この記事のまとめ
- 建設業界はさまざまな課題を解決するための転換期にある
- 建設業界には幅広い業種・職種がある! それぞれの働き方を知ろう
- 建設業界に就職するなら選考までの4ステップがカギ
建物やインフラを造り出している建設業界。街中で建設現場を見かけることはあっても、「建設業界って実際にはどんな業界なんだろう?」「建設業界を受けてみたいが自分に合っているかわからない」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
建設業界は多くの課題を抱えていて、その課題を解決するための転換期に入っています。選考を受けるのであれば現状の課題やトレンドなど実態を詳しく理解して、しっかりと対策する必要がありますよ。
記事では、建設業界の特徴や対策方法について、キャリアアドバイザーの鈴木さん、木村さん、谷所さんとともに解説していきます。建設業界について詳しく知りたい、受けようと思っているという人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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建設業界で働きたいなら課題やトレンドなどの理解は必須
建設業界は安定した業界ということもあり、例年多くの学生が応募します。しかし、建設業界について漠然としか理解しておらず、業界の課題やトレンドを十分に理解している学生は多くありません。
よく理解しないまま建設業界に就職してしまうと「思っていたのと違う……」と感じてしまい、すぐに辞めてしまう事態にもなりかねません。もし受けるのであれば、業界の特徴やトレンドなどを勉強したうえで選考に臨むことが大切です。
記事では、建設業界の特徴やトレンドを解説します。まずは業界の構造や課題など建設業界の現状を理解したうえで、建設業界の業種や職種など、より細かい部分を解説します。建設業界で自分がどのような仕事に就きたいのか確認していきましょう。
加えて、建設業界を受けようと思っている人向けに、選考を勝ち抜くためのステップと自己PRの例文を解説します。企業に効果的なアピールができるように、ぜひ参考にしてください。
あなたが建設業界に向いているか確認してください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
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建設業界の特徴は? 全体像を理解して働くイメージを持とう
建設業界の特徴は? 全体像を理解して働くイメージを持とう
- 事業内容:建物やインフラなどの構造物を造る仕事
- 市場規模:景気に左右されるが比較的安定している
- 就活状況:人手不足のため難易度は高くない
まずは建設業界をイメージできるように業界の全体像を解説します。
業界の事業内容や市場規模などがわからないままでは、建設業界を選ぶ理由が不明確なまま就活を進めることになってしまうでしょう。その状態では選考でうまくアピールできずに不利になるうえに、入社後のミスマッチにつながる可能性もあります。
そこで、特徴を「事業内容」「市場規模」「就活状況」の3つに分けて解説していきます。具体的な仕事内容や対策の前に、まずは建設業界の全体像をつかみ、理解を深めましょう。
①事業内容:建物やインフラなどの構造物を造る仕事
建設業界は建物やインフラといった構造物を造り出す業界です。皆さんが住んでいる家や歩いている道路も建設業界の力によって造り出されています。
構造物の種類によって建設業界は2つの分野に分かれます。ダムや道路、鉄道といったインフラを造る土木分野と、住宅やマンション、ビルといった建築物を造る建築分野に分かれています。
建築分野と土木分野は、規模の大きさが違うだけで基本的な事業内容に違いはありません。どちらも、顧客の注文を受けてから構造物の生産をスタートする受注生産方式で仕事を進めていくのが特徴です。
建設業界の場合、大手の視点と中小企業の視点の両方をもっておくことで、入社後のギャップの乖離を回避できます。左官工事業・電気工事業など多くの仕事が存在するので、建設業許可を一度確認しておくと良いです。
建設業界の中でも「建築」分野に興味がある人は以下の記事を参考にしてみてください。建築業界の特徴や志望動機のコツをまとめています。
例文8選|建築業界で評価される志望動機とは? 書き方のコツ
②市場規模:景気に左右されるが比較的安定している
業界動向サーチの業界別 業界規模ランキングによると、市場全体の大きさは2021年〜2022年の業界規模で約15.5兆円と業界全体で196業界のうち23位の大きさです。
建設業界は、インフラ建設のための政府投資と、民間企業による民間投資の2つから市場が形成されています。
2つの投資を合わせた建設投資額は、東日本大震災をきっかけに2012年頃から現状は右肩上がりで推移しています。しかし、2021年に東京オリンピックが終了したことから、今後は建設投資が減少するともいわれています。
とはいえ、高度経済成長期に建設されたインフラや建物の老朽化も進んでいて、今後も安定的に政府から出資される業界であるため、急激に業界が衰退するといったことは起こりにくいでしょう。
業界全体として、民間と国の両方から投資される比較的安定した業界といえます。
- 国内では新しい建物やインフラはもうすでに完成しているように思います。それでも需要がある業界なのでしょうか?
建設業界では構造物の建て替えや整備の需要が高まってくる
国内における新しい建物やインフラはほぼ造りきっていても、高度経済成長期に建設されたインフラや建物の老朽化が進んでおり、今後建て替えや整備の需要が高まっていきます。
ディベロッパーによる再開発も活発におこなわれていくでしょう。また海外途上国でのインフラ整備などの需要があります。こういった点から、今後も建設業の需要は減らないでしょう。
③就活状況:人手不足のため難易度は高くない
建設業界は全産業のなかでも特に人手不足が深刻です。そのため、建設業界で仕事をしたいという強い想いがあれば、就活の難易度はそこまで高くないといえるでしょう。
リクルートワークス研究所の第41回ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)によると、大卒求人倍率が1.75倍であるのに対し、建設業界の求人倍率は9.35倍となっています。
大卒求人倍率
リクルートワークス研究所が算出している統計で、学生1人に対する民間企業の求人状況を示したもの
つまり、新卒の学生1人で平均9.35個の企業から内定をもらっている計算になります。かなり内定を獲得しやすい業界といえますよね。
しかし、これはあくまで、建設業界に就職するだけであれば内定を獲得しやすいというだけであり、大手企業や有名企業に入りたいとなれば別の話です。建設業界でも人気の企業は倍率も高く、有名企業ばかり受けてしまうと就活が思った通りに進まない可能性もあるので、注意が必要です。
建設業界は土木と建築に大別できますが、その中で各専門技術や工程に特化したさまざまな業種に細分化された企業によって構成されています。そのため、各専門分野に属する企業の特徴に応じて、新卒採用のニーズや就活の難易度も変わってきます。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る建設業界の特徴は多職種・多人数がかかわること
建設業界の事業内容について知っておいた方が良いこと、知っておかないといけないこととしては、「建設業許可」の区分があることです。
建設業は実際、細分化された許可を持っている企業が複合して、町の開発や工事をおこなっています。この「建設業許可」は28分類あり、仕事の受注金額が500万円以上の場合は、必ず許可証を持った会社でしか受注することができない仕組みになっています。
このことから1つの工事をとっても非常に細分化されていて、多職種・多人数の人がかかわりあって構成している職種であるということが特徴的です。
今後どのエリアで公共工事が進められるか見定めよう
また、市場規模については全体的に俯瞰する視点と各エリアを個別に見る視点が重要になります。これは、公共工事という大きなお金が動く仕事が、今後どのエリアで積極的におこなわれるかで、受注することができる可能性の大小が影響するからです。
建設業界は売手市場である半面、仕事が取れない企業も多数存在していることから、十分に分析して就職先を探すことが必要な業界です。
建設業界は人手不足なため比較的内定を獲得しやすいと解説しましたが、ほかにも人手不足な業界はあります。以下の記事では人手不足な業界で働くメリットと注意点をまとめているので参考にしてみてください。
人手不足に悩む6つの業界を徹底解説! 就職しやすい仕事も紹介
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建設業界を受けるなら知っておくべき4つの課題
建設業界を受けるなら知っておくべき4つの課題
- 人手不足の深刻化
- 若手人材の育成の遅れ
- 残業や休日出勤といった長時間労働の常態化
- DX化の遅れ
建設業界は比較的安定している業界ですが、その安定が崩れかねない課題も多くあります。
これから紹介する課題は国も率先して解決に取り組んでおり、建設業界で働く人は知っておかなければならない内容ばかりです。
そこで、建設業界を受けるなら知っておきたい課題を4つ解説します。就活では業界の課題に関して知っているか問われる可能性もあるので、理解を深めておきましょう。
①人手不足の深刻化
少子高齢化によりさまざまな業界で労働者は不足していますが、建設業界はとくに人手不足が深刻です。
