この記事のまとめ
- フリーターから正社員になるには2つの前提を押さえることが重要
- フリーターから正社員になるメリット・デメリットを把握し道を決めよう
- 7つのコツでフリーターから正社員への就職可能性を高められる
- 自己分析ツール
たった3分で面接で使える"あなたの強み"がわかる!
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なんとなくフリーターになっているものの、将来への不安から「正社員になるべきなのではないか」と考え始める人もいるのではないでしょうか。「正社員になった方が苦労しそう」「正社員へのなり方がわからない」とさらなる不安や疑問が浮かんでくることもあると思います。
もちろん個人の価値観によりますが、正社員になるとメリットが多く、特段事情がなければ正社員を目指すのがおすすめです。フリーターから正社員になるのは難しいケースもありますが、しっかりとやるべきことを押さえれば、就職できますよ。
キャリアアドバイザーの隈本さん、柴田さん、瀧本さんとともにフリーターから正社員になることのメリット・デメリットや、正社員になる方法を解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
フリーターから正社員になるならある前提を押さえて就活しよう
正社員を目指して応募してみたものの不合格になってしまった。そんな経験を持つ人もいるかもしれません。フリーターから正社員になるのは簡単ではなく、悲しい思いをした人もいると思います。しかし、ある前提を押さえた行動をすれば就職可能性を高められるので、安心してくださいね。
記事では、まずフリーターから正社員になれる可能性を数値を踏まえて解説します。実態を把握すると、どれほどの準備が必要なのか見当をつけられますよ。
また、そもそも本当に正社員になるべきか迷っている人もいるでしょう。そこで、正社員になるメリット・デメリットを解説するので、自分の価値観に照らして正社員を目指すべきか判断しましょう。
正社員を目指す場合は、正社員になる方法を解説するので、参考にして就活を進めてください。選考通過率をアップさせるコツも解説するので、これを踏まえて就活を突破しましょう。
最後に、正社員を目指しやすいおすすめの仕事や、反対に避けるべき企業の特徴も解説するので、エントリー時に参考にしつつ進めてくださいね。
フリーターから正社員就職は可能?
なんとなく正社員になりたいと考えている人もいるかもしれませんが、正社員への就職は可能なのでしょうか。
就職の実現可能性を踏まえることで、どれほど対策をしなければならないかが見えてきます。
ここからは、フリーターから正社員就職を目指せる可能性について解説するので、まずは実態を捉え対策の重要性を考えましょう。
既卒就活で適職診断からはじめるのがおすすめ!
既卒の就活は新卒と違い、選べる職業に限りがあります。そのため、簡単に就職先を決めると入社前とのギャップから早期退職につながる恐れがあります。
これから既卒就活をはじめる人は、まず「適職診断」を活用しましょう。適職診断では、簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みとぴったりの職業がわかります。
また、どのような職業を選んだらいいか就活軸も見つかるため、これから就活を始める今に取り組むのがベストです。
既卒就活で後悔しないためにも、今すぐ診断してみましょう。
フリーターから正社員になるのは基本的に難しい傾向にある
日本の企業は新卒一括採用といい、新卒が優遇される傾向にあります。
新卒一括採用とは
在学中に採用の選考をおこない、卒業後すぐ入社する仕組み。採用活動は毎年決まった期間でおこなわれる
新卒は吸収力があり、活躍できるポテンシャルがあると見込まれています。日本では新卒を優先的に採用する傾向にあり、人材の流動性があり転職者を多く受け入れる企業でも、新卒で正社員として就職した経験のある人が採用されやすい特徴があります。
フリーター、特に正社員として就職経験がない人は、正社員になるのが難しい傾向にあるのです。
若い年齢ほど正社員になれる可能性が高い
フリーターから正社員になるのは難しいと解説しましたが、諦める必要はありません。フリーターから正社員になる場合、未経験での応募になることが多いですが、吸収力の高さから若い人の方が重宝される傾向にあります。
年齢を重ねるといろいろな経験があることや、職場の若い人材と人間関係を築きにくいのではないかという懸念から、採用が懸念されやすく、一番若いといえる今、就活を始める必要があるのです。
フリーター期間が短い方が正社員になれる可能性が高い
労働政策研究・研修機構の大都市の若者の就業行動と意識の変容――「第5回若者のワークスタイル調査」によると、フリーター期間が短ければ短いほど正社員になれる確率が高まります。
フリーターとしての期間が長いと、「正社員の仕事に慣れることが難しいのではないか」と企業側に懸念されたり、フリーターの人自身も正社員になることが億劫になったりとすることから、正社員になれる可能性が下がると考えられます。
若い人、フリーター期間が短い人が正社員になれる可能性が高いことから、正社員を目指すなら今すぐにでも就活を始めるべきなのです。
フリーターよりもさらに就職が難航しがちなのがニートです。しかし、ニートから正社員への就職は不可能ではありません。ニートに該当する人は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
ニートから就職は可能! 成功に導く3つの方法を解説
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る関連性の高い強みややる気をアピールすれば就職は不可能ではない!
フリーターといっても、その人の経歴や職歴、応募する企業の採用難易度によって正社員になれる確率は異なります。しかし、新卒よりは就職できる確率は低いです。
また、20代までなら将来的なポテンシャルも考慮されるので、フリーターから正社員になれる確率は30代以上に比べれば高いでしょう。30代を超えてくると、ポテンシャルよりも経験やスキルを重視されるため、フリーターから正社員として就職できる選択肢がかなり狭まります。
フリーターから正社員に就職するのは決して簡単ではありませんが、不可能ではありません。就職したい業界や職種と関連性の高い仕事を経験したり資格を取得したりするなどして、「関連性の高さ」と「やる気」をアピールするだけでも、採用側の評価はかなり高まります。
人気企業の場合は将来的な転職を目指すのも一つの手
新卒でも採用ハードルが高い企業はフリーターでも就職するのは困難なので、将来的な転職を目標として、関連する業界や職種への正社員就職をまず目指すという選択肢もあります。
いずれにせよ、フリーターだから正社員に就職できないということはないので、自分の現状や将来の目標を見直して、就職活動に一歩踏み出してみましょう。
フリーターから正社員になる6つのメリット
フリーターよりも正社員の方がなんとなく良さそうと感じているかもしれませんが、その理由をしっかりと把握できている人は少ないかもしれません。
イメージだけで正社員への就職を決めてしまうと、入社後に「こんなはずではなかった」と後悔しかねません。
ここからは、フリーターから正社員になるメリット・デメリットを解説するので、それぞれ把握して、本当に正社員を目指すか考えましょう。
まずはメリットです。ここで解説するメリットが、本当に自分にとって良いことなのか考えて正社員として就職するか決めましょう。
①雇用が安定している
正社員のメリットとして大きいのは雇用の安定であり、一度採用されればよほどの事情がない限り解雇はされません。
しかし、フリーターは企業の業績悪化やフリーター自身の勤務態度・状況により突然解雇されることがあります。
雇用が安定していないと、スキルを付ける前に退職することになり、次の会社を見つけるのも難しい状況になります。
いつ収入がなくなるかわからないことから「5年後には子どもが欲しい」「10年後は家を買いたい」といった人生設計も難しくなってしまうのです。
その点、正社員になれば雇用が安定し、長期的な将来設計もしやすくなり、精神的にも安定します。
②給与が安定している・昇給がある
フリーターと正社員を比較すると給与に差があり、労働政策研究・研修機構のユースフル労働統計2022労働統計加工指標集によると、正社員とフリーターの生涯年収には1億円以上の差が生まれています。
基本給の額が異なることに加え、賞与や退職金などの手当もあり、正社員の方が高い給与を得られるのです。
また、フリーターは基本的に昇給はありませんが、正社員は成果を上げたり、年齢が上がるごとに昇給できるケースが多いです。
