この記事のまとめ
- 自分の疑問や不満と向き合って、納得のいく「働く意味」を見つけよう
- 働く意味はさまざまな観点から掘り下げて考えるのがコツ
- 就活で働く意味を問われたときには回答に注意が必要
- 適職診断
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この記事を読んでいる人に
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社会人として働く将来が刻々と近づくにつれて、「働く意味なんてあるのか」「なぜ働かないといけないのか」と、不安や疑問が膨らむ学生も多いのではないでしょうか。
働くことに対して後ろ向きな気持ちは、一見甘えや現実逃避のように捉えられますが、むしろ社会人になるということ、働くということに対して、真剣に向き合うきっかけになります。
この記事では、キャリアアドバイザーの田邉さん、永田さん、谷所さんのアドバイスを交えつつ、学生が抱える働く意味に対する疑問に、真向から向き合います。面接で「働く意味とは?」と聞かれた場合の回答法も伝授するので、ぜひ参考にしてください。
働く意味に正解はないからこそ突き詰めて考えることが重要
世の中の多くの大人は、職業や働き方は違えども、日々人の役に立つ仕事をしているという点で共通しています。しかし、たとえ同じ仕事に従事していても、働く目的や意味は個人によってさまざまです。
記事では、まず、働くことに関する学生のイメージを整理し複数の角度から働く意味を掘り下げて解説します。それぞれの価値観や考え方に合った働く意味を見つけたうえで、次に解説する就活で役立つ回答法を習得しましょう。
働く意味や目的には、正解も優劣もありませんが、確固たる意味を自覚して働いている人は、生き生きと仕事をしていたり、自分らしく暮らしています。この機会にぜひ、自分が心から納得できる、働く意味を見つけましょう。
働く意味を言語化することは、仕事の達成感が大きく変わるほど重要です。やらされている感があると、自分にとって成長の機会になるチャンスを逃してしまうことがあります。納得感を持って仕事するためにもきちんと向き合いましょう。
以下の記事では自分らしく働くためのコツを解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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あなたの弱みや性格から受けない方がいい職業がわかります!
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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働く意味なんてない? 働く意味を否定的に考えてしまう理由
働く意味なんてない? 働く意味を否定的に考えてしまう理由
- 働くことに良いイメージがない
- 学生生活に満足している
働く意味を疑問に思う学生は、「そもそも働く意味なんてないのでは」と、働くことに否定的な場合が多いです。学生から社会人へと、大きく環境が変化することに抵抗を抱くのは決して珍しいことではありません。
しかし、鬱屈とした気持ちのまま働く意味を見つけることは困難です。まずは、なぜ働くことを嫌だと思うのか、自分の感情を整理してみましょう。
ここでは、働く意味を否定的に考えてしまう2つの理由を解説するので、自分の感情と照らし合わせてみてください。働くことに対する鬱屈とした気持ち、もやもやした気持ちと向き合い、冷静な目線で働く意味について考えていきましょう。
「就職したくない」という気持ちは、決して甘えではありません。ただ、延々とモヤモヤした気持ちを抱えている状況は自分にとって良くないので、こちらの記事も読んで、マイナスな感情との向き合い方を習得しましょう。
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- 働きたくないです。卒業したら働くと思うと憂鬱で仕方ないです。こんな自分は異常ですか。
ゆっくりと働く準備を始めてみよう
卒業後に入社して働くことに対して、モチベーションが湧かないのはごく普通の感情です。心配はいりません。
むしろ、まだ未知の世界に対して恐れや葛藤、緊張や不安、さまざまな気持ちが出てきてそのような気持ちになるのが自然かと思います。
まずは、通勤をイメージして職場の前まで行ってみたり、仕事着を試着してみたり、今できることを少しずつしながら自分が働いている姿を想像してみると、気持ちが落ち着いてくるかもしれませんね。
ゆっくりとで良いので準備していきましょう。
働くことに良いイメージがない
「働きたくない」「働く意味がわからない」という学生のほとんどが、働くことに対してマイナスなイメージを持っています。
実際、現役の社会人を見てみると、仕事に対して前向きな人が多いとは言えません。SNSやネットの掲示板を見ても、仕事に対してマイナスな意見が溢れているので、そういった情報に多く触れている学生は、働くことに対して否定的な感情を持っても無理はありません。
働くことに対するマイナスなイメージの具体例
- 上司や顧客に理不尽に怒られそう
- 自由な時間がなくなりそう
- 拘束される時間が長くてきつそう
- 毎日早起きするのが大変そう
働きたくない人のなかには、仕事が怖いと思っている人がいるかもしれません。次の記事では、仕事が怖いと感じる原因や対処法について解説しています。怖いと感じている人はぜひ読んでみてくださいね。
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学生生活に満足している
新卒で入社すると、たくさんの新しいことを覚えなくてはならず、慣れるまでにそれなりの時間がかかります。また、人間関係が一からスタートすることに不安を感じている人も多いです。
環境の変化に強く抵抗を感じるということは、それだけ現状に満足していることの裏返しとも捉えられます。
働くことに不安を感じている人は、大学に信頼できる友人がいたり、学習や研究に集中できる環境が整っていたり、羽を伸ばせる自由な時間が充実していたなど学生時代に満足している人が多い傾向にあります。
これ以外にも、「働く意味なんてない」と考えてしまう原因として、「演劇をやりたい」「音楽をやりたい」など仕事以外のことに没頭したいという原因が考えられます。
資格取得のための勉強が理由で、働くことから逃避してしまうケースもあります。
そのほか、結婚したい相手がいて家庭に入るからといった原因も考えられます。
学生である今働く意味を考えるメリット
学生である今働く意味を考えるメリット
- 仕事選びの軸ができる
- 納得感を維持して働ける
