この記事のまとめ
- 電話面接の攻略には事前準備が重要となる
- 電話面接ならではの注意ポイントと5つのコツを押さえよう
- 電話応対で使いたい便利なフレーズも紹介
コロナ禍での採用活動で導入されるようになった電話面接。
面接の方法としては浸透しつつある形式ですが、就活中の学生は一般的に、社会人との電話の経験が少ないのではないでしょうか。応募した企業から電話面接を案内されても、電話のマナーなどの不安や疑問を覚える人もいるかもしれませんね。
しかし、電話面接が初めてという人や、そもそも電話が苦手だという人も、マナーやコツを把握すれば、自信を持って電話面接に臨めるようになるはずです。キャリアコンサルタントの岩﨑さん、上原さん、鈴木さんのアドバイスを交えつつ、電話面接の対策やコツを解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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電話面接は基本マナーとコツの理解で攻略できる
電話面接といっても、面接の内容そのものは対面面接とほとんど変わりません。しかし、対面面接とは違って、お互いの表情、身振り手振りが目に見えないため、自分を印象付けることが難しくなります。
この記事では、そんな一見難しそうな電話面接を突破するための基本マナーとコツを中心に解説していきます。電話面接ならではの注意点や、押さえておきたいポイントもアドバイスつきで記載しています。
また、電話面接に臨む前に身につけておきたい用語や、事前準備にも触れているので、電話面接を攻略するための参考にしてみてください。
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そもそも電話面接とは?
電話面接とは、文字通り「電話を使用した面接方法」です。一般的には、応募者が遠方に居住しているなど、対面での面接が困難な場合などに用いられる方法ですが、近年では新型コロナウイルス感染症の影響もあり、非対面の面接形式として取り入れている企業も増えてきています。
同じ非対面形式の面接として、ZOOMなどのオンラインアプリを利用したWEB面接も挙げられますね。ただし、ほとんどの場合は面接に使用する端末のビデオをオンにして面接をおこなうため、対面面接とそこまで大きく変わらないといえます。
それに比べて、電話面接は面接官と応募者が一対一で、声のみのコミュニケーションを取ることになります。スピーディで手軽におこなえるため、一次面接など応募者が多い段階での面接で導入している企業が多い傾向にあります。
WEB面接の特徴や対策はこちらの記事で解説しているので、WEB面接を控えている人は併せて参考にしましょう。
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アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る電話面接は優秀な学生の応募見送りを防止するために使われる
電話面接は、一般的に一次選考で取り入れられている面接方法です。
電話面接を取り入れる企業には、「優秀な学生のスケジュールが合わずに自社への応募を見送ってしまう」ということを防ぐ目的があります。
選考が集中している時期は、他企業との面接や移動時間などで学生が時間を捻出できないという問題が発生しかねません。そこで、より良い学生の採用を積極的におこなうために、移動時間や準備が手軽な電話面接を活用します。
電話面接は学生のバックレ防止として用いられるケースも
また、電話面接は実施が簡単なことから、選考で起こりやすい学生の「バックレ防止策」として取り入れています。
企業と学生は必ずしも厚い信頼関係があるわけではありません。学生が無断で面接に参加しない「バックレ」を防止するために、企業は選考初期の段階で電話面接を実施するのです。
難易度高め? 電話面接のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
履歴書などを手元に置いておける | 面接官の反応がわかりづらい |
対面面接やWEB面接と比べて、電話面接には面接官、応募者ともにお互いの姿が見えないという特徴があります。面接は、一般的に会話を意識しておこなわれることが多いため、表情が相手に伝わりづらいということに不安を覚える人もいるかもしれませんね。
面接は、一般的に会話を意識しておこなわれることが多いため、表情が相手に伝わりづらいということに不安を覚える人もいるかもしれませんね。しかし、自分の動作が見えないからこそのメリットもあります。
以下で具体的に、電話面接でのメリットとデメリットを考えていきましょう。
メリット:履歴書などを手元に置いておける
電話面接では、電話を通じて面接官と面接をおこなうため、自分の姿は相手には見えません。その特徴を利用して、自分が出した履歴書やエントリーシート(ES)を手元に置いて面接を受けることができます。
