SPIの種類がよくわからず、どのように対策すべきか悩んでしまう人は多いものです。「自分はどの種類を勉強すれば良いの?」「そもそも種類によってどう違うの?」と疑問を感じている人もいますよね。
SPIの種類は複雑に見えますが、実はシンプルです。ただし種類ごとの違いや自分が受けるSPIの特徴を理解していないと、せっかく対策しても的外れになりかねません。
この記事ではキャリアコンサルタントの田邉さん、瀧本さん、SPI講師の中村さんとともにSPIの種類とそれぞれの違いを解説します。就活で押さえるべきSPIの特徴や対策のポイントも解説するので、これからSPIを受検する人はぜひ参考にしてください。
SPIの種類はシンプル! 自分が何を対策すべきか把握することが鍵
SPIの種類は意外にも少なく、対策が必要なSPIは基本的に1種類のみです。しかしその1種類の中にもいくつかの受検形式や出題内容があるため、複雑に感じる人が多いのです。
記事ではまずSPIの基本的な3つの種類を説明し、新卒の学生が受けるSPIの特徴を解説します。まずは違いを押さえて間違った対策をしないように注意しましょう。
後半ではこれからSPIの対策をする人に向けて、効果的な勉強のコツとほかにも知っておくべき適性検査の種類を解説します。この記事で就活で受検するテストの全体像と攻略方法を理解できるので、スムーズな対策で高得点を獲得してくださいね。
そもそもSPI3とは? 大前提の知識を押さえよう
SPIとは「Synthetic Personality Inventory(総合適性検査)」の略で、学力や性格を判断する適性検査の一種です。ほかにも適性検査には30種類ほどありますが、就活で使用される適性検査の中ではSPIが最もメジャーです。
SPIを開発しているリクルートマネジメントソリューションズ社によれば、年間利用社数は14,400社、受検者数はなんと215万人と、就活で誰もが一度は受けるといっても過言ではありません。そのため特徴を理解して、適切な対策をすることが重要なのです。
SPIはこれまでSPI1、SPI2、SPI3と3回バージョンアップされていて、現在はSPI3です。そのため就活で名前を聞くSPIとはSPI3のことだと認識しましょう。
- なぜSPIを採用する企業が一番多いのでしょうか?
幅広い特性を検査でき内容も最新に保たれているため
SPIがほかの適性検査よりも多くの企業に採用される理由は、その汎用性と実用性にあります。
たとえば、SPIは採用候補者の知的能力だけでなく、性格やストレス耐性などの多面的な特性を評価します。
これにより、企業は面接では見えにくい候補者の潜在能力や、職場への適応力をより正確に把握できます。
またSPIは大企業から中小企業まで幅広く利用されているため、その適用範囲の広さも魅力的です。さらにSPIは時代の変化や職場環境の変動にも対応するため、定期的に内容が更新されています。
これらの特徴が、SPIがほかの適性検査と比較して特に優れた選択肢とされている理由です。
適性検査は一定の基準に満たしていないと落ちてしまう場合があります。以下の記事では落ちる確率と事前対策についてまとめているので参考にしてみてください。
適性検査で落ちる確率と理由|合否を分ける事前対策を検査別で解説
SPI3については、こちらの記事でも詳しく解説しています。例題もあるので全体像をつかみたい人はぜひ参考にしてください。
SPI3とは? 例題付きで基本の対策から攻略のコツまで完全網羅
SPIは大きく分けると3種類! 違いは「受検者」
SPIは大きく分けると3種類! 違いは「受検者」
- 「SPI-H」は高校生が対象
- 「SPI-U」は大学生などが対象
- 「SPI-G」は社会人が対象
SPIとは何か理解できたら、さっそくどんな種類があるのか見ていきましょう。まず結論から言うと、SPIはSPI-H、SPI-U、SPI-Gの3種類が基本です。
新卒の学生が今取り組むべきSPIはこの中で1種類だけなので、これから解説するそれぞれの違いをしっかり確認して、間違えないようにしましょう。
「SPI-H」は高校生が対象
まず1種類目がSPI-Hです。これは高卒採用の選考で使われるSPIで、基本的には高校生が受検します。
出題範囲も大卒採用向けのSPIより狭く、性格検査と基礎能力検査の2種類のみです。間違ってSPI-Hの参考書で対策しないように注意してください。
「SPI-U」は大学生などが対象
2種類目がSPI-Uで、これこそが大学生が受検するSPIのことです。新卒採用向けとして広く使われているSPIなので、専門学校や短大、大学院の学生も多くがこのSPIを受検します。
特徴としては基本の性格検査と基礎能力検査に加えて、英語能力検査や構造的把握力検査も出題され、範囲が広いことです。なお、よくある適性検査の中では難易度はそれほど高くないため、十分に対策すれば怖くありません。後半で対策方法も解説するので、ぜひ高得点を目指してください。
「SPI-G」は社会人が対象
3つ目のSPI-Gはキャリア採用、つまり社会人の中途採用などで使用されるSPIです。
内容は基本の性格検査と基礎能力検査の2つですが、SPI-Uでは出題されない「地図」と「方角」の問題が出ます。また企業によってはオプションとして英語能力検査も出題することがあります。
最近は、まれに新卒採用でも導入されたり、契約社員などの正社員登用試験にも使われたりすることがあります。新卒の大学生は基本的にはSPI-Uを対策すれば問題ないですが、こうした種類があることは知識として認識しておきましょう。
SPI-Gについてさらに詳しく知りたい人はこちらの記事がおすすめです。問題の特徴や攻略方法について、就活のプロが解説しています。
SPI-Gとは|特有の問題と解き方を就活のプロが徹底解説!
- 志望企業で出題されるのがSPI-Uかどうかを調べる方法はありますか?
