この記事のまとめ
- 社会人にマルチタスクが求められるシーンをチェックしよう
- マルチタスクが苦手な人は選考で不利なのかを就労支援のプロが解説
- マルチタスクのコツを4ステップでつかんで苦手を克服しよう
「マルチタスク」という言葉から、同時に複数の物事をこなす器用な人の姿を連想する人も多いのではないでしょうか。また、マルチタスクが苦手な人は、志望企業の説明会などで「自社の社員は若手のうちからたくさんの仕事を担っている」などといわれると気おくれするかもしれません。
しかし、社会人の誰しもが最初からマルチタスクで仕事を進められるわけではありません。マルチタスク的な仕事の進め方は後から習得できるものです。
この記事では、マルチタスクへの苦手意識を克服するための方法をキャリアアドバイザーの若林さん、永田さん、渡部さんとともに解説します。マルチタスクが苦手だからと志望企業・職種の選考を受けることを悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
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マルチタスクへの苦手意識は克服できる! 段階的にコツをつかんでいこう
社会人は、学生時代と比較するとマルチタスクで仕事を進めなくてはならないシーンに直面しやすいです。瞬間的にそういった働き方を求められることもあれば、担当業務そのものがマルチタスクを前提としていることもあります。マルチタスクを苦手に感じる人にとっては、そういった情報自体が不安の原因にもなるでしょう。
しかし、マルチタスクが最初から得意だった人だけが社会で活躍しているわけではありません。記事ではまず、仕事で求められるマルチタスクがどのようなものなのかを整理するとともに、マルチタスクに苦手意識を持ちやすい人の隠れた長所を明らかにします。
後半では、その長所をマルチタスクに転用する方法を4ステップで紹介します。自分の強みを活かしながら徐々にマルチタスクのコツをつかんで苦手意識を払拭し、いきいきと働く将来をつかみ取りましょう。
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そもそもマルチタスクとは? シングルタスクとの違い
マルチタスクとは、複数の物事を並行して進めること、またはそれを実現する能力のことです。コンピューターが複数の情報を並行して処理することや、その処理システムそのものを指す「multitasking」に由来します。複数のことを同時並行で進めるため、作業を効率的かつバランス良く進めることが可能です。
一方、マルチタスクの対義語にシングルタスクがあります。もとは情報を一つずつ処理するコンピューターシステムのことであり、現在では人間が作業を一つひとつ進めることもシングルタスクと呼びます。一つの業務に集中するため、クオリティが高くなりやすいといわれています。
コンピューターシステムで言えばマルチタスクはシングルタスクの上位互換ですが、人間の能力はコンピューターのように劇的に上がるわけではないため、必ずしもどちらかが優れているとは言えません。当人の得意不得意やそのとき進める作業によって向き不向きは変わるので、自分がその作業を進めるのに最も適した手法を都度選択できるのが望ましいです。
最近の風潮では、マルチタスクができる人のほうが優秀だと思われがちですが、シングルタスクに向いている人、マルチタスクに向いている人がいます。
大切なのは、自分に合った方法を知りその手法で作業に取り組むことであり、両者に優劣はありません。
なぜ社会人にはマルチタスクが求められる? 具体的なシーンから理由を確認
社会人にマルチタスクが求められるシーンの具体例
- 会議に参加しながら議事録を書く
- 通常業務中に想定外の業務を頼まれる
- 新しく始まったプロジェクトに参加する
社会人の先輩からの話や企業説明会などで、企業で働くときにはマルチタスクが求められると聞いた人もいるでしょう。しかし、実際にどのような場面でマルチタスク的な働き方をしなくてはならないのかを知らないままでは、むやみに不安が膨らんでしまいます。
仕事でなぜマルチタスク能力が必要になるのかを具体例に沿って考え、マルチタスクの必要性を把握しましょう。
シーン①会議に参加しながら議事録を書く
企業でおこなわれる会議は議事録を取るのが一般的です。議事録の担当者の決め方は企業によって異なるものの、業務理解の促進やビジネススキル向上を狙って若手に任せる場合があるため、新入社員のうちに議事録を書く機会が訪れる人もいます。
議事録を書く際は、会議でのやり取りをそのまま文字に起こすのではなく、読み返したときに会議の内容や結論がわかるように簡潔明瞭にまとめる必要があります。さらに会議に参加する当事者として発言や提案もおこなうので、議事録の担当者は非常に多忙です。
このように会議に参加しながら議事録を作成したり、電話中に書類を確認したりするのは瞬間的なマルチタスクです。こういった業務の正確性を担保する必要がある場面でマルチタスクは求められます。
