旅行会社に就職する方法! 事前に知りたい仕事内容やトレンドも解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表

    Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/コラボレーター代表

    Yukari Itaya〇未就学児から大学生、キャリア層まで多様な世代のキャリアを支援。大企業からベンチャー、起業・副業など、幅広いキャリアに対応。ユニークな生き方も提案するパーソナルコーチとして活躍

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士

    Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう

    プロフィール詳細

この記事のまとめ

  • 旅行会社は旅行業と旅行業者代理業の2つに分かれる
  • 旅行会社のおもな職種を理解して志望職種を明確にしよう
  • 旅行会社への就職をかなえる4つのステップを解説

多くの人に非日常の体験を提供している旅行会社ですが、皆さんのなかには具体的な仕事内容や職種のイメージが湧かず、就職するにはどうすべきなのか悩む人もいるのではないでしょうか。

旅行会社は職種によって業務も大きく異なるため、理解しておくことで後悔のない就職活動がかなえられます。そして、旅行会社は企業によって可能な業務範囲も異なるため、入社後に気付いて後悔しないよう違いも理解しておきましょう。

この記事では、旅行会社の就職に役立つ知識やおもな職業をキャリアコンサルタントの野村さん、板谷さん、瀧本さんと一緒に解説します。

就活本を複数出版し、就活番組の監修もおこなう瀧本さんからは、旅行会社への就職について悩んだときのビジョンの描き方について解説してもらいます。

向き不向きを見極めて、後悔のない就職活動をしましょう。

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目次

旅行会社への就職は業務形態を理解してやりたい仕事を見極めよう

一言で旅行会社といっても、どのような業態の旅行会社かによって仕事内容は異なります。入社する企業の業務形態を確認しておかないと、入社してからやりたい仕事ができないと発覚し、後悔する結果につながりかねません。

さらに、旅行会社は職種によって任せられる業務範囲が大きく異なることから、やりたい仕事を明確にするためにはおもな職種まで理解し、自分の希望や適性と照らし合わせておく必要があります。

そこでこの記事の前半では、旅行会社の業務形態やおもな職種を解説します。選考前に旅行会社の知識を身に付けて、自分が働きたい仕事を明確にしましょう。

そして後半では、旅行会社への就職をかなえるステップを解説します。記事を最後まで読めば、自分に旅行会社の適性があるかを理解したうえで企業選びを始められます。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

自分に合う職業・合わない職業を知ることは、就活において非常に重要です。しかし、見つけるのが難しいという人も多いでしょう。

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順序立てての行動が大切! 旅行会社への就職する方法

旅行会社への就職をかなえるステップ

  • 自己分析でなぜ自分が旅行会社に勤めたいのかを明確にする
  • 企業研究で旅行会社の特徴を理解して自分に合った企業を見つける
  • 今までの経験で旅行会社に役立つエピソードを見つける
  • 旅行会社に合わせた志望動機・自己PRで選考を突破する

旅行会社への就職を考えるときは、自分に合った企業を見つけるために、仕事にしたい理由を明確にしましょう。順序立てて行動することで、企業への志望動機が明確になり、採用担当者に納得してもらえる確率が高まります。

ここからは、旅行会社の就職をかなえるステップを4つに分けて解説します。希望する企業への就職をかなえるために、旅行会社で何をしたいのかを明確にしていきましょう。

①自己分析でなぜ自分が旅行会社に勤めたいのかを明確にする

旅行会社への就職を考えたときは、自己分析をおこない、なぜ自分が旅行会社に勤めたいのかを明確にしましょう。旅行会社に興味を持ったのは「旅行が好き」「語学力を活かしたい」など、何か理由があるはずです

選んだ理由が福利厚生をはじめとした待遇面であっても、自己分析をすれば就活で自分が大切にしたい就活の軸が明確になります。さらに、自己分析で見つけた内容は、この後のステップで志望動機や自己PRを作るためにも役立つのです。

旅行会社を志す理由を見つける自己分析は、以下の手順でおこないましょう。

旅行会社を志す理由を見つける自己分析

  • 旅行会社に興味を持った理由を書き出す
  • なぜ興味を持ったのかを深掘りする
  • その理由からなぜ仕事にしたいのかを考える

自己分析は、誤った方法でおこなうと結果がでない可能性があります。下記の記事では自己分析のやり方を詳しく解説しているので、併せてチェックしておきましょう。

瀧本博史

プロフィール

まず「なぜ旅行業界なのか」と「なぜこの会社なのか」を深掘りするために自分が過去に感動した旅行経験や、人との出会いがどのように価値観や人生に影響を与えたかを振り返り、それが旅行業界で働く動機につながるかを考えましょう。

また、業界の特徴や企業ごとの強みを研究し、自分の強みや価値観とどう一致するのかを分析すると説得力が出ます。

②企業研究で旅行会社の特徴を理解して自分に合った企業を見つける

一言で旅行会社といっても、事業内容で海外・国内を取り扱うのか、店舗を構えているかなどの特徴は企業によって異なります。自分がやりたい仕事が明確な場合は、企業の特徴を理解したうえで就職活動をしなければ、希望職種への就職ができず後悔する可能性があります

企業研究をする際は、下記の項目で比較しましょう。

旅行会社の企業研究のやり方

  • 基本情報
  • 経営理念
  • 業績
  • 事業内容の特徴
  • 企業の強み
  • 企業の弱点や課題
  • 同業他社との違い
  • 求める人物像
  • 社風
  • 将来性
  • 給与・年収
  • 福利厚生
  • 勤務地・転勤の有無
  • 就業時間・休日
  • 選考フロー
  • 所感や疑問点

特に旅行業界は企業によって休日や福利厚生が異なる場合も多いため、自分が何を優先したいのか順番を決めて比較すると、自分にあった企業を見つけやすくなります。

自身が何を優先するかという就活の軸が見つからない場合は、探し方を変える必要があるかもしれません。こちらの記事では就活の軸を見つける方法を解説しているため、ぜひ参考にしてください。

企業研究は一つのノートにまとめておこなうことで、企業ごとの比較がしやすくなります。こちらの記事では企業研究ノートの作り方を解説しているため、ぜひ参考にしてください。

③今までの経験で旅行会社に役立つエピソードを見つける

旅行会社への就職を目指すときは、今までの経験から臨機応変に対応した場面や顧客対応をおこなったケースを思い出し、役立つエピソードがないか考えましょう。

旅行会社に役立つエピソードを見つけることで、入社してから自身が活躍する姿を採用担当者に想像してもらいやすくなり、戦力になるかの判断材料を提供することができます。その結果で一緒に働きたい思ってもらえれば、選考突破できる確率が上がるのです。

なお、旅行会社に就職を目指すからといって、話すエピソードは旅行関係である必要はありません。アルバイトやサークル活動のことでも問題なく、旅行会社に役立つエピソードが見つかるはずです。

旅行会社に役立つエピソードが見つかりません。どのように探せば見つかりやすいでしょうか。

板谷 侑香里

プロフィール

イベント運営やチームで協力したエピソードは旅行会社でアピールできる

アルバイトでの接客経験や文化祭などでのイベント運営に関するエピソードやチームで協力して何かを成し遂げた経験など旅行会社の仕事に繋がるエピソードを探してみましょう。