国土交通省による建設業を巡る現状と課題を見てみると、建設業界の労働者の数は1997年から年々減少しています。ピーク時には685万人いた業界の労働者人口は2022年には479万人にまで減少してしまいました。
これだけ業界の労働者が減少するにもかかわらず、インフラの建物の修繕工事や整備といった仕事は増加するといわれています。
建設業界の労働者がいなくなってしまっては、工事を円滑に進めるのも難しくなってしまうでしょう。
人手不足によるリスクは業種を問わずいろいろな面で中長期的に起こると懸念されています。たとえば、施工期間の長期化、工事費の高騰、優秀な技術者および技能者の奪い合い、職人の技術・技能レベルの低下、手抜き工事などが考えられます。
②若手人材の育成の遅れ
建設業界は特に若手が少ない業界だといわれています。
同じく国交省による建設業を巡る現状と課題を見てみると、建設業界で働く労働者の35%以上が55歳以上です。さらに、29歳以下の労働者は全体の約11%しかいません。
このような高齢化が進む中で、技術力の高いベテランが絶え間なく仕事を請けているのが現状です。
そのため、ただでさえ少ない若手人材の育成に十分な時間を確保できていないのが現状です。職人のような現場に精通した技術を身に付けるには、早くとも5〜10年の修行期間が必要だともいわれています。
③残業や休日出勤といった長時間労働の常態化
建設業界は他業界と比べても特に時間外労働が多い業界です。
厚生労働省の総実労働時間の推移によると、建設業界は運輸業界に次いで2番目に年間労働時間が多く、2,000時間を超えています。調査業界全体の平均との差は300時間ほどで、業界の体質として残業が多い傾向にあります。
また国交省による建設業を巡る現状と課題のデータを見ると、4週間当たりの休暇日数は「6日」が約44%と最も多く、週休2日を取れる「8日以上」の人は8.6%しかいません。
ここまで休みが少ない理由は、古くからの業界の体質が変わっていないのが原因です。社員一人ひとりの仕事量が多く、残業しても良いという風習が残っている傾向にあります。
人材不足の中で納期を間に合わせるためには、どうしても一人ひとりの仕事量が多くなってしまいます。ロボットなどの導入が一部ではおこなわれているものの、人が造りあげる仕事が多いため長時間労働が常態化しがちです。
④DX化の遅れ
DX(デジタルトランスフォーメーション)
進化したIT技術を浸透させて人々の生活をより良いものへと変革すること
建設業界では、多くの作業がデジタル化されていないのが現状です。
建設業は現場でものを造り上げる仕事であるため、現場へ直接出向いて進捗の確認をしたり、図面を突き合わせて打ち合わせをしたりするのが一般的な仕事の進め方でした。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、建設業界の働き方にも見直しの動きが高まりました。
在宅ワークやWeb会議といった今までにはない働き方を余儀なくされたのです。しかし、各企業で十分な設備が整っていないこともあり、DX化が十分に進んでいないのが現状です。
働き方が劇的に変わる? 建設業界のトレンド
働き方が劇的に変わる? 建設業界のトレンド
- 働き方改革への取り組み
- 技術者の処遇改善
- DX化推進による業務効率化
- 外国人労働者の受け入れ
ここまで説明したように、建設業界は多くの課題を抱えている業界です。
課題を解決していかなければ、今後の建設業界が衰退していくのは避けられない事態といえるでしょう。
建設業界ではこれらの課題を深刻に受け止めて、課題解決に向けて国が率先して働き方を変えようと動いているのが現状です。そこで、建設業界の働き方を変えるためのトレンドを4つ解説します。
就活は、適職診断から始めてください
就活では自分に適性がある仕事を選ぶことが大事です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する企業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
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①働き方改革への取り組み
まずは働きやすい環境を作らなければ、建設業界で働きたいと思う人を増やすことはできません。そこで、建設業界では国を挙げて働き方改革に取り組んでいます。
具体的には、以下のような施策を進めています。
働き方改革の取り組み内容
- 建設現場の週休二日制の導入
- 残業時間の抑制
- 教育環境や研修制度の拡充
- 女性職員を増やす取り組み
無理な工期設定が残業や休日出勤につながっていることから、工事を発注する公的機関と受注者の間で適切な工期を設定できるように努めています。
また、建設業界は従来3K(きつい、危険、汚い)と言われることもありましたが、現在は国土交通省が主体となり、新3K(給与、休暇、希望)を打ち出して、業界全体の働き方を変えようと動いています。
建設業界においては、建設業界独自でキャリアパスモデルの導入が積極的にされています。このキャリアパスは、働く個人はもちろんのこと、企業の採用や人材教育でも活用され始めています。
②技術者の処遇改善
建設業界では技能労働者の処遇を改善する動きが進んでいます。
具体的には、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」を2019年4月から運用開始しました。CCUSは国土交通省と建設業団体が官民一体で推進してきたシステムです。このシステムでは、建設業にかかわる人の資格や社会保険加入の有無、現場での就業時間などをデータで登録できます。
これにより、技能者のスキルが客観的に見えるようになり、どんなスキルを持った技術者がいるのか簡単に把握できるようになりました。
また、労働時間の確認や技術力を客観的に見れるため、技術者に対する評価を適性に実施できるのではないかと期待されています。
適正な評価を受ける技術者が増えれば、今まで安く仕事を受けていた技術者の待遇が改善され、業界全体の処遇改善につながります。
③DX化推進による業務効率化
建設業界では、DX化にも力を入れて取り組んでいます。
建設業界でDXを進める背景には、人手不足の解消や業務の効率化が挙げられます。
少子高齢化が進んでいるため、人員を割かずに今までと同じ仕事を進めていく必要があるからです。加えて、業務時間の短縮にもつながり、処遇改善の効果も期待されています。
建設業界でDX化が進んでいる例
- BIM/CIM(3次元モデルを利用した情報共有)
- AI(人工知能)によるデータ処理
- ICT(情報通信技術)の導入
- IoTで建設機械とインターネットを接続
たとえば、先ほど説明した「建設キャリアアップシステム(CCUS)」もDX化の一環で実施されています。
たとえば現場の施工状況を関係者間で共有する際に、従来のBIM/CIMによる設計図上の共有に加えて、DX化によるバーチャルツアーを導入し、業務全体の効率化と現場スタッフの働き方の改善につなげている例もあります。
④外国人労働者の受け入れ
労働者不足の対策として、必要な人材を確保するために外国人労働者を積極的に採用する企業が増えてきました。
建設業界では、まだまだ人の手で作業しなければならない業務も多いことから、外国人労働者を雇うメリットが大きいのです。
また外国人労働者側としても、建設業界に従事しながら日本で建設技術を身に付けられるというメリットがあります。
このように、外国人労働者の採用は双方にメリットがある人手不足の対策として活用が進められています。
地図に残る仕事! 建設業界で働く魅力
地図に残る仕事! 建設業界で働く魅力
- ものを造る楽しさを感じられる
- 成果物が地図に残るやりがいがある
- チームで協力して造り上げる達成感を得られる
- 高い技術力が身に付く
建設業界の仕事は、社会的責任が大きく大変なことも多い仕事ですが、その代わりに他の仕事では味わえない働く魅力ややりがいも数多くあります。
そこで、建設業界で働く人が感じている働く魅力について解説します。建設業界で魅力を感じて働くことができそうか確認してみてください。
①ものを造る楽しさを感じられる
建設業界は何もない更地から構造物を造る仕事です。そのため、「何かしらものを作ることが好き」という人は楽しさを感じられる仕事といえるでしょう。
大きい構造物になると完成までに10年単位の年月をかけて造り上げていきます。徐々に構造物が出来上がっていくのを見る楽しさはもちろんのこと、自分の造った構造物を多くの人が利用して喜んでいる姿を見るのは、格別の嬉しさを感じられます。
「自分がこの構造物を造ったんだ」と、自分の仕事に価値を感じられることが建設業界の醍醐味といえます。
建設では、建築士、下請け業者、職人など年齢や考え方が違う多くの人々が、チームとして一つになり、長期間に渡って構造物や建築物を築き上げていく楽しさがあります。再開発などでは、建設を通じてこれまでにない街づくりの一躍を担う楽しみもあるでしょう。
②成果物が地図に残るやりがいがある
建造した建物やインフラは、日本の地図に名前が載るようになります。
自分が携わった仕事が、はっきりと形に残るだけでなく、地図に載って何十年も引き継がれるのです。とても影響力の大きい仕事ですよね。
そんな誰もが目にする構造物を造れるのは、建設業にしかできない仕事です。
たとえ、携わったのが構造物の一部だとしても、「自分があの建物を造ったんだ!」と誇れるのは建設業の魅力といえます。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう!