方法はないが過去の実績から推測することはできる
残念ながら、志望企業の検査がSPI-Uなのかどうかを確認する方法はありません。しかしながら、前年度の試験がどうだったのかなどを調べることは可能です。
基本的には前年度の試験を踏襲する企業が多いので、前年度の情報は参考になります。まずは大学のキャリアセンターや就職課に問い合わせてみましょう。
先輩たちの誰かが受験していれば、何かしらの情報が残っている可能性があります。またネット上にも情報がある時代なので、調べて有効活用していきましょう。
直前のSPI対策!
時間がなくても要点が詰まったこの1冊でOK
「志望度が高い企業にSPIで落ちたくない!」「何冊も問題集を解くのは時間が足りない!」
そんなときは「SPIパーフェクト問題集&模試」を活用しましょう。この問題集を使えば解く上で重要なポイントの解説を見ながら効率よく勉強できるため、合格率がグッと上がります
また模試も付いているので、本番の感覚で実践の練習ができます!
ぜひ活用してSPIを突破しましょう!
大学生が受けるSPI-Uは全部で4形式! 特徴を把握しよう
大学生が受けるSPI-Uは全部で4形式! 特徴を把握しよう
- WEBテスティング
- テストセンター
- ペーパーテスティング
- インハウスCBT
SPIの基本の3種類を解説しました。まずはSPI-Uを対策すれば問題ないということがわかったと思います。
ただし同じSPI-Uの中にも4つの受検形式があり、内容や受検方法が異なるため注意が必要です。ここではSPI-Uの受検形式と特徴を解説するので、どのような違いがあるのかきちんと理解しましょう。
WEBテスティング
WEBテスティングはSPIの4つの受検方法の中でもメジャーな形式の一つで、「Webテスト」と呼ばれることもあります。受検者の都合の良い時間・場所でパソコンで受検するというのが特徴です。
その利便性から、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時は採用する企業が増えましたが、替え玉受検やカンニングなどの不正行為を防ぐことが難しいため、導入企業は減るとの予測もあります。
WEBテスティング | 種類 | 所要時間の目安 | 出題内容 |
SPI 3-U | 65分 | 性格検査、基礎能力検査 |
また独自の特徴として、電卓の使用を前提として問題が作られているという点があります。そのためもし自宅ではなく大学のパソコンなど出先で受検するなら、電卓を忘れないように注意が必要です。
WEBテスティングの対策方法はこちらの記事で詳しく解説しています。例題付きなので、これから対策する人はぜひ併せて活用しましょう。
確実にWebテスティングを突破する3つの対策|例題や問題集も紹介
Webテストは就活で一度は受ける可能性があります。注意点や準備のポイントは、こちらの記事で確認してください。
WEBテスト対策完全版|効率重視で準備する方法を徹底解説
Webテスティングの場合、電卓を使用できるため問題の難易度がペーパーテストなどに比べると高くなります。以下の記事では電卓を効率よく使用するためのコツをまとめているので参考にしてみてください。
SPIで電卓が使えるかは受検方式による! 効率良く使うコツを解説
テストセンター
テストセンター形式では、開発企業であるリクルート社が用意した会場でほかの受検者とともにパソコンで受検します。企業側のコストを抑えて効率的に実施できる点から、4形式の中で最も採用されることが多いです。
テストセンターの場合、以下のように出題パターンが4種類あり、それぞれ所要時間も異なります。
テストセンター形式 | 種類 | 所要時間の目安 | 出題内容 |
SPI 3-U | 65分 | 性格検査、基礎能力検査 | |
SPI 3-US | 85分 | 性格検査、基礎能力検査、構造的把握力検査 | |
SPI 3-UE | 85分 | 性格検査、基礎能力検査、英語能力検査 | |
SPI 3-USE | 105分 | 性格検査、基礎能力検査、構造的把握力検査、英語能力検査 |
「構造的把握力検査は」テストセンターだけで出題される問題なので、SPIの参考書を買うなら、構造的把握力検査の問題が含まれているか確認して、テストセンター形式にもきちんと対応できるようにするのがおすすめです。
またテストセンター形式独自の特徴として、受検から1年以内であれば前回の結果をほかの企業の選考にも使いまわすことができるという点もあります。学生にとっては十分に勉強して受検すれば、その後は受検しなくて良いというのがメリットです。
- テストセンター形式の中で、上記の4つのどれを受検するかはどうやったらわかりますか?