旅行会社のウェブサイトで社員の方のインタビューを読んだり、企業説明会やインターンなどを通して今までの自分自身の経験の中で役立つエピソードがないか探すことも役立ちますよ。

④旅行会社に合わせた志望動機・自己PRで選考を突破する

選考で伝える志望動機や自己PRは、旅行会社のなかでも自分の志望企業に合わせることで、採用担当者に熱意が伝わりやすくなります。たとえば、志望企業が販売している商品に特化した内容や、「実際にツアーを利用したことから志望度が高まった」などのエピソードがおすすめです。

なお、何を伝えれば良いのか悩んだときは、なぜ自分が旅行会社のなかでもその企業に興味を持ったのかを明確にしましょう。思い出せないときは、企業のパンフレットや企業研究の内容を見返すことで見つかる可能性が高まります。

採用担当者が「志望度が高い」「入社後に活躍しそう」と感じる志望動機や自己PRを作成して、選考突破を目指しましょう。

新卒の志望動機や自己PRの内容に悩むときは、下記の記事でそれぞれの書き方を解説しているため、ぜひ参考にしてください。

志望動機
志望動機例文35選|基本とプラスアルファで差別化するコツ

自己PR
例文20選|自己PRが簡単に書けるテンプレートで就活準備を効率化

志望動機の例文

旅行会社の志望動機

私が御社を志望したのは、家族旅行の際に御社の店舗で受けたすばらしい提案に感銘を受けたからです。

私は5年前家族旅行の際、御社の〇〇店にお世話になりました。一緒に行く予定だった祖母の足が悪かったことから、なるべく歩かないで回れるツアーをピックアップしていただき、満足いく旅行ができました。

さらに、担当の方の丁寧な対応によって、相談の時間も楽しく過ごせたことが印象的でした。質問には的確に答えてもらえたうえ、現地での車椅子の貸し出しがあるかも調べていただき、顧客の満足度はスタッフの対応で大きく変わると感じました。

御社に入社した際はこの経験を活かし、私も顧客の方が満足できる旅行の提案ができる人材になりたいと考えております。

野村 芳克

プロフィール

志望動機の差別化には具体的な経験が重要です。たとえば「旅行中に現地ガイドの温かい対応に感動し、自分も誰かの思い出を支えたい」といった実体験を交え、企業の理念やサービスに共感を示すと印象が強まります。

旅行会社の志望動機をさらに見たいという人は、こちらの記事で解説しているため併せて目を通しておきましょう。

自己PRの例文

旅行会社の自己PR

私の強みは、臨機応変な対応ができることです。

私は学生時代に、カフェでキッチンスタッフとして勤めていました。私の働いていたお店では、予約することでバースデープレートの提供をおこなっていました。

予約はなかったものの、来店したお子さんが誕生日だと伺い、店長に許可をとったうえで急遽チョコペンと余りのフルーツを使用してデザートをバースデープレートの仕様にしました。

提供した際は予想外の出来事に、お子さんだけでなく保護者の方も涙を流しながら喜んでいただけ、とても嬉しく感じました。

貴社に入社した際もこの経験を活かし、臨機応変な対応で顧客満足度を高められる人材になりたいと考えています。

後悔のない選択を!自分に合った旅行会社を見極めるコツ

自分に合った旅行会社を見極めるコツ

  • 募集職種と自分の適性を照らし合わせる
  • 旅行に関する福利厚生があるか確認する
  • インセンティブの有無を確認する

旅行会社は企業によって求める職種や福利厚生の内容が異なることから、自分に合わない企業に入社すれば後悔する可能性があります。入社してから後悔しないよう、応募前に自分に合った企業を見つけることが大切です。

ここでは、自分にあった旅行会社を見極めるコツを解説します。すべてを兼ね備えることが難しい場合は、優先するべき事項を決めて、照らし合わせましょう。

募集職種と自分の適性を照らし合わせる

旅行会社によって業務形態は異なるため、募集要項からやりたい仕事ができる環境なのかを確認しましょう。

たとえば、カウンターセールスを志望するにもかかわらず、店舗を構えていない旅行会社に入社すれば、やりたい仕事はできません。ほかにも、海外旅行に帯同したいにもかかわらず、国内の旅行しか取り扱っていなければ、希望の働き方はできない可能性が高いのです。

このように、旅行会社は職種や業務の内容が大きく異なるからこそ、後悔のない選択をするためには募集職種をしっかり確認しておく必要があります

気になる企業に希望する職種がないのであれば、ほかの企業を選択肢にいれることも考える必要があります。

板谷 侑香里

プロフィール

自分自身が何を一番大切にしたいかを考えてみましょう。旅行業界のなかで、やりたい職種が明確な場合には、職種を優先し、専門スキルを身に付けましょう。反対に、働きたい企業があるのであれば希望企業を優先し配属された部署で力を付けましょう。

旅行に関する福利厚生があるか確認する

旅行会社に勤めることを考えている人のなかには、旅行が好きな人もいるのではないでしょうか。その場合は、希望する企業に旅行関係の福利厚生があるかを確認しましょう。

たとえば、旅行にかかる航空券や新幹線、宿泊先ホテルの価格が安価になったり、自社のツアーをお得な価格で利用できたりすれば、プライベートの旅行も気軽に楽しめます。特に、旅行会社は閑散期になると長期休暇が取りやすくなることも多く、海外旅行の時間が確保できます。

このように旅行関係の福利厚生がある企業ならば、長期休暇を効果的に利用でき、仕事・プライベートどちらの時間も充実させやすくなるのです。

インセンティブの有無を確認する

企業によっては、個人の契約数に合わせてインセンティブを設定しているケースがあります。カウンターセールスやアウトセールスを志している場合は、契約数によってインセンティブが得られる企業に入社すれば、さらに高い給与を得られてやりがいにつながる可能性が高まるのです

なお、インセンティブの導入制度は、企業によって異なります。たとえば、毎月の契約数に合わせて給与に手当を支給するケースや、半年の成果をボーナスで還元される可能性が考えられます。

インセンティブ制度が導入されている場合、自分の努力がそのまま給与として反映されるため、目的を持って働けるようになるのです。また、インセンティブ制度があれば新入社員でも成果によって高い給与を得られる可能性が高まります。

インセンティブについて事前に知識を身に付けたい人は、下記の記事で詳しく解説しているためぜひ参考にしてください。

2種類ある! 旅行会社の業務形態

旅行業界のビジネスモデル

旅行会社の業務形態は旅行業と旅行業者代理業の2つに分かれます。この2つは業務内容が大きく異なり、やりたい仕事が明確な場合は、それぞれの違いを理解したうえで就活しなければ希望する仕事ができない可能性があるのです。

ここからは、旅行会社の2種類の業務形態について詳しく解説します。それぞれにどのような違いがあるのかを理解して、自分が働きたい企業を明確にしましょう。

①旅行業

旅行業

旅行の行き先や日数、時期、顧客となるターゲットなどを決定し、旅行プランとして販売する事業のこと

この旅行業は、さらに4つの種類に分かれていて、それぞれが企画できる旅行の範囲が異なります。

第一種国内・海外の募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行、他社募集型企画旅行代売などすべての旅行契約を取扱える旅行業
第二種国内の募集型企画旅行の企画・実施、海外・国内の受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行の手配および他社の募集型企画旅行の代売が可能
第三種国内・海外の受注型企画旅行の企画・実施、国内・海外旅行の手配および他社の募集型企画旅行の代売が可能
地域限定実施する区域を限定して、国内の受注型企画旅行・手配旅行・募集型企画旅行の企画・実施が可能
旅行業の種類

