SPIの推論「内訳」は、条件を正しく整理して、論理的に考える力が求められる問題です。与えられた条件やシチュエーションを図や計算式を使って整理することで、スムーズに解きやすくなります。
この記事では、キャリアコンサルタントの森田さんとともにSPIの推論「内訳」の解き方について解説していきます。
記事の後半には、練習問題を5問用意しています。それぞれの解き方とともに解説しているので、問題を解くコツをマスターするのに役立てましょう。
よりSPIの本番をイメージして対策したい人は、SPI対策模試にも挑戦してみてください。
SPI「推論内訳」の概要
- 問題パターン:推論から内訳を導く問題
- 1問あたりの時間:1分30秒~2分
- 形式ごとの出題頻度:テストセンター(高)ペーパーテスト(中)Webテスティング(高)
- 推論「内訳」を解くときのコツをわかりやすく教えてください!
情報の整理が攻略のカギとなる! マトリックスで整理しよう
推論「内訳」は、SPI非言語のなかでも情報の整理力が問われる単元です。難易度はそれほど高くないため、しっかり対策することで、安定した得点源にできます。
実際に問題を解く際には、以下の手順でマトリックスを作成するのがおすすめです。
①広めのメモ用紙を用意する
②各要素を横方向に並べ、縦方向には問題文の条件を1行ずつ整理して書き出す
③「②」から得られる情報を確実に書き込んで視覚的に整理する
マトリックスを使って問題を解くポイントは、問題文を読みながら同時にメモをしていくことです。なお、1問あたりの解答時間は、1分30秒から2分を目安にしましょう。
SPIの推論「内訳」練習問題5問|森田さんによる解き方の解説付き!
ここからはSPI非言語の推論「内訳」の練習問題を専門家の解説付きで5問紹介します。条件を整理する力が試される問題なので、しっかりと演習を積んで解き方のパターンを身に付けていきましょう。
なお、過去に推論「内訳」を解いたことがない人は、「問題を解く前に確認! 推論「内訳」の解答のコツ」を読んでから、練習問題に取り組むようにしてください。
問題1(難易度:★★☆☆☆)
問題
次の各問いについて、示された条件から確実に正しいといえる推論をすべて選び、選択肢から一つ選びなさい。
りんご、みかん、柿の3種類の果物を、それぞれ一つ以上、合計で18個買った。18個の内訳について、次のことがわかっている。
Ⅰ) みかんの個数はりんごの個数より3個多い。
Ⅱ) 柿は4個以上買った。
次の推論のうち、確実に正しいといえるものはどれか。
ア りんごが3個ならば、柿は9個である。
イ 柿が5個ならば、りんごは5個である。
ウ みかんの個数は偶数である。
選択肢
正解:D
推論ア:りんごが3個のとき、条件Ⅰよりみかんは6個となる。全体の18個からりんご3個とみかん6個を引くと柿は9個となり、条件Ⅱを満たすため正しい。
推論イ:柿が5個のとき、りんごとみかんの合計は13個. 条件Ⅰより「みかん=りんご+3」を代入すると「2×りんご+3=13」となり、りんごは5個、みかんは8個と決まるため正しい。
推論ウ:みかんが5個(奇数)、りんごが2個、柿が11個などの場合があり、必ずしも偶数とは限らない。
問題2(難易度:★★★☆☆)
問題
次の各問いについて、示された条件から確実に正しいといえる推論をすべて選び、選択肢から一つ選びなさい。
赤、青、白の3色のTシャツを、それぞれ一つ以上、合計で20枚買った。20枚の内訳について、次のことがわかっている。
Ⅰ) 赤のTシャツは8枚以上買った。
Ⅱ) 青のTシャツと白のTシャツの枚数の差は5枚である。
次の推論のうち、確実に正しいといえるものはどれか。
ア 赤のTシャツの枚数は奇数である。
イ 赤のTシャツが9枚ならば、白のTシャツは3枚である。
ウ 白のTシャツが2枚ならば、赤のTシャツは11枚である。
選択肢
正解:E
推論ア:青と白の差が5(奇数)のとき、2色の合計も必ず奇数になる。全体20(偶数)から奇数を引くと赤は必ず奇数になるため正しい。