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シーン②通常業務中に想定外の業務を頼まれる
たとえば欠勤した同僚の代理として関係先にメールを送ったり、顧客からの緊急性の高い新規依頼に応じたりと、社会人は突然慣れない業務をしなくてはならないことがあります。担当業務を通常どおりに進めながら突発的な業務に対応するのもマルチタスクの一つです。
もともと想定していた分以上の業務を当初のままの期限に間に合わせるには、通常以上の効率で仕事を進めなくてはいけません。また、突然頼まれた業務よりも緊急性の高い業務を抱えているのであれば、優先すべきは後者です。つまり新しい業務を頼まれたタイミングで、自分の手元にある業務の進め方を決め直さなくてはならないのです。
このような状況に応じて柔軟な対応を取らなくてはならない場面でもマルチタスクは求められます。
たしかに社員にはそれぞれの役割が決まっていますが、組織の一員として、組織の状況に合わせて自分が臨機応変に動かなければならないことも当然あります。
組織で働く以上は突発的な業務にも可能な範囲で対応するのは必然なのです。
シーン③新しく始まったプロジェクトに参加する
通常業務に慣れてくると、新しいプロジェクトにも参加することがあります。新規プロジェクトとは、新規事業の立ち上げや既存事業の改善・拡大などを目的に、期間限定の即席チームで取り組む業務のことです。プロジェクトの規模によっては通常業務を減らしたり止めたりしてプロジェクトに取り掛かることもあります。
新しいプロジェクトは業務の進め方が手探りだったり、日頃のかかわりの薄い人と協働しなくてはいけなかったりと、計画的な進行が難しくなる要素を多く含みます。つまりは、新しい仕事を覚えながらそのほかの課題にも対処するマルチタスクといえるのです。
プロジェクトでなくとも、日々の仕事ぶりを評価されて担当領域が広がった場合にも似た悩みが生じやすいでしょう。さらに言えば、担当業務が増えること自体はよくあることです。通常業務をこなしながら新しい業務もマスターしなくてはならない場面もマルチタスクが必要です。
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隠れた強みでもある! マルチタスクが苦手な人の5つの特徴
マルチタスクが苦手な人の5つの特徴
仕事をしているとさまざまな場面でマルチタスクを要求されますが、社会人の誰もがマルチタスクを得意とするわけではありません。苦手意識を克服するには、まずは何が原因でマルチタスクにつまずくのかを確認していく必要があります。
ここからはマルチタスクを苦手に感じやすい人の特徴を5つ紹介します。中には見方を変えると強みになるものもあり、その強みの活かし方次第で苦手な部分もカバーが可能です。自分に当てはまる特徴を探し、改善策を考える参考にしてみてください。
短所だと思っていた特性が見方次第で長所になることはよくあります。自分を多角的に評価できる人材は企業にとっても好印象です。こちらの記事も参考に、自分のことをポジティブにとらえなおしてみましょう。
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①一度着手したものを中断すると落ち着かない
マルチタスクというと電話をしながらメモを取るなどのながら作業を想像する人も少なくないですが、書類作成中に顧客からの問い合わせに応じたり、複数の書類を同時期に作成したりすることも該当します。言い換えれば、作業内容を短い時間で切り替える取り組み方です。
一つの作業につい没頭してしまって他事を忘れてしまったり、一度着手した作業を中断すること自体に据わりの悪さを感じてしまったりする人にとって、集中を持続させにくいマルチタスクは相性が悪く感じられるでしょう。
しかし、集中力が高いことは長所でもあります。優先度の高い業務から順番に完了させることで、短時間で作業内容を変えることなく担当業務を完了させることも可能です。自分のペースだけでなく、周囲の人や職場全体の仕事の流れを汲んだ動き方をして、高い集中力をマルチタスクにも活かしましょう。
マルチタスクはホワイトカラーの生産性が低い理由の一つで、まさにそれは集中を妨げるからです。マルチタスクで生産性を上げるには、作業を時間で管理しながら進めるといった環境整備が必要です。
やるべきことの優先順位を決め、その時間はその仕事だけ、というように時間限定で対象に集中します。この時、集中力の高さが生産性をどれだけ高められるかを決めるのです。
集中力の高さは十分にアピールできる長所ですが、伝え方次第では思うような評価を得られない場合があります。こちらの記事を参考に、どうすれば自分の集中力を適切にアピールできるかを考えてみましょう。
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②一つひとつの物事を着実に進めたい