たとえば、海外旅行の募集型企画旅行を担当したいと考えている場合は、第一種旅行業として登録している企業に入社する必要があるのです。

自分が国内・国外どちらの旅行に携わりたいのかを基準に考えると、旅行業として登録している企業を比較しやすくなります

なお、旅行業の仕事内容について詳しく知りたい人は下記の記事でも解説しているため、ぜひ参考にしてください。

②旅行業者代理業

旅行業者代理業

自社で旅行プランの企画立案はおこなわず、旅行業を取り扱う企業が作成した旅行商品を代理で販売する事業のこと

旅行業者代理業は自社の旅行商品を持たないため、旅行業をおこなう企業の旅行商品を販売した際の仲介手数料がおもな収入源となります。なお、販売する旅行のプランは特定企業のもののみとなり、ほかの会社の商品は取り扱えません

ホテルや公共交通機関の手配、問い合わせサポートなど、任せられる業務内容は契約によって異なるものの、顧客の旅行に同行して直接的なサポートする場面は少なめです。

しかし、旅行業者代理業はさまざまな旅行プランを取り扱うことができる点は魅力の一つで、旅行を希望する顧客のニーズに合ったプランを提案したいという人におすすめの業務形態といえます。

瀧本博史

プロフィール

旅行業者代理業に勤める魅力は、観光業界の最前線で多様な人々とかかわり、国内外の旅行トレンドをいち早くキャッチできる点です。旅行を通じて人々の思い出作りをサポートできるやりがいがあり、企画やマーケティングのスキルも磨けます。

さらに、訪日・海外旅行者の増加に伴い、需要が拡大している成長分野でもあります。

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併せて理解しておこう! 旅行会社のトレンド

旅行会社への就職を目指す場合は、業界のトレンドを理解することで顧客の動向や業界の課題を理解しやすくなります。業界への理解度を高めておけば、選考に進んだ際にも具体的な志望動機や自己PRを企業に伝えられ、志望度の高さが伝わるのです。

この章では、旅行業界のトレンドを解説します。旅行業界に求められている需要を理解して、実際に働き始めてからの自分の姿をイメージできるようになりましょう。

申し込みや支払い方法のIT化

近年では、IT化の普及にともない、旅行の申し込みや支払いがインターネット上で済ませられるようになりました。その結果カウンターに足を運ぶ顧客も減っていて、インターネット上の情報だけで、顧客の意欲をかきたてる旅行プランを提案することが求められているのです

たとえば、旅行プランの詳細ページでは、旅行先の魅力的な写真を掲載し、顧客に「行ってみたい」と思わせる工夫が必要になります。ほかにも、スマートフォンで閲覧するユーザーが多いことから、小さい画面でも見やすいレイアウトにすることも重要です。

またほかにも、インターネットで申し込みができたとしても、実店舗や振り込みでの支払いしかできないと顧客の手間が増えてしまいます。支払いもクレジットカードなどのキャッシュレス決済が利用できるようにするなど、スマホ一つで予約・支払いまでを済ませられる仕組み作りも今後ますます重要になるといえるのです。

ワーケーション利用の増加

新型コロナウイルスの影響から、多くの企業ではテレワーク化の推進がおこなわれています。オフィス以外で仕事をする文化が広まったことで、旅行会社でもワーケーションに対応した旅行プランを用意して、顧客のニーズを満たすことが求められているのです

ワーケーション

英語のWorkとVacationを組み合わせた造語。職場や自宅とは異なる場所で休暇を過ごしたり仕事をしたりすること

たとえば、仕事のしやすい大きなデスクやラウンジを有するホテルの手配や、部屋からの展望、ポケットWi-Fiをプランに含めるなどといった工夫をすることで、ワーケーションを考えている人に対しても旅行プランをアピールすることができます。

このように、顧客を旅行者に限定せず、仕事を目的にしている人に向けたプランを増やすことで、コロナ禍前とは違う需要を取り込むことが可能になるのです。

野村 芳克

プロフィール

ワーケーション利用で成功した例として、星野リゾートがあります。高速Wi-Fiや専用ワークスペースを完備し、大自然の中で仕事とリフレッシュを両立できる環境を提供しました。

企業研修や個人利用の需要を獲得し、長期滞在やリピーターの増加が評価されています。

日本での外国人観光客の増加

国土交通省が発表する訪日外国人旅行者数・出国日本人数によると、2024年の訪日外国人旅行者の人数は3,687万人です。これは、2023年の2,507万人や、コロナ禍前である2019年の3,188万人よりも増えている状況です。

このことから、旅行会社では外国人観光客に向けたプランを企画することで、売り上げにつなげられる可能性が高まります。プランの内容は宿泊以外にも、単日のツアーを用意することで宿泊をともなわない顧客の需要を満たせます。

日本は円安の影響で外国人旅行者から見ればリーズナブルな環境であることから、今後も需要が増える可能性が高いといえるのです。

サステナブルツーリズムの増加

サステナブルツーリズム

環境や文化、経済の観点から持続可能かつ発展性のある観光を目指す取り組み

サステナブルツーリズムは日本だけでなく世界で注目されていて、旅行者の過剰な来訪や都市開発の影響によって与える周辺住民や自然環境への影響を減らす取り組みです。

具体的には、ラフティングやスキーなど持ち前の豊かな自然を活かしたアクティビティや、陶芸や蕎麦打ちをはじめとした地域の文化を体験する取り組みが挙げられます。アクティビティや体験を通して、地域の活性化や旅行者の地域への理解を深めることが可能です。

ほかにも、沖縄では滞在中に珊瑚やマングローブを保護する体験ができるホテルもあり、地域ならではの経験を用意しているケースもあります。

アドベンチャーツーリズムの実施

アドベンチャーツーリズム

自然・文化・アクティビティ・のうち2つ以上の要素からなる旅行体験。旅行者が地域独自の自然や文化を体験する旅行

アドベンチャーツーリズムの具体例は、旅行者が地域の文化を経験するために山寺での修行体験をしたり、地域の自然を観察するために洞窟探検などを指します

近年では旅行者の興味が、何かものを購入するよりも体験することに重きを置かれている傾向があり、国内だけでなく海外の旅行者にも人気があります。

旅行者がアドベンチャーツーリズムを一から探して申し込むのは手間がかかるため、旅行会社がプランの内容に加えておくことで気軽に参加しやすくなるのです。

あなたが受けないほうがいい職業を知っておこう

就活を成功させるためには、自分に合う職業・合わない職業を早めに知ることが不可欠です。しかし、それがわからずに悩む人も多いでしょう。

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代表的な企業はここ! 旅行業界の大手4社の特徴

旅行業界の大手4社の特徴

  • JTB
  • エイチ・アイ・エス
  • 近畿日本ツーリスト
  • 日本旅行

旅行会社への就職を考えるときは、旅行業界に所属する大手4社を理解しておきましょう。旅行会社は企業によって業務形態がさまざまなため、大手4社の特徴を理解することで、どのような企業があるのか理解しやすくなるからです。

