
・すぐに問題を解きたい人は練習問題8問をチェック
・まずは解き方から知りたい人は「解き方のコツ」をチェック
SPIの「長文読解」は言語分野で出題されます。限られた時間内で文章を読み文脈を把握する力が求められ、多くの受検者が「時間が足りない」と苦戦する難所です。
この記事では、監修にWebテスト指導の豊富な経験を持つキャリアコンサルタントの谷猪さんと小寺さんを迎えSPIの「長文読解」の解き方について解説していきます。具体的な対策方法についても解説しているので、「長文読解」に苦手意識がある人は参考にしてみてください。
記事の後半では「長文読解」の練習問題を文章8つ、そして各文章ごとに設問3つの計24問掲載しています。長文読解に苦手意識のある人はぜひ解いてみてくださいね。
よりSPIの本番をイメージして対策したい人は、SPI対策模試にも挑戦してみてください。
問題を解く前に確認! 長文読解の解答のコツ
SPI「長文読解」の概要
- 問題パターン:空欄補充、筆者の主張の選択、抜き出し、指示語の特定、文章挿入など
- 1問あたりの時間:1分~1分半程度
- 形式ごとの出題頻度:テストセンター(中)ペーパーテスト(高)Webテスティング(中)
- 長文読解の解答のコツを教えてください
本文を読む前に設問を確認するのが長文読解の攻略法
長文読解はSPIや玉手箱で差がつきやすく、対策の重要度は高めと言えるでしょう。理由は、語彙力よりも「読み取る力」と「時間配分」で結果が決まるためです。
解く際は、全文を丁寧に読むより設問を先に確認し、何を問われているかを把握してから本文に入ることを意識してください。キーワードや接続詞に印をつけるのも有効です。
1問あたりの目安時間は1〜1.5分。悩みすぎたら一度切り上げ、取れる問題を確実に拾う判断力が合否を左右します。
覚えておきたい! 長文読解の攻略法
長文読解はついつい時間を使いすぎてしまう単元です。以下の攻略法を頭に入れて、効率的に設問を解けるようにしていきましょう。
| 設問タイプ | 目の付け所(視点) | 秒速解答の鉄則 |
|---|---|---|
空欄補充 (接続詞) | 空欄の前後だけ見る | 前後が「原因→結果」の関係なら順接(だから、したがって、ゆえに、すると、それゆえ、そうすると、ですから) 前後の文が対立関係なら逆接(しかし、だが、けれども、ところが、だけど、しかしながら、それなのに、それでも) |
| 空欄補充 (語句) | 選択肢から前後の文の「言い換え」を探す | 評論文では、「同じ内容を違う言葉で繰り返す」ことが多い。 空欄に入る言葉の「意味」と同じ意味の言葉が、すぐ近くの文に書いてあることがほとんど。 困ったら前後の文に記載されている言葉を確認。その言葉の言い換えになっている選択肢がないかを探してみるのがおすすめ。 |
筆者の主張 (合致選択) | 「しかし」の後と文末 | 筆者の主張は逆説の接続詞(しかし、だが、けれども、ところが、だけど、しかしながら、それなのに、それでも)の後に来ることが多いので確認。 「~ではないか」「~すべきだ」「重要だ」「~にほかならない」という強い文末表現が使われている文も筆者の主張を含んでいることが多い。 「〜と言われる」といった常識的に正しい一般論を言っている選択肢は罠の可能性が高いので注意。 |
指示語特定 (これ・それ) | 直前の1文 | 答えはほとんどの場合、指示語の直前の文にある。 指示語の直前にある文のなかで読んで、候補となる言葉を「これ・それ」の部分に代入する。違和感がなければそれが答えとなる。 |
| 抜き出し (〇〇字で) | 「語尾」と「キーワード」を探す | 全文読み返す必要はない。 語尾が指定されている場合は、その語尾で終わる単語だけを本文から探して文字数を数える。 語尾の指定がない場合は、設問文に含まれるキーワードを本文から探して、その前後の文を確認する。 |
| 文の挿入 (A〜Dのどこに入る?) | 挿入文の「頭」 | 挿入文の文頭に注目する。 接続詞で始まる場合は接続詞の機能に注目。「しかし」などの逆説の接続詞で始まるなら、前文が挿入文と逆の内容になっている場所に入る。 指示語で始まる場合は、指示語が指す「原因・事象」に触れている文の後に入る。 |
SPI「長文読解」練習問題8問|小寺さんによる解き方の解説付き!