作業を短い時間で切り替えたり中断したりする時、不安や落ち着かなさを感じる人もいます。そういった人は、作業を中途半端なところで止めたせいでミスをしてしまうのではないかと無意識的にも心配している可能性があります。
たしかに、込み入った内容の書類を作っている最中にまったく違う話題の電話がかかってきたら、電話対応中にこれから書類に書こうとしていたことを忘れてしまってもおかしくありません。
しかし、実はマルチタスクが得意な人も同様の悩みを抱えることはあり、その都度対処しているのです。たとえば電話など緊急性の高い別業務を差し込まざるを得ないときは、「今どこまで作業を進めたか」「作業を再開したらまず何をすべきか」を簡単にメモしてから作業を切り替えることで対処可能です。作業の切り替えそのものを丁寧におこない、着実性をマルチタスクに活かしましょう。
物事を一つひとつ丁寧に進めたい人は、慎重で真面目とも表現できます。それぞれ就活でも高評価を得られる強みなので、以下の記事を参考に、マルチタスクだけにとらわれずに自分の強みを活かす方法を探してください。
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あなたが受けない方がいい職業を確認しよう
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
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③タスク管理・スケジュール管理が続かない
複数の業務を抱えることになるのは、各業務の作業時間が重なっているからにほかなりません。試験期間に試験勉強とレポート作成を並行して進めるのと同じように、仕事でもプレゼン資料を作成しながら通常業務をおこなうといったことがよくあります。
マルチタスクに強い苦手意識を持つ人は、締切日から作業にかけられる時間を逆算したり、締切日に間に合わせるために今日何をすべきかを考えたりするのが苦手なのかもしれません。そういった業務や時間の管理をそれぞれタスク管理・スケジュール管理と呼びます。
一つひとつを順番に進めるだけの時間的余裕がないときにマルチタスクが求められるのは、一つを完璧に仕上げるよりも各業務を満遍なく進めるほうが大切だからです。順番に着手して順調に終わるのであれば問題ないですが、一つに没頭するあまりほかが間に合わないのであれば本末転倒です。クオリティも大切ですが、各業務にかけられる時間を把握して計画的に行動できるスピードも仕事では重視されるので、まずは制限時間内で最高のクオリティを求めることを意識しましょう。
- タスク管理が本当に苦手です。マルチタスクを諦めたらタスク管理もしなくて良いですか?
タスク管理は社会人に必須! 自分に合ったやり方を見つけよう
社会人になると、上司や先輩から作業を振り分けられたときに、その作業が自分のキャパシティーの中で可能かをすぐに判断したり、後輩に作業を振り分ける際に自分と相手の作業量の管理をしたりと、あらゆる場面でスケジュール管理が必要になります。
マルチタスクの人もシングルタスクの人も、作業を進めるためにはタスク管理は必須です。
タスク管理には多くの方法があるので、苦手だと感じるなら自分に合ったやり方が見つかるまでいろいろ試してみましょう。
アプリ、パソコン、ノートなど何を使うのか、どのような方法で管理するのかは人それぞれですが、自分が継続できる方法を探してください。
④新しいことを覚えるのに時間がかかる
業務に慣れると、担当業務は徐々に増えていきます。そして業務が増えればその分覚えなくてはならないことは増えていきます。特に業務を任されて間もない頃は、慣れないことの連続です。しかしその戸惑いの時間が長引くと、これまでの業務と新しい業務のバランスが取れずに手一杯になり、マルチタスクへの苦手意識が芽生えてしまうかもしれません。
さらに、わからないことを解消できないまま放置すると、自分が把握できていないところで起きている問題に気付けず、後々に大きなトラブルに発展する可能性もあります。マルチタスクにかかわらず、新しいことを覚えるのにあまりに時間がかかっている状況は改善を図るべきです。
わからないことを放置したり隠したりせずに周囲に質問し、トライアンドエラーを繰り返しながら自分に合った定着法を確立させましょう。
仕事をうまく覚えられずに悩む人は少なくありませんが、取り組み次第で状況は好転させられます。方法をこちらの記事で解説しているので、仕事に限らず、複雑なことや新しいことを覚えられずに悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
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仕事が覚えられない原因は人それぞれであり、その人の状況によって解決策が変わっていきます。仕事が覚えられない原因や解決策をキャリアコンサルタントと解説するので、ぜひチェックして仕事のストレスを解消してください。
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⑤想定外の出来事が起こると混乱する