ここでは、旅行業界の大手4社の特徴を解説します。旅行業界にどのような企業が含まれるのかを理解して、志望企業を定めるのに役立てましょう。

JTB

JTBは、1912年に創業した老舗の旅行会社です。JTBの強みは、日本全国に広がる販売店のネットワークと、現地旅行手配をおこなう海外店舗です。オンラインだけでなく実店舗も多く構えていることから、インターネットを活用しない顧客も利用できます

JTBの主要商品は、国内旅行はエースJTBとサン&サンの二つで、海外旅行はルックJTBです。近年では、JTBダイナミックパッケージMySTYLEという、交通機関と宿泊施設を自由に組み合わせられる商品が主力商品になりつつあります。

新卒の求人総合職やエリア総合職などの細かな職種に分かれているため、志望する場合は希望職種を明確にして、適したコースへ応募しましょう。

板谷 侑香里

プロフィール

JTBでは、天候や交通手段に関するトラブルなどに対して迅速に代替手段を提案したり、顧客の海外の旅先での入院などの想定外の事態に対応したりするなど、問題解決能力やな関係者との調整力が必要となります。

法人営業では、企業のニーズを踏まえた提案力なども要求されます。

エイチ・アイ・エス

エイチ・アイ・エスは、1980年に創業した海外の格安航空券を主要商品としている企業です。海外旅行の取扱数が多く、現代でも若者の海外旅行を中心に人気を博しています。

エイチ・アイ・エスは旅行事業だけでなくホテル事業やハウステンボスグループを有していて、特にハウステンボスグループは売り上げの多くを占めている点が特徴です

ほかにも、格安SIM事業にも参入しているため、利用すれば旅行時に割引や海外Wi-Fiレンタルの優待が受けられます。

新卒の求人では、法人営業が入社時配属確約コースが用意されていて、やりたい仕事が明確であれば応募することがおすすめです。

近畿日本ツーリスト

近畿日本ツーリストは、近畿日本ツーリスト関東近畿日本ツーリスト中国四国などの連結子企業からなる企業です。

各地域の近畿日本ツーリストがその地域内で団体旅行、地域誘客、イベント事業など旅行事業全般をおこなっているため、地域に密着した観光素材を発掘できるのが特徴です

さらに、近畿日本ツーリストと地域の関係性が深いことから、観光地側で旅行商品を作れます。たとえば、地域の自然を活用したクライミングやカヌー体験などの独自性の高い体験を地域側が考え、近畿日本ツーリストから提供が可能です。

近畿日本ツーリストの新卒採用は、団体旅行営業や店頭販売業務などに分かれています。希望職種によっては条件が定められている場合もあるため、確認してから応募しましょう。

日本旅行

日本旅行は、1905年に日本で最初の旅行会社として創業した企業です。JR西日本の連結子会社のため、JRとセットになったプランを強みとしています。

日本旅行は、従業員を大事にする風土から働きやすい環境づくりを心掛けている点が特徴です。旅行会社で多い土日祝日の休みが取りにくい点を解決できるよう、日曜や祝祭日を休日に設定しています。

選考時は勤務地から希望箇所を2箇所選べるため、都市部と地元の併願応募も可能です。ただし、各エリア社員は全国転勤が可能な全国社員よりも給与が低くなるため注意しましょう。

瀧本博史

プロフィール

日本旅行で活躍できる人は、顧客の視点に立ち、柔軟な対応力と高いコミュニケーション能力を持ち、魅力的な旅行を企画・提案できる人です。旅行への情熱を持ち、デジタルツールを活用しながら、最適なサービスを提供できる力が求められます。

あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

気になる仕事を見つけよう! 旅行会社の主な職種

旅行会社への就職を目指すときは、具体的に入社してからどのような仕事をしたいのかを明確にしておくと、志望動機や自己PRの内容が具体的になります。やりたい仕事が明確になれば旅行会社への就職意欲も高まり、就職活動自体を前向きに進められるからです。

ここからは、旅行会社の主な職種を解説します。自分が旅行会社で何をやりたいのか考え、適した職種を見つけましょう。

ツアープランナー

ツアープランナーは、顧客が参加する旅行のプランを考える職業です。旅行の行き先や日数、ターゲットなどを明確にしたうえで、顧客が参加したいと思えるツアー企画を考えることが求められます

入社後にツアープランナーになった場合は担当の地域が割り当てられるため、担当地域の具体的な情報収集が欠かせません。募集時の記載方法をはじめとした旅行計画に定められた制約を守りつつ、自分が企画したツアーが顧客に販売され、旅行を楽しんでもらえれば、大きなやりがいにつながります。

ただし、ツアープランナーを目指す場合は、自社で旅行の計画を立てられる旅行業に勤める必要があるため、旅行業者代理業をおこなう企業に入社しないよう注意しましょう。

旅行の計画を考えることが好きなため、ツアープランナーになりたいです。ツアープランナーを目指す場合、どのような人であれば旅行会社に求められますか?

板谷 侑香里

プロフィール

顧客を深く分析・理解して最適な提案をすることが求められる

ツアープランナーを目指す場合、顧客ターゲットのニーズを分析することや特別な体験としてのストーリーを構成する力と共に、宿泊先のホテルや交通機関、飲食店との交渉力が必要です。

また、販売するツアーの価格設定や利益を確保するコスト管理、早割やグループ割引、オプションツアーの販売などの販売戦略を考えるマーケティング能力も求められます。

様々な顧客が求める旅行を設計することのできる力やSNSでの発信力などがあると旅行会社で活躍できる人材になれるのではないでしょうか。

ツアーコンダクター

販売された旅行の企画が実際に決行され、予定通りに進められるように調整する役目がツアーコンダクターです。ツアーコンダクターは添乗員とも呼ばれ、顧客の旅行へ同行して無事に旅程が過ごせるようサポートをおこないます

バスツアーであれば、運転手もツアーコンダクターに含まれます。顧客が無事に現地へ到着できるようサポートすることが求められるのです。

なお、ツアーコンダクターの仕事は当日だけには止まらず、チケットの手配や終了後のレポート作成が含まれます。さらに、ツアーコンダクターを目指す場合は旅行会社に入社後、旅程管理主任者資格を取得する必要があるため、すぐに働き始められるわけではありません。

このことから、ツアーコンダクターを目指す場合は、まずは入社後に必要な資格の取得を目指しましょう。

ツアーガイド

ツアーガイドの仕事は、実際に旅行地で顧客を案内しその土地の歴史や文化を紹介する仕事です。ツアーコンダクターと似ているものの、顧客への観光案内やプランに含まれる観光スポットのチケット手配などはツアーガイドがおこなうケースも多いです

ただし、ツアーコンダクターが同行している旅行ではチケット類の手配は担当しない可能性があります。その分メインの業務が顧客対応となるほか、、ツアーコンダクターの指示に従い、旅行がスムーズに進むようサポートが求められます。

ツアーガイドは、ツアーコンダクターよりも顧客の近くで業務をおこなう場合が多いです。さらに、観光先の文化や歴史が好きな場合は、顧客に自分の口から説明できるのはやりがいにつながります。