ここからはSPI「長文読解」の練習問題を8問紹介します。短い時間で文章を読み切り文脈をつかむには、慣れが非常に重要です。読むスピードを上げるのはもちろん、接続詞や指示語をヒントに答えを導き出す感覚を養いましょう。
今回は1つの文章につき計3つの設問がある問題を掲載していますが、実際のSPIでは1つの文章に1つの設問というケースもあるので覚えておいてくださいね。
また「長文読解」に初挑戦の人は焦らず、まずは「問題を解く前に確認! 長文読解の解答のコツ」を確認してから、練習問題にチャレンジしてみましょう。
問題1(難易度:★★☆☆☆)
問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
現代のビジネスにおいて、効率化は至上命題とされる。無駄を省き、最短距離で成果を出すことこそが正義であるという考え方に、異論を挟む余地は少ないように思える。しかし、組織全体が過度に効率性を追求することには危うさも潜んでいる。たとえば、一見無駄に見える雑談や、すぐに利益を生み出さない研究開発が、予期せぬイノベーションの種になることは歴史が証明している。( A )、効率化の名のもとにこれらを完全に排除してしまうと、組織は長期的には痩せ細り、変化への適応力を失ってしまう恐れがあるのだ。
短期的な合理性と、中長期的な創造性はしばしばトレードオフの関係にある。だからこそ、経営には「意図的な無駄」を許容する( B )が必要となる。すべてを数値で管理しようとするのではなく、数値化できない部分にこそ将来の価値が埋もれている可能性を忘れてはならない。
問1:文中の空欄( A )に入る最も適切な語句を選びなさい。
問2:文中の空欄( B )に入る語句として、文脈上最も適切なものを選びなさい。
問3:筆者の主張として最も合致するものを選びなさい。
正解:問1:B 問2:B 問3:C
【解説】
問1:「無駄がイノベーションの種になる」という前段に対し、それを排除すると「適応力を失う」という結果を述べています。原因と結果を結ぶ順接の「したがって」が適切です。
問2:筆者は、効率化によって失われる「創造性のための無駄」をあえて残すべきだと説いています。これを許すための度量やスペースを意味する語として「余裕(あるいは余白)」のニュアンスを持つものが求められます。「規律」や「緊張」は文脈と逆であり、「余裕」が最も適切です。
問3:筆者の主張は、効率化の否定ではなく、行き過ぎた効率化への警鐘と、長期的な視点での「遊び(無駄)」の重要性です。Cがこれに合致しています。A、Bは筆者の懸念事項そのものであり、D、Eは極端な解釈であるため不適です。
問題2(難易度:★★☆☆☆)
問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
かつて、オフィスにおけるコミュニケーションは対面が基本であり、同じ空間を共有することがチームワークの醸成に不可欠だと考えられていた。( A )相手の表情やその場の空気感を直接肌で感じることで、言葉にはならない微妙なニュアンスまで共有できていたからだ。しかし、リモートワークが急速に浸透した現在、その前提は崩れつつある。( B )デジタルツールの活用により業務効率は向上した一方で、画面越しでは伝わりきらない感情の機微や、ふとした雑談から生まれる相互理解の機会が失われている。( C )その結果、組織内の心理的な結びつきが希薄になり、離職率の上昇や帰属意識の低下を招くケースも散見される。( D )現代のリーダーには、物理的な距離を超えて信頼関係を構築するための、より意図的で高頻度な対話が求められている。( E )これを怠れば、組織は共通の目的を持ったチームではなく、単なる作業者の集合体へと化してしまうだろう。
問1:文中の太字「これ」が指している内容として最も適切なものを選びなさい。
問2:次の文が入る場所として、最も適切な場所を文中の( A )〜( E )の中から選びなさい。
「物理的な接触が減ったことで、人間関係の維持管理には従来以上のコストと工夫が必要になったのである。」
問3:リモートワークの弊害として文章中で挙げられている要素を選びなさい。
正解:問1:D 問2:C 問3:C
【解説】
