私の経験上、人の話をすべて鵜呑みにしてしまう人は、エージェントに振り回されてしまう可能性があります。

エージェントもビジネスのため、多くの求人を紹介してくることがあるのです。

それに対して、「自分の希望とは違う」と自分の意見をしっかりと伝えられない人は、ミスマッチが生じたり、モヤモヤしたりする可能性があるので、あまりおすすめしません。

自分に合うエージェントを見つけて転職をサポートしてもらおう

エージェントは非公開求人を紹介してくれるメリットがある一方で、自分で探したほうが良い求人が見つかるという意見もあります。

エージェントを利用してもうまくいかないケースとして、私が見てきたなかでは、エージェントとの相性は非常に重要です。

担当者によって合う合わないは必ずあるため、もし合わないと感じたら、同じ会社内でも担当者を変更してもらうなどの対応を検討しましょう。

自分で探せるのであれば、もちろんそれでも良いですが、非公開求人のメリットも考慮すると、相性の良いエージェントに出会えればそれが最も良いと私は思います。

私がこれまで多くの求職者の人たちを指導してきた経験から言うと、「すでに応募したい企業を自分で把握していて、かつ転職の希望条件が明確になっている」場合、もしくは「現状よりも背伸びした会社からの内定を獲得したい」という場合には、転職エージェントの利用は必ずしもおすすめではありません。

特に後者のようなケースでは、エージェントのフィルターを通さず、自身の熱意やポテンシャルを直接企業に伝えるほうが、結果につながりやすい傾向があるためです。

まず前提として理解してほしいのは、企業がエージェントを介して採用する場合、一般的にその人の年収の3割以上にもなる紹介手数料が発生するという点です。一方で、自己応募の場合はそうした費用はかかりません。

そのため、もし同じくらいのスキルを持つ候補者がエージェント経由と自己応募で同時に現れた場合、企業にとってはコストのかからない自己応募のほうが有利になる、というのは事実としてあるといえます。

そういった背景も踏まえ、具体的にエージェントを利用しないほうが良いと思うのは、たとえば次のような人です。

まず、自分の判断軸を非常に大切にしていて、自分で求人を選び、主体的に転職活動を進めたいという人や、転職市場の動向に詳しく、自身で給与交渉などを進めることができるという人が挙げられます。

また、希望する条件が明確で、企業と直接的かつスピーディーに交渉を進めたいと考えている人、エージェントからの頻繁な連絡や求人の推奨を煩わしく感じてしまう人なども、エージェントの利用はあまりおすすめではありません。

ほかにも、自分のキャリアに自信があり、給与などの条件面で妥協したくないという人もおすすめしません。これは、エージェント経由の交渉では、企業側の予算や既存社員とのバランスから、条件交渉に一定の限界が生じることがあるためです。

こういったケースでは、エージェントを介さないほうが自身のペースや希望に沿った転職活動ができる可能性があります。

とはいえ、私が長年この業界で情報を収集してきた実感としては、なかにはエージェントしか扱っていない非公開求人というのも存在しているため、最初からエージェント利用を選択肢に入れないのではなく、情報収集の一環として、一度コンタクトを取ってみることは推奨したいですね。

一人で転職活動を進めることに不安がある人は利用してみよう

反対に、転職エージェントの利用をおすすめしたいのは、非公開求人を含めて幅広く求人を紹介してほしい人、キャリア相談を通じて自分の強みやキャリアプランを客観的に見てもらいたい人、職務経歴書の添削や面接対策などのサポートを受けたい人などです。

特に、異業種への転職を考えている場合や、初めての転職で不安が大きい場合には、エージェントの情報力やノウハウが心強い味方になるでしょう。

最終的には、今の自分の状況や何を重視するかで判断することが大切です。複数の情報源を持ち、それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、自分に合った方法を選択してください。