この記事のまとめ
- ESの通過率は約50%だが企業によって異なる
- 通過率が下がらないように要因を把握しておこう
- ESの通過率を上げる対策とコツも紹介
- 内定者ES100選
内定者ES100選ツールを活用すれば、選考通過率の高いESができます!
この記事を読んでいる人におすすめ
就活で志望企業に提出するES(エントリーシート)ですが「ESの通過率はどれくらい?」「通過率を上げる方法はあるの?」と悩んでいませんか。
採用選考の最初のステップであるESの通過率は、一般的に50%前後だといわれています。しかし、企業によって応募者や採用人数が変わるため、すべての企業が同じ通過率とは限りません。
また、通過率を下げてしまう要因を理解して、どのように対策を練ってESを記載するかで自身の通過率は変わってくるのです。
この記事では、キャリアアドバイザーの野村さん、杉原さん、降幡さんのアドバイスを交えつつ、ESの通過率の調べ方や通過率を下げてしまう要因について解説します。また、対策やコツも紹介するので、ESの通過率を高めて、選考突破を狙えるようにしてくださいね。
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ESの通過率は50%前後! ただし企業によって大きく変わる
ESの通過率は企業によって変わりますが、平均で約50%前後だといわれています。業界や職種によって、企業ごとの応募人数と採用人数が違うためです。
たとえば応募人数の多い企業では、競争率が激しいので通過率は低くなり、逆に応募人数が少ない場合は通過率は高くなります。もし志望企業の通過率が低かったとしても、通過率を上げる対策を練り、コツを実践することで自身のESの通過率は高められますよ。
記事では、まずESの通過率の調べ方を紹介し、次に通過率が低い企業の特徴を解説するので、企業選びに役立ててくださいね。
最後に、通過率を下げる要因と上げる対策やコツを紹介します。記事を読み進めてESを出す際にコツを実践すれば、ほかの就活生のESと差別化ができて選考突破につながるため、参考にしてください。
事前に予測できることも! ESの通過率を調べる4つの方法
ESの通過率は平均50%ですが、企業の毎年の応募人数や採用数によって変わります。企業によっては通過率を公開していますが、志望企業が必ず公開しているとは限りません。
できるだけESを作成する前に、志望企業がどれほどの通過率かは把握しておきたいですよね。
まずは、ESの通過率を調べる4つの方法を紹介します。公開していない場合は、自身で通過率を予測する必要があるので、やり方も覚えておきましょう。
①就職四季報で採用情報を調べる
就職四季報とは、毎年東洋経済新報社が発行している就活についての情報をまとめた冊子です。
この雑誌には、各企業の採用実績や募集要項、選考フローなど採用にかかわることが載っており、採用データの項目を見ることで具体的なESの通過率を確認できます。
もし具体的な通過率が載っていなくても、応募数に対する採用人数を見れば、おおよその数字が予測できますよ。
ただし、採用状況は毎年変化するため、古いデータでは正確な情報が得られません。最新のデータが載った雑誌は、毎年11月末頃に発売されるので、時期を狙って購入して通過率を確認しましょう。
就職四季報では、応募者数や内定数の比率、選考フローを確認できるため、ES作成に役立ちます。
企業の特徴や理念を理解することで志望動機も明確にし、過去の評価や口コミを参考にすることもおすすめです。これらを活用して効果的な対策を立てましょう。
就職四季報は通過率を見るだけでなく、就活を有利に進めるポイントが多く載っています。こちらの記事で読み方を解説しているので参考にしましょう。
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②企業ホームページの応募者情報を見て予測する
具体的な通過率は掲載されていないことが多いですが、企業のホームページ(HP)の応募者情報を参考にすればESの通過率の予測が可能です。
企業の採用情報ページには、前年の応募者数や採用人数、選考フローなどの情報が載っています。応募に対する採用人数で計算すれば、通過率が算出できますよ。
通過率の算出方法の例
採用人数/応募人数×100=通過率
例:50人/500人×100=通過率10%
また、企業がどのような選考フェーズかも確認しましょう。書類選考だけでなく一時面接や二次、三次面接がある企業は、多くの学生が応募するため段階を分けて優秀な人材を探しているのです。
それだけ応募者数が多いと予想されるので、最初の書類選考で多くの応募者が落とされてES通過率も低いと判断できます。
- もし応募人数や採用人数が載っていない場合は、別の方法で応募者情報から予測できますか?