さらに、フリーターは労働分しか給与を得ることができないため、シフトに入れなければその分給与が減ってしまいますが、正社員は基本給が設定されている場合は、毎月一定額を報酬として受け取れます。
- 正社員の初任給とフリーターで稼いでいる額を比べたら、フリーターの方が若干高かったです。正社員になったからといって給与が安定しているとはいえないのではないでしょうか。
始めは正社員の方が給与が低いこともあるが長期的に見ると安定している
新卒で正社員として勤務した場合、通常始めは給与が低めに設定されています。
ほとんどの場合は未経験から始めるため、当初は任務を遂行するよりも教えられたり学んだりする時間が多いことからそのような仕組みになっています。
しかし経験や知識を積み上げ、スキルを身に付けるとやがて給与は上昇するのです。また、役職に就くと管理職手当などが加算されます。
一方でフリーターは経験や知識の積み重ねを必要としない、いわば「時間を切り売りする」業務です。
そのため若くて体力のあるうちは稼げる人もいますが、自分の能力が上がったことによる昇給が見込めないため、数年経てば給与は正社員で就職した人と逆転します。始めは良くても、長期的に見るとフリーターは安定しているとは言えないのです。
③福利厚生を得られる
フリーターでも福利厚生を受けられる企業もありますが、正社員の方が多くの福利厚生を受けられるケースが一般的です。
正社員は勤務日数や勤務時間など、あらかじめ規定されている条件を満たして労働するため、福利厚生を受けられるようになっています。
福利厚生の例
- 慶弔・災害見舞金
- 家族手当
- 社員食堂
- 社宅・独身寮
- 託児施設
- 運動施設
- 保養所
- 財形貯蓄制度
- 宿泊施設やレジャー施設などの割引制度
- 健康診断
金銭的な補助のみではなく、託児施設の利用など普段の生活をサポートしてもらえる福利厚生もあります。
福利厚生を多く受けられる企業はホワイト企業といわれることもあります。こちらの記事では、ホワイト企業の特徴や、自分に合うホワイト企業の探し方を解説しているのでぜひ参考にしてください。
ホワイト企業とは? 入社後に絶対後悔しない企業選びの方法を徹底解説
フリーターも条件がそろえば福利厚生を受けられる可能性は高くなりますが、たとえば、一般の正社員がもらえる年次有給休暇の最大日数が20日に対して、フリーターは15日であるなど、その内容に違いが発生するケースがあります。
④社会的信用を得られる
フリーターと比較し、仕事と収入が安定していること、一定期間継続して働けることから、正社員は社会的信用を得やすい傾向にあります。
たとえば、フリーターは支払能力が低いと捉えられ、不動産や金融の審査に通らないことがありますが、正社員の場合、事情がない限りそのようなリスクはほとんどありません。
また、正社員として転職を考える際も、フリーターであれば労働能力に懸念を持たれなかなか採用されづらいですが、正社員から正社員への転職であれば、難関企業などでなければスムーズに決まることが多くあります。
正社員は特定の企業と雇用契約を結び、業務でその会社の一員としての責任を内外ではたしています。そのため、社会人として必要な責任感などが備わっていると判断されやすく、社会的信用も得やすくなります。
⑤成長できる
フリーターの場合、同じ仕事をずっとおこなうケースが多いですが、正社員になるとあらゆる業務にチャレンジすることが可能であり、さまざまなスキルが身に付くため成長できます。
正社員は業務の幅が広く深く、専門的な知識やスキルを身に付けることも可能なので、市場価値も高まります。
正社員は、長ければ定年まで働くことになるため、教育コストをかけて成長させてもらえる環境があるのです。
- 別に成長したいという気持ちはないのですが、その場合フリーターの方が気楽ではないでしょうか。
安定した生活を維持するためには成長が不可欠
日本は2023年から本格的な人口減少社会に突入します。
人が減るということは、これまで人がやっていた仕事を機械が代わらなければ、効率を維持できないことを意味します。
働く人自体が成長しなければ、やがては機械に仕事を奪われてしまい、思うような収入を得られなくなる可能性もでてきます。今後の生活を考えると、成長は不可欠なのです。
⑥社会保障を受けられる
正社員の場合、社会保険の加入が原則として必須となっていますが、フリーターは加入条件を満たしていないと加入することができません。
社会保険は、以下4つで構成されています。
社会保険
- 健康保険
仕事以外の怪我や病気に対する保険であり、治療費の補助を受けられる。出産時などは出産手当金や傷病手当金などとして、給与の3分の2程度を受け取れる制度もある - 厚生年金保険
すべての国民に支払い義務のある、国民保険に加えられる保険であり、厚生年金保険受給者の方が将来の受給額が高くなる。企業が保険料を半額負担する。また、配偶者は保険料を払わずして保障の対象になることが可能。
加入期間中に障害を負った際は、障害基礎年金に加えて障害厚生年金が支給され、被保険者が亡くなった場合、遺族に遺族基礎年金と遺族厚生年金が支払われる - 雇用保険
「失業保険」とも呼ばれる、失業時に給付金を受け取れる保険。雇用保険に加入している人が失業した場合、再就職までの期間にお金を受け取ることができる - 労災保険
仕事中、通勤中のケガや病気に対する保険で、対象になった怪我や病気の治療費は全額補償され、雇用者本人や遺族が保険を受け取ることができる
これらの保障を受け、安心して普段の生活を送れるのも正社員のメリットといえます。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る正社員は安定的な人間関係を確保できるメリットが大きい
正社員になることのメリットとしては他に「安定的な人間関係が確保できる」というものがあります。マズローの5段階欲求でも述べられているように、人間は「生理的欲求」や「安全の欲求」が満たされると、次に「所属の欲求」を持つものです。
どこかの組織の一員として、顔見知りの人間関係の中で継続的に活動ができると人は安心できます。正社員になるとこの「所属の欲求」が非常に満たされやすくなるのです。
正社員とフリーターの違いは「雇用期間の定め」の有無です。どこかの会社に正社員として採用されると雇用期間に定めがないため、ほとんどの場合、自ら辞職を望まない限りはその会社に継続的に所属できます。
正社員の方が組織の一員であることを実感でき、精神的に大きな支えとなる
フリーターには「雇用期間の定め」があり、契約期間の満了や雇用主の意向で、自分は希望しなくとも職場を離れなければならないこともあります。
雇用の安定というのも正社員の魅力ではあります。しかしそれだけではなく継続的に同じメンバー、同じ社風の中で働けて、自分がこの組織の一員であると自覚できるのは、実は精神的な安定に大きく作用するのです。
たった30秒であなたが既卒就活で受けないほうがいい職業がわかります
既卒の就活では、限られた選択肢の中から、いかに自分に合った仕事を見つけるかが重要です。しかし、自分だけで考え込んでも、なかなか答えは見つからないこともありますよね
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既卒就活で後悔しないためにも、必ず診断してみましょう。
フリーターから正社員になるデメリット
正社員のメリットを把握したところで、正社員になりたいという思いが強くなった人もいるかもしれませんが、デメリットもあることに注意が必要です。
ここからは、フリーターから正社員になるデメリットを解説します。入社後「こんなはずではなかった」と後悔しないように、しっかりと把握しておきましょう。
働き方の自由が減る
正社員は、1日の勤務時間や出勤日を拘束されていますが、フリーターは好きな時に好きな時間働くことが可能です。
そのため、たとえば「さまざまな仕事を経験したい」「夢をかなえるための手段として一時的にお金を稼ぎたい」「子育てに多くの時間を割きたい」など、ほかにやりたいこと、優先したいことがあるのであれば、正社員になると働き方の自由度が減り、デメリットに感じるでしょう。
- 将来の夢を追うかたわらフリーターとしてお金を稼いでいます。労働日や労働時間を融通させたい場合は、やはり派遣社員やフリーターでなければ難しいですよね。
正社員でも融通を利かせて働くことはできる
正社員でも時間などの融通を効かせることはできます。また、会社によっては副業が許可されているところもあります。
正社員として働く給料だけでも、必要な金額に応じて節約などを意識することで、目標額を集められる可能性がありますよ。