就活では自分のやりたいことはもちろん、そのなかで適性ある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期退職に繋がってしまうリスクが高く、適職の理解が重要です。
そこで活用したいのが「適職診断」です。質問に答えるだけで、あなたの強みや性格を分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
まずは強みを理解し、自分がどの職業で活躍できるか診断してみましょう。
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③チームで協力して造り上げる達成感を得られる
建設業界の仕事は、一人で完結できるような仕事はほとんどありません。住宅工事であっても、「建物の設計者」「全体を総括する管理者」「大工や設備などの職人」など大勢の人が協力し合って一つの構造物を建設します。
誰かが欠けてしまえば、工期内に構造物が造れない事態になってしまいます。チームで目標に向かって取り組んだ構造物が出来上がった瞬間は、言葉に表せない達成感を得られますよ。
建設業界では、学生の部活にも似た環境があります。これは、同一の目標を多人数が共有し意識していることでより良いモノづくりをする環境であるからです。達成感を得やすい職種と言えます。
④高い技術力が身に付く
特に日本では、自然災害が頻発します。そのため建設業界は、安心・安全な暮らしを守ろうと緻密な設計や丁寧な施工によって構造物を造っています。
そこには高い技術力が求められ、建設業界にかかわる人は数多くの技術や知識を身につけて仕事に従事しています。
技術や知識は多岐にわたるので簡単には身に付きませんが、長く建設業界で働くことで自然と技術力も身についてきます。
技術力が身に付けば大きな仕事を任せてもらえ成長を続けられたり、市場価値が上がりやすく、その点は建設業界の魅力です。
高い技術力によって、一生涯にわたって周りから頼られる存在になれますよ。
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見る建設業界は女性活躍など新しい試みが進められている
建設業界は、人手不足やICT化の遅れなどによる課題を打開しようと、業界を挙げてダイバーシティに取り組んでいます。
たとえば、業界の主要5団体や現在の建設産業女性定着支援ネットワークおよび国土交通省が共同で策定した「女性の定着促進に向けた建設産業行動計画 〜働きつづけられる建設産業を目指して〜 Plan for Diverse Construction Industry where no one is left behind」を根付かせるため、「女性定着促進に向けたアクションプログラム」が策定され、進められています。
このアクションプログラムの元で、女性が建設業界で活躍できる環境整備が日本全国で押し進められていて、これまで事務職中心の採用に留まっていた女性の募集職種も今後さらに拡大していくでしょう。
新たな挑戦としてさまざまな経験ができるのが魅力
このアクションプログラムとDX化の推進が期待できる建設業界は新たな活躍の場として、女子学生が自分たちの手で他の業界にはない新しい仕事環境を切り開くという醍醐味とさまざまなチャレンジが経験できる魅力を持った業界といえるでしょう。
業界内の関係性を把握しよう! 建設業界の7つの業種
業界内の関係性を把握しよう! 建設業界の7つの業種
- 国家・地方公務員
- ゼネコン
- サブコン
- マリコン
- ディベロッパー
- ハウスメーカー
- 工務店
建設業界は構造物を造るという大規模な仕事なため、さまざまな業種があり仕事内容も役割も違います。自分がどのような仕事をしたいのかによって、なりたい業種も変わってきます。
そこで、建設業界の業種7つについて解説します。より理解を深めて、自分のやりたい仕事と合っているかしっかりチェックしてくださいね。
①国家・地方公務員
国家・地方公務員は、主に国や自治体が管理する構造物の発注や維持・管理を担当します。
具体的には、道路や橋、河川工事など民間では管理していない構造物の建設や保守・管理を建設業者に発注します。
発注が完了した後は、発注を受けた建設業者が設計通りに施工をおこなっているか、工期以内に工事が完了しそうか、チェックするのも発注者の仕事です。
発注にかかる費用は基本的に税金によって賄われるため、国のお金を使って仕事をしているという責任感の問われる仕事といえるでしょう。
道路や橋、河川工事などの構造物の建設や保守・管理では、限られた予算のなかで、地域住人が安全かつ便利に生活するために何を優先しておこなうか決めていく役割をだけでなく、建造物の維持管理における安全面で責任を担っています。
公務員を検討している人は、こちらの記事もおすすめです。公務員と民間企業を併願する場合の進め方を解説しています。
公務員と民間企業の併願で共倒れ? 状況別で両立のコツを解説
②ゼネコン
ゼネコンとは「ゼネラル・コンストラクター(General Constructor)」の略であり、日本語では「総合建設業」を指します。ゼネコンは発注者から土木や建築などの一式工事を請け負い、一部を複数の専門業者(サブコン)に依頼する役割を担っています。
たとえば、マンションの工事をゼネコンが請け負った場合、マンションの基礎工事や設備工事、内装工事など、さまざまな専門工事を実施しなければなりません。
ゼネコンは、これらのさまざまな専門工事をサブコンに依頼します。そして、サブコンの進捗具合や計画の妥当性を確認し、工事を完成まで導いていきます。
また、発注者との協議や工事の申請など、全般の管理もゼネコンが担当します。
会社規模が特に大きい清水建設、大林組、大成建設、鹿島建設、竹中工務店の5社はスーパーゼネコンと呼ばれていて、特に実績の高い工事を受注しています。
ゼネコンの具体的な仕事の内容としては、公共工事における入札が挙げられます。ゼネコンが仕事を受注することで請負業者に仕事をお願いすることになるため、この入札の応諾の可否で多くの会社の仕事に影響を及ぼします。
ゼネコンについては以下の記事で詳しく解説しています。建設業界を志望している人は参考にしてみてください。
ゼネコンとは? 建設業界の動向や就職のポイントまで徹底解説
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受けない方がいい職業を診断しよう
就活で大切なのは、自分の職務適性を知ることです。「適職診断」では、あなたの性格や価値観を踏まえて、適性が高い職業・低い職業を診断します。
就職後のミスマッチを避けたい人は、適職診断で自分に合う職種・合わない職業を見つけましょう。
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③サブコン
サブコンとは「Sub Contractor(サブ・コントラクター)」の略で、ゼネコンから工事を請け負う企業をいいます。
1つの工事現場には設備工事や電気工事など、さまざまな種類の工事が存在します。これらの専門工事に特化したのがサブコンです。
ゼネコンはあくまでサブコンをまとめるマネジメントをする立場です。そのため、工事現場ではサブコンの協力が欠かせません。
ゼネコンの指示で複数のサブコンが1つの工事現場に同時進行で工事を進めていきます。
また、ゼネコンは担当する工事の規模が大きいため、監督するのは1人1現場までとなりますが、サブコンは工事規模がそこまで大きくないため、複数の現場を掛け持ちして工事を実施するケースもあります。
- なぜゼネコンとサブコンに業態が分かれているのですか?
それぞれの役割を全うするため
建設業は、その役割として人の命を守る安全性、経済を支える安心、人々の暮らしを支える快適性など、さまざまな役割を担っています。これらの役割を正しく全うするためには、多くの法的基準を順守する必要があります。
その膨大な種類と量の基準を順守して建築物の品質を確保するには、建築法で定められた各種の許可を受けた業者が作業をおこなう必要があるため、施工の各工程が分業化されています。
各工程の専門業者は、サブコンとして担当の専門分野の技術と技能を磨くことに専念することで、建築物の品質を確保することができます。
一方ゼネコンは、巨大な建築プロジェクトを確実に遂行し完成させるため、各サブコンの施工管理に専念するという役割分担がおこなわれています。
④マリコン
マリコンとは「マリンコントラクター(和製英語)」の略で、港湾や護岸工事、海底トンネル工事など、海洋土木に特化したゼネコンを指します。
海洋土木では海上での工事が発生するため、浚渫(しゅんせつ)船や起重機船など海洋工事の専門機械や専門的な知識・技術が求められる業種です。
浚渫(しゅんせつ)とは?
河川や港湾などで水底の土砂などを掘りあげる工事のこと
起重機船とは?