過去のデータや同規模で同業の他社のデータを参考にしよう
過去の求人情報や採用報告などを検索で探してみましょう。また下記にもある就職情報サイトには、過去の採用人数などの選考データが掲載されている場合もあります。
また、就職情報サイトでは企業のお気に入り登録者数からおおよその応募人数の予測ができるかもしれません。
同規模の同業他社の動向も参考にしてみましょう。ただ、思い切って採用担当者に確認してみるのが一番正確だと思いますね。
③就職情報サイトで企業の選考データを確認する
就職情報サイトには、業界問わずさまざまな企業情報が載っています。各企業の詳細ページには、選考フェーズや過去の選考データが掲載されているため応募者数や内定者数、選考ステップの把握が可能です。
たとえば、みん就のアプリでは選考の流れと各選考フェーズごとに通過率が記載されています。具体的な数字を知ることで別企業に変更したり、ほかの応募者との差を付けるESの書き方を調べたりと、就活の動き方を決めるのにも役立つでしょう。
情報には企業レビューや口コミも書いてあるため、実際に働いた人の意見を参考にできます。選考難易度や企業の雰囲気、選考で重視されるポイントなどの情報を手に入れて、就活に役立てましょう。
④就職エージェントに相談してみる
第三者に相談しながら就活を進めたい人は、就活エージェントに相談しましょう。エージェントは、過去の実績や統計データに基づいて、企業や業界のESの通過率について情報を提供してくれます。
特定の業界に特化した専門家もいるので、その業界のトレンドや動向、選考のポイントなど業界全体の情報も知れるでしょう。
また、希望業界の通過率が低い場合、自信をなくしてしまう人もいますよね。エージェントでは、どのように対策すれば良いのか自己分析や企業研究、ESの添削まで幅広く対応してくれるので、フィードバックを得ながら就活を進められますよ。
文章を作るのが苦手な人にオススメの自己PR作成方法!
自己PRはESや面接でよく聞かれる質問の一つ。
しかし、「自己PRが全然思いつかない......」「自己PRを考える時間がない......」対策が思うように進んでいない人も多いのではないでしょうか?
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知っておこう! ESの通過率が低い企業の特徴
ESの通過率が低い企業の特徴
- 人気があり倍率の高い大手企業や有名企業
- 高いスキルや能力を求める企業
- そもそも募集人数が少ない企業
ESの通過率を知る方法も重要ですが、そもそもどのような企業が通過率が低いのかを理解しておきましょう。
通過率が低いと把握しておけば、ほかの応募者のESと差を付けるべく書き方を学んだり、別企業も就活の視野に入れたりと就活の動き方を決められるからです。
ここからは、ESの通過率が低い以下3つの企業の特徴を説明します。希望企業が該当するかどうか参考にしてください。
人気があり倍率の高い大手企業や有名企業
人気があり倍率の高い大手企業や有名企業は応募者数が多くなるため、ESの通過率が低くなります。
企業は、多くの応募者の中から自社に合った優秀な人材を選びたいと考えていて、選考基準が厳しく設定されているためです。
もし応募者が1,000人に対して採用人数が100人の場合、1割の合格者を決めるために企業側も厳しい審査をおこないます。選考フェーズも何段階かに分かれていることが多く、最初の書類選考であるESでは多くの学生がふるいにかけられてしまうのです。
ただし、通過率が低いからといって諦める必要はなく、自己分析と企業研究を徹底的におこない、ほかの応募者との差を付けられるようなESを書き上げれば通過の可能性は十分にありますよ。
その企業が求めている人物像・スキルに沿ってアピールすると良いと思います。
たとえば海外進出を狙う企業なら、努力家というよりチャレンジ精神が旺盛だと訴えたほうが良いですね。企業の事業戦略を確認してみてください。
ほかの選考フェーズの通過率が気になる人はこちらの記事も参考になります。一次面接の通過率だけでなく対策方法も書かれています。
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高いスキルや能力を求める企業
企業によっては、専門の知識やスキルが必要になります。入社後に即戦力となる人材を求めているため、応募者のスキルや経験が基準に達していないと通過率が低くなるでしょう。
たとえば、グローバル展開している外資系企業では、高い英語力が要求されます。ほかにも、技術職や専門職では、過去の実績やプロジェクト経験を重視する傾向です。
そのため、応募の段階で志望企業は何を求めているのかを理解してESを作成する必要があります。企業のHPから応募条件を見たり、インターンシップや企業説明会に参加して企業文化や求める人物像を把握したりすると良いでしょう。
- スキルとは何か資格を取得しておいたほうが良いのでしょうか?
