この記事のまとめ
- 管理栄養士の志望理由を書くには分野ごとの違いを理解することが大切
- 熱意や志望度を効果的に伝えるための手順と注意点を把握しよう
- 管理栄養士の志望理由OK・NG例を分野別で7選紹介
- 志望動機作成ツール
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管理栄養士を目指す人の中で、志望動機が書けずに悩む人も多くいるのではないでしょうか。また「食に興味があるから」という動機を志望理由にする人もいますが、それだけではほかの学生と同じ理由になり差別化ができないだけでなく、採用担当者の印象に残らないものとなってしまいます。
採用担当者を惹きつける志望理由にするには、入社後を見据えた内容にして実務で活躍できることをアピールする必要があります。そのためには、管理栄養士の分野別に求められる人材を理解して考えることが重要です。
こちらの記事では、キャリアアドバイザーの加藤さん、田邉さん、古田さんとともに管理栄養士の志望理由の考え方のコツを解説します。効率的な作成手順や注意点、例文も紹介するので、管理栄養士を目指している人はぜひ参考にしてくださいね。
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管理栄養士の志望理由は分野ごとに求められる人材を理解することが近道
管理栄養士は分野ごとに求められる人材が異なるため、それぞれの特徴に合わせた人材を理解することで具体性を含めた人事の印象に残る志望理由の作成につながります。志望する分野で必要とされている人物像を明確にして志望理由を考えてみましょう。
まずは前提知識として、企業が学生に志望理由を聞く意図を解説します。面接官の気持ちを理解して的を射た回答ができるように備えましょう。
次に管理栄養士の分野を7つに分けてそれぞれの特徴を詳しく解説していきます。各分野の特徴や自分の活かせる強みを照らし合わせて志望理由に活用できるようにしましょう。
記事後半では、管理栄養士の志望理由を考える手順と作成時の注意点、そしてほかの学生と差別化するコツを説明します。より魅力的な志望理由を作成するために、しっかりとポイントを押さえてくださいね。
最後に管理栄養士の分野別で志望理由例文を7つ紹介します。NG例も併せて紹介しているので作成時の参考にしてください。
前提知識が大切! まずは企業が志望理由を聞く意図を把握しよう
就活をするうえで、企業への志望理由は必ずといって良いほど聞かれる質問です。志望理由を企業が学生に聞く意図を把握して、正しい方向性で回答をできるようにしましょう。
企業の意図を正しく理解せずに志望理由を回答すると、自分の魅力や志望度を効果的に伝えられない可能性があります。自分の気持ちをしっかりと伝えるためにも、採用側の意図を理解することが大切になるのです。
ここからは、企業が学生に志望理由を聞く2つの意図について解説します。それぞれをしっかりと理解して、志望理由を作成するための前提知識を身に付けましょう。
自社とのマッチ度を測るため
人事は、志望理由から学生と自社との相性を知ろうとしています。「自社に適性があるか」「入社後はどんなふうに活躍してくれそうか」と書類や面接の志望理由に関する質問から測っておくことで、採用後のミスマッチをなくそうとしているのです。
また、管理栄養士は専門的な知識やスキルが必要とされています。自社の方向性や価値観・業務と学生の志望理由が一致しているかを確認することで、企業は学生が持ち合わせている知識やスキルが、実務とマッチしているかを判断することができるのです。
学生の熱意を把握するため
学生がどれくらいの志望度で自社の選考を受けているのかも、志望理由から企業は知ろうとしています。企業は志望度の高い学生を採用したいと考えるため、熱意のある学生ほど人事の印象に残りやすくなります。
また、先にも述べた通り、管理栄養士は食や栄養に関する専門的な深い知識が求められます。就職後も知識をアップデートしながら社会や会社に貢献してくれる学生なのかを知るために、志望理由から熱意を把握しようとしているのです。
加えて、熱意から将来の成長への意欲や、管理栄養士としてキャリアを積んで実績を残してくれるかどうかも同時に知ろうとしています。
企業が志望理由を聞く意図を知らずに志望動機を作ると、企業が知りたいことがない志望動機になる可能性もあります。すると、どれだけ実績や熱意があっても選考落ちになってしまうこともあります。
志望企業から内定獲得するためにも、企業の立場になって考えられるようになりましょう。
「企業研究ノート」を作成することで企業研究した結果をわかりやすくまとめられます。こちらの記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!
管理栄養士の7分野を紹介! 特徴を押さえて志望理由に活かそう
管理栄養士は大きく7つの分野に分類されます。そして分野ごとに職場や業務内容に違いがあるため、求められる人材も異なります。
管理栄養士の分野それぞれの特徴や違いをしっかりと理解せずに志望理由を作成すると、業界分析・研究が曖昧な印象を与えてしまって熱意が伝わらないだけでなく、「想像していた管理栄養の仕事内容と違う……」と認識のズレが生じてしまい、納得のいく働き方ができなくなってしまうかもしれません。
ここでは分野別で仕事内容や特徴、必要とされるスキル、求められる人物像を詳しく解説します。志望先がどの分野に属しているのかを正しく理解して印象に残る志望理由の作成を目指しましょう。
- 管理栄養士を目指しているのですが、どの分野に就きたいのかが決められません。どうしたら納得のいく決断ができますか?
