や職種が変わっても、すぐにキャッチアップすることができる可能性があります。また、会社の方針が変わったり、急な対応を依頼されたりした際にも柔軟に対応できる点はスペシャリストにはない強みです。

就活のプロに聞く! 給料が上がりやすいのはスペシャリスト? ゼネラリスト? 

スペシャリストとゼネラリストの違いが理解できたものの、実際に働くうえで給料が上がりやすいほうを目指したいと思う人もいるのではないでしょうか。給料は生活に直結するため、重視する人が多い項目です。

そこでこの章では、キャリアコンサルタントの吉野さんにスペシャリストとゼネラリストでは給料が上がりやすいのはどちらか解説してもらいます。自分の適性だけでは判断が難しいときは、ぜひ参考にしてください。

アドバイザーコメント

業界や会社の規模によって給与の上がりやすさは異なる

「スペシャリスト」といっても、能力には個人差があり、人材の希少性や市場のニーズに応じて給与相場は変わります。

例えば、インターネットで「年収が高いプログラミング言語ランキング」と検索すると、システム開発技術者でも、年収に幅があることがわかります。開発言語の習得難易度にも違いがあります。簡単に習得でき・かつ年収も高い仕事などないのです。

また、「ゼネラリスト」も同様です。例えば「プロジェクトマネージャー」と「プロジェクトアシスタント」では給与額が違います。「プロジェクト」も、予算やスケールによって、業務難易度が違い、報酬額も変わります。

また業界・会社の利益率、会社規模や成長性によって所得相場は変動します。さらに、今後の国際競争や世界情勢によっても変わっていくでしょう。

給与の高い仕事に絞って探すことは難しい


「高給の仕事を見つける方法」は、「儲かる株を選ぶ方法」と同じくらい難しいことです。就職は、自分の人生をかけた投資のようなもの。真剣に経済動向を研究し、自分の能力を最大限に発揮できるポジションを見つけることは価値があります。

スペシャリストには負けない! ゼネラリストが今後も活躍するために必要なこと

ゼネラリストが今後も活躍するために必要なこと

  • 時代に合わせた価値観を持つ
  • 持っている知識を常にアップデートする
  • スペシャリストを支えることも意識する

ここまでの解説で、ゼネラリストは時代遅れという風潮はあるものの、企業にとっては必要な存在であることは理解できたと思います。しかし、ゼネラリストが今後も企業で活躍していくためには、変えるべき部分もあるのです。

ここからは、ゼネラリストが今後も活躍するために必要なことを3つ解説します。時代に合わせるために、ゼネラリストには何が必要なのかを理解しましょう。

時代に合わせた価値観を持つ

ゼネラリストは部署間を取り持つようなコミュニケーションが求められていますが、その方法は年々変わりつつあります。たとえば、以前は職場で直接顔を合わせて会議をしていた会社でも、現在はリモート化によってWeb会議を実施する場合もあるのです。

ゼネラリストを目指す場合は、このような時代の変化に合わせた価値観が欠かせません。

企業のあり方は、時代や人々のニーズによって異なります。このことから、企業の全体的な事業や業務にかかわるゼネラリストにも、時代のニーズを理解して企業を動かすことが求められるのです

さらに、ゼネラリストは管理職やマネージャー職のような人をまとめる仕事をするからこそ、凝り固まった考え方のままでは従業員からの信頼を獲得するのが難しい可能性もあります。

だからこそ、企業でゼネラリストとしての成長を目指す場合は、自分の持っている知識をただ利用するのではなく、「今の時代に合わせるならどのような対応が必要か」を考えて行動しましょう。

ゼネラリストは、5年前に比べて柔軟なキャリア観を重視する方向へシフトすべきです。従来は「一社での経験の積み重ね」が重要視されましたが、現在は転職や副業を通じて多様なスキルを身に付ける姿勢が求められます。

持っている知識を常にアップデートする

ゼネラリストは幅広い知識を有していることが魅力ですが、持っている知識をアップデートしなければ、年月が経つごとに古いものになってしまいます。そのため、常に情報を得るためのアンテナを張り続け、情報の更新を心掛けましょう

ゼネラリストの場合は、スペシャリストに比べると専門的な知識は求められません。むしろ浅くとも複数の情報を持ち、状況に合わせて対応できるような人が求められます。今まで知らなかった分野の情報でも「関係ない」とは思わず身に付けておくことで、どこかで役立つ可能性があるのです。