働くことに否定的な意見について取り挙げてきましたが、マイナスな感情がきっかけとはいえ、働く意味について考えることは将来的にメリットとなることが多いです。
さらに、社会人の準備期間である今だからこそ、働く意味を考えることで就活に活かせる利点があります。
ここでは、学生である今、働く意味を考えるメリットについて解説します。ぜひ、働く意味について考えるきっかけを得られたことをプラスに捉え、キャリアの指針としていきましょう。
働く上での一つの目標として、昇進が挙げられるのではないでしょうか。次の記事では、プロジェクトマネージャーについて解説しています。キャリアの指針の参考にしてみてくださいね。
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仕事選びの軸ができる
働く意味について考えることは、自分が仕事をするうえで外せない条件を明確にすることにつながります。簡単にたとえると、「たくさんのお金を得ること」が働く意味の人であれば、「たくさんのお金を得られる」という条件を満たす仕事を探すことになります。
就活では、数多くの業界や企業から自分の理想や希望を叶える場所を選ばなくてはなりません。より自分に適した環境を選ぶには、軸を明確にすることが欠かせません。働く意味について突き詰めて考え、仕事選びの軸を確立させましょう。
企業選びの軸は、就活に影響するだけでなく今後のキャリアをも左右します。「軸がわからない」という人も、こちらの記事で軸の見つけ方を一から解説してるので、ぜひ参考にしてください。
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納得感を維持して働ける
社会人として働き始めると、想像以上に辛いことや予想外の事態に直面することがありえます。そんな時でも働く意味があると納得できれば、ふんばれたり、割り切って仕事をすることができます。
たとえば、「不満はあるが意味があることだから仕方がない」「目的を達成するためだからきついけど頑張ろう」というように、困難な局面を乗り越える支柱になるのです。
一方、働く意味を自覚していないと、壁に直面するたびに「どうしてこんなに辛い思いをしなくてはならないのか」と不満や悩みを募らせることになります。
学生である今、働く意味を見つけることで社会人になっても納得感を維持して働き続けることができるのです。
特に現代社会は仕事に対する主体性が求められるため、働く意味を自覚することも含めて、自分のキャリアと向き合うことが必要不可欠です。こちらの記事で、キャリア形成の進め方を解説しているので参考にしてくださいね。
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アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る働く意味を考えることでワークライフバランスが充実する
「働くことの意味を考える」と仕事のことだけを考えてしまう学生が多いです。
しかし、働く意味を考えると、プライベートの時間であるライフキャリアを考えることにもつながります。そして、ワークライフバランスを充実させることにもつながるのです。
ワークライフバランスとは、仕事を表すワークと、趣味や学習、休養、育児など生活を表すライフのバランスがとれた状態のことです。学生であっても、どのように生活を充実させたいかを考えることはできますよね。
生活を充実させるという観点から仕事について考えてみよう
しかし、生活を充実させるためには、お金や社会的信用を得るために仕事をすることも求められます。このように仕事とプライベートは密接にかかわっているため、働く意義を考えるということは、ライフキャリアの充実を考えることとも捉えられますよね。
働く意味を考えることで、仕事だけでなく生活を充実させることにもつながるため、働く意味と向き合うことは必ず実践しましょう。
知っておきたい大前提! 世の中の仕組みから働くことは不可欠といえる
「大人だったら働くことが当たり前」「働いて自立してこそ一人前」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。このような固定概念は負担に感じますよね。ただ、これらの主張にはしっかりとした背景があるのです。
ここでは、大前提としてそもそもなぜ「仕事」が存在するのか、大人は働くことが当たり前とされるのかについて解説していきます。
結論を言えば、世の中の仕組みが働くことを不可欠としているからです。言い換えると、大人が働かないと世の中は成立しないようになっています。この仕組みについて詳しく見ていきましょう。
社会は人と人の助け合いが必要不可欠
聞き飽きた言葉かもしれませんが、人は1人で生きていくことができません。必要だけど自分でできないことを人にしてもらい、対価としてお金を払うことで生活できます。
また、できないことは一つではありません。数多くの「自分でできないこと」に対応してくれる人がいることで、わたしたちは充実した生活を営むことができています。
子どもであるうちは、してもらう側にいることがほとんどでしょう。しかし、大人になると、してもらうだけではなく誰かの役に立つことが求められます。なぜなら、前述したように、誰かができないことを補い合うことで人々の生活が成立しているからです。
誰かの役に立ち、対価としてお金をもらうことが働くということです。納得できるかどうかは別として、すべての労働者に共通して誰かの役に立つことが働く意味となっているのです。
- 本当にすべての仕事が誰かの役に立っているんでしょうか?
どんな仕事も必要な人がいるから存在する
あらゆる仕事は誰かのためになることをおこない、対価としてお金をもらうことが働くという意味なので、間違いなく人の役に立っています。
たとえば、完成された製品は、製造から販売まで多くの人が携わりますが、どこか一部門でも欠けてしまうと、必要とする人が購入することが難しくなるでしょう。顧客が購入することで、携わったすべての人に対価が支払えるのです。
答えは人それぞれ! さまざまな観点から働く意味を探してみよう
アルバイトをする意味や目的は人それぞれですよね。欲しいものを買うためという人もいれば、社会経験のため、就活のネタ作り、交友関係を広げるためなどさまざまな理由があったはずです。
また、意味や目的は一つではなく、「お金もほしいしスキルを身につけたい」というように、複数の場合もありますよね。働く意味も同様に人それぞれで、いくつあるかも人によって異なります。
ここでは、3つの観点から働く意味について取り上げそれぞれを掘り下げて解説していきます。観点を変えることで、これまで見えていなかった働く意味も知ることができます。それぞれの観点から、働く意味を突き詰めて考えてみましょう。
自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!
