この記事のまとめ
- 就活で聞かれる成功体験は見つけ方と伝え方の2つが重要
- 3つのコツをつかめば成功体験で高評価を得られる
- 注意点を意識すれば成功体験で不採用になるのを防げる
就活の面接で聞かれる成功体験は、学生が困難を乗り越えたことで得られる体験を指します。採用担当者に成功体験を聞かれたとき、どのように答えたらいいか悩む人もいるのではないでしょうか。
成功体験が思い浮かばず、自分には当てはまる経験がないと不安を感じる人もいるかもしれませんが、この記事を読むことで成功体験のエピソードを作り上げるまでの道筋がわかるようになります。
この記事では、キャリアコンサルタントの富岡さん、有馬さん、谷所さんと一緒に、成功体験の例文や伝えるときの注意点を解説します。自分の経験を照らし合わせて、最適なエピソードを伝えましょう。
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就活で聞かれる成功体験は「見つけ方」と「伝え方」を押さえれば怖くない!
成功体験を面接で聞かれても焦らないよう、事前に準備しておくと安心です。自身に当てはまる成功体験がないと感じる場合は、正しい見つけ方を知らないだけかもしれません。成功体験に当てはまるエピソードの理想が高すぎて、うまく見つけられない可能性もあるのです。
実際どのように成功体験を見つけて、採用担当者に伝えれば良いのかわからない人もいるかと思います。
そこでこの記事では、前半で企業が学生に成功体験を聞く理由や成功体験が伝わる例文を解説します。成功体験の例文に目を通しておけば、自分のエピソードをまとめるときも参考になるはずです。
その後で、成功体験が思い浮かばないときの対処法や採用担当者に上手に伝えるコツを解説します。記事を最後まで読めば、成功体験を伝えることで企業から高評価を得る方法が理解できるはずです。
就活で使われる意味を理解しておこう! そもそも成功体験とは
就活での「成功体験」とは、直面した困難や課題に対しておこなった行動や成長をまとめたエピソードです。
就活での「成功体験」とは
- 成功体験のポイント①過去に経験した困難や課題の内容
- 成功体験のポイント②乗り越えるために考えたことやおこなった行動
- 成功体験のポイント③成長を通して得られた価値
成功体験で重要なのは結果だけではありません。採用担当者としては学生が困難を受け止める姿勢や、解決法を導くまでのプロセスを知ることが目的です。企業に入社した後も再現性があると思われれば、良い評価につながります。
成功体験は大会で優勝した、華々しい活躍をしたというものでなくても大丈夫です。自分がありたい姿に向かってどう行動してきたか、その結果どんな変化が起きたか、気づきを得たかを語ることができればOKです。しっかり自己分析をおこなえば必ず見つかるので安心してください。
伝え方の答えが見えてくる! 企業が成功体験を聞く意図
企業が成功体験を聞く意図
- 成功に向けてどのような努力をしたのかを知るため
- 企業とのミスマッチを回避するため
成功体験のエピソードを考え始める前に、そもそも企業が成功体験を聞く意図を把握しておかなければ、的はずれな回答をしてしまいかねません。成功体験を通して企業が何を知りたいのかをしっかり把握しておくことで、採用担当者に響く適切な伝え方が見えてきます。
この章では、企業が学生に成功体験を聞く理由を解説します。持っている成功体験のエピソードを適切に伝えるためにも、採用担当者がどういった部分に注目しているのかを理解しておきましょう。
成功に向けてどのような努力をしたのかを知るため
成功体験を伝えるときは、結果以外にも解決に至るまでの流れを説明します。流れのなかには実際に学生がおこなった努力も含まれていて、問題解決に向けての行動が明確になるのです。
「ただうまくいった」というエピソードでは、偶然の産物であり成功体験とはいえません。自身が解決に向けて努力したからこそ、成功体験といえるのです。採用担当者はその努力の内容に興味を持っています。
なぜなら、目標達成に向けて努力する姿勢は企業に入社した後も求められるからです。人によって他者と協力して問題解決を目指すか、自身で解決法を導き出すか、方法はさまざまです。しかし、どちらを選んでも目標に向けて努力できる人材だとアピールできます。
企業とのミスマッチを回避するため
成功体験を得る際におこなった行動は、困難や壁が立ちはだかったときに学生がどのような行動をとるのかの指標になります。人によって解決方法はさまざまですが、解決方法の選び方でも学生の価値観や考え方が見えてくるのです。
成功体験を通して得た学生の価値観や人柄を企業が求める人物像と照らし合わせれば、自社とマッチした人材なのか判断がしやすくなります。
企業には独自の社風や考え方があるケースも多いため、自社にマッチした人材を採用することで、入社後に学生が早期退職する可能性を低くできます。一人の採用にも時間やコストがかかるからこそ、なるべく自社とマッチした人材を選びたいのはどの企業も同じでしょう。
- 成功体験を通して自社に合った人材だと思ってもらうには、どのようなエピソードを選ぶのが良いですか?