志望企業の過去の出題内容から予測しよう
テストセンター形式でSPIを受験するとき、4種類のいずれかになるかは判別することができません。事前にSPIの種類を判別したいなら、過去にどの種類が採用されていたかを確認しましょう。
ただし、企業が前年までとは異なる種類を採用する可能性もあります。あくまでも参考情報として活用するように注意してください。
テストセンターは種類が多く、ややこしく感じますよね。ただしSPIの中で特に重要な形式なので、こちらの記事も参考にして理解を深めてください。
テストセンターとは? 受検の流れから高得点獲得の対策まで徹底解説
テストセンターの対策が知りたい人は以下の記事を参考にしてみてください。注意点も併せて解説しています。
問題例付き|テストセンターの対策方法を徹底網羅! 注意点も
こちらのQ&Aコンテンツでは、「テストセンターが難しい」という悩みにキャリアコンサルタントが回答しています。ぜひ併せて参考にしましょう。
ペーパーテスティング
ペーパーテスティングとは企業が用意した会場で、マークシート式で回答する受検形式です。4形式の中で唯一パソコンを使用せず、ペーパーテストで受検します。
ペーパーテスティング | 種類 | 所要時間の目安 | 出題内容 |
SPI 3-U | 110分 | 性格検査、基礎能力検査 | |
SPI 3-A | 90分 | ||
SPI 3-B | 130分 |
ペーパーテスティングでは上記のように出題内容が2種類のみですが、まれに企業のオプションとして英語能力検査が出題されることもあります。
テストセンター形式に比べると採用企業は少ないですが、説明会と同時にSPIを実施したい企業や、替え玉受検などの不正を徹底的に防ぎたい企業で使われることがあります。
受検方式がペーパーテストと決まっている場合は以下の記事をチェックしてください。問題内容や解き方のコツをまとめています。
SPIペーパーテストの受検マニュアル|特徴や解き方のコツを解説
インハウスCBT
インハウスCBTは、面接などで企業に出向いた際に、企業のパソコンで受検する方法です。企業が自社内でパソコンを用意し、監督者も置く必要があるなど負担が大きいため、この形式を導入する企業は滅多にありません。採用人数が少ない中小企業などでは採用することもありますが、それでもまれです。
インハウスCBT | 種類 | 所要時間の目安 | 出題内容 |
SPI 3-U | 65分 | 性格検査、基礎能力検査 |
ここまで解説したWEBテスティング、テストセンターと併せて、パソコンで受検するこの3形式では受検者ごとに問の内容や問題数が変化するという特徴があります。
またペーパーテスティングと異なり、一度回答すると前の問題に戻ることはできず、順番通りにしか回答できません。以上の4形式の違いと特徴をしっかり頭に入れておきましょう。
4形式の中では、テストセンター形式を採用している企業がほとんどです。
WEBテスティング形式を採用している企業は一部ありますが、ペーパーテスティングとインハウスCBTを採用している企業は現状はほとんどありません。
SPIの受検形式ごとの回答時間は、こちらの記事で詳しく解説しています。時間切れを防ぐためにも、ぜひ併せて参考にしてください。
SPIの解答時間を受検方式別に解説! 時間切れを防ぐコツ10選も
アドバイザーコメント
中村 彰
プロフィールを見るまずはWEBテスティングとテストセンターの対策をすれば問題ない
SPIでは、「WEBテスティング」、「テストセンター」、「ペーパーテスティング」、「インハウスCBT」という4つの形式があるということを見てきました。
結局、4つの中でどの対策をしていけば良いかわからないという人は、まずは「WEBテスティング」と「テストセンター」の対策から進めていきましょう。
理由としては、これら2つの形式が圧倒的に多いからです。SPIの約8〜9割が、WEBテスティングとテストセンター形式での試験になります。したがって、皆さんが出会う可能性が高いこの2つから優先的に対策をおこなうことが大切です。
形式ごとの問題の特徴を押さえた対策をしよう
ここで各形式の注意点を確認していきましょう。
「テストセンター」
→全体の制限時間のほかに、問題ごとにも制限時間があります。常に制限時間を意識しながら問題を解くように心がけてください。また人によっては「構造的把握力検査」もあるので、こちらの対策も忘れずに取り組んでいきましょう。
「WEBテスティング」
→テストセンターと異なり、こちらは電卓の使用がOKです。ほかにも違う点として、非言語問題では選択肢から答えを選ぶのではなく、答えの数値を直接入力する問題が出題されるので、しっかり計算できるようにしておきましょう。
「ペーパーテスト」
→問題冊子が配られるので、試験開始時にまず全体の問題を見て、時間配分を考えてから臨むようにしましょう。
「インハウスCBT」
→こちらはほぼWEBテスティングと同じなので、同様の対策をおこなえば問題ありません。
以上となります。これらに注意して頑張っていきましょう。
企業によって異なる! SPIの出題内容は1~4種類
SPI-Uの4つの受検形式を解説しました。受検形式ごとの違いがわかったら、次は出題内容も確認しましょう。
SPIの出題内容は、大きく分けると「性格検査」と「能力検査」の2種類です。性格検査で学生の人柄や考え方の特徴を測り、能力検査で知識や思考力を測っています。
この中からどんな問題が出題されるかは、受検形式によって少しずつ異なります。必ず押さえるべき項目や出題内容ごとの詳しい特徴について解説していくので、どのような問題が出るのか具体的にイメージできるようにしましょう。
こちらの記事ではSPIの例題を38選解説しています。いち早く問題の雰囲気を見てみたい人はぜひチェックしてみてください。
SPIの例題38選! 対策手順や突破のコツを徹底解説
①性格検査
性格検査は性格を見るためのテストです。学力試験とは異なり、物事や取り組みに関する文章を読んで、自分の考えに当てはまるものを選んでいく方式です。ペーパーテスティングとインハウスCBTではまれに課されないこともありますが、基本的にほとんどのSPIで受けることになると捉えましょう。
企業は性格検査の結果から、候補者の性格の特徴や考え方を把握して、自社とマッチするか、応募ポジションで必要な素質があるかなどを判断しています。
そのためできるだけ自分を良く見せようと考えてしまうかもしれませんが、SPIの問題は綿密に作成されているため、嘘の回答をすると企業にばれてしまう仕組みになっています。性格検査について特にできる対策はなく、唯一大切なのが正直に回答することだと覚えておいてください。
性格検査についてはこちらの記事で詳しく解説しています。どんな問題が出るのか例題でチェックしてみましょう。
性格適性検査マニュアル|問題例付きで選考を有利に進める対策を解説
- ちょっとでも自分を偽った回答をすると見抜かれてしまいますか? 少し良く見せるくらいなら良いでしょうか?
一貫性や自己認識の精度も測られるので偽るのは危険
SPIの性格検査において、自分を少しは良く見せたいと思うのはよくあることです。しかし、重要なのは誠実さです。
このテストは一貫性と自己認識の精度を評価するので、自分の本当の性格や価値観を反映させることを心がけてください。
過度に良く見せようとすると不自然さが目立ち、信頼性の低下につながる可能性があります。自己分析をしっかりおこない、自分の強みや改善点を理解することが、自然で誠実な回答につながります。
また企業が求める人材像を理解し、それに合った自分の側面を隠さないことも大切です。
自分を偽って回答する以外にも、適性検査で不正をすることは禁物です。こちらのQ&Aでもキャリアコンサルタントがリスクを解説しているので併せてチェックしましょう。
時間がない人におすすめ!