履歴書やESを見ながら面接すれば、自分のアピールポイントをしっかり伝えやすくなります。履歴書やESに書いた内容と、実際の面接で話す内容とのずれが起こりにくくなり、話の要点を絞って話すことができるからです。
また、面接官からの質問への回答も、あらかじめ自己分析をおこなったメモなどを持っておけば、比較的答えやすくなるでしょう。
デメリット:面接官の反応がわかりづらい
反対に、相手の姿が見えないという点では注意が必要です。対面面接やビデオをオンにしたWEB面接では、自分の話に対する面接官の反応を、表情や身振りなどである程度判断することができますが、電話面接では主に相手の声色で判断するしかありません。
面接官の反応が見えれば、相手の表情を見て話す内容を変えたり、もっと深掘りして話したりして、面接の内容を濃くすることができます。しかし、電話面接ではそういった対応が難しくなります。
電話面接では、面接官の相槌や声のトーンに注意して面接を進めることが必要です。自分の話や回答に対して、面接官がどのような反応をしているのか、時には想像力も働かせて面接を受けましょう。
ジェスチャーや目線でアピールすることが難しく、声だけで判断されることになります。普段表情で語りかけるタイプの人や、たとえば作品を持ち込むことを考えている人などは、差別化がしにくくなるでしょう。
電話面接で面接官が見ているポイント
電話面接で相手の反応が見えないのは企業側、つまり面接官も同じです。そのため、面接官には、対面面接の時よりも注意して見ている応募者のポイントがあります。
電話応対は、社会人になっても必要な重要スキルになります。取引先の企業や顧客、社内の内線など、仕事上で電話をする機会は多くあるでしょう。
電話での応対をスムーズにこなせば、「即戦力になる」といった好印象を与えられるため、以下のポイントをきっちり押さえて面接に臨みましょう。
電話応対のマナー
電話を受けた時のマナーは、社会人として重要なポイントです。たとえば、電話応対のマナーができていない社員に社外の顧客の電話を取ってもらうことはできませんよね。また、営業など社外の顧客とかかわることが多い職種の場合、電話でのアポイントを取ってから訪問することがほとんどです。
電話面接では、電話に出たり、面接の終了後に電話を切ったり、時には担当の面接官に取り次いでもらう必要があります。特に学生は電話に不慣れな人が多いと思いますが、そこでしっかりとしたマナーを企業側に見せれば、面接官の印象に残るはずです。
電話応対のマナーは後述しているので、基本マナーを学んで電話応対をこなせるようにしてくださいね。
入社後に電話対応の教育を受けるケースが多く、細かいマナーまではそれほど気にする必要はありません。
ただし、声の質や電話の受け答え方は、特にコールセンターや営業で顧客と電話対応がメインになる職種では見られがちです。
一般的には、ぼそぼそと暗い声で話をする人は気をつけた方が良いと思います。
電話面接に限らず、そもそも面接でのマナーに自信がない人は、こちらの記事を事前に読んでおきましょう。
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コミュニケーション能力
対面面接でももちろん必要ではありますが、電話面接でより重視されるポイントがコミュニケーション能力です。
対面での会話であれば、相手の目線や表情、身振り手振りも含めたコミュニケーションが可能ですが、電話での会話は声のみに限られるため、細かい相槌やわかりやすいリアクションが必要となるからです。
沈黙が長くなると相手に「聞いているのかな?」と心配されてしまう可能性があります。そのため、面接官の質問や、逆質問に答えてもらっている時などは、適切なタイミングで相槌を打つようにしましょう。
コミュニケーション能力は、どの職種でも重要視されるスキルです。対面よりもコミュニケーションの難易度が上がりがちな電話で、相手にやりづらさを感じさせないよう注意し、コミュニケーション能力が備わっていることをアピールすることが大切です。
話し方の癖やペース
意外と見逃されがちですが、話し方の癖やペースなども面接官が見ているポイントです。
電話での会話では、つい「あー」や「えー」など、無駄な言葉が増えてしまうという人もいるのではないでしょうか。また、早口すぎたり、逆に話し方がゆっくりしすぎていたりすると、面接官が話を聞き取りづらいと感じる可能性があります。
相手が聞き取りづらかったり、不快に感じるような話し方は印象が下がってしまいます。特に電話だと、姿が見えない分話し方は直接人物像に結びつきます。電話面接の時は、社会人としてビジネスの会話でふさわしい話し方を意識しましょう。詳しい話し方は後半で解説します。
アドバイザーコメント
岩﨑 千夏
プロフィールを見る通常面接の評価ポイント+電話ならではの注意点を意識しよう
電話面接で企業が見ているポイントは、基本的には対面やオンライン面接と変わらないと思います。ただし、電話ならではのマナーや気を付けておくべき点が存在します。
まずは準備として、予め企業からの受電時刻が定められているはずなので、その時間には数コール以内で電話に出られるように、手元はきちんと整え、気の散るアイテムを排除し集中しておきましょう。