刺さる成功体験を伝えるには徹底した企業研究がポイント
求人情報や会社説明会で、企業が求めている人材や活躍している社員像を研究し、マッチングする成功体験のエピソードを選びましょう。
たとえばチャレンジしていく人材を求めているのであれば、諦めずチャレンジした成功体験のエピソードを伝えることで、採用担当者は自社に合う人材だと考えます。
一方、チャレンジしていく人材を求めているにもかかわらず慎重に考えて行動した成功体験を述べてしまうと、自社の社風に合わないと判断される可能性があります。成功体験のエピソードが、応募企業でどのように活かせるか考えてみましょう。
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シチュエーション別! 成功体験が伝わる例文5選
企業が学生に成功体験を聞く理由がわかっても、実際どのような内容が成功体験に当てはまるのかわからなければ適切なエピソードは話せません。実際に、成功体験として適した内容がわからず悩む人もいますよね。
成功体験の伝え方にはコツがあり、例文を読めば自分のエピソードのまとめ方がイメージできます。ここからは、成功体験が伝わる例文を5つ解説するので、書き方に悩むときはぜひ参考にしてください。
例文①学業
成功体験を伝える学業の例文
私の成功体験は、学生時代にTOEICで800点を取ったことです。
入学当初から海外で仕事をしたいと思っていたため、英語力を鍛えたいと思っていました。効率的に英語力を高めるために、問題集を繰り返し解いて自分の苦手な部分を明確にしました。わからない部分は類似の問題を解き、英語が得意な友人にも勉強法を教えてもらいました。
この努力の結果、TOEICは目標の点数を達成しただけでなく、効率的に学ぶには苦手な部分を明確化し得意な人の意見を聞くのが良いと学びました。入社後はこの成功経験で得た問題解決力を活かし、業務の効率化や売り上げ成績向上を目指したいと思います。
成功体験を簡潔に冒頭で伝えている点は良いです。効率的に学ぶにはどうすると良いかという点へ焦点を当てていますが、問題解決力を伝えるなら、苦手な部分への解決策を考えて実行した点を強調した方がさらに良くなります。
就活での英語力の重要性を知りたい人には、こちらの記事がおすすめです。
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例文②ゼミ
成功体験を伝えるゼミの例文
私の成功体験は、ゼミの研究活動でチームメンバーをうまくまとめたことです。
私が所属しているゼミは人数が多く、意見のすれ違いが多くありました。意見のすれ違いからプロジェクトの進行が滞っていましたが、リーダー的な立場の人がいなかったため自分が立候補し、それぞれの意見を取りまとめるよう努力することにしました。
メンバーの意見をまとめるだけでなくどうしたいかまで話をして、意見が合わない人達で話し合いの場を設けました。お互いが積極的に意見を交換することで、わだかまりがなくなったのです。
結果的にゼミの研究内容は表彰され、多くの人数で一つのことをやり遂げる達成感やチームワークの大切さを学びました。
入社後においても社内の意見交換やチームワークを意識し、周囲と協力して問題を解決していきたいと考えています。
就活の場面でリーダーシップ力やチームワーク力の高さをアピールしたい人は、こちらの記事が参考になります。
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例文8選|自己PRでチームワーク力の高さを効果的に伝える方法
例文③アルバイト
成功体験を伝えるアルバイトの例文
私の成功体験は、アルバイト先のカフェで業務効率を改善したことです。
私は大学1年生よりカフェでアルバイトしており、多くのスタッフが在籍していました。スタッフ数が多いことからやり方がそれぞれ違い、新人の教育にばらつきがでてきたので改善しなければと感じたのです。
まずはそれぞれのスタッフが得意とする業務を明確にし、役割分担しました。新人教育の際には後輩一人ひとりにメンターをつけ、伝えた内容の共有をはかりました。どのスタッフが新人に何を伝えたのかが明確になり、指導内容のばらつきを減らせたのです。
結果的に新人の能力を一定にでき、顧客に感謝される機会が増えました。業務効率も改善して、情報共有の大切さを学びました。
この経験を活かし、入社後は社内の業務効率を改善できるポイントを明確にし、効率良く売り上げを上げる方法を考え、社員の負担軽減に貢献したいと考えています。
アルバイト経験を自己PRやガクチカで有効にアピールしたい人は、下記の記事も参考になります。
自己PR
例文10選|アルバイト経験の自己PR必勝法を企業目線で解説
ガクチカ
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アドバイザーコメント
富岡 順子
プロフィールを見る成功体験を差別化するコツはエピソードを数字で定量化すること
上記例文の良い点は、問題提起→改善方法→結果の構成で作られている点です。
一方で、全体的に抽象的な表現を使っているため、具体的なエピソードを伝えることでエピソードの説得力が増します。
差別化を図るためのポイントは、解像度を挙げて説明をすることと、伝えたいコアメッセージを意識することです。抽象的な説明で終わってしまうと、どの学生も似たようなエピソードになってしまいます。
具体的に語る方法の一つが、問題のbefore/afterを伝える際に数字を使って表すやり方です。たとえば「新人教育のばらつきが改善されたことで、月に10件あったクレームが0件になった」「売り上げが〇%上がった」と表現することで、客観性を持たせることができます。
成功体験のエピソードと入社後の活躍イメージをリンクさせよう
成功体験について聞いている質問では、この体験からどんなことが大切だと学んだかについて伝えることが重要です。この例文では情報共有の大切さがコアメッセージになっています。
伝えたいことを伝えるために必要な情報やエピソードは何かを考えて、文章を組み立ててください。メッセージに一貫性を持たせ、入社後の仕事にも活かしたいと伝えることができると、大変好印象なアピールになります。
例文④インターン
成功体験を伝えるインターンの例文
私の成功体験は、インターン先で顧客の要望を的確に形にできたことです。
デザイン会社で半年の長期インターンに参加させていただき、社員の方と一緒に顧客の話を聞かせてもらう機会もありました。実際にヒアリング内容をもとにしたデザインを作成したものの、はじめのうちは納得してもらえず修正を重ねる必要がありました。
何度かの打ち合わせを通して顧客への提案を重ね、自分のデザインを喜んでもらえたときはとても達成感があり、諦めずに続ける継続力の大切さを学びました。
この経験を活かし、入社後は顧客の方が納得するまで継続して寄り添える人材になりたいと思っています。
継続力を採用担当者に伝えたい人は、こちらも参考にしましょう。
例文13選|継続力の自己PRはどう伝える? 書き方や注意点を解説
成功体験の作成にインターンは有効な手段の一つです。インターンのメリットを理解して質の高い成功体験を得たい方は、以下の記事に目を通しておきましょう。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
インターンは大学3年生までに参加するケースが多いですが、大学4年生からでも十分間に合います。以下の記事では大学1〜4年生の学年別でインターンの探し方を詳しく解説しているので、どのようにインターンを探せば良いかわからない人は参考にしてください。
インターンの効果的な探し方8選を学年別で解説! ありがちな失敗も
- インターンに参加した企業の選考を受ける場合は、そのことを強調して伝えるべきでしょうか?