仕事をしていると、突然緊急性の高い業務を依頼されることもあります。職場の人のフォローだったり、顧客からの要望だったりと業務内容はさまざまですが、突然依頼される業務は緊急性が高いものも多いです。そういったイレギュラー対応が苦手な人も、マルチタスクを求められる職場だとしばらく戸惑ってしまうかもしれません。
加えて、予定外の業務を頼まれることで、もともとのスケジュールが狂ってしまうことも考えられます。依頼された業務の緊急性が高ければなおさらです。予定が後ろ倒しになると、自分のスケジュールだけでなく、業務上のかかわりがある人のスケジュールも調整しなければならない場合もあります。
突発的な業務が発生することはどのような仕事でもありえるので、自分のペースが乱されることに大きく混乱してしまう人は、まずそういった環境に慣れるところからスタートしましょう。
レポートの期限が短かったり、しなければならない勉強が捗らなかったりといった「予定通りに進んでいない」状況に混乱しやすい人は、仕事でも同じ状況を作りやすい可能性があります。
面接でそのような側面を持っているか見られる場合もあります。
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マルチタスクが苦手だと選考に影響する? 就労支援のプロが解説
ここまで社会人にとってのマルチタスクの重要性を解説してきましたが、これほどさまざまな場面でマルチタスクが求められるのであれば、「マルチタスクが苦手な人は雇わない」と考える企業もあるのではと不安に感じる人もいるでしょう。新入社員にもマルチタスクを求める企業の場合、そういった考えを持っているかもしれません。
しかし、マルチタスクの得手不得手だけでは志望企業との相性は決まりません。また、マルチタスクは後からでもできるようになるものです。マルチタスクを重視する企業の傾向をあらかじめ把握しておくと、「将来的に苦手をこのように克服できる」といったプレゼンを事前に考えておくことができるでしょう。
そこで今回は採用にも携わった経験を持つキャリアコンサルタントの渡部さんに、マルチタスクの得手不得手が選考に影響を及ぼしそうな企業の傾向についてたずねました。
渡部さんは大学生を含む幅広い人々の就労やキャリア形成を支援しています。渡部さんの意見を参考に、志望企業での選考が本格化する前にマルチタスクへの苦手意識との向き合い方を定めましょう。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見るマルチタスクが得意な学生は少ないので選考時点では気にしなくて良い
マルチタスクが要求される企業にはいくつかの傾向があるように感じられます。サービス業のような消費者を相手にする不確定要素の多いBtoCの業界だったり、分業化が進んでいる大企業より、人手がまだ足りていないため一人ひとりが担う業務が幅広くなりやすい中小企業やベンチャー企業だったりです。
ただ、だからといってマルチタスクが苦手な人がそれらの業種で選考に不利かといえばそうでもありません。
そもそも企業側も好んでマルチタスクにしているわけではなく、できればシングルタスクにしたほうが仕事の質は上がり、効率化もできることはわかっているのですが、時流の変化や必要に迫られてそうなっているだけなのです。
また、そもそもマルチタスクが得意という人は少数派なので、選考においてはさほど重視されないと考えても問題ないでしょう。
マルチタスクは入社後に仕事をしながら身に付ければ問題ない
もし面接でマルチタスクについてたずねられた場合は、「マルチタスクは苦手だからやりたくない」といったネガティブな回答ではなく、「経験を通して適応できるように努力する」などの前向きな回答を心掛けてください。
仕事で経験するマルチタスクは仕事や会社によって千差万別で、経験してみないとわからないというのが事実なので、今から過剰に不安になる必要はありません。
就活では、自分の苦手なことを企業にたずねられることがあります。マルチタスクなどの自分の苦手を開示したら企業からの低評価につながるのではと不安に感じる人もいるかもしれませんが、それは伝え方次第です。こちらの記事を参考に、苦手なことのプレゼンで好印象を残しましょう。
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就活で使える弱み100選! 短所を悪印象なくプラスに見せる秘策
就活における弱みは面接官が重視する項目ですが、しっかり伝えられる学生は少ないものです。記事では、キャリアコンサルタントとともに、就活で伝えるべき弱みの見つけ方や例文などを解説するので、ぜひ参考にしてください。
記事を読む
マルチタスクが苦手だと「不器用であることは隠すべきなのか」と悩む人もいるかもしれませんが、伝え方次第では面接官から好印象を獲得することも可能です。以下のQ&Aを参考に、短所を長所にとらえ直す練習をしてみましょう。
自己分析で悩んだら就活準備プロンプト集がおすすめ!