重量物のつり揚げをおこなう作業船のこと
海洋施設の建設は陸上の土木工事とは異なるため、一般的なゼネコンの参入は難しく、五洋建設、東亜建設工業、東洋建設の大手3社が中心に工事を請け負っています。
⑤ディベロッパー
ディベロッパーとは、土地や街の開発をおこなう業種です。
ディベロッパーは建設業界のみならず、不動産業にも含まれます。不動産業は、主に「企画」「開発」「販売(貸出)」「管理」の4つの事業があります。このうち、0から企画して開発まで実施するのが、ディベロッパーの役割です。
建物を造る部分を担当しているので、建設業界にも分類されています。
企画や開発とは将来的な街の構想を計画して、街づくりのための用地取得から建物などの建設を実施します。
土地や街の開発事業には以下のような例があります。
土地や街の開発事業の例
- 駅周りの再開発
- リゾート地の開発
- 大規模な商業施設の開発
- 高層マンションの開発
「ゼネコンとの違いは?」と気になった人もいるかもしれませんが、ディベロッパーの役割はあくまで開発の計画を策定するところまでです。計画した構造物やインフラを実際に造り上げるのはゼネコンの仕事になります。
ディベロッパーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。ディベロッパーの選考を突破したいという人は確認してみてくださいね。
ディベロッパー大手6社を徹底比較! 人気業界を突破する5つの正攻法
ディベロッパーの仕事は、開発する土地の調査をおこない開発プランを立て、建物を建てる土地の購入や建築許可を取り、周辺住民への説明をおこないます。その後、建設会社が工事をおこない、建物を完成させるまでの一連の業務をおこないます。
⑥ハウスメーカー
ハウスメーカーとは、自社の住宅を設計、施工をし、その住宅を販売する業種です。
住宅づくりと販売に特化している点がゼネコンやディベロッパーとの違いといえるでしょう。
ハウスメーカーでは各社で規格化されている住宅を建設します。そのため、材料の多くは工場で大量生産され、現地で組み立て作業をするので、工期の短縮やコスト削減を実現しています。これにより、品質の安定した住宅を広く展開しているのです。
ハウスメーカーの会社によっては住宅販売だけでなく、点検やリフォームにも対応し、家に関する全般的な相談も可能です。
⑦工務店
工務店はオーダーメイドの家づくりをおこなう業種です。
ハウスメーカーのような規格化された住宅を建設するのではなく、顧客の要望に合わせて住宅の大きさからデザインなどを設計して住宅を造ります。ハウスメーカーよりも、その地域に合う顧客に寄り添った事業モデルといえるでしょう。
また、ゼネコンは比較的大きい構造物の建設を請け負いますが、工務店は住宅に特化した建設を実施します。
顧客側が工務店に相談しながら家のデザインや間取りなどを選べる点が工務店の特徴です。
ハウスメーカーと工務店の違いについては、エリアの考え方の違いが挙げられます。ハウスメーカーは広域に考え、工務店は地域に密着した仕事ができるという点が大きなポイントです。
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自分に合う仕事を考えてみよう! 建設業界の6つの職種
自分に合う仕事を考えてみよう! 建設業界の6つの職種
- 施工管理
- 設計
- 職人
- 研究・開発
- 営業
- 事務
ここまで、建設業界の業種について理解できたと思いますが、各業種の中にもさまざまな職種があります。
建設業界の面接では、やってみたい職種を聞かれる可能性も充分ありえるので、職種ごとの理解を深めておく必要があります。
入社後、どのように働いているのか具体的なイメージを持てるように、建設業界の職種についても確認しておきましょう。
①施工管理
施工管理は、工事現場の全体的な管理をおこなう職種です。
「構造物の品質」「現場の安全確保」「完成までの工程管理」など、建設現場全体の管理を担当します。
施工管理はあくまで管理する側なので、職人のように実際の工事を担当するわけではありません。多くの専門業者や職人などの仕事を管理しながら、工事の進捗状況や材料の手配、工事にかかわる申請業務などを一手に担います。
建築工事と土木工事では、専門的な技術が違うので、基本的にはどちらかの分野に特化した施工管理者として仕事に従事することになります。
現場を取り仕切る立場になるので、構造物の完成まで担当することが多く、完成した際には言葉にならない嬉しさを感じられる仕事です。
施工管理は各サブコン業者に仕事を発注し、指示や指導をおこない、現場で作業を遂行してもらう仕事です。現場では日々課題や難題が発生するため、判断力、決断力に加えて現場担当者の心を掌握する人間力も必要な、大きな責任を背負う仕事です。
施工管理の仕事に就きたい人は以下の記事を参考にしてみてください。志望動機や仕事内容を詳しく解説しています。
例文6選|施工管理の志望動機は3ステップで作れる! 注意点も解説
②設計
設計は、構造物の図面作成をメインとする仕事です。
そもそも設計図がなくては工事は始められません。施工管理の担当者も、設計者が作成した図面をもとに構造物を造り上げていき、設計者は利便性や安全性を考慮して設計図を作成します。
ときには発注者や顧客から設計に対して要望が出る場合もあります。要望を聞きながら、より良い構造物を設計できる能力も必要な仕事です。
③職人
職人の仕事は、実際に手を動かして構造物を造る仕事です。職人はそれぞれの得意分野を持っていて、以下のような職種があります。
職人の代表的な職種
- 大工:家を建てる職人
- 内装工:建物の内装を造る職人
- 塗装工:外壁を塗装する職人
- 配管工:水道の配管を工事する職人
建設業界の中でも特に技術力が求められる仕事であり、1つの職種で一人前になるのに5〜10年かかるといわれています。
そのため、建設業界の中でも特に人材育成が遅れている職種です。実際に、職人がいないから工事が進まないといった現場もあるほどなので、しっかりと育成環境を整えていくことが重要になります。
職人は、大工、内装工、塗装工、配管工、電気工事士など建築物を作る仕事をおこないますが、技術力や経験が求められる仕事であり、一人前になるために時間がかかります。技術を身につけるために、強い意志で取り組んでいく必要があります。
④研究・開発
研究・開発は、建設業界にかかわる新しい技術を生み出す職種です。
大手のゼネコンやディベロッパーでは、各社で研究部門や開発部門が設けられていて、日々建設業界をより発展させるための研究や開発をしています。
また、近年は土木や建築技術の研究のみならず、ITと連携して業務を効率的に進められるような研究も進んでいます。
ITを活かした研究・開発の例
- ドローンによる測量調査の実施
- BIM/CIM(3次元モデルを利用した情報共有)の推進
- 建設機器の自動化
建設業界は特に労働者が減少している業界であることから、AI(人工知能)や機械による属人性をなくした業務の研究・開発は今後も進むことが見込まれ、研究職や開発職の需要も高まると考えられます。
⑤営業
建設業界でも営業の仕事は存在します。以下の業種には営業の部門があることがほとんどです。
営業部門がある建設業界の業種
- ゼネコン
- ハウスメーカー
- 工務店
たとえば、工務店は住宅を注文してくれる顧客を見つけないと、そもそも工事ができないですよね。
ただし、建設業界の売り物は住宅という高額な商品です。業界に関する知識がなければ、魅力を伝えきれずに購入までたどり着くことができないでしょう。
そのため、建設業界の営業は施工管理で経験を積んでから営業になるケースが一般的です。施工管理の経験を活かして、顧客により良い提案ができるのが良い営業といえるでしょう。
建設業界の営業職と一般業界の営業職で異なる点としては、建設業界の営業職の方が多くの職種との調整をおこなわなければいけないことです。モノづくりにかかわる仕事になり、多岐にわたる視点が必要です。
建設業界では企業によって営業職の配属となる可能性がありますが、営業職の適性に不安がある人は、こちらの記事がおすすめです。
営業に向いてない人の16の特徴|不向きな人におすすめの道も解説
⑥事務
建設業界にも「総務」「経理」「契約」といった事務部門があります。
仕事の内容は他業界の事務と変わりなく、電話対応や伝票作成、請求書作成などが主な仕事です。
そのため、専門性というよりも、パソコンのスキルや事務全般の知識が求められます。
ただし、場合によってはCADソフトによる簡単な図面修正や作成を指示されることもあるので、建設業界に興味を持っていなければ、働きづらさを感じるかもしれません。
建設業界の中では、ほかの職種と比べて残業が少なく働きやすい傾向にある職種です。
事務職の仕事内容、適性、選考対策などは以下の記事で網羅的に説明しているので、事務職を目指している人は参考にしてみてくださいね。
事務職の4つの誤解に要注意! 仕事内容・適性・選考対策を徹底解説
建設業界には関連する法律や基準が多くあるため、事業の専門分野によっては社内で使われる専門用語や業界用語の種類も多い可能性が考えられます。そのため、事務職においても、他の業界よりも専門的な用語の理解が必要とされるケースもあるでしょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る建設業界で特に注目したい業種は「研究・開発」「設計・デザイン」「職人」
研究・開発
建設業界の少子高齢化による労働者の減少は深刻ですが、それを補ううえでAIや機械による研究や開発は特に注目したい業種です。
ロボットをすでに導入をしている大手建設会社がありますが、今後建設用ロボットが建設現場で担う役割は広がっていきますし、導入することで、生産性の向上も期待できます。
設計・デザイン
人口が減少していくなかで、今後住宅などの需要が減っていくことが予想されますが、高度成長期の建造物の老朽化にともなう建て替えなどの需要は増えていきます。設計やデザインでAIが担う部分も増えていくことが予想されますが、人間でなければできない設計やデザインは、間違いなく今後も重視されます。
建築士の年齢が比較的高いため、今後世代交代も進んでいくことが予想でき、より活躍できるチャンスが期待できるでしょう。
職人
大工などは、上下関係が厳しく仕事がきついイメージがありますが、労働基準法を徹底する動きがあり、CADで図面を引くなど労働環境が改善されてきています。
今後建設のロボット化が進んでいくなかでも、建物を建てることやリフォームをおこなううえで、大工などの職人の技術は欠かせません。今後も職人としての技術力は、高い需要が期待されるでしょう。
どんな人が向いている? 建設業界が求める力
どんな人が向いている? 建設業界が求める力
- コミュニケーション能力
- 創造力
- 責任感
- 計画性
- 向上心
建設業界でどんな仕事ができそうかイメージがついたと思いますが、「実際に働いてみて自分に合っていなかったらどうしよう……」と感じる人もいるのではないでしょうか。
ここからは、建設業界に向いている人の特徴について解説していきます。建設業界が自分に向いているのか、活躍できそうかぜひ確認してみてください。
①コミュニケーション能力
建設業界では、一人で進められる仕事はほとんどありません。
「発注者との協議」「現場作業員への指示」「住民への対応」など、さまざまな場面で人とかかわりながら仕事を進めていく必要があります。
人とのかかわりをおろそかにしてしまうと、予定通りに工事が進まずに周りに迷惑をかけてしまいかねません。
多くの人の意見に耳を傾けながらより良い構造物を造るためにも、コミュニケーション能力は欠かせないのです。
- 建設業界で必要とされるコミュニケーション能力は何ですか?
