「仕事が決まらない……」悩みを解決する4つの糸口をプロが解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Takuya Akita〇人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当。To Be Myselfを起業後、企業内のキャリアコンサルティング、新卒・中途の就職をサポートしている

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  • キャリアコンサルタント

    Eri Kuno〇キャリアコンサルタントとしてこれまで学生への就職セミナーや就活相談、企業における従業員へのキャリア支援などをおこなう。現在はおもに求職者の就職支援やカウンセリングに従事

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  • キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー

    Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている

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仕事が決まらないと、焦りや不安でとてもつらくなりますよね。

「なぜ自分だけ仕事が決まらないのだろう」「もうどこにも決まらないかもしれない」などと落ち込んで、仕事探しが嫌になってしまった人もいるかもしれません。

この記事では、仕事が決まらない状況をいち早く抜け出すための解決策と、前向きに求職活動を進めるためのポイントをキャリアコンサルタントの秋田さん、久野さん、桒田さんとともに解説します。仕事が決まらずに悩んでいる人や落ち込んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

目次

仕事が決まらないと悩むのは頑張っている証拠! 解決策は確実にある

仕事がなかなか決まらないのは苦しいものですが、悩んでいるのは今まで頑張ってきた証拠でもあります。もし適当な気持ちで仕事を探していたら、仕事が見つからなくてもあまり悩まないですよね。

仕事探しに一生懸命向き合っている人を必要としている会社はきっとあるはずなので、まずは肩の力を抜いて、今まで頑張ってきたことに自信を持ちましょう。

しかし、仕事探しは体力や気力を使うものであり、うまくいくにはまず心身が整っていることが重要です。記事の前半では仕事が決まらないときの不安を軽くする秘訣を解説するので、まずはメンタルを回復させて、求職活動に必要な心構えをセットしましょう。

後半では、これまでのやり方を改善し、確実に仕事を見つけるためのアクションを4つ解説します。よくある状況別に内定のコツも解説するので、この記事を参考に選考を突破する力をつけて、希望の内定を獲得してください。

面接が上手くいかないときは、面接回答集を活用してください

面接で聞かれる質問に答えられるか不安ですよね。ただ、何を質問されるか分からず対策しようにも出来ない人は多いはず。

そこで、活用したいのが無料の「面接回答例60選」です。この資料があれば、人気企業の面接でよく聞かれるような質問とその答え方60通りが一目でわかります。

どんな質問が来ても確実に回答できるようになれば、面接はもう怖くありません。今すぐ活用し、面接を突破するのに役立てましょう!

仕事が決まらないときに知っておきたい! 不安が軽くなる4つの事実

仕事が決まらないときに知っておきたい! 不安が軽くなる4つの事実

  • 正社員の求人も含めて売り手市場である
  • 仕事を探している人は自分だけではない
  • 求職活動は数カ月以上かかるのが普通である
  • お金の不安には公的なセーフティーネットがある

仕事が決まらないのはつらいものですが、焦るとプレッシャーを感じて余計にうまくいかなかったり、仕事探しのモチベーションがなくなってしまったりすることがあります。

まずは不安をできるだけ軽くすることが悩みを抜け出す近道になるので、ここでは仕事が決まらず焦りを感じている人に知ってほしい4つの事実を解説します。必要以上に不安にならなくても良いということを理解して、安心した状態で次のステップに進みましょう。

①正社員の求人も含めて売り手市場である

厚生労働省の一般職業紹介状況によると、2023年7月時点の有効求人倍率は1.29倍です。パートなどの求人を除いた正社員の有効求人倍率も1.02倍と、現在は求職者よりも求人数の方が多い売り手市場なのです

仕事探しがうまくいかないと「自分を採用してくれる会社はないのではないか」とつい後ろ向きに考えがちですが、このように正社員求人も含めて受け入れ先は十分にあります。

「どこにも決まらなかったらどうしよう……」と不安になっている人も、この事実を知って希望を持ってくださいね。

秋田 拓也

プロフィール

有効求人倍率は業界によって異なりますが、たとえば「介護」「建設」「ホテル」「飲食」などは慢性的な人手不足です。

人手不足が深刻な業界では、そもそも応募者が来ないことを理由に採用されやすいのが現状です。また「製造業」も比較的、採用されるハードルが低いと言えます。

こちらの記事では人手不足の6業界について、さらに詳しく解説しています。具体的な仕事内容が気になる人はぜひ参考にしてください。
人手不足に悩む6つの業界を徹底解説! 就職しやすい仕事も紹介

製造業についてはこちらの記事も参考にしてみてくださいね。製造業の仕事内容や志望動機の書き方を詳しく紹介しています。
例文5選! 製造業の志望動機を魅力的に書く3ステップ

飲食店については以下の記事をチェックしてください。飲食店の詳しい仕事内容や差別化できる志望動機の書き方をまとめています。
飲食店の志望動機はどう書く? 例文や企業が求めるスキルを解説

②仕事を探している人は自分だけではない

仕事がなかなか見つからないときは、「どうして自分だけうまくいかないのだろう」「こんなにうまくいかないのは自分だけだ」というように自分を責めてしまう人もいるかもしれません。

ただし総務省統計局の労働力調査 (基本集計)2023年9月分を見てみると、離職中で仕事を探している「完全失業者」は全国に182万人もいます。これは学生や専業主婦、高齢者など単に仕事をしていない人を除いたうえでの失業者の数なので、意外にも多いと感じられるのではないでしょうか。

仕事が決まらないと自分はだめだと思ったり、仕事がないことを恥ずかしく感じたりすることがありますが、決して珍しいことではないのです。頑張っているのは自分一人ではないので、安心してくださいね。

周りと比較しても仕事が決まっていないのは自分だけです。焦って嫌な気分になります。

桒田 里絵

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今の自分に必要な経験だと捉えて焦らず取り組もう

仕事が決まらないという気がかりがあると、自分以外の周りがいかにも順調そうに見えますよね。

その気持ちはわかりますが、冷静に考えてみれば、人は多少なりとも必ず悩みや問題を抱えているもので、他人の幸せそうな面ばかりが目に付いているだけだとわかるはずです。

仕事は人生にとって大きな問題なので、すぐ決まらないのは当たり前。焦りが出てきたら、良い仕事が見つからないのはまだ出会うタイミングではないだけだと考えましょう。

今焦ったり悩んだりしている経験は、後々必ず人としての成長につながります。人生に無駄なことは一つもないと信じて、前を向きましょう。

特に第二新卒など仕事の経験が少ない状態だと、不安になりますよね。こちらの記事で第二新卒ならではのハンデを払拭する方法を解説しています。
第二新卒はやばい? 好印象へイメージチェンジの秘訣を解説

中には就活がうまくいかなかった既卒者もいるかもしれません。既卒として就活をする人もあなた一人ではないので、落ち着いて以下の記事も確認しましょう。
人生終了ではない! 就活に失敗しても幸せになれる9の逆転法

③求職活動は数カ月以上かかるのが普通である

厚生労働省の令和2年転職者実態調査の概況によると、5.5%の人が「前職を辞めてから新しい仕事に就くまで」の期間が10カ月以上かかっています。6カ月以上の人も合計で10.72%と、10人に1人は半年以上かかっているのです。

さらにこれはあくまで前職を辞めてからの活動期間であり、当然辞めるまでに働きながら転職活動を進める人も多いので、実際の求職活動期間はもっと長いと言えるでしょう。

既卒者の場合も3カ月程度が平均と言われています。仕事がなかなか決まらないとつい焦ってしまいがちですが、数カ月以上かかるのは普通のことなのです

むしろ焦って希望とは違う会社に就職しても、すぐに辞める事態になりかねません。プレッシャーを感じすぎず、時間がかかっても良いのだと捉えましょう。

久野 永理

プロフィール

以前私が支援した中にも、転職活動を一人で数カ月頑張っていた人がいました。

相談を受けてからは、一緒に応募書類の作成や面接対策をしながら、同時に公的な支援先も利用することで、すぐに就職が決まったというケースがありますよ。

あなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。

そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

④お金の不安には公的なセーフティーネットがある

数カ月以上かかるのが一般的だと言われても、お金に不安があって今すぐ仕事を決めたいという人もいるかもしれません。

そうした場合には、公的なセーフティーネットを利用できる可能性があるので安心してください。仕事を探している人がお金に困ったとき、以下のような公的支援を受けられます。あらかじめ把握しておけば、困ったときに早めに相談できますよ。