3つのポイントを今一度振り返って整理すると答えがでてくるはず
進む分野によってその後の進路(キャリアプラン)も変わる可能性があるので、どの分野で就職活動を進めようかなど迷ってしまいますよね。
どの分野に就くかを決める前に、以下の3つのポイントを改めて振り返ってみましょう。紙などに書いて文字に起こすとより整理しやすくなりますよ。
①管理栄養士に進もうと決めた理由やきっかけ
②自分の強み・特長の棚卸し
③どういうふうに活躍していきたいのか(理想のイメージ)
また、自分自身で振り返りができた後に、学内のキャリアセンターに行って「進む分野について最終決断したい旨」を伝え、キャリアコンサルタントに想いを深めてもらいましょう。
対話を通して考えることで、自分がなぜその分野に進みたいのかが、ハッキリと明確になってくるはずです。
管理栄養士は7つつの分野に分けることができます。以下の記事では分野別に向いている人の特徴をまとめていますので自分に合う分野を見つけてみてください。
管理栄養士の就職先16選|分野別に向いている人の特徴を解説
医療系
医療系の職場例として、診療所や病院が挙げられます。通院している患者や入院中の患者に対して一人ひとり栄養を管理したり、指導したりします。
医療系の管理栄養士の仕事は、医者や看護師など、ほかの職種の人と密に連携して患者の容態を管理します。また、患者の声に耳を傾けながら指導をする必要もあるでしょう。そのため、コミュニケーション力がある人や傾聴力がある人が現場で求められています。
加えて、医療の現場は日々新しい技術が導入されているため、知識を自主的にアップデートしていく必要があります。
医療系分野で管理栄養士を目指す場合は、処方薬の効能をなくさないために、食材に含まれる成分知識が必須です。薬だけでなく病状に合わせてメニューを考える必要があるため、幅広い料理の知識があると良いでしょう。
教育系
教育系は、小・中学校や給食センターが職場例としてあり、児童の成長に適したメニュー・献立の作成や食材の手配をおこないます。職場によっては清掃作業もする必要があるところもあります。
また教育系の職場では、たくさんの児童に向けて大量に調理をしなければなりません。常に動いている現場もあるため、体力があり周りと協力しながら業務を進められる人が必要とされています。
メニューや献立の作成をおこなうので、栄養面を考えながら児童が苦手な食材を食べやすいようにアレンジできる人が向いています。
また、教育系は児童が給食を通して「こんな食材やメニューがあるんだ!」と発見する場であったり、「食」に興味を持つ機会でもあります。創意工夫力や食への探求心を持っていると活かせるでしょう。
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研究系
研究系の職場には、管理栄養士の養成施設や企業・大学・国の研究機関などがあります。主に栄養学について研究したり新しい食品開発をしたりしています。企業では離乳食やサプリメントなど多岐にわたって研究をすることもあり、養成施設では管理栄養士や栄養士を目指す学生に対して教員として指導します。
研究系の仕事では、今までにない新たな領域を自分で展開していき研究を深め、開発していく必要があります。そのため、探求心を持って専門的な知識を深められる人材が求められています。
- 学生時代に専門的に学んでいなくても研究系の管理栄養士に就けますか? 文系学生が研究職に就くために今からできることを教えてください。
基本的には学位を取得していることが条件になる
研究系の管理栄養士に就くには、大学院で修士か博士の学位を取得していることを求められます。
それに加えて食品学や生化学などの化学的な知識も求められるので、文系だからと諦めずに理系知識を身に付けられるよう勉強の幅を広げてみましょう。
また、研究に欠かせない専門機器の扱いや、衛生管理の知識も必要になります。実験に使用する機材の扱いについても学んでおくと良いでしょう。
研究職も日々変化していきます。新たに発表された論文を読んだり、新しく出てきた食品や食材を敏感に感じ取れるようにアンテナを張ったりしておきましょう。
研究職の詳しい仕事内容をこちらの記事で解説しています。研究職に興味がある人はぜひチェックしてみてください。
研究職ってどんな仕事? 狭き門を勝ち抜くための志望動機例も紹介!
福祉施設系
保育園・児童福祉施設や介護施設、障がい者施設で子どもたちや入居者、患者に対してサービスをする福祉施設の分野では、一人ひとりのスタイルや状況・体調に合わせて食事を提供したり献立の作成や栄養管理をしたりします。
それぞれの状況に応じてメニューを考え安心・安全に提供しなければならないため、柔軟性があり臨機応変に対応できる人物が福祉施設系の職場では必要とされています。
福祉施設系の管理栄養士は、勤務先の施設によって考えなければならないことが変わります。たとえば、保育園と介護施設では、食事内容だけでなく食材の大きさや柔らかさ、必要な栄養も変わってきます。
仕事内容は共通していても、必要な知識が異なるということを覚えておきましょう。
スポーツ系
スポーツ系の職場には、スポーツジムやスポーツ系の企業などがあり、健康的な身体を目指す人を対象に健康食品を販売したり、栄養指導・レシピの提案をしたりします。企業であれば、メーカーで食品開発をすることもあります。
ジムに通う顧客へカウンセリングをおこなうこともあるため、傾聴力・提案力がある人材が求められているのです。
- 健康的な食事を作ることは好きなのですが、運動自体はあまり好きではありません。スポーツ系の企業での管理栄養士を志望する場合、マイナスな印象を与えてしまわないか心配です。
「健康」に関連するジャンルを幅広く理解しておけば心配不要
どの食材にどのような栄養があるのか・調理方法や食材の組み合わせ、食事の回数・食べる時間など「健康」というキーワードでいろんな引き出しを持っていると良いでしょう。
「健康」と一言でいっても、筋肉強化・脂肪減少・体力強化などさまざまなジャンルがあります。また、ジャンルごとに必要な栄養分や必要な食事内容なども違ってきます。
さまざまなジャンルの知識や引き出しが多いと、自身が運動を好きでなくても重宝したくなる存在として印象付けることができるでしょう。
スポーツメーカーへの就職を目指す人はこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
スポーツメーカーへの就職を実現する方法|志望動機例文も紹介
食品系
飲食店や食品メーカーでメニューを立案したり企画をして広報をしたりする食品系の分野では、研究から営業まで幅広い業務に携わることができます。資格を取得すれば、フードコーディネーターとして活躍することも可能でしょう。