重要なのは「声」
「声だけだから表情までは伝わらない」と思ったらそれは間違い。電話だからこそ、面接官は声から全てのことを推察し評価するのです。明るく元気な声で話すことは印象を良くするので、くれぐれも寝起きや自宅以外の騒がしく集中できない場所での面接は避けましょう。
「声」が重要なので、アナウンサーがするような発声練習を事前にしておくと滑舌が良くなり、発声しやすくなります。
対面面接と同様に自分らしくアピールしよう
使うツールが電話になっただけで、面接で見ているポイントは変わりません。大切なのは「面接官とのキャッチボール」と「学生らしい元気で素直なところ」です。
いくら志望動機をすらすら語れても、今は情報が簡単に手に入ることは面接官もわかっています。面接官が好むのは自分らしさを十分に出した受け答えということも覚えておいてください。
面接が迫っている人は、頻出質問の回答例だけでも予習しておこう!
面接でどんな質問がされるか、そして答えられるか不安ですよね。ただ、企業によって何を質問されるか分からない人も多いはず。
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電話面接の一般的な流れ
電話面接が初めてで不安という人のために、ここで一般的な電話面接の流れについても解説していきます。大まかな流れは対面面接やWEB面接と変わりないため、形式が違うからといって緊張することはありません。
面接当日は、企業からの電話面接の案内を事前に確認しておきましょう。スムーズに面接に入れるよう、準備や流れの確認はしっかりとおこなうことが大切です。また、面接が長引いてもいいように、電話の充電をしておくこともおすすめします。
面接自体の経験が少ない人は、こちらの記事で一般的な面接の流れも確認しておきましょう。
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選考突破のカギは、就活独特の面接の流れを押さえることです。面接の一連の流れを押さえるだけでなく、選考の種類別の流れも押さえておきましょう。入退室の所作と頻出質問が要です。専門家であるキャリアコンサルタントと面接の流れを解説するので、参考にして、実力を発揮できるよう準備してください。
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企業からの電話を取る
企業にもよりますが、面接官側から電話をかけてくることが一般的です。面接当日は、企業から指定された時間の約5~10分前には全ての準備を終えて電話を待ちましょう。電話番号が非通知の場合もあるので、非通知設定の解除をおこなっておくことが必要です。
電話がかかってきたら、可能な限り3コール以内で取り、該当の企業であることを確認してから面接に入りましょう。電話を取るまでに時間がかかってしまったら、「お待たせして申し訳ありません」など面接前に一言添えると印象が良くなります。
また、指定された時間を過ぎても電話が来ない場合は、10分ほど待ってみてから、企業側に電話をかけます。電話をかける前は、指定時間に間違いがないか、どの電話番号にかけるかを企業からのメールやホームページ(HP)などで確認しましょう。
電話の受け方の注意点としては、電話面接に慌てずに対処するため環境整備をしておくことです。
ハンズフリー設定など面接環境の準備をしておくことで、メモをとりやすい環境整備などができます。
面接・逆質問
面接官との電話が通じたら、面接を開始します。先述したとおり、履歴書などの書類を手元に置きながら面接ができますが、書類をめくる音が聞こえてしまったりする可能性があります。周囲の環境音に注意しながら面接を受けるようにしましょう。
面接中に自分がどのような回答をしたのかを覚えておくためにも、電話をしながら面接内容をメモできるよう、ハンズフリー機能での通話がおすすめです。
面接官からの質問のあとは、逆質問の時間が設けられることが多いので、面接の内容も踏まえながら質問をしてみると、内容の濃い面接にすることができます。たとえば、面接中に自分のやりたいことやつきたい職種について回答した時、その内容についての逆質問をすると、入社後のイメージが一貫している印象を与えられます。
どんな内容の逆質問をするべきかわからない人は、こちらも参考にしてみてください。業界ごとに質問例をまとめています。
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面接の最後に聞かれる「質問はありますか」、いわゆる逆質問は、評価を左右する対策必須の質問。逆質問に回答するための準備や回答例、NG行動などについてキャリアコンサルタントが解説します。面接の「質問はありますか」で周りと差をつけるコツも紹介するので、参考にしてください。
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- 電話面接だからこそ聞かれやすい質問はありますか?