推論イ:赤が9枚のとき、青と白の合計は11枚。差が5枚になる組み合わせは「白3枚、青8枚」または「白8枚、青3枚」の二通りが考えられるため、白が3枚とは限らない。
推論ウ:白が2枚のとき、条件Ⅱより青は7枚(差が5)。このとき赤は11枚となり、条件Ⅰの「8枚以上」を満たす唯一のパターンとなるため正しい。
問題3(難易度:★★★☆☆)
問題
次の各問いについて、示された条件から確実に正しいといえる推論をすべて選び、選択肢から一つ選びなさい。
ノート、消しゴム、鉛筆を、それぞれ一つ以上、合計で22個買った。22個の内訳について、次のことがわかっている。
Ⅰ) ノートは鉛筆より多く買った。
Ⅱ) 消しゴムと鉛筆の個数の差は4個である。
Ⅲ) ノートは10個買った。
次の推論のうち、確実に正しいといえるものはどれか。
ア 鉛筆は8個である。
イ 消しゴムは8個である。
ウ 消しゴムは鉛筆より多い。
選択肢
正解:E
ノートが10個なので、消しゴムと鉛筆の合計は12個。条件Ⅱより、その組み合わせは「消しゴム8個、鉛筆4個」または「消しゴム4個、鉛筆8個」の二通り。
推論ア:条件Ⅰより「ノート(10)>鉛筆」である必要があるが、鉛筆が8個でも4個でもこの条件は満たされるため、8個とは限らない。
推論イ:鉛筆が4個のときは消しゴムは8個だが、鉛筆が8個のときは消しゴムは4個となるため、消しゴムは必ず8個とは限らない。
推論ウ:解説冒頭で述べた通り、消しゴムと鉛筆の個数は2パターンあり、消しゴムが鉛筆より少ない場合もあるため、確実に正しいとはいえない。
よって、いずれの推論も正しいと断定できない。
この問題は、一見するとシンプルですぐに答えが導き出せそうな印象を受けますよね。実際に問題文を読み解いていくと、まずは「ノートが10個」という情報がすぐに確定します。
しかし、ほかの条件からは、消しゴムと鉛筆の差が4個であるとしかわかりません。消しゴムが4個・鉛筆が8個の場合も、消しゴムが8個・鉛筆が4個の場合も考えられ、どちらか一方に確定できないのです。
このように、簡単そうに見える問題に限って条件が揃いきらず、複数の可能性が残る引っかけパターンが用意されていることがあるため、注意して取り組む必要があります。
問題4(難易度:★★★★☆)
問題
次の各問いについて、示された条件から確実に正しいといえる推論をすべて選び、選択肢から一つ選びなさい。
A、B、Cの3種類のパンを、それぞれ一つ以上、合計で25個買った。25個の内訳について、次のことがわかっている。
Ⅰ) Aの個数はBの個数の2倍より1個少ない。
Ⅱ) Cは6個以上、10個以下買った。
次の推論のうち、確実に正しいといえるものはどれか。
ア Bの個数は偶数である。
イ Cが9個ならば、Aは9個である。
ウ Aの個数が最も多い。
選択肢
正解:E
前提条件より、「A=2B-1」なので、AとBの合計は「3B-1」となる。全体の25からこれを引くと「C=26-3B」となる。6≦C≦10であり、これを満たすのはB=6のみである。つまり、前提条件を満たすパンの内訳は「A=11、B=6、C=8」の1通りのみである。これを踏まえ、各推論を見ていく。
推論ア:B=6で偶数であるため、正しい。
推論イ:C=9では成り立たないため、正しくない。
推論ウ:A=11で最も多いため、正しい。
よって、正しい推論はアとウである。
この問題の最大のポイントは、一見すると与えられている条件が少ないように思えても、論理を組み立てることで実はそれぞれの内訳が完全に決まるという点にあります。
問題文には、全体の個数とともにAとBの関係性が示されています。これらの情報から、Cの値を基準にして連立不等式を立てることで突破口が開けるのです。
この不等式を解くプロセス自体は決して難しくなく、計算を進めていくと条件を満たす個数がたった一つに絞り込まれる仕組みになっています。
このように明確な数値が導き出せた場合、それはもはや「推論」というよりも「確定した値」となります。あとは、その確定した数値を各選択肢で一つずつ当てはめながら検証し、確実に正しい項目を選定していきましょう。
問題5(難易度:★★★★★)
問題