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- 自己PR、ガクチカ、志望動機作成プロンプト
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苦手意識を払しょく! マルチタスクの見方を変えて強みを活かそう
苦手意識を払しょく! マルチタスクの見方を変えて強みを活かそう
- マルチタスクはシングルタスクの集まり
- 一つのタスクをやりきる力はマルチタスクの基礎
- 「マルチタスク=業務の質が下がる」とは限らない
マルチタスクがどういった場面で有効であり、マルチタスクが苦手な場合はどのようなポイントでつまずいているのかがわかったら、マルチタスクへの苦手意識をなくしていく方向へ考えをシフトさせましょう。
社会人の誰しもが最初からマルチタスクができていたわけではありません。いざというときに取れる手段を増やせるよう、自分の持つ強みを活かしつつマルチタスクができないか考えていきましょう。
①マルチタスクはシングルタスクの集まり
なぜ社会人にはマルチタスクが求められる? 具体的なシーンから理由を確認で解説したとおり、マルチタスクは必ずしも同時に複数のことを進めることを指しません。たしかに電話中のメモや会議の議事録作成などは同時におこなうものの、複数の業務を同時期に進める場合は、一方をある程度進めたら他方を進めるといったように短期間での切り替えによってマルチタスクが成立します。
つまり、短い時間で一つの業務に集中することを繰り返せばマルチタスクはかなうのです。
たとえば毎日業務Aを20%、業務Bを20%進めれば、5日間で2つの業務を完了させさせられます。これを応用すると、1~2日目に業務Aを20%、業務Bを50%ずつ、3~5日目に業務Aを20%、業務Cを35%ずつ進められれば、5日間に3種類の業務を完了することも可能になります。
このように1日にそれぞれの業務を決まった分だけ進めることでマルチタスクは実現可能なのです。
- マルチタスクは器用な人しかできないように感じます……。
マルチタスクは日常的な心掛けから徐々に身に付けていこう
私自身ものすごく不器用な人間ですが、それでもマルチタスクで日々の仕事をこなしています。私の場合は、常に十前後のタスクを抱えて同時進行していますが、社会人の多くがこのように複数のタスクを管理しながら仕事を進めているのです。
私も含めて最初は見落としや、ミスがあったりもしますが、気持ちを切り替えながら一つひとつの作業に対して集中して取り組むことで、器用でなくてもマルチタスクで仕事をこなせるようになります。
就活もタスク管理やスケジュール管理が必要なので、就活や大学生生活を通してマルチタスクができるように心掛けてみましょう。
②一つのタスクをやりきる力はマルチタスクの基礎
シングルタスクが得意な人の特徴の一つに、集中力が高く、一つの業務を完遂する意識が強いことが挙げられます。業務を終わらせる力はマルチタスクでも非常に重要で、マルチタスクは複数の業務をバランスよく進める必要があるため、すべてが中途半端な状態になってしまう恐れもあります。
そういったことにならないよう、「今日中にここまで進める」と決めたことを必ず成し遂げたり、締切日が近い業務に集中的に取り組んで期日までに完了させたりといった集中力がマルチタスクでも重要になるのです。
前提として、マルチタスクは請け負った業務をバランスよく進めてすべてを期日どおりに完了させるための取り組み方です。業務を完了させるというゴールを見すえた行動はマルチタスクの基礎でもあるため、一つひとつを着実にこなす意識を強く持つことが大切です。
③「マルチタスク=業務の質が下がる」とは限らない
先に解説したとおり、複数業務を並行して進めるなかで集中力が途切れてミスをしやすくなったり、すべての進行が中途半端になったりと、マルチタスクによって業務一つひとつのクオリティがシングルタスクに比べて低下する可能性はゼロではありません。
そういった業務の質の低下を起こすことを懸念するあまりに、マルチタスクに対する苦手意識が強くなってしまった人は、物事を丁寧かつ着実に進める慎重さを持ち併せていることが多いです。その慎重さを業務一つひとつにのみではなく、タスク管理・スケジュール管理、提出前の見直しなどにも向けることができると、不安を解消する糸口が見えてきます。
たとえば、毎日業務の進み具合をチェックしていれば締切日になって「間に合わない」と慌てることはありません。日々のスケジュール管理で提出の前に余裕を持てれば、丁寧に内容を精査できるのでミスを減らすことが可能です。
このようにマルチタスクでも業務の質を高める方法はあり、それを実行するためにはバランスよく各業務に対応することが大切です。
納期を気にしすぎないことも仕事では大切だと思います。
状況にもよりますが、あまりに質が低いものを生み出したところで価値がない場合もあるので、その際はきちんと上司に報告・相談して延長できないか聞きましょう。
明日からできる! 4ステップでマルチタスクのコツをつかもう
4ステップでマルチタスクのコツをつかもう
- それぞれのタスクの締切日を把握する
- 自分がこなしやすいようタスクを細分化する
- 各タスクの提出日を重ならないように設定する
- 「明日の予定」を余裕を持たせつつ決める
これまでの内容を踏まえ、実際にマルチタスクで仕事を進めるための方法を把握しましょう。複数の業務をバランスよく進める方法を今回は4ステップで説明します。具体的にイメージできるよう、それぞれで営業職を例にして解説を進めます。
自分の強みを活かしながらマルチタスクで仕事に取り組むコツをつかみ、困難な状況にも臨機応変に対応できるようになりましょう。