求職中に利用できるおもな公的支援

  • 生活福祉資金貸付制度
    失業中の人など生活資金に困っている人が資金援助を受けられ、給付されるまでの一時金も出る。ハローワークで求職登録をしてから、市区町村の社会福祉協議会で手続きをする
  • 生活困窮者自立支援制度
    支援員が自分に合った「支援プラン」を作ってくれ、経済的に自立するまでのサポートを受けられる制度。窓口は自治体ごとに異なり自立相談支援機関 相談窓口一覧で検索可能
  • 住宅確保給付金
    上記と同じく、各地域の自立相談支援機関で申し込み可能。「離職後2年以内」などの一定の要件を満たした場合、市区町村ごとの定める額を上限に、家賃額が原則3カ月間(最大9カ月間)支給される
  • 求職者支援制度
    再就職を目指す人などが、月額10万円の給付金を受給しながらハローワークで無料の職業訓練や就職サポートを受けられる制度。訓練期間は2〜6カ月で、ITや事務などのコースがある

桒田 里絵

プロフィール

仕事が決まらずお金に不安があるなら、まずは「生活困窮者自立支援制度」の利用を検討してみてください。

お金の不安があると、そのことで頭がいっぱいになり就活どころではなくなってしまいます。

まずその不安を聞いてもらい、支援制度について理解し、必要なら早めに手続きを進めることをおすすめします。

公的なセーフティーネットを使うのは後ろめたい気持ちがあります……。

秋田 拓也

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現状を改善するために必要ならうまく活用しよう

公的なセーフティーネットは、利用する必要性があるためのものだと認識してください。

後ろめたさがある気持ちは理解できますが、利用することで現状を改善できるのであれば利用するべきです。

さまざまな公的な制度がありますが、利用方法を知らない場合や周知されていない制度も多くあると思います。利用しにくいのは、自分で解決すべきと思い詰めていることも原因なのかと思います。

しかしそのような制度を利用してみることで、いつか周囲に困った人がいれば、自分の体験から教えてあげることもできるのではないでしょうか。

利用できる制度はうまく利用して、困難な状況を乗り越えてください。

以下の記事は新卒向けですが、仕事探しがうまくいかないときの対処法を解説しています。共通するポイントも多いので、つらい人はぜひ併せて確認してみてください。

就活のつらさを解消する方法
就活がつらい人必見! 心が軽くなる対処法を原因別に解説

就活がうまくいかないときの対処法
就活がうまくいかないあなたへの処方箋|今すぐできる対策を徹底解説

アドバイザーコメント

仕事は簡単に決まらないのが当たり前! 焦らず長い目で乗り切ろう

仕事探しは、労力・気力がとても必要な活動です。活動期間が長くなればなるほど、不安が大きくなっていきます。

しかし求職活動をしているのは自分一人だけではありません。活動期間の多くは数カ月、長くて1年以上という人もいます。

応募してうまくいかなくても「縁」だと考え、今回は縁がなかっただけと捉えることも必要です。

一人で塞ぎこまないよう気分転換も大切に

活動期間中、生活をしていくために金銭面での不安も出てくるでしょう。焦って就職し失敗してしまう人もいます。そうならないためにも、いろいろな支援機関を利用して、今後自身が活躍できる職場を焦らず探してください。

今は求職活動の進め方は情報収集から一次応募までインターネットが主流となっています。すると一人で家の中で過ごす時間が多くなり、余計に塞ぎこみがちになってしまいます。

ときには息抜きも大切です。趣味やおいしい食事などをして気分転換をしてくださいね。

また気軽に話ができる相手と楽しい会話をしましょう。声を出すことで気分も晴れますよ。

仕事が決まらなくて苦しいときは心の回復から! 簡単なケア方法

仕事が決まらなくて苦しいときは心の回復から! 簡単なケア方法

  • 親しい人や信頼できる人と話す
  • 積極的に体を動かす
  • SNSからしばらく離れる
  • 一度求職活動を休んでみる

仕事探しの不安を解消できるデータについて解説しました。焦らず進めていけば大丈夫だということが理解できたら、いきなり仕事探しや選考対策に入る前に、一度立ち止まってメンタルのケアもおこないましょう。

自分では気付きにくいものですが、仕事が決まらないときは不採用のショックや面接の緊張などで疲れが溜まっているものです。そのまま頑張り続けるとメンタルダウンの可能性もあり、一度そうなってしまうと立て直すのも簡単ではありません。

まずは心の状態をチェックして、疲れが溜まっているようならエネルギーを回復させることから取り組みましょう。ここでは簡単にできる4つのケア方法を解説します。

親しい人や信頼できる人と話す

まず簡単にできることとして、つらいときは仲の良い人と話すのがおすすめです。人に話しても解決しないと感じる人もいるかもしれませんが、誰かに不安や悩みを共有するだけで心は軽くなるものです

また自分一人で思いつめていたことでも、人に話すことで共感を得て、「自分だけではなかった」「そこまで焦ることではなかった」などフラットな目線で状況を捉えられるようになります。

すぐに話せる人がいない場合は、転職エージェントのアドバイザーやハローワークの職員など、仕事探しに関して相談できる相手を作るのも一つの手です。仕事探しに悩む人のサポートを多数おこなってきた人であれば、安心して話を聞いてもらえ、自分に合った解決策も教えてもらえるかもしれません。こうした相談先については後ほどまた詳しく解説します。

身近な人だからこそ、仕事が決まらないことは相談しにくいです……。

桒田 里絵

プロフィール

身近な人でなくてもエージェントや専門家に話してみよう

身近な人には心配を掛けたくないという思いもあり、相談しにくいこともありますよね。

そんなときのために、就職の相談を専門にしているエージェントやキャリアコンサルタントがいます。転職支援会社やハローワークでは就職相談を受けることが可能です。

対面相談がやりにくい場合や昼間に時間が取れない人には、電話やオンライン相談のサービスもあります。まずは誰かに話してみるのがおすすめです。

積極的に体を動かす

家で求人検索や面接対策をするのももちろん重要ですが、こもりきりで取り組んでいるとどうしても頭の中が仕事探しでいっぱいになり、気分がふさぎこんだりネガティブな考えになったりしがちです。

そのため仕事がなかなか決まらないときは、体を動かす習慣を作ることを意識しましょう。体を動かすとストレス解消になるだけでなく、日光を浴びることで「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが出て、気分が晴れやかになります

10分程度の散歩など少しずつでも良いので、積極的に体を動かしてみてください。

こちらの記事では仕事探しのストレスを解消する方法を57選解説しています。新卒向けですが疲れを感じている人には参考になるので、ぜひチェックしましょう。
就活のストレス解消法57選|悩みを根源から断ち切り楽に進める方法

自己分析をするなら自己分析ツールが一番おすすめ!

自分の弱みはわかっていても、強みは思いつかないものですよね。「それ、強みって言えないよ」と思われたくない人も多いはず。

そんな時は「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば簡単な質問に答えていくだけで、あなたの強み・弱みが簡単にわかります。

無料で使えるので、自分の強みを確かめたい人は今すぐ診断しましょう。

自分の長所を分析するなら「自己分析ツール」がオススメ
診断スタート(無料)

こんな人に「自己分析ツール」はおすすめ!
・自分の強み・弱みが分からない人
・自己PRや志望動機に使える長所を知りたい人
・自分にあった仕事を知りたい人

SNSからしばらく離れる

SNSを日常的に見ている人も多いと思いますが、仕事が決まらず悩んでるときは扱いに注意が必要です。SNSでほかの人の成功や幸せそうな生活を見ると、うらやましいと思ったり焦りを感じたりしがちだからです。

SNSには日常の一部分だけが載せられているとわかってはいるものの、そのキラキラした部分がすべてのように思えて、「なぜ自分だけうまくいかないのだろう」とつい比較して落ち込んでしまう人も多いのではないでしょうか。

また愚痴や攻撃的な発言など、ネガティブな情報も勝手に目に入ってしまうので、気分が高ぶってストレスを感じやすくなります。そうでなくてもSNSを見るのに夢中になって、気付いたら時間が経ち、自己嫌悪を感じることもあるでしょう。

普段の趣味として使うなら問題ないかもしれませんが、求職中でメンタルが敏感になっている自覚のある人は、しばらくSNSは控えて、情報は本やネットから得るようにしましょう

SNSで仕事情報について検索することもあるのですが、それでもあまり見ない方が良いですか?