自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。
そんな時は「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば簡単な質問に答えていくだけで、あなたの強み・弱みが簡単にわかります。
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切っても切れない関係? お金に関する働く意味
切っても切れない関係? お金に関する働く意味
- 生活に必要なお金を得る
- 欲しい商品やサービスを購入する
- 将来お金が必要な場面に備える
令和3年度、内閣府が実施した国民世論調査において、働く目的は何かという質問項目がありました。この質問に対し、「お金を得るために働く」と答えた人は61.1%と最も高い割合になっています。
この結果から、それだけ多くの人にとって、お金は働くことと切り離せない関係であることがわかります。ここから掘り下げて考えると、なぜお金を得る必要があるのかという疑問が生まれるのではないでしょうか。
お金の必要性は多くの人が感じていることですが、働く意味が「収入を得るため」では漠然としています。お金を得る目的、つまり使い道を明確にすることで、より納得感のある働く意味になるのです。
①生活に必要なお金を得る
世の中の仕組みでは、誰かの仕事に助けてもらったとき、対価としてお金を払う必要があります。食事や入浴、睡眠などの際にも、使用するものやサービスを手に入れるのにお金が必要です。
自給自足でない限り、最低限の生活を送るうえでもお金は必ず必要なため、収入を得るためにも働くことは避けようがないという人がほとんどです。
一方で言い方を変えれば、仕事をし続ければ安心して生活していけるということでもあり、これは多くの人に共通する働く意味といえます。
②欲しい商品やサービスを購入する
世の中には生活に必ずしも必要ではないけど、人々の暮らしを楽にしたり、楽しませる商品やサービスがたくさんあります。高価な車や化粧品、旅行などの娯楽もその一つです。
その中で何を優先的に欲するかは人によって異なりますが、欲しいと思う気持ちが強いと、「商品を購入するために頑張って働いて稼ごう」というようにモチベーションも高まりやすいです。
趣味にお金を使うためにアルバイトをしている学生も多いですが、社会人も同様に趣味を大事にしている人は多くいます。学生のアルバイトに比べると収入は増える場合が多いため、使い道をより広げることもできますよ。
③将来お金が必要な場面に備える
結婚や出産、引越し、介護といったライフイベントには多額のお金がかかるため、それらに備えて働いたお金を貯金する人も多くいます。
また、この先事故に巻き込まれたり、大きな病気やけがをするなど予期せずお金が必要になる場面もないとは言い切れません。定年後の生活費は、年金だけでは厳しいとされています。このように、将来お金が必要になる場面は何度も訪れます。
将来起こりうるお金が必要な場面に備えて、働いたお金を貯金しておくというのも働く意味の一つです。
アドバイザーコメント
永田 修也
プロフィールを見るお金を働く意味と捉えるにはメリットとデメリットがある
お金を働く意味と捉えるメリットとしては、モチベーションの維持に非常に役に立つことです。お金なんてそれほど必要ないと思っていても、働く中で昇給や昇格してお給料が上がるとうれしい気持ちになりますよね。
それは単純に賃金が上がったからうれしいのではなく、「自分という人間が評価されたこと」に対する喜びだと思います。
いわば、自分の中の承認欲求が満たされた状態であり、認められたということがお金という形で表されるため、モチベーションにつながるのではないかと考えられます。
働く意味をお金で判断する危険性
反対にデメリットとしては「お金ですべてを判断してしまう」という価値観が出来上がってしまう懸念があります。
たとえば、同僚が昇給しているタイミングで自分が同じように賃金が上がらなかった時。こういった場合に「自分はあの同僚より評価が低いんだ」と決めつけてしまいかねません。
実際は会社からの評価はそのようなことはないのかもしれないのにもかかわらず、自分だけで評価を下してしまう可能性があります。お金だけに働く意味を感じているのであれば、このような事態に陥って、会社を辞めたくなってしまうという危険性も孕んでいます。
夢を叶える手段としての働く意味
夢を叶える手段としての働く意味
- 自立する
- 自分を成長させる
- 社会に認めてもらう
仕事は、将来の夢や目標を叶える手段にもなります。将来の夢というと「サッカー選手」「パティシエ」のように特定の職業を目指すことのように捉えられますが、それだけではありません。
将来ありたい姿ややりとげたいことは、就職しただけでは成し遂げられず、働いて経験を重ねていくことでたどり着けるものです。ここでは、夢を叶える手段としての働く意味を考えていきましょう。
①自立する
学生時代は、保護者から学費や生活費を支援してもらっている人も多いのではないでしょうか。
社会人として働くと、給与という形でお金を得られるようになります。自分で稼いだお金の使い道は自分で決めるため、そうすると「住む家を決める」「車を買う」など、大きな選択も自分でできるようになりますね。
このように働いてお金を得ることで、親や周りの支援に頼らず自分の力で生きていけるようにもなるのです。
働くことは自分のキャリアを築くこととも考えられます。社会人になるまでは正解を求めてテストを受けることが多いですが、働くことに正解はありません。
正解がない中で自分が納得できるキャリアを形成することは、まさに自立といえますね。
②自分を成長させる
社会人として自身の能力を伸ばすために働いている人も多くいます。働くことでビジネスのノウハウを学んだり、人脈を広げることができ、仕事を通して成長することができます。
特に理想のビジネスパーソン像があったり叶えたい夢や目標がある人は、仕事に対して積極的になります。そのような人たちにとっては、自己成長が働く意味につながりやすいです。
自分を成長させるために大事なのは、まず「現時点の自分の姿」を知ることではないでしょうか。自分を成長させることは素晴らしいことであり、目標へ向かって進むことも大事です。
一方で、今の自分がいる地点を把握しなければ、そのギャップを埋めることはできません。そのため、まずは現状把握し成長までの道のりを測ってみましょう。
③社会に認めてもらう
働くことがすべてではありませんが、働いていない人は社会的な信用を得られないケースもあります。そのため、自分の存在価値を得るために、働いているという側面もあるといえます。
また、「新しいビジネスを始めた人物として名を残したい」「自分が制作した作品を多くの人に見てもらいたい」など、仕事を通して社会的認知度を高めたい人もいるでしょう。