ステップ①それぞれのタスクの締切日を把握する
マルチタスクで大切なのは、自分が担当する業務とその締切日を把握することです。よってまずは、各科目の試験日やレポート提出の締切日を把握する要領で、各業務の締切日を書き出していきます。
仕事によっては明確な締切が設定されていない場合もあるので、そういったときには上司や先輩に「この業務は今週中の提出で良いですか?」などとたずね、スケジュール感をつかんでください。
提出先が顧客の場合も、書類の送付日などは先方に確認しましょう。細かなすり合わせは「この人はしっかりしているから仕事を任せられる」と信頼を獲得することにもつながるので、遠慮する必要はありません。
このようにして、自分がやるべき業務を月単位で確認していきましょう。一カ月の始まりに担当業務とそれぞれの締切日を把握できていると業務の優先順位がわかるので、その後の計画が立てやすくなります。優先順位を目に見える形で残すために、それぞれの締切日をスケジュール帳やカレンダーアプリに登録しておいてください。
- スケジュールを書き残すのをさぼってしまいます……。
自分がスケジュール管理を継続しやすい環境を整備しよう
スケジュール管理が苦手な人は使うツールを一つに集約しましょう。
手帳でもアプリでも何でも良いのですが、自分が最も使いやすいものを選び「それを見ればすべてわかる」という状況にします。そして、新たに予定ができたら必ずそこに入れる、というルールを決めます。
一つのツールと一つのルールなら守れる可能性が高くなり、なおかつそれを見ればすべてわかる、という状態はむしろ面倒さが減ることになるので、まず3週間くらいそれを続けるようにしてみてください。
一般的に3週間続けられればその後も継続できる習慣になる可能性が高くなるといわれています。
スケジュール管理が苦手な人は、いろいろなツールを使っていたり、ルールが毎回変わっていたりする人が多いように思われます。手段をそろえることがコツです。
ステップ②自分がこなしやすいようタスクを細分化する
次に、優先度順に並べた業務を内容で分割していきます。このときの分け方は、締切日さえ守れるのであれば自分の進めやすいようにして良いですが、不安がある場合は職場の先輩などに相談しましょう。
業務を内容で分割するのは、負担の偏りを減らすためです。月に100万円の売り上げを立てることが目標であれば、まず何件の契約が成立すれば目標を達成できるのかを考えます。5件であれば、何人の顧客にサービスを売り込めば良いのか、何人の顧客に商談を打診すれば良いのかをさらに考えていきます。
当初の目標 | 分割 | 業務の行動化 |
---|---|---|
月に100万円の売り上げを立てる | 5人の顧客との契約を成立させる | 20人と商談をおこなう (商談60分/件) |
20人分のプレゼン資料を作る (資料作成120分/件) | ||
20人の顧客と商談をおこなう | 200人の顧客に商談を打診する (打診10分/件) |
一つの業務をこなすためにどの程度の行動量・時間が必要なのかを考え、目標達成のためのスケジュールを立てる材料をそろえましょう。今回の例で言えば、商談打診は合計2,000分、資料作成は合計2,400分、商談は合計1,800分かかるので、目標を達成するには6,200分かかることがわかります。
ステップ③各タスクの提出日を重ならないように設定する
締切日と作業時間がわかったら、この2つの条件をもとにして月単位での行動計画を立てていきます。このときのポイントは、複数の業務の締切日が重なっている場合はその締切日のまま計画を立てるのではなく、自分独自の提出日を設定することです。締切日が重なっていると非常事態への対処が難しくなるからです。
30日までに売り上げを立てなくてはならないにもかかわらず、30日に目標数の契約を成立させる予定でいると、当日顧客から商談をキャンセルされたときにリカバリーができません。
28日までにすべての契約を成立させるつもりでいれば、29~30日の間に手を打てます。同じように、商談に使う資料を前日までに作り終えていれば、当日急に別業務を頼まれたり商談の時間が早まったりしても焦らずに済むでしょう。
営業職でなくとも、別部署のサポートを頼まれたり、社内の新しいプロジェクトにアサインされたりと、想定どおりのスケジュールで仕事を進められないことは考えられるので、最初からゆとりを持って計画を立てておきましょう。
学生時代は、提出物の期限などを先生が声掛けしてくれることもありますが、社会人になると自分に与えられた仕事は、基本的には自分でスケジュール調整する必要があります。
社会人になると不測の事態はよく起こるので、余裕を持って仕事に取り組めるように管理しましょう。
作業が遅いせいでそれぞれの提出日を思うようにずらせないときは、実は作業スピードそのものではなく、別の部分にある悩みや課題が作業スピードに悪影響を及ぼしているのかもしれません。こちらの記事を参考に、作業が遅れる原因を解消してください。
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ステップ④「明日の予定」を余裕を持たせつつ決める
月単位での行動計画はバランス調整の意味合いが大きく、これを一日一日の行動に落とし込むにはもう一度細かなスケジュールを考える必要があります。
特におすすめのタイミングは、その日の朝ではなく前日の終業前です。朝一番から会議や外出の予定が入っているとスケジュールを立てる時間を取りにくく、一日のスケジュール管理が習慣化しづらいためです。また、その日一日を振り返る時間を持つことで、対応の抜け漏れも防げます。