久野 永理

プロフィール

見ても問題ないが代わりに街を出歩るいてみるのもおすすめ

見ても構いません。SNSはいわば生きた情報です。うわべだけの職業情報ではなく、その職業を深く理解した人が実践ベースの情報を提供してくれていることもあります。

しかし気分が落ちてしまっているときには、解説のように一度離れてみましょう。それでも何か情報収集をしたいと考えるのであれば、街を出歩いてみてはいかがでしょうか。

いつも見慣れている場所でも、数百、数千と何かしらの職業で溢れています。やりたい職業のヒントが落ちているかもしれません。また興味のある仕事が見つかる可能性もあります。

普段は景色として捉えている街並みも少し違って見え、外に出ることで気分転換にもなりますよ。

一度求職活動を休んでみる

中にはこれ以上頑張れないというほどつらい人もいますよね。そんなときは無理をせず、思い切って少し休んでみましょう。

仕事探しを休むのは怖いかもしれませんが、無理に頑張り続けると余計に心身に負担がかかり、場合によっては心の病になってしまう可能性もあります。また求職活動は心身ともにエネルギーを使うため、メンタルが整った元気な状態で臨むのが一番です。

一度求職活動をストップして、自分の好きなことや、運動や読書など心身がリラックスする方法でリフレッシュしてみてください

気分が穏やかになったら、仕事を得てどうなりたいのか、自分の気持ちを再確認できてモチベーションアップにつながるかもしれません。焦っているときほど自分を追い詰めないことが大切です。

秋田 拓也

プロフィール

就職活動が長引くと心が疲れてしまいます。そんなときは、月に一日だけでも良いので就職活動のことを忘れて自分の好きなことをして過ごす日を作るようにしてください。

就職活動は長い人生の中において、ほんのわずかな期間なのです。

休んでしまうと、仕事の空白期間が長引くのが怖いです。

桒田 里絵

プロフィール

仕事探しは長距離走! 適度な休息でまた走り出せる

仕事の空白期間が長引くのは確かに怖いかもしれません。しかし仕事探しは、時間がかかる長距離走のようなものです。休まず走り続けていれば、疲れて気力も体力も尽きてしまいます。

休憩してエネルギーや水分を補給し、体をストレッチしてリフレッシュすれば、また元気に走り出すことができます。

そう考えれば、適切に休みを取ってコンディションを整えながら続けることの大切さがよくわかるでしょう。

無気力になってしまったときは、悪化させないためにもその後の行動に注意が必要です。こちらの記事で正しい対処法を確認しましょう。
「何もしたくない……」無気力でも納得の道を見つける方法 

こちらの記事では仕事探しに疲れたときの休息方法を解説しています。新卒向けですが、やってはいけない注意点も解説しているのでチェックしてみてください。
就活に疲れた人への休息の手引き|絶対にやってはいけないことも解説

つまずき地点を確認! 仕事が決まらないときによくある6つの原因

仕事が決まらないときの疲れやストレスを解消する方法を解説しました。心の不安を取り除いてモチベーションが回復してきたら、次は仕事探しが難航している原因を探って、悩みを根本から解決できるようにしましょう。

仕事が決まらないときは「もうこれ以上どうすれば良いかわからない……」と追いつめられがちですが、まだできることはあるので安心してください。

ここでは仕事探しにつまずいてしまう6つの原因を解説します。原因を振り返ることで、内定に大きく近づきますよ。

久野 永理

プロフィール

仕事がなかなか決まらない原因を見つけることは、就職活動をしていくうえでとても重要な部分になります。

原因を見つけることによって、今後の就職活動対策につながるだけでなく、早期に仕事に就ける可能性も高まりますよ。

選考前に原因がある場合

選考前に原因がある場合の2つのパターン

  1. ミスマッチの求人に応募している
  2. やりたいことがはっきりわかっていない

仕事が決まらないときにつまずいている箇所は、大きく「選考前」と「選考対策」の2つに分けることができます。

まずは選考前の原因を振り返ることで、求職活動の方向性を見直したり、より自分に合った求人を見極めて通過率を高めたりすることができるため、このステップは非常に重要です

ここでは選考前の行動について、つまずきやすい箇所を2つ解説するので、書類がなかなか通らない人や仕事探しが長引いている人は必ず見直しましょう。

原因①ミスマッチの求人に応募している

書類選考にほとんど通過できないという人は、そもそも応募先の選定がずれている可能性があります。

たとえばこれまでの経験や能力と合わない求人に応募していたり、転職者であればまったくの異業種に応募していたりする場合です。当然、経験者やよりマッチした人の方が合格しやすくなるので、通過のハードルが上がってしまいます。

またやりたいことにこだわりつつ高い給料も求めたりと、一度にすべての希望を叶えようとしている場合も、なかなか理想の求人が見つかりません。また見つかっても魅力的で人気の求人ばかりになるため、多くのライバルと競うことになってしまいます。

このように自分の現状と離れた求人に応募している人は、そこが仕事が決まらない大きな要因になっている可能性が高いです。詳しくは後ほど解説するので、まずは目標や応募先の選定から見直しましょう。

求人が自分にマッチしているかどうかは、どうやったらわかるのですか?

秋田 拓也

プロフィール

「興味関心・価値観・強み」の3つの観点で照らし合わせよう

満足した職業人生を生きていくために、自己理解が必要とされるポイントが3つあるといわれています。

1つ目はどのような仕事がしたいかという「興味・関心」です。2つ目は、どのように働きたいかという「こだわり・価値観」。3つ目が、何ができるかという「強み・能力」です。

この3つについての自己理解を深めたうえで、その求人がどれだけ自分にマッチしているかを確かめてみてください。マッチしている部分が多ければ多いほど適職であり、満足した働き方になるとされています。

労働条件やイメージだけで簡単に職業選択をしてしまうと、結果的に十分な満足度が得られません。転職を繰り返すことにつながるので注意しましょう。

どんな求人が自分に合っているのかわからない人は、こちらの記事もおすすめです。自分に合った仕事を探す方法を解説しています。
自分に合った仕事を簡単4ステップで発見! 後悔しない方法を解説

原因②やりたいことがはっきりわかっていない

仕事がなかなか決まらない人の中には、そもそも自分が何をやりたいのかよくわかっていなかったり、目標を見失ってしまったりした人もいるかもしれません。

やりたいことが明確にないと求職活動のモチベーションが上がらず、応募数も少なくなってしまうので受かる確率も下がり、順調に進みにくいです。また頑張っているつもりでも、軸が定まっていないのでミスマッチの求人に応募してしまっていたり、選考でも意欲が伝わらず落とされたりすることが多くなります。

自分のやりたいことがはっきりしていないと、早く仕事をしたいと思っていても、このようにさまざまな壁にぶつかってしまうのです。このタイプの人は、後ほど解説する方法で目標設定を明確にしたり、プロに相談して自分に合う仕事を一緒に考えてもらったりすることが大切です。

最初はやりたいことがあったのですが、うまくいかずわからなくなってきました……。

久野 永理

プロフィール

自分が持っている強みやスキルをもう一度振り返ってみよう

それをやりたかった理由はなんでしょうか。やりたいと思ったときの気持ちを一つひとつ振り返ってみましょう。その気持ちが自己PRや志望動機作成のヒント、面接でうまくいく秘訣になります。

またその気持ちを持ち続けることで、今後その仕事を続けていくやりがいにもつながります。

もしくは、自身の強みやスキルをうまくアピールできていないのかもしれません。

やりたい仕事はどんな能力が必要なのか、自身とどのように合っているのかを考える必要もあります。一度振り返って再確認してみましょう。

自分が何の仕事をしたいのわからないと悩んでいる人は以下の記事を参考にしてみてください。仕事探しのコツをまとめています。
仕事で何がしたいかわからない人必見|未来を切り拓く1stステップ

やりたいことがわからない人はこちらの記事もおすすめです。自分の本心を見つけるためのコツを解説しています。
やりたいことがわからない人必見! 隠れた本心を見つける思考・行動 

自分が何をしたいのかわからない人もいるかもしれません。こちらの記事ではニートの人が仕事を見つけるポイントを解説しているので、気になる人はぜひチェックしてみてください。
したい仕事がないニートの仕事の見つけ方を解説! 原因別の解決法も

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。

そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。

まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。

こんな人に「適職診断」はおすすめ!
・志望業種をまだ決めきれない人
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人

選考対策に原因がある場合

選考対策に原因がある場合の4つのパターン

  1. 応募書類のアピールが不十分
  2. 適切な面接練習ができていない
  3. ネガティブな内容を話している
  4. 応募企業への熱意が足りない

選考前の原因をチェックできたらそれをどこかにメモしておいて、次は選考対策でよくあるつまずきポイントも確認しましょう。

仕事が決まらず悩んでいる人の中には、経歴やスキルに自信がない人も多いかもしれません。経歴やスキルは今すぐ変えることは難しいですが、選考対策はいくらでも改善できます。そのため選考対策が今の悩みを抜け出す大きな鍵になりますよ。