さまざまなことに興味を持って、より幅広い状況に対応できるよう自身をアップデートさせ続けることができれば、企業のなかでも中心的な存在となるゼネラリストとして評価されることにつながります。

スペシャリストを支えることも意識する

企業が成長するためには、チームの管理をするゼネラリストだけでなく、専門的な知識を有するスペシャリストの存在が欠かせません。このことから、ゼネラリストが管理するチームにスペシャリストが存在する可能性は大いにあります。

そのため、スペシャリストと一緒に仕事をするときは、働きやすい環境作りへの意識や、ほかの意見が必要になったときに間に立つといったサポートも意識しましょう。スペシャリストが働きやすい環境になれば、企業にとってより良いアイデアや成果が出る可能性があります。

ゼネラリストは幅広い分野への知見から、スペシャリストの手助けができる場面も多いはずです。常にコミュニケーションを取り合い、助け合うと仕事が円滑に進みやすくなります。

就活のプロが解説! スペシャリストとゼネラリストを両立する方法はある? 

スペシャリストとゼネラリストの特徴を理解したうえで、両方を兼ね備えた人材になれば、企業の役に立てるのではと考える人もいるのではないでしょうか。しかし、両立に必要な努力がわからなければ、行動に移すことは難しくなります。

そこでこの章では、キャリアコンサルタントの有馬さんに、スペシャリストとゼネラリストを両立する方法はあるのかを解説してもらいます。キャリアコンサルタントの意見を参考に、自分が何をすれば良いのかを考えましょう。

アドバイザーコメント

知識の「深化」と「進化」をバランスよく組み合わせていくことで両立は可能

スペシャリストとゼネラリストを両立するために、まずは自分の得意領域を深めることにこだわってみましょう。

普段の業務で必要なスキルを磨くためにはどうすれば良いのか、さらに難しい課題を解決するには何を身に付けるべきか考え、学んだ内容を実践することで得意領域をベースにしたスペシャリストを目指せます。

ただ知識やスキルを深めていくだけではその領域にとどまってしまうので、同時に外部環境に目を向けることも大切です。

会社からどのような立ち位置が求められるのか、さらには社会では何が求められるか、広くアンテナを張り、自分に足りないところや苦手と感じる部分に対して少しでも良いので接点を持ってみましょう。

自分の専門領域とは違う分野の人と交流をすることもおすすめ

今の自分は得意領域を極めていく「深化」をしていときなのか、ほかの領域へ視野を広げ変化していく「進化」のときなのか意識しながら行動することで活躍の幅を広げていけます。

スペシャリストとゼネラリストはどちらも必要! 適性に合う働き方を目指そう

スペシャリストとゼネラリストはそれぞれ異なった特性を持ち合わせているため、企業が成長するためにはどちらかではなく、両方の人材が必要です。人によってスペシャリストとゼネラリストの適性は異なるため、自分の特徴ややりたいことなどを照らし合わせて、自分に合った働き方を考えましょう。

スペシャリストとゼネラリストのどちらに適性があるか悩んだときは、働き方や求められるものを理解したうえで、判断することがおすすめです。

企業で自分に求められる立ち位置や働き方を理解することで、仕事をしながらやるべきことが明確になり、入社後も活躍できます。

アドバイザーコメント

スペシャリストとゼネラリストはそれぞれ求められる働き方が異なる

スペシャリストは特定の分野への深い知識やスキルを持ち、専門職として企業に貢献する人材です。プログラマーや医師、研究職などが該当し、技術を磨き続けることが求められます。

一方、ゼネラリストは幅広い知識を活かし、複数の業務を横断的に担当する役割です。営業職や企画職、人事、管理職などが該当し、コミュニケーション能力や調整力が求められます。  

スペシャリストは高い専門性を持つため、即戦力として評価されやすく、特定の業種で長く働きやすい一方で、技術の習得には時間がかかり、キャリアチェンジが難しい場合があります。

ゼネラリストは管理職として早く出世できる可能性があるものの、器用貧乏になりやすく、転職時に具体的な強みを伝えにくい点が課題です。  

自分が楽しめる働き方ができるほうを目指そう

自分がどちらに適性があるか悩む場合は、「どちらが向いているか」よりも「どんな働き方が楽しいか」を考えましょう。

興味のあることに深く取り組むのが好きならスペシャリスト、幅広くかかわるのが好きならゼネラリストが向いている可能性があります。どちらの適性があるのかを見極め、自分に合ったキャリアを築いていきましょう。  

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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