インターン関連の成功体験は立派な差別化ポイントの一つ
インターンに参加した経験は、ほかの応募者との差別化につながる大きなアピールとなるので、ぜひ積極的に伝えましょう。
採用担当者が成功体験を聞くのは、入社した後に同じような成果を再現できるかどうかを知るためです。
インターンに参加していなければ学生時代やほかの活動から成功体験を伝える必要がありますが、インターンに参加して実際の業務に近しい部分を経験していれば、ダイレクトに仕事への成果として採用担当者にアピールすることができます。
例文⑤サークル
成功体験を伝えるサークルの例文
私の成功体験は、大学時代から始めたテニスで入賞したことです。
今までテニス経験はなかったため、入部当時は部内でもうまくないほうでした。しかし、経験者に勝つにはどうしたらいいかを考え、まずは練習量を増やし、次に実践経験を積むことにしました。
具体的には、休日もテニスを練習する時間を作り、雨の日は体力向上のためにジムへ足を運びました。試合経験が足りないと大会で緊張してしまうため、先輩にお願いして実践経験を積む努力もしました。
1年間その努力を続けた結果、出場した大会で3位入賞を果たしたのです。
この成功経験で得たものは、地道な努力の大切さや粘り強さです。入社後はこの経験を活かし、コツコツとした努力を続け実績を残したいと考えています。
テニスで経験者に勝つために粘り強く地道な努力を続けて、成果につなげた成功体験は評価できます。「コツコツと努力を続けて実績を残したい」という表現は、「実績を築いていきたい」のほうが、継続して実績を築いていけるイメージを与えます
面接時に努力をアピールポイントにしたい人は、下記の記事がおすすめです。
努力家の自己PRの作り方|努力タイプ別例文で徹底解説
また、部活動を面接でアピールしたい人にはこちらの記事がおすすめです。
部活の自己PRで高評価を得る必勝法|15例文を役職・部活別で紹介
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必ず見つかる! 成功体験が思いつかないときの対処法
成功体験が思いつかないときの対処法
- 小さな成功体験を考えてみる
- 長く継続している趣味や特技から思い出す
- 努力した経験がないか整理する
- 失敗から得られた価値観がないか探す
成功体験の具体的な書き方が理解できても、具体的なエピソードが思い浮かばない人もいるかもしれません。成功体験に当てはまるエピソードを持っていても、内容が些細だったり自分にとって当たり前だったりすると成功体験として認識できない可能性があるのです。
ここでは、成功体験が思いつかないときの対処法を解説します。面接のときに焦らないよう、自分の過去の経験や努力を思い返してみましょう。
成功体験がなくて悩んでいる人はこちらの記事を参考にしてみてください。見つけ方や今から積む方法を解説しています。
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成功体験がない人はいない! 見つけ方や今からでも積む方法を解説
成功体験がない人は、考え方や着眼点の問題で成功体験に気付いていない可能性があります。この記事では、成功体験の見つけ方や積み方をキャリアコンサルタントと一緒に解説します。成功体験は今からでも積めるため、諦めずに行動に移しましょう。
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小さな成功体験を考えてみる
ほかの人の成功体験を聞いていると、自分にはそれほど立派なエピソードがないことに焦る人もいるかもしれません。しかし、成功体験は必ずしも立派な内容である必要はありません。
「テストで良い点をとった」「アルバイトで誰かに感謝された」といったエピソードは、自分では小さなことだと感じるかもしれませんが立派な成功体験になります。
小さな成功体験をいくつか考えてみて、その結果を得るためにどのような努力をしたか思い出してみましょう。複数のエピソードを思い出して内容をまとめていけば、面接時に話せる成功体験となります。
小さな成功体験のレベル感としては「人と話すのが苦手だったが、接客業を通して初対面の人と会話ができるようになった」「複数の物事を同時に進められなかったが、計画を立てることによってテストもアルバイトも質をあげることができた」といった自分の成長エピソードで問題ありません。
長く継続している趣味や特技から思い出す
スポーツや続けている趣味から成功体験のエピソードを思い出すのも有効です。
スポーツや趣味が成功体験になるのは、続けること自体が誰にでもできることではなく、かつ明確な目標を立てて努力し行動するという過程をたどりやすいからです。また、自分の特技と思えることがあれば、成功体験が見つかるかもしれません。
たとえば、部活動の大会に向けて努力したことで得られた結果やチームメンバーと協力して目標を達成したことを成功体験とするのもおすすめです。長く続けている趣味がハンドメイドであれば、難しかった工程をどのように乗り越えて完成させたのかも成功体験になります。
誰にでも趣味や特技はあるはずなので、一つひとつ思い返せば成功体験に当てはまるエピソードが見つかるはずです。
成功体験で趣味や特技を伝えるときは先に話す自己紹介で趣味に触れておくと採用担当者に伝わりやすくなります。趣味や特技を効果的に伝える方法は、下記の記事がおすすめです。
趣味
例文21選|面接で趣味はどう答える? 個性が伝わる回答方法を伝授
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特技がない……とっておきの見つけ方7選|一覧や回答例文15選付き
努力した経験がないか整理する
受験勉強や趣味の活動で、誰しも努力した経験はあるはずです。たとえば、テストで良い点をとるためにおこなった経験やチームメンバーと打ち解けるために努力した方法が当てはまります。
「成功体験を聞かせてください」といわれると、どのような結果を得たのかに着目しがちです。しかし、重要なのは結果に至るまでの努力の過程や考え方です。誰もがうらやむような結果でなくても、努力した過程が企業の求めるものであれば評価されるのです。
結果だけに着目するのではなく、今まで自身がどのような努力をしたかに注目して、エピソードを思い出してみましょう。
- 努力した経験から成功体験がうまく思いつかないのですが、コツはありますか?