飲食店や食品メーカーは、時代のトレンドをつかんで斬新なアイディアを出すことで戦略を進めています。そのため、分析や市場調査、最新トレンドのキャッチアップが得意な人が食品系の分野では必要とされています。
食品メーカーのどのポジションに就きたいかにもよりますが、商品開発や品質管理に就くなら、調理師資格を持っていると食品衛生の知識なども身に付きます。食の安全を確保できるスキルとして有利に働く可能性がありますよ。
以下の記事では飲食店の仕事内容や志望動機をまとめています。「食」の仕事に興味のある人はぜひチェックしてください。
飲食店の志望動機はどう書く? 例文や企業が求めるスキルを解説
食品の商品開発についてこちらのQ&Aでキャリアコンサルタントが回答しています。食品開発の詳しい内容が知りたいという人はぜひチェックしてみてください。
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福利厚生施設系
社員食堂や大学の食堂、社員寮が福利厚生施設系の職場例として挙げられます。食材や栄養管理、献立の作成、衛生管理をしながら食事の提供をすることがおもな仕事内容です。職場によっては定期的に日々の健康に関する相談を受けることもあるでしょう。
毎日違うメニューを考えて提供をする必要があるため、企画力があることが求められています。また、食事を通して提供する人々の健康をサポートしているため正確性に優れ的確に作業ができることも重要です。
チームで仕事をすることに苦手意識がある人は、福利厚生施設の分野の管理栄養士に向いていないでしょう。1人で完結する仕事ではなく、複数の管理栄養士で協働することが求められます。
少人数で黙々と仕事をしたい人は、別の施設や業界がおすすめですよ。
管理栄養士の志望理由を考える4ステップ
管理栄養士の志望理由作成4ステップ
- 管理栄養士を目指すきっかけになったエピソードを探る
- 志望する分野ごとに求められるスキルを理解する
- 志望先だけの魅力的なポイントを書き出す
- 志望先でどんな管理栄養士になりたいのかを言語化する
管理栄養士の分野を理解できたら、さっそく志望理由を考えていきましょう。管理栄養士の志望理由を考える際は、4つのステップに沿っていくことで効率的に、かつわかりやすい文章を作成することができます。
手順に沿うというと作業が多いように感じる人もいるかもしれませんが、一つずつ丁寧に対応していくことでより魅力的な志望理由の作成につながります。志望理由で人事を惹きつけるためにそれぞれのポイントを押さえましょう。
①管理栄養士を目指すきっかけになったエピソードを探る
まずは、「なぜ管理栄養士を目指すようになったのか?」という質問を自分に問いかけてみましょう。明確なエピソードを出しておくことで、志望理由を伝える際の軸が定まり芯のある志望理由の作成につながります。
エピソードが思い浮かばない場合はマインドマップで自分の思考を分解したり、過去の自分を振り返ったりすることで思い出せることがあります。自己分析の方法の一つである自分史を作成して印象に残っているエピソードを書き出してみると「管理栄養士を目指したきっかけ」が見えてくるはずです。
自分だけの視点ではなく、自分史の項目を友人や家族に質問することで忘れていたエピソードを思い出せることもあるでしょう。
- 管理栄養士を目指すきっかけを深掘りするために周りの人に自分について聞いてみようと思うのですが、どのようなことを質問すれば良いのでしょうか?
多様な立場の人に具体的な理由も含めて聞いてみよう
人から見た自分の印象や評価を知ることを「他己分析」と言います。他己分析は、親しい友人や家族だけでなく、先輩や後輩、先生といった多様な立場の人におこなってもらうと効果的です。
あらかじめ、就活に必要だから真面目に答えてほしいと伝え、次のように質問してみましょう。
「私はよく人に『◯◯だ』と言われるけど、あなたはどう思う?」
「私がいて良かった(助かった)場面があるなら、それはどんなとき?」
「(同じサークルや部活の仲間に)この集団の中で、私はどんな立ち位置だと思う?」
そう思う理由や、具体的なエピソードも一緒にメモしておくと深掘りしやすくなりますよ。
「そもそも自分史の作り方がわからない……」という人はこちらの記事を参考にしてみてください。
自分史を最大限就活に活かす方法とは? 記入例付きで作り方から解説
こちらの記事ではマインドマップの作成方法と注意点を解説しています。こちらも併せてチェックしておきましょう。
マインドマップで自己分析を極めよう! 活用方法や注意点を徹底解説
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「この職種に就きたい!」と思っていても、なぜそうなのか学生時代に培ったスキル・経験を踏まえて伝えるのに苦戦する学生は多いです。
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(IT業界の場合)
②志望する分野ごとに求められるスキルを理解する
先にも述べたとおり、管理栄養士の就職先は大きく7つの分野に分類され、働き方も求められるスキルも異なります。
分野 | 求められるスキル | 活かせる場面 |
---|---|---|
医療系 | 傾聴力 医療への知識 自己研鑽力 | 患者の悩みを聞くとき 患者への栄養指導をするとき 新しい医療知識を身に付けるとき |
教育系 | チームワーク 子ども目線で考える力 | チームで仕事をするとき 子ども向けのメニューを考えるとき |
研究系 | 食・栄養に関する専門知識 探求心 | 栄養士・管理栄養士の養成施設で指導をするとき 新たな分野で研究・開発するとき |
福祉施設系 | 正確性 柔軟性 | アレルギーに配慮して安心安全に食事を提供するとき 子どもや入居者・患者の状況に応じてメニューを考えるとき |
スポーツ系 | コミュニケーション力 幅広い食文化や調理方法への知識 | 顧客に栄養指導・カウンセリングをするとき |
食品系 | 提案力 情報収集能力 | 新たなメニューを立案するとき 市場調査・最新トレンドを分析するとき |
福利厚生施設系 | 栄養に関する知識 健康意識への興味関心 | 健康に関する相談を受けるとき 栄養バランスを意識した献立を考えるとき |
志望する分野で必要なスキルを正しく理解してアピール、あるいはスキルの取得を目指すことを志望理由に含めて伝えると、企業は学生が自社にマッチしていると感じ、「自社に必要な人材である」という印象を受けます。
志望先で必要とされるスキルを正しく理解するには、業界全体の特徴を深く理解することが重要です。第一志望先の企業だけでなく、できるだけ多くの説明会やインターンに参加してたくさんの社会人に質問してみましょう。現場に足を運ぶことで実際に実務で必要とされているスキルを知ることができます。
説明会・インターンで求められるスキルを聞く質問例
- 入社前に身に付けておくべきスキルは何だと思いますか?