派遣社員やフリーターのような有期雇用契約の場合、契約が更新されなければ収入が途絶えてしまうというリスクが存在します。
自由度の高いフリーターでなくても、正社員として働きながら安定した収入を確保しつつ、副業などをおこなうことで目標の金額を準備できるでしょう。
責任が増える
フリーターとは、正社員ではまかなえきれない仕事を担当する役割を持ち、正社員の指示で仕事をします。つまりその仕事には正社員が責任を負うことになるため、正社員になった途端、求められる責任の重さに辟易するかもしれません。
たとえばフリーターが仕事でミスをした場合、それは正社員が監督責任をはたしていなかった、十分な教育ができていなかったと見られるケースが多いのです。
責任の重さから、正社員の方が精神的に余裕がなくなる人もいることを認識しておきましょう。
正社員は求められる仕事に限界がないので、フリーターが失敗したことのフォローなど責任を負う機会も多くなります。
フリーターは正社員にしかできない仕事に携わることがないので、最終的な責任は正社員へと委ねることになります。ここが責任の重さの違いです。
収入を調整しにくい
フリーターは働いた分お金を稼ぐことができるため、お金が欲しい期間は多くシフトを入れ、プライベートを充実させたいときはシフトを入れないといった調整をすることができますが、正社員はそうとはいきません。
成果報酬型でない場合は、毎月どれほど働いても収入は一定です。「ある時期までにすぐにお金が欲しい」といった調整ができないのがデメリットといえます。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る正社員には将来の可能性を狭めてしまうケースがある
正社員になるとある程度自分の将来が見えてきます。それを安定と捉える人もいれば「その先の成長が見込めない」と考える人もいるでしょう。
自分の未来を限りなく広がるものだと期待し、多少のリスクを冒しても良いと考えるタイプの人には、正社員になることは「自分の未来を狭めてしまう」というデメリットになるといえるでしょう。
実は、キャリア形成は自発的に選択するよりも、そのときどきで自分にもたらされた流れに乗るという人がほとんどです。
正社員は選択範囲を限定し「本当に自分に合う仕事」を見つけられないことも
小学生の時に「将来は〇〇になりたい!」と憧れの職業があっても、それをかなえる人はごくわずかです。
進学時も、今の成績で入学できそうな中から大学を選び、得意な科目で学部や専門性を選び、そしてその大学から行けそうな企業に応募する、と一見自分で決めているようで、選択範囲を自分で限定しているといえます。
正社員になると、その会社の規模でできることや、その職種から描けるキャリアプランはさらに絞られてしまいます。それが自分の本当にやりたいことなら良いのですが、そうでない場合はずっと自分の適職を見つけられないまま流されるだけになるかもしれません。
既卒就活で後悔したくない人は、適職診断からはじめよう
既卒の就活では、限られた選択肢の中から自分に合った仕事を見つけることが重要です。しかし、本当に自分に合った仕事とは何か、見つけるのは簡単ではありませんよね?
そこでおすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの個性や強みに最適な仕事、そして、あなたが就活でアピールできるポイントが分かります。
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これを守れば実現可能! フリーターから正社員を目指すときの大前提
フリーターから正社員のメリット・デメリットを解説しましたが、正社員になるメリットは多く、「働き方の自由が減る」「責任が増える」「収入を調整しにくい」により大きな不都合が生じないのであれば、正社員になることをおすすめします。
ただ、フリーターから正社員になるのは簡単ではないケースも多くあります。ここからは、正社員を目指すために欠かせない大前提を解説します。
正社員を狙うのであれば、まずはここで解説する内容を意識して、そのうえで就活を進めましょう。
行動量を増やし可能性を広げる
フリーターが正社員の選考を狙う際に重要なのは、とにかく可能性を広げることです。多くの企業を見て、調べ、エントリーする。この行動量の多さが就職先を見つける鍵になります。
新卒の就活や正社員からの転職と比較すると、フリーターの正社員就職は難しい傾向にあります。だからこそ「不合格をもらうことが前提」と考えてたくさんの企業に挑戦することが、成功につながるのです。
就職活動が長引いてフリーター期間が長くなるほど、希望する企業への就職は難しくなります。そのため、並行してさまざまな関連企業にエントリーし、マッチ度や適性なども同時に見極めながら活動する行動量が欠かせないでしょう。
企業側の懸念を払拭するアピールをする
正社員と比較して、フリーターは企業から採用上の懸念や不安を抱かれやすいのも事実。同じ人であっても、新卒で受けているときとフリーターとして受けているときでは印象が異なり、なかなか採用に至らないケースもあります。
就活を成功させるためには、まず企業側の懸念の払拭が重要です。「採用を検討しても良い」と判断されてからアピールをするのと、採用への不安がある状態でアピールするのでは、前者の方が効果があるのは明らかです。
そのため、まずは企業がフリーターに持つ懸念を払拭するよう心掛けましょう。
フリーターから正社員を志望する場合の企業の懸念点
フリーターから正社員を志望する場合の企業の懸念点
- 企業側の懸念①すぐに辞職するのではないか
- 企業側の懸念②フリーターの仕事に慣れていてなじむのが遅いのではないか
- 企業側の懸念③責任をともなう仕事は任せられないのではないか
- 企業側の懸念④ビジネススキルが不足しているのではないか
企業がフリーターに抱く懸念を払拭することが重要と解説しましたが、具体的にどのような懸念を抱かれるのでしょうか。
ここからは、企業がフリーターの採用を迷う理由となる、4つの懸念を解説します。まずはこれを覆さなければならないのだと心得ましょう。
企業側の懸念①すぐに辞職するのではないか
フリーターは「フリーアルバイター」の略で、つまり定職に就かない働き方をする人です。企業側から「一つの企業で長く働くことはできないのではないか」と懸念されるかもしれません。
また、一般的には正社員の方が仕事内容の負担が大きくなります。その負担に耐えられず、すぐに辞職するのではないかと懸念されることがあります。
そこで、フリーターから正社員を目指すなら、長期的に働きたいという意思を示すことが重要です。5年後、10年後の将来像を固めて、企業にアピールするなどの対策が必要になります。
将来像を考えるのが難しい人は、こちらの記事を参考にしてください。キャリア形成の方法を解説しています。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
- 一つのアルバイトで長く働いている場合も、すぐに辞職するのではないかと懸念されるのでしょうか。
アルバイトの仕事と正社員の仕事はかなり異なるため懸念はぬぐえない
たとえ後輩の指導や管理的な業務をしていたとしても、アルバイトで任される業務は非常に限定的です。
対して正社員が任される業務は責任が重く広範囲なことがほとんどです。そのためアルバイトでとても有能だったとしても、必ずしも正社員としての仕事をうまくこなせるとは限りません。
そのようなことから、アルバイトしかしていない人がいきなり正社員になっても、うまくいかず、すぐ辞めてしまうのではと懸念されるケースもあると認識しておきましょう。
企業側の懸念②フリーターの仕事に慣れていてなじむのが遅いのではないか
新卒であれば、働いた経験がほとんどないため、企業側は教育しやすいと考えます。しかしフリーターであればそれまで働いた経験により、教育しにくい、なじむのが遅いのではないかなどと懸念されることがあります。
この懸念を払拭するためには、前向きに、素直に業務に携わる姿勢を見せることが鍵です。たとえば言われたことは素直に覚える、忘れないように復習する、業務外でも自己研鑽を欠かさないなどのアピールをすることで、企業側に前向きな姿勢を印象付けることができます。
企業側の懸念③責任をともなう仕事は任せられないのではないか
正社員になると業務の責任範囲が広がると解説しましたが、そのような責任をともなう仕事は任せられないのではないかと懸念されることもあります。業務経験がないことに加え、「責任を持てないから今まで定職に就いていなかったのでは」と捉えられることもあるのです。
そのため、責任感がある人は、それをアピールすると効果的です。
責任感の自己PRの方法は、こちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