ここでは選考対策が原因で落ちてしまう4つのパターンを解説します。この4つを確認することで改善点がわかり、選考の苦手意識をなくすことができるので、順番にチェックしてみてください。

原因①応募書類のアピールが不十分

適当に応募しているわけではなく、これまでの経験や知識を活かせるような求人に応募しているのに、なかなか書類が通過しないという人もいますよね。その場合は、書類でのアピールがうまくできていない可能性があります。

書類選考は面接する人を絞り込むための重要な選考であり、あなどってはいけません。書類の内容を見て「もっと話を聞きたい」と思う応募者にだけ絞り込むのが書類選考であり、厳しくチェックされています

応募書類のアピールが不十分で選考に通過しないときは、おもに以下のような特徴があるので、思い当たる人は応募書類の書き方から見直しましょう。詳しい方法も後ほど解説します。

応募書類のアピールが不十分な例

  • 自分の経験から伝えられる強みを正しく認識できていない
  • 志望動機がほかの人や企業でも言えるようなものになっている
  • 職務経歴を並べているだけで、工夫や努力したことが伝わらない
  • アピールポイントと企業が求める人物像がずれている

桒田 里絵

プロフィール

応募書類はまず「採用担当者に読んでもらう」ことが一番の役割です。そのためには非常に基本的なことですが、読みやすく書くことが重要です。

レイアウトや行間の空き、文字の大きさなどにも気を配って書類を作りましょう。

こちらの記事は新卒向けですが、書類選考で落ちる原因をまとめています。通過率を高めるコツも解説しているので、ぜひ併せて確認しましょう。
書類選考で落ちる6つの理由|通過率が格段に上がる5つの基本を解説

こちらのQ&Aでは、「書類選考に落ちる原因がわからない……」という悩みにキャリアコンサルタントが回答しています。書類選考が苦手な人は必見です。

原因②適切な面接練習ができていない

書類は通過するのに面接で落ちてしまう場合は、面接練習をしていなかったり、練習方法が不十分だったりと、能力や人柄といった内面よりも受け答えそのものに原因があることも多いです

たとえば練習不足で基本的な質問にもすらすら答えられなかったり、深掘り質問をされてしどろもどろになったりするような場合です。また面接の最後などにこちらから質問する「逆質問」を用意していなくて、熱意が足りないと判断されることもあります。

せっかく書類が通過しているのに、面接対策が原因で落ちてしまうのはとてももったいないですよね。工夫することで確実に改善できるポイントなので、この後解説する面接対策の方法をもとに面接力を磨きましょう。

面接が苦手という人は多いですが、うまく話すにはコツがあります。こちらの記事でポイントと緊張をやわらげる方法を確認してください。
「面接で上手く話せない」を克服する6つのコツ|緊張緩和の方法も

面接が怖いと感じる人もいますよね。その怖さを克服する方法をこちらの記事で18選解説しているので、ぜひ併せて参考にしてみましょう。
「面接が怖い」は誰しも同じ! 恐怖を克服する対策18選

面接はうまく答えられていると思うので、なぜいつも落ちるのかわかりません……。

秋田 拓也

プロフィール

業界・企業が求める強みをよく分析して本当に合っているか考えよう

面接で落とされる原因について、自分なりに分析することも必要です。落とされる理由に何か共通点はないでしょうか。

企業が採用面接の場面で重要視しているのは、自社が求めている人材かどうかです。そのため重要なのは「人物の善し悪し」よりも、業務内容に合うかどうか、自社の社風に合うかどうか、入社後のイメージができるかどうかです。

落ちるということは、応募している企業にはマッチしていないと判断されていることになります。同じ業界に何社も応募して1社も受からないと相談に来る人もいますが、この原因が考えられます。

業界が求めている人材でなかった場合、どれだけ応募しても結果は同じことでしょう。どういう人材を求めているかを分析したうえで、自分自身と重ねてみてください。

足りない部分を補うのか、別の業界に目を向けるのか、自分自身を知ることで次のステップにつなげていきましょう。

こちらのQ&Aでは「面接が無理でもう受けたくない」という悩みにキャリアコンサルタントが回答しています。面接に落ちることが続いている人はチェックしてみてください。

原因③ネガティブな内容を話している

自分では気付きにくいのが、選考でネガティブな内容を話しているという原因です。たとえば自己PRで「強みといえるようなものはないのですが……」と謙遜してしまったり、転職理由や既卒として就活している理由について言い訳や愚痴をこぼすなどがよくあるパターンです

ネガティブな内容を話す例

・既卒になった理由
×「ゼミの課題が多かったせいで就活ができなかったのが原因」
〇「ゼミの課題と就活を両立するのが難しく、結果的に就活から逃げてしまったのが原因」

・転職した理由
×「残業が多いのが嫌だったから」
〇「効率を上げる工夫をしたものの自分に裁ききれる業務量ではなく、より一人ひとりの顧客に向き合える環境で働きたいと思ったから」

上記の「×」で挙げた例のようにネガティブな思いを選考でそのまま話すと、「他責思考なのではないか」「入社後も環境のせいにして努力しないのでは」と思われかねません。

また特に転職の場合は、ネガティブなきっかけでの転職だったとしても、その原因を解消する努力をしたうえで転職したかが見られます。不満やトラブルがある度に辞めるのでは、「またすぐ辞めるかもしれない」という懸念につながるからです。

次に同じ理由で辞めることがないと言い切れるかどうかが、選考を通過するために大切なポイントになります。心当たりがある人は、選考でネガティブな内容を話していないか、一度振り返りましょう。

正直に話そうとすると、どうしてもネガティブな内容になってしまうのですが……。

久野 永理

プロフィール

ネガティブな部分をどう変えていくかも併せて伝えよう

正直に話そうとすることは良いことです。しかしそのまま伝えているだけだと、ネガティブな状態のまま伝わることになります。

したがって、そのネガティブな部分をどのように変えていこうとしているのかも、一緒に話すようにしてください。

そうすることでネガティブな内容でもポジティブな方向に変換することができ、今後の活躍する伸び代として伝えることもできますよ。

転職理由の伝え方についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。面接官を納得させる伝え方のコツをつかみましょう。
転職理由の10例文|面接官を納得させて好印象をつかむ伝え方を解説

原因④応募企業への熱意が足りない

仮に受け答えがしっかりできていても、企業研究が甘かったり、志望理由がテンプレートのような内容だったりすると、「自社への熱意が低い」と思われて落ちてしまうことがあります

新卒の一括採用とは違い、既卒やキャリア採用では枠が1人〜数人しかないことが多いです。そのため能力が高くても応募企業への熱意が伝わらないと、「うちとは合わない」「すぐ辞めるかもしれない」と判断されがちでなかなか採用されません。

企業も利益を出して成長していく必要があるため、それに貢献できるような意欲的な人材を採用したいと考えています。そのため面接での熱意がどれだけ伝わるかが重要なのです。

応募企業への熱意を伝えるコツは後ほど詳しく解説するので、思い当たる人は選考対策を改善していきましょう。

桒田 里絵

プロフィール

企業にとって大事なことは、これまで何をしてきたかではなく、これから一緒に何をしていけるかです。つまり過去より未来に興味があるのです。

しかし未来のことは確証がありません。したがってそれを示せるのは熱意だけです。熱意は重要な採用ポイントといえます。

企業研究の具体的なやり方はこちらの記事で解説しています。新卒向けですが、イラスト付きでわかりやすいのでぜひ参考にしてください。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!