- 実際に仕事をしていて求められるのはどんな力だと感じますか?
- どんな強みがある人が活躍していますか?
- どんなスキルを持っている人に魅力を感じますか?
企業が求めるスキルをより深く知るためには、説明会やインターンに参加した際に、入社後どのようなキャリアを歩んでいくのかを確認してみましょう。より深く企業が求めているスキルを把握することができますし、自身の数年後の働いている姿もイメージできるでしょう。
こちらの記事では業界研究のやり方を詳しく解説しています。業界研究を深めてオリジナリティのある志望理由を作成するためにぜひ参考にしてみてくださいね。
業界研究のやり方|業界全体を捉えたうえで気になる業界を研究しよう
③志望先だけの魅力的なポイントを書き出す
ほかの企業にはない志望先だけの特徴や強みを書き出して志望理由に含めることで、志望度が高く企業分析を丁寧におこなったという印象を志望先に与えられます。
どの企業・分野にも当てはまる志望理由では「うちでなくても良いんだな」と思われかねないため、志望先ならではのポイントを押さえられるようにしましょう。志望先だけの特徴・強みを知るためには、企業研究を深めることが大切です。企業に熱意を伝えられるだけでなく、自分と企業の相性を改めて確認することができるので丁寧におこないましょう。
下記のポイントを参考に調べてみたり働く社員に聞いてみたりすることで強みを明確にすることができるので参考にしてみてください。
志望先の魅力を見つけるための企業研究の着眼ポイント例
- 競合他社との違い
- 企業理念
- 事業内容
- 今後の事業方針
- キャリアパス・キャリアビジョン
- 福利厚生
- 社風・社員の印象
- 求められている人物像
- 管理栄養士の仕事はどれも似ていて志望先だけの魅力的なポイントが見つけられません……。
志望先だけの魅力は施設のビジョンや働いている人を考えよう
たしかに、管理栄養士の仕事は、どの職場でも似ていて差別化が難しいですよね。仕事内容を志望動機にしてしまうと、「他の施設でも当てはまる」と思われて、マイナス印象になる可能性もあります。
しかし、施設のビジョンや働いている人々はほかの施設とは異なります。つまり、これらに着目すると他の施設には当てはまらない魅力的なポイントを見つけるきっかけになるのです。
ビジョンはホームページ(HP)で確認することができますし、協働する人はインタビュー記事やOB・OG訪問をすると確認ができますよ。
④志望先でどんな管理栄養士になりたいのかを言語化する
志望先の企業に入社後にどんな管理栄養士になりたいのか、そしてどんな経験を積んでどのように活躍していきたいのかを自分の言葉で言語化してみましょう。言語化していくことで自分の気持ちを整理できるだけでなく、将来的に活躍してくれるという印象を企業に与えることにもつながります。
入社後のイメージが湧かない場合は、下記の項目を参考に一つずつ箇条書きでも構わないので答えを書き出してみてください。自分の思いを明確にすることができ、今後の貢献度を企業にアピールできるようになるはずです。
入社後のイメージを膨らますための質問と回答例
- 管理栄養士のどんな仕事に興味があるのか
→患者の健康をサポートする食事を提供する仕事 - 管理栄養士になって日々をどのように過ごしていきたいか
→スキルの向上のために業務だけでなく自己研鑽にも時間をかけたい - 管理栄養士としてどんなスキルを身に付けたいか
→顧客や患者に応じて臨機応変に栄養バランスを考えた献立を考えられるスキルを身に付けたい - 憧れの管理栄養士がいる場合は、その人のどこに魅力を感じているのか
→相手の意見に常に耳を傾けて要望にできるだけ応じようとしている点
人生は仕事だけではありません。キャリアビジョンをより明確にするには、ライフプランと絡めて考えると明確にできる部分が増えてきます。「この仕事でどうなりたいか」と一緒に、「将来的にどんな人生を送りたいか」なども考えてみましょう。
面接では、志望理由に併せて入社後にやりたいことを聞かれることも多くあります。こちらの記事で回答のコツを詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね。
例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?
「それでも働くイメージが湧かない…….」という人は、こちらの記事をチェックしてみましょう。自分の将来を形成するキャリアビジョンの考え方のコツを解説しているのでヒントになるはずです。
キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!