無料でSPI問題集&模試が受け取れます
志望度が高い企業にSPIで落ちてしまうのは本当にもったいないです。しかし何冊も問題集を解くのは時間が足りないですよね。
そこで「SPIパーフェクト問題集&模試」を活用しましょう。この問題集を使えば解く上で重要なポイントの解説を見ながら効率よく勉強することができます。
また本番形式の模試も付いているので、前もって本番の感覚をつかむことができますよ。
ぜひ活用してSPIを突破しましょう。
②基礎能力検査
「性格検査」と「能力検査」のうち、知識や思考力を測るための問題が能力検査です。能力検査の出題内容はSPIの受検形式により異なりますが、基本となるのが「基礎能力検査」で、これは能力検査が実施されるなら必ず含まれます。
具体的な出題内容は「言語」と「非言語」の2種類です。
言語は中学~高校レベルの国語の問題で、語彙力や文章の読解力を測るような問題が出題されます。出題内容は以下の表のとおりで、受検形式によって出題範囲が少しずつ異なります。
言語の出題内容 | ペーパーテスト | テストセンター | WEBテスティング |
---|---|---|---|
二語の関係 | ◯ | ◯ | – |
語句の意味 | ◯ | ◯ | – |
語句の用法 | ◯ | ◯ | – |
文の並べ替え | – | ◯ | – |
空欄補充 | – | ◯ | – |
空欄補充(3文) | – | – | ◯ |
空欄補充(3語) | – | – | ◯ |
熟語の成り立ち | – | – | ◯ |
文節の並べ替え | – | ◯ | ◯ |
長文読解 | ◯ | ◯ | ◯ |
言語問題についてはこちらの記事で詳しく解説しています。短期間で高得点を目指すコツがあるので、ぜひチェックしてみてください。
SPIの言語の対策方法|短期間で高得点を取るコツを解説
以下の記事ではSPIの漢字対策をまとめています。漢字に苦手意識のある人はぜひ参考にしてください。
SPIの漢字対策は暗記だけでは不十分! 出題形式と対策法を解説
言語分野では、長文読解や空欄補充・語句理解が頻出であり、重要です。
日頃から新聞や雑誌を読むことで読解力を鍛え、基本的な文法書を復習して文法知識を確実にしましょう。また過去問などで形式を把握しておくことが効果的です。
もう一方の非言語は中学~高校レベルの数学の問題で、計算問題だけでなく表からデータを読み取ったり、問題文から確率を求めたりするような思考力を問う問題も出題されます。非言語分野も同様に、受検形式によって出題範囲が異なります。
非言語の出題内容 | ペーパーテスト | テストセンター | WEBテスティング |
---|---|---|---|
推論 | ◯ | ◯ | ◯ |
場合の数 | ◯ | ◯ | ◯ |
確率 | ◯ | ◯ | ◯ |
集合 | ◯ | ◯ | ◯ |
損益算 | ◯ | ◯ | ◯ |
速度算 | ◯ | ◯ | ◯ |
表の読み取り | ◯ | ◯ | ◯ |
資料の読み取り | – | ◯ | – |
長文読み取り計算 | – | ◯ | – |
代金の精算 | – | ◯ | – |
料金の割引 | ◯ | ◯ | – |
割合の計算 | – | ◯ | ◯ |
分割払い | ◯ | ◯ | – |
装置と回路 | ◯ | – | – |
物の流れと比率 | ◯ | – | – |
不等式と領域 | ◯ | – | – |
年齢算 | – | – | ◯ |
通過算 | – | – | ◯ |
整数の整理 | – | – | ◯ |
非言語の問題は苦手意識を感じる人が多いですが、対策のコツを押さえれば怖くありません。こちらの記事でポイントを把握してくださいね。
SPI非言語は対策すれば怖くない! 出題傾向や例題を徹底解説
非言語での頻出分野は「推論」です。高得点を狙うなら必ず対策しておかなければならない超重要問題です。
対策のポイントとしては、与えられた条件を整理して、推論を検証していくことになります。初めのうちは難しく感じる分野ですが、コツコツ取り組んでいきましょう。
基礎能力検査は、語彙力や計算の公式など、知らないとどうにも解けない問題があります。また中学~高校レベルの問題だとしても、問題形式が複雑だったり見慣れなかったりして、初見では解くのが難しく感じがちです。
したがって基礎能力検査は手を抜かずに必ず対策しましょう。ポイントを押さえて十分な対策をすれば慣れていき、高得点を狙うことが可能です。おすすめの対策方法は後ほど解説します。
SPIの計算問題が不安な人は以下の記事をチェックしてください。問題別に対策方法をまとめています。
SPI計算問題の攻略法|問題別対策方法やコツを例題付きで解説
忙しい就活生必見!頻出SPI問題集を確認しよう!
③英語能力検査
英語能力検査は基本的にテストセンター形式のみで実施され、まれにペーパーテスティングでも課されることがあります。基礎能力検査には含まれないオプションのため、テストセンター形式であっても出題されるかどうかは企業によって異なります。
英語の出題内容
- 同意語
- 反意語
- 空欄補充
- 英英辞書
- 誤文訂正
- 和文英訳
- 長文読解
英語の出題内容は上記のとおりで、中学~高校レベルの問題が出題されます。そのため難易度はあまり高くありませんが、英語力はすぐに高めることが難しいため、苦手意識がある人は早めに英語問題に取り組みましょう。
- 英語は苦手なので、SPIの英語を何からどう勉強すれば良いか教えてください!