アドバイザーコメント

求人票の内容だけで仕事を探している人は要注意

仕事を探すうえで、自分なりの視点を持って探していますか。何を優先して探しているのかについて、再度確認してみましょう。

求人票だけで仕事選びをしてしまうことは、なかなか仕事が決まらない原因の一つにもなります。労働条件だけでなく、業務内容についてもよく調べて検討したうえで、応募してください。

自分の優先することがどこまで実現できるのかも大切な点です。自分にとってマッチした企業であることを伝えることが志望動機にもつながり、それが担当者に伝われば、採用される確率も上がると思います。

仕事が決まらない原因を振り返ることで改善につなげよう

また決まらない原因を分析することが、今後の選考にも大きく影響します。仕事がなかなか決まらない人の多くが、不採用になった原因まで分析しない傾向が見受けられます。

何が原因で採用に至らなかったのかを分析することで、次の応募に活かせるはずです。

決まらない人の多くは、選考経験が多いだけで改善されていないのが現状です。採用されるためにどうすれば良いか、企業に合わせた作戦を検討したうえで採用選考に臨んで欲しいと思います。

こちらの記事でも内定がなかなか取れない人の特徴をわかりやすく解説しています。新卒向けですが共通するポイントもあるので、時間がある人はぜひ参考にしてください。
内定をとれない人の8つの特徴と対策|今からやるべき行動を解説

仕事が決まらない状況を打開する! 4つの見直しポイント

仕事が決まらないときによくある原因を解説しました。自分がつまずいている可能性のある箇所を把握できたら、さっそく正しい選考対策の方法を確認していきましょう。

ここでは仕事が決まらない状況を打開するための4つの見直しポイントを解説します。この4点は内定を取るために重要な要素になるうえに、自己流でやると特に間違いやすいポイントです。必ず目を通して、最短距離で内定を手にしてくださいね。

①目標設定を明確にしよう

仕事探しのゴールが明確に定まっていないと、モチベーションにつながらないだけでなく、選考でも「軸が定まっていない」「とりあえず仕事が欲しいのだろう」と熱意が低い印象を持たれかねません

そのためまずは以下のように、求職活動のゴールについて考えを深めることが大切です。

求職活動のゴールを考えるヒント

  • (転職の場合)なぜ前職を辞めたのか
  • (フリーターやニートなら)なぜ就職したいのか
  • どんな仕事をしたいか
  • その仕事を得ることでどんな自分になりたいのか
  • その仕事を通じて世の中にどう貢献したいのか

ゴールを振り返ることができたら、以下のステップに沿って、目標設定をさらに具体的に固めてみてください。

目標設定を明確にするステップ

  • これまでを棚卸して自分の思いを言語化する
    これまで頑張ってきたことや、前職をなぜ辞めたのか、現状のどこに不満があって何を変えたいのかなどを何でも書き出す。
  • ポジティブな表現に言い換える
    自分の思いを自由に書き出したら、「給料が低いのが嫌だから→より努力が認められる環境で頑張りたい」というように、「~したい」というポジティブな表現に言い換えてみる。
  • 希望条件に優先順位を付けて目標を絞り込む
    ポジティブに言い換えることで自分の希望を明確にしたら、「今すぐ叶えたいこと」から「ゆくゆくは叶えたいこと」というように優先順位を付けて、目標を設定する。

アドバイザーコメント

自分自身がどういう人間なのかを振り返ることにヒントがある

どんな仕事を目指すか決まらないということは、自分の活かしどころを決められないということです。そんなときは、自分はどんな目的のためになら喜んで力を尽くせるのかを考えてみましょう。

棚卸をする際、前職や学生時代の中で明確な答えが出ないときは、幼少期から振り返ることをおすすめします。その頃の行動は純粋な興味によるものであるため、自分の興味の源を再認識できるからです。

自分の特性をどう役立てたいかを言語化しよう

まずは職業について考えるのを一旦辞め、自分という人間がどんなことに喜びを感じるのか、どんなことならストレスを感じることなく続けられるのかといった「特性」を見出すことに集中してみましょう。

そのようにして得たヒントをまとめ、自分はどのような環境でどんな人たちと何をしていくと良いのか、それによって社会や人々のどんなことに役立ちたいのか言語化してみてください。

そこまで整理できたら初めて、現実への落とし込みをおこないます。自分の今できることと今後修得可能なスキルに照らし合わせて、自分の特性の何を優先的に活かしていくべきかを見極めましょう。そうすれば、ブレのない目標設定ができるはずです。

仕事探しの軸を考えるのは難しいですよね。こちらの記事で見つけ方と実際に使える回答例を解説しているので、ぜひ参考にして考えてみてください。
意欲が伝わる「企業選びの軸」の回答例50選|見つけ方も解説

目標を作る際は、自分に向いている仕事を見極めることも大切です。こちらの記事で適職の見つけ方を解説しているので併せて確認しましょう。
向いてる仕事がわからない……図解で読み解く適職の見つけ方

仕事をするなら楽な仕事に就きたいと思っている人も多いと思います。以下の記事では楽な仕事を4つに分類して解説しています。
楽な仕事をしたい人必見! おすすめの仕事20選を特徴ごとに紹介

給料が安くても精神的に楽な仕事に就きたいと考えている人もいると思います。以下の記事では精神的に楽な仕事をまとめているので参考にしてみてください。
タイプ別22職種|給料が安くてもいいからとにかく精神的に楽な仕事

②適切な応募方法を取り入れよう

目標設定が明確になったら、求人に応募していく前に応募方法も一度見直しましょう。仕事を探すには求人情報サイト、スカウトサービス、転職エージェント、ハローワークなどさまざまな方法があり、自分の状況や探している求人の特徴によって合う方法を取り入れることが効果的だからです

求人情報サイトメールアドレスなどの必要な情報を登録するとすぐに利用可能。自分の求める条件で求人を検索し、そのページから直接応募できるので、一人で積極的に進められる人におすすめ
スカウトサービス経歴やスキルを登録して公開すると、それに興味を持った企業からスカウトが来るサービス。マッチ度が高い・すぐ選考に進めるというメリットがあるが、やや上級者向け
転職エージェント一人ひとりに担当のアドバイザーがついて、おすすめ求人の紹介、書類の添削、面接対策まで無料でサポートしてくれる。求人情報サイトには載っていない非公開求人も多いため、早めに内定を取りたい人におすすめ
ハローワーク地域の中小企業の求人を探している人や、ネットで求人を見つけにくい地方在住の人におすすめ。希望条件を登録すると合う求人が出たときに連絡をもらえ、面接対策なども受けられる
おもな応募方法の種類と特徴

久野 永理

プロフィール

希望する専門職別や年代、働き方別など、それぞれ特化した求職サイトがあります。仕事がなかなか決まらないときは、自身に合った求職サイトで仕事を探すことがポイントです。

特におすすめなのは転職エージェントです。転職エージェントを利用する企業は「エージェントを介してより自社に合った人材を呼び込みたい」と採用に熱心な企業が多く、返事が来ない、面接日が決まらないなどの事態になりにくいです。

また第二新卒やニート、フリーター特化のような専門型のエージェントも存在します。自分に合ったエージェントを選ぶことで、その道の採用に詳しいアドバイザーからサポートを受けられます。

ぜひ一度調べて、興味を持ったサービスがあれば利用してみてください。

専門型エージェントの例

  • ジェイック
    ニートやフリーターの就職支援において18年以上の実績を持つエージェント。独自の「就職カレッジ」で社会人に必要な基本スキルや就活の進め方を無料で学べ、書類選考なしで最大20社と面接が可能
  • ハタラクティブ
    第二新卒やフリーター、既卒者の支援が充実しているエージェント。未経験OKの求人が多く、就職成功率は80%以上
  • Re就活
    アドバイザーの80%が自身も第二新卒・既卒での就職を経験している、20代の転職に特化した転職エージェント。大手企業の求人も多く、年収アップなどの条件を妥協したくない人におすすめ。
  • キャリアパーク! For20’s
    既卒・第二新卒特化のエージェントで、最短一週間から内定を目指せるのが特徴。年間1,000人以上と面談をするプロのアドバイザーが内定までサポート
エージェントって怪しくないですか?

桒田 里絵

プロフィール

エージェントは求職者と対等な協力関係にある強い味方

エージェントは、就活をどう進めれば良いかわからない人にとって力強い味方です。

スキルアップや就活のコツを助言してくれるだけでなく、応募先の選定、面接の進め方まで寄り添いながらサポートしてくれます。

怪しいと感じるのは、エージェントに不信感を抱いたことのある人のクチコミなどが影響しているのかもしれません。「とにかくたくさん受けるしかないと言われた」「希望に沿わない企業を受けるよう言われた」といった例です。

しかし求職者とエージェントは対等の立場で、同じ目標に向かう協力関係にあることを忘れてはいけません。

つまり受け身ではなく、求職者側も自らの目標と希望に積極的な姿勢があれば、エージェントは心強い支援者になってくれます。

第二新卒や既卒、フリーターなど、状況別の就活方法については以下の記事でも詳しく解説しています。自分の状況に合ったポイントと注意点を把握して、成功をつかみましょう。

既卒の就活方法
既卒の就活を確実に成功させる5箇条! ストレスなく進める秘訣

第二新卒の転職方法
第二新卒の転職必勝法|納得のいくキャリアを見つける3つのコツ

フリーターの就職方法
フリーターから正社員になる7つのコツ! おすすめの職種も紹介

ニートの就職方法
ニートから就職は可能! 成功に導く3つの方法を解説

③担当者の目を引く書類を作ろう

自分に合う方法で求人を探したら、応募前に書類をもう一度磨き上げましょう。企業の採用担当者は何枚もの応募書類に目を通しているため、力を入れないと興味を持ってもらうことが難しくなります。反対に、書類の内容を適切に見直せば、通過率を大きく高められるのです。