コミュニケーション能力の一番のポイントは「調整力」
建設業界で必要とされるコミュニケーション能力には、特に「調整力」が重要かと思います。建設現場には職人気質の人が多くいて、自分の経験と考えをもって取り組んでいる人が多くいます。
このことから、意見の衝突が起きることもあります。このような状況を調整する力が非常に重要なポイントとなるのです。
コミュニケーション能力は建設業界の選考において効果的なアピールポイントとなりますが、非常に幅広い意味を持つ言葉のため、言い換え表現でアピールすることがおすすめです。詳しくはこちらの記事で解説しています。
コミュニケーション能力は12個の言い換えで勝負しよう! 例文つき
②創造力
建設業界は何もないところから構造物を造って新しい価値を生み出す仕事です。ニーズのある建設物をイメージし、必要なスキルやコストなどを考え、建設までの道筋を描く創造力が求められます。
創造力が乏しい人では、構造物を完成に導けずに「どうやったら建設できるか」という判断をすることができません。
特にこれからの建設業界は、ITと連携して新しい技術を生み出していく必要もあります。技術・開発の分野でも創造力は求められる力といえるでしょう。
建築物が未来に残るという夢のある創造力が考えられる反面、自然災害など、その土地の未来の生態を含めた広い意味での環境にとって、その建築物がどのような影響を及ぼす可能性があるか、という創造力も必要だと考えられます。
③責任感
建設業界は、人々が安全に使える構造物を造るのが仕事です。完成までさまざまな関係者がいる関係もあり、ときには苦難や困難にぶつかることもあるでしょう。
そんな中でも、責任感を持って最後までやり抜く力が建設業界からは求められています。
責任感を持って「どうにかして最後まで造り上げる」という強い信念がなければ、人々の生活に良い影響を与える構造物は完成しません。
社員の一員として、与えられた仕事を自分の力でやりきるという責任感を持った人が求められています。
建設業界の仕事は、安全に使える構造物や建造物を造るために、どんな場面でも強い責任感を持って取り組むことが求められています。責任感があれば費用を抑えるために設計図と違う資材を使うことはしませんし、耐震強度偽造などもおこないません。
建設業界の選考で、責任感の強さは有効なアピールポイントです。詳しいアピール方法はこちらの記事を参考にしましょう。
責任感の自己PRは要注意! 失敗例と絶対響く6例文で徹底差別化
④計画性
建設業界で重要になるのが、工事の始まりから完成までの計画を立てる能力です。
工事は小さい住宅でも数カ月、大きい構造物になると十数年単位で計画を立てて、構造物を完成させなければなりません。
計画性を持って毎日の進捗を確認しながら、ときには計画を見直して工事完成まで導く力が建設業界には求められるといえるでしょう。
選考で計画性をアピールしたい人はこちらの記事を参考にしましょう。
例文10選|企業に刺さる「計画性」の自己PRは3ステップで完成!
⑤向上心
建設業界は高い技術力を使って建物を造っていかなければなりません。
そのため、常に周りから知識や技術を吸収して向上する気持ちがなければ、技術力もなかなか身についてきません。
建設業界の技術も日々進歩しているので、自分の知っている知識だけに囚われず、新しい技術を身につけようとする向上心は欠かせないのです。
また、工事現場においては「どの工法が適切か」「どうすれば工期内に工事が完了するか」など、常に最善の方法を見つけていくのも重要です。
成長する努力ができるような向上心がある人が向いている業界といえるでしょう。
向上心を選考でアピールしたい人は、こちらの記事を参考にしましょう。
例文12選|向上心の自己PRでアピール必須の3要素と注意点
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見る大きな夢のある業界だからこそ一人ひとりの正義感が求められる
建築業界は、自分が携わった建築物が未来に残るという大きな夢のある業界です。同時に、その大きな夢の実現には多くの人の手が必要とされ、一人ひとりが自分の職務を忠実に遂行しなければ、設計通りの建築物は決して実現しません。
建築に携わる人が正義感を持って自分の業務に真摯に取り組まなければ、簡単に手抜き工事などの不正が発生してしまうリスクもあるのが建築現場とも言えます。地震など自然災害によって建物が倒壊するリスクにどこまで耐えられるかは、施工に携わった一人ひとりの正義感に依存している部分も少なくありません。
日々の業務で正義感を持てるかどうかが適性のポイント
日本に限らず世界各地での自然災害や火災事故などで、建築物が防災基準を満たしていなかった事実や手抜き工事が発覚するニュースを見るたび、正義感が必要な業界であることを痛感させられます。
建築現場の作業従事者だけでなく、事務担当者も含む施工にかかわるすべての人が当てはまりますが、「指定された基準に沿った安全に配慮した建築物を作り上げなければならない」という正義感を持って日々の業務に取り組める人は、この業界に向いているといえるでしょう。
建設業界に入りたい人必見! 企業から内定を勝ち取るまでの4ステップ
建設業界に入りたい人必見! 企業から内定を勝ち取るまでの4ステップ
- 建設業界の動向や課題を把握する
- 企業研究で理解を深める
- インターンシップや企業訪問で業界への理解を深める
- 建設業界に合った志望動機や自己PRを考える
建設業界は人手不足の影響もあり、業界に入るだけであれば難易度は高くありません。しかし、大手企業や大きな規模の仕事がしたいという目標を掲げているのであれば、就活の難易度は一気に上がります。
そのため、正しいステップを踏んで、業界の知識や情報を理解しながら就活に臨む必要があります。
ここからは、企業から内定を勝ち取る4ステップを解説します。建設業界で理想の仕事を実現したい人は参考にしてみてくださいね。
①建設業界の動向や課題を把握する
まずは動向や課題を理解して、業界への理解を深めるところから始めましょう。
業界の理解を深めずに「大きい構造物を造れるなんてやりがいがありそう」という軽い気持ちでは、仮に入社できても業界が合わないと感じてしまう可能性もあります。
そのため、まずは業界の理解を深めて「建設業界の中で自分はどんな役割を果たしたいのか」をはっきりさせましょう。
この記事前半の建設業界で働く魅力や職種などからイメージしてみると、自分の携わりたい仕事が見えてきますよ。
②企業研究で理解を深める
建設業界について理解を深めたあとは、「自分の目指す目標を叶えられる企業はどこか」という点を企業研究で見つけていきましょう。
ここから、建設業界ならではの具体的な企業研究方法を解説するので、参考にしてみてください。
そもそも基本的な企業研究の方法がわからない、企業研究したことがないという人はこちらの記事をチェックしましょう。
作り方例4選|企業研究ノートのまとめ方をイラスト付きで解説!