ツアーオペレーター

顧客が旅行商品を購入した後に、ツアーを実施するためのホテルやレストランの手配をおこなう業務です。ツアーオペレーターは特に海外旅行で活躍し、現地スタッフや一般的に利用する交通機関のチケットの手配も担当します

ツアーオペレーターとして働く場合は、日本の会社に勤めつつ、旅行先である海外に駐在して業務に当たる可能性もあります。日本に滞在したまま業務をおこなう場合でも、現地のスタッフとやりとりする英語力が求められるのです。

ほかにも、宿泊先や現地スタッフからの要望を自社の担当者に伝え、お互いの納得できる落としどころを見つける交渉力も求められます。

ツアーオペレーターは、旅行会社に勤めて旅行の同行をしたい人よりは、海外に赴任して働きたいという人に向いている仕事といえます。

海外で働きたいという意思がある人は、海外就職を成功させるポイントを理解しておきましょう。こちらの記事では海外就職を成功させる方法を解説しているため、ぜひ参考にしてください。

所要時間はたったの3分!
受けない方がいい職業を診断しよう

就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。

就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
  • 自分に合う職業がわからない人
  • 入社後のミスマッチを避けたい人
  • 自分の強みを活かせる職業を知りたい人

カウンターセールス

顧客の旅行の提案を直接おこないたい人は、カウンターセールスの仕事が向いています。カウンターセールスは店舗を持つ大手旅行会社にある職種です。そのため、インターネットのみでプランを提供している企業にはない職種であるため、選考を受ける際は注意しましょう

カウンターセールスは、顧客から直接旅行先や交通手段などに関する希望を聞き、相手の要望に寄り添う能力が求められます。顧客から要望を聞き出すヒアリング能力やコミュニケーション能力も必要になるのです。

一方で、顧客が求める要望をかなえるプランの提案ができれば、喜ぶ顔が目の前で見られるやりがいのある仕事でもあります。働く場所は店頭のため、なるべく室内で働きつつ、直接顧客の役に立ちたい人におすすめです。

野村 芳克

プロフィール

旅行会社のカウンターセールスは、旅行プランの提案から予約・手配、出発までのサポートを一貫して担当します。顧客の要望を直接聞き、細かな調整をおこなうことで、満足度の高いオーダーメイドの旅行を提供できる点が特徴です。

アウトセールス

旅行会社の顧客は個人だけでなく、社内旅行を実施する企業や修学旅行をおこなう学校の場合もあります。企業や学校に対して旅行プランを提案するときは、アウトセールスと呼ばれる法人営業が対応します

旅行会社では個人の顧客は、インターネット上でやりとりする、もしくは店舗に足を運んでもらう形が基本です。一方でアウトセールスの場合は担当者が企業や学校へ直接足を運び、商談をする場合が多くなります。

アウトセールスの担当する相手は、企業や学校など規模が大きい場合が多く、契約につなげれば大きな成果になるのです。このことから、企業の役に立っている実感が欲しい人に向いています。

自社サイトの運営

IT化が進んでいる近年では、旅行プランの予約をインターネット上でできる旅行会社も増えています。そのため、旅行会社には自社のサイトに新しい旅行プランの掲載をしたり、満員になったプランを取り下げたりするスタッフも欠かせません。

自社サイトの運営で任せられる業務は企業によって異なるものの、サイトデザインや文章のライティングなどがあります。場合によっては、サイトが上位に表示される施策を求められるかもしれません。

近年の旅行業界のIT化にともない、自社サイトの運営に力を入れている企業が多いです。IT系の知識を身に付けていれば、活躍できる可能性は高まります。

パソコンがともて苦手なのですが、IT関係の知識がないと旅行会社への就職は難しいでしょうか?

瀧本博史

プロフィール

ITスキルがなくても対人スキルがあれば就職可能

旅行業界では、ITスキルが求められる場面もありますが、パソコンが苦手だからといって就職が難しいわけではありません。旅行会社には接客や企画、ツアー運営、カスタマーサポートなど、ITよりも対人スキルが重視される職種が多数あります。

たとえば、旅行プランを提案するカウンター業務や現地のガイド業務では、コミュニケーション力やサービス精神が重要視されます。また、予約管理や事務作業も基本的なPC操作ができれば問題ないことが多いです。

ITが苦手でも、少しずつ業務に必要なスキルを学ぶことで十分対応できますし、最近ではITをサポートするシステムが充実しているため、専門知識がなくても業務をこなせる環境が整っています。自信を持って挑戦してみてください。

適性を確認! 旅行会社への就職が向いている人の特徴

旅行会社への就職を考えたものの、自分に適性があるのかわからず、志望して良いのか悩む人もいるのではないでしょうか。適性がないままに就職活動を開始すれば、選考突破できないだけでなく、入社できたとしても活躍できずに後悔する可能性があります。

ここでは、旅行会社への就職が向いている人の特徴を解説します。自分の適性を見極めて、後悔のない選択をしましょう。

顧客と接することが得意な人

旅行会社で働く場合、さまざまな職種で顧客とかかわることになります。特に、旅行に同行するツアーコンダクターやツアーガイドであれば、数日単位で顧客とかかわる必要があります。

そのなかで、顧客とかかわりながら仕事をするのが苦手な人は、旅行会社に就職すると気が休まらず、疲れてしまう可能性も考えられるのです

さらに、旅行に同行しない職種であっても、カウンターセールスやアウトセールスであれば、顧客に直接商談をおこなう必要があります。顧客対応に苦手意識があるとうまく旅行商品を提案できず、成果につなげられなくなる可能性もあります。

このことから、旅行会社への就職を考えているのであれば、顧客とかかわって働くことが好きかどうかを考えましょう。

旅行の計画を立てることが好きな人

旅行会社に勤めた場合、顧客の興味を引く旅行のプランを考える能力が必要になります。旅行会社はツアープランナーが考えた企画を販売するため、魅力的な旅行の計画でなければ収益につながりません

魅力的な旅行の計画を立てるといっても、好き勝手に内容を決められるのではなく、ターゲットに合わせた行き先を考え、顧客が支払える金額に設定する必要があります。

このことから、「自分が魅力を感じる旅行か」ではなく、「ターゲットが魅力に感じる旅行か」という点は、ツアープランナーにとって非常に重要な視点です。

今まで自分以外と旅行するときに、全員が楽しめるプランを考えた経験がある人なら、旅行会社への就職は向いている可能性が高いです。

語学力を活かして海外で働きたい人

旅行会社に勤めた場合、旅行先が国内・国外どちらでも、語学力が活きる場面は多いです。なぜなら、海外旅行であれば顧客が英語が話せないときや、現地のスタッフとやりとりをするときに語学力が欠かせないからです。旅行先が国内であっても、参加者のなかに外国人がいれば、通訳が必要になる可能性もあります。

さらに、旅行会社の職種によっては、海外に駐在して旅行のチケットやホテルを手配するケースが考えられます。現地に駐在する場合は、英語が話せないと生活が難しいため、英語が話せる人を派遣する場合が多いです。

このように、持っている語学力を活かして海外で働きたい場合は、旅行会社への就職が向いています。

トラブルが起きても臨機応変に対応できる人

多くの人が同時に移動するツアーでは、誰か一人が予想外の行動をすることで、トラブルに発展する可能性があります。

たとえば、海外旅行であればパスポートを忘れる顧客がいれば、飛行機の便を変更できるか、合流できる方法はあるかなど臨機応変に考えなければなりません。ほかにも、天候によって飛行機が飛ばない状況になれば、宿泊先の確保が必要になります。