担当者の目を引くためには、企業の求める人物像を調べて、そこに自身の経験を紐づけることが大切です。

採用ホームページ(HP)や求人情報などに、以下のような企業の求める人物像が書かれていることが多いです。まず興味のある求人を調べたら、それらを満たすエピソードを自分の経験から考えてみましょう。

企業が求める人物像の例

・チームワークがあり協力して仕事を進める人
・継続力があり投げ出さずに取り組める人
・自ら課題を見つけて行動できる人

人物像を満たすエピソードを考える例

・チームワークがあり協力して仕事を進める人
→アルバイトでは自分の担当分が終わった後も、周囲に手伝うことがないか聞くようにして、みんなで協力して効率的に終わらせるようにしていた

・継続力があり投げ出さずに取り組める人
→アルバイトは上司が怖くて数カ月で辞める人も多かったが、自分は仕事振りで認めてもらおうと努力して4年間続けた

・自ら課題を見つけて行動できる人
→大学時代のサークルでは新入生が定着しなかったのでアンケートを取ったところ、コミュニケーション不足という課題を見つけて数人単位のユニットを作ることを提案した

求める人物像を満たすエピソードって、どうやって見つけたら良いですか?

秋田 拓也

プロフィール

志望企業が求めていることをしっかり見極めよう

求める人物像は、当然企業によって違いがあります。これまで自分が体験したことや学んだことについて再点検をしてみましょう。

そのうえで、どう伝えれば企業が求める人物像に当てはまったエピソードになるかを検討します。

企業が求めているのは責任感なのか、積極性なのか、真面目さなのか、コミュニケーション能力なのかなどと、何を求めているのか特定することがポイントです。

あなた自身のこれまでのエピソードの中には、捉え方によって求める人物像に合致する内容があるはずです。その部分をうまく強調する形で伝えてみてはどうでしょうか。

自分の経験を書き出したら、職務経歴書でそのエピソードと関連する成果を目立たせたり、志望動機欄や自由記入欄にそのエピソードを使ったりして、求める人物像を満たしていることを積極的にアピールしてください。

企業は「求めていた人が応募してくれた」と目に留めるだけでなく、「しっかり企業研究をしている」という印象を抱きます。また自分独自の応募理由を作れるので、ほかの応募者との差別化にもつながります。企業の求める人物像と自身の経験を紐づけて、応募書類を書いてみましょう。

アドバイザーコメント

書類選考を通過するには自己分析と企業理解が重要

書類を作成する前に、自身の経験や今あるスキルをどのように活かして、その会社でどのように活躍していきたいかなどの自己分析をすること、また応募する企業がどんなビジョンで何を求めているかなどの仕事理解をすることが大切です。

企業が求める人物像に合う自身の経験やスキルを探してアピールすることで、企業の担当者の目に留まる書類が作成できます。

書類を作ったら見直しが不可欠! ミスも確認しよう

また作成時は、西暦や和暦で表記がそろっているか、文字のバランスが整っているかなど、細かい箇所も気をつけましょう。企業側は書類を見ることで、その人の仕事に向かう姿勢がきちんとできているかの判断をしています。

書類作成が終わったら必ず見直しもしましょう。その際、自身が企業の担当者の立場になったつもりで確認してみると良いでしょう。

この人なら採用したいな、面接で話を聞いてみたいなと思えるような書類になっているかなど、考えながら確認してください。

中には職歴がなく、書類に何を書けば良いかわからない人もいるかもしれません。こちらの記事では職歴がない場合の就活のコツを解説しているので、参考にしてください。
職歴なしでも就職できる! ビハインドを脱却して成功を収める方法

こちらのQ&Aでは、職務経歴書の書き方についてキャリアコンサルタントがわかりやすく解説しています。ぜひチェックしてポイントをつかみましょう。

④熱意が伝わる面接対策をしよう

仕事がなかなか決まらない人は「どうせ自分にはたいした経験がないから……」と考えがちですが、経験は面接での熱意である程度カバーできます。

企業が求める経験やスキルを完璧には満たしていなかったとしても、入社後に成長したいという意欲や高い熱量を伝えることで、採用されることはよくあるからです。

熱意を伝えるためには、自分がそのポジションで活躍できる根拠を用意することが非常に重要です。自分が入社したらどのように貢献できるのか、過去の経験やスキルからどう活躍したいのかをアピールすることで差別化しましょう。

熱意が伝わる面接のポイント

  • 第一志望であることをアピールする
  • 同業他社ではなくこの会社を志望する理由を明確に伝える
  • 企業イベントやOB・OG訪問に参加したことなど企業研究の深さを示す
  • 逆質問は仕事内容や入社後のキャリアなど先を見据えた内容にする

上記のポイントを押さえていると熱意が伝わりやすくなるので、十分にできているか面接対策で必ず確認してください。

それぞれのポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。面接の突破力を付けるために、基礎を徹底的に確認しておきましょう。

志望順位の答え方
例文15選|面接で第一志望を聞かれたときの回答法と企業の本音

企業研究の方法
企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も

OB・OG訪問の手順
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅

逆質問の例
面接の逆質問50例|熱意を伝えつつ企業とのマッチ度を見極めよう

また模擬面接をおこなって、第三者にフィードバックをもらうことも効果的です。これまでと同じ面接対策では自分の弱点に気付きにくいので、転職エージェントやハローワークなどを利用して、客観的なアドバイスをもらいましょう。

模擬面接形式で緊張感を持って練習することで、本番でも自信を付けて堂々と話すことができますよ。

模擬面接の効果的なやり方はこちらの記事で解説しています。まだやったことのない人はぜひ参考にして取り入れて、面接を突破してください。
模擬面接の効果を発揮させる6つのコツ|準備から進め方まで一挙解説

面接練習をあまりやったことがないのですが、面接練習では何に気を付ければ良いですか?

久野 永理

プロフィール

自分の言葉で話すことと声やスピードをチェックしよう

面接ではいろいろな質問をされます。練習することでマニュアルのような答え方ではなく、きちんと自分の言葉で話せるように準備をしておくと良いでしょう。

また練習は声に出して話してみることが一番です。声の大きさのチェックや、質問に合わせた回答がしっかりとできるかの確認もできます。

多くの人は緊張すると早口になってしまう傾向があるので、滑舌良く、ゆっくり話すことで相手に伝わるようにしましょう。

練習して損をすることはありません。本番で少しでも緊張しないように備えておきましょう。

アドバイザーコメント

企業研究の深さが熱意の表れとなり採用につながる

自社のことをよく研究している人ほど担当者は熱意を感じますが、そもそも自分が入社したいと考えている企業のことを知りたいと思うのは当然のことです。

私は学生を支援する際に、「就活は恋愛と同じです」と伝えています。好きな人のことは何でも知りたいと思うし、相手に気に入られるように努力もします。求職活動でも共通していることではないでしょうか。

研究が深すぎると恋愛ではNGかも知れませんが、企業側に取ってそれは「熱意の表れ」だと捉えてもらえます。

志望理由と入社後のキャリアイメージには特にこだわろう

ほかにも熱意が伝わる面接のポイントとしては、志望理由と入社後のキャリアイメージをどれだけ熱く伝えられるかでしょう。

志望理由については、企業研究の深さはもちろんのことですが、同業他社にはない魅力をどれだけ理解しているかも重要なポイントです。

同時に入社後にやりたいことなども伝えることができれば、担当者も入社後のキャリアイメージがしやすくなります。「だからこそ御社を志望しているのです」ということを強調して伝えていきましょう。

面接練習をする際は、頻出質問を必ず攻略しましょう。こちらの記事でよく聞かれること15選と答え方のポイントを解説しています。
面接で聞かれること厳選15個! 回答を準備して選考を突破しよう

面接が苦手という人も多いですよね。苦手意識を克服するにはこちらの記事がおすすめです。ぜひ練習をする前にチェックしてみてください。
面接の苦手意識を克服する21手|得意にする秘訣は「考え方」にあり

アドバイザーコメント

仕事理解の前に自己理解ができていないと落とし穴になる

仕事を決める2つの柱の一つは「自己理解」、そしてもう一つは「仕事理解」です。

ほとんどの人は求人情報を見たり企業研究をしたりして「仕事理解」から始めます。しかし、まずやるべきは「自己理解」です。自分の軸が決まらないと、無数にある仕事からただ一つの仕事を選び取ることなどできません。