問1:「これ」は直前の内容を指します。「これ」の直前には、「現代のリーダーには……より意図的で高頻度な対話が求められている」とあります。この「対話をおこなうこと」を怠ると組織が弱体化するという文脈であるため、Dが正解です。
問2:挿入文は、物理的接触の減少が人間関係維持のコスト増につながったことを述べています。( C )に入れることで、「機会が失われた(現状)」→「維持管理に工夫が必要になった(まとめ)」→「(工夫しない場合)結びつきが希薄になる(現象)」という論理的な流れが完成します。直後の「その結果」ともスムーズにつながります。
問3:文章中( B )の後に「画面越しでは伝わりきらない感情の機微」や「相互理解の機会が失われている」とあり、対面のメリットとして挙げられていた「表情や空気感を直接肌で感じる」ことが困難になったことが示唆されています。Cがこれに合致しています。
問題3(難易度:★★☆☆☆)
問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
かつて、オフィスは業務を遂行するための唯一無二の場所であった。( A )社員が一堂に会し、膝を突き合わせて議論することが、生産性を高める最良の手段だと信じられていたからだ。しかし、デジタル技術の進展と働き方の多様化により、その前提は揺らぎつつある。( B )物理的な距離を超えて協働することが可能になり、個人の業務に集中できる環境を選べるようになったことで、効率性は飛躍的に向上した。( C )だが一方で、画面越しのやり取りだけでは埋められない欠落も浮き彫りになってきた。それは、給湯室での何気ない雑談や、すれ違いざまの挨拶から生まれる予期せぬアイデアの化学反応だ。( D )経営学ではこれをイノベーションの源泉となる「セレンディピティ(偶然の幸運)」として重要視する。( E )オフィスは今、単なる作業場から、創造的な偶発性を誘発するための「交流のハブ」へと再定義されようとしている。
問1:文中の太字「これ」が指している内容として最も適切なものを選びなさい。
問2:次の文が入る場所として最も適切なものを文中の記号から選びなさい。
「オンライン会議はあらかじめ決められた議題に沿って整然と進むため、無駄話が入り込む余地が極めて少ない。」
問3:これからのオフィスに求められる役割として、文章の内容に合致するものを選びなさい。
正解:問1:D 問2:C 問3:B
【解説】
問1:指示語「これ」は直前の内容を指します。直前には「それは、給湯室での……予期せぬアイデアの化学反応だ」とあります。この「雑談から生まれるアイデアの化学反応」を指して、経営学で「セレンディピティ」と呼ぶ流れであるため、Dが正解です。
問2:挿入文は「オンライン会議は……無駄話の余地が少ない」という内容です。これが原因となり、その結果として( C )の後ろにある「画面越しのやり取りだけでは埋められない欠落(=雑談の欠如)」につながるため、Cに入れるのが最も論理的です。
問3:文章の結論部分を確認すると、「オフィスは今……創造的な偶発性を誘発するための『交流のハブ』へと再定義されようとしている」とあります。これと言い換えになっているBが正解です。
問題4(難易度:★★★☆☆)
問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私たちは日々、インターネットを通じて膨大な情報に触れている。検索エンジンを使えば、知りたいことの答えは瞬時に得られ、世界中の出来事をリアルタイムで知ることができる。しかし、情報の入手が容易になったことが、必ずしも私たちの「知」を深めたとは言い難い。断片的な事実を知識として蓄積しても、それらをつなぎ合わせ、体系的な理解へと昇華させなければ、単なる物知りに留まってしまう。( A )、容易に得られる情報は、容易に忘れ去られるという側面も持つ。
情報を知識へ、そして知恵へと変えるためには、手に入れた情報に対して「なぜそうなるのか」「本当に正しいのか」と立ち止まって考えるプロセスが不可欠だ。情報の洪水の只中で溺れないために現代人に求められているのは、情報の検索能力以上に、情報を批判的に読み解く( B )なのである。
問1:文中の空欄( A )に入る最も適切な語句を選びなさい。
問2:文中の空欄( B )に入る語句として、文脈上最も適切なものを選びなさい。
問3:筆者の主張として最も合致するものを選びなさい。