スキルは単に資格だけのことを指すのではない
スキルとは、職務に必要な知識や技術のことを指します。資格を取得することは有効ですが、単に資格を持つだけでは不十分です。
企業が求めるスキルはさまざまで、実務経験や成果も重要視されます。たとえば、技術職では具体的なプロジェクト経験や実績が求められることがあります。
志望企業の求めるスキルや能力を事前にリサーチし、それに応じた対策を講じることが大切です。
また、インターンシップや企業説明会を通じて、企業文化や求める人材像を理解することで、自分のスキルや経験を効果的にアピールできるようになります。資格取得も考えつつ、実践的な経験を積むことを重視しましょう。
資格を持っていたとしてもESの書き方に悩む人もいるでしょう。こちらのQ&AではキャリアコンサルタントがESの資格欄の書き方について解説しているので、併せてチェックしてみましょう。
そもそも募集人数が少ない企業
応募者の数に対して、採用枠が限られているような募集人数が少ない企業はESの通過率が低くなります。中小企業やベンチャー企業など、規模が小さい企業は年間の採用人数が少なく、結果として競争が激しくなるのです。
こうした企業は少数精鋭の採用をおこなうため、高いスキルを持つ人材を求め、選考基準も厳しく設定されます。エントリーシートの段階から厳しい審査がおこなわれ、通過率が低くなるのです。
採用人数が少ない企業では、ほかの応募者と差を付けるために的確に自身をアピールする必要があります。後ほど説明しますが、応募する際には自己PRや志望動機を志望企業に向けたESに仕上げましょう。
当てはまっていない? ESの通過率を下げてしまう4つの要因
ESの通過率が低い企業の特徴を説明しましたが、自身が要因で通過率を下げてしまうケースも存在します。
希望企業にこだわるあまり特定の企業にばかり応募していたり、ESの内容が薄くなっていたりと要因はさまざまです。
ここからは、ESの通過率を下げてしまう以下4つの要因を説明します。自身の行動が当てはまっていないか確認し、もし当てはまっていたら通過率を高めるためにも改善に取り組みましょう。
①人気のある企業にばかり応募している
人気のある大手企業は応募者数も多く、企業側は最初の書類選考で多くの学生をふるいにかけるため、ESの通過率は低い傾向です。
たとえば、1,000人の応募者に対して20人しか採用しないような企業にばかり応募したとします。通過率が2%と低い企業にばかり応募していては、高い競争率と厳しい選考基準でESの通過率は低くなりますよね。
人気企業にばかりとらわれて応募していると、すべての企業で落選したり、自分に合った企業を見逃したりするケースもあるのです。
一度、自身が応募したい企業を一覧化して人気企業にばかり偏っていないか確認し、偏っていたら別企業も視野に入れましょう。
人気企業にばかり応募していると、ESがなかなか通らないことで自己効力感が下がり、やる気が削がれてしまう可能性も出てきます。
また、知名度のある有名企業や大企業に執着することで、たとえ中小やベンチャーにも自分に合った企業があったとしても、そこに目がいかなくなることもリスクの一つです。
倍率の高い人気企業狙いだと内定ゼロのまま年が明けてしまうなんてこともあります。
②企業が求める人材とマッチしていない
ESには自己PRや志望動機を記載しますが、内容が企業側が求める人材と違っていたら、通過率は低くなります。
企業が特定のスキルや経験を求めているのに、自分の経歴や能力が基準を満たしていない場合、企業とマッチしていないといえるでしょう。また、企業の価値観と社風に自身の性格や働き方が合わない場合も同様です。
具体的には、ベンチャー企業がスピード感やチャレンジ精神を求めているのに対して、自己PRで安定志向をアピールしていてはミスマッチといえますよね。
企業は、即戦力となる人材や自社に貢献してくれる人材を求めています。マッチしていない応募者は期待に応えられないと判断され、ESの通過率は低くなるでしょう。
自己PRが思いつかない人は、ChatGPTを活用して自己PRを完成させよう
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簡単な質問に答えていくだけでChatGPTが自動で魅力的な自己PRを作成します。
作った自己PRは選考で活用できるものになっているので、ぜひ活用して採用される自己PRを完成させましょう。
(リーダーシップが強みの場合)
③質より量にこだわるあまり内容が薄くなっている
学生のなかには、ESを多くの企業に出せば確率が上がり、選考を突破できると考える人もいるでしょう。たしかに、ESの通過率を上げるためには一定量以上の提出は重要です。
ただし、質より量にこだわるあまり内容が薄くなっている場合は別です。応募数を増やすことに集中すると、応募先の企業や業界についてのリサーチが不十分になります。
結果、志望動機や自己PRが具体性に欠け全体の内容が薄くなり、ESの通過率は低くなるのです。
企業は限られた時間で多くのESを評価するため、内容が薄いものは簡単に落とされてしまいます。企業ごとにリサーチをおこない、自身の強みや経験がどのように役立つかを明確に示すことで、通過率を高められますよ。
④企業ごとにESの内容を変えていない
多くの企業に応募するときに、別企業に提出した内容をコピーペーストしたESを使い回す人もいるでしょう。
しかし、同じ内容を使い回してしまうと、企業が求めるスキルや人物像の内容が足りず、企業に対する理解や熱意が伝わりにくくなり、ESの通過率は低くなります。
ほかの応募者と差別化ができず、一般的でありふれた内容になるため、企業にとっては特別感がなく印象に残りにくいESとなるのです。採用担当者も「本当に自社に興味を持っているのか?」と疑問に感じてしまうかもしれません。
その企業ならではの志望理由があるはずなので、企業研究を徹底的におこない、自己PRや志望動機に反映させて企業に向けた内容に仕上げてくださいね。
- ほかの企業と似たような回答になる項目だとしてもコピーペーストはしないほうが良いですか?