このように程度は人によってさまざまですが、社会から認めてもらいたいという欲求も働く意味になります。
あなたが受けない方がいい職業を確認して下さい
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
仕事のやりがいに関する働く意味
仕事のやりがいに関する働く意味
- 人の役に立つ
- 社会の役に立つ
- 達成感を得る
- 多様な価値観に触れる
- 知識やスキルが身につく
働いていると、苦しい場面、辛いときがある一方で「やってて良かった」と思う瞬間に立ち会うこともあります。やりがいは苦しい局面を乗り切る原動力にもなるのです。
仕事をすると、学生のときにはかかわれなかったようなたくさんの人と出会ったり、体験できなかったことに触れられます。ここでは、そのような仕事ならではのやりがいにかかわる働く意味を見ていきましょう。
①人の役に立つ
前提としてすべての仕事は誰かの役に立っているからこそ存在していますが、やはり人から直接「ありがとう」と感謝されたときに、そのことを実感できるのではないでしょうか。
直接感謝の言葉がなくても、自分の仕事が人の役に立っていると実感できれば自分が働く意味があると思えます。
特に、医療従事者や社会福祉士のような仕事は、困っている人たちを救う仕事です。目の前にいる人の役に立つことが働く意味となっているでしょう。
また世の中には、美容師やウェディングプランナー、テーマパークのスタッフのように人を幸せにする仕事も豊富にあります。この人たちにとっても、目の前のお客さんの役に立つことは働くうえでの大きなやりがいになります。
②社会の役に立つ
社会の役に立つということは、直接的あるいは間接的に誰かの役に立っているということです。すべての仕事は社会の役に立っているといえ、それが実感できるほど働く意味につながりやすくなります。
社会貢献をどの程度実感しながら仕事ができるかは、企業によっても働く人によっても異なりますが、程度の差はあれど社会の役に立っていると実感するとやりがいを感じやすいです。
③達成感を得る
仕事をやり終えた後の達成感は何事にも代え難いものです。特に費やした労力が大きければ大きいほど、得られる達成感も大きくなります。
働いていると「営業目標を達成した」「難しいプロジェクトが成功した」など、達成感を得られる場面があります。
達成感を得られると「大変だったけどやって良かった」と思うだけではなく、1つの仕事をやり遂げたことが自信になり、さらに大きな仕事に挑戦してみようという意欲にもつながります。
この達成感を得るために、困難な仕事にもコツコツと取り組める人たちも大勢いるのです。
④多様な価値観に触れる
前述したとおり、仕事では今まで接点のなかった多様な人たちとかかわることになります。
学生までは、歳が近く性別も同じ人たちとかかわることが多かったと思います。しかし、仕事でかかわる人たちは、年齢、出身、学歴などの背景そして価値観もさまざまです。
自分とは異なる価値観に触れると、自分の視野も広げることができます。仕事を通して多様な価値観に触れ、今までとは異なるものの見方を知ったり、知らなかった情報に触れることをやりがいと感じる人たちもいるのです。
仕事では、普段はかかわる機会が少ない経営者や、自分が興味なかった分野で活躍している人と接する機会があります。
また、仕事を通じてこのような人に対して支援をする機会を作ることもできます。これらの経験から、働くことで価値観を広げることができるのです。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る人の役に立つことで存在価値を実感しやりがいを感じる
どんな仕事も社会とかかわりを持ち、人の役に立つことで、社会における存在価値を見出すことができ、仕事のやりがいにつながっています。
人の役に立つことは、医療従事者やサービス業に携わっている人のように、直接患者や顧客から「ありがとう」と感謝の言葉をもらう仕事だけではありません。たとえば道路工事などのインフラに携わる人たちは、直接的に見えないかたちで人の役に立っています。
仕事をやり終えた達成感も、人の役に立つ仕事ができたという気持ちがベースにあります。
どんなやりがいもベースになるのは人の役に立つということ
素晴らしい技術やサービスを提供することで、多くの報酬を得ることにやりがいを感じる場合でも、人の役に立たなければ報酬が得られないので、間接的に人の役に立つことがやりがいになっているのです。
仕事はスキルを高めることが目的ではなく、スキルを高めてより人のためになる仕事をおこなうことが、本来の目的になります。
どんな仕事でも人のためにおこなう仕事だからこそ、やりがいや達成感を見出すことができ、結果自分自身のための仕事になっているのです。
以下の記事では、人の役に立つ仕事を解説しています。「人の役に立つ仕事がしたい」と考える人は、こちらも参考にしてみてくださいね。
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「困っている人を助けたい」「サポートするのが好き」という人は、人の役に立つ仕事を選ぶことを検討してみましょう。この記事では、人の役に立つ仕事について、キャリアコンサルタントのアドバイスを交えつつ解説します。
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⑤知識やスキルが身につく
仕事を通して自分の知識やスキルが増えていくことで、充実感を感じられます。できることが増えてうれしいと感じた経験は、誰もが身に覚えがあるのではないでしょうか。
働いているとさまざまな知識やスキルが求められます。基本的なビジネスマナーやPCスキルは、入社してまもなく身につけることになるでしょう。
業界や企業、職種によってさまざまな知識やスキルを得られます。それにやりがいを感じ、働く意味と捉えている人もいます。
- 知識やスキルは、その仕事に関するものしかつかないので、働くモチベーションにはつながりにくく感じます……。
仕事へ取り組む姿勢はあらゆることに応用可能
もちろん、専門的なスキルというのはその業種に限ったものなので、ほかの職種への応用は難しいかもしれません。たとえば、美容師が髪の毛のカットができるようになっても、車の整備士としてそのスキルを活かすのは難しいですね。
しかし、視点を変えて見てみれば、いかに仕事を効率良くこなすかであったり、手を抜かずにこだわって作業するかなどといった「取り組む姿勢」はどんな仕事でも必要になるのです。
そのため、そのような視点から物事を見ることでモチベーションの向上につなげてみてはいかがでしょうか。
まずは自己分析ツールで自分の強み・弱みを確認しよう!
