この記事のまとめ
- 面接での「質問はありますか」は事前準備で大きな差が出る
- 面接での「質問はありますか」は自由度が高いからこそNG回答がある
- 状況・業界やアピールしたい内容別で回答例66選を紹介
- 面接力診断ツール
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面接の後半で聞かれることの多い「なにか質問はありますか」という質問。「なにを質問すればいいのかわからない」「的外れな質問をして失敗してしまった」という声を就活生からよく聞きます。
こうした逆質問の機会は、事前に準備したかどうかが明確な差につながることも特徴の1つ。用意をしていないととっさに質問が浮かばなかったり、調べたらわかるようなことを聞いてしまい印象を悪くしてしまいます。
この記事では、キャリアアドバイザーの木村さん、鈴木さん、岩﨑さんのアドバイスを交えつつ逆質問の攻略法を解説します。面接を控えていて「質問はありますか」という逆質問が不安な人はぜひ参考にしてくださいね。
まずは動画で、「質問はありますか?」に対する回答のコツを確認しましょう。
面接の「質問はありますか」で面接全体の評価が左右される!
面接の後半や最後に聞かれることの多い「質問はありますか」は、実は面接の中でも重要な局面です。「ピーク・エンドの法則」があるように、面接の終盤の出来事だけで面接全体の評価を左右しかねません。
ピーク・エンドの法則とは?
人はある事象に対して、感情がもっとも動いたとき(ピーク)の出来事はどうだったか、一連の出来事が終わるとき(エンド)の出来事はどうだったかの記憶だけで全体的な印象を決めるという法則
つまり、後半での逆質問で好印象を残すことができれば、面接全体の印象も良くなる傾向にあるということです。「質問はありますか」と聞かれたら、最後で最大のアピールチャンスだと捉えてくださいね。
記事では、「質問はありますか」という質問の意図から面接官や業界ごとの質問例を解説。また実際の回答例66選を紹介するので、これらを参考にして必ず状況や業界ごとの回答の対策をおこなって面接に臨んでください。
面接官へ質問ができず、あまり手応えを感じられず落ち込んだ経験がある人もいるのではないでしょうか。面接の手応えを判断する基準を知り、次につなげる方法を知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
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面接で「質問はありますか」と面接官が聞く5つの理由
面接で「質問はありますか」と面接官が聞く5つの理由
面接官が応募者の過去の経験やスキル・能力について質問し、その企業にあった人材か見極める場が面接です。ではなぜ「質問はありますか」と面接官は聞くのでしょうか。
逆質問は学生にとって自由度が高いからこそ、その人がどのような質問をするかで興味関心や知識の深さについて見極められるのです。
「質問はありますか」と聞く意図を知ることは、逆質問を考えるうえでのキーポイントとなるため必ずチェックしておきましょう。
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①入社意欲や志望度を知りたい
企業は内定を出したうえで、学生に「辞退」をされてしまうと、大きな損失になってしまいます。
そのため、面接官が学生に内定を出す判断をするために学生の入社意欲や志望度を確認したいと考えているのです。
「質問はありますか」という回答の自由度の高い逆質問によって、学生が自社のことをどれだけ調べてきたのか、興味や関心があるのかを確認しています。
「質問はありません」と逆質問に回答をしない学生は「熱意がない」、調べればすぐにわかるような内容を質問をしてくる学生は「志望度が低い」という印象を面接官に持たれてしまいます。
- 志望動機で志望度は伝えているはずなのですが、なぜ面接での「質問はありますか」でも志望度を知りたいのですか?
志望動機をふまえたうえで学生の本気度と熱意を見るため
面接官からの質問で志望動機をすでに答えているにもかかわらず、逆質問でさらに志望度を知りたい理由は、ズバリ面接官が学生の本気度と熱意を見ようとしているからです。
面接官は「この学生の志望動機の答えはある程度納得できるような回答だったけれど、果たしてうちの会社に入社したいという思いはどの程度本気なんだろうか」と考えています。
先に志望動機についての学生の回答を聞いたからこそ、その志望動機がどの程度の本気度なのかを逆質問を通じて知りたいのです。逆質問の内容や仕方によって、学生の志望動機の本気度の違いを感じとっています。
②コミュニケーション能力を確かめたい
「質問はありますか」という問いに対して、学生は自由に発言をすることができます。自由度が高いからこそ、学生の価値観や考え方が色濃く反映されると面接官は考えています。
そのため就活生に自由に質問をしてもらうことで、「相手の立場を考えたうえで発言をするか」「その状況にふさわしい質問ができるか」などの基本的なコミュニケーション能力があるかを見極めている場合もありますよ。
逆質問で自分本位な質問をするのではなく、「コミュニケーション」を意識した基本的な言葉のキャッチボールができる学生であるかどうかがポイントとなってきます。
逆質問でコミュニケーション不足だと思われてしまう学生の特徴の1つは、面接官の回答に何回も深堀り質問をすることです。これは優秀な学生に多いです。
自分が知りたいことを優先してしまい、結果、面接官が答えづらい質問になっていることがあります。これではコミュニケーションに難ありという印象を持たれてしまいます。
③社風との相性を確認したい
学生が逆質問をする内容である「気になる点」や「疑問点」は興味関心が色濃く反映されます。たとえば、「研修はありますか」や「勉強をする機会はありますか」などの質問は会社への依存度が高く主体的でない印象を持たれる可能性があります。
逆に、「早く戦力になりたいため、入社までに身に付けておくと良い知識はありますか」などといった質問は熱意や積極性が伝わってきます。
学生の着眼点はどこにあるのか、そしてその特徴を持った学生は自社の社風とマッチするのか否かを面接官は逆質問によって判断しています。
④入社後の活躍イメージを知りたい
面接官は「質問はありますか」と学生に問うことで、仕事で質問をする学生の姿を重ね合わせて入社後のイメージを想像する場合もあります。
たとえば、結論ファーストで自分の考えを交えて「これって〇〇ということですか? 私はこう考えているのですが教えてください」と質問をしてくる学生と、「これってなんですか?」と漠然とした要領を得ない質問をする学生とではどちらの学生が入社後に活躍するイメージを持てるでしょうか。
学生にとって初めての社会経験となる入社後はわからないことだらけです。そんな時、面接官はこの学生はどのように質問を考えて乗り越えていくのかをイメージしています。
入社後の活躍イメージにつながる逆質問は、その企業の流れがわかっていることが伝わる内容です。企業の方針や取り組みについて過去から現在、そして今後の方向性を大筋で理解していることを伝えてみましょう。
今後の企業の方向性に興味を持っていることが面接官に伝わるような質問は、入社後に活躍をするであろうという良いイメージにつながります。
⑤会社の魅力付けをしたい
面接官は「質問はありますか」と問うことで、学生の疑問・不安を解消し、学生の自社に対する志望度を高めたいという狙いもあります。
特に、ベンチャー企業や中小企業など応募者の数が少ない企業は、魅力付けの意図を持った面接は多いです。また、大手企業など応募者の多い企業であっても優秀な学生に対しては「ぜひ入社をしてほしい」と魅力付けをする場合もあります。
たとえば面接官は「一緒に働く人との調和」を大切にしたい旨の逆質問をする学生に対してはホームページ(HP)ではわからないような社風について、「成長を続けたい」学生に対しては裁量権や昇進について詳しく伝えて魅力付けをおこないます。
「質問はありますか」という質問は企業側だけのためにあるものではなく、学生側の気になっている素直な疑問を解消するためでもあるということです。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見るビジネスで通用するコミュニケーション能力が見られている
上記にある面接官が「質問はありますか」と聞く5つの理由のうち、コミュニケーション能力の観点は特に意識して面接に臨む必要があります。
面接は通常、面接官に質問されたら学生が答えるという定型的なパターンでコミュニケーションが進んでいきます。面接官に「質問はありますか」と聞かれて、ただ事務的に自分が知りたいことを一方的に質問するという姿勢では、ビジネスの現場で通用するコミュニケーション能力があるとはみなされません。
試験ではなく言葉のキャッチボールという意識をしよう
就活生にとって面接という場面は「試験」という感覚に近いため、面接官との対等なレベルでのコミュニケーションは想像しづらいかもしれませんね。しかし、面接官はできるだけ学生の自然な状態での人物像を理解するために、面接の場でのコミュニケーション方法を工夫しています。
学生の皆さんは面接の緊張感をなくすのは難しいかもしれませんが、面接官に「質問はありますか」と問われたら「コミュニケーションのチャンスだ」と思いましょう。しっかりと面接官と向き合って志望の想いの熱さが伝わるように、心地よい言葉のキャッチボールをイメージして質問を準備してください。
面接の「質問はありますか」に回答するための5つの準備
面接の「質問はありますか」に回答するための5つの準備
「面接官に対して質問をするなんてどういう風に考えたら良いんだろう」などと悩む就活生も少なくありません。
面接官が「質問はありますか」と質問をしてくる理由をふまえて、ここからは実際にこの質問に回答をするための準備について解説していきます。特に面接に慣れていない人や逆質問に苦手意識がある人は以下の5ステップを必ず押さえましょう。
ステップ①企業・業界についての5つの要素を把握する
把握すべき5つの要素
- 業界での企業の位置づけ
- 企業の基本情報
- 企業理念や社風
- 実際に働くうえでの環境
- 企業の将来性
逆質問を考えるにあたっては、企業の特徴を掘り下げて把握する必要があります。この要素を把握しないまま逆質問を考えてしまうと、知識不足で志望度が低いと面接官に捉えられかねません。
他の就活生の一歩先を行くためにも、他社との比較や基本情報、社風、働く環境、企業の将来性を押さえることは必須です。この5つの要素を押さえることで面接官により良い印象を残しましょう。
①業界での企業の位置づけ
まず1つ目の「業界での企業の位置づけ」では、業界全体でのポジションや同業他社の中でのその企業がどのような位置にいるのかを把握しましょう。
業界の中での企業の位置づけを知るためには、生産量、販売額、従業員数などを確認して他社と比較をすることが大切です。
業界での企業の位置づけを知るための要素
- 生産量
- 販売額
- 従業員数
- 市場規模
- 業界展望
- 事業内容
- 商品・サービスの強み
- 製品価格
- マーケットシェア
たとえば、業界として非常に大きい市場であることや、同業他社の中では中堅企業に位置するなどを把握しましょう。
この業界での位置づけを知ることで他社との比較をすることができ、企業理解が深まりますよ。
- 業界内での企業の位置づけを知るために効率的な調べ方はありますか?