成功体験が思いつかないときは3つのポイントから考えてみよう
①何のために努力をしたか(目標)、②目標を達成するために努力したこと(内容)、③努力した成果(結果)の3つに分けて考えてみましょう。努力した成功体験で大切なことは、目標や成果ではなく目標を達成するためにおこなった努力の内容です。
実践した努力の過程や気付きが、目標や成果以上に成功体験なのです。成功体験が思いつかない人は「大した目標ではない」あるいは「目標を達成できていない」と考えますが、努力した過程を具体的に考えてみることで、成功体験としてアピールできます。
失敗から得られた価値観がないか探す
ここまでで、努力した過程や小さな成功体験から探す方法を解説しましたが、成功体験は失敗からも見つかる可能性があるのです。何かを失敗した場合は、次に同じミスを起こさないよう対策を考えるはずです。その対策は、失敗から学びを得たという成功体験になります。
たとえば、試験で思うような結果が出なかったので「勉強方法を見直した」「アルバイトで引き継ぎをスムーズに進めるために引き継ぎノートの作成を提案した」などです。
「ただ失敗した」というエピソードだけでは成功体験といえませんが、その後に得た学びを伝えられれば失敗を反省して努力できる人材だと伝えられます。
失敗から何を学びどう行動に活かしたかを考えると、成功体験に変換できます。ただし、自分の学びや気づきがないまま、周りのサポートや偶然の出来事のおかげで次は失敗しなかったという内容では成功体験とはいえません。
面接で失敗談から成功体験を上手に伝える方法が知りたい人は、こちらの記事もおすすめです。
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例文14選|面接で伝える「失敗談」の正解回答を徹底解説
面接で失敗談を聞かれたときは学びと今後への活かし方を回答することが重要。一見マイナスイメージを与えかねない質問ですが、回答のコツを知れば好印象につながります。失敗談の見つけ方や適切な伝え方をキャリアコンサルタントが解説するので参考にしてください。
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あなたが受けない方がいい職業を確認しよう
就活では自分に適性がある仕事を選ぶ事が大事です。適性が低い仕事に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまうリスクがあります。
そこで活用したいのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、適性が高い職業・低い職業を診断できます。
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効果的にアピール! 成功体験を就活で上手に伝える3つのコツ
成功体験を就活で上手に伝えるコツ
- どのような成功体験があったか結論から伝える
- 成功するまでの過程をアピールする
- 成功体験で得た内容を将来に活かす方法でまとめる
成功体験といえるエピソードを見つけたら、採用担当者に上手に伝える方法も同時に身に付けておきましょう。せっかくエピソードを見つけても、採用担当者に上手に伝えられなければ選考突破は難しくなります。
この章では、成功体験を採用担当者に伝えるコツを解説します。上手な伝え方を理解して、持っているエピソードを最大限に活かしましょう。
文章構成を組み立てるテクニックは以下の記事で解説しています。成功体験を伝える際にも使える方法なので、わかりやすく伝えることが苦手な人は参考にしてみてください。
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自己PRの構成作成ガイド|PREP・STAR法を使う作成法を伝授
伝わる自己PRを書くために重要な構成。構成をしっかり考えることで、採用担当者に響く自己PRが作成できます。今回は構成の組み立て方からエピソードの書き方、さらに自己PRを魅力的にするコツまで幅広く解説しています。最後には例文も豊富に紹介しています。
記事を読む
①どのような成功体験があったか結論から伝える
成功体験にかかわらず、面接で何かを伝えるときは結論から話す癖をつけましょう。これは志望動機や自己PRにも当てはまることですが、結論から伝えると話したい内容が相手に理解してもらいやすくなる効果があるのです。
結論から話さずに進めてしまうと、聞き手は話の主題が何なのかわからず集中できません。せっかく良いエピソードを話したとしても、印象が薄れてしまうのです。
結論を伝えるときは具体的な数字を挙げるのもおすすめです。「〇カ月で目標を達成した」「リピーター獲得率が〇%あがった」と伝えるとエピソードの信ぴょう性が増します。
②成功するまでの過程をアピールする
結論から話したら、その内容を具体的にするエピソードを添えましょう。エピソードを話すときは、以下の流れがおすすめです。
成功体験の過程を伝えるステップ
- 直面した問題を簡潔に説明する
- 自分がどのような役割で、具体的に何をしたのか話す
- その結果、得た内容や成果を伝える
ここで話すエピソードは、成功体験を得るまでに至った考え方や価値観を伝える場所です。具体的な内容を伝えるよう意識しましょう。成功体験で重視されるのは結果や成果ではないため、話の焦点はエピソードにしておくとより多くの魅力を採用担当者に伝えられます。
成功体験のエピソードは採用担当者が興味を示す部分なので、結論を先に述べたうえでエピソードにボリュームを持たせると良いでしょう。
とはいえ時間の指定がなければ、長々と回答するのではなく、1わから長くても2分以内、文字数としては300字から500字程度で回答しましょう。
③成功体験で得た内容を将来に活かす方法でまとめる
最後に、成功体験で得た内容を入社した後にどのように活かしていくのか述べましょう。
ただ「こういう成果があった」「部活に頑張って取り組んだ」と伝えるよりも、そのエピソードを将来にどう活かせそうかを述べると、入社後の活躍イメージが伝わりやすくなります。今後に活かす方法を伝えることで、成功体験の内容が失敗談でも学びを得たとアピールできるのです。
まとめる内容は、立派である必要はありません。「この結果から、一緒に働く方にも情報共有を徹底して御社に貢献したいと思っています」「業務効率改善に役立つアイデアを考えていきたいと思っています」などでも伝わります。
成功体験を通して自身の魅力や将来性を採用担当者に伝えられれば、選考突破の確率が高まります。
物事のとらえ方から変えてみよう! 成功体験がないと感じる人の特徴
成功体験がないと感じる人の特徴 | 物事のとらえ方のコツ |
---|---|
大きなチャレンジをした経験がない | 小さな成功体験を認める |
飽き性で物事が続かない | 努力した経験を洗い出す |
結果が完璧でないと納得できない | 結果よりも過程に目を向ける |
失敗した原因を考えない | 物事を深堀りする癖を付ける |
他人の成功を素直に喜べない | 他者と自分を比較しない |
ここまでで成功体験の見つけ方や伝え方を理解しても、物事のとらえ方が良くなければせっかくの成功体験を自覚できない可能性があります。
ここでは、成功体験がないと感じる人の特徴と物事のとらえ方のコツを解説します。自信を持って成功体験のエピソードを作れるようになるには、物事のとらえ方のコツをマスターし、過去の自分の中にも成功体験が存在していると認識するスキルを養うことが大切です。
まずは自身がどの特徴に当てはまるかをチェックし、どのようにとらえ方を変えれば良いかコツを身に付けましょう。
大きなチャレンジをした経験がない
今までの経験を思い返したときに、大きなチャレンジをしたことがないと、成功体験に当てはまるエピソードがないと考えがちです。部活動で賞をとったり、学業で優秀な成績を収めたりした経験がなかったりするケースを言います。
「大きな成果をあげた経験ではないと、成功体験とはいえない」と考えている人もいるでしょう。
しかし、成功体験を今までの人生で得た経験がない人は存在しません。小さな成果がないか着眼点を変えてみて、成功体験や目的を達成するまでに努力した内容を思い返してみましょう。自身が頑張った内容を思い出せば、成功体験が見つかるはずです。
- 大きなチャレンジをした経験がないとありきたりな成功体験になってしまうと思うのですが、どのように考えたらいいのでしょうか?