相手に読まれることを想像して創意工夫をおこなうことが大切
本当に回答が同一なら構いませんが、読む相手のことを考えてみてください。有名な質問に「学生時代に頑張ったこと」がありますが、企業によって有効な回答は違います。
同じ部活動のエピソードであっても、ものづくり系企業なら試行錯誤すること、諦めないこと、IT系なら継続力や技術力などという具合に、さまざまなキーワードで述べることができるのです。
事実を歪曲する必要はありませんが、相手にとって魅力的な回答は何かを考えると、一つの事実でも訴える内容は少しずつ変わってきます。
安易にコピーペーストしている姿勢は、なんとなく伝わるものです。
コピーペーストしても一つひとつ必ず目を通してアレンジしましょう。自分のESを読む相手はほかにも何百、何千のESを見ていることを忘れないでくださいね。
そもそもエントリーシートの書き方について悩んでいる人はこちらの記事を読んでみましょう。書き方の基本が載っており、例文もあるので参考にしてください。
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就活の基本! エントリーシートの疑問を徹底解説|書き方・例文付き
就活に必須のエントリーシート(ES)ですが、「そもそもESって何なの?」と疑問を抱えている人もいるでしょう。記事ではESの基本情報に加えて、書類選考を突破するためのコツや例文をキャリアコンサルタントとともに紹介します。これからESを作成しようとしている人はぜひ参考にしてくださいね。
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ESの通過率を上げるための6つの対策!
ESの通過率を上げるための6つの対策!
通過率を下げてしまう要因が理解できたあとは、どのようにすればESの通過率が上げられるのかを見ていきましょう。
ESの書き方だけでなく、企業を探す段階や書き終えたあとの提出期限も意識することで通過率は高められます。
ここからはESの通過率を上げるために必要な以下6つの対策を紹介します。先ほど紹介した通過率を下げる要因に当てはまった人だけでなく、これからESを書く人も参考にして、選考突破を狙いましょう。
①広い視野で企業を探す
特定の業界にこだわって企業を絞るのではなく、視野を広げてほかの業界や別企業にも目を向けましょう。自身の興味に一致する企業が見つかる可能性があります。
企業を探す際は「自身の強みは活かせそうか」「性格と社風は合っているか」など自己分析した結果と合わせると有効です。
ほかにも、インターンや説明会に参加してみたり、大学のキャリアセンターに相談したりして、第三者の意見を参考にすることで視野を広げられます。
自分の価値観やスキルに合った企業が見つかれば、企業が求める人物像とも一致するため志望動機や自己PRが企業に向けた内容に仕上がります。結果、ESの内容も良くなるため通過率を上げられるでしょう。
広い視野で企業を探す際は、まず自身の強みや価値観を明確にし、それに合う企業を探しましょう。
また、業界のトレンドや企業文化にも注目し、インターンや説明会に参加して実際の雰囲気を感じることも重要です。友人や先輩の意見も参考にし選択肢を広げましょう。
②自身のアピールポイントを明確に伝える
ES内の自己PRや志望動機では、自身のアピールポイントを明確に伝えましょう。企業の求める人物像にマッチしやすくなり、採用担当者の印象に残りやすくするためです。
何か具体的で明確なアピールポイントを持つと、企業側が求めるスキルや性格を持つ応募者として評価されやすくなりますよ。
アピールポイントを明確に伝えるには、下記を意識しましょう。
つまり、採用担当者にあなたのアピールポイントを、どのように伝えるかが重要です。
アピールするには具体的なエピソードが鍵になります。何を伝えたいかを決め、エピソードを通じて書くことで、アピールポイントを明確に伝えられますよ。
- エピソードはどれくらい具体的なほうが良いでしょうか?