Web検索で「〇〇業界 ポジショニングマップ」
業界の全体像を知る簡単な方法としては、Web検索で「〇〇業界 ポジショニングマップ」と入力してみてください。
そうすると、マトリクス表に企業名やロゴが記載されている、たくさんの分析マップを見つけることができます。
マトリクス表の縦軸と横軸を参考にし、そこから、あなたの就職したい企業を業界団体で調べましょう。そうすることで競合他社も調べることができ、非常に効率的な方法です。まずは、大枠から見ていくことをおすすめします。
②企業の基本情報
見るべき場所 | 企業の主な基本情報 |
---|---|
コーポレートサイトの企業概要ページ | 本社所在地、設立年月、資本金、代表取締役、主要事業、従業員数 |
企業理念ページ | 企業理念、代表メッセージ |
サービス内容・製品ページ | 製品情報、事業内容 |
IRページ | 売上高、利益、関連会社 |
採用ページ | 募集要項 |
企業HPやネットで調べたらわかることの代表例として、企業の基本情報が挙げられます。調べたらわかる基本的なことを逆質問で聞いてしまうと、面接官に「熱意がない」と思われてマイナス評価につながってしまいます。
特に応募企業はどのような事業をしているのか全体感を整理するとともに、力を入れている事業は何か把握しておきましょう。事業内容を具体的に押さえておくことで熱意が伝わりやすくなるため、わかりづらい事業こそ調べておくことをおすすめします。
たとえば、精密化学メーカーが化粧品を製造していたり、食品会社が半導体材料を製造していて世界のトップシェアを誇っていたりします。必ず企業の基本情報には目を通し、逆質問の精度を上げる手立てとしましょうね。
③企業理念や社風
企業理念とは?
企業理念とは企業の存在意義とあり方を言語化したもの。
何のために存在している企業なのか、どこに向かって活動をしているのか、強みは何かなど企業の人格が形成されている。
社風とは?
企業がその歴史のなかで培ってきた文化や価値観。
明文化はされていないものだが、文化や価値観は、仕事をするうえで行動や考え方などさまざまなものに現れる。
企業理念や社風は「その企業ならでは」を特徴を形成する要素の1つです。
企業理念や社風はHPなどで調べただけでは、具体的に企業の中でどのように活きているのかなど実際に理解しづらいです。そのため、企業の口コミサイトを見たり、実際に企業説明会やOB・OG訪問で社員に質問をするなどをして理解を深めていきましょう。
そしてなんとなくでも良いので、雰囲気や傾向を自分なりにつかむことが大切です。その自分なりの解釈を逆質問で答え合わせするという意識を持つと良いですね。
企業理念や社風を逆質問にうまく活かすには、理念がどのように職場で実践されているのかを考えてみましょう。
どういった流れで現在の社風が形成されてきたのか、面接官自身がそのことをどのように感じているかなども、逆質問に活かすことができます。
④実際に働くうえでの環境
企業の基本情報で確認した事業拠点と合わせて、実際に入社後は自分はどの地域で働くことになるのか、転勤頻度はどれくらいか、など働くうえでの環境を調べましょう。
入社後に「思っていた環境と違う」という悪いギャップが生まれると、早期離職の原因ともなり得ます。そうならないためにも働く環境を確かめておくことは大切です。
前もって働く環境を整理しておいたうえで、疑問や不安を逆質問で質問して解決しましょう。働く環境としては次のようなものが考えられます。
働くうえでの環境の例
- 3年に1度転勤がある
- 部署によっては土日祝日が出勤日
- 夜勤や早朝勤務が発生する
またキャリア形成の環境に関して、転職をする人が多いのか、長く働く人が多いのか、育休産休は取得実績があるのか、自分が応募している職種や勤務条件も今後の長い社会人人生を生きるうえで押さえておきましょう。
働くうえでの環境の調べ方
- 募集要項を確認する
- 企業説明会で質問をする
- OB・OG訪問で質問をする
- 企業の口コミサイトを確認する
⑤企業の将来性
今後この企業が属する業界はどのような動向になりそうか、この企業はどうなるか調べましょう。ネットなどで厚生労働省や各業界団体が公開しているデータを見て調べてみてください。
加えて、企業HPの掲載されているIR情報で企業の売上推移を押さえたり、業界全体の動向を「○○業界 動向」などで検索して調べてみましょう。企業が掲げる中期経営計画などを見るのも、将来性が見出しやすいです。
またCSR(企業の社会的責任)への取り組みも、企業の将来性を知るのに有効です。
たとえば、CSRの1つとして昨今注目されているSDGsが、その企業の成長とどうかかわるのかを自分なりに仮説をたててみましょう。
持続可能な開発目標SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは?
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと
引用:外務省「SDGsとは? 」
持続可能な事業でなければ企業も存続し続けることは難しいです。企業の社会貢献への考え方を知ることで、社会貢献できる余裕のある企業なのか、社会的立場の高い企業なのかを判断できることもありますよ。
- 企業の将来性を調べたり仮説を立てるために、効率の良い方法があれば教えてください。
就活四季報や中小企業白書を見よう
就職四季報を手に入れて調べるのも一つのやり方です。大学のキャリアセンターに置いてある場合もあるので確認してみましょう。
または、特に現在はコロナ禍も相まって、業界自体が先行き不透明な場合もあります。いわゆる斜陽産業というものですね。自分の希望する業界自体の将来性も考慮するとよいでしょう。
斜陽産業かどうかも、就職四季報で情報を調べることができます。また、中小企業なら中小企業白書を使うのもおすすめです。
ステップ②気になる内容をとにかくリストアップをする
ステップ1で「企業・業界についての5つの要素」を把握できたところで、次はその調べた内容の中から気になるものをリストアップしていく作業です。
競合他社と比較したときや企業の事業内容で特異だと感じた点など、少しでも疑問に思ったことや調べてもわからなかったことを箇条書きでも良いので洗い出しましょう。
また実際に自分が働く姿をイメージすると、疑問点や知りたい内容が思い浮かんでくるはずです。
内容のリストアップの例
- 実際の業務はどのような流れで何をするの?