企業が造ってきた構造物の実績を調べる
建設業界の企業は、すでにさまざまな実績を作っている企業がほとんどです。
たとえば、ゼネコンのホームページ(HP)を見てみると、誰でも名前を聞いたことがあるような建物やインフラを造った実績が多く載っています。
企業が造った構造物の実績を調べる方法
- 企業HPの施工実績を見てみる
- 企業のYouTubeやSNSから工事の進捗や完成した構造物を見てみる
これらの実績を調べたうえで、造り上げるためにどのような苦労や困難があったのかまで調べられると良いでしょう。
建設業界は歴史の長い業界なので、「なぜその建設物を建てるに至ったのか」「どんな技術を使って建設を進めたのか」まで理解できると、周りの学生と差別化を図れますよ。
企業研究として構造物の実績を研究することは非常に重要なポイントです。自身のやりたい仕事と会社のおこなえる仕事の違いを目で見て明確にわかります。
企業が建設した構造物を実際に見に行く
建設業界の実績を調べた後は、実際に造られた構造物を見に行くと、業界の建設業界の知見を深められるでしょう。
ネットで調べて構造物を見るだけでは、実物の迫力感や壮大さを感じることはできません。実際に見に行くことで、「こんな場所にこんな大きい構造物を建てたのか」と技術力を直に感じることができますよ。
また、実際に見に行ったという点は選考時にも有利に働きます。建設業界で働きたいという強い意欲を企業側にアピールできるからです。
企業側には以下のようにアピールしていきましょう。
企業側に見に行ったことをアピールする方法
- 自己紹介で「御社の造った構造物を見てきました」などと伝える
- 志望動機などで「御社の構造物を見て建設業界に興味を持ちました」「御社の構造物を見て自分もこんな構造物を造ってみたいと思いました」などと伝える
自分がどんな構造物を建てて社会に貢献してみたいか、実物を見てイメージできるといいでしょう。
- 実際に建設した構造物を見に行く際は、どのような点を意識すればいいですか?
事前に構造物のコンセプトや目的など調べておくと良い
実際に構造物を見に行く前に、事前に構造物のコンセプトや目的など調べていくと、より理解が深まり実際に見たときの受け止め方が変わります。
構造物を見に行ったときは、ただ見るだけでなく、可能であれば構造粒の写真を撮り、そのとき感じた印象などを書き留めておくことで、より記憶が鮮明になります。感じた印象は、面接などでインパクトのあるアピールにもつながります。
③インターンシップや企業訪問で業界への理解を深める
自分が造りたい構造物のイメージができたあとは、仕事のイメージを深めるステップに入ります。
インターンシップや企業訪問から業界の雰囲気や仕事内容を理解していきましょう。建設業界のインターンには以下のような流れで参加して理解を深めていきます。
インターンシップ参加までの流れ
- インターネットやキャリアセンターから企業のインターンを見つける
- 参加日程を決める
- イベントに参加して建設業界の理解を深める
会社の雰囲気や仕事内容の理解が浅いままでは、実際に入ってからギャップを感じてしまうかもしれません。建設業界のインターンでは現場を見に行けるケースが多いので、現場の仕事状況や社員の働きぶりを見て、建設業界が自分に合いそうか確認してみてください。
また、選考時も働き方を理解したうえで応募していると捉えられます。企業側から安心感を得られて、良い評価につながっていくので、ぜひインターンや企業訪問を実施しましょう。
インターンに参加するメリットや参加方法は、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
自分の入りたい企業かどうかを入社前に判断できる点で、ミスマッチを防ぐメリットが非常に大きいため、インターンへの参加はおすすめです。
④建設業界に合った志望動機や自己PRを考える
企業研究やインターンを通して入りたい会社が決まったあとは、選考本番に向けた対策を進めていきましょう。
選考では「建設業界で自身がどんな仕事をしたいか」「企業が求めている人材に合っているか」という点をアピールしていきます。なぜなら、建設業界は業種や職種がさまざまあるため、「なぜその企業のその職種を選んだのか」という点が非常に重要だからです。
建設業界に合った志望動機や自己PRには以下のようなアピール方法があります。
建設業界の効果的なアピールポイント
- 業界の特性を踏まえて「計画性」「責任感」といった自身の強みをアピールする
- 企業研究で調べた構造物や実際に現地で見てみた感想などを盛り込む
- ゼミの研究や資格など建設業界にかかわる経験をアピールする
書類選考や面接では、企業研究で深めた知識や情報を存分にアピールしていきましょう。
書類選考や面接に関する対策はこちらの記事で解説しているので、併せて確認してくださいね。
履歴書
新卒用履歴書の書き方完全版|よくある失敗や受け渡しのマナーも解説
面接
面接のコツ|通過率を飛躍的に上げる初心者必見の対策を解説
アドバイザーコメント
木村 千恵子
プロフィールを見る業界の未来を想像して自分にどんな貢献ができるのか考えてみよう
気候による影響を含めた周囲の自然環境との調和や防災的な視点など、現代の都市工学の観点から見た建築物の役割について、日本だけでなく海外の国々の事情にも視野を広げて知識と理解を深めることは、今後の日本の建築業界においてより必要となっていくはずです。
建設業界を目指すなら、自分が業界の10年後、20年後の未来にどのようになっていてほしいか、どのようにしたいかを想像して夢を描くことはとても重要です。
建設業界以外の業界と融合できる仕事を考えてみよう
そして、その夢の実現を目指して建築以外の業界とのコラボレーションや融合などを積極的に提案できるような広い視野を持つことは、ゼネコンとサブコンのどちらの仕事でその夢の実現を目指すのかを考えるうえでも有効なはずです。
たとえば、気候変動に配慮した都市づくりという大きなテーマを持ち、それを実現するための選択肢を考え、それに貢献できる専門業者を目指すのか、施工管理側で大きなプロジェクトの受注で実現を目指すのかなど、特定のテーマを絞り込むことによって、選考対策もより明確に検討することができるようになります。
建設業界で活躍する会社は? 大手5社を紹介
建設業界で活躍する会社は? 大手5社を紹介
- 大和ハウス工業
- 積水ハウス
- 鹿島建設
- 大林組
- 住友林業
2022年時点の建築業界で売上高の大きい会社5社を紹介します。
売上は企業の事業規模を示しています。大きな実績を積み上げている企業は、その実績から安定的に仕事を受注しやすいです。そのため、国内でも有名な構造物の建設に携わりやすいという特徴もあります。
それぞれの会社の業種によっても特徴が変わってくるので、自分がどのような企業に入りたいのか選ぶために活かしていきましょう。
①大和ハウス工業
従業員数 | 16,535人(2022年4月1日現在) |
設立年月日 | 1947年3月4日 |
2021年売上高 | 44,395億円 |
大和ハウス工業は、住宅事業、賃貸事業、環境エネルギー事業など住宅や商業施設の建築を総合的に展開しているハウスメーカーです。
2021年のセグメント別売上高の構成比率は事業施設が24%、商業施設が23%、賃貸住宅が24%とさまざまな事業から収益を得るビジネスを展開しています。
「事業を通じて人を育てること」を企業理念に掲げていて、中長期的な視点を持って人財の育成に取り組み、一人ひとりが自身の成長を考え、自己研鑽に努める企業風土の醸成を図っています。
このことから、「成長意欲を持っている人」「目標達成に向けて動ける人」などが評価されるでしょう。自分自身の経験で当てはまるポイントをアピールできるといいですね。
②積水ハウス
従業員数 | 15,017名 (2022年1月31日現在) |
設立年月日 | 1960年8月1日 |
2021年売上高 | 25,896億円 |
積水ハウスは、大和ハウス工業と同じく住宅や商業施設の建築を総合的に展開しているハウスメーカーです。
2021年のセグメント別売上高の構成比率は、不動産賃貸が22.6%に次いで国際事業が15%と、海外事業に力を入れたビジネスを展開しています。
積水ハウスでは、「『わが家』を世界一幸せな場所にする」というグローバルビジョンを掲げています。ここ数年で海外事業が大きく成長してきたことから、グローバル人材や、新しい発想で新規ビジネスを自ら創出できるような人材の確保に動いています。
建設業という大きな規模の仕事でグローバルに活躍したいという人にぴったりの企業といえます。
就活で求められる英語力については以下の記事で解説しています。英語をアピールして選考を有利に進めたい人はぜひ確認してみてくださいね。
英語力は就活への影響大! 求められるケースとレベルを徹底解説
③鹿島建設
従業員数 | 8,080名(2022年3月末現在) |
設立年月日 | 1930年(昭和5年) |
2021年売上高 | 20,797億円 |
鹿島建設は、ゼネコンの中でも特に売上が大きい「スーパーゼネコン」に分類される会社です。
事業としては、「土木」「建築」で58%の売上を占めています。また、25%を海外事業から収益を得ているということもあり、日本国内にとどまらず海外での土木・建築事業にも力を入れています。