相手が当時の情景が想像できるように5W1Hで詳しく書こう
ESを読んだ選考担当者の目に浮かんでくるほどの具体性があると良いでしょう。
事象を羅列するだけでなく「いつどこで誰と」といった情報を入れ、初見でも理解できる表現をすることが必須です。
またどのような工夫をし、どんな成果や変化が生まれたのかも論理的に伝えるようにしましょう。
文字数の指定がない場合は400〜500字が目安です。多くのESに目を通さなければいけない担当者への配慮という意味でも、すっきり読みやすい文章を心掛けてください。
③競合他社と比較して希望企業に向けた内容にする
同じ業界の企業は複数存在するので、競合他社についても調査し比較したうえでESを作成しましょう。似たような内容を書いてしまい採用担当者に「自社でなくても良いのでは?」と感じてもらわないようにするためです。
自身が志望企業を選んだ理由や、その企業でなければならない理由を明確に伝える必要があります。競合他社と比較することで、希望企業の特徴や強みが浮き彫りになるのです。
たとえば、長年の実績や新しい製品開発はしていないかなど、他社と違う点がないか探してみましょう。それらの特徴が、自身の強みと合わされば、企業に貢献できることを説明できて希望企業に向けた内容になりますよ。
各企業のどこを比較すれば良いのかわからないときはフレームワークを使ってみましょう。
政治・経済・社会・技術要因の観点から見るPEST分析や、顧客、競合、自社の視点に分けて考える3C分析、あるいは外部・内部の強みと弱みから特徴を探るSWOT分析などがおすすめの分析法です。
④オリジナリティのあるエピソードを書く
採用担当者は多くのESを目にするため、ほかの応募者との差別化を図るために、オリジナリティのあるエピソードを書きましょう。
まず、自身の経験を振り返り、とくに印象深かった出来事を思い出しましょう。学業や部活動、アルバイトなど経験したことであれば決まりはありません。
重要なのは、その経験からどのような成長や学びがあったかを明確にすることです。ただ「リーダーシップがあります」と言うのではなく「大学のプロジェクトでリーダーとしてチームをまとめ、期限内に成果を達成してきました」と書いたほうが読む側もイメージがしやすいですよね。
印象に残る内容にすれば、ESで自身の存在を際立たせられるので、具体的な事例や結果を示したESを書き上げてくださいね。
⑤第三者にチェックをお願いする
実際にESを書き終えたら、第三者にチェックしてもらいフィードバックを得ましょう。1人で作成したESでは、書き上げた満足感から細かいミスや文の違和感に気付けない可能性があります。
第三者にチェックをお願いすることで、誤字脱字や文法ミス、内容の不明確さを指摘してもらえますよ。
また、第三者が感じるあなたの強みや弱みが新たに見つかるかもしれません。客観的視点を入れることで、アピールポイントや志望動機のエピソードに追加できる具体的要素が見つかり、より質の高い内容になるでしょう。
⑥期限に余裕を持って提出する
応募期間中とはいえ、ESを期限ギリギリに出さないことも通過率を高めるには重要です。
時間的余裕があると、内容の見直しや第三者のチェックを依頼する時間が確保できます。ES内のミスを防げて、内容の改善を図ることができるのです。
ほかにも、ギリギリに提出してしまうと、企業側に計画性に欠ける印象を与えてしまうかもしれません。採用担当者によっては「焦って提出したのでは?」と感じとられ計画性がないと判断され通過できない要因になりかねません。
ES作成のスケジュールを立て、急な変更や修正にも対応できるように締切の1週間前には余裕を持って完成させるように計画しましょう。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見るESの通過率を高めるには2つの対策が重要
ESにおいて特に重要な対策は、「自身のアピールポイントを明確に伝える」と「競合他社と比較して希望企業に向けた内容にする」の2つです。
まず、アピールポイントを明確にすることで、企業が求める人物像にマッチし、採用担当者に強い印象を与えることができます。この際、具体的なエピソードを用いて説得力を高めつつ、企業に対する熱意も伝えましょう。
次に、競合他社と比較することは、志望企業の独自性を理解し強調するために不可欠です。単に「御社に入りたい」と述べるだけではなく、なぜその企業でなければならないのかを示し、自身の思いとの関連を説明する必要があります。
ここでも、競合他社の特徴を理解してそれを踏まえたうえで、自分の強みと志望企業が求めるものを結びつけることで、説得力のある志望動機を作成できますよ。
自分と企業両方の強みをしっかり理解して独自性のあるESを作成しよう
これらの対策をしっかりと実施することで、ESの通過率を高めることができるのです。
特にエピソードを使って具体的に自分をアピールすることが、ほかの応募者との差別化につながるため、意識してみましょう。
キャリアコンサルタントに聞く! 通過するには応募数も重要?