月の最初に毎日のスケジュールをまとめて決めてしまえば良いのにと思う人もいるかもしれませんが、突発的な業務が発生してスケジュールがずれ込むと、事前に作った計画は組み直さなくてはなりません。二度手間を防ぐためにも、かっちりと予定を決めるのはその一日の行動の見通しがつくタイミングにしましょう。
毎日バランスよく業務を進め、月単位でのマルチタスクをかなえてください。
キャリアの専門家が紹介! マルチタスクが得意な人の日々の工夫
ここまでマルチタスクが苦手なことをどうすればカバーできるかに焦点を当ててきましたが、反対にマルチタスクが得意な人の取り組みに目を向けることで自分のつまずきを解消できることもあるかもしれません。マルチタスクを得意とする人は、マルチタスクに苦手意識を持つ人とどのような違いがあるのでしょうか。
今回はキャリアコンサルタントの永田さんに、マルチタスクが得意な人が日々の生活・仕事のなかでどのような工夫をおこなっているのかをたずねました。永田さんは自動車、アパレル、福祉と幅広い業界での経験を活かし、現在は学生や社会人の就労やキャリア形成を支援しています。永田さんの意見を参考に、マルチタスクへの苦手意識を克服しましょう。
アドバイザーコメント
永田 修也
プロフィールを見るマルチタスクが得意な人は周囲への影響が大きい業務を優先している
私もどちらかと言えばマルチタスクが得意なわけではないのですが、企業にいた際に周囲で上手に仕事をこなしていた人は、仕事の「優先度」をしっかり付けていたように思います。
良い意味で「サボる」というのでしょうか。どの仕事も重要ではあるのですが、その中でもとりわけ上司や企業から強く求められているタスクとそうでないタスクが存在します。同じ仕事の中でも重要度を分けて分類していくと、どれを早く終わらせなければいけないかが浮き彫りになります。
そこからスケジュールを立てて仕事をしていけば、仮に優先度が低いものが遅れていたとしても意外と何とかなったりします。逆に、優先度・重要度が高いものが遅れたり後回しになったりすると多くの人が困ったり企業に不利益をもたらす場合もあるので、優先順位付けはかなり大事だと感じます。
いざというときに手を貸してもらえる信頼関係を構築するのも大切
後は、日頃から困った時に周囲の手助けをしておくと、自分も同じように困ったときに助けてもらえるので、そのような関係を築いておくことも重要ですね。
得意を突き詰めたい人向け! マルチタスクが少ない仕事の共通点
マルチタスクが少ない仕事の共通点
- 専門性が高い
- 一人で進める作業が多い
- 目標が明確になっている
働いているとさまざまなシーンでマルチタスクが求められるのはここまでに解説したとおりですが、マルチタスクが求められる頻度は業務内容によっても変わります。「やはりマルチタスクは極力避けたい」「シングルタスクのほうが自分には向いている」と感じる人は、マルチタスクを求められにくい仕事を選ぶという手もあります。
マルチタスクを求められにくい仕事の共通点を今回は3つ取り上げます。この共通点を持つ仕事でもマルチタスクが必要になることはありますが、自分の強みを活かす仕事選びの参考にしてください。
①専門性が高い
新しいことや苦手分野のことを覚えるのが苦手な人は、専門的な知識・技術が要求される仕事が向いているかもしれません。特定領域のプロフェッショナルになることを前提として入社すれば、専門外の仕事を突然任される可能性は下がります。
当然専門性は磨き続けなくてはなりませんが、得意領域での自己研鑽が苦にならない人にとっては大きな問題にはなりにくいでしょう。
専門性が高い仕事の例
- エンジニア職
- プログラマー
- 研究職
- 介護職・ヘルパー
- 学芸員
専門性の高い仕事の特徴の一つとして、資格取得でのキャリアアップが可能なことが挙げられます。資格が知識・技術の証明になるためです。未経験者を歓迎する企業であれば、選考を受ける時点で専門性を持っていなくとも内定獲得は可能なので、専門職に興味のある人は大学のキャリアセンターや企業説明会などで情報収集してみましょう。
専門性が高くなるほど、代わりが利かない人になりがちです。そのため、いろいろな仕事に関与を求められることもあるかもしれません。
しかしこれはタスク管理ができるようになれば専門職の側でコントロールが可能です。どうしてもそのスキルが必要なら相手のほうから予定を調節してくれるためです。
専門性が高い職種として、研究職が挙げられます。こちらの記事では研究職について詳しく解説しているので、興味のある人はぜひ目を通してください。
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②一人で進める作業が多い
想定外の業務を頼まれたり、会議などで作業を中断されたりと、自分のペースで仕事を進められない環境が合わないと感じる人は、一人で作業することが多い仕事が向いているでしょう。以下の仕事は、業務に慣れて独り立ちをしたら割り振られた仕事を自分のプランで進められる可能性が高いです。
一人作業が多い仕事の例
- ドライバー
- CGデザイナー
- カスタマーサポート
- 記者・ライター
しかし、自分の業務を自ら管理するということは、締切を守れなかったり仕事のクオリティが大きくブレたりする責任も自分で引き受けなくてはなりません。そのため、計画性が高く、安定的に仕事を進められる人におすすめの仕事です。
なお、一人作業が多い仕事はリモートワークを取り入れていることもあるので、静かな環境を求める人は働き方にも注目して企業を探してみてください。
- 一人で仕事を管理するのはマルチタスクではないのですか?