- コミュニケーションを大切にする社風って具体的にどんな場面でそう感じるのだろう?
- 「全国転勤あり」ってことは知っているけど、どのくらいの頻度であるの?
- シフト制はどのようなサイクルなの?
- 企業が求める人物像に「面白い人」と書いてあるけど、具体的にどういうこと?
ステップ③内容を取捨選択をする
気になる内容が洗い出せたところで、自分が考えた質問は面接の場にふさわしいのか再考しましょう。たとえば、担当する面接官の職位に合った質問なのか、調べればわかる内容ではないかと考えます。
職位ごとに合った質問
- 人事:会社の全体感などの組織風土
- 現場の社員:具体的な業務内容や働く環境
- 役員以上:企業経営の方向性や成長性
面接官が人事部のときや現場の人のとき、そして役員・社長のときなど状況によってするべき質問は異なります。なぜならば、担当している業務や視座が異なるためです。
企業の全体感を掴んでいる面接官なのか、実際の業務内容に詳しい面接官なのか、企業の今後を見据えている面接官なのかをよく考え、内容の取捨選択をしましょう。
ステップ④質問するべき内容か優先順位をつける
そもそも面接での「質問はありますか」という逆質問への回答は何個準備をすれば良いのかわからないという学生もいますよね。
結論からいうと、準備すべき逆質問の数は5個程度です。実際に逆質問をする数は面接のフェーズによって異なります。
逆質問をする個数の目安
- 集団面接:1個程度
- 最終面接以外の個人面接:1~3個程度
- 最終面接:3~5個程度
最終面接は社長や役員面接であり、学生の志望度の高さがより見られる傾向にあります。そのため逆質問の時間も長く設定されていることもあり、逆質問をする数が多くなる傾向にあります。
この逆質問をする数の目安を踏まえて、自分がリストアップした疑問や気になる点では何が最も聞きたい質問なのか優先順位をつけましょう。
内容を取捨選択をするときは自分の純粋な疑問を解決するためでも、魅せたい自分をアピールするためでもどちらの考え方もできますよ。
ステップ⑤端的かつ具体的な質問に落とし込む
気になる内容を取捨選択できたでしょうか。最後の5つ目のステップでは、質問内容がより面接官に伝わるようにブラッシュアップをしていく作業です。
端的かつ具体的な質問になるように、どこが論点なのかわかりやすい質問構成にしてくださいね。
質問の組み立て方としては、まずは何の質問であるかという結論を述べます。そして自分の考えを伝え、深掘りをして具体的に聞きたい内容を明確にしましょう。
逆質問の構成の例
- 結論:〇〇について具体的に教えて頂きたいです。
- 自分の意見:私は~~から▢▢だと考えています。
- 深掘り:実際に△△ではどのようになっていますか。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る逆質問もルールに則った考え方が大切
逆質問の準備をする心構えとして、自分が面接を受ける企業について自分なりの企業分析をしておくことが非常に重要です。どんなスポーツにもルールがあるように、面接の逆質問を考えるときもルールに則って考えることをおすすめします。
ルールに則った考え方ができるようになると、考えるべきポイントや思考の流れをパターン化することができ、非常に効率的に準備を進めることができます。前述にある「『質問はありますか』に回答するための5つの準備」のステップの①〜⑤は、全体を客観的に把握することから、逆質問の内容を洗い出し、焦点を絞り、構成するというステップになっています。
自分がつまづいているステップを確認しよう
もし、逆質問の内容を考えつくことができなかったり、どうしても迷ってしまうような場合は、このステップを再度見返しておこなうようにしてください。そうすることで、あなたがどこのステップでつまずいているかがわかります。そのステップごとでの対策に再度取り組むと良いですね。
面接で「質問はありますか」と聞かれたときのNG行動
面接で「質問はありますか」と聞かれたときのNG行動
面接の場にふさわしくない、もしくは的外れな質問をしてしまったりと、質問の内容によっては面接官からマイナス評価をされてしまう可能性もあります。
面接での「質問はありますか」でうまく答えられない人の特徴に多いのは、「面接官に聞きたいことは沢山あるから準備をしなくても大丈夫だろう」と内容を深く考えずに慢心するタイプと、面接官がどんな立場なのか相手のことを考えない自分本位なタイプです。
まずは、面接で「質問はありますか」と聞かれたときのNG行動5選を確認をすることで、面接の場にふさわしくない質問を避けることを意識してくださいね。
「特にありません」と回答する
もちろん「質問はありますか」という問いに対して「特にありません」と回答したからと言って必ず不合格になるとは限りません。
しかし面接官は学生の逆質問によって入社意欲やコミュニケーション能力を見極めたいと考えています。
そのため「特にありません」といった回答をすると、「うちに興味ないのかな」と思われて熱意が伝わらないだけでなく、「入社後も質問をしないのであれば成長ができずに活躍できないのでは」と面接官の心象は悪くなりがちです。
- 面接官から「質問はありますか」と尋ねられて、どうしても質問が思い浮かばないときはどうすれば良いですか?
逆質問の直前の話題に関連させて深掘りしよう
面接に行く前に、面接官の立場(人事、現場、役員)に応じて事前に逆質問をいくつか用意しておくのが理想です。
そうは言っても、用意していた逆質問については面接官に先に説明されてしまったり、準備していた質問が面接の話の流れから不適切だと感じられたり、どうしてもその場で適切な質問が思い浮かばないときもあるかもしれません。
そのようなときは、直前の話題に関連させて深掘りするなど、会社への興味が強いことを示す前向きな質問をすることがおすすめです。
たとえば、逆質問の前の質問で業界について話していたとすれば、業界に関する逆質問ができます。面接をしている企業の競合他社との関係性や今後の方向性について自分なりの予測を伝え、「会社としてはどのような計画があるのか」などを質問すると良いですね。
熱意が感じられない質問をする
逆質問は伝え方次第で熱意をアピールできる場です。だからこそ、質問内容によっては熱意が感じられず、マイナスな印象を残してしまうケースもあります。
たとえば、企業HPなどで調べれば簡単にわかる内容や待遇面に関する質問などは、企業への熱意があるとは言い難いですよね。
事前に逆質問を準備する段階で、この質問には熱意が感じられるかどうか回答をする側の立場になってチェックしてみると良いですね。
熱意が感じられない逆質問の例
- 勤務地はどこがありますか?
- 企業理念は何ですか?
- 有給消化率を教えてください
的外れな質問をする
面接という限られた時間の中で「そんなこと聞いてどうなるの?」と思われるような、時間の無駄になりかねない的外れな逆質問は避けましょう。
逆質問では自分が最も関心があることを質問することが定番です。この学生の最大の関心ごとはそんなことなのかと誤解を招いてしまいます。
自分が知りたい情報かつ、意欲をアピールできる質問にしましょう。下記のような小さな気になることに関しては、面接ではなく社員との面談の機会や内定後に聞くことをおすすめします。
的外れな逆質問の例
- お昼ご飯はみなさんどこに食べに行っているのですか?
- 服装はオフィスカジュアルですか?
- 会社の席ってどういう風に決まっているのですか?
- 社用車やスマホってあるのですか?
- 会社の近くに駐輪場ってありますか?
無理やり質問をする必要はないと思いますが、そうは言っても、何もないとは言いにくいこともあるかもしれません。
その場合には、事前に自分なりの質問を用意しておけば安心です。たとえば「1日のスケジュールを教えてください」「活躍している社員の特徴はなんですか?」などです。
ネガティブな印象につながる質問をする
面接官が一緒に働きたいと感じるのは、仕事への熱意や意欲のある学生です。
「〇〇が不安なのですが大丈夫でしょうか」「できなかったときはどうすれば良いのでしょうか」などといった後ろ向きな質問をする学生には面接官は不安を感じてしまいます。
また「業務についてどの程度研修があるか」など受け身な姿勢が伝わる質問も、自主性に欠けるというネガティブな印象につながりかねないため要注意です。
ネガティブな印象につながる逆質問の例
- もし営業ノルマを達成できないときはどうするのですか?