意外な落とし穴!? 管理栄養士の志望理由作成の3つの注意点とは
管理栄養士の志望理由作成時の注意点
- 「食に興味があるから」だけでは不十分
- 管理栄養士への理解度を曖昧なままにしない
- 別の企業で通じる理由は避ける
管理栄養士の志望理由を作成するうえで注意点を知っておくことも重要です。注意点を知らずに志望理由を作成すると、どんなに熱意を持っていても志望度が人事にうまく伝わらずに不採用になってしまう可能性があります。
ここからは志望理由を作成するときの注意点と注意するべき理由を解説します。管理栄養士を目指す学生が見逃しがちな注意点を理解して、完璧な志望理由の作成を目指しましょう。
①「食に興味があるから」だけでは不十分
「食に興味があるから」という志望理由であっても、きっかけとなるエピソードで管理栄養士にしか当てはまらない内容であれば問題ありません。しかし、ほかの職種にも当てはまるエピソードの場合は、熱意が伝わらない可能性が高いので注意してください。
「食に興味があるから」ということがきっかけで管理栄養士を目指すようになった人もいるでしょう。しかし、食に関する仕事はシェフやパティシエ、料理研究家、フードコーディネーターなど多岐にわたるため、「なぜ管理栄養士を志望するのか」を人事に伝えられません。
どんなエピソードや背景から食のどういったことに興味・魅力を感じ、入社後にどのようにしていきたいのか、どのような管理栄養士になっていきたいのかも併せて志望理由で伝えられるようにしましょう。そうすることで、自己分析がしっかりできていていることだけでなく、管理栄養士への高い志望度を人事にアピールすることにつながるのです。
NG例文
食に興味があるから管理栄養士で食に関連した仕事がしたい。
上記の内容では、どうして食に興味を持ったのかなど志望する想いの背景が伝わりません。
食に興味を持った経緯や、そこから管理栄養士を目指そうと思ったきっかけ・理由を絡ませて書くようにすると良いでしょう。
OK例文
小学生時代に人参が苦手でどうしても食べられなかったが、管理栄養士の資格を持つ叔母が工夫して食べやすいように甘い味付けの人参ドレッシングを作ってくれ、苦手を克服することができた。自分も食事に苦手意識のある子どもに対して苦手克服のサポートをしていきたい。
自身の経験から来る志望動機は説得力があります。子どもの頃の経験を通して、「自分はこうなりたい」という気持ちがよく伝わりますし、簡潔にまとめられているのにイメージしやすい内容なのは好印象が持てます。
②管理栄養士への理解度を曖昧なままにしない
管理栄養士は国家資格ですが、独占業務があるわけではないため栄養士との仕事内容の違いなど理解しづらい部分はあります。管理栄養士の役割を理解し、そのうえで求められるスキルや専門性をしっかりと把握していきましょう。
管理栄養士の実際の仕事の流れや詳しい業務内容、現場の実情は実際に足を運んでみないとなかなか理解できないかもしれません。
これらを曖昧にした状態で志望理由を作成すると、「業務への理解ができていないから志望度が低い」という印象を人事に与えかねません。また、もし入社できても実務と入社前との認識のズレが生じて自分らしく働けない可能性があります。
管理栄養士に向いている人や業界全体の特徴、今後のキャリアビジョンやキャリアパスを志望理由作成の時点で明確にしておき、自分が理想とする働き方ができるようにしましょう。
キャリアビジョンやキャリアパスを明確にするには、応募先企業のHPを見てみたり、実際の社員に入社からのキャリアビジョン・キャリアパスを聞いてみることでイメージしやすくなりますよ。
- 管理栄養士を目指してはいるものの、具体的にどんな管理栄養士になりたいかの理想像が思い浮かびません……。
理想的な管理栄養士を考えるには活躍している人を知ろう
たしかに、管理栄養士としてどのように活躍できるのかは、まだ働いたことがないとイメージできないですよね。とはいえ面接では理想像が聞かれる可能性もあるため、考えておかないと面接で答えられず、不採用にもなりかねません。
このように悩んでいる学生は、実際に活躍している管理栄養士をリサーチするのがおすすめです。実際に活躍している人がどんな想いで仕事をしているのかを知ることで、理想の管理栄養士が見つかるきっかけになりますよ。
まずはインターネットやSNSで検索して、すでに活躍している管理栄養士について調べましょう。
③別の企業で通じる理由は避ける
管理栄養士の就職先は分野に分かれているだけでなく、同じ分野に属する企業でもそれぞれ違いがあります。
違いを意識せずに志望理由を作成すると応募先ならではの特徴や強みが含まれず、企業を志望する根拠や具体性を感じられない文章になり人事の印象に残らない志望理由になってしまう可能性があります。
志望企業だけの志望理由を作成するためには、どういった部分に魅力を感じて共感し、どんな考え方・事業方針が自分にマッチすると思ったのかを同業他社と比較しながらおこなうことが大切です。
同業他社と比較する際は「サービスを提供する人」「サービスを提供する方法」「提供するサービスの違い」を基本として比較すると、それぞれの違いが見えてきます。
同じ分野の管理栄養士でも、それぞれモットーやスタンスは異なります。たとえば総合病院であれば「地域に貢献したいこと」「患者に提供したいこと」「病院としてどうありたいか」など、HPなどをよく見ておきましょう。
管理栄養士の志望理由でアピールするには? キャリアコンサルタントがコツを伝授
管理栄養士の志望理由の考え方・注意点を説明しましたが、より魅力的な志望理由にして人事に大きな印象を与えるためにはほかの学生と差別化した文章にすることが必要になります。
ここでキャリアコンサルタントの加藤さんに、ほかの学生と大きな差をつけた志望理由を作成するためのコツを解説してもらいます。プロ視点での差別化のポイントを把握して、自分の魅力を最大限にアピールできるようにしましょう。
アドバイザーコメント
加藤 賀子
プロフィールを見るまずは曖昧な部分をなくしていくことが重要
まず、押さえるべきポイントは「どうして管理栄養士になりたいのか」が、明確に書けていることです。