「100年を作る会社」というコーポレートスローガンを掲げていて、安全・安心・快適な社会づくりに貢献しています。国内事業はもちろんですが、海外事業でも実績を積み上げており、今後もグローバルネットワークを築いていこうと事業を展開しています。
建設業で国内に貢献したいという意欲はもちろん、海外でも活躍できる人材かどうかが問われる可能性があります。
④大林組
従業員数 | 9,026人(2022年3月末現在) |
設立年月日 | 1936(昭和11)年12月 |
2021年売上高 | 19,229億円 |
大林組は、鹿島建設と同じく「スーパーゼネコン」に分類されるゼネコンの会社です。建設実績には、東京スカイツリーや明石海峡大橋などがあります。
事業としては、「土木」「建築」「海外事業」「開発事業」「エネルギー事業」など、多岐にわたって展開しています。近年は特に、新領域事業として、再生可能エネルギー事業に注力しています。
新しい取り組みを推進している会社なので、「新たな価値を創れる発想力」や「誰も考えつかないような想像力」のある人材が求められています。
「自分たちの世代で建設業界を変える」といった、強い気持ちをアピールできるといいでしょう。
⑤住友林業
従業員数 | 21,254人 |
設立年月日 | 1948年2月20日 |
2021年売上高 | 16,697億円 |
住友林業は森林経営から流通・木造建築・バイオマス発電まで「木」を軸に事業活動を展開しています。このバリューチェーンを「WOOD CYCLE」と呼び、脱炭素社会へ貢献している企業です。
戸建住宅をはじめとした住宅事業にも力を入れていて、「環境」と「住宅」両方の事業で売り上げを上げています。
環境問題はこれからもあらゆるサービスで社会にかかわっていくことから、技術職はもちろんのこと、企画や研究開発といった職種を積極的に採用しています。
このことから、建設業界の技術力を身に付けたいというアピールはもちろんのこと、入社後はこのような企画・研究をしてみたいというアピールもできると良いでしょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る建設業界の企業の内情を知る方法はさまざまある
インターンシップや会社説明会では、社員から直に話を聞くことができ、企業の内情を知る効果的な方法ですが、その他下記の方法でも内情を知ることができます。
OB・OG訪問
OB・OG訪問をして、実際に働いている社員から直接仕事の実情について聞くことも、企業の情報を得るうえで有効な方法でしょう。インターンや会社説明会と違い、社員の本音を聞けることが多く、建設業界のなかには労務環境などが整っていない企業もあるので、企業の良い点だけでなく、問題点や改善点について確認をしてみましょう。
公開されている企業情報を読み取る
「会社四季報」「会社四季報・未上場版」などから、会社の特色、企業業績、財務指標などを確認しておくといいでしょう。上場企業や大手企業に限られますが、企業のホームページなどから有価証券報告書を確認することで、企業の事業内容、企業の概況、株主の状況、事業内容のリスクなどを閲覧することができます。
口コミサイトを活用する
特に労働環境が知りたい場合は、口コミサイトを活用する方法もあります。口コミサイトでは、社内の人間関係、成長感などの情報を見ることができます。疑問に感じたことはOB・OG訪問などで確認するといいでしょう。
SNSなどから情報を得る
SNSで企業名と知りたい情報を書き込み検索することで、これまでの企業の実態や建造物の情報などさまざまな情報を得ることができるでしょう。情報を精査する必要はありますが、短時間で企業情報を得ることが可能です。
OB・OG訪問のメリットややり方はこちらの記事で詳しく解説しています。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
就職四季報から会社の特徴を読み取る方法も効果的です。詳しいやり方はこちらの記事を参考にしましょう。
就職四季報の活用方法! 就活を有利にするポイントや読み方を伝授
建設業界の業種別の志望動機例文7選
建設業界の業種別の志望動機例文7選
- 国家・地方公務員
- ゼネコン
- サブコン
- マリコン
- ディベロッパー
- ハウスメーカー
- 工務店
ここからは、志望動機を書く際に参考にできる業種別の例文を7つ紹介します。自分のこれまでの経験や希望の職種に照らし合わせながら参考にしてみてください。
建設業界にかかわらず、基本的な志望動機の考え方はこちらの記事を参考にしてください。志望動機に自信がない人は特におすすめです。
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG
①国家・地方公務員
①国家・地方公務員
私が貴所を志望した理由は、地域の住民の豊かな暮らしを守りたいと考えているからです。
私は〇〇という田舎で生まれ育ちました。そこは自然が豊かでとても暮らしやすい地域です。幼少期はこの豊かさを手を加えられなくても維持できると考えていましたが、大人になって公務員の方々が自然を守るために仕事をしていることを知りました。
自然は人の心を温かくし、平和を保たせてくれると思っています。そして、私も自然の豊かさを守る一員になりたいと考えています。
このような理由から、貴所を志望し、地域住民の豊かな暮らしのために取り組みたいと考えています。
行政の仕事として重要な視点である、地域住民にフォーカスした内容で構成されていて、面接官に響きやすい内容になっています。
特に自分の幼少期の経験を今の自分の視点から見直している点が良いポイントです。
田舎暮らしに憧れている人はこちらの記事も参考にしてみてください。田舎暮らしでできる仕事をまとめています。
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田舎暮らしでできる仕事18選|実現するコツや注意点もプロと解説
田舎暮らしをするなら、田舎でできる仕事について情報を得ておく必要があります。そのための事前準備をおこないましょう。この記事では、田舎暮らしでできる仕事18選と、仕事の探し方のコツや注意点について、キャリアコンサルタントとともに解説します。
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②ゼネコン
②ゼネコン
私は、街のシンボルとなるような大型建築物の建設にかかわりたいと思い、貴社を志望いたしました。
私が住む街には一つだけ大型の商業施設があります。土日は家族連れや友達同士で遊びに行く人が増え、非常に混み合い、皆が笑顔だったのをよく覚えています。
このとき、ゼネコンの力によって大型施設が造られていることを知りました。同時に、私も多くの人の笑顔を作れるような仕事に携わりたいと思いました。
貴社に入社させていただいた際は、多くの人に笑顔で利用していただけるような構造物の建設に携わり、日々の業務に励みたいと考えています。
自身の実体験が志望動機につながっていることが自然に伝わるエピソードがわかりやすいですね。大型の商業施設のどのような点が具体的に好きなのか、印象に残っている特徴などを含めて伝えると、より印象的な経験として伝わるでしょう。
③サブコン
③サブコン
私が貴社を志望した理由は、電気のスペシャリストとして働きたいと考えたからです。
私は幼少期に大きな地震を経験しており、その際、数日間に渡って停電しました。そのときに、電気の重要性を理解しました。今の生活も当たり前ではなく電気を通してくれる技術者の方のおかげだとわかり、私自身も電気にかかわる仕事を通してどんな状況でも安全・安心な暮らしを実現したいと考えるようになりました。
貴社に入社させていただいた際には、利用者が安心して暮らせるように業務に取り組みたいと考えています。
幼少期の実体験をもとに語っていて、安全で安心できる暮らしを実現するために、電気のスペシャリストになりたい気持ちが伝わってきます。電気のスペシャリストとして携わりたい仕事や、活かせる知識などがあれば伝えるといいでしょう。
④マリコン
④マリコン
私は、海の豊かさと安全を守りながらも、便利な世の中を作りたいと思い、貴社を志望いたしました。
私は〇〇という離島出身です。そこは海がものすごく綺麗で、夏になると多くの観光客が訪れます。
ただ、不便に感じていたのは島と本州をつなぐ道が一本だけで、特に夏は普通車はもちろん、工事用の車両も渋滞で進めないという場面をよく見てきました。そして、このような現象は他の地域でも起きていると思います。
だからこそ、私は貴社に入社して、道路や海底トンネルの工事にかかわり、多くの人が便利に生活できるような仕事に携わりたいと考えています。
自分が育ってきた離島ならではの交通の問題を課題としてとらえ、そのことを解決することができる企業へ入社したいという意欲を強く感じることができる内容になっていて、良い内容だと思います。
⑤ディベロッパー
⑤ディベロッパー
私が貴社を志望した理由は、世界に負けないリゾート地を開発したいと考えているからです。
私は海外旅行が好きで、これまでハワイや東南アジア、ヨーロッパなど、さまざまな国を訪れたことがあります。さまざまな国を訪れて感じたのは、日本には海外のような有名な観光地が少ないということです。
日本の良さの一つでもありますが、全国各地に世界に誇る観光地は少なく、「ここを訪れれば楽しめる」といった場所は少ないかと思います。滞在日数の少ない旅行者はそのような場所を求めているのではないかと考えています。