- 未経験ですが研修制度はどのくらい整っている環境ですか?
- あまり人とのコミュニケーションには自信がありませんが、御社の人間関係はどのような雰囲気ですか?
アピールをするための逆質問でネガティブな印象になるのは避けたいですよね。質問の内容自体は問題ない場合でも、話すときの言葉の抑揚が乏しくて低い声は、意図せず覇気がない印象を面接官に抱かれてしまう可能性があるため注意しましょう。
普段から、意識的にかつぜつをはっきりさせて話すように練習しておきましょう。
答えづらい質問をする
答えづらい逆質問は、漠然としている内容やネガティブな内容に踏み込みすぎる質問です。
人事が面接官のときに「今後の経営方針をどのように考えていますか」と尋ねたり、逆に社長が面接官のときに「御社の営業の日々のスケジュールを教えてください」など相手の立場や役職を考えていない質問をしてしまうと、面接官は困惑してしまいます。
またネガティブな内容に踏み込みすぎるのも避けてください。たとえば企業があまり触れられたくない内容や、面接官が個人的に触れられたくないような内容です。
答えづらい逆質問の例
- 先日、御社のインサイダー取引違反のニュースを拝見したのですがどのような経緯でこのような事態になりましたか?
- 以前、御社は個人情報漏洩というミスを犯してしまいましたがどのような再発防止策を取っていますか?
- 〇〇様の仕事人生の中でもっとも大きな失敗は何ですか。またそれによってどんな被害をもたらしましたか?
アドバイザーコメント
岩﨑 千夏
プロフィールを見る面接官の立場や気持ちを考えた質問をしよう
逆質問では他にも避けるべき質問として、将来の事業計画を尋ねる内容が挙げられます。たとえば「○○といったことを解決する必要があると思いますが、今後事業展開の予定がありますか」といった質問です。
現場の採用担当では答えられない場合が多いうえに、学生らしくないと感じるため、内定を出しても辞退するのではないかと思われるかもしれませんね。
そのほかには、個人的な「将来は子どもを持ち家庭を優先したいのですが…」といった話も面接官は答えにくいため避けたほうが無難です。
選考の場ということを忘れない
「配属先を選べるか」といったことも非常に多い質問ですが、転勤前提の制度構築がなされた企業の場合はマイナスに映る可能性もあることは覚えておいてくださいね。学生が「選ぶ側」「売り手」という意識をあまり表出させる逆質問は控えましょう。
39点以下は要注意!
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・面接でなぜ落ちたかわからない人
・自信を持って、面接に臨みたい人
カテゴリー別! 面接の「質問はありますか」への回答例66選
面接では「その企業ならでは」にフォーカスすることが大切です。ここまでに伝えてきた面接官が「質問はありますか」と問う理由、逆質問の考え方、避けるべき回答を踏まえて回答例66選を紹介します。
面接官の職位による状況別や業界別、企業について気になる箇所ごと、アピールをしたい内容などカテゴリー別に紹介します。自分に合った逆質問を考える手だてとしてくださいね。
面接のフェーズごとの逆質問の考え方を知りたいという学生は以下の記事を参考にしてください。
一次面接
一次面接の逆質問例60選|4つのポイントを押さえて好印象を掴もう
最終面接
最終面接の逆質問30選! 内定をつかむ必須準備と差別化のコツを解説
「質問はありますか」という逆質問と似たもので、「最後に一言ありますか」と聞かれることもあります。気になる就活生は以下の記事を参考にしてください。
関連記事
面接の「最後に一言」は何が評価される? 好印象を残す8例文も紹介
面接での「最後に一言」は、アピールのラストチャンスです。好印象につながる内容だけでなく、失敗パターンもキャリアコンサルタントが解説します。面接での「最後に一言」に答えるときのポイントや回答例文を参考にして、合格の後押しをしましょう。
記事を読む
状況別の回答例
ここで言う状況別とは面接官の職位別という意味合いです。一次面接や二次面接、最終面接などは以下の面接官が担当する傾向があります。
面接フェーズごとの面接官
- 一次面接:人事部
- 二次面接以降:現場の若手社員や現場責任者
- 最終面接:役員や社長
もちろん企業によって異なるためどのような人が面接官となるか事前に確認しておきましょう。
事前の確認が難しい場合は、面接の最初に面接官も自己紹介をします。自己紹介で役職などをしっかりと把握してくださいね。
- 面接官が一人の場合と複数いる場合のマナーの違いがあれば教えてください。
面接官が複数いるときは適切な人に適切な質問を
面接官が複数いるときは、できる限り会社全体についての質問をするようにしてください。質問についての回答者は企業側で適任の方を選ばれ、回答してもらえます。
たとえば社長や役員が同席されているからといって、人事の話を社長に質問しないように心掛けてください。
また、どうしても参加されている面接官に個別で質問したい場合は、〇〇様と面接官のお名前を指名され、その方の部署に関わる内容で質問されるようにすると良いです。
選考フェーズによって、考えるべき逆質問は異なります。そのため、以下の記事から自分の状況に合った面接の対策をしてくださいね。
一次面接
一次面接を突破する4つの秘訣|頻出質問や落ちる人の特徴も解説
二次面接
二次面接は深掘り質問に注意! 回答例や失敗する学生の特徴を解説
最終面接
最終面接の合格率を高める6つの対策|頻出質問と回答例文で徹底解説
面接官が人事部のとき
人事部への逆質問
- 御社の求める人物像に〇〇や△△、▢▢とありましたが、採用をする際に最も重視するポイントはどれですか?
- 御社の現場社員への評価基準を教えてください。
- 御社で活躍する人材はどのような人が多いですか?
- 御社が新入社員に期待することを教えてください。
人事部は事業戦略や経営、また各部署の実際の業務に関して詳しいわけではありません。そのため企業の今後の経営についてなどの質問はふさわしくありませんね。
人事部の仕事としては、採用活動を始め、勤怠管理や福利厚生の整備、人事異動、社員研修などを通じて組織をスムーズに運営することです。
人事部の仕事をある程度理解したうえで、会社全体としての評価制度や人材の傾向などの質問をすると良いですね。
人事部所属の面接官は学生から逆質問をされたとき、「この学生は入社後にどこの部署に配属をさせようか」と考えながら回答することがあります。
入社後をした後の配属希望(職種)や昇格制度についてを自己アピールにつながる内容で逆質問をすると良いですね。
面接官が現場社員のとき
現場社員への逆質問
- 〇〇職の具体的な1日の業務スケジュールを教えてください。
- 〇〇職をするうえでのやりがいを教えてください。
- 御社はチームプレーをする社風とOB・OG訪問の時に伺いました。具体的に〇〇職でチームプレーが発揮されるときはどのようなときですか?
現場の社員と一口に言っても現場の若手社員の場合と現場責任者の場合などもあります。相手の職位に応じて、より手を動かす仕事なのかマネジメントをしているのか考えながら逆質問をしましょう。
たとえば、現場の若手社員の場合はより具体的な業務スケジュールについて聞き、実際に自分の入社後をイメージできるような質問をしましょう。逆にマネジメント層の場合は、どのような人が活躍をしているかなど現場の全体像がつかめるような質問がおすすめです。
いずれにせよ現場の具体的な仕事がわかる面接官ということです。「より現場のリアルな声や雰囲気を知りたい」といった逆質問やその場に参加したいという熱意をアピールすると高評価につながりますよ。
逆質問で無理に個性を出そうとする必要はないと思います。
内容よりも、話したそうにしているのに口に出せない、また集団面接であれば自分ばかり話をして他の人に機会を与えないなどを現場で働く面接担当者はチェックしています。
何か聞きたいことがあれば聞く、そんな自主性があると、現場でも成長をしていくイメージが湧きやすいため良いイメージを持たれます。
二次面接では一次面接よりも上の年次の社員が面接官を担うことが多いです。以下の記事では二次面接の逆質問で好印象を残せるコツをまとめているので参考にしてみてください。
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面接官が役員以上のとき
役員や社長への逆質問
- 御社の企業理念は〇〇と伺っています。〇〇様から見て企業理念が浸透していると感じる場面を教えてください。
- 御社は〇〇事業部に力を入れていますが、今後より力を入れていこうとお考えの事業はありますか?