栄養士ではなく、どうして管理栄養士なのか。また、管理栄養士の仕事を通してどのように社会に貢献していきたいと考えているのか(キャリアビジョン)をしっかりと記載していきましょう。
具体的な特徴や強みを洗い出そう
明確にした「なぜ管理栄養士なのか」という内容に自分の強みや特徴をどのように絡ませられるかを具体的に記載できると、差別化につながります。
下記の例を参考にしてみてくださいね。
・教育系の分野
子どもの成長に応じた必要なメニューを考案するとともに、子どもの多くが苦手な食材を食べやすいようにアレンジできる創意工夫力を持っている。
・スポーツ系の分野
筋肉強化・脂肪減少・体力強化などさまざまなジャンルで必要な栄養分・食事メニューの考案・アドバイスだけでなく、食べる順番・摂取時間・回数などの部分までもアドバイスできる知識を持っている
こういった具体的な特徴や強みを絡めることを意識して作成してみましょう。
管理栄養士の志望動機に使える志望理由を分野別で紹介! OK・NG例文7選
最後に、管理栄養士の志望動機に使える志望理由を分野別に7つ紹介します。例文を参考に、志望先企業への志望理由を作成してみましょう。
管理栄養士を目指す学生が注意点を見逃したまま作成してしまいがちなNG例と、説得力のある具体性や根拠を含めたOK例をそれぞれ紹介するので、比較して足りないポイント、良いポイントを参考にしてみてくださいね。
医療系
病院の志望動理由(NG例文)
私が貴院を志望する理由は、食を通じて人々を助けたいからです。
大学入学で始めた一人暮らしがきっかけで自炊をするようになりました。実家では気が付かなかったのですが、自分で食事を作るようになって初めて栄養管理の大切さを知りました。
このことから、貴院で患者様の栄養管理をする一員として貢献していきたいと考えています。
上記の例文では、どのようなことから栄養管理の大切さに気付いたのかについて具体性が含まれていません。また、志望先の病院でなければならない理由を伝えていないため、ほかの病院でも通じてしまう志望理由になってしまっています。
病院の志望理由(OK例文)
私が貴院を志望する理由は、食を通じて人々の健康を支えたいからです。
私自身食品アレルギーを持っているのですが、昔からアレルギーを気にせずおいしい食事が取れる周りの人を羨ましく思っていました。そのため、アレルギーがある人向けにおいしい食事を提供する仕事に携わることが子どもの頃からの夢でした。
あるとき、貴院が「どんな人でも食事を楽しめるように」というポリシーを掲げていることを知り、誰でも楽しく食事ができるように私も支える一員になりたいと感じました。
貴院への入職後は医療に関する知識を身に付けながら、患者様を第一に考え一人ひとりが食事を楽しめるように支えていきたいと考えています。
共感した背景や理由が伝わりやすくまとめられた良い内容です。補足として昨今、入院施設がある病院では、利用者を「患者様」から「患者さん」と呼ぶ動きがあります。志望先の呼び方に合わせて変えると良いでしょう。
教育系
小学校の志望理由(NG例文)
私が貴校を志望する理由は、食事に興味があり、かつ子どもが好きだからです。
私は小学生の頃から給食が好きで、毎日おかわりをするほどでした。その頃から「いつか給食を作ったり、献立を考えたりする仕事をしたい」という想いがありました。
そして、子どもが好きで子どもの笑顔を近くで見守りたいという気持ちもあります。給食を作れる、かつ子どもの笑顔を近くで見守れるのは小学校だと思い志望いたしました。
入職後は、私が小学校の頃に食べたいと思っていた給食を提供できるように努めてまいります。
こちらの例文にある「子どもの笑顔を近くで見守りたい」という志望理由は、ほかの教育機関でも通用する内容です。また、どのように工夫して給食を提供したいかという具体性もないため、人事は物足りない印象を抱いてしまう可能性があります。
小学校専属の管理栄養士の志望理由(OK例文)
私が貴校の管理栄養士を志望する理由は、食事から子どもたちの健康と成長を支えたいからです。このような想いを持った背景には、私の幼少期の出来事があります。
私が幼少期の頃は好き嫌いが多かったことから、自然と食べる量が減り、年代の平均体重を大きく下回っていました。当然必要な栄養も不足しているため体調を崩しやすくなったり、ほかの人よりも成長が遅かったりしました。
中学校で栄養に関する指導を受けたことで食事の大切さを知り、食事量が増えて体重や身長も平均ほどまで伸びたのですが、「小学校の頃から知っていたらもっと楽しい学校生活が送れたのではないか」と後悔することもありました。
その中で、貴校は月に一回栄養士さんを呼んで、栄養に関する指導をしていると伺いました。その活動には非常に共感しており、ぜひ私も管理栄養士として貴校の子どもたちの健康と成長を支えたいと思い、志望いたしました。
入職後は、今以上に知識を身に付け、子どもたちでもわかりやすいように噛み砕いて説明できるようになりたいと思います。
教育系の対象は、小・中学校の児童です。管理栄養士として仕事をするうえで、その対象を志望する理由や仕事を通してどのようにかかわっていきたいと考えているかを具体的に書くことを意識して作成しましょう。
研究系
企業の研究職の志望理由(NG例文)
私が貴社を志望する理由は、一食で1日分の栄養を摂取できる完全栄養食を作りたいと思っているからです。
私は小学校から高校まで柔道に取り組んでいました。試合に出場して勝つために減量をすることが多々あります。減量は少ない食事で多くの栄養を取れるように工夫しなければいけません。
そこで、一食だけで1日分の栄養を摂取できるものがあれば、簡単に減量できるのではないかと考えるようになりました。
貴社に入社後は、管理栄養士として研究職への配属を志望しています。完全栄養食を作って、多くの人の体重コントロールを楽にしたいと考えています。
上記のNG例文では、そもそも健康的ではない方法を広めようとしていることから、健康的な食事を研究・開発する企業が求めている回答から大きくずれてしまっています。