責任感の自己PRは要注意! 失敗例と絶対響く6例文で徹底差別化
フリーターでも、責任感に懸念を持たない例外のケースとして、自分の仕事だけでなく、会社のことを考えた仕事や行動を取っていた経験は評価してもらえますよ。
たとえば、アルバイトリーダーなどで従業員育成や売上へ貢献しようとした人は、責任感を持って行動できる人という印象です。
企業側の懸念④ビジネススキルが不足しているのではないか
フリーターが任される仕事は、どんな人でもできる簡単な仕事であることが多いです。しかし、正社員として働くのであれば問われるスキルが多く、PCスキルやマナーなど、働くうえで必要なビジネススキルが不足しているのではないかと懸念されます。
ビジネスマナーがあることを伝えるため、面接では基本的なマナーを守って対応しましょう。そのうえで、仕事に活かせる資格やスキルを持っていることもアピールできると好印象になります。
面接で重要なマナーはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
面接マナーを攻略! 不合格を避ける基本からWeb対策まで完全網羅
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る組織に馴染めない人なのではと懸念する企業は多い
一般的に高校や大学を卒業すればすぐに就職する人がほとんどです。日本の社会ではキャリアパスが多様になったとはいえ、未経験でもハードルの低い新卒採用にチャレンジせず、フリーターの道を選んだ人に対して寛容とはまだまだ言えないでしょう。
既存のレールに乗らずに独自の生き方をするなら、枠にとらわれることを嫌うのではないか、だとしたら組織になじまないのではないかという懸念を持つ採用担当者もいると推察します。
選考ではフリーターの道を選んだ理由を明確に話そう
だからこそ、フリーターとして卒業後数年経過した後に正社員を目指すのであれば、「なぜ新卒時にあえてフリーターを選んだのか」という質問に対し、明確な回答を準備してください。
採用担当者はフリーターがダメとダイレクトに考えているわけではありません。その進路選択がキャリアプランや何らかの意志があってこそであれば必ず納得してくれるはずです。
「フリーターを経験したことで得られたものがあるか」という質問をされた際には、人と違う生き方をしたからこそ得られた強みを伝えましょう。さらに「今になって正社員で就活を始めたのはなぜか」をしっかり伝えられれば、採用担当者の懸念も払拭できるはずです。
フリーターから正社員になる4つの方法
フリーターから正社員を目指すのは難しいですが、ある方法を意識すれば就職は可能です。
ここからは、正社員に就職するための4つの方法を解説するので、おすすめ度も参考にしつつ、自分に合うやり方を探してください。
①就職・転職エージェントに登録して相談する
おすすめなのは、就職・転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに相談しながら就活を進めることです。
キャリアアドバイザーとは
就職希望者が就職するまでのサポートを担当する。具体的には、企業選び、応募書類の添削、面接練習、内定後の賃金交渉など入社までのトータルサポートをする
1人で就活を進めようとすると、考えが偏ったり、情報が不足したりするため、就活をスムーズに進めにくい場合も。そこで就活のプロであるキャリアアドバイザーとともに進めると、自分に合う会社を見つけるところから内定を得るまで、しっかりサポートしてもらえるので非常におすすめです。
- フリーターから正社員になりたい人に向けて、キャリアアドバイザーは具体的にどんなアドバイスをしてくれるのでしょうか。
フリーター個人に向き合い自己分析から企業の紹介、選考対策まで徹底的にアドバイス
正社員としての就職を目指すフリーターの希望を第一にして、自己分析の深掘りのサポートや、マッチ度の高そうな企業の紹介、採用選考のサポートなどをおこないます。
まずは、フリーターから正社員になりたいと思ったきっかけなどをもとに、その人の仕事に対する価値観や企業に求めていることを一緒に深掘りしますよ。
そのうえで、希望に近い求人を選定し、候補先をいくつか提案します。フリーターは書類選考のハードルも高くなりやすいので、応募書類の添削はもちろん、採用面接での対応方法についてもアドバイス可能です。
②求人サイトから応募する
「就職エージェントに登録する時間がない」「まずは自分で企業を探したい」という場合は、求人サイトから応募するのも効果的です。
企業によっては新卒しか応募していないところもあるため、求人サイトで探すときは既卒向けのサイトを使いましょう。
希望する条件に絞って検索することも可能です。たとえば職種や勤務地など、希望に合わせて絞ったり、反対に希望しないものを検索条件から外したりして調べてみましょう。
おすすめの求人サイト
- マイナビジョブ20’s
会社や求人の特徴を細かく設定して調べることができる。未経験者の20代を求めている企業のみをピックアップしていて、企業選びしやすい - リクナビNEXT
「既卒」「未経験可」などと条件を設定すれば応募できる企業を探せる。人気の企業ランキングなどもありエントリー時の参考になる
③正社員登用制度を利用する
フリーターとして働いている会社に正社員登用制度があれば、利用してみましょう。通常通り就職活動をするよりも少ない労力で正社員になれることが多いです。
正社員登用制度を利用するには、以下の条件を求められることがあります。
正社員登用制度の条件の例
- 一定の勤続年数
- 資格の保有
- 正社員試験に合格
- 正社員からの推薦
制度の有無がわからなければ、社員に聞いてみましょう。
ただし、なんとなく正社員登用制度を利用するのは避けてください。たとえばやりたいことが明確で、それがその会社でできるのであれば利用しても問題ありませんが、なんとなく正社員になりたいからという理由だけで制度を利用すると、「本当はもっとやりたい仕事があるのに……」などと就職後後悔しかねません。
長期的に見て、自分が納得のいくキャリアを歩めるのか考えたうえで、そうであれば制度を利用しましょう。
アルバイトのときの働き振りが認められたうえで正社員に登用してもらえるのはとても名誉なことであり、慣れた環境で正社員になれるのであればとても心強いです。
しかし、登用制度を使って正社員になると、一般枠で採用されるよりも給与が低めに設定されるケースがときどき見られるので、注意が必要です。
④ハローワークで相談する
ハローワークで正社員を募集している企業を探すのも効果的です。
ハローワークとは
厚生労働省が運営する機関であり、就職活動を始めた人、職業訓練を受けたい人、転職活動をしたい人などに求人を紹介したり、面接の段取りなどをする。どの人にも公平に求人を紹介する
民間の就職エージェントなどでなかなか企業が見つからない場合は、ハローワークを利用することをおすすめします。
相談に行くのが難しい場合は、ハローワークインターネットサービスを利用するのも一つの手です。「経験不問」「学歴不問」「資格不問」など、条件を絞って希望の企業を検索することができます。
ただし、ハローワークは公的機関のため、紹介する求人を選ぶことはできません。そのため、労働環境が悪い、いわゆるブラック企業を紹介されてしまう可能性があるので注意してください。
フリーターの人が気を付けるべき労働環境が悪い企業の特徴は、記事後半で解説しています。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る就職・転職エージェントに相談するのが最も効果的
私は就職・転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーと相談しながら就活を進めていくことをおすすめします。
担当の人がついて仕事を紹介してくれるだけでなく、書類の作成を手伝ってくれたり、面接練習をしてくれたり、モチベーションを維持してくれるような会話に気遣いをしてくれるからです。
もちろん、仕事に就けるまでしっかりと面倒を見てくれるエージェントなのか、まずは確かめる必要はあります。
選考が上手くいかないときもあなたの味方になり、頼れる存在になる
就活をしていると思うように選考が進まないときもあります。そんなときに家族以外で、働くことに理解のある人からもらえるアドバイスは心の支えになり、就労意欲の維持にもつながります。
エージェントには「人の役に立ちたい」という意識の高い人が多いので、求人内容は慎重に吟味する必要がありますが、頼りにすると効果的です。
何が必要? フリーターから正社員になるための準備
何が必要? フリーターから正社員になるための準備
- 履歴書・職務経歴書の作成