自分なりの工夫や行動を伝えればオリジナルの成功体験が作れる
その成功体験に対して自分がどう考えてどう行動したかを整理しましょう。自分自身が考えて行動したことであればありきたりなことにはなりません。
たとえば「課題のレポートを期日を守って提出した」という一見ありきたりな成功体験は、「サークルやバイトの予定を調整しながら進めた」という優先順位付けの実績をアピールして伝えることもできますし、「期日を意識して逆算して取り組んだ」というスケジュール管理能力をアピールして伝えることもできます。
また、「難解な課題を友人と協力しながら進めた」というチームワーク力のアピールにもなるかもしれません。同じ成功体験でもその人がどう考えてどう行動したかは人それぞれです。
飽き性で物事が続かない
スポーツや趣味の経験があっても、飽き性で長続きしない性格だと成功体験を認識しにくい可能性があります。成功体験は時間をかけて積み上げるものが多く、長続きした経験がないと見つかりづらいかもしれません。
しかし、長続きしていないエピソードのなかからも、成功体験につながる内容は見つかります。始めたばかりのスポーツや趣味を理解するために、どのような努力をしたか考えましょう。
それでも見つからない場合は、この後の章でこれから成功体験を得るステップも解説しているため、今から面接で話すエピソードを作るのもおすすめです。成功体験が見つからないからといって、焦らずに対応しましょう。
また、飽き性にも向いている仕事が気になる人は、下記の記事を参考にしてください。
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結果が完璧でないと納得できない
完璧主義な傾向があると、結果に納得できず成功体験と認識できない可能性があります。いくら目的へ向けて努力しても、完璧主義思考の人は「満足いく結果でなければ失敗と同じだ」と考えがちなのです。
完璧主義は仕事を進めるうえで良い面もありますが、完璧を求めすぎるあまり「100点の出来でないと自分には価値がない」と感じやすい傾向にあります。
しかし、物事に完璧は存在しません。完璧主義から抜け出さない限り、自身の良いところを認められず成功体験が見つかりにくい思考に悩まされることになるのです。
完璧主義の傾向がある人は、結果だけに着目せず過程に重きをおきましょう。そうすれば決して優秀な結果ではなかったとしても、立派な成功体験のエピソードをアピールできるようになります。
完璧主義かどうかを自分ではなかなか気づくことができないので、他人からのフィードバックをもらってください。
普段かかわってくれている友人や先輩、アルバイト先の社員さんたちに聞いてみると、自分では気づかない成長や努力を教えてくれるため成功体験が見つかりやすくなるでしょう。
失敗した原因を考えない
失敗した原因を考えて行動を改善しない限り、成功体験は生まれません。失敗した理由が明確にできなければ、同じ失敗を繰り返してしまうからです。
物事が失敗することには必ず理由がありますが、深く考えないとその原因に気付けません。「失敗してしまった理由を運が悪かった」「自分は悪くない」などと考えている可能性もあります。結果として何度も同じ失敗を繰り返してしまい、成功体験が積めないのです。
このタイプの人は、失敗した原因を深掘りする癖をつけるのがおすすめです。たとえば、失敗した出来事に対して「なぜ?」を最低でも3回以上繰り返す「なぜなぜ分析」を試してみてください。
このように失敗した原因を突き詰めることで改善策が見えてくるため、次のアクションに活かしより良い成果を収めることで成功体験を実感しやすくなります。
他人の成功を素直に喜べない
今までに成功体験がないと感じている人は、自身の成功体験ではなく他者の経験ばかり目がいくケースもあります。自分に自信がなく、ほかの人と比較する癖があるからです。
他者が成功したことには、何か理由があるはずです。相手の成功を素直に喜べる人であれば「こう行動すればよかったのか」と他者の行動からも学びを得られます。
しかし、他者の成功を喜べない人は、ほかの人が成功する理由まで意識を向けられません。結果だけを羨んでしまい、自身の行動に活かせる部分がないか考えられないのです。
このタイプの人は、まずは他者と自身を比較するのを止めるのが近道になります。自己肯定感を高められれば、成功体験を見つけることにも役立ちます。
諦めるのはまだ早い! これから成功体験を得る4つのステップ
成功体験を得るステップ
- 目標を決める
- 前向きに努力する
- 達成に向けて感じた困難を覚えておく
- 目標を達成して成功体験を作る
自分に成功体験がないと思う人でも、今から成功体験を得ることは可能です。正しく行動すればおのずと結果がついてきます。
ここでは、成功体験を得るためにできる方法を4つのステップに分けて解説します。面接までの時間が短くても、この4つのステップに沿って進めれば最短で成功体験を見つけやすくなるため、自信がなくても一つずつ実行してみましょう。
①目標を決める
成功体験を積むときは、はじめに目標を設定しましょう。目標は難しい説明でなくても構いません。むしろ、簡単な目標の方が目的達成への難易度が下がり成功体験を得られる確率が高まります。
設定する目標に悩んだときは「毎日15分勉強の時間を作る」「毎日1社企業研究する」などもおすすめです。継続しやすいため、失敗につながる可能性が低くなります。
ただし、目標を設定するときは具体的な内容にしましょう。「勉強する」といった漠然とした内容では、達成できたのかが曖昧になり成功体験として実感しにくくなるため注意が必要です。
「問題集を1ページ進める」「ノートを開く」など具体的なアクションにしておくと、達成できたかが明確になります。