正解:問1:A 問2:B 問3:D
【解説】
問1:前文で「情報の入手容易性が知を深めるとは限らない(断片的なままである)」という負の側面を述べ、空欄の後でも「容易に忘れ去られる」という別の負の側面を追加しています。並列・添加の「また」が適切です。
問2:情報の海で溺れず、批判的に読み解く能力を指す言葉が必要です。「読み書き能力」を原義とし、転じて「情報を活用・理解する能力」を指す「リテラシー(情報リテラシー)」が文脈上最適です。
問3:筆者は、情報の入手が容易になったからこそ、それを批判的に検証し、体系化する思考プロセスが必要だと主張しています。Dがこの主旨を正確に要約しています。AやBは筆者の主張から飛躍しており、Cは「批判的に読み解く姿勢」という本文の主眼とずれています。
問題5(難易度:★★★☆☆)
問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
生成AI(人工知能)の普及により、誰もが一定水準の文章や画像を瞬時に作成できるようになった。( A )スキルや経験が乏しくても、AIが提示する最適解にしたがえば、合格点の成果物を生み出すことは容易だ。( B )しかし、この利便性は「平均への埋没」という新たな課題を突きつけている。膨大な過去データから学習するAIは、統計的に最も確からしい答えを導き出すことに長けている。( C )論理的かつ効率的に答えを求めれば求めるほど、出力される内容は似通ったものになっていくのだ。( D )これは、AIに頼る限り「どこかで見たような無難な表現」しか生まれないことを意味する。( E )個性が消失した均質なコンテンツが溢れる未来において、真に価値を持つのは何だろうか。それは、論理的な最適解からは外れたとしても、人間の生々しい体験や偏愛に基づいた、唯一無二の「歪み」なのかもしれない。
問1:文中の太字「これ」が指している内容として最も適切なものを選びなさい。
問2:次の文が入る場所として最も適切なものを文中の記号から選びなさい。
「たとえば、あるテーマで記事を書かせた場合、誰が指示を出しても大差ない構成案が出力されることが多い。」
問3:筆者が考える「未来において真に価値を持つもの」の説明として最も適切なものを選びなさい。
正解:問1:D 問2:C 問3:E
【解説】
問1:これ」は直前の文の内容を指します。直前には「論理的かつ効率的に答えを求めれば求めるほど、出力される内容は似通ったものになっていく」とあります。この均質化の現象が「無難な表現しか生まれないこと」の理由となっているため、Dが正解です。
問2:挿入文は「誰が指示しても大差ない構成案が出る」という具体例です。(C)の直前にある「統計的に最も確からしい答えを導き出す」というAIの特性と、(C)の直後にある「内容は似通ったものになっていく」という結果を橋渡しする具体例として配置するのが最も論理的です。
問3:文章の末尾(E)以降で、筆者は「真に価値を持つのは……人間の生々しい体験や偏愛にもとづいた、唯一無二の『歪み』」だと述べています。これは論理的な最適解とは対極にある「個人のこだわり」を指しているため、Eが正解です。
問題6(難易度:★★★☆☆)
問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「共感」は、円滑な人間関係を築くうえで欠かせない能力として称揚される。他者の喜びや悲しみを我がことのように感じる感性は、対立を防ぎ、相互理解を深める架け橋となる。しかし、共感が常に善であるかといえば、必ずしもそうとは言い切れない側面がある。過度な共感は、自他の境界線を曖昧にし、他者の負の感情に巻き込まれて自分自身が疲弊する「共感疲労」を引き起こすリスクを孕んでいる。( A )、特定の集団内での強い共感は、その集団外の人々に対する排他性を助長し、分断を加速させるパラドックスも指摘されている。健全な関係性を維持するためには、感情的に同調するだけでなく、一歩引いた視点から状況を客観的にとらえる( B )が不可欠だ。それは冷淡さではなく、持続可能な配慮をおこなうための知的な防衛策と言えるだろう。
問1:文中の空欄( A )に入る最も適切な語句を選びなさい。
問2:文中の空欄( B )に入る語句として、文脈上最も適切なものを選びなさい。