また、柔道をしている人以外の体重を不健康な方向に導いてしまう可能性があることも内容から読み取ることができてしまいます。あくまでも人々の健康をサポートするという方向性で志望理由を考えるようにしましょう。
企業の研究職の志望理由(OK例文)
私が貴社を志望する理由は、貴社の製品を通じてアスリートの競技力向上を支えたいからです。
私は小学生から高校まで柔道に取り組んでいました。試合に出場して勝つために減量をすることが多々あり、減量は少ない食事で多くの栄養を取れるように工夫しなければいけません。このことを知ってから、栄養面に関して興味を持つようになり、大学では栄養学を学ぶことにしました。
貴社はアスリート向けの食品を提供していると思います。私も減量中に食べたことがあるのですが、脂肪が付きにくく、かつ腹持ちや栄養面が優れているため重宝していました。このような製品をさらにたくさん開発し、より多くの人に届けたいと思い志望いたしました。
貴社に入社後は、管理栄養士として研究職への配属を志望しています。栄養機能食品の開発をおこない、より多くのアスリートを食事から支えられるよう努めてまいります。
この例文では、自分自身のエピソードが具体的に書かれており、志望する熱意が伝わる良い志望動機です。より説得力を持たせるためには、「思います」や「思う」などの推測表現を避けて、「です」や「ます」で断定すると良いですよ。
福祉施設系
保育園の志望理由(NG例文)
私が貴園を志望する理由は、子どもと食事の関係性について興味があるからです。
私は幼少期から給食が大好きでした。友達と食事ができるという理由もありますが、何よりも味がおいしかったからです。そして、今思えば保育園から中学校まではほとんど体調を崩すこともありませんでした。
この経験から、子どもの成長には栄養満点の食事が欠かせないと気づきました。
貴園では給食の提供をしているかは定かではありませんが、子どもたちに食事の大切さを教えていきたいと考えています。
こちらのNG例では個人的な内容が文章のほとんどを占めていて、どのように子どもたちの成長に携わりたいか、サポートをしたいのかが述べられていません。
また、給食の提供の有無を確認できていないにも関わらず見当違いな方向性で理由を述べているため、志望先の調査を怠っている印象を与えてしまいます。
保育園の志望理由(OK例文)
私が貴園を志望する理由は、食事から子どもたちの成長を支えたいからです。
私は幼少期から給食が大好きでした。友達と食事ができるという理由もありますが、何よりも味がおいしかったからです。そして、栄養バランスの整っている給食を食べていたことから保育園から中学校まではほとんど体調を崩すこともありませんでした。
また、小さい子どもであっても、食事をすることの大切さや楽しさは知っておくべきだと思います。その中で、貴園では月に一回栄養指導をしていると伺いました。その取り組みには非常に共感しており、私も一員として取り組みたいと考えています。
貴園に入職後は、子どもたちが楽しく、かつおいしく食事ができるよう給食の献立などを作り、かつわかりやすい栄養指導にも取り組みたいです。
保育園などの場合、子どもへの取り組みばかり目が行きがちですが、子どもに嫌われやすい食材の使い方やアレルギー対応など、調理員との連携や親御さんへの対応も業務範囲です。それらも意識して作成しましょう。
スポーツ系
スポーツジムの志望理由(NG例文)
私が貴社を志望する理由は、トレーニングと食事が好きで、その魅力を多くの人に知ってもらいたいからです。
私はトレーニングが好きで、大学1年生から週4日以上の頻度で続けています。そして、トレーニングを始めると同時に安くかつ効率的に栄養を摂取するために自炊を始めました。
トレーニングと料理を約3年間続けたところ、どちらも好きになり、もっと多くの人にトレーニングと料理を体験してもらいたいと思うようになりました。
貴社に入社後は、トレーニングの方法と魅力を伝えると同時に、料理の魅力も伝えたいと思います。そして、多くの人が効率的にかつおいしく栄養を摂取できるようにしたいです。
上記の例文では、料理のどんなことに魅力を感じて好きになったのか、どういった魅力をどのように伝えたいのかが曖昧な内容になってしまっています。そのため、入社後にどのように貢献してくれるのかを人事はイメージできない可能性があります。
スポーツジムの志望理由(OK例文)
私が貴社を志望する理由は、顧客にトレーニングだけでなく食事・栄養の大切さも知っていただきたいという想いがあるからです。
私もトレーニングが好きで、大学1年生から週に4回以上はジムに通っています。今では身体が大きくなり、トレーニングの効果を実感していますが、最初はまったく効果を感じられませんでした。トレーニングをしても大きな変化はなく、「こんなことしても意味ないのかな」と迷うこともありました。
しかし、そのような状況で知り合いの管理栄養士さんに相談したところ、食事に問題があることがわかりました。そこから管理栄養士さんにアドバイスをもらいながらトレーニングと食事を続けたところ、トレーニングの効果を実感できるようになりました。
このような悩みを抱えている人はたくさんいると思います。その中で、貴社はジムの提供だけでなく栄養に関する講座も開いていると伺いました。貴社に入社後は、利用者に栄養面の重要性も知っていただけるよう努めてまいります。
管理栄養士とのエピソードがあるため、他の職種には当てはまらない熱意の伝わる志望理由です。より熱意をアピールするためには、トレーニング効果について数字を使って書きましょう。数字を使うことでエピソードに説得力が増して、印象に残る志望理由になりますよ。
食品系
食品メーカーの志望理由(NG例文)
私が貴社を志望する理由は、貴社の製品である〇〇をより多くの人に広めたいと考えているからです。
私の父は会社員をしながら自分の事業にも取り組み、ハードな毎日を過ごしています。土日も早朝と深夜は仕事をしているのですが、ハードな毎日でも体調を崩すことが滅多にありません。