- 持ち物や身だしなみの準備
- 面接対策
就活が進み始めたら、さまざまな準備が必要になってきます。企業から求められたときに慌てることのないよう、あらかじめ用意しておきましょう。
ここからは、フリーターから正社員になるために必要な準備を3つ解説するので、参考にして就活をスムーズに進めましょう。
履歴書・職務経歴書の作成
まず応募書類として、履歴書・職務経歴書が必要です。履歴書とは、学歴や経歴などあなたの経歴を示すもので、それに加え志望動機や自己PR、長所や短所など、アピールになることを書く必要があります。
履歴書で書くべき内容
- 学歴・経歴
- 志望動機・自己PR
- 自己紹介
履歴書の志望動機、自己PRの書き方はこちらの記事で解説しています。新卒向けの内容ではありますが、フリーターからの就職時にも参考になりますよ。
志望動機
例文10選|新卒用履歴書の志望動機の基本と盛り込むべき6要素
自己PR
新卒用履歴書の自己PRを書く極意|例文28選を強み・職種別で紹介
職務経歴書とは、その名の通り経歴の中でも職務に関する経歴を示すものです。アルバイト経験を書きましょう。
職務経歴書で書くべき内容
- 職務要約
- 職務経歴
- 資格・スキル
- 自己PR
履歴書にも職務経歴書にも「職歴」を書く欄がありますが、職歴とは通常正社員としての就業経験をいいます。ただし、アルバイトのことを書いてはいけない決まりはないので、フリーターの人はアルバイトの経験や得たスキル、強みなどを積極的に書いてアピールしましょう。
職歴がない場合の職務経歴書、履歴書の書き方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
職歴なしでも就職できる! ビハインドを脱却して成功を収める方法
アルバイト経験を職務経歴書に書く方法は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
アルバイト経験を職務経歴書に書く方法|すぐ書けるフォーマット付き
履歴書・職務経歴書には、応募先の企業の事業や求人票に記載されている職種と、関連の深い職歴や資格を優先的に記入しましょう。
関連性の低い仕事経験やスキルは評価されにくく、一貫性がないとマイナス評価されることもあります。そのため、名称の記載のみに留め、関連性が高いものを詳細に記載してアピールしましょう。
持ち物や身だしなみの準備
面接は基本的にスーツで臨む必要があります。新卒の場合はリクルートスーツを着ますが、中途入社として受けるのであれば通常のスーツでかまいません。
スーツを持っていない、もしくはスーツの状態が悪い場合は、しっかりとそろえておきましょう。
さらに、メモを取るためのノートや書類を受け取るためのクリアファイルなど、小物も必要になります。
以下は必須の持ち物になるので、ぜひ参考にして用意してくださいね。
チェック! | 必需品 | 備考 |
---|---|---|
鞄 | A4サイズの書類が入るもの | |
携帯電話 | 企業の連絡先を登録したもの | |
モバイルバッテリー | ||
企業から配布された資料 | 直前まで見返すことができる | |
提出書類 | ||
ES・履歴書のコピー | 企業情報や自己分析の見直しで整理した内容をメモしておくと便利 | |
クリアファイル | 当日資料を配布される可能性がある | |
ボールペン | 書類に使用したものと同じものを | |
スケジュール帳 | 面接日程の確認に使用。メモにも使える | |
現金 | 交通費+食費またはカフェ代+@ | |
交通系ICカード | チャージしておく | |
腕時計 | スマートフォンで確認するのは×。 | |
ハンカチ・ティッシュ |
面接で必要な準備や持ち物はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてください。
面接の準備完全版|あなたを最大限に魅せる17の土台作り
面接対策
面接の通過率を上げるなら、面接対策が欠かせません。面接では聞かれやすい質問が決まっているので、それに対する回答をしっかりと用意しておくことで、合格率を上げることができます。
面接でされる可能性がある質問は、こちらの記事で解説しているので、すべてに回答を用意しておくつもりで準備しておきましょう。
面接の質問150選! 回答例から答え方まで質問対策を完全網羅
また、質問への対策だけでは不十分です。面接にはマナーやルールがあり、選考通過のためにはそれを押さえておくことが重要です。
こちらの記事では面接固有のマナー、ルールを解説しているので、事前にチェックしておきましょう。
面接のマナー
面接マナーを攻略! 不合格を避ける基本からWeb対策まで完全網羅
面接のルール
面接初心者は要注意! ルール違反になるパターンやマナーを徹底解説
- 正社員の面接とアルバイトの面接ってどう違うんですか?
正社員の面接は長期的な目線を持ってじっくりと応募者に向き合う
基本的にアルバイトでは「時間をかけて教育する」というようなことがありません。そのため面接では、短時間で「できる」「できない」を判別する質問が中心になります。
一方で正社員は長期的に働いてもらう人を選ぶので、「できる」「できない」だけではなく、その会社の雰囲気や価値観に合っているか、成長の伸びしろはあるのか、などを見極めます。
正社員の面接では時間をかけてじっくりと応募者の能力や人となりをチェックしています。
選考通過率アップ! フリーターから正社員になるための7つのコツ
フリーターから正社員になるための7つのコツ
- 未経験から始められる仕事から調べる
- 条件を絞り過ぎず幅広く選考を受ける
- 正社員への志望動機を固める
- 応募先の志望根拠を固める
- 自己分析を徹底しアピールポイントを見つけ出す
- 社会人として基礎的なマナーやスキルを身に付けておく
- 仕事に活かせる知識を習得しておく
フリーターから正社員を目指すのは簡単ではありません。ただ応募してエントリーしただけでは内定を取ることは難しく、工夫して就活を進める必要があります。
ここからは、フリーターから正社員を目指すための7つのコツを解説します。これを徹底することで選考通過率を上げられるため、ぜひ参考にして就活を進めてくださいね。
①未経験から始められる仕事から調べる
正社員採用を目指すなら、未経験可としている求人から探すのが効率的です。経験者を募集している仕事は、たとえその経験があったとしても、正社員としての経験を求めているケースが多いため、未経験から始められる仕事から調べましょう。
就職エージェントで未経験者を募集している仕事を聞いたり、求人サイトで「未経験可」の条件で絞って検索すると見つけることができます。
接客販売や営業経験のあるフリーターは、販売職や営業職として入社すれば、その経験を活かすことができます。顧客と直接かかわる職種は売上に直結することが多いので、歓迎されることが多くあります。
②条件を絞り過ぎず幅広く選考を受ける
「大企業で働きたい」「好きなブランドに携わりたい」などのこだわりがあるかもしれませんが、エントリーする際は、できるだけ条件を絞り過ぎずに幅広く選考を受けることが重要です。
繰り返しになりますが、フリーターから正社員になるのは難しく、選考に落ちてしまうケースも多くあります。たとえば以下のように、一つの条件に絞り過ぎず幅広く選考を受けてみましょう。
受ける企業を広げる方法
大企業で働きたい
→その企業のブランド名があり、かつ類似した福利厚生を受けられる子会社を受ける
好きなブランドに携わりたい
→そのブランドの製造会社、販売会社などさまざまな形でかかわることを検討する
家から30分以内の企業で働きたい
→乗継ありなら30分以内、乗継なしなら45分以内などと条件をつけて通勤時間を拡大する
フリーターが企業を選ぶ際に、「給与が高いところ」や「休みが多いところ」など、「労働環境が良い企業」という漠然な希望を持つ人が多いため、優先順位をつけるのはもちろん、項目別に妥協できる水準を決めておきましょう。
③正社員への志望動機を固める
正社員になってどうしたいのかを固めることで、より自分に合う企業を見つけることができます。たとえば「高い給与が欲しい」と考えたのであれば、理想とする額の給与を支給する企業でなければ、たとえ正社員になっても苦しい思いをするでしょう。
「フリーターから正社員になるデメリット」で解説したとおり、正社員になるのはメリットばかりではないため、正社員になりたい理由を固めなければ、たとえ入社しても後悔するかもしれません。
選考でも、正社員になりたいと考えた理由を聞かれることがあるため、正社員への志望動機はしっかりと固めましょう。
- 正社員への志望動機は正直給与とか安定性とかなのですが、どんな回答であれば好印象ですか?