SPIの英語は基礎知識の習得から始めよう
SPIの英語の難易度は共通テスト(旧センター試験)レベルなので、基礎知識を理解していれば高得点を取ることができます。
基礎知識を理解するためには、語彙力を高めることと英文法を覚えることに取り組みましょう。そのためにはSPIの英語で頻出の単語の暗記と、英文法の問題集から取り組むことがおすすめです。
そうすれば和文英訳と長文読解以外の問題は回答できるようになるので、平均以上の回答ができるようになりますよ。
SPIの英語問題の内容は、こちらの記事で詳しく解説しています。おすすめの勉強方法もあるのでぜひ併せて確認しましょう。
SPI英語攻略ガイド|出題内容から勉強方法まで例題付きで解説
④構造的把握力検査
構造的把握力検査は、テストセンター形式のみで実施されます。英語能力検査と同様にオプションであるため、テストセンター形式だからといって必ずしも出題されるわけではありません。
構造的把握力とは
物事の背景になる共通性や関係性を瞬時に読み解いて、構造的に把握する力のこと
構造的把握力検査では、論理的な思考力や物事の本質を捉える力が試されます。そう聞くと難しく感じるかもしれませんが、小学校~中学校レベルの文章を読んで、構造が似ているものを分類するというシンプルな内容です。
構造的把握力検査の出題内容
- 言語系
内容の異なる5つの文章を、さまざまなパターンに基づいてグループ分けする - 非言語系
計算の構造が似ている文章を見て、計算のプロセスが同じものをグループ分けする。実際に計算する必要はない
例題:言語系
【問い】アからオの文章を「文の構造」によってPグループ(2つ)とQグループ(3つ)に分類したとき、Pグループに分類されるのはどれか。
ア:私は一生懸命勉強したが、それは大学に合格したかったからだ。
イ:急いで駅へ走ったが、電車に間に合わなかった。
ウ:このブランドはあまり知られていないが、私は気に入っている。
エ:彼女はとても優秀だが、一体なぜなのだろう。
オ:彼は日本語が得意だが、漢字を書くのは苦手だ。
【答え】ア・エ
【解説】「が」を挟んで、イ・ウ・オは逆説の関係、ア・エは後半が前半の理由になっている
例題:非言語系
【問い】次のア〜エのうち、問題の構造が似ているものを2つ選びなさい。
ア:クッキーが全部で30枚ある。6人で分けると1人分は何枚か。
イ:80kmの道のりをドライブしたら2時間かかった。平均時速は何kmか。
ウ:バイクで時速50kmのスピードで3時間走った。走行距離は何kmか。
エ:洋服を定価の1割引きの3000円で買った。もとの金額はいくらか。
【答え】ア・イ
【解説」ア・イは単純な割り算で、ウは掛け算。エは
〇×(1-0.1)=3000
〇=3000÷0.9
など、2段階の計算が必要で、ほかの3つとは構造が異なる
上記のように難易度はそれほど高くありませんが、グループ分けする際のパターンに慣れる必要があるため、事前に対策しないとなかなか高得点は取れないかもしれません。
総合商社やコンサル、広告業界など、問題解決力や発想力が必要な企業で出題される傾向にあるので、難関企業を目指している人は併せて対策しておきましょう。
- 構造的把握力検査は必ず対策した方が良いのでしょうか?
大手企業を志望しているなら対策するのがおすすめ
構造的把握力検査は企業がオプションで実施する検査なので、大手企業に多い傾向にあります。
したがって対策するかどうかは、自身がどのような企業を志望しているのか(大手企業なのか、中小企業なのか)で判断すると良いかと思います。
特に超大手企業で使用されることが多いので、有名企業や人気企業を志望している人は対策しておくと安心ですね。
構造的把握力検査は、ポイントを押さえることで高得点を狙えます。こちらの記事で具体的な問題例や対策のコツをつかんでください。
構造的把握力検査ってなに? 勉強方法やコツを例題付きで解説!
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る性格検査はあくまで等身大の自分で臨むことが大切
性格検査と能力検査について理解できたでしょうか。
もしかしたら、性格検査で「企業が求める人物像に当てはまるように回答しよう」と思っている人もいるかもしれません。しかし企業に合わせて回答しようとすると、性格検査が原因で不採用になる可能性があり、注意が必要です。
SPIの性格検査には「ライスケール(Lie Scale)」という測定領域があり、回答で嘘をついていないかを判別しています。つまり、求める人物像かどうかを確かめるだけでなく、嘘をつく学生ではないかもチェックしているのです。
嘘をついて回答するとマイナス評価になる可能性が高いので、等身大としての自分の特徴を回答しましょう。
能力検査は基本的な問題を間違えないようにしよう
SPIの対策を始めると、難易度が高くて解けないと感じるかもしれません。たしかに少し対策をしたくらいでは、限られた時間で回答するのが難しい問題も多数あります。
しかしSPIの能力検査を解くうえで最も大切なことは、ハードルの高い問題よりも基本的な問題をすべて正答することです。
基本的な問題であっても、緊張感がある会場で受験すると時間制限に焦って間違えてしまいやすいものです。限られた時間で落ち着いて回答できるように、普段から時間を測ったり緊張感ある場所で対策したりすることも実践してください。
SPIの種類がわかったら対策を始めよう! 4つの秘訣
SPIの種類がわかったら対策を始めよう! 4つの秘訣
- 志望企業の適性検査の種類を調べる
- 一度問題を解いてみて実力を把握する
- 苦手分野はまず解法を理解する