・自己PRや志望動機に使える長所を知りたい人
・自分にあった仕事を知りたい人
建前では意味がない! 心から納得できる働く意味を見つける方法
建前では意味がない! 心から納得できる働く意味を見つける方法
- 自己分析をおこなう
- ボランティアやアルバイトをする
- インターンシップに参加する
ここまでで複数の働く意味を列挙してきましたが、この中から焦って働く意味を見つける必要はありません。
漠然としたまま働く意味を決めたり、周りに合わせてなんとなく考えてしまうと、自分が本当に希望する企業を考えられなかったり、働き始めても同じように働く意味を否定的に考えてしまうリスクがあります。
自分にとっての働く意味を探す方法を解説するので、ぜひ実践してみましょう。
自己分析をおこなう
「自分のことは理解しているつもり」という人も、一度自己分析をしてみましょう。自己分析をすることで、知らなかった自分に出会える可能性があります。
「自分の価値観はこう」と思い込んでいたとしても、過去の経験の振り返りから、意外な思考や行動に気づけることがあります。
たとえば、「人と話すことが苦手だから、人とかかわることは働く意味に感じづらい」という自己認識があったとしても、過去を振り返ると人から感謝されてうれしかった経験があるかもしれません。この場合、働く意味として「人から感謝される」が考えられますね。
自己分析のマニュアルはこちらです。この記事に沿って、自分の過去や、考え方を詳しく整理しましょう。
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学生時代の価値観が働くことの意味につながる
学生時代の経験と働くことはまったく別の経験に感じますよね。しかし、物事に取り組むときの価値観は、学生時代であっても社会人であっても大きく変わることはありません。
そのため、今までの経験を自己分析で振り返ると、働く意味や目的を探すことにつながるのです。
ボランティアやアルバイトをする
その人にとって何が働く意味になるかは、実際に働いてみない限りわからないこともあります。
アルバイトは実際に仕事をするため、学生のうちから働く意味を実感することができます。仕事の大変さと同時にやりがいも体感しながら、自分が働くうえで大切にすることは何か見つけてみましょう。
ボランティアは無収入という点で仕事とは異なりますが、人の役に立つという点では仕事と通ずるものがあり仕事の疑似体験ともいえます。
働くことと近い活動を試してみることで、自分が働くうえで何が大切なのか、何が原動力になるのかがわかり、働く意味を見つけることが可能です。
ボランティアの経験は就活において、働く意味を見つける機会になるだけでなく、ガクチカや自己PRでもエピソードとして有効です。こちらの記事でボランティアで学んだことのアピール方法を解説してるので、参考にしてください。
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アルバイトの経験で培った強みは、就活において自分の武器にできます。こちら2つの記事で、自己PR、ガクチカそれぞれのアピール方法を解説しているので、参考にしてくださいね。
自己PR
例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説
ガクチカ
例文15選|アルバイトのガクチカの作り方と印象に残すコツ
インターンシップに参加する
インターンシップに参加するのも、働く意味を見つけるうえで有効です。
インターンでは、企業の事業説明や業務体験が催され、企業について詳しく知り、自分が働いているイメージができます。そうすると、やりがいや自分が妥協できないことが何か見えてきます。
たとえばインターンで仕事をする中で、大変なことや得意に感じることに出会います。そうすると、大変なことをクリアするごとに達成感を感じたり、自分の特技が評価されることをうれしく感じるでしょう。それが働く意味の発見につながるのです。
インターンの選考開始時期やおすすめのインターンなど、詳細はこちらの記事で解説しているのでぜひ確認してくださいね。
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「インターンにいつから参加すべき?」キャリアの専門家であるキャリアコンサルタントと、ずばりおすすめの参加時期を解説します。推奨する時期は5つあるのでそれぞれチェックしましょう。参加できそうにない人、できなかった人向けの対処法も説明していますよ。
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アドバイザーコメント
永田 修也
プロフィールを見る長期的かつ客観的な働く意味を見つけよう
働く意味というのは、すぐに見つかる人もいれば、長い時間をかけて働きながらやっと見つかったという人もいます。
短期的なものの見方で見れば、上記の「自己分析をおこなう」「ボランティアやアルバイトをする」「インターンシップに参加する」の方法も大切だとは思いますが、ライフキャリアとして長期的な視点で見た時には決して十分だとは言い切れません。
なぜならば、どれも主観的なものの見方になってしまうためです。
現実を知ることが社会人としての第一歩
長期的な視点で心から納得できるような働く意味を見出すのであれば「身近な大事な人たちに聞いてみる」ことをしてみると良いでしょう。
家族や兄弟、あるいは恩師や先輩など。あらゆる方面からの意見を参考にして、よりリアルな声を聞くことで、刺激になることは間違いないと思います。
現実的な答えしか返ってこなくて、がっかりすることもあるかもしれません。ですが、その現実を知ることがまずは社会人としての第一歩なのかもしれません。「主観的でしかなかった自分だけの働く意味」と「社会の中で生きる一員としての客観的な働く意味」との考えでは大きな差があります。
そういった部分を考えておくと、入社時にほかの新入社員と一気に差をつけられるのではないでしょうか。
選考で聞かれることも! 就活で企業が働く意味を問う意図
選考で聞かれることも! 就活で企業が働く意味を問う意図
- 学生が企業に求めていることを把握する
- 企業とのマッチ度を測る
- 学生の仕事に対する目的意識を確かめる
- 学生の成長意欲をチェックする
エントリーシート(ES)や面接において、企業から「あなたにとって働く意味とは?」と問われるケースがあります。ここからは、その場合の回答方法について解説していきます。