どのような仕事でもマルチタスクが求められる瞬間はある
いわゆる個人で仕事を請けている人は一人で仕事を進めていますが、急な業務や連絡があって業務が中断するシーンがあるのは会社員と同じです。
働いていると2つ以上のことを同時におこなったり複数のタスクを抱えたりすることも多いので、やはりある程度のマルチタスクに慣れておく必要があるかと思います。
どうしても苦手であまりマルチタスクをしたくない場合は、効率よくかつ余裕を持って仕事を終わらせることを心掛け、できるだけ「暇な状態」を作ってスケジュールに余白を持っておくことをおすすめします。
毎日のルーティンでタスクが決まっている場合は、一日に確実にこなす仕事の量をあらかじめ決めておくなどしてペースを自己管理し、余裕を確保しましょう。
一人で作業する時間が長い仕事をこちらの記事で50種類紹介しています。自分のペースで仕事を進めたい人は参考にしてみてください。
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③目標が明確になっている
複数の業務を並行して進めるのが苦手で、なるべくシングルタスクで仕事を進めたい人には、ゴールがはっきりしている仕事がおすすめです。すべての業務が収束するゴールがあると、一つの業務に集中することが仕事の完了に直結します。ゴールの例としては売り上げなどのノルマが挙げられます。
目標が明確な仕事の例
- 営業職
- エンジニア職
- 企画職
たとえば営業職は、「アポイントを獲得して契約を締結する」という売り上げを上げるための一連の流れが固定化されているので、「この業務が終わったから次はこの業務に取り掛かろう」といった行動計画を考えやすいです。
ノルマにネガティブな印象を持つ人もいるかもしれませんが、ノルマを目標を達成するための行動量ととらえると、次にやるべきことが明確になったり、成長意欲や競争心を持てたりして、張り合いを持って働けます。マルチタスクを避けたい人は、その仕事のゴールが何かという視点から、自分が高いモチベーションを持って働ける仕事を探してください。
営業職についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ目を通してください。
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今は苦手でも大丈夫! マルチタスクのコツは社会人経験を積みながらつかもう
社会人になるとマルチタスクを求められるシーンが学生時代よりもぐっと増えます。場合によってはマルチタスクがうまくできずに悩むかもしれませんが、大切なのはそのときに自分がどこにつまずいているかを把握し、改善策を考えられるかどうかです。
マルチタスクは社会人になってすぐにできていなくてはならないものではありません。担当業務や個人の特性によっては、むしろシングルタスクのほうが効率的に仕事を進められるシーンもあるでしょう。
それでもどのような場面でも自分の強みを活かしながらパフォーマンス高く働くには、取れる手段は多いほうが良いので、場面に応じてシングルタスクとマルチタスクを使いこなせることを目指しましょう。
今マルチタスクに苦手意識を持っていても大きな問題はありません。働きながらマルチタスクのコツをつかんで自分の武器を増やし、活躍人材としての素地を養ってください。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見る学生生活もマルチタスクの練習になっているので気負いすぎなくて良い
マルチタスクと改めて聞くと、苦手に思う人もいるかもしれませんね。しかし大学生でもマルチタスクをしている場面は多くあります。特にそう感じるのは就活においてです。
就活ではESを提出しながら適性検査を受けます。その後の面接に自作のプレゼン資料を持っていくこともあるでしょう。このような一連の流れは、各企業によってスケジュールが違うため、大学生は知らず知らずのうちに、マルチタスクでやるべきことを管理しています。
中にはスケジュール管理が上手にできず、「期日までに書類を提出できなかったから次の面接に進めない……」といったてミスを犯すこともあるかもしれませんが、それも一つの経験です。そうした小さな経験を積み重ねて、マルチタスクができる人になるのだと思います。
日々の心掛けがマルチタスクへの苦手意識克服につながる
マルチタスクがどうしても苦手で、いろいろな方法を試しても上手くいかないのなら、シングルタスクが求められる職場を選ぶのも一つの方法です。
社会人はマルチタスクが求められる場面が多いですが、技術職・研究職などの専門性が高い職業や、ドライバーなどの一人でおこなう作業が多い仕事でシングルタスクを極めても良いでしょう。
個人的には、今はマルチタスクが苦手だと感じていても、自分なりのやり方を見つけたり、経験の積み重ねである程度はできるようになると思います。あまり思い悩まず、日々の勉強や就活のタスク管理から、マルチタスクの練習をして、社会人に備えてくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー
Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
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