- 繰り返し解いてスピードを高める
SPIの出題内容が理解できたら、さっそく対策を実行しましょう。これまで解説したとおり、SPIの出題範囲は幅広いです。忙しい就活中にSPIの対策だけにじっくり時間を割ける人は少ないので、コツを押さえて効率的な勉強をすることが大切です。
企業によって異なりますが、一般的にSPIの得点のボーダーラインは7割程度と言われているので、まずは7割以上の正答率を目指しましょう。もちろん7割以上の得点を狙えば、ほかの候補者と並んだときに少しでも高評価を得やすくなります。
ここではSPIの対策の4つの秘訣を解説するので、順番に確認して実践してみてください。
SPIの勉強方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。頻出問題についても解説しているのでぜひ活用しましょう。
効率抜群なSPIの勉強法|出題形式と頻出問題を踏まえた対策を伝授
①志望企業の適性検査の種類を調べる
先述のとおり、SPIの出題内容は受検形式や企業によって少しずつ異なります。そのためやみくもにSPIの勉強をすると当日勉強していない範囲が出題されたり、反対に不要な範囲まで勉強してしまって時間を無駄にしたりしかねません。
また志望企業で課される適性検査がSPIだとも限らないですよね。そのため勉強を始める前に、まずは志望企業がどの適性検査を実施するのか調べることが大切です。
OB・OG訪問の具体的なやり方はこちらの記事を確認しましょう。マナーを押さえることが重要なので、参考にして必ず事前に準備してくださいね。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
適性検査の種類を調べるにはおもに上記の方法があります。もしわからなければ、特に実施されることの多いテストセンター形式のSPIの問題集で、「基礎能力検査・英語能力検査・構造的把握力検査」のすべてを勉強しておくと、ほかの形式にも応用しやすいのでおすすめです。
URLから種類を見分ける方法
WEBテスティング形式の場合、適性検査の案内が企業からすでに送られていることもありますよね。その場合は、調べなくてもURLから適性検査の種類をある程度見分けることが可能です。
上記の図のように、適性検査は種類によってURLが異なるのです。自分に送られているURLと見比べて、合致するものがあればそのテストに合わせた対策をしてください。
Webテストのさらなる見分け方を知りたい人は、こちらの記事がおすすめです。全20種類の見分け方と、導入企業例を解説しています。
WEBテスト20種類の見分け方|URLや導入企業も併せて徹底解説
ほかにも志望企業の適性検査の種類を調べる方法として、やはり自身が通っている大学のキャリアセンターで調べるのが有効です。せっかく大学に通っているのだから、利用しない手はありません。
キャリアセンターでは学生から就活情報の収集をしています。過去にも先輩たちがさまざまな企業を受けてきているので、試験情報などもあるはずです。一度足を運んでみましょう。
②一度問題を解いてみて実力を把握する
いざSPIの勉強に着手する際は、参考書の端から順に解いていくのも悪くはありませんが、一度模擬試験などでざっと全範囲の問題を解いてみて、今の実力を把握するとその後の対策がスムーズになります。
人によっては自分の苦手分野がわかったり、反対にすらすら解けて特に対策が必要のない分野もわかったりするかもしれません。ぜひ一度模擬試験を受けて、先に自分の実力を把握してください。
SPIの模擬試験を無料で受けられるサイト
適性検査の練習をするなら、こちらの記事も併せてチェックしましょう。おすすめのサイト7選に加えて、書籍やアプリも紹介しています。
Web適性検査の練習でおすすめのサイト7選|本やアプリも紹介
SPIの問題集選びで悩んでいる人は以下の記事をチェックしてください。SPI講師が最適な問題集の選び方を解説しています。
SPI3の問題集22選|SPI講師が最適な問題集の選び方を解説
③苦手分野はまず解法を理解する
模擬試験で自分の得意・不得意がわかったら、苦手分野から対策していきましょう。苦手を早めに克服するコツは、先に解説を読んで、解法やポイントを理解することです。
たとえば非言語の数学の問題を苦手に感じる人が多いですが、たくさん問題を解いても解き方や考え方を理解していないと、なかなか力は付きません。まずは参考書などでプロの解説を読んで、どのように問題を読んで、どのような手順で答えを導けば良いのか確認しましょう。
SPIの対策におすすめの参考書の例
- 『これが本当のSPI3だ!』講談社
テストセンター・WEBテスティング・ペーパーテスティングの主要3形式に対応。400ページ超えのボリュームで初心者にもわかりやすい - 『史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集』ナツメ社
テストセンター形式の最新頻出問題を収録。40分で受ける本格的な模擬テスト付き
非言語だけでなく、言語分野や構造的把握力検査、英語能力検査にも解法のコツがあります。企業によって異なる! SPIの出題内容は1~4種類でキャリアコンサルタントが解説したポイントを参考にしたり、参考書を読んだりして、解法を理解することを心掛けてください。
多くの学生が非言語の推論問題を苦手と感じていますが、推論にはいくつかの解法パターンがあります。
高得点を取るためには問題集を活用して、「問題を見た瞬間に解法が思いつくようになる」まで繰り返し問題を解きましょう。
- 苦手分野が多すぎる場合はどうやって勉強したら良いですか?