このように、ツアーは天候や現地の状況によってプランの変更を余儀なくされる場合もあり、臨機応変な対応が求められるのです

急なトラブルが起きても解決方法を落ち着いて考えられる人であれば、旅行会社に入社後も活躍できる可能性が高まります。

板谷 侑香里

プロフィール

旅行会社では、大雪などの天候によるトラブルや飛行機の遅延やバスの渋滞などの交通関連のトラブル、観光地の臨時休業などのトラブルや顧客からのクレーム対応、顧客の旅先での体調不良やスリなどの被害など様々なトラブルに見舞われる可能性があります。

旅行を楽しめる人

旅行会社の職種のなかには、ツアーコンダクターやツアーガイドのように、顧客のツアーに同行して問題なく旅行が進むようサポートをおこなう業務があります。仕事とはいえ自分自身も現地へ足を運ぶため、旅行を楽しめる人のほうが旅行会社は向いています。

たとえば、顧客のサポートが目的だとしても、家族や友人にお土産を買う時間を確保することが可能です。ほかにも、ツアーガイドであれば顧客が観光地を回る際に同行するため、一緒に観光を満喫できる可能性があります。

このように、業務とはいえさまざまな地域へ足を運べるのは、旅行会社の大きなメリットです。さまざまな地域へ足を運ぶのが好きな人であれば、旅行会社への就職は向いているでしょう。

不安をなくそう! 旅行会社への就職はやめとけと言われる6つの理由

旅行会社の情報収集をしていると、「やめとけ」という検索ワードに不安を感じる人もいるはずです。旅行会社がやめとけと言われるのは、業界ならではの土日祝日の出勤や、顧客対応でのストレスなどが挙げられます。

ここからは、旅行会社がやめとけと言われる理由を詳しく解説します。やめとけと言われる理由を入社前に理解しておき、不安を少なくしてから、就職を目指すかどうか判断しましょう。

①旅行先への帯同で長時間労働になりやすい

旅行会社の仕事のなかには、顧客と一緒に旅行先へ足を運ぶ職種もあります。通常業務では勤務時間が決まっている企業でも、旅行先へ帯同している場合には、現地の状況次第で長時間労働になる可能性もあります

旅行先の帯同中に長時間労働になりやすい理由は、、就業時間が過ぎていても、ホテルに到着していなければ顧客対応は続くからです。さらに、ホテルに到着していたとしても、何かトラブルがあれば声をかけられる可能性があります。

このように、旅行への帯同中は常に顧客に話しかけられる可能性があることから、リラックスできない人もいるのです。プライベートの時間をしっかり持ちたい人の場合は、旅行に帯同すること自体がつらく感じてしまう可能性があります

②顧客の都合に合わせて土日祝日に出勤する必要がある

通常業務は土日祝日が休みでも、顧客の契約したプランによっては休日出勤が必要になる可能性があります。休日出勤の代わりに休暇がもらえても、なるべくカレンダー通りに休みたい人にとって、旅行会社で働くことがストレスとなってしまう可能性があるのです

また、企業によっては、入社段階で土日祝日が出勤日とされている可能性があります。そうなれば、土日祝日が休みの友人や家族と都合が合わなくなり、プライベートの充実が難しくなるかもしれません。

同じように、ゴールデンウィークやシルバーウィークなどの旅行シーズンも、周囲の人が休みにもかかわらず、自分は働いているという状況になる傾向があります。

なるべく土日祝日は休みたいのですが、旅行会社でどのような職種を選べばかないやすいでしょうか?

瀧本博史

プロフィール

土日祝日に休むならバックオフィス業務への就職がおすすめ

旅行会社で土日祝日を休みやすい職種を選ぶなら、法人営業や企画、経理、人事などのバックオフィス業務が向いています。法人営業は企業向けの出張や研修旅行の手配を担当し、平日勤務が基本です。

バックオフィス業務も土日祝日が休みのケースが多く、ワークライフバランスを取りやすいでしょう。

一方、店舗での接客業務やツアー企画・添乗員は土日や祝日に業務が集中するため、休みの取得が難しいことがあります。
就活時は企業の求人情報や社員の口コミを確認し、具体的な勤務体系を把握することが大切です。

③旅行契約のノルマが決められているケースがある

カウンターセールスやアウトセールスを任せられた場合、企業によってはノルマが課せられる可能性があります。個人で販売につなげる必要があるのか、チームで目標を達成する必要があるのかが異なるものの、常に数字を意識して働くことにプレッシャーを感じる人もいるでしょう。

また、企業によっては、契約数によってインセンティブが定められていて、ノルマを達成しなければボーナスが上がりにくくなる可能性もあるのです

特に行楽シーズンは旅行する人の多さから、ノルマがある企業では厳しい目標が掲げられる場合もあります。高いノルマを見て奮起できる人でなければ、達成できるかわからず不安を感じ、仕事自体に楽しさを感じられない可能性があります。

④現地やカウンターでの顧客対応でストレスを感じやすい

旅行会社は契約すれば終わりとはならず、現地でも顧客対応が欠かせません。

そのなかで、顧客によっては無理な要望をすることも考えられます。たとえば、海外旅行でパスポートを忘れたにもかかわらず、便変更によるキャンセル料や追加料金に納得しない、遅刻してきたにもかかわらず、予定通りの旅行をしろという人などです。

特に現地で無理難題を言われれば自分で解決するしかなく、大きなストレスを感じる場合もあります

さらに、天候や現地の状況で起きたトラブルなど、自分に非がない場面で叱責を受ける可能性もあり、顧客対応にストレスを感じやすい場面は多いです。

⑤天候によって旅行計画が崩れる可能性がある

旅行会社は新幹線や飛行機などの公共交通機関を利用して移動することも多く、天気によって旅行計画が崩れることも少なくありません。旅行計画が崩れた場合は、返金対応やクレームによって窓口やカスタマーセンターが混み合う可能性が考えられます

さらに、復路が天候で欠航した場合は新しい飛行機や新幹線の手配が必要になります。宿泊がともなう場合は、ホテルの確保も欠かせません。大人数のツアーでは対応する人数も多く、その分負担は増えます。

このように、旅行会社の業務は天候によって増える可能性が高いです。天候は自分で管理できないからこそ、事前に避けようがないため、やめとけという意見もあるのです。

⑥景気や旅行シーズンによって仕事量が変わりやすい

旅行会社はゴールデンウィークや夏休みなど、行楽シーズンに仕事が増えやすい傾向があります。2月や4月のような閑散期と比べて仕事量の差が大きく、負担が大きいことからやめとけという意見があるのです

ほかにも、旅行地としている海外でデモやテロが起きれば旅行のキャンセルが発生するため、売り上げが下がる可能性があります。特に大規模な事件が起きれば、契約していた旅行がキャンセルされる可能性も少なくありません。

一方で、近年は円安により日本人観光客が海外に行きにくい状況が続いていますが、円安が回復すれば旅行者が増え仕事量が一気に変わる可能性もあるのです。

デメリットばかりではない! 旅行会社へ勤める6つのメリット

旅行会社への就職は顧客対応のストレスや天候に左右されやすいなどのデメリットがあるものの、一方でお得な金額で旅行を楽しめ、海外で働ける可能性といったメリットもあります。