問3:筆者の主張として最も合致するものを選びなさい。
正解:問1:B 問2:A 問3:D
【解説】
問1:空欄の前では「個人の疲弊」という共感のリスクを述べ、空欄の後では「集団の排他性」という別のリスクを述べています。論理的にはマイナス面の追加(累加)であるため「加えて」が適切です。
問2:文脈は「一歩引いた視点」「客観的にとらえる」ことを求めています。全体を上から見下ろすように把握することを意味する「俯瞰(ふかん)」が最も適切です。「忖度」や「迎合」は相手に合わせすぎることであり、自立した視点という文脈の意図と逆になります。
問3:筆者は共感の重要性を認めつつも、その過剰さがもたらす弊害(疲労・排他性)を指摘し、客観的視点(俯瞰)とのバランスを説いています。Dがこれに合致しています。
専門用語が出てくると身構えがちですが、問われているのは用語暗記ではなく、文章構造を読む力です。「これ」が指す内容は、必ずその直前の文脈とセットで確認しましょう。
挿入文は、伝統的経済学モデルから「人間らしさを前提とした新手法」へ話題を橋渡しする役割を持っています。
抽象レベルの高い説明(非合理な人間像)と、具体例(食堂の配置)をつなぐ位置を探すイメージで読むと、自然な差し込み場所が見つかりますよ。
問題7(難易度:★★★☆☆)
問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
伝統的な経済学では、人間は常に合理的で、自己利益を最大化するように行動すると仮定されてきた。( A )このモデルにおける人間は「ホモ・エコノミクス」と呼ばれ、感情や偏見に左右されず、あらゆる情報を精査して最適な判断を下す存在と定義される。( B )しかし、現実の人間はそれほど賢明ではない。( C )目先の利益に惑わされたり、周囲の行動に同調したりと、非合理的な選択を繰り返すのが常である。( D )たとえば、健康的な食事を促すために、食堂のメニューの目立つ位置に野菜料理を配置するといった工夫がその一例だ。( E )これは、強制や金銭的インセンティブを用いずに、人々の認知バイアスを利用して行動を変容させる「ナッジ(肘で軽く突く)」と呼ばれるアプローチである。
問1:文中の太字「これ」が指している内容として最も適切なものを選びなさい。
問2:次の文が入る場所として最も適切なものを文中の( A )〜( E )の中から選びなさい。
「こうした『人間らしさ』を前提とし、人々の選択をより良い方向へ誘導する新たな手法が、近年政策決定の場などで注目されている。」
問3:文章中の「ナッジ」の説明として合致するものを選びなさい。
正解:問1:D 問2:D 問3:C
【解説】
問1:指示語「これ」は直前の具体例を指します。直前にあるのは「健康的な食事を促すために、食堂のメニューの目立つ位置に野菜料理を配置するといった工夫」です。これがナッジの代表的な一例であるため、Dが正解です。
問2:挿入文にある「こうした『人間らしさ』」とは、( C )の直後で語られている「非合理的な選択を繰り返す」という人間の特性を指します。また、挿入文の後半で「新たな手法(ナッジ)」に言及しているため、その具体例(食堂の例)が始まる直前の( D )に入れるのが最も論理的です。
問3:ナッジは( E )の後ろで「強制や金銭的インセンティブを用いずに、認知バイアスを利用して行動を変容させる」と定義されています。人間の非合理性を前提に、選択環境を整えることで望ましい行動へ導くCが合致しています。
問題8(難易度:★★★☆☆)
問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
現代社会において、人工知能(AI)による意思決定は、採用活動から融資審査に至るまで広範に浸透している。( A )多くの人々は、数理モデルにもとづく判断は人間の主観や感情が排除されているため、公平で客観的なものであると無邪気に信じている。しかし、その信頼は危うい基盤の上に成り立っていると言わざるを得ない。( B )AIが学習するデータそのものが、過去の人間社会における差別や偏見を色濃く反映しているからだ。( C )AIは、与えられたデータから統計的なパターンを見つけ出すことには長けているが、そのデータの背景にある社会的文脈までは理解できない。( D )その結果、過去の不均衡なデータセットを無批判に学習することで、既存の差別構造を再生産し、時には増幅させてしまう。( E )専門家はこの現象を「アルゴリズム・バイアス」と呼び、警鐘を鳴らしている。たとえば、特定の属性を持つ人々が、本人の能力とは無関係に不当に低いスコアを付けられるといった事態が既に発生しているのだ。