会社に与えられるメリットを正社員の志望理由として伝えよう
給与や安定性というのは自分にとってのメリットを考えた回答なので、自分が雇われることで、会社にとってどんなメリットが与えられるのかを考えた回答にしたほうが良いです。
たとえば、「正社員なら継続的に仕事へかかわれるから自分自身が努力・挑戦をし、成長することで会社をもっと発展させることができる」などの、自分がいることで将来的に会社にメリットを与えられることを伝えると好印象となります。
④応募先の志望根拠を固める
ついやってしまいがちなのは、「正社員になれればどこでも良い」と考えて就職してしまうことです。一時的に安心はするかもしれませんが、数年後、その選択が本当に合っていたのか悩んでしまうかもしれません。
正社員になることを焦らずに、まずはどんな企業が良いのか、企業選びの軸を定めてからエントリーし、かつ志望根拠を固めましょう。
企業選びの軸の見つけ方はこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしましょう。
意欲が伝わる「企業選びの軸」の回答例50選|見つけ方も解説
企業側も「正社員になれればどこの会社でも良いのでは」と懸念していることもあります。そのため、その企業でなければならない理由を伝えるようにしてください。
志望動機の考え方、伝え方はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG
志望根拠では、「なぜその職種に就きたいのか」「なぜその会社で働きたいのか」の2点を必ず述べるようにしましょう。
応募した経理職や営業職など、職種の志望理由のみ述べてしまうと「うちでなくても良いのでは」と思われ、企業のことばかり話していてもイメージ先行で志望しているのでは、と思われてしまいます。
⑤自己分析を徹底しアピールポイントを見つけ出す
企業側が欲しいのは、企業で活躍できる人材です。入社してどのような活躍ができるのかを示すため、自己分析をしてアピールポイントを見つけ、それを伝えましょう。
アピールポイントは、過去に褒められたり、功績を残した経験があればその中から見つけてみてくださいね。
「自分にアピールできることなんてない……」と考える人もいるかもしれませんが、誰しも長所はあります。自分にとっては当たり前にやっていることでも、他者から見ればすごいことというケースも多いため、周囲に自分の長所を聞いてみるのもおすすめです。
以下の記事では、就活でアピールできる長所50選を一覧で紹介しています。アピールできる長所が必ず見つかるので、ぜひチェックしてくださいね。
長所一覧表50選|自分に合うアピールポイントを受ける職種別に解説
- 自己分析って正直難しいです。フリーターの自分を分析しても意味なさそうですし……。どうやってやれば良いのでしょうか。
人に知ってほしい自分の特徴をピックアップするのがおすすめ
自己分析と考えると難しいかもしれませんが、人に知ってほしい「自分の好きなことや特技などをピックアップしてみる」と考えるとどうでしょうか。
採用する側である会社は、あなたのことを知ることができなければ、一緒に働くことができる人なのか判断できません。
そのため、あなたのことをまったく知らない面接官たちに、「自分はどういう人間か?」を伝えなければいけません。
最初は、好きなことや得意なこと、自分にとって満足度が高いことなどを、仕事に限定せずに網羅的に書き出してみましょう。
そのうえで、徐々に仕事に近づけつつ「仕事に対する価値観」などと関連づけていくと、自然に企業へのアピールになる自己分析ができますよ。
自己分析の詳しい方法はこちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
⑥社会人として基礎的なマナーやスキルを身に付けておく
企業はフリーターに対し、ビジネススキルやマナーが不足しているのではないかと懸念していると解説しました。つまり、それらを身に付けておくことで、信頼を得やすくなります。
たとえば、以下は気を付けておくと良いです。
選考で気を付けるべき社会人としての最低限のマナー
- 清潔感のある服装にする
- 気持ちの良い挨拶をする
- 時間を守る
- 報告・連絡・相談を確実におこなう
- 電話では、保留は30秒程度までにする
プラスアルファでできると良いマナー
- エレベーターでは率先してボタンを押す
- 企業からの電話は3コール以内にとる
- メールの件名は端的にする
- 返信はなるべく1営業日中におこなう
これらの基礎的なマナーやスキルは、現在のアルバイト経験の中で身に付いている人も多いのではないでしょうか。改めてできているか確認し、面接での振る舞いに気を付けましょう。
⑦仕事に活かせる知識を習得しておく
さらに好印象を残すコツとして、仕事に活かせる知識を習得するのが効果的です。たとえば事務職であれば基本的なPCスキルに役立つMOS、英語を使う接客業であればTOEICなどを勉強しておくと、即戦力となる要素があるため好印象につながります。
そのほかにも、ビジネスや業界に関する本を読んで知識を蓄えておくと、仕事に前向きな印象につながり、入社後も自信を持って働けるようになるのでおすすめです。
特にエンジニアやWEBデザイナーなど、専門的な知識が必要となる職種を目指す場合は、事前に関連する知識を習得しておくと、入社後の活躍イメージを持ってもらうことができるでしょう。
おすすめの資格
資格を持っていることで、即戦力になる、仕事に前向きであるというアピールになります。
フリーターが正社員を狙う際におすすめの資格を紹介するので、それぞれの状況に合わせて、気になる資格の勉強をしてみましょう。
以下は、時間がない、または勉強に苦手意識がある人におすすめの資格です。比較的短期間で取りやすく、かつどんな仕事とも関連性が高くアピールにもなるので、ぜひ挑戦してみてください。
さらに一歩リードするなら、受ける業界に関連する資格を取ることが有効です。専門的な資格になるため、即戦力になる人材としてアピールになる可能性があります。
業界別の就職に有利な資格
- 知識をつける時間がないのですが、やっぱり正社員を狙うなら資格とか勉強しておいた方が良いのでしょうか。
限られた時間で最大限アピールするため、資格は取っておくのがおすすめ
面接は限られた時間の中でおこなわれるので、その職種に必要な資格が書いてあれば、採用担当はその部分の能力を聞く時間を節約できます。
節約できた時間は、あなたへの待遇面の説明やより深くコミュニケーションをとるための時間に使えるので、自身の面接内容や待遇面を充実させるためにも、できれば業務に関連するような資格はとっておいた方が良いです。
就活で有利になりやすい資格はこちらの記事で解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
就職に有利な資格33選|業界・状況別であなたに合った資格を解説
秘書検定の取得を考えている人は以下の記事を参考にしてみてください。履歴書への書き方とアピール方法を解説しています。
秘書検定は何級から履歴書に書ける? 正しい書き方とアピールのコツ
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る転職エージェントや自治体のインターン制度の利用が内定獲得率を上げる
フリーターから正社員を目指すにあたってより自分にマッチした求人を見つけるには、大量の求人を閲覧するだけでは効率が良いとは言えません。
フリーターでも積極的に採用する企業や、正社員未経験の人材を受け入れる制度は数多くあります。無駄なくチャレンジしやすい求人にたどり着くための方法を2つ紹介します。
①転職エージェントを利用する
転職エージェントの中には第二新卒や職務経験のない人を積極的に受け入れているところがあります。
そのような人材を活かせる求人を多数用意しているので、より内定の可能性のある案件情報を無駄なく得られ、面接の機会につなげてもらえます。
また、このようなエージェントでは、フリーター経験を自分の強みとしてアピールするための応募書類の書き方や面接の指導もしてくれます。
②自治体の正社員インターン制度を利用する