ESの通過率を上げるためには、希望企業に沿った内容が重要だと説明しました。しかし、内容の質にこだわったESを出すだけでなく「通過するには応募数も重要ではないの?」と疑問に思う学生もいるでしょう。
そこで疑問を解決するためにも、キャリアコンサルタントの杉原さんに、通過するにはどれくらいの応募数を出すべきなのかを聞いてみました。
これからESを提出する前に適切な応募数を知ることは、ES作成のスケジュールを立てたり、志望企業を絞ったりする際の参考になるため理解しておきましょう。
アドバイザーコメント
杉原 美佐子
プロフィールを見る本命からセーフティの会社を含めて15社程度がおすすめ
「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ということわざがあります。本当にどこでも良いなら、片っ端からESを提出しましょう。
どこの企業も採用には苦労しているので、出した数だけ可能性は高まります。行きたい企業が見つからず、とりあえず働くことを優先する場合は有効です。
また 第1希望、第2希望などと企業をグルーピングして就活を進める場合があります。そうした戦略に基づいているなら、各グループ単位で一斉に応募するのも一つの手です。
ただし、面接日の調整が必要になるため注意してください。本命の会社は多くても5社程度に絞ることができると思います。チャレンジの会社が2~3社、セーフティとしての会社が2~3社にプラスαを加えて全体で15社くらいが良いでしょう。
自分の就活のキャパシティに応じて応募数や優先順位を決めよう
応募が多くなれば、ESを量産する必要があり丁寧に取り組むのが難しくなります。雑なESは労力を費やすだけで良い結果にはならないため、自分のキャパシティを考えて取り組んでくださいね。応募企業の優先順位もはっきりさせておきましょう。
ESを乱発して入社しても、自分と合わない職場だったり、苦手な仕事だったりするとその後が続きません。肝心なのは長くそこで働くことなのです。
企業の印象に残るESとは? 通過率を高める書き方のコツ
企業の印象に残るESとは? 通過率を高める書き方のコツ
質にこだわり内容の良いESにするにはどのように自身を表現するのかが重要です。ありきたりな内容では、ほかの応募者との差が付かず面接官の心に響くESにはならないでしょう。
ここからは、企業の印象に残るESにするための4つのコツを紹介します。書類選考を突破して採用担当者から「この応募者に会ってみたい」と思われるような内容に仕上げましょう。
自己PR: 企業とのマッチ度をアピールする
自己PRでは、自身の人柄や価値観だけでなく「入社後に自社に合っていそう」と感じてもらえるように企業とのマッチ度をアピールして書きましょう。
まず自身の強みと価値観は何なのかを洗い出します。次に、それらを裏付ける具体的エピソードを考え、企業でどう活かしていきたいかを書くと良いでしょう。
ただ自身をアピールするだけでは、一人よがりな文章になってしまいます。ほかの応募者との差を付けるためにも、具体的なエピソードと入社後のビジョンを伝えましょう。
企業とのマッチ度をアピールした例文
学生時代、飲食店のアルバイトで顧客満足度を向上させるために接客マニュアルを改善しました。この経験から培った向上心を活かし、貴社でも顧客の期待に答えられるようなサービスを提供したいと考えています。
- 企業とのマッチ度を伝えるための効果的なエピソードにはどういったものを選べば良いですか?