毎日小さく継続できるものを目標にすると良いでしょう。小さいことでも習慣化することは意外と難しいので、継続できたこと自体が成功体験になります。
また、小さい行動であればすぐに始められるため、行動に移したことにフォーカスした成功体験も得られます。
②前向きに努力する
目標を決めたら、目的へ向けて前向きに努力しましょう。ネガティブな気持ちで臨んでしまうと、目標達成までモチベーションが保てず成功体験が得られない可能性が出てきます。うまくいったとしても、達成した理由がわからず成功体験のエピソードが具体的にならないのです。
ただし、目標が達成できなかったとしても落ち込む必要はありません。努力する過程が重要なため、成功体験を積むために行動した内容をまとめましょう。そうすれば、結果的に100点ではなくても、就活で通用する成功体験のエピソードは問題なく作れるのです。
ただ、ポジティブ思考を持って目的に向けて努力していれば、楽しくて気付いたら達成したという可能性もあります。
③達成に向けて感じた困難を覚えておく
目標を達成するまでには、困難やトラブルがつきものです。
たとえば、「毎日15分勉強する」のが目的であれば「漫画が読みたい」「アルバイトで疲れたからサボりたい」など欲求もあったかと思います。欲求を抑えて目的を達成するには「1分だけ教科書を開く」「1ページだけ読んでみる」など小さな壁を少しずつ乗り越えるのが近道です。
そのような困難と解決方法をまとめておくことで、面接のときに採用担当者に話すエピソードが完成します。
後で忘れてしまわないか不安なときは、メモをとる癖をつけましょう。メモをとれば採用担当者に話す内容をまとめるときにも役立つはずです。
④目標達成を活かして成功体験を進化させる
ここまでの流れで小さな成功体験の積み方を理解できたら、採用担当者により印象を与えられるように内容を進化させてみましょう。
たとえば、これまでに設定した目標が「教科書を開いてみる」であれば、「教科書を1章分終わらせる」のように少しずつ目標のハードルを高めることで、無理なく成功体験の練度を高められます。
少しずつ成功体験を進化させていけば、最終的には「資格取得」や「テストで目標の点をとった」など就活で十分に通用するレベルまで質を引き上げられます。結果に至るまでの努力もしているため、採用担当者に話す際の熱意やエピソードも明確に伝わるはずです。
- 選考までの時間が限られているのですが、短期間で積める成功体験のエピソードはありますか?
就活に直接役立つ目標を立てれば一石二鳥
就活に関した目標を立てて行動するのはいかがでしょうか。たとえば、新聞を読んで気になった記事に対して、自分の意見を2分間スピーチにしてみるといったものです。
「うまくまとめられない」「言いたいことが伝わらない」「要約がうまくできない」といった課題に対して、日々改善していくことも立派な成功体験になります。就活本番でも役立つスキルとなるのでやってみてください。
精度を高めよう! 質の高い成功体験を積むときに意識したいポイント
質の高い成功体験を積むときに意識したいポイント
成功体験を積むとしても、やみくもに行動していてはうまくいかず良い経験を積めない可能性があります。目標設定を工夫し、考え方を変えることで、採用担当者からも評価を得やすいエピソードを作れるのです。
ここでは、質の高い成功体験を積むときに意識したいポイントを解説します。一度成功体験を積もうと努力したものの納得できなかったときは、ぜひ試してみてください。
苦手なことに挑戦する
成功体験を積むための目標設定は、自分が苦手とする内容にしてみましょう。苦手なことは得意な分野に比べるとハードルが高い分、成功したときの達成感が大きいのです。
たとえば、人とかかわるのが苦手であれば仕事や部活でコミュニケーションをとるためにした努力をまとめるのがおすすめです。継続することが苦手であれば、1日に1回本を読む時間を設けたり勉強時間を作ったりしましょう。
苦手なことに挑戦し、さらに成功したとなれば大きな自信につながります。もし失敗したとしても、苦手なことに挑戦した点は採用担当者に評価されやすくなります。苦手なことを成功させるためにした努力を話せば、立派な成功体験になるのです。
面接で自身の苦手なことに触れることは、必ずしもマイナスにはなりません。むしろ、苦手なことに対してどう向き合ってきたかを話すことで、質の高い成功体験に作り変えることも可能です。
以下の記事では、「苦手なこと」をプラスに変える伝え方のコツを解説しているので、併せて参考にしてみてください。
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面接での「苦手なことは何ですか?」というようなネガティブな質問は、答え方によって面接官に与える印象はポジティブにもネガティブにもなり得ます。記事ではキャリアコンサルタントのアドバイスとともに「苦手なこと」の見つけ方や答え方・例文などを解説するので、ぜひ参考にしてください。
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自分に自信を持って行動する
成功体験を認識できない人は、自己肯定感が低い可能性があります。そのため、自分に自信を持って行動するだけでも得ている成功体験に気付けるかもしれません。
はじめから失敗すると思い込んでいて、前向きな努力ができず目標達成を邪魔している可能性もあります。ネガティブな気持ちで望んでは成功できる内容も失敗してしまい、さらに自己肯定感が下がる恐れもあります。
自信を持って行動するのは、成功体験を作るうえで重要なポイントです。また、自信がなさそうにしていればせっかくのエピソードも信ぴょう性が疑われかねません。小さな成功体験でも自信を持って、努力の過程を伝えましょう。
- もともと他人より自信がない性格なのですが、どうしたら自己肯定感を高められるのでしょうか?