基礎から毎日少しずつ学び直して周囲のアドバイスも受けよう
まずは自分の苦手な分野をすべて洗い出しましょう。それらの分野に焦点を当て、基本から学び直すことが重要です。
たとえば数学が苦手なら、基本的な数学の教科書や参考書を使って、基礎から復習してください。またSPIに特化した参考書やオンラインの学習プログラムを利用するのも効果的です。
加えて時間管理も大切なので、短期間ですべてをカバーしようとせず、毎日一定の時間を苦手分野の勉強に割り当てることで、徐々に理解を深めていきましょう。
また模擬試験を定期的に解いて、進捗を確認することも大切です。
自分一人で勉強するのが難しい場合は、友人や先輩などのサポートを利用するのも一つの方法です。他人視点からのアドバイスや解説を受けることで、新たに理解が深まることもありますよ。
こちらの記事では適性検査の数学についてプロが徹底解説しています。数学に苦手意識のある人は参考にしてみてください。
関連記事
適性検査の数学をプロが徹底解説! 種類別に例題&特徴も紹介
適性検査の数学について徹底解説。適性検査の数学にはSPIや玉手箱など様々な種類がありますが、網羅的に解説しています。キャリアコンサルタントが問題を解くコツについてコメントしているため、これから対策する人はぜひご覧ください。
記事を読む
④繰り返し解いてスピードを高める
SPIは中学~高校レベルの問題が出題されるため、難易度はそれほど高くありませんが、問題数が多く、一問につき数十秒~1分以内とスピーディに回答する必要があります。
つまりただ解けるようになるだけでなく、問題に慣れて、素早く答えを導けるようになる必要があるのです。高得点を目指すのであれば、「この問題はこういう手順で解く」とパッと解き方が浮かぶくらいが理想です。
そのためには次々と新しい参考書に手を出すよりも、一冊の参考書を繰り返し解いて、着実に力を付けることが大切です。暗記問題については日々の積み重ねが勝負を分けるので、無料のアプリなどを利用して、コツコツ勉強しましょう。
SPIの対策に使える無料アプリ
こちらのQ&Aでも、SPIを時間内に解くためのポイントをキャリアコンサルタントが解説しています。焦らず回答するためにぜひ参考にしてください。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見るSPIの対策は参考書に加えて模擬試験やアプリを活用しよう
まず、志望企業がどの適性検査を実施しているかを調べましょう。SPIの出題内容は企業や受検形式によって異なるため、このステップは非常に重要です。
わからない場合は、テストセンター形式のSPIの問題集を使って、基礎能力検査、英語能力検査、構造的把握力検査をすべて勉強することをおすすめします。
次に、模擬試験を受けて自分の現在の実力を把握しましょう。これにより、どの分野に重点を置いて勉強すべきかが明確になります。
苦手な分野が見つかったら、まずは解法を理解することから始めてください。解説を読んで、問題の解き方やポイントを把握することが大切です。
コツコツ勉強すれば結果が付いてくる
繰り返し問題を解いて、スピードを高める練習をしましょう。SPIは時間制限があるため、迅速に正確に問題を解く能力が求められます。一冊の参考書を何度も繰り返し使うことで問題に慣れ、効率的に解答できるようになります。
最後に、日々の積み重ねが重要だと覚えておきましょう。無料のアプリなどを活用して、コツコツと勉強を続けてください。SPI対策は一朝一夕にはいかないものですが、地道な努力が必ず成果をもたらします。頑張ってください!
SPIは数ある適性検査の一つ! ほかのおもな種類も知っておこう
SPIの種類や対策方法を解説してきましたが、就活ではSPIの勉強だけでは不十分な場合もあります。先述のとおり、SPIはあくまでも30種類ほどある適性検査のうちの一つであるため、志望企業によってはほかのテストを受ける可能性もあるからです。
全部をまんべんなく対策する必要はありませんが、おもな種類を把握して、自分の状況に応じて必要なら対策をしておきましょう。ここではSPI以外に特にメジャーな4つの適性検査を解説します。
玉手箱
玉手箱は日本エス・エイチ・エル(SHL)社が提供する、SPIと並んで就活でよく使われる適性検査です。自宅かテストセンターで、パソコンで受検します。
出題内容は以下のとおりでSPIと似ていますが、問題数が多いのにもかかわらず回答時間が短いため、SPIよりやや難しいと言われています。
玉手箱の出題内容
- 性格検査
- 言語
- 計数
- 英語
玉手箱の大きな特徴が、同じ問題形式からは1種類の問題しか出題されないことです。たとえば言語の中の「長文読解」なら、長文をもとに設問に答えるという問題だけが連続で何問も出題されます。そのため苦手をなくすことが鍵になります。
玉手箱は多数の企業で導入されていて、特に大手企業やメーカー、金融などの人気業界で採用される傾向にあります。自分の志望状況に合わせて、玉手箱も早めに対策すると安心です。
玉手箱を調べると回答が出てくることがあります。答えを見ながら受けてもバレないと思っている人もいるかもしれませんが、不正にあたる行為です。以下の記事では答えを見ながら受けるリスクを解説しているのでぜひチェックしてください。
玉手箱で答えを見るのはリスクだらけ|自力で攻略する方法を解説
SPIよりやや難しいと言われる玉手箱ですが以下の記事では練習方法についてプロが詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
玉手箱はどう練習する? 対策のプロが出題内容別の対策方法を解説
- SPIと内容が似てるなら玉手箱独自の問題だけ勉強しようと思うのですが、どこに注力すべきでしょうか?