- 御社が設立わずか〇年でここまで成長された1番の要因は何か、差し支えなければお聞かせください。
- 中期経営計画には〇〇事業部は△△の戦略をとると記載されていました。私は〇〇事業部志望なのですが、差し支えなければ△△の戦略をとるためのボトルネックを教えて頂きたいです。
特に最終面接では、役員以上の役職の面接官が多い傾向にあります。役員や社長には企業の方針を聞くなど、物事の全体像をつかむイメージで視野を広く持って逆質問をしましょう。
視座の高い質問をするためには中期経営戦略と自分の疑問を照らし合わせることがおすすめです。
注意点としては現場の仕事内容を掘り下げた質問をあまりしないようにしましょう。せっかくの上層部の人に質問をする機会なので、その点を忘れないでくださいね。
役員以上の人に逆質問をするときは、役員の立場や役割が企業によって異なる場合があるため、その役員の立場と役割を事前に確認しておくことをおすすめします。
そのうえで、業界での会社の立ち位置や競合他社との関係性など、経営戦略や事業計画に関する広い視野から質問を準備しましょう。
社長面接の逆質問は何を聞いていいのか不安になりますよね。以下の記事では社長面接の逆質問について詳しくまとめているので参考にしてみてください。
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業界別の回答例
就活生の中には複数業界の選考を受ける人もいるかもしれませんね。どの業界でも同じように「質問はありますか」と質問をされるため、回答も同じものを使いまわそうとしていませんか。
もちろん違う業界でも使いまわすことのできる逆質問もあります。
しかし、より自分自身の不安や疑問を解決するためには各業界に適した回答をする必要があります。こちらでは8つの業界ごとの回答例を紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
紹介する8つの業界
- メーカー
- 商社
- 小売
- 金融
- サービス・インフラ
- 広告・出版・マスコミ
- ソフトウェア・通信
- 官公庁・公社・団体
メーカー
メーカーへの逆質問
- メーカーで働くうえで「安全」に対する意識はどのように変化しましたか?
- 文系出身で働く社員の方はどのように技術に関する知識をキャッチアップしていますか?
- 私は研究分野以外で〇〇についても勉強をしてきました。御社で活かせる場面はどこかありますか?
メーカーには独自の製品があります。そのため質問の考え方としては、製品そのものについてや製品を提供するためのサプライチェーン、技術について深掘りするイメージです。
技術という観点では「安全性」に焦点を当ててみるのがおすすめです。メーカーでは「ご安全に」という言葉があります。この言葉は安全意識をあげるために、 挨拶運動として展開した安全活動の一種です。
「安全」という言葉の通り、メーカーでは安全性が重要視されています。学生の立場からは想像が難しい安全性という視点で、一歩踏み込んだ質問をしてみるのもおすすめです。
商社
商社への逆質問
- 私は商社の付加価値は○○だと考えています。実際に働く〇〇様は何であると感じていますか?
- 中期経営計画では今後の重点国として〇〇、△△、▢▢の国が挙げられていました。もし入社をした後にはそういった国々への駐在が若手のうちから増えてくるのでしょうか?
- OB・OG訪問の際に駐在で価値観が変わったとおっしゃっている社員の方が大勢いました。〇〇様が駐在を経験して変わった価値観などがあれば教えて頂きたいです。
商社業界では企業によってはOB・OG訪問をたくさんする必要がある場合もあります。せっかくOB・OG訪問をしたのであればそれも伝えて熱意をアピールしましょう。
そのうえで、学生が会うことができなかったクラスの面接官に対してはよりマネジメントや経営戦略に近い部分の質問をしましょう。
逆質問を考える際には、一般的に製品を持たないビジネスモデルに焦点をあてるほか、グローバルな観点を意識すると良いですね。
OB訪問や前の面接などで、すでに質問した内容と同じ質問をすることは、全く問題ないです。しかし、同じ質問をするときには、前回の質問から堀り下げた内容の質問にしましょう。
またすでに回答をいただいたものに対する別の角度からの質問にすることで、探求心をもっている就活生だという良い印象を面接官に抱いてもらえます。
小売
小売への逆質問
- 〇〇様は現場と本部の両方を経験されたとのことですが、どちらでも大切にしていた価値観などがあれば教えて頂きたいです。
- 御社は近年EC市場への参入を積極的におこない、大幅に売り上げが伸びていると伺っています。他社と比較しても伸び率が顕著なのですが何か理由があれば差し支えない範囲で教えてください。
- バイヤーや販売、販売支援でそれぞれ求められる能力の違いを教えてください。
小売業界の逆質問では小売業界ならではの最新のトレンドを掴んだ逆質問をすることでより志望度の高さが面接官に伝わります。
小売業界は私たち一般消費者との距離が近く、小売業界に関する知識を多く持っていると就活生は勘違いしがちです。慢心せずに小売業界に密着した逆質問を考えていきましょう。
金融
金融への逆質問
- 無人化やAI化などが進められている現在、対面での価値は〇〇だろうと私は考えています。〇〇様は実際に働く中で対面の価値は何であると感じていますか?
- 御行と他の銀行との違いは〇〇だと私は考えています。お客様はどのような理由で御行を選ぶのでしょうか?
- 御社は支店が数多くありますが、支店ごとの風土違いなどがあれば教えていただきたいです。
金融業界は就活生にとって人気の就職先の1つです。就職難易度が高いからこそ、一般的な逆質問をするのではなくトレンドを踏まえ、そして自分自身の考えを反映させましょう。
金融業界はその企業が扱っている商品やサービスが他社と差別化しづらい傾向にあります。そのため、その企業ならではの価値について自分の考えを交えながら質問をするのもおすすめです。
思考力や緻密さが求められるため、いかに準備をしていくかが金融業界の逆質問のポイントです。
サービス・インフラ
サービス・インフラへの逆質問
- 役職ごとに変わる仕事での必須スキルをどのように磨いていますか?
- 緊急事態の対応などであると良い心構えは何かありますか?
- 早朝勤務や夜勤などで特に気を付けていることがあれば教えていただきたいです。
サービス業界とは、無形のサービスを販売・提供することを主たる事業分野としており事業内容が非常に幅広い業界です。
福祉やホテルなどイメージしやすいものから不動産やコンサルティングなども含まれているため、自分はどんな業種を志望するのかよく考えて逆質問を考えましょう。
またインフラ業界は社会の基盤となる、私たちの生活に密着したサービス・仕組みを提供しています。そのためインフラ業界ならではの逆質問では緊急事態への対応など、実際に働くシーンを思い浮かべてみましょう。
広告・出版・マスコミ
広告・出版・マスコミへの逆質問
- 御社が手掛けた広告で最近面白いと感じたものを差し支えない範囲で教えていただきたいです。
- 〇〇の番組が好きで私もいつか自分で企画を立案し実現したいと考えています。企画を立ち上げるために必要な要素を教えていただきたいです。
- テレビ(書籍・広告)を見る際に働き始める前と現在で変わったと感じる〇〇様の観点がなにかあれば教えていただきたいです。
広告・出版・マスコミ業界では「その業界が好きだから」といった「好き」を理由に志望する学生も多いです。実際に働く社員を見ても「好き」を理由に働いている人が多く存在します。
そんな業界だからこそ熱意で他の就活生に負けないようにすることが大切です。製品やサービスを理解するための企業研究はもちろん、世の中の流行にも気を配るようにすることがポイントとなってきます。
何が世の中に求められているかを自分なりに考え、その企業で何を実現したいのか、どのような挑戦をしたのかやりたいことを軸に逆質問を考えてみましょう。
マスコミ業界の中でもテレビ局に興味がある人は、以下の記事も参考にしましょう。選考突破に向けた有効な対策を解説しています。
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テレビ局に就職するためには業界理解が必須です。まずはテレビ局の種類や職種を理解しましょう。この記事ではテレビ局への就職を有利に進める方法や志望動機の例文、面接でよく聞かれる質問などについてキャリアコンサルタントが解説します。
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出版社に興味がある人はこちらの記事がおすすめです。逆質問以外にも、出版社に就職するにあたって必要な対策などを解説しています。
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- 「好き」や「憧れ」を前面に押し出した逆質問をしても良いのでしょうか?