最近は多くの自治体が正社員未経験者のためのインターン制度を用意しています。ビジネスマナーやPCなどの研修を受講し、適性などを見込んだうえで企業とマッチングさせ、1週間~10日程度の職場体験(インターン)をおこないます。
企業と応募者双方の希望が一致すればそのまま正社員として勤務開始となりますよ。各都道府県のハローワークなどに問い合わせてみてください。
採用率が高め! フリーターから正社員を狙う際のおすすめの仕事
採用率が高め! フリーターから正社員を狙う際のおすすめの仕事
- 販売職
- 営業職
- コールセンター
- 介護職
- 工場作業
- ITエンジニア
- 施工管理
フリーターから正社員になるのは難しい道ですが、採用率が高かったり、フリーターの経験を活かせることから、早期の内定を狙える企業もあります。
ここからは、フリーターから正社員になる際におすすめの職種を紹介するので、関心があるものがないかチェックしてみましょう。
ただ、内定欲しさに受ける企業を選ぶのは危険です。採用率が高いということだけでなく、あくまで自分の就活の軸に合うかを考えてからエントリーしましょう。
販売職
フリーターとして接客業をおこなっている場合、その経験を活かせる小売店などの販売職は、スキルのアピールもしやすく比較的採用されやすい職種でありおすすめです。
特別な資格は不要であるのもチャレンジしやすい特徴です。また、販売職はしっかりとしたビジネスマナーが求められる仕事ですが、マナーはほかの職種でも求められるスキルであり、応用が可能です。そのため、転職をしたい場合もアピールできることが多くあります。
好きなブランドや店があれば、それにかかわる販売職を目指すと、モチベーション高く働けるのではないでしょうか。
販売職を目指す人は、こちらの記事で詳細を詳しく解説しているので、参考にして理解を深めましょう。
販売職を徹底調査! 仕事内容から就活を成功させるコツまで紹介
営業職
未経験者の募集が多い仕事に営業職もあります。販売職と同様、ビジネスマナーを身に付けられ、かつ一般的には資格も必要ないので、始めやすい仕事です。
歩合制の営業職であれば、成績を上げれば高給を狙うこともできるため、給与面で不安を抱いているフリーターにもおすすめです。
営業職は顧客のニーズを汲み取り、課題を解決する仕事ですが、このスキルをしっかりと身に付ければ、直に企画職などへの転身ができることもあります。
- 営業職の募集は多いように感じますが、実際キャリアアドバイザーから見てフリーターに営業職はおすすめですか?
最低限の適性は必要であるもののメリットが多くおすすめ
営業職は、フリーターにおすすめの職業の一つです。
求人が多く採用される可能性が高いというのはもちろん、企業にとっては収益を左右する重要な職業なので活躍の範囲が広く、働くうえで欠かせない交渉力や数字に関する知識なども習得しやすいというメリットがあります。
ただし、コミュニケーション力や忍耐力などを求められる仕事なので、もちろん最低限の適性は必要になります。
「営業には向いていないのではないか……」と不安に思う人もいるかもしれません。こちらの記事では、営業職の適性をチェックする方法を解説しているのでぜひ参考にしてください。
営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説
コールセンター
特段の資格が不要で、未経験から始めやすい仕事にコールセンターもあります。コールセンターは以下の2種類がありますが、どちらも基本的なPCスキルやビジネスコミュニケーション能力を身に付けられるメリットがあります。
コールセンターの種類
- インバウンド:顧客からの問い合わせ、注文、苦情などを受ける
- アウトバウンド:顧客に商品やサービスの紹介をする
顧客からきつい対応を取られたり、なかなか電話に出てもらえないなど精神的に負担に感じることもあるかもしれませんが、その分どんな局面も乗り越えられる精神的な強さが身に付くのも、長期的に見ればメリットといえます。
コールセンターで働きたい人は、こちらの記事で志望動機の作り方を解説しているので、併せてチェックしてくださいね。
例文8選|コールセンターの志望動機で絶対盛り込むべき4要素
介護職
介護職は、資格が必要な仕事もありますが、ない場合も働くことが可能です。具体的には以下の仕事であれば、資格なしでも携わることができます。
資格不要で携われる仕事内容
- 食事の配膳
- 掃除・洗濯
- 送迎
- 事務
少子高齢化の影響で、介護職の人手不足は深刻であり、他の職種と比較し採用に積極的な傾向にあります。
まずは資格が必要のない介護職として働き、仕事に慣れたら資格を取ってスキルを付けるというキャリアアップも可能です。
工場作業
工場作業も、特別な資格は必要なく、求人も多いため、正社員を狙いやすい仕事です。
工場作業は人と話す必要がない、単純作業を繰り返すことが多い、残業がほとんどない、仕事内容の割に給与が高いといった面から人気の職種となっています。特に、正社員としての判断を求められることに不安を抱く人には合っているといえます。
ただ、単純作業を繰り返すためスキルがつきにくく、人間関係を構築しにくいことから人脈を作りにくいことには注意が必要です。長期的な視点も踏まえてやりたいと考えるのであればおすすめの職種といえます。
ITエンジニア
ニーズが高く、未経験者から始められる仕事として、ITエンジニアもおすすめです。IT化が進む昨今の状況で、エンジニア不足が叫ばれ、採用数が増えています。
専門知識が必要ですが、入社後に身に付けられれば良いとして、未経験者に向けた研修をする企業も多くあります。
スキルを身に付ければ市場価値も高められ、高収入も期待できます。また、一度スキルを身に付ければ今後職を失うリスクもなくなるため、フリーターの、いつ仕事がなくなるかわからない不安からも解放されます。
ITエンジニアとして必要なスキルは一刻一刻と変化しています。新しい知識を次々に自分のものにする人が求められるため、フリーターとして社会で多様な経験をしたことが良いアピールにつながりやすいです。
また、業界としての歴史が浅いので、どのような人材でも柔軟に受け入れる企業風土を持つ会社が多くあります。
施工管理
施工管理とは
建設工事全体を管理する仕事で、現場技術者を指揮、監督する
建設業界全体が好況にある昨今では、施工管理の未経験者募集も増えています。
分野によっては高い専門性を求められますが、就業後いきなり業務を任されるわけではありません。まずは先輩社員のサポートにつき、業界用語、現場の流れ、資材・工法・設備の知識、現場技術者への指示の出し方などを学ぶことになります。
専門スキルが身に付くだけでなく、携わったものが形になるやりがいもあり、正社員として前向きに仕事をすることができるのではないでしょうか。
国土交通省の建設業活動実態調査によると、女性の施工管理は約6%となっていますが、女性登用を推進する動きがあり、この割合は今後増える見込みです。
インフラや建設業界に関心がある人は考えてみることをおすすめします。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る設備保全・メンテナンス系もフリーターにおすすめの仕事の一つ
製造業や建築土木業など、幅広い業界で求められる応用力の広さはもちろん、慢性的な人手不足の職業でもあるため、比較的採用されやすい職業です。
設備の設計・開発などの職業は高い専門性を求められるため、大学や専門学校での学習経験などが必要になります。
しかし、設備保全・メンテナンスは、対応する設備について学び、その点検方法や修理・メンテナンス技術を習得すれば、多くの人が対応できます。就職する時点で経験がなくても、入社後に学んで意欲的に業務にかかわっていけばスキルは上達していきます。
業務に関連する資格も豊富なので、入社後に資格を取得することで転職によるステップアップも可能です。
将来性やスキルが身に付く点からキャリアの可能性が広がりやすい
また、日本はインフラ設備の老朽化が深刻なこともあり、これから先も各種インフラ設備の修繕にかかわる仕事の需要がなくなることがありません。
将来にわたって安定的に働ける可能性が高い点からも、フリーターから正社員を目指す際の職業候補の一つとしておすすめです。
フリーターは特に気を付けて! 労働環境が悪い企業にありがちな特徴