玉手箱は計数問題を攻略することがポイント
注力すべきなのは「計数」分野です。中でも、「表の空欄を推測」する問題を苦手とする人が多いです。
表に示されているさまざまな情報から、必要な情報だけを読み解き、その規則性から空欄に入る値を導き出すという問題です。
着眼点が非常に大切になってくるので、その目を養うためにも問題に慣れていく必要があります。それにはある程度問題をこなしていかなければならないので、「表の空欄を推測」する問題に注力しましょう。
玉手箱とSPIの違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。それぞれの特徴を踏まえた対策方法も解説しているので、これから勉強する人は必見です。
玉手箱とSPIは別物! 違いやそれぞれの出題内容・対策方法を解説
玉手箱の対策をするなら、こちらの記事もおすすめです。玉手箱ならではの対策のコツをつかんで、効率的に攻略しましょう。
玉手箱とは? 出題内容や突破するための解き方のコツを徹底解説
CAB
CABは、玉手箱と同様にSHL社が提供する適性検査です。ペーパーテスティングとWEBテスティングの2形式があり、後者は「Web-CAB」と呼ばれ、聞いたことがある人もいるかもしれません。
CABの出題内容は以下のとおりで、ほかの適性検査と異なり、言語問題は出題されません。代わりに中学・高校では習わなかった「暗算」や「法則性」などの問題が出題され、回答時間も短いため、難易度は高めです。
CABの出題内容
- 性格検査
- 暗算
- 法則性
- 命令表
- 暗号
出題内容からも想像できるとおり、CABはエンジニアなどのIT企業や理系職種の選考で導入される傾向にあります。志望企業がCABを採用している場合や、IT業界を志望している場合は事前に対策することをおすすめします。
どんな問題が出題されるか知りたい場合は、sweet peaなどのサイトで無料の問題に触れられます。
Web-CABの例題はこちらの記事でも解説しています。ハイスコアを取る方法もキャリアコンサルタントが解説しているので、ぜひ参考にしましょう。
Web-CABでハイスコアを取る! 例題付きで突破するコツを解説
CABは個人の経験やスキルだけでなく性格や価値観も重視するため、コミュニケーション能力やチームワーク、倫理観など、個人の性格や背景が業務遂行に大きく影響する職種にも適用されます。
したがって、マーケティング、営業、人事などを希望する人は勉強するべきでしょう。
GAB
玉手箱とCABに加えてもう一つ、SHL社が提供する適性検査にGABがあります。GABもCABと同じくペーパーテスティングとWEBテスティング形式があり、後者を「Web-GAB」と呼びます。
GABの出題内容
- 性格検査
- 言語
- 計数
GABは特に大手企業で導入される傾向にあり、総合商社、コンサル、金融、不動産などの業界が例に挙げられます。大手企業や人気業界を視野に入れている人は、GABの勉強も検討しましょう。
まずはどれくらい難しいのか知りたい場合は、大人塾のサイトで無料の模擬試験を受けられます。
Web-GABについてはこちらの記事で詳しく解説しています。出題内容には特徴があるので、ぜひ併せてチェックして高得点を獲得しましょう。
Web-GAB対策を完全網羅|出題内容から突破のコツまで解説
- SPIの対策だけではGABの問題は解けないでしょうか?
SPIとGABは別の対策が必要
限られた就活期間で対策をするなら、SPIとGABのどちらかに絞って対策したいと思いますよね。
しかし、それぞれの適性検査は開発元の企業が異なるだけでなく、適性検査の目的が大きく異なります。そのため残念ながら、別々の対策が必要です。
さらにGABは長文読解や図形の読み取りが多く、SPIよりも難易度が高いと言われています。GABを受験する学生は、SPIに加えてGABの対策をしてから受検しましょう。
TG-WEB
TG-WEBは適性検査の中でも特に難易度が高いと言われています。従来型と新型の2種類があり、どちらが実施されるかは企業によって異なりますが、出題内容はどちらも以下のとおりです。
TG-WEBの出題内容
- 性格検査
- 言語
- 計数
- 英語
高校までの勉強では見慣れない問題も多く、特に計数問題は暗号読解や推論などの特殊な問題が出るため、志望企業が導入している場合は事前の対策が必須です。
TG-WEBを提供するヒューマネージ社によれば、2,500社の導入実績があり、年間60万人以上が受検しています。
SPIや玉手箱などと比較すると受ける可能性は低いですが、同社によると以下のような大手企業や外資系企業を中心に導入事例があるので、参考に調べてみてください。
TG-WEBの導入企業例
TG-WEBは問題のポイントを知らないと、スムーズに対策するのが難しいです。こちらの記事で対策方法やコツをつかみましょう。
TG-WEBを突破する方法|例題付きで対策方法やコツを徹底解説
これらの適性検査以外に知っておくと役立つものとして、SCOAという適性検査があります。
どういったものかを簡単に説明すると、中学で学ぶ5教科(国、数、英、理、社)の問題を中心に出題されるようなイメージです。
最近では民間企業のみならず、公務員試験でも数多く採用されています。勉強していれば進路選択の可能性が広がると思いますよ。
SCOAについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せて対策したい人はぜひ勉強のポイントを確認してくださいね。
SCOA徹底対策|6つの特徴と高得点を狙う勉強法を例題つきで解説
SPIの種類を理解して適切な対策で合格ラインを突破しよう
SPIの種類や種類ごとの違いを解説しました。大学生の就活であれば基本的にSPI-Uが出題されるため、SPI-Uの4つの形式や出題内容をしっかり押さえましょう。
また就活ではSPI以外の適性検査が課されることもあります。種類ごとの特徴を理解して、自分に必要な対策をすることも大切です。
とはいえ、一般的にほとんどの学生はSPIを受ける機会があると考えられます。解説した対策のコツをもとに、効果的な勉強で高得点を獲得してください。
アドバイザーコメント
中村 彰
プロフィールを見るSPIは4種類の形式を理解したうえで正しい対策をしよう
この記事で、一口にSPIといってもさまざまな種類があることがわかったかと思います。
「WEBテスティング」「テストセンター」「ペーパーテスティング」「インハウスCBT」という4つの形式があること。そして各々の形式に特徴があるということをしっかり理解しておきましょう。それらを理解することで、正しい方向性で、正しい対策がおこなえます。
またSPIは適性検査の一つということも確認しましたね。SPIのほかにも、「玉手箱」「CAB・GAB」「TG-WEB」などがあり、内容や難易度も違ってきます。
特に玉手箱は企業の採用試験でよく使用されるので、SPIと併せてこちらも早めに対策しておくことをおすすめします。
志望企業の適性検査の種類を調べることがスタート
就職活動は情報戦です。いかに正しい情報を手に入れて、正しい対策をするかで、結果は大きく変わっていきます。
自分が志望する企業がどの適性検査を実施しているのか、どの形式なのかなど、事前に情報収集をして準備しておいてください。
効果的な勉強をおこない、なるべく高得点で適性検査を通過できるように頑張っていきましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
適性検査対策講師
Akira Nakamura〇学校事務や大学講座運営などの企業にて、営業や講師、キャリア相談など幅広い業務を担当。現在はフリーランスとして、面接指導や適性検査「SPI」の講師を務める
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細