貴社に入社させていただいた際は、日本を発展させられるように積極的な提案をし、リゾート地の開発を実現させたいと思います。
具体的な夢に基づいた志望動機で、強い意思が感じられますね。海外との比較で有名な観光地が少ないという点を、具体的な都市名を出して比較し、どのようになれば良いと考えているかまで言えると、さらに主張に説得力が出ると思います。
⑥ハウスメーカー
⑥ハウスメーカー
私は家族が団欒できる住まいを作り、提供したいと思い、貴社を志望いたしました。
私は両親と兄妹3人の5人家族なのですが、正直あまり仲が良いとはいえません。家族仲が良い家庭と比べたときに何が違うかを考えると、自宅の間取りにあったのではないかと思います。
実家は間取りが広くなく、5人がリラックスして団欒できるほどのスペースがないため、各々が自分の部屋にいました。自然に家族での会話が減り、家族での時間を過ごさないようになりました。
このような経験から、家族がいつまでも仲良く、円満に生活できるような住まいを作り、多くの人に利用してもらいたいと考えています。
リラックスして団欒できるスペースの重要性を実感し、そういった住まいを提供していきたい姿勢に好感が持てます。入社後携わりたいことがやや漠然としているので、就きたい仕事について伝えてもいいかもしれません。
⑦工務店
⑦工務店
私は顧客の要望通りの住宅を造りたいという思いが強く、貴社を志望いたしました。
私の実家は、私が中学2年生の頃に工務店に依頼して建て替えています。家族の意見を丁寧にヒアリングしてもらったおかげで、建て替え後の自宅は非常に快適でした。
次は私自身が工務店に勤めて、顧客の希望に沿った住宅を造り、家族の安心・安全な暮らしを作りたいと思っています。
また、貴社が手がけるデザインが非常に好みで、私もこのような住宅を作りたいと思い、志望させていただきました。
工務店に勤めたいという思いに至った経験から、なぜ工務店を選んだのか、また志望する工務店に勤めたい理由としてのポイントが明確に伝わる内容になっていて、好印象につながる内容になっています。
建設業界の強み別の自己PR例文5選
建設業界の強み別の自己PR例文5選
- コミュニケーション能力
- 創造力
- 責任感
- 計画性
- 向上心
次に、自己PRを書く際に参考にできる強み別の例文を5つ紹介します。建設業界から求められている強みと、自分の今までの経験でマッチさせられるものがないか確認してみてください。
自己PRの考え方はこちらの記事で解説しています。自己PRに自信がない人は、まずはこの記事で基本を押さえましょう。
例文12選|面接必勝の自己PRはエピソードが最重要!
①コミュニケーション能力
①コミュニケーション能力
私の強みは、すぐに打ち解け、本音を引き出せるコミュニケーション能力です。
私は大学入学後にバスケットボールサークルに所属し、昨年はサークル長を務めました。毎年新メンバーが加入するのですが、サークル長として積極的にコミュニケーションを取り、「どんな活動をしたいのか」「サークルを通じてどのような大学生活を送りたいのか」などを聞き出すことができました。
その中にはメガティブな言葉もありましたが、これこそが本音を引き出した経験であり、本当に必要な改善を実施することができました。
貴社に入社後は、このようなコミュニケーション能力を活かして、顧客の本当の要望を聞き出し、100%満足できるような住宅造りをしたいと考えています。
本音を引き出せるコミュニケーション能力を発揮したエピソードとしてわかりやすい例ですね。その能力をどのようにして身につけたのか、どんなところに気を付けて本音を引き出すようにしているのかについても説明すると、さらに説得力が増すと思います。
②創造力
②創造力
私の強みはゼロから1を作れる創造力です。
私は幼少期から絵を書くことが好きで、実在しない風景や建物を描いていました。やがて、「こんな風景・建物があればいいな」という思いを持ちながら絵を描くようになり、今ではその思いを実現できるような住宅を造りたいという想いを強く持っています。
この想いと創造力を活かして、貴社に入社後は顧客が満足するような家を建てたいと考えています。
実在しない風景や建物を描くことから、こんな風景・建物があればいいと考えるようになり、その思いが住宅を造りたい気持ちにつながっている点について、わかりやすく説明しています。ゼロから1を作れる創造力を、住宅建築に活かしていけるでしょう。
③責任感
③責任感
私の強みは、一度決めたことは最後までやり抜く責任感があることです。
私は幼少期から大学まで卓球に取り組んでおり、「いつか全国大会の表彰台に上がる」という目標を持ち続けていました。この目標を達成するために日々の練習に取り組んでいましたが、ケガをしたり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で大会が中止になり、目標達成が困難な状況に陥ってしまいました。
しかし、私は諦めず、今できることに集中して練習を続け、大学3年生のときに全国大会入賞を果たしました。
御社に入社後は、これまでに培ったやり抜く強みを活かして、建設にかかわるメンバーを責任を持ってまとめ、プロジェクト成功に導きたいと考えています。
アピールポイントが責任感だと明確に伝わる内容になっていて良い例文です。また、アピールポイントを入社後どのように活かしたいかも明確になっていて、企業側も判断しやすい内容です。
④計画性
④計画性
私の強みは、ゴールから逆算して計画を立てられる力です。
私は現在3つの資格を保有しています。これらはほぼ同時進行で学習を進めなければいけなかったため、闇雲に学習しては資格の取得が難しいと判断しました。
そこで私がおこなったのが、試験日から逆算して今何を勉強するべきかを洗い出したことです。そして、計画通りに学習を進め、無事すべての資格を取得することができました。
建設業での業務は計画性が非常に大事だと思います。自身の強みを活かして、綿密に計画を立て、ミスなくプロジェクトを完了させたいと考えています。
ゴールから逆算して計画を立てる力を示すのに、とてもわかりやすいエピソードですね。洗い出しのあと、与えられた時間内にどのような優先順位をつけて計画を立てたのか、そうしたポイントについて説明があると、より説得力が出ると思います。
⑤向上心
⑤向上心
私の強みは、向上心があり常に学び続けられることです。
私は幼少期から建築物に興味があり、「この建物はどんなコンセプトで建てられたのか」「何を目的に建てられたのか」などを調べるのが好きでした。そして、全国各地の建物について知りたいと思い、今でも勉強を続けています。
建築業界も常に変化しており、顧客に満足してもらうには最新の技術や知識を学び続けなければいけないと思います。貴社に入社後は、向上心を持って学び続け、いつでも顧客に最適な提案をできるよう準備し、貢献したいと考えています。
幼少期から建築物に興味があり、建てられたコンセプトなどを調べることが好きで、現在も勉強を続けている姿勢から、建築業界で仕事がしたい意欲を感じます。入社後も向上心を持って仕事をおこなっていくことをイメージさせます。
建設業界の全体像を理解して就活を有利に進めよう!
建設業界は規模の大きな仕事ができるので、やりがいを感じられる業界です。
一方で、成熟した業界であることから、多くの課題解決に向けて動いている業界でもあります。変化の激しい業界だからこそ、建設業界を目指しているのであればトレンドの理解は必須です。
建設業界を志望したい学生は、トレンドを把握したうえで、例文を参考に選考対策を進めていきましょう。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る建設業界はモノづくりで喜びを得られる仕事
建設業界を目指している学生の皆さんは、ぜひ建設業界に就職してモノづくりで喜びを得られる仕事の醍醐味を感じてほしいと思います。
建設業界は、人出不足・高齢化・長期労働時間などさまざまな課題が山積されている中で、業界全体で急激に変化することに舵をきろうとしています。
このことから、今までのイメージとこれからの未来のイメージが入り混じった中で、新しい発想や人材を求められている業界なのです。
業界分析・企業分析から建設業界で何をやりたいのか明確にしよう
皆さんが今まで経験してきたことや自分の強みを、この業界でどのように活かせるか。自己分析を徹底しておこなうことで、皆さんに合った企業が見つかると思います。また、建設業界は仕事の内容が細分化されている業界です。
やりたい仕事について、業界分析・企業分析をおこなっておかないと、就職後にイメージしていた仕事と違う仕事をしなければならないということにもなりかねません。
まずは、自己分析・業界分析をきちんとして、自分自身の向かいたい方向性を決めてから企業選びを実施することをおすすめします。皆さんにとって、良い就職活動になることを祈念しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取締役
Chieko Kimura〇2度のアメリカ留学、20年以上の外資系IT企業勤務を経て、現在は留学生向け就職支援をおこなう。また、企業のキャリア支援や新入社員のクラウドコーチングなどにも幅広くたずさわる
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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