「好き」を言語化できないのであれば避けよう
その好きや憧れの根拠は説明できますか。言葉の選び方として、ビジネスらしくないものは言い換えたほうが良いでしょう。
就活生の皆さんはまだ学生の立場ですが、すぐに社会人となる身です。そのため、言葉の言い回しを今のうちにトレーニングする良いタイミングとも言えます。
逆質問の場だけではなく、志望動機や面接で「好き」だけでは厳しいので、具体的に考えてみてください。
ソフトウェア・通信
ソフトウェア・通信への逆質問
- プロジェクトに配属されたときはどの言語やツールを使用して業務をしているのでしょうか?
- 客先常駐業務での評価は技術的な評価が難しいのではないかと考えています。御社ではどのような評価基準を設けているのでしょうか?
- プロジェクトメンバーはどのように構成されるのか教えていただきたいです。
ソフトウェア・通信業界は企業によっては客先常駐業務などといった少し特殊な勤務形態の場合があります。また言語も企業によって何を使用するのかは異なるため、実際に働くうえでの疑問を解消する質問がおすすめです。
またプロジェクトによってかかわるメンバーが変わることもあります。メンバー構成の質問をすることで面接官に「この学生は働き方についてイメージができているな」と好印象を抱いてもらいやすくなります。
官公庁・公社・団体
官公庁・公社・団体への逆質問
- 私はまずは〇〇部と△△部の仕事の配属を希望していますが、より幅広い知見を得るためにもさまざまな業務に積極的にかかわりたいです。定年まで働くとしたら何個の部署を経験することになるのでしょうか?
- 私は貴所の役割は〇〇だと私は考えています。△△(地名)の住民にとっての貴所の価値は何だと感じていますか?
- 公的機関だからこその業務の難しさがあれば差し支えない範囲で教えていただきたいです。
官公庁・公社・団体業界は一般企業とは異なり、国民の生活の基盤を支えることや公共の福祉に貢献することを目的として業務に取り組んでいるということを忘れてはいけません。
また官公庁・公社・団体業界は市民生活に直結した仕事であることが多いです。
国や地域に貢献したいという気持ちが強く表れるように、その地域や領域だからこそ貢献できる価値を自分で考えたうえで、面接官の考えを問うこともおすすめです。
業務に関する逆質問をするときは、自分が入社後に携わるであろう部署やポジションに関する質問が無難です。
人事担当者にもよりますが、あまりに大きなテーマ(世界情勢と絡めたり経営層が考えるような経営指針など)に話題を持っていくと困ってしまう面接官も多いです。そういった意味では、「定年までにいくつの部署移動を経験するか」などは意欲も感じられるため良いですね
企業について気になる箇所ごとの回答例
企業について気になる箇所ごとの回答例
- 事業内容
- 業務内容
- 社風
- 待遇や勤務形態
- 企業が求める人物像の詳細
業界ごとに熱意や志望度の高さをアピールするための逆質問は理解できたでしょうか。ここでは逆質問を通じたアピールというよりも、実際に自分が企業に関して気になる箇所を質問する例を紹介します。
自分自身の疑問や不安、気になるポイントを残したままでは仮に内定をもらったとしても承諾をするか迷ってしまいますよね。素直にわからない点を聞いてみましょう。
ただし調べればわかる内容は準備不足で熱意がない学生として捉えられてしまうため避けてくださいね。
事業内容
事業内容に関する逆質問
- 企業規模的には他にも大きな企業がたくさんある中でなぜ御社は世界トップシェアを誇っているのかその強みを教えていただきたいです。
- 事業内容が多岐にわたりますが、会社としての優先順位はどのようにつけていますか?
- 積極的にM&Aをおこなっていますが、今後配属される可能性はあるのでしょうか?
事業内容はHPを見ただけでは、具体的にどこに力を入れているのか何を強みとしているのかがわからないですよね。
一次面接や二次面接など早いフェーズで事業内容について逆質問をしておけば、その後の面接の志望動機に織り交ぜることも可能です。
業務内容
業務内容に関する逆質問
- 1日のスケジュールを教えていただきたいです。
- 1年間の業務の流れを教えていただきたいです。
- 部署での目標や個人での目標、またそれを達成するために頑張っていることはありますか?
- 〇〇職のキャリアプランについて教えていただきたいです。
入社後のイメージを持つことは、企業選びにおいてとても大切です。実際に働いてみるイメージをして、わからないことや今後働くうえで知っておきたいことを逆質問をしてみましょう。
業務内容について逆質問をするときに、1年単位でのスケジュールをたずねると繁忙期などが判明したり、残業時間などについて教えてもらえたりもしますよ。
面接フェーズやどの立場の人が面接官を務めるのかで準備すべき逆質問も変わってきます。
一次面接は人事部が担当することが多いため組織全体に関する質問を、二次面接で部門長が担当の場合は逆に業務に関する質問を、最終面接では役員や社長が担当することが多いため経営に関する質問を準備しましょう。
社風
社風に関する逆質問
- 入社後に感じた良いギャップと悪いギャップがあれば教えていただきたいです。
- OB・OG訪問でお会いした多くの社員の方が「調和を大切にする社風」とおっしゃっていました。その社風が仕事で活きる場面があれば教えていただきたいです。
- 御社では上司と定期的に面談があるとお聞きしています。面談以外で相談の場であったり、キャリアについて話す場面はなにかありますか?
社風については基本的に明文化されていないためHPなどでは見れません。そのため簡単に社風を把握するのは難しいです。人間関係などコミュニケーションについてや職場の雰囲気に関する質問をして社風を少しずつ把握してみましょう。
社風についてより詳しく独自の見解も交えて質問をすることで、今後の志望動機に活かすことができたり、入社後のギャップを少なくすることにつながりますよ。
待遇や勤務形態など
待遇や勤務形態に関する逆質問
- もし御社に入社ができましたら長く働きたいと考えています。産休や育休から復帰した方のキャリアステップなどを差し支えない範囲で教えていただきたいです。
- 〇〇県や△△県の離島にも支店があるようですが、そちらへの転勤の可能性はあるのでしょうか?
- OB・OG訪問時に休日は部署によって異なるとお聞きしました。具体的な働き方について差し支えない範囲で教えていただきたいです。
待遇や勤務形態などについて逆質問をすると、面接官は学生に対して「働く意欲が低い」「仕事よりも福利厚生などの制度面に魅力を感じている」などといったマイナスな印象を抱きかねません。
どうしても待遇面についての質問をしたい場合は、マイナスな印象を与えないようできるだけ前向きにポジティブな内容とすることがポイントです。ストレートに数字を聞いたりしないようにオブラートにつつみましょう。
「質問はありますか」で待遇などを聞く学生のイメージは、企業側によって捉え方が分かれます。ベンチャー企業や外資系企業は就活生に対して、自分のキャリア設計ができる学生だとポジティブに捉える傾向にあります。
一方で、中小企業は真逆であることがあります。このような待遇について聞くときは、ポジティブな言葉を質問の内容に入れて質問すると良いですね。
企業が求める人物像の詳細
企業が求める人物像の詳細に関する逆質問
- 御社で活躍している人の共通点を教えてください。
- 実際に業務をおこなう中で最も意識していることは何ですか?