そういう意味で、目標設定がきちんとできていないと、書類や面接も焦点がズレてしまい結局採用に至りません。

どうもピンとこない、何を伝えたら良いかわからない、自分の言葉になっていない……など、しっくり来ないと感じているなら目標設定から見直すべきです。

より良く生きるにはどうすべきか? 自問自答してみよう

実は目標設定に決まった方法などありません。就職はゴールではなく、本当のゴールは「より良く生きる」ことです。仕事を決めることは自分にとって、「より良い人生を生きるにはどうすればよいか」を体現した答えの一つに過ぎません。

肩の力を抜いて、どんなふうに生きたいのかを素直に自問することで、自ずと目指すべき仕事の方向性が見えてくるのではないでしょうか。

仕事が決まらないときに多い状況別! 専門家が示す突破口

仕事が決まらないときに多い状況別! 専門家が示す突破口

  • 未経験の業種への挑戦で仕事が決まらない
  • 実績やスキルが足りず仕事が決まらない
  • 正社員経験が少なく仕事が決まらない

仕事がなかなか決まらないと悩む人は、たとえば「未経験の職種に挑戦している」「ブランクがある」というように、同じく悩んでいるほかの人と似たような立場であることも多いです。

そのためこれまで多数の求職者や転職者を支援してきたプロであれば、すでに解決策を知っているかもしれません。ここでは仕事が決まらないときによくある状況別に、3人のキャリアコンサルタントに突破口を聞きました。仕事が決まらない悩みから早く抜け出したい人はぜひ参考にしてください。

未経験の業種への挑戦で仕事が決まらない

既卒としての就活だったり、キャリアチェンジのための転職だったりと、未経験の業界・職種に挑戦する人もいますよね。

未経験の場合、どうしても経験者と比較され落とされてしまうことが多いです。また企業の状況によっては、早く欠員を埋めるために即戦力として働いてくれる経験者しか募集していないという場合もあります。

このようにハンデがある未経験者の場合は、どのように工夫すれば内定に近づくのでしょうか。ここでは人事・採用の責任者として7年間、新卒・中途採用を担当してきたキャリアコンサルタントの秋田さんにアドバイスを聞きました。

アドバイザーコメント

未経験の業種への挑戦は一筋縄ではいかない

転職や就職を考える場合、多くの人が未経験の業種への挑戦を考えます。しかし、一筋縄ではいかないことを承知したうえで挑戦してほしいと思います。

せっかく新しい仕事を探すのだからとか、今の仕事があまり面白くないからという理由だけで安易に挑戦を考えているのであれば、なかなか仕事が決まらない結果になるでしょう。

「未経験者歓迎」の募集はよく見かけますが、実際に応募すると書類選考で落とされてしまいます。その理由は、募集している職種の実務経験が少ないことです。

これは矛盾しているように見えますが、企業からすると未経験者歓迎にしないと応募が少なくなるからそうしているのです。また未経験者でも職務経験を鑑みて採用できそうな人がいることもあります。このような採用現場の現実も理解したうえで、未経験の業種に挑戦してください。

気持ちが固いならスキルや資格を学んで本気度を伝えよう

本当に未経験の業種への挑戦をしたいのであれば、その業種に必要なスキルを学ぶ・必要とされる資格を取得するなどの準備が必要です。

そうした準備をしていることが企業側に伝わることで、未経験者であっても入社した後も頑張ってくれる人物として、採用してもらえるのではないでしょうか。

20代などの若手が転職を成功させるにはポイントがあります。こちらの記事でも対処法14選を解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
転職がうまくいかない20代必見! 状況に応じた対処法14選を解説

実績やスキルが足りず仕事が決まらない

同じ業界・職種への挑戦であっても、これまでの経験年数や経歴が足りずに内定に届かないこともありますよね。またある程度の経験はあっても、アピールできるような実績がないという人もいるかもしれません。

このように、実績やスキルが足りずになかなか仕事探しがうまくいかない場合はどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。ここでは企業の従業員へのキャリア支援や学生への就業セミナーをおこなってきたキャリアコンサルタントの久野さんに、アドバイスや注意点を聞きました。

アドバイザーコメント

自分の強みには気付きにくい! 周りに話すことで見つけよう

これまで私が支援してきた中でも、「スキルがない」「求められている経験がない」と話す人は多くいます。

しかし、今まで仕事やアルバイトをした経験の中で当たり前と思ってやっていることや何気なくやっていることが、もしかしたらあなただけの特別なスキルかもしれません。

そんな特別なスキルは一人で考えてもなかなか見つからないものです。自分では気づきにくいことは人に話すことで見つけることができますよ。エージェントなどの相談先や友達などに、これまでの経験を話してみるのも良いかもしれません。

志望企業で活かせる汎用性の高いスキルもあるはず

さらにこれまでの経験の中には、汎用性のあるスキルがたくさん隠れているはずです。どの企業で働いても使えるスキルをこれまでの経験からたくさん見つけてください。

また同じ業界・職種であっても、企業が変われば仕事の進め方も違います。また求める実績や経験も違ってきます。

応募する企業でどんな実績やスキルが求められているのかをしっかりと研究し、自身に足りない部分は何か、それをどのように補なって今後につなげていくかを考えてアプローチしていくと良いでしょう。

転職が決まらない人へのアドバイスはこちらの記事でも解説しています。視覚的にわかりやすい解説つきなので、ぜひ併せて確認しましょう。
転職が決まらないと悩む人へ|ビジュアルでつかむ転職成功へのカギ

正社員経験が少なく仕事が決まらない

フリーターから正社員への転身を目指す人や、短期の職歴が多く正社員の経験が少ない人も、なかなか仕事が決まらず悩む人が多いです。また中には既卒として初めて就職活動をしている人もいるかもしれません。

正社員を目指しているが、経験が少なくなかなか仕事が決まらない場合は、どのように行動すれば内定に近づくのでしょうか。ここでは長年人材育成に携わり、学生向けの就職カウンセリングも務めてきたキャリアコンサルタントの桑田さんに、アドバイスを聞きました。

アドバイザーコメント

アルバイト経験も伝え方次第で立派なアピールになる

正社員経験が少ないことをハンデと思ってしまうかもしれませんが、今や非正規雇用が40%近くを占めている日本の現状において、アルバイトも立派な就労経験としてアピールできると考えます。

ただし、それが目指す仕事にどのように寄与するのかを具体的にアピールすることが重要です。

アルバイト経験の中でどんなスキルを磨いてきたのか、同僚や上司とどのようなコミュニケーションを取ってきたのか、顧客にどんな評価をもらったかといった、前向きな経験談を集めましょう。

自分の強みやアピールポイントについてプロに相談するのもおすすめ

また既卒で就労経験がない場合は、ブランク期間に何を準備してきたか、それを今後の仕事にどう活かしていけるかを伝えることが大切です。

学生時代から学び続けていることや資格試験の勉強、関連するアルバイトで現場感覚を身に付けてきたといったエピソードをもとに、自己PRをまとめることもできます。

また自分の良さや強みがわからない人は、転職エージェントやハローワークの職業相談などを利用して評価ポイントを見出してもらい、自己PRをまとめるサポートを受けることもできます。併せて利用してみると良いでしょう。

正社員はほかの雇用形態と具体的にどのように違うのでしょうか。正社員を目指すべきか迷っている人はこちらの記事で特徴を把握しましょう。
正社員で働く8つのメリット! 他の雇用形態との違いと格差問題とは

既卒2年目になってしまい、焦っている人もいるかもしれません。こちらの記事で解決方法を詳しく解説しているのでぜひ確認してみてください。
既卒2年目でも逆転勝利! あなたにぴったりな企業に会う方法を伝授

さらに内定を確実にするには? 採用のベテランに聞いた選考のコツ

仕事が決まらないときによくある状況別の対処法を解説しました。注意点や工夫できるポイントなどが理解できたかと思います。さらに余裕があれば、上級編として、採用のベテランによる内定を確実にするためのアドバイスを押さえておきましょう。