次の各問いについて、示された条件から確実に正しいといえる推論をすべて選び、選択肢から一つ選びなさい。
ゼリー、プリン、チョコを、それぞれ一つ以上、合計で30個買った。30個の内訳について、次のことがわかっている。
Ⅰ) ゼリーはプリンより多く、チョコよりも多い。
Ⅱ) プリンとチョコの個数の差は7個である。
Ⅲ) チョコは5個以上買った。
次の推論のうち、確実に正しいといえるものはどれか。
ア プリンは15個以下である。
イ ゼリーが14個ならば、チョコは12個である。
ウ チョコが6個ならば、ゼリーは11個である。
選択肢
正解:A
チョコが5個の場合のゼリー、プリンの個数について考える。プリンはチョコ+7なので12個。全体が30個なので、ゼリーは30-5-12=13個となる。これは3つの条件すべてを満たしている。同様にチョコ6個の場合を考えると、プリン13個、ゼリー11個となり、条件Ⅰを満たさなくなるため、ゼリー13個、プリン12個、チョコ5個の組み合わせしか成立しないことがわかる。これを踏まえ、各推論について検証する。
ア:プリンは12個で、15個以下を満たすため正しい。
イ:ゼリーが14個の場合は成り立たないため、正しくない。
ウ:チョコが6個の場合は成り立たないため、正しくない。
よって、正しい推論はアのみである。
この問題のポイントは、推論で述べられている事象の中に、「数値がすでに決定しているもの」と「不定のもの」が混在している点です。
数値が決定している推論については、条件に照らして正しいかどうかを確認すれば、即座に判断できます。
一見すると「〇〇ならば〇〇である」という文章は仮定形に見えますが、条件から数値が一意に定まる場合は、決定した事実として扱う必要があるのです。
まずは、このような数値が確定している推論を優先的に検証しましょう。その後に、不定の推論について数値を変えて検証していくことで、どの推論が確実に正しいかを判断できます。
練習問題が解けたら、次はSPI模試に挑戦して実力をチェックしてみましょう。
SPIの推論「内訳」を対策する際のポイント
SPIの非言語に関する記事
◇非言語の対策
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効率抜群なSPIの勉強法|出題形式と頻出問題を踏まえた対策を伝授
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SPIの勉強時間をプロが解説! おすすめの進め方や重点ポイントも
推論「内訳」以外の練習問題も解いてみよう!
SPIは多くの分野に分かれています。練習問題を繰り返し解いて、苦手を攻略しましょう。
SPIのそのほかの練習問題
各分野の問題が解けたら、最後にSPI模試に挑戦してみましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi





アドバイザーのリアル・アドバイス!問題の情報を視覚化して条件の読み落としをゼロにしよう
2級キャリアコンサルティング技能士/全国経理教育協会 社会人常識マナー検定2級
森田 智比呂
プロフィールを見る推論「内訳」を攻略するコツは、情報を整理して視覚的に理解することです。
多くのミスは、条件の読み落としや、頭の中だけで関係性を処理しようとして起こります。そのため、メモに書き出し、マトリックスを作ることが有効です。
推論「内訳」は、問題文に必ず答えが混じっています。問題を1行ずつ最後まで読んで、確実に把握していきましょう。
隠された情報をマトリックスで視覚化するのが解答への近道
たとえば「A,Bが要素で合計が10。Aが3である」との情報が得られたとします。そこには、「Bが7」という明記されていない情報が隠されています。
実際の問題はこれほど単純ではなく、要素数も多いため、問題を視覚的に整理して、問題文に隠された情報をいち早く理解しましょう。
また、マトリックスを使えば条件の関連性も見えてくるため、必要な情報と不要な情報を切り分けられるようになります。
練習問題を解いたら「各情報をどのように整理したか」を振り返り、再現性のある解答手順を身に付けましょう。