問1:文中の太字「この現象」が指している内容として最も適切なものを選びなさい。
問2:次の文が入る場所として、最も適切な場所を文中の記号から選びなさい。
「もし、ある企業が過去に特定の性別や人種を優先的に採用していた場合、その履歴データを学んだAIは、同様の傾向を『正解』として導き出してしまう。」
問3:文章中で挙げられている「アルゴリズム・バイアス」の具体例に該当するものを選びなさい。
正解:問1:D 問2:D 問3:C
【解説】
問1:「この現象」は直前の文脈全体を指します。直前の( D )以降で「過去の不均衡なデータセットを無批判に学習することで、既存の差別構造を再生産し……増幅させてしまう」と述べられています。これを指して「アルゴリズム・バイアス」と呼んでいるため、Dが正解です。
問2:挿入文は「過去に特定の層を優先採用していた場合、AIもそれを正解とする」という具体的なシミュレーションです。これは( C )の「社会的文脈を理解できない」という原因と、( D )以降の「差別構造を再生産する」という結果をつなぐ具体例として機能するため、( D )の位置が最適です。
問3:文章の終盤(Eの後)にある「特定の属性を持つ人々が、本人の能力とは無関係に不当に低いスコアを付けられるといった事態」という記述に合致するのはCです。Aは人間によるバイアス、Bは一般的なAIの利点の説明です。
これらの問題群は、いずれも「指示語の範囲をどこまでとるか」「挿入文がどの文を具体化/補足しているか」「筆者の主張の軸がどこか」という、SPI長文の王道パターンです。
典型的なミスは、①指示語を直前1文だけで判断する、②挿入文をなんとなく雰囲気が近い場所に入れてしまう、③自分の意見や一般常識に寄せて内容一致を選ぶ、の3つです。
時間が限られるなかで正答率を高めるコツとして、逆説(しかし・だが)や、まとめ表現(〜と言える、〜と呼ぶ)の位置を覚えておくと、主張の軸がつかみやすくなりますよ。
練習問題が解けたら、次はSPI模試に挑戦して実力をチェックしてみましょう。
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長文読解以外の練習問題も解いてみよう!
SPIは多くの分野に分かれています。練習問題を繰り返し解いて、苦手を攻略しましょう。
各分野の問題が解けたら、最後にSPI模試に挑戦してみましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi





アドバイザーからワンポイントアドバイス本文構造の「型」に当てはめて素早く処理しよう!
国家資格キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
谷猪 幸司
プロフィールを見る長文読解で引っかかりやすいのは、「それっぽい表現」に惑わされる設問です。特に、本文の一部だけを切り取った選択肢や、言い換え表現でズラしてくる問題には注意してください。
解答のコツは、難しい問題は潔く飛ばし、本文構造の“型”に当てはめて高速処理することです。具体的には「主張→理由→具体例→結論」という流れを意識し、主張文と結論文を優先的に拾いましょう。
就活生がやりがちな失敗は、全文を精読しすぎて時間切れになることです。対策として、「設問→本文→選択肢」の順で読み、設問で聞かれていない情報は切り捨てる意識を持ちましょう。また「筆者の主張」を問う問題で、自分の感想を混ぜてしまうのもよくあるミスとなります。
「長文読解」の鉄則! 正解は本文の中だけにある
必ず覚えておきたい基本的な考え方は、「正解は本文に書いてあることしか選ばれない」という一点です。言い切り表現や極端な選択肢は基本的に疑う癖を付けてください。
必要な練習としては、時間を測った演習と、なぜその選択肢が間違いかを言語化することです。これを繰り返すと、引っかけパターンが自然と見抜けるようになります。