フリーターは特に気を付けて! 労働環境が悪い企業にありがちな特徴
- 募集期間が長い
- 同業他社と比較し異様に高給
- 口コミサイトの評価が低い
- 離職率が高い
どうしても正社員になりたいという思いが先行し、しっかりと企業選びができないままエントリーしてしまうケースがあります。
特に、不合格が続いた後に合格通知をもらうと、深く考えず入社を決めてしまう人もいるかもしれませんが、入社後つらい思いをし、取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
ここからは、フリーターが特に気を付けるべき労働環境が悪い企業の特徴を解説します。内定取得を急ぎ過ぎ、いわゆるブラック企業に就職して後悔することのないよう気を付けてくださいね。
募集期間が長い
求人サイトで長期間掲載していたり、掲載終了後にすぐに募集を再開していたりする企業は、多くの人が辞職している労働環境の悪い企業の可能性があります。求める人員数を満たさないため長く募集しているのです。
ただし、事業が成長過程にあり、人材増員が必要で積極的に求人を出している企業もあります。なぜ求人の募集期間が長いのか、その理由を見極めることが大切です。
同業他社と比較し異様に高給
業界の平均年収と比べ異様に高給な会社は、肉体的・精神的にきつい仕事と引き換えに高い給与を提示している可能性があります。
フリーター時代に年収に悩まされていた人は、高収入を得たいという思いからつい応募してしまうことがありますが、まずは業界や職種の平均年収を調べましょう。そして、それよりも極端に高い給与であれば、その背景を調べておくと安心です。
たとえば業績が良いがゆえに高給なのであれば納得できますが、精神的にハードであることと代替に給与が高いケースは、気になる人は避けるべきです。
給与が高い理由として考えられることの例
- 業績が良い
- 肉体的・精神的にハードである
- 人材不足により、人手を集めるために高給を提示している
業績が好調な企業では、社員の貢献を反映して一般的な給与水準よりも高く支給しているところがあります。
実際に「本当はもっと給与を支給したいんだけれども、周りより高いとワケありじゃないか? と思われるのがイヤで周りに合わせている」と言った社長がいますよ。
口コミサイトの評価が低い
転職の口コミサイトは、退職者による会社の評価が入力されているため、企業のネガティブな情報を知ることができます。
総合評価が低かったり、ネガティブな口コミが多い企業の場合は、就職を再検討した方が良いかもしれません。
ただし、口コミサイトは匿名によるものなので、すべての情報が正しいわけではありません。また、退職者にとってはネガティブな情報でも、自分にとってはメリットになることもあります。
情報の取捨選択を意識しつつ活用しましょう。
離職率が高い
離職率が高い企業は、人々が不満を感じやすい状況にある可能性が高いです。
厚生労働省の令和2年雇用動向調査によると、2020年の平均離職率は14.2%であり、近年の離職率は14~16%の間で推移しているので、参考にしてください。
離職率は四季報や企業ホームページ(HP)などで確認できます。
ただ、離職率が高いからといって必ずしも労働環境が悪いとはいえません。たとえばベンチャー企業など、スキルを付けた後に自立をすることが前提となっている企業もあります。離職率が高い場合は、口コミサイトで退職理由を確認しておくと安心です。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る「固定残業代」に要注意!
応募要項で提示されている月収が高めのときは、必ずその提示額に「固定残業代」が含まれているかどうかをチェックしましょう。
労働時間外に業務をおこなった際、基本給のほかに支払われる賃金を残業代と呼びます。
基本給から算出された1時間当たりの賃金に所定の割り増しなどを加算し、残業をした時間に応じて支払われるのが一般的です。
しかし、企業によって「固定残業(みなし残業)代制度」を採用しているところがあります。
固定残業代で基本給与を高く見せようとしている可能性がある
固定残業代制度とは一定時間の残業代を給与にあらかじめ含むことを言います。たとえば月30時間分の固定残業時間が月給に組み込まれていると、30時間までは残業しても別途残業代は支払われません。しかし、1時間も残業しなくても支払われます。
よって、実際には残業がほとんどないならかなりお得なのですが、頻繁に残業が発生する会社なら一見給料が高そうに見えても、実はさほど待遇が良いとは言えない場合があります。
この制度を利用して、固定残業代により基本給を高く見せて人を集めようとする企業もあるので、固定残業代がある企業に就職する際は、残業がどのぐらいありそうか、実態を確認しておきましょう。
正社員だけが道じゃない! 派遣社員を目指すのも一つの手
フリーターから正社員を目指すのは難しいものの、派遣社員の方が就職しやすい傾向にあります。正社員ほど学歴や経歴が重視されず、未経験から始められる仕事は派遣社員の方が募集が多くあります。
派遣社員は正社員と同様、決められた時間いっぱい働き、一定の給与を得ます。フリーターよりも給与が上がることが多く、また福利厚生への加入が義務付けられているため、労働環境が良くなると見込まれます。
ただし、派遣社員には以下のデメリットがあります。
正社員と比較した派遣社員のデメリット
- 派遣先企業からの福利厚生は受けられない
- 雇用契約が更新されなければ仕事を失う不安定さがある
- 残業ができず高い給与は見込めない
- 賞与や退職金は受け取れない
フリーターから派遣社員、そして正社員を目指すとなると数年かかってしまうので、給与や福利厚生を今すぐ改善したいというわけではなければ、正社員を目指すことをおすすめします。
- 実際、キャリアアドバイザーの立場として、最初から正社員を目指すか、派遣社員を目指すかどちらがおすすめですか?
将来像とリスクの許容度から派遣か正社員か考えてみよう
その人の将来的なキャリア設計とリスクの許容度によります。
たとえば、将来的に研究職のような専門職に就労したいものの、これまでの学歴などから就職が難しいならば、派遣社員として経験を積んでから正社員に転職する方法がいいかもしれません。
ただし、確実にその職種に転職できるとは限らないため、相応のリスクがあります。
正社員として就職してから夜間大学などで自ら学んで将来に向けた準備をするなど、負担はあるもののリスクが低い選択肢を選ぶこともできるでしょう。
フリーターから正社員になるなら7つのコツを踏まえて選考を突破しよう
フリーターから正社員になるのは難しい道ですが、実現可能です。7つのコツを踏まえて対策をすれば、いつか必ず希望の就職先を見つけることができます。
正社員にはメリットが多くあります。正社員になりたいと考えるのであれば、何社か落ちてしまっても諦めずに挑戦し、希望のキャリアを見つけてください。
アドバイザーコメント
瀧本博史
プロフィールを見る正社員になるなら今がチャンス! 企業は多様な人材を求めている
2021年の正規の職員・従業員数は3565万人と、前年に比べて26万人増加し、7年連続で増加し続けています。このことから今、正社員になれるチャンスが訪れています。
加えて、厚生労働省では「多様な正社員」といって、一般的な正社員に比べ職務内容や勤務地、労働時間などを限定して選択できる正社員制度の導入を推奨したり、実際に週休3日制や出社しない働き方を採用する企業も出てきました。
企業の成長に貢献できるようタイミングを見極め納得のいく将来を見つけよう
今後、感染症問題が落ち着いた日本の社会では、個人が自由度の高い働き方や暮らしを通じて、生産性を高め、豊かさや仕事のやりがいを感じられるようにしていくことが求められています。
国は多様な働き方ができれば、企業には多様な人材が集まって組織自体が強固となり、多様性を成長につなげることができると考えています。
今後は正社員の働き方も変わっていき、今が正社員を目指すチャンスとなっていますよ。この記事で紹介してきた正社員になるための方法を参考にして、納得のいく将来を手にしてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細