過去の自分と比べてどう変わったかにフォーカスしよう
人と比べずに過去の自分と比べるようにしましょう。自己肯定感が低いと、たとえ成功体験があっても、ほかの人と比べたら大したことはないと思ってしまう傾向にあります。
人と比較するのではなく、何か行動した時の前と後で自分がどう変わったかを考えてください。
たとえばアルバイトを始める前と後で身についたスキルや知識、人脈を振り返った時、まったく変化がない人はいないと思います。
人は行動することで成長していくので、その前と後での自分の変化を認めてあげると自己肯定感が高められると思います。
目標には人の役に立つ内容を選ぶ
成功体験を得るために目標を探すときは、「アルバイト先の業務効率改善に貢献した」「部活内のコミュニケーションを円滑にした」など、他者に役立つ内容にするのもポイントです。
人に役立つ目標を達成できれば、自分以外の人から感謝され、自己肯定感が高まります。自分に自信がない人でも、ほかの人から感謝されれば目標が達成できたと認識しやすくなります。
また、人に役立つ内容を達成していれば、採用担当者に伝えたときに会社でも活かせる再現性の高い内容と判断される可能性が高いです。会社はチーム単位で働くことが多く、コミュニケーションや業務効率の向上は入社後も役立つからです。
一人で実現できる目標設定がうまくいかないときは、ほかの人を絡めた目標を決めてみましょう。
人に役立つ内容がすぐに思い浮かばない人は、部活やアルバイトといったコミュニティのなかでほかの人が持つ課題感を聞いてみてください。
チームのなかでの困りごとを把握し、それを解決するために自分はどんなことができるか考えていけば、人の役に立つ目標を定めることができます。
自分自身に優しくする
持っている成功体験を認められない人は、自身に厳しい可能性もあります。達成した目的を大きな実績ととらえないため、立派な成功体験にもかかわらず自分で自分を否定してしまうのです。
そのような人は、自分自身に優しくすることで成功体験を受け入れられる可能性が高まります。今ある成功体験を受け入れられ、面接のときにも自信を持って答えられるでしょう。
自分に優しくする方法がわからない人は、自分自身にねぎらいの言葉をかけるところから始めましょう。小さなことを一つずつ認めてあげれば、頑張った過程にフォーカスできるようになるため、成功体験を実感しやすくなります。
成功者の真似をする
成功体験を積み上げるのがうまくいかないときは、他者の方法を真似するのも方法の一つです。成功者がうまくいくことには、必ず理由があります。その考え方や行動を真似ることで成功体験が得られる可能性が高まります。
成功者の真似をするときは、参考にする人から成功体験の話を聞いてみてください。家族や友人など身近な人からエピソードを聞いてみて、自分でも達成できそうな成功体験がないか考えましょう。
一度失敗したとしても、身近な人を参考にしていれば改善策を相談でき、再度チャレンジもしやすくなります。
- 成功者といわれてもピンときません……。成功体験を積むうえでどういった人を成功者として真似るのが言いでしょうか?
目標に向かって努力している人を成功者にするのがおすすめ
成功者といわれるとピンとこないかもしれませんが、家族や友人で努力をして成果を築いた人や、目標に向かって努力している人がいないか考えてみましょう。努力をしているという視点で成功者を考えれば、身近な人のなかで見つけることができます。
また成績優秀な人、サークルで成果を築いている人、周囲から慕われている人、アルバイトで仕事ができる人など、相手の優れた点について観察してみると、行動や考え方の特徴が見えてきます。
不採用の原因に! 成功体験を伝えるときの注意点
成功体験を伝える時の注意点
- 「成功体験がない」という回答は避ける
- 思い浮かばないからと嘘をつかない
- 自己PRやガクチカと矛盾がないようにする
- 幼少期のエピソードは避ける
採用担当者に成功体験を聞かれたとき、自信を持って話せる内容が思い浮かばないときもありますよね。エピソードがあったとしても、伝え方を誤れば評価されない可能性もあるのです。
ここからは、成功体験を伝えるときの注意点を解説します。伝え方に誤りがあれば不採用の原因にもなり得るため、選考時には十分注意しましょう。
「成功体験がない」という回答は避ける
具体的な目標を達成した経験が思い浮かばないとしても、成功体験がないという回答は避けましょう。選考時に話せるエピソードがないと、採用担当者は学生を正しく評価できず選考に落ちてしまう恐れがあります。
選考時に成功体験を聞かれても焦らずに済むよう、事前に話す内容を整理しておくと安心です。事前にある程度の内容を決めておけば、緊張している画面でも焦らずに話せるからです。
また、当日までに時間がなく新しいエピソードを作れなかった場合でも、成功体験のハードルを下げれば見つかる可能性が高まります。小さなことでも立派な成功体験となりうるため、何か伝えられるエピソードを考えておきましょう。
成功体験がないと答えた場合、「考える力がない」という印象を与えてしまいます。
万が一成功体験がないのであれば自分で新しく作ることもできるはずなので、逆に言えば成功体験がないということは「日頃から考えて行動していない」と伝えているようなものです。
思い浮かばないからと嘘をつかない
成功体験が思い浮かばないからといって、嘘のエピソードを考えるのもおすすめできません。嘘のエピソードを伝えた場合、採用担当者に質問で深掘りされたときに内容の一貫性が保てなくなる恐れがあるのです。
その場はしのげる可能性がありますが、嘘がバレれば信用を失い、職場の人間関係が悪化して周囲からの協力を得られなくなるリスクがあります。結果として職場に居づらくなり、最悪の場合は退職に追い込まれるケースもあります。
また、嘘ではないからといって話を誇張しすぎるのもやめましょう。バレずに採用されたとしても、入社後の期待が大きくなり苦労するかもしれません。
高校野球で選手として甲子園に出場したという成功体験を伝えた応募者がいましたが、深掘りした質問から、実際は応援のみで出場していないことがわかりました。
嘘の成功体験を伝えることで、仕事でも嘘をつく可能性があると考え、採用につながりませんでした。
このように、成功体験のエピソードで嘘をつけば、応募者の表情や深掘りした質問などから、嘘だとわかってしまう可能性があります。
面接で嘘がバレずに入社できても、「いつか嘘だとわかってしまうのでは」という気持ちで仕事をしていかなければならず、嘘に嘘を重ねながら働き続けなくてはいけなくなることもあります。
自己PRやガクチカと矛盾がないようにする
成功体験で伝えるエピソードや考え方は、選考時に伝える自己PRがガクチカと矛盾がないようにしましょう。矛盾があれば採用担当者に不信感を持たせ、ほかのエピソードまで疑われてしまう可能性があるのです。
矛盾を避けるためには、事実を伝えるのが一番です。事実を伝えれば内容を深掘りされても嘘を重ねる必要がなく、選考時に焦る心配がありません。
また、選考前に成功体験と自己PR・ガクチカの内容を照らし合わせておくと、矛盾は起きづらくなります。緊張していると嘘をつくつもりがなくても、焦ってしまい事実と外れた内容を口にしてしまうことがあります。事前に話す内容をまとめておけば、落ち着いて対応できる可能性が高まるでしょう。
成功体験の質問と、自己PRや志望動機の質問はそれぞれ答えるべき内容や観点が異なります。各項目の違いがはっきり理解できない人は、面接前にあらかじめ以下の2記事を確認しておきましょう。
自己PR
自己PRとは? 職種別のおすすめテーマや書き方を解説|例文7選
志望動機
志望動機例文35選|基本とプラスアルファで差別化するコツ
幼少期のエピソードは避ける
直近の成功体験が思い浮かばないからと、小学生や幼稚園生時代の成功体験を上げるのはやめておきましょう。
幼少期に成功体験があったとしても、古すぎる内容では今のあなたの魅力が伝わりません。年齢をへてさまざまな経験をすれば考え方や価値観は変わる可能性が高いため、幼少期など古い時代の成功体験は今のあなたをアピールするうえで当てにならないと判断されてしまうのです。
成功体験を伝える場合は、なるべく大学在学中のエピソードか、古くても高校生までにしましょう。最近のエピソードであればあるほど、今の考え方や価値観に近い内容をアピールできます。
古い成功体験しか思い浮かばないのであれば、思い切って新しい成功体験を作ることも検討しましょう。
- 高校時代の成功体験を伝えてしまった場合、選考は不利にはたらきますか?