4つのタイプのエピソードで企業適性をアピールしよう
企業とのマッチ度を伝えるための効果的なエピソードとして以下を参考にしてみてください。
① チームでの成功体験
協力し合って目標を達成した経験は、企業文化との適合性を示せるポイントです。
②挑戦したプロジェクト
困難を乗り越えた経験を語ることで、問題解決能力やチャレンジ精神をアピールできます。
③顧客対応やサービス向上の経験
顧客満足度向上に貢献したエピソードは、企業が重視する点と直結するでしょう。
④自身の価値観に沿った選択
価値観や信念を実践した具体的な行動があれば、企業との相性を示す良い材料になります。
これらのエピソードにて自分が企業にどのように貢献できるかを具体的、効果的に伝えてみましょう。
ESの自己PRで効果的にアピールしたい人は、下記の記事を参考にしましょう。自己PRで読む側を引き込むコツが書かれていて参考になりますよ。
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エントリーシートの自己PRは、採用担当者の興味を引くことが大切です。この記事では、論理的でわかりやすく、かつ興味を引ける自己PRのコツや、盛り込むべき内容、例文をキャリアコンサルタントと解説します。
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志望理由: 志望する熱意をわかりやすく伝える
採用担当者は、送られてきたESをいくつも読み、その中から通過者を判断しなければなりません。志望理由はわかりやすく記載するほうが、熱意が伝わりやすいのです。
具体的には、PREP法が効果的です。PREP法とは先に結論を述べ、理由や具体例を順に説明する方法です。つまり、先に志望理由の結論を述べ、なぜ志望するのかの理由や具体的な経験談を用いて話し、最後に再結論で志望理由を断言します。
志望する熱意はあったとしても、伝わらなくてはもったいないですよね。先に志望理由を断言することで、読む側も最初の1文で応募者の熱意を理解しやすくなりますよ。
PREP法は読む側にわかりやすく熱意を伝える方法なので、活用してみましょう。
企業の強みや特徴を踏まえ、どこに魅力を感じているか明確にし、自分なりの考えや共感・賛同をアピールできるとわかりやすいかもしれません。
たとえば、具体的なサービスやプロジェクト、商品名なども盛り込みつつ、自分のスキルや経験を生かしどのように貢献したいと考えているのかを伝えられると良いでしょう。
ESの志望動機の書き方に迷ったときは、以下の記事を参考にしましょう。PREP法の書き方と例文も記載してあるので参考にしてください。
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エントリーシートの志望動機は簡潔かつ、「読みたい」と思わせる内容にしなければなりません。キャリアコンサルタントと、惹きつける志望動機を書く4つのステップと、高評価を狙うコツをプロの目線で解説します。
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ガクチカ: 経験をどう活かすかまで書く
ガクチカでは、学生時代に何に取り組んできたかを書くだけでなく、経験をどう活かしていきたいのかを記載しましょう。
下記のようにガクチカを整理してみます。
ガクチカの例
【取り組んできたこと】
学生時代のサークル活動
【何を経験してきたのか】
部員のリーダーとして活動してきた
【具体的エピソード】
意見がバラバラな部員をまとめ上げ、活動してきた
【入社後にどう活かせそうか】
何か意見が対立することがあったとしても、意見を尊重して理解することで、チームの雰囲気を悪くすることなくプロジェクトを進められる。
このように書き上げたことで、経験からどう活かせそうかが見えてきました。具体的エピソードには、何か挫折経験から立ち直った経験もあればより具体性も増し、課題を克服する力もアピールできます。
どのようにガクチカを書けば良いか悩んでいる人は、以下の記事で構成に沿った書き方を紹介しています。例文も付いているので参考になりますよ。
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ガクチカの構成は7ステップで高評価を狙おう! 例文12選付き
ガクチカを企業へ適切に伝えられる構成を、キャリアアドバイザーの意見と併せて解説をしています。 その他にも、魅力的な構成のガクチカを作るための準備なども紹介しています。
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長所と短所: 自身を客観的に理解していることを伝える
企業は、成長意欲が高くて組織に貢献できる人材を求めています。長所と短所では、自身を客観的に理解していることを伝えて、強みや弱みを仕事にどのように活かすのかを考えている人材だと感じてもらえるようにしましょう。
まず、長所と短所を具体的に洗い出します。長所としては、リーダーシップやコミュニケーション能力、向上心を挙げる人が多いでしょう。
長所の例文
私の長所はリーダーシップがあることです。
学生時代、サークルのプロジェクトにおいてメンバー間の意見を調整しまとめ上げ、全員が納得する形でプロジェクトを進めることができました。
この結果、私たちのグループは大学の学会発表で賞をもらえました。
一方、短所では克服するためにどのように努力しているかを併せて述べるのが大事です。単なる弱点を書くのではなく、成長のための課題として捉えている姿勢を示せますよ。
短所の例文
短所は心配性から細かい点にこだわりすぎることです。
時間がかかると感じることはありますが、優先順位を付けることで必要なタスクから片づけられるため重要事項を見逃すことはありません。
具体的なエピソードや改善策を示すことで、自身を客観的に理解していることを伝えつつ、入社後の貢献度もイメージしてもらえるので、ESの通過率も高められます。
細かいミスも通過率を下げる! ESは提出前に不備がないか必ずチェックしよう
最後にESを書き上げた後は、細かいミスがないか確認しましょう。具体的には下記の項目を確認します。
提出前のチェックリスト
- 誤字脱字がないか
- 読みやすく書かれているか
- 絵文字や記号を使っていないか
- 略語や専門用語を使っていないか
自分で読むときは、声に出して読むことで文の違和感に気付きやすくなります。また、ESは提出書類なため、絵文字や記号は使わず読む側が知らない専門用語も使わないようにしましょう。
- 何かほかにも最終チェックで見るべきポイントはあるのでしょうか?