ここでは人事・採用の責任者を7年間務め、独立後も新卒や中途の就職サポートをおこなっているキャリアコンサルタントの秋田さんに、具体的な選考のポイントを聞きました。

採用担当者は選考で何を見ているのか、どんな人が内定をつかむのかなど、企業目線でのアドバイスを読んでさらに内定を確実にしましょう

アドバイザーコメント

自信や自分の意志を持っていることがポイント

採用担当者として内定を出したくなる人物に共通しているのが、「自分のマインドを持っていること」だと感じています。言い方を変えると、自信を持っていることです。

その部分が伝わる人物は、採用担当者にとっても魅力的に感じます。入社後も「この人ならいろいろなことを乗り越えていけそう」だと思うからです。

やってみないとわからないことも多いのですが、選考においては「自信を持って臨むこと」をおすすめします。

これからの出発に向けた意志が確認できるかどうか

新卒でも中途採用でも同様ですが、面接の場面で「これからの出発に向けた意志が確認できるかどうか」で、内定が出る人と出ない人の差が出ると感じています。

新たなる出発に向けた意志が伝わる人と伝わらない人では、自分に向き合っている印象が違うからです。応募した理由や目的もハッキリとしています。

選考突破力をつけていくにはスキルや実績も必要ですが、「自分を知ること」から始めてください。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」と孫子の教えにもあるように、これこそが選考を勝ち抜くヒントではないでしょうか。

仕事が決まらないと忘れがち! 前向きに求職活動を進める心得

仕事が決まらないと忘れがち! 前向きに求職活動を進める心得

  • 必要としてくれる会社はある! 落ちても自分を責めない
  • 少しずつで良い! すぐに結果が出なくても焦らない
  • 相談機関を積極的に頼る! 一人で抱え込まない

これまで仕事が決まらない原因や状況別の対処法を解説してきました。仕事が決まらない状況を脱するための道筋がつかめたと思いますが、最後に一つ気を付けてほしいのが、心の持ちようです。

先述のとおり、仕事探しは緊張したり落ち込んだりする場面も多く、どうしてもストレスを抱えがちになります。ここでは求職活動をできるだけ前向きに進めていくために大切な心得を3つ紹介するので、忘れずに意識して、これからの求職活動に取り組んでくださいね。

必要としてくれる会社はある! 落ちても自分を責めない

たとえば営業として優秀な人であっても、未経験でいきなりエンジニアに応募したら、ミスマッチな人材として採用されにくいでしょう。またスキルだけでなく、人柄やビジョンなども企業と合うかが選考では見られています。

つまり選考はあくまでもマッチングの場であり、落ちても自分自身が否定されているわけではないことを認識しましょう

反対に、自分自身も企業を選ぶ立場にあります。総務省統計局が2023年に発表した我が国の事業所・企業の経済活動の状況によると、日本にはなんと368万社もの企業があるため、自分が興味を持てて、かつ必要とされる環境は必ずあるといえます。

落ちても自分を責めずに、「この会社には縁がなかったんだ」と捉えて次に進んでくださいね。

桒田 里絵

プロフィール

選考に落ちた際、失敗した点が明白にわかる場合は、もちろんそれに対する改善策を練って対応する必要があります。

しかし採用は縁と相性と考え、「単に合わなかっただけ。合わないところなら落ちて良かったのだ」と前向きに捉えることも大切ですよ。

こちらのQ&Aでも、選考で落ち続けるショックから立ち直る方法についてキャリアコンサルタントが回答しています。つい自分を責めてしまうという人は併せて確認しましょう。

少しずつで良い! すぐに結果が出なくても焦らない

選考に落ちることが続くと、つい焦りがふくらんで「もっと頑張らなくては」と考えがちです。しかし求職活動は時間がかかるのが一般的であり、1社も落ちないという人はほとんどいないでしょう。

逆に焦って企業をよく選定せずに応募すると、ミスマッチの可能性が高くまた落ちることになり、さらなるストレスにつながってしまいます。負担が重なっていけば、最悪の場合仕事探しを辞めてしまう事態にもなりかねません。行動できていることに自信を持って、焦らず丁寧に進めていきましょう。

企業としても、余裕がなさそうに見える人よりは、堂々として自信がある人の方が頼もしく魅力的に見えます。求職活動は「無理のない範囲で少しずつ進めれば良い」と心掛けることが大切です。

このままずっと仕事が決まらない気がして落ち着きません……。

久野 永理

プロフィール

焦らないためにも仕事が決まらない原因を振り返ろう

決まらないのはなぜなんだろうと振り返ることも大切です。決まらないのは応募企業に対して書類や面接で対策できていなかっただけかもしれません。

求職活動中は不安がつきまといます。これまできちんと企業を選んで応募して活動していたにもかかわらず、手当たり次第に応募して流されるように入社してしまうと、早期退職の事態になりかねません。

焦らずにしっかりした気持ちを持って活動しましょう。

相談機関を積極的に頼る! 一人で抱え込まない

仕事探しをする際に特に大切にしてほしいのが、周囲を積極的に頼って自分一人で抱え込まないことです。

自分一人で求職活動をしていると、緊張や選考に落ちたときのショックなど、すべて一人で乗り越えていくことになり、疲れや焦りが気付かぬうちに溜まってしまいます。自分の力で頑張ろうとする意欲も大切ですが、最初からプロに頼った方がスムーズに進む可能性も高いのです。

ちょっとした不安も定期的に人に話すことで気持ちが軽くなったり、有意義なアドバイスをもらえたりします。先述の転職エージェント以外にも無料で利用できる相談機関が全国にあるので、求職活動中はぜひ活用してみてください

仕事が決まらないときに頼れる相談機関

  • わかものハローワーク
    全国21カ所にある、正社員での就職を目指す若者(おおむね35歳未満)を支援する専門のハローワーク。キャリアコンサルタント有資格者などの専門職員がマンツーマンで就職活動をサポート
  • 地域若者サポートステーション
    厚生労働省が運営する、15~49歳向けの就労支援機関。全国各地に拠点があり、協力企業への就職サポート、キャリアコンサルタントによる相談、就活セミナーやパソコン講座などを受けられる
  • ジョブカフェ
    若者の就労支援をワンストップでおこなう、都道府県が設置する施設。地域の特色を活かした就職セミナーや職場体験、カウンセリングなどを受けられ、場所によってはハローワークも併設されている

秋田 拓也

プロフィール

自分だけの考え方では偏りが出てしまいます。「どうせこうなるだろう」と決めつけることで行動をしないことはないですか。

第三者からの意見は、新たな行動や結果を生み出すことが多くあります。決して恥ずかしいことではないので、相談機関に頼っても良いのだろうかなどと気にせず、活用しましょう。

また不合格が続いたり第一志望の企業に落ちてしまったりしてショックを受けることもありますよね。どうしてもつらいときは、厚生労働省が提供するホットラインも検討しましょう。

誰でも無料で専門家に悩みを聞いてもらえ、電話だけでなくSNSでの相談も選べます。困ったときは無理をせず、積極的に専門家を頼ってくださいね。

久野 永理

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求職活動中は仕事が決まらないからと焦りが出てきてしまうものです。そんなときに考えてほしいのが、この先どんな活躍をしたいのか、どんな未来を描いているのかということ。

これから続く長い職業生活の中で、今は「通過点」に過ぎないのです。焦らずじっくりと求職活動をしましょう。

仕事が決まらないときは心のケアと基本の見直しで着実に内定を取ろう

仕事が決まらないときの原因と対処法を解説しました。仕事が決まらず疲れてしまったときは、無理をせず心をケアすることが大切です。紹介した方法でまずはメンタルを整えて、求職活動に向き合うエネルギーを十分に回復させましょう。

前向きに取り組む気持ちになれたら、解説した4つの見直しポイントを順に実践してみてください。焦らず一つずつ丁寧に取り組めば、選考を突破する力がぐっと身に付くはずです。

キャリアコンサルタントによる内定のコツも紹介したので、この記事を参考に行動して、希望の内定をつかんでくださいね。

アドバイザーコメント

仕事が決まらなくても自分を卑下せず選ぶ気持ちを忘れずに

採用は会社が仲間として迎え入れる人を決めることであり、能力の優劣だけで決まるものではありません。むしろ、お見合いに近いと捉えても良いかもしれません。

つまり「合わない人とはうまくいかないのだから、断られたからといって悲観することはない。かえって良かったのだ」と考えれば良いわけです。

そして落ちたときは「選んでもらえなかった」と卑下しがちですが、本来会社と求職者は対等の立場です。どちらも選び・選ばれるわけなので、こちらもしっかり会社の本質を見極めることが大切です。

この姿勢ができていないと会社に依存したり、会社の一方的な要求を容認したりしがちです。そういう人ほど「前の会社はブラックだった」と文句をつけて早期離職してしまう傾向にあるので、注意しましょう。

経験値を上げる時期だと捉えて周囲に頼りながら進めよう

不安やストレスがあるときは一人で抱え込まず、専門家を頼りながら少しずつ行動すれば良いのです。そしてときにはゲームをしているような感覚で、今は経験値を上げているところだと考えてみてはどうでしょう。

失敗から学んで、次こそクリアするぞ! このステージで自分は成長を手に入れるのだ! という思いで挑戦していきましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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