高校時代の成功体験でも問題ないが、直近の出来事も伝えよう
高校時代の成功体験でも、選考に不利に働くことはありません。人生で一番の成功体験が高校生活にあるというのであれば自信を持って伝えてください。
しかし、学生時代にどのように過ごしてきたのかも面接官は気になるところです。面接の時間すべてすべて高校時代の話をしてしまうことは避けましょう。
自己紹介や自己PR、研究テーマなどで高校卒業後も目標を決めて頑張ってきた人柄を伝えることを忘れないでください。
キャリアコンサルタントが解説! 成功体験で企業から高評価を得るコツ
ここまでで、成功体験が伝わる例文や思い浮かばないときに成功体験を得る方法への知識を深めてきました。しかし、どのような内容や伝え方をすれば高評価を得られるのか、具体的に知りたいという人もいるのではないのでしょうか。
そこでこの章では、キャリアコンサルタントの有馬さんに成功体験で企業から高評価を得るコツを解説してもらいます。自分の持っているエピソードをより魅力的に伝える方法を、この機会に身に付けておきましょう。
アドバイザーコメント
有馬 恵里子
プロフィールを見る受け身ではなく攻めの成功体験で内定を勝ち取ろう
「全体を見て考えて行動できているか」「その結果が周りに対しても良い影響を与えたり、新しい取り組みにつながったりしているか」を意識しましょう。企業はいわれたとおりのことをする人ではなく自分で考えて動き、さらには結果を出す人を求めています。
また、一つの課題には複数の事象がかかわっています。部分的なものに着目するのではなく、広い視野で行動できているかどうかも企業は見ているのです。逆に言うと、目の前のことをいわれたとおりやったという成功体験はあまり評価されません。
具体的なエピソードが根拠と説得力あふれる成功体験を伝えるカギ
アルバイト先で新人指導をした経験を伝える時、「経験の長い自分が立候補して、まずはその新人の経験を聞いて始めやすいものから教えるスケジュールを立て、相手のペースに合わせてサポートしたことを評価され、次から自分がリーダーとしてほかの新人指導を任されている」などであれば、全体を見て行動した結果として次にもつながっていると高評価を得られます。
同じ経験でも、「新人指導をするよう指示され、元々あるマニュアル通りに教えてわからないところがあったら聞いてもらうようにした」と伝えた場合とでは印象がまったく違いますよね。
成功体験の伝え方をマスターして志望企業への内定をかなえよう!
就活で聞かれる成功体験は、実績や成果の素晴らしさよりもそこに至るまでの過程や考え方が重要視されます。自身では成功体験がないと思っている人でも、自己分析をしたり物事のとらえ方を少し変えたりするだけで成功体験は見つかりやすくなります。
また、良いエピソードがあったとしても、伝え方を誤れば採用担当者にうまく理解してもらえません。「結論→努力の過程→将来への活かし方」の構成で述べることで、成功体験のエピソードが見違えるようにわかりやすくなり、採用担当者の心をつかみやすくなります。
自信を持って話せる成功体験がなければ、記事で解説した4ステップをもとに今から作ることもできるため、焦らず落ち着いて話せるエピソードを探しましょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る過去の経験を細かく分解して「小さな成功体験」を考えてみよう
成功体験と考えると大きな成功をイメージするかもしれませんが、成功体験が見つからない人は「小さな成功体験」を考えてみましょう。成功体験の材料は、学業だけでなくサークル活動、アルバイト経験、趣味、特技など身近なところにあります。
これまでおこなってきた行動を振り返り、行動の目的や、その目的を達成するために努力したこと・成果を分けて書き出してみましょう。採用担当者は成功体験の回答から、達成するために努力したことや、その経験から得たことを重視します。
これまでの努力をした経験を思い起こして、どういった努力をしたか、その経験から何を得たかについて考えてみると、成功体験を見つけることができます。結果はともなわなくても、努力した過程から得る成功体験もあります。
成功体験がない人はいないので、じっくり焦らず自己分析から始めよう!
普段は成功体験など考えることは少ないかもしれませんが、日々の生活のなかで間違いなく成功体験はあります。自分に厳しい人や自信がない人は成功体験に気が付かないことがありますが、苦手なことを克服した経験や、人のためにおこなった行動などを思い起こしてみましょう。
どうしても思い浮かばない人は、これから成功体験を作ることもできます。目標を決めて目標に到達するために努力をしてください。努力や困難を克服したことが成功体験につながります。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
Junko Tomioka〇南箕輪村のキャリア教育推進コーディネーターに就任後、独立。現在は地方中高生やベトナム人留学生の就活支援、企業内キャリアコンサル、地方就職のサポートをおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/NC Harmony代表
Eriko Arima〇大手人材紹介会社で約5年、転職者や若者、女性のキャリア支援を担当した。その後はIT企業の採用責任者を務め、現在は幅広い世代を対象にキャリアや就職活動の支援もおこなっている
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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