「そんなにハードでもなぜ体調を崩さないのか」と聞いたところ、貴社製品である〇〇を毎日食べていることがわかりました。そこで、私も疲れを感じたときに〇〇を食べたところ、これまで以上に疲労が回復していくのを実感できました。
貴社に入社後は、〇〇を管理栄養士視点で広めたいと考えています。セミナーを開催したり、広告を作ったりなどして広めたいです。
上記のNG例文では「管理栄養士視点」が具体的に示されていないため、どのように広めたいのかを示せていません。目標を達成するための方法や戦略にも触れていないため、志望先への関心が薄いのではないかという印象を与えてしまう可能性があります。
食品メーカーの志望理由(OK例文)
私が貴社を志望する理由は、仕事を頑張る人に向けて食事・栄養面からサポートしたいという想いがあるからです。
私の父は会社員をしながら自分の事業にも取り組み、ハードな毎日を過ごしています。土日も早朝と深夜は仕事をしているのですが、ハードな毎日でも体調を崩すことが滅多にありません。
「そんなにハードでもなぜ体調を崩さないのか」と聞いたところ、貴社の製品を毎日食べていることがわかりました。そこで、私も疲れを感じたときに貴社の製品を食べたところ、これまで以上に疲労が回復していくのを実感できました。
貴社に入社後は商品開発部門への配属を志望しています。父のように頑張る人をサポートできるような製品をさらに開発して、多くの人を支えられるよう努めてまいります。
「世に残る商品を開発したい」という想いで食品メーカーを志望する人が多いというのが率直な印象です。
想いの背景は各人さまざまですが、「アレルギーが多く自身も食に苦労したので、同じ境遇の人に喜んでもらえる商品を開発したい」など、世のためになるモノを作りたいという想いを伝えられると良いでしょう。
福利厚生施設系
社員食堂の志望理由(NG例文)
私が貴社を志望する理由は、料理に興味があるからです。
私は幼少期から料理が好きで、よく家族に振る舞っていました。そのとき「おおいしかったよ」と言われることに大きな喜びを感じており、家族以外にも親戚や友人、部活のチームメイトなどにも料理を振る舞っていました。
この経験から、「もっとたくさんの人に料理を作りたい」という想いが強くなりました。そして、貴社にはたくさんの従業員が働いているため、料理ができる機会も増えると思います。
貴社に入社後は、社員食堂でたくさん料理を作り、料理のスキルを上げて、おいしい料理を提供できるように努めてまいります。
こちらのNG例文では「たくさんの従業員が働いていて料理ができる機会が増えるから」ということを主な志望理由にしていますが、志望先の社員食堂を志望する理由が伝えられていません。これだけでは「うちでなくてもできる内容だから志望度が低いだろう」という印象を与えてしまいます。
社員食堂の志望理由(OK例文)
私が貴社を志望する理由は、貴社で働く人を食事面からサポートしたいと考えているからです。
私は幼少期から料理が好きで、よく家族に振る舞っていました。そのとき「おいしかったよ」と言われることに大きな喜びを感じており、家族以外にも親戚や友人、部活のチームメイトなどにも料理を振る舞っていました。
このような経験から、「もっとたくさんの人に料理を作りたい」という想いが強くなりました。その中で、貴社は社員食堂で1,000名以上の従業員に対して料理を作っていると伺いました。
貴社に入社後は、栄養バランスを保持しながらも、社員の方々に喜んでいただけるように工夫を加えながら食事を提供したいと考えています。
福利厚生施設系の志望動機で注意するべき点は、他の施設に当てはまらないようにすることです。この例文のように施設の規模に着目したり、施設のビジョン、働いている人の魅力などに着目して熱意をアピールしましょう。
自分だけの志望理由を見つけ出して管理栄養士の道を切り開こう!
管理栄養士の志望理由を作成するのは、分野ごとの違い、志望理由の作成のコツ、注意点をそれぞれしっかりと理解することがとても重要になります。
この記事では、管理栄養士の分野や志望理由作成時のコツ・注意点だけでなく、ほかの学生と差別化した文章にする方法も解説しました。
過去を振り返って志望理由を作成する過程で、自分でも気が付かなかった正直な気持ちも知ることができるはずです。OK・NG例も参考にし、自分らしさを含めた志望理由を作成して自信を持って管理栄養士への選考に挑んでくださいね。
アドバイザーコメント
古田 文子
プロフィールを見る自己分析、自己理解をしっかりと深めておくことが重要
管理栄養士に限ったことではありませんが、志望動機を作成するにあたって必須とも言えるのが、「自分を知る」ということです。
自分のことを知らなければ志望先に自分を売り込むこともできませんし、志望する理由も説得力のない曖昧なものになってしまいます。これまでの経験を棚卸しして、しっかり自己分析、自己理解をしましょう。
仕事は人生の一部であることを忘れずに
就活という課題を目前にするとその課題をクリアすることに集中しがちですが、人生は仕事だけではありません。社会人生活は就職しなければ始まらないという気持ちは理解できますが、就職はゴールではありません。就職後の人生にもビジョンがないと、就職が決まった途端に力尽きてしまいます。
管理栄養士はさまざまな場で活躍でき、人の役に立つ素晴らしい仕事です。内定をもらうためにどうすればよいかを考えることも大切ですが、キャリアプランだけでなくライフプランにも目を向けて、どうすれば納得いく楽しい人生を送れるか、これを機会に考えてみましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/上級心理カウンセラー
Fumiko Furuta〇キャリアに関する記事の執筆・監修や、転職フェアの講演、キャリア相談、企業や学校でのセミナー講師など幅広く活動。キャリア教育に関心があり、学童クラブの支援員も務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上
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