まず、企業がなぜこのような質問をするのか、質問の意図を解説します。質問の意図を理解し、回答の方向性を定めましょう。
学生が企業に求めていることを把握する
いくら意欲が高く優秀な学生でも、学生が求める業務内容や環境と企業の実態が乖離していると、入社後に「思っていたのと違った」と感じ、早期退職になりかねません。
そうすると、企業にとっては採用コストの大きな損失になってしまいます。学生にとっても、新たな仕事先を探さなければならず、早期退職はデメリットの側面が大きいです。
企業は働く意味を問うことで、学生が企業に何を求めているかを把握し、企業とかけ離れたものでないか、学生の希望に沿えるのかという点を確認しているのです。
企業とのマッチ度を測る
社風や求める人物像と合わないと、職場全体の雰囲気が悪くなる可能性もあり、当事者である本人も辛い思いをしてしまいます。たとえ意欲が高くて優秀な学生であっても、企業にマッチしていなければ居心地が悪く感じるでしょう。
たとえば、コツコツと1人で取り組む職種の選考で「たくさんの人と出会って多様な価値観に触れるため」という働く意味を掲げると、マッチしているとは言い難いですよね。
働く意味から、学生がどんな目的やモチベーションで仕事をするのかという価値観を知り、企業の社風や求める人物像、業務内容とマッチするかを測っています。
働く意味の回答が、応募企業の業務内容や仕事のやり方とマッチングしていなければ、採用担当者は、どんなに立派な働く意味の回答でも、自社に合わない人材だと捉えます。応募企業の具体的な仕事をイメージしたうえで、回答するといいでしょう。
学生の仕事に対する目的意識を確かめる
仕事においては目的意識を持って行動することが重要視されます。ただ言われた仕事を言われるがまま作業する人材よりも、何のための作業なのか、目的を持って仕事ができる人の方が成長が早いためです。
働くことに対しても、ただ「世間体が気になるから」や「周りが皆就職してるから」といったように、目的意識を持っていない場合は積極的に活躍するイメージが持てません。
学生が働くことに対して目的を自覚しているのかを知りたいのです。
学生の成長意欲をチェックする
働くことには、自分を成長させたり知識やスキルを身に付ける意味もあると解説してきましたが、このような目的を持っている学生は、企業からしても成長意欲が感じられて好印象です。
成長意欲が高い人は、さまざまなことをいち早く吸収し企業に大きく貢献してくれるという期待が高まります。
また、成長するためであれば困難なことや人がやりたがらないことにも、積極的に挑戦してくれるとの期待もできます。
就活で働く意味を答えるときの注意点
就活で働く意味を答えるときの注意点
- お金の話はなるべく避ける
- 自分主体で考えないようにする
- どの企業にも当てはまる答えにならないように注意する
ここまで納得できる働く意味の見つけ方を解説してきましたが、就活で「あなたにとって働く意味は何ですか」という旨の質問をされたときは、答え方に注意しなければなりません。
面接で言わなくて良いことを言ってしまったがために減点された、という事態を回避するためにも、以下の3点を押さえて本番に臨みましょう。
お金の話はなるべく避ける
この質問で問いたいのは、働くことに対して前向きな姿勢や、主体的な意識があるかということです。そこで「お金のため」と伝えてしまうと、条件でしか仕事を見ていない、働くこと自体には消極的な学生と懸念されてしまうかもしれません。
企業によっては、お金を目的とした回答でも正直で好感を持たれる可能性もあるため、絶対に避けた方が良いわけではありません。ただ、採用担当者によっては働くことに対して後ろ向きに捉えられてしまうリスクは理解しておきましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見るお金を稼ぐことが目的にならないように注意しよう
「働く意味」を答えるためには、どの企業でも実現できる回答をした方が良いと考えるかもしれません。もちろん、どの企業でも感じられるやりがいを回答することも大切です。
しかし、採用担当者は「自社でしか実現できないことか」を重視しています。そのため、「億万長者になりたい」などお金を稼ぐことが目的になると、どの企業でも実現できることなので、マイナス評価につながってしまうのです。
お金を稼いでどうなりたいかを仕事のやりがいとしてアピールしよう
たとえば、「働く意味は国際社会に貢献すること」という回答の理由として「貧しい国に寄付をするために、自分の生活資金以上の収入を得たいと考えている」と説明するとどうでしょうか。マイナスの印象にはなりませんよね。
このように、収入を得ることで実現したいことを「働く意味」として答えられると、お金の話をしても好印象になりますよ。手段と目的を混同しないように意識してくださいね。
自分主体で考えないようにする
成長意欲が高いことは立派なことですが、「成長したい」「勉強したい」という自分主体の話は、企業に貢献する意識が低いと懸念される場合があります。
会社は学校ではなく、利益を出すための組織です。就活で伝える際は、その視点を忘れないようにしなければなりません。
自分主体の働く意味だけではなく、他人や社会また会社のために自分が何をしたいと考えているのかを伝えられると良いでしょう。
企業側として一番欲しい回答としてはやはり「自社にどんなメリットがあるのか」ということかと思います。
もちろん、学生の主張や意欲も知りたいところですが、さらに踏み込んで「自分が成長することでの企業へのメリット」も合わせて回答できるとベストだと思います。
どの企業にも当てはまる答えにならないように注意する
選考で働く意味を問う意図には、企業とのマッチ度を測る目的があると解説しました。どの企業にも当てはまる回答だと「入社意欲は高くなさそうだな」と判断されかねません。
特に、人の役に立ちたい、社会の役に立ちたいといった目的はどの企業にも当てはまることです。具体的にどんな手段や方法で役立ちたいのか、ということを企業の事業に当てはめながら説明できると良いでしょう。
就活で聞かれる働く意味に関連する質問と回答例
就活で聞かれる働く意味に関連する質問と回答例
- 働くモチベーションは何ですか
- やりがいは何ですか
- あなたにとって仕事とは何ですか
選考において、働く意味は直接的に質問されるというよりも関連した言葉で聞かれることが数多くあります。
ここで取り上げる3つの質問では、働く意味として用意した回答を活かすことができるので、併せて回答を用意してみましょう。
①働くモチベーションは何ですか
働くモチベーションの回答例