- 〇〇部の方々はどんな人が多いですか。
単純に企業が求める人物像について逆質問をすることは避けてください。なぜならば企業が求める人物像はHPや求人票に記載があるからです。
採用ページなどに記載している人物像について、より深掘りをする質問をすることで、面接官は「この学生は一通りのことは調べてあるのだな」といった印象を抱きます。
実際に働く人の特徴を聞くことで本当に企業が求める人物像の傾向をつかむことにもつながりますよ。
企業が求める人物像の詳細を聞こうとして、HPや採用サイトにすでに掲載された情報を聞く、当日聞き逃している情報を聞くというのは面接官からの良い印象にはならないでしょう。
アピールしたい内容別の回答例
アピールしたい内容別の回答例
- 企業と自分との相性をアピールしたい
- やる気をアピールしたい
- 長所をアピールしたいとき
- 志望度の高さをアピールしたい
面接での「質問はありますか」は学生にとって最後のアピールチャンスでもあります。
面接では、ときどき聞いてほしいことが聞かれなかった、深掘りをされなかったなど盛り上がりに欠けるときもあるかもしれません。
そんなときは、こちらからもう一度意欲や強みを再アピールするような逆質問をなげかけてみましょう。「私は御社にぴったりな人物ですよ」「こんな長所がありますよ」など、最後の最後でより面接官に自分の印象を残すために逆質問を万全に用意していきましょう。
企業と自分との相性をアピールしたい
企業と自分との相性をアピールしたいときの逆質問
- 私は学生時代にボランティア団体を立ち上げるなど、新しい価値の創造をしてきました。御社は求める人物像に「新しい価値を創造できる人」を挙げていましたが、もしご機会頂きまして入社後に実績を上げたら、いつくらいから新規事業の立ち上げに関与することはできますか?
- 私は課題発見力を強みとしています。御社の求める人物像にも「課題発見力がある人」とあったのですが、業務で課題発見力はどのように活きてきますか?
- 御社の企業説明会で海外事業、特にカナダでの開拓に力を入れているとお聞きしました。私は学生時代1年間カナダに留学に行っていたため、カナダ駐在に興味を持っています。御社ではカナダに駐在員は何名くらいいらっしゃいますか?
当然企業は自社とマッチした学生を採用したいと考えています。学生自らマッチ度を重視した質問をすることで、面接官に相性の良さをアピールしましょう。
たとえば企業が求める人物像と自分の強みが一致していることを絡めて質問するなど、「企業にマッチした人材」という印象が残るような質問内容がおすすめです。
- 企業が求める人物像と自分の特徴が一致しません。どうにかうまく一致させる方法はないですか?
求める人物像と異なる面を持つ自分の特徴も活かせるはず
企業が求める人物像がはっきりしているとき、それが自分の特徴と一致しなくても無理に一致させる必要はありません。
企業はこれからの不確実な未来に向けて、組織の中には同じような考え方や能力の人ばかりではなく多様な能力や考え方の人材も必要になると考えています。
企業が求める人物像と自分の特徴が一致しないときは、まず自分がその企業が求める人物像について正しく理解しているか確認してください。
そのうえでそれとは異なる面を持つ自分の特徴も組織の中で役に立つことができること、そのために自分が協調性をもって組織の一員として貢献できることを伝えられるように準備しましょう。
やる気をアピールしたい
やる気をアピールしたいときの逆質問
- 御社は毎年優秀な新入社員の表彰制度があると伺いました。表彰される社員にはどんな特徴がありますか?
- もしご機会いただきまして入社をしましたら、未経験ではありますが1日でも早く戦力として貢献したいです。入社後は具体的にどのような流れで業務に携わることになるのでしょうか?
- 御社で管理職として昇進をするためにはどのような能力が求められていますか?
- 御社にもし入社できましたらいち早く活躍をしたいです。入社までにしておくと良い勉強や経験などがあれば教えていただきたいです。
すぐに御社に貢献をしたい、力を発揮したいといった積極的な姿勢でやる気をアピールする逆質問です。
会社に依存的な態度ではなく、入社後に活躍したいという熱意が伝わると好印象になりますよ。
ここでの注意点は入社を前提としないようにすることです。あくまでまだ選考中のため、もし入社ができたらと謙虚な姿勢を見せましょう。
やる気のアピールをするときは、組織の一員としての周囲への心配りと自分の役割を果たす心構えがあることも併せて伝えることが大切です。
やりたい仕事をしたり自分の能力を発揮できるのは「会社」という組織の一員になるからということを念頭に置いてくださいね。
長所をアピールしたい
長所をアピールしたいときの逆質問
- 私の強みは〇〇で△△のような場面で力を最も発揮すると考えています。御社は業務内容が多岐にわたりますが、特に〇〇が発揮できる場面はどのような場面でしょうか?
- 私は部活動で粘り強さを身に付けてきました。御社の業務の中で特に粘り強さが求められる場面はどのようなときですか?
- 私は人と協働をして目的を成し遂げることを大切にしています。御社の求める人物像としても「協働できる人」と記載がありましたが、具体的にどのような場面で協働をするのか教えていただきたいです。
- 私は今まで周囲と積極的にかかわることを意識してきました。御社では多数の部署があるのですが他部署の方々とはどの程度接点がありますか?
長所のアピールを盛り込んだ逆質問では謙虚に伝えることを意識しましょう。謙虚にさりげなく長所をアピールすることで自慢話や高圧的な態度には見えなくなります。
また同じく注意点としてただの自己PRにならないように気をつけましょう。
あくまで「質問はありますか」と問われています。長所をアピールしつつも、必ず聞きたいことの要点を明確にして面接官に伝えましょう。
逆質問が自己PRにならないようにするためには、自分の今までの「実績や経験」より、「性格や自分の特徴」から逆質問を組み立てましょう。
こうすることで、面接官から見た就活生が就職後どのような場面で活躍ができるかを考えやすい質問になります。
志望度の高さをアピールしたい
志望度の高さをアピールしたいときの逆質問
- 入社後〇〇をやりたいのですが、入社後何年目くらいからそのポジションについている人が多いですか?
- 御社はドミナント戦略を新規市場の経営戦略の1つとして掲げていると伺っています。競合他社においてもドミナント戦略をとる企業は多く、御社の優位性は〇〇だと私は考えています。実際に働くうえで感じる御社の優位性は何か教えて頂きたいです。
- 御社と競合他社との大きな違いは〇〇だと考えています。働くうえで感じる違いは何ですか?
- 御社が最近立ち上げた〇〇事業に興味を持っています。努力次第で将来的にかかわるチャンスはありますでしょうか?
企業研究に基づいた質問で志望度の高さが伝わる逆質問です。面接官は自社の企業研究を熱心におこなっている学生に対して好印象を抱きやすいです。そのためより深掘りをした質問をすることで他の就活生との差別化につながりますよ。
ここでの注意点として、質問をした際に、面接官から「あなたはどう思う? 」と問われる可能性もあるため、前もって自分の考えをある程度組み立てたうえで質問をしましょう。
企業研究をおこない、深掘りをした質問内容では思考力がある学生といった印象も面接官に抱かれます。仮説や意見をもとにしつつ質問を組み立ててみましょう。
面接は事前にどれだけ質問を想定できるかがカギとなります。逆質問以外の面接の質問対策をした学生は以下の記事を参考にしてください。
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面接の質問150選! 回答例から答え方まで質問対策を完全網羅
面接の質問に回答するためには、事前準備が重要です。面接でよく聞かれる質問と回答例に加えて、質問に答えられない時の対処法についてもキャリアコンサルタントが解説します。伝え方を意識して、面接の質問対策をしましょう。
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逆質問をするのは面接だけとは限らず、リクルーター面談でもする場面があります。リクルーター面談を予定している学生は以下の記事を参考にしてください。
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リクルーター面談は選考の一環です。リクルーター面談を実施する目的を理解し、対策を進めましょう。この記事ではリクルーター面談を取り入れている業界や必須準備、突破するための心構えなどについてキャリアコンサルタントが解説します。
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- 逆質問で志望度の高さをアピールするコツはなにかありますか?