5つのポイントを見直しつつ自分の熱意が伝わるかも確認しよう
ESを書き上げたあとは以下の5つのポイントをチェックしておきましょう。
①一文は2行程度で終わっているか
②主語述語が一致しているか
③4~5行で段落を構成しているか
④前後の段落が理論的につながっているか
⑤漢字の変換ミスはないか、慣用表現が正しいか
長々と書いても、相手に伝わるとは限りません。典型的な伝わらない文章は、この①~⑤が整っていないことが多いですね。説明しようとして言葉を多く重ねても効果はないため注意してください。
書いた文章は、必ずキャリアセンターや就職エージェントなど客観的な意見を言ってくれる人に見てもらうようにしましょう。友人関係だと、話し言葉に気がつくのはなかなか難しいからです。
そして自分が一番伝えないといけないこととして、自分の「熱意」がそのESから伝わってくるかも確認しておいてくださいね。
ほかにも、ESを提出する前にチェック項目が気になる人は以下の記事を参考にしましょう。ESの書き方も載っており、参考になりますよ。
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エントリーシートの書き方完全版! 提出前の最終チェック項目も紹介
エントリーシート(ES)は9項目の書き方に注意することが大切です。記事では企業が見ているESのポイントをキャリアコンサルタントが解説。書き方の前提を確認したあとは、項目別に詳しく注意点を説明していきます。内容のブラッシュアップ方法や提出前の確認リストで提出の準備が整います。
記事を読む
ESの通過率は対策で変わる! 自分を最大限伝えて選考を突破しよう
ESの通過率は約50%といわれていますが、企業によって異なります。企業の特徴によって変わり、自身がどのようなESを書いているのかでも、通過率は変わってくるのです。
しかし、対策を練ってコツを意識したESを記載すれば通過率は高められます。
通過率が低い企業だからといって応募を諦めるのではなく、企業に向けて自分を最大限にアピールしたESを提出して選考突破を狙ってくださいね。
アドバイザーコメント
降幡 美冬
プロフィールを見るESは通過率にとらわれず熱意を込めて対策に取り組もう
ESの通過率はあくまでも目安です。傾向と対策の参考にするのは良いですが、あまり気にしすぎないようにしましょう。ESが通らなかった場合には改善策として以下3点をブラッシュアップしていくことをおすすめします。
①自己分析を徹底し直し、スキルや強みを整理する
②業界・企業研究を深め、志望動機をより具体的にする
③他者に読んでもらい、フィードバックしてもらう
本質的な話になりますが、就職情報サイトなどに掲載されている過去に通過したESのコピペや、どこの企業にも出せるような汎用性の高いものでは通過は難しいと思ってください。
企業側は効率的な採用活動のためにESから伝わる本気度を重視する
採用担当者は時間とお金をかけています。極力内定辞退者も出したくありません。そのため、ESの段階で本気度が伝わってくる学生を選びます。
たとえば、企業理念や社長あいさつに共感した話と、実際にOB・OGを訪問した際に聞いたエピソードに魅力を感じた話のES、どちらにより意欲を感じるでしょうか。本気度はOB・OG訪問といった行動力からも測られるのです。
ぜひ自分の言葉で誠実に、そして情熱を持って書いてくださいね。きっとあなたの本気が伝わるはずです。応援しています。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士
Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mifuyu Furihata〇23年間の企業勤めを経て、独立後は企業での採用・育成コンサルティングや研修に従事。個人向けの就活支援セミナーやキャリア相談における、個々の「強み」の掘り下げに定評がある
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