周囲からの期待がモチベーションとなります。
吹奏楽サークルでトランペットを担当していました。昨年のコンクールの自由曲でソロパートを任されましたが、出すことすら困難な高音が含まれており、自分にできるか不安でした。
しかし、指揮者から私のトランペットの音色でこのソロを演奏したら必ず良いものになるから頑張ってほしいといってもらい、猛練習しました。本番では見事成功させることができ、地区大会を突破することができました。
周囲の期待に応えたいという気持ちが働くモチベーションの源で、具体的におこなった内容と結果が回答されており、好感が持てる内容です。
面接官としては、練習をしても音が出せなかったときどう気持ちを切り替えるかという質問をしたくなります。
②やりがいは何ですか
やりがいの回答例
自分の成長を実感することです。
スーパーでアルバイトをしていますが、最初はバーコードを読み込ませるのに必死でした。しかし次第に余裕が出て、効率が良い仕事の進め方や顧客が使いやすいサービスの提供を模索し、喜んでもらえるようになり、成長が実感できて嬉しかったです。
さらに後輩のフォローもできるようになり、自分のできることが増えていくことがやりがいとなっていました。
結論とエピソードが一致していてわかりやすい内容ですね。加えて経験を具体化すると、よりアピールしやすくなりますよ。たとえば「後輩のフォロー」もフォローの内容を書くとイメージが湧きやすくなります。
③あなたにとって仕事とは何ですか
あなたにとって仕事とは何ですかの回答例
わたしにとって仕事とは、自分の視野を広げるものです。
介護施設を訪問した際、そこで暮らす入居者の人たちと話をする機会がありました。その中である入居者の方が、わたしの爪を指して「かわいいね」とおっしゃていました。
薄いピンク色のネイルをしていたことに気づいてくださりとてもうれしかっただけでなく、なんとなく「高齢者の方はおしゃれに興味がない」と思い込んでいた自分に気づき、考えを改めるきっかけになりました。
仕事ではボランティア以上にたくさんの人と接することになります。異なる考え方や価値観の人とかかわり、自分の視野を広げていくことがわたしにとって働くということです。
自分の経験を交えた、イメージしやすいとても良い回答だと思います。これから仕事をするうえでの意識も示していて、働くことに対する気持ちがしっかり表れている例文であると感じます。
「あなたにとって仕事とは」という質問は、頻出の質問と比べると、意図がわからず、不意に聞かれると戸惑ってしまいますよね。こちらの記事で、面接官の意図と回答法をさらに詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
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どうしても意味を見出せない人向け! 働く意味を前向きに捉える7つの方法
どうしても意味を見出せない人向け! 働く意味を前向きに捉える7つの方法
- 好きなことを仕事にする
- あえて好きなことは仕事にしない
- 得意なことを仕事にする
- 理想の働き方が実現できる会社を選ぶ
- 趣味を充実させる
- 良好な人間関係を築く
- 仕事に役立つスキルや知識を身につける
ここまでさまざまな働く意味について取り上げてきましたが、それでも仕事に対するマイナスなイメージを払拭できない人もいると思います。
ここからはそのような人に向けて働く意味を前向きに捉える方法を7つ伝授するので、取り組みやすそうなものや自分に合ってるものをぜひ見つけてください。
①好きなことを仕事にする
好きなことにかかわる仕事であれば、モチベーションも上がるのではないでしょうか。たとえば本が好きな人の場合、本に囲まれて仕事をするのは、ほかの仕事をするより頑張れそうな気がしますよね。
本にかかわる仕事は書店員だけではありません。出版社での編集や校閲の仕事、図書館司書も本を扱う仕事です。
このように、好きなことにかかわれる仕事は調べてみると多くあります。「〇〇(好きなこと) できる 仕事」などで検索したり、キャリアアドバイザーに好きなことができる仕事を聞いてみたりして探してみましょう。
好きな仕事をするメリットは、サービスや技術を追求する気持ちの強さから、質の高い仕事が期待できることです。一方デメリットは、好きな仕事に対して憧れの気持ちが強すぎて、厳しい現実とのギャップを感じ、長く働き続けられないケースがあることです。
②あえて好きなことは仕事にしない
あえて好きなことは仕事にせずに、休日で楽しみ平日は好きなことのために仕事を頑張るという考え方もあります。
たとえば、映画鑑賞が趣味の人は、休日に映画を観ることを楽しみに平日は仕事を頑張るという捉え方です。もし映画を仕事とすると、純粋な気持ちで映画を楽しめなくなるという人もいます。
好きなことは仕事にしないとわりきって仕事を選ぶのも、前向きな仕事との向き合い方といえます。
③得意なことを仕事にする
得意なことであればスムーズに習得できるため、苦手なことをするより仕事に慣れる期間は短縮できます。誰でも簡単にできるわけではないことで、自分の能力やスキルを活かせると、社会的価値を発揮しやすく働く意味を前向きに見出せるでしょう。
たとえば、英語が得意な人であれば、外国人利用客が多いホテルのフロントなど得意なことを活かしながら仕事をすると、やりがいにつながり働く意味を見出せるのではないでしょうか。
自分に合っていると実感しながら取り組める仕事は、好きなことや得意なこと以外の観点からも探せます。ぜひこちらの記事で自分に合った仕事の見つけ方を習得してください。
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④理想の働き方が実現できる会社を選ぶ
働き方は企業によってさまざまです。たとえば、1日7.5時間勤務で年間休日110日の企業があれば、1日8時間勤務で休日120日の企業があります。
リモートワークが可能な企業も増えています。また、個人の裁量が大きいところでは、与えられた仕事さえこなせば働く時間の配置は自由に決めて良いという、フレックスタイム制を取り入れている企業もあります。
働き方や環境が合っていれば、仕事のストレスはかなり軽減されます。
プライベートが重視できる働き方を求めるなら残業時間が少ない職場を選ぶというように、自分が求める働き方に合った会社を見つければ、ストレスが少ない環境で働く意味も見出しやすくなります。
⑤趣味を充実させる