深い企業研究や自己理解をアピールしよう
面接に臨むまでに「どのくらい企業分析をしてきたか」「自社のどのポイントが、あなたの就職活動のきっかけとなったか」ということを知りたい面接官は多いです。
そのために逆質問では、「分析してきた志望企業だけではなく、競合する企業についても分析して自分の意見として伝えた後に質問する」「入社後の為に自分が今から何を準備したらよいかを質問する」など前向きな質問がコツとなります。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見る選考フェーズを考えて逆質問を厳選しよう
用意する逆質問の数は5個程度が望ましいです。その5個の質問を選ぶ際には、まず今は選考のどの段階でどの立場の面接官に対する逆質問なのかを検討するのが良いでしょう。
たとえば、人事向けの質問を1つか2つ、現場向けの質問を2つか3つ、役員向けには1つか2つ、などのように配分してみましょう。具体的に選ぶときは、その企業の規模や業界の特長に照らし合わせて、内容的に違和感のない質問を選んでおく必要があります。
実際に声に出して質問する練習も大切
また、逆質問をあらかじめ準備しておく場合は、実際に逆質問をする場面を想定して自分で声を出して質問する練習をしてみることをおすすめします。
質問の内容としては適切でも、自分が普段使わないような業界用語や言い回しをあえて使った質問を書いて準備しただけでは、いざ本番で口に出して言おうとしてもスムーズに言えないことがあるからです。そのため、事前に逆質問を選ぶときは、質問の内容だけではなく語順や使う用語、表現が自分らしく自然に言えるかどうかも確認すると良いでしょう。
さらに、同じ質問の一部だけを変えたパターンもいくつか考えておくと、異なる業界や規模の企業との面接にも活用できますよ。
面接の「質問はありますか」で周りと差をつけるための2つのコツ
面接の「質問はありますか」で周りと差をつけるための2つのコツ
- クッション言葉で言い回しを工夫する
- 「感謝」で締める
面接はあくまでもコミュニケーションで成り立っています。そのため、相手を思いやる気持ちを持つことが大切です。面接での「質問はありますか」への回答をする際にも、相手を思いやる気持ちを忘れないでくださいね。
ここでは面接の「質問はありますか」で周りと差をつけるための2つのコツを紹介します。この2つのコツをもとに思いやりの意識を少し持つだけで、面接官があなたに抱く印象は大きく好転します。
そして意外と多くの就活生が回答するだけに必死になってしまっていて忘れがちな部分でもあります。ちょっとしたコツで大きな差をつけられるので、ぜひ実践してみてくださいね。
①クッション言葉で言い回しを工夫する
クッション言葉の例
- 知識が浅く恐縮ですが
- 学生目線の意見になってしまうかもしれないのですが
- 差し支えなけば、ご教示いただけますか
少し聞きづらい質問をしたいときや、自分の考えを反映したいけどそれが合っているのかわからない時などに役立つのがクッション言葉です。
クッション言葉とは?
本題を伝える前に相手を気遣う気持ちや敬うニュアンスを添えて、コミュケーションをスムーズにするための言葉
逆質問の前にクッション言葉をつけると言いにくいことも言いやすくなるだけでなく、相手への配慮も示せます。同じ質問内容でもクッション言葉をつけることで好印象につながるのです。
- 逆質問すべてにクッション言葉をつけた方が良いのでしょうか?
細かな点は面接官がフォローしてくれるため、クッション言葉はつけなくても良い
逆質問も人と人とのコミュニケーションなので、クッション言葉を使えるに越したことはないですが、もし答えにくいような内容の質問であっても、面接官のほうでフォローできます。そのため、就活生は細かいことは気にせず質問をしてください。
面接官は内容よりも、学生の話すとき聞くときの態度をトータルで見ています。クッション言葉一つが使えないからといって、その日1日の印象が大きく下がるなんてことはありません。
②最後は「感謝」で締める
面接で逆質問を何度か繰り返し「他にも質問はありますか」と面接官に問われたとき、やる気があるアピールをしたいあまり延々と逆質問を続けてしまうのは時間への配慮が足りないという悪いイメージを持たれかねません。
そのため正しい逆質問の終わらせ方を把握しておきましょう。逆質問の終わらせ方としては、質問はもう無いと明確に伝えます。そのうえで、一言で感想と回答を頂いたことに対する感謝を伝えましょう。
緊張すると感謝を伝え忘れてしまう学生もいるため、「感謝で締める」ことを念頭に置いて逆質問に備えてくださいね。
例文
他にも質問はありますか?
いいえ、以上です。
私の疑問を○○(面接官)様にご回答いただいたため、より具体的に仕事内容をイメージすることができました。丁寧なご回答ありがとうございます。
逆質問の回答をもらったら面接官にお礼をその都度伝えましょう。挨拶や傾聴力というものは、ビジネスシーンで基本であり、非常に大切です。
「ありがとうございます」と口に出すことは、納得したということを伝える手段にもなります。
特に若手社員には厳しく指導している企業もあるので、細かなところで減点されないためにも、質問に答えてもらった際にはその都度、感謝の気持ちを伝えることを忘れないでくださいね。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見るポジティブな印象を抱かれやすい質問をしよう
他の就活生と差別化するコツとして、「御社で活躍されている社員の方はどのような方がいらっしゃいますか」という質問をしてみましょう。
この質問での面接官の回答内容は「自社の優秀な社員」と答えがはっきりしています。そのため面接官にとって回答がしやすい質問であり、あなたに対してポジティブな印象を抱きやすいです。
この質問は、「①面接官自身が、自社内で優秀であるとイメージしている社員であるケース」「②新入社員に対するロールモデルを示す為に、入社10年未満の優秀な社員を例に挙げるケース」で回答されることが多いです。
面接官からの回答を自分の回答に活かすことがカギ
回答を聞いた後、面接官の回答に沿った「優秀な社員像」になりたいということを、自分の特徴や性格を付け加えて伝えることもできます。そうなれば、面接官はあなたが入社後、企業が求める人物像に沿って成長していくと想像してくれるので、印象に残りやすく、周囲と差別化することができます。
「質問はありますか」と聞かれた際以外にも、さまざまな質問や面接にうまく対応したいという人は、以下の記事を参考にしてくださいね。面接を通過するコツを解説しています。
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この記事で紹介した質問例は、そのまま座談会での質問にも使えます。「座談会とはそもそも何かわからない」「どんな準備が必要か知りたい」といった人はこちらの記事を参考にしてくださいね。
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面接の「質問はありますか」は出題意図を理解して事前準備をしよう
ここまで解説してきた通り、面接での「質問はありますか」は熱意や志望度が見られやすい質問です。
出題意図を理解しつつ、自分が気になる点を聞くためにも状況や業界によって逆質問を考えることで面接官があなたに抱く印象は格段に上がります。
今回紹介した「質問はありますか」への状況別や業界別、気になるポイント、アピール内容別の質問例66選を参考に、その企業ならではの逆質問を準備し、自信をもって面接に臨んでくださいね。
アドバイザーコメント
岩﨑 千夏
プロフィールを見る逆質問は「自分が本当に知りたいことを聞く」という意識を忘れずに
面接の場では、「企業研究をしてきたか」「自社に興味を持っているのか」といった部分は、いくら取り繕ってもどうしても出てしまうものです。逆質問でこれを質問したほうが良いなどといったマニュアル通りにやるだけでは、面接官に響く逆質問とはなりません。自分が本当に聞きたいその企業のことを質問したり、熱意をもって調べた内容を質問することで面接官に響く逆質問となります。
本当に聞きたいことといった意味では、自分のゆずれない部分をあえて毎回どの会社でも質問することは、内定後にどの企業を選ぶべきか比較しやすくなるためおすすめです。
入社後の自分を見据えて質問しよう
たとえば、自分のゆずれない部分としてはフレックスタイムの導入や評価制度についてなどがありますね。
もし、逆質問で評価制度について尋ねた際に、自分と真逆のタイプが昇格対象であれば入社後に働きづらいと感じる可能性があります。また「働き方が何よりも大切にしたい」という学生にはフレックスタイム制度を導入している企業があっているのかもしれません。
どちらにせよ、変に取り繕った質問ではなく、自分の譲れないポイントを逆質問で聞くことは、早期離職を防ぐためにも非常に重要といえます。
そのため逆質問ではあまり自分を大きく見せようとせず、気になったことを素直に質問してみましょう。しっかりと面接当日に面接官の話を聞いていれば大きな失敗も避けられますよ。逆質問でより良い印象を残せるように頑張ってくださいね。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役
Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/HR&Sパートナーズ代表
Chinatsu Iwasaki〇大学理系学部卒業、大手インフラ企業の人事として勤務。開業後、企業の採用コンサルティングや就職支援などをおこなう。現場感と対話を大切にしている
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