旅行会社に就職するメリットを理解しておけば、働き始めてから不満を感じる可能性も低くなるのです。

この章では、旅行会社に就職するメリットを解説します。メリットとデメリットを見比べて、どちらが自分にとって大切かを判断しましょう。

①さまざまな地域へ旅行できるため旅行の知識が身に付く

旅行会社に勤めていれば、さまざまな地域へ旅行する機会が増え、旅行に必要な持ち物やトラブル時の対応方法などの知識が身に付きます。この経験は、プライベートの旅行でも役立ち、渡航先でトラブルが起きた場合にも焦らず対応できる確率が高まります

たとえば、旅行の帯同でホテルが手配できていないトラブルがあっても、すぐに新しい宿泊先を見つける方法を理解していれば、プライベートで同じことがあっても安心です。

ほかにも、仕事で訪れた旅行先へプライベートで行けば、仕事の経験から旅行先での所要時間や移動経路を考えやすく、旅行のプランを立てやすくなります。さらに、好きなお店や満足度の高いホテルを覚えておくことで、自身の旅行の満足度にもつながります。

②旅行シーズン以外は長期休みが取りやすい可能性がある

旅行会社では、多くの人が旅行するゴールデンウィークや夏休みシーズンは繁忙期になります。一方で、旅行する人の少ない2月や4月などの閑散期は、1週間以上の長期休みが取りやすい傾向にあります

閑散期に長期休みをとれば、仕事に余裕がある時期に観光を楽しめ、時間を有意義に使いやすくなります。

企業によっては、福利厚生で安価に旅行できるため、長期旅行でもかかる費用は少なくなるのです。。一般的には費用の高い海外旅行でも、顧客より少なめの価格で好きな場所への旅行ができます。

旅行会社以外では、職種によっては1週間を超える休みが取りにくい場合もあります。だからこそ、シーズン次第ではまとまった休みがとれる旅行会社は、オンオフがつけやすい点がメリットになるのです。

③現地で顧客からの感謝を直接受け取りやすい

旅行に帯同する職種であれば、現地で直接顧客から感謝され、やりがいを感じられる可能性があります。ツアーコンダクターやツアーガイドなどの仕事は、帯同中は常に顧客が近くにいて、気が休まらないと思う人もいるはずです。

しかし、旅行終わりに「楽しかった」「ありがとう」などの感謝を伝えられれば、やりがいを感じる人も多いのではないでしょうか。

旅行会社のなかでも、カウンターセールスやアウトセールスのような契約を任せられる仕事は、顧客から現地で感謝をもらう機会がほとんどありません。実際に目の前で旅行を楽しむ顧客を見られるのは、帯同するスタッフならではの魅力といえます

やりがいのある仕事に就きたいと考えている人は、旅行会社以外も選択肢に挙げることで、後悔のない就活ができます。下記の記事ではやりがいのある仕事を解説しているため、ぜひ参考にしてください。

④海外で活躍できる可能性がある

旅行会社の仕事は、海外に派遣されて現地で活躍するケースもあれば、語学力を活かして海外旅行に帯同するケースもあります。このように、旅行会社に就職することで「海外に住んで仕事がしたい」「語学力を活かしたい」などの人によって異なる要望をかなえられる可能性があるのです

顧客の旅行に帯同していない場合でも、旅行先の視察や商品企画のために海外へ行く場面は少なくありません。複数の言語を扱えれば、英語圏以外の国でも活躍できる確率が高まります。

さらに、近年では訪日外国人観光客の増加から、英語が話せる人は国内旅行でも活躍できる可能性があります。語学力を活かして働きたい人は、旅行会社へ就職すれば活躍できる可能性が高いのです。

旅行会社に入社して海外で働きたいと考えている場合に、学生のうちから身に付けておくべき資格やスキルはありますか?

野村 芳克

プロフィール

語学力や柔軟性、コミュニケーション能力などを磨いておくのがおすすめ

旅行会社で海外勤務を目指すなら、まず語学力が欠かせません。TOEIC700点以上が一つの目安です。

さらに、異文化理解や柔軟な対応力も重要です。資格としては「総合旅行業務取扱管理者」が有利で、国内外問わず旅行業務全般に対応できます。

学生のうちに留学や海外インターンシップを経験することで、実践的な語学力や異文化適応力を養えます。

また、接客や営業のアルバイトを通じてコミュニケーション力や交渉力を磨くことも役立ちます。旅行業界は臨機応変な対応力が求められるため、さまざまな経験を積んでおくと海外での活躍につながります。

⑤お得な金額で旅行を楽しめる

旅行会社によっては、福利厚生で社員にお得な金額で商品を提供している可能性があります。自社のプランを使用しなくても、航空会社や宿泊施設が旅行会社向けに設定している優待金額を活用すれば、お得な金額で旅行を楽しめます

たとえば、JTBでは社員が旅行する際に社割が利用できる制度を用意しているのです。

閑散期には長期休暇を取りやすい旅行会社だからこそ、福利厚生を活かして旅行をすると、普段から旅行が好きな人であれば満足度が高まるでしょう。

就活のプロが解説! 旅行会社に就職するか悩んだときの判断基準

旅行会社への就職はメリット・デメリットどちらもあると理解できても、自分が向いているのか判断が難しい人もいるのではないでしょうか。就職活動は大きな決断だからこそ、後悔したくない人は多いはずです。

そこでこの章では、キャリアコンサルタントの瀧本さんに旅行会社に就職するか悩んだときの判断基準を解説してもらいます。どのように判断するべきなのかを明確にして、自分の就職先を定めましょう。

アドバイザーのリアル・アドバイス!業界の現状と自社のキャリアビジョンを照らし合わせよう

現在、旅行業界はインバウンド需要の拡大、デジタル技術の活用、サステナブルツーリズムの推進など、大きな変化を遂げています。

訪日外国人向けの新たな観光コンテンツ開発や、地域活性化を目的とした観光戦略の強化が進んでおり、こうした分野に興味があれば旅行会社でのキャリアは魅力的でしょう。

また、法人向けの出張手配、個人向けツアー企画、ラグジュアリー旅行のプランニングなど、企業ごとに業務内容が異なるため、自分の適性や興味に合った職種を見極めることが大切です。

業界特有の課題も理解しておくとミスマッチを防げる

繁忙期の業務負担が大きく、休日が不規則になりやすい点や、景気や国際情勢の影響を受けやすい点は考慮すべきでしょう。

加えて、デジタル化が進む中で、従来の旅行代理業務だけでなく、データ分析やマーケティング、SNSを活用したプロモーションスキルも求められる傾向にあります。

待遇やキャリアパスも企業によって異なるため、給与、昇進制度、福利厚生、研修制度などを確認し、自身の理想の働き方と合致するかを見極めることも大切です。

選考が有利に進む! 旅行会社の就職に役立つ資格

旅行会社の就職に役立つ資格

  • 英検
  • TOEIC
  • 国内旅行業務取扱管理者
  • 総合旅行業務取扱管理者

旅行会社への就職を目指すときは、役立つ資格を取得しておくことで、学生時代から入社後の活躍へ向けて準備していることがつながり、採用担当者に志望度の高さが伝わる可能性があります。特に語学関係や旅行関係の資格から、取得できそうなものがないか考えましょう。