今のうちからリフレッシュになるような趣味を充実させておくのも一つの方法です。ストレスになることも多い社会人にとって気持ちを切り替えられるような趣味があれば、精神的な支えにもなります。
「これがあるから頑張れる」「休日にこの予定があるから今は頑張ろう」と思える趣味があれば、「趣味のために頑張るためのもの」と仕事を前向きに捉えられるのではないでしょうか。
⑥良好な人間関係を築く
個人の努力だけではコントロールできない問題ですが、入社したらぜひ良好な人間関係を築くよう働きかけてください。職場の人間関係が良いことで、働く意味の可能性は広がります。
たとえば、仕事ぶりで目標となる先輩が現れれば、その先輩の近くで学ぶことが働く意味になります。それだけでなく、隙間時間で会話を楽しむことができれば、出社すること自体が楽しくなり、働く意味にもなるでしょう。
また、同期がいる場合、ぜひ親交を深めてください。同じ時期に仕事を始めると、同じ熱度で疑問や悩みを共有できるため、社内においてかけがえのない存在になるでしょう。
同期がいなくても、疑問や悩みを相談できる相手が社内にいることで救われる場面は多々あります。普段から周りに気を配り、信頼関係を築いておくことで、前向きに働く意味を見つけることができます。
⑦仕事に役立つスキルや知識を身につける
就職先が決まっている学生であれば、ぜひ仕事に活かせそうな勉強をしておくと良いです。勉強していたことが仕事で役立つと、上司や先輩から褒められるだけでなく自信にもつながります。
自信がつくと自分の存在意義を見出しやすくなり、ますます仕事において前向きに励むことができ、働く意味を見つけやすくなるのです。
働く意味を見出すという点では、同じ業種の人が講師をしているセミナーに参加したり、関連する本を積極的に読むなどインプットして自分に合う価値観の形成に力を注ぐと良いでしょう。
業界経験者の話を聞くことで、自分が今後どのような考えを持ってその会社で過ごすべきかなどが理解でき、役に立ちますよ。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る働く意味を見出せない理由を自問自答してみよう
スキルや知識に自信がなく、就活が不安で働く意味を見出せないと考えているならば、それは誰もが感じることです。そんな人は、不安なスキルや知識を習得するために自己啓発をしてみてください。
働く意味を見出せなければ、無理やり答えを出す必要はありませんが、何もせず待っているだけではいつまで経っても見つけられないでしょう。
働く意味にこだわらず、どんな仕事があるのか探ってみるのも良いでしょう。趣味や得意なことに関連する仕事でも良し、まったく関係のない仕事でも大丈夫です。
さまざまな仕事があるので、業界や職種を問わず多くの求人情報を見ることからスタートしてください。働く意味を無理に探さなくても、おもしろい仕事や興味のある仕事と出会うことで、働く意味を見つけることができるかもしれません。
働く前だから働く意味が見出せなくても問題ない
周囲の顔色を気にして良い会社に就職しなければいけないといった気持ちでは、仕事はつまらないものになってしまいます。
人が苦手ならば、人とあまりかかわらない仕事もありますし、働き方も会社で働くだけでなく自宅でテレワークが中心の仕事もあります。
自分に合った仕事をとりあえず探してみようという気持ちでスタートしてみましょう。
働くことに向いていないと感じる人は、こちらの記事でその原因や悩みの対処法を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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働くことに向いていないと悩んでいる人は多いかもしれません。実は、働くことに向いていないという感情はほとんどの社会人が抱く悩みなのです。この記事では、働くことに向いていないと悩む状況を脱却するための方法をキャリアコンサルタントと解説します。
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働く意味に正解はなし! 自分の答えを見つけて社会に一歩踏み出そう
就職前に働く意味を考えられたことは意義があることです。この記事を読み「働きたくないな」「どうして働かなければならないのか」という気持ちを解消し、納得のいく社会人生活を歩みましょう。
実際、社会で働いている人を見るとすべての人がいきいきと仕事をしているわけではありません。しかし、この記事を読んだ皆さんは、自分なりの軸を持ちいきいきと働くことができると思います。
学生の今、自分にとっての働く意味を捉え、社会に踏み出す一歩としましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る働く意味を考えることは人生100年時代を生きるために重要なこと
まだ社会人として働いたことがない学生にとっては、働く意味を考えることのメリットは頭ではわかったものの、まだ腑に落ちていない部分もありますよね。
私だけでなく、今までにキャリアを支援した人で、働く意味を言語化できた人は、就職後の仕事に対する納得感が大きく変わっています。働く意味を考えることは、これから何十年も働くうえでそれほど重要なことなのです。
働く意味を言語化することが成長への大きな一歩
働く意味を言語化していることで、自分にはハードルが高いと感じることにもチャレンジできたり、壁を乗り越えたりすることもできます。
その結果、自分にとっての働く意味を実現することができ、さらに大きな働く意味を見つけることができるようになります。すると、仕事を通じて自己成長もできますし、社会に貢献することにもつながるのです。
もちろん、働く意味は働き始めると変化します。そのため、就活で働く意味を考えて終わりではありません。わたしも常に「今の自分にとっての働く意味」を考えています。就活をきっかけに、人生100年時代をどのように生きるのかを考えてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/メンタル心理カウンセラー
Syuya Nagata〇自動車部品、アパレル、福祉企業勤務を経て、キャリアコンサルタントとして開業。YouTubeやブログでのカウンセリングや、自殺防止パトロール、元受刑者の就労支援活動をおこなう
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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