この章では、旅行会社の就職に役立つ資格を解説します。就職活動を始めてからでも間に合う資格もあるため、気になるものがあればぜひ挑戦してみてください。

英検

英検の基礎知識

  • 主催団体:公益財団法人 日本英語検定協会
  • 資格種類:民間資格
  • 試験形式:一斉テスト
  • 試験日:年3回
  • 受験費用:級により異なる
  • 目安勉強時間:級により異なる
  • 合格率:級により異なる

英検は公益財団法人 日本英語検定協会が主催する資格で、1級から5級までに分かれている資格です。英検を取得している場合は、海外旅行時に役立つ英語力を有しているとアピールできるため、旅行会社の就活でぜひアピールしましょう

英検は2級以上が高校卒業と同程度の学力とされていて、履歴書に記載するときは2級以上がおすすめです。2級以下は高校生と同程度の学力という判断になり、記載することでかえって能力が低いのではと思われる可能性があるからです。

旅行会社では書く・読むだけではなく現地で英語を使ってやりとりを求められる可能性もあります。そのため、TOEICを取得している場合はそちらを優先するほうが評価を得られる確率が高まるでしょう。

英検を履歴書に書くときは、記載方法を理解しておくと採用担当者にわかりやすくなります。こちらの記事では英検を履歴書に書くときの方法を解説しているため、ぜひチェックしましょう。

TOEIC

TOEICの基礎知識

  • 主催団体:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
  • 資格種類:民間資格
  • 試験形式:一斉客観テスト
  • 試験日:年間18日
  • 受験費用:7,810円(税込)
  • 目安勉強時間:100点上昇させる場合で200~300時間
  • 合格率:スコア制

TOEICは、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が主催する英語力を測るテストです。TOEICを受けていれば自分の英語力を数値でアピールでき、旅行会社の就活で役立ちます。

旅行会社を目指す場合は、TOEICの点数が600点ほどあると採用担当者に魅力を感じてもらいやすくなります。TOEICの600点は、一般的には平均程度の点数と言われていて、日常会話や海外旅行ができるレベルです。

600点あれば海外へ帯同した場合でも、現地のスタッフとやりとりできる可能性が高まります。

旅行会社への就活で英語力をアピールするときは、求められるケースやレベルを理解しておきましょう。下記の記事では、就活で求められる英語力やTOEICの点数について解説しているため、併せてチェックしてください。

英語力
英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説

TOEICのスコア
TOEICのスコアは就職活動に影響大! 目安の点数を大公開

国内旅行業務取扱管理者

国内旅行業務取扱管理者の基礎知識

  • 主催団体:一般社団法人 全国旅行業協会
  • 資格種類:国家資格
  • 試験形式:CBT試験方式
  • 試験日:年1回
  • 受験費用:5,800円(非課税)&システム利用料:660円(税込)
  • 目安勉強時間:約200時間
  • 合格率:30〜40%

国内旅行業務取扱管理者とは、国内旅行商品の企画立案や販売にまつわる幅広い業務を扱うことができる資格です。

海外の業務は取り扱えないものの、国内旅行をメインに扱う企業にとって重要な資格になります。なぜなら、旅行業者は各営業所ごとに旅行業務取扱管理者を1名以上在籍させ、監督業務を担当してもらうことが義務付けられているからです

独学でも取得は可能な資格なうえ、将来的に通訳案内士の資格を取得する際に一次試験の一部が免除されるため、複数の資格取得を考えている人にもおすすめです。

総合旅行業務取扱管理者

総合旅行業務取扱管理者の基礎知識

  • 主催団体:一般社団法人 全国旅行業協会
  • 資格種類:国家資格
  • 試験形式:マークシート試験方式
  • 試験日:年1回
  • 受験費用:6,500円(税込)
  • 目安勉強時間:約300時間
  • 合格率:20〜30%

国内だけでなく海外も取り扱える旅行業務取扱管理者の資格を取得したい場合は、総合旅行業務取扱管理者を選びましょう。受験資格はないため、独学でも勉強すれば取得が可能です。

海外旅行のツアーを商品としている事業所の場合、総合旅行業務取扱管理者を一人在籍することが義務付けられています

同じ旅行会社を志す学生でも、必要な勉強時間の長さから取得していない人も多いため、取得していれば志望度の高さを理解してもらいやすくなります。

国内旅行業務取扱管理者と総合旅行業務取扱管理者の資格どちらを取るか悩んでいます。どちらが旅行会社への就職に有利といったことはありますか?

野村 芳克

プロフィール

国内外向け・国内向けのどちらを提供するかで役立つ資格が異なる

旅行会社への就職を目指すなら、「総合旅行業務取扱管理者」がおすすめです。国内・海外問わず旅行業務全般を取り扱えるため、活躍の幅が広がります。特に、海外業務を希望する場合は必須です。

一方で、「国内旅行業務取扱管理者」は国内旅行専門の企業や地域密着型の旅行会社で重宝されます。どちらも国家資格で評価は高いですが、将来のキャリアや希望する業務内容を考慮して選ぶと良いでしょう。

海外も視野に入れるなら総合、国内志向なら国内資格が有利です。

旅行会社への就職を実現して自分の好きなことを仕事にしよう

旅行会社への就職を考えたときは、自分の志望する職種を明確にして、希望する仕事内容や働き方をかなえられる企業を選ぶことが大切です。

旅行会社には自社で旅行を企画している場合もあれば、他社が企画したプランを代理で販売しているケースも存在します。自分のやりたい職業を明確にしなければ、異なる業務形態の企業に入社してしまい、後悔する可能性があるのです。

なお、旅行会社への就職はデメリットばかりではなく、プライベートの旅行が安価でできる、顧客の笑顔を近い位置で見られるといったやりがいも多い仕事です。その点を理解しておけば、自分の好きなことを仕事にしつつ、充実した働き方がかないます。

アドバイザーからあなたにエール旅行会社への就職を通じて何を実現したいか・大事にしたいかを明確にしよう

旅行会社への就職の決断として悩むのは当然です。旅行会社は長時間労働や休日出勤など厳しい面もありますが、顧客の「ありがとう」や多様な文化を体験できるやりがいがあります。

大切なのは、自分が何を大事にしたいかを明確にすることです。たとえば「旅行を通じて人を笑顔にしたい」「語学力を活かして海外で働きたい」など、自分の価値観と業界の魅力が重なるかを考えてみてください。

また、旅行業界のトレンドや企業研究を深めることで、自分に合った会社や職種を見つけやすくなります。資格取得もあなたのこの業界での志望度の高さを示すアピール材料にもなります。

企業だけでなく自分にも目を向けて本当にやりたい仕事かどうか見極めよう

 また、悩んだときは、理想だけでなく現実も含めて自分に問いかけましょう。「本当に、忙しくても旅行に関わる仕事がしたいか」「もし、困難があっても本当にこの業界に挑戦したいか」。そして、そのあなたの答えが「Yes」なら、旅行会社はきっとあなたの成長と達成感を与えてくれる場所になります。

自分自身の気持ちと向き合い、納得のいく選択をしてみてください。あなたを応援しています。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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