「逆質問」は聞かれやすいため準備しておこう
電話面接だからこそ聞かれやすい質問として、逆質問が挙げられます。
電話面接では相手の顔が見えません。
面接官は、面接を通して就活生にたくさんの質問をします。ですが、声のトーンでしか相手のことを知る由がないため、最後に逆質問を通して、学生の熱意を聞くのです。
一方で、電話面接は環境にもよりますが、面接時にメモを取れるという利点があります。
メモが取れる環境にあれば、面接の中から質問したい事項をまとめておき、端的に逆質問していきましょう。
面接を終了し通話を終える
面接が終了したら、「本日はありがとうございました」など相手に感謝を告げてから通話を終了します。「失礼いたします」という挨拶も忘れないでくださいね。
面接の終了時に、企業から次回面接に進む場合の案内などの事務連絡がある場合も。伝えられた内容はしっかりとメモをするよう心掛けましょう。
下記でも触れますが、電話のマナーとして基本的には自分から電話を切るべきではありません。また、通話が確実に終了したことを画面で確認することも大切です。電話が切られていない状態で、誰かと話したり物音をさせてしまう可能性があります。
面接が完全に終了し、電話が切れるまでは気を抜かないようにしましょう。
39点以下は要注意!
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電話面接で必須の4つの事前準備
電話面接で必須の4つの事前準備
- 筆記用具とメモ帳
- 自分の履歴書やES
- 企業の参考資料
- 質問への回答を想定したメモ
電話面接の大まかな流れを理解したところで、面接に臨む前に必ずやっておきたい準備を解説していきます。対面面接でももちろん事前準備は大切ですが、非対面だからこそ入念な準備を心がける必要があります。
書類を見ながら面接できるメリットを活かして、参考資料をしっかり手元に置いておくこと、電話をする環境などに注意を払うことなど、以下の4つのポイントを押さえて電話面接に備えてくださいね。
電話面接に限らず、面接の前にしておくべき基本的な準備があります。こちらの記事を参考に、万全な状態で面接を迎えましょう。
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面接は、身だしなみやマナー、頻出質問の回答など、網羅的に抜かりなく準備をすることが面接突破につながります。前日・会場到着前後・面接直前に切り分けて準備するべきことや心構えについて、3名のキャリアコンサルタントの意見を交えて解説します。
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①筆記用具とメモ帳
対面面接でもメモを取っていい場合がありますが、電話面接では相手の視線を気にすることなくしっかりメモを取ることが可能です。重要な事項は必ずその場でメモを取るようにしましょう。
また、逆質問の回答なども欠かさずメモを取るようにすれば、次の面接で生かすこともできます。たとえば、二次面接・三次面接と進んだ時に「前回の面接で印象に残ったことはありますか」などの質問をされることがあるので、メモの内容を思い出しながら答えられると内容の充実した回答になります。
また、次回の面接の案内などの事務連絡をその場で伝えられる場合もあります。電話面接の時は必ずメモと筆記用具を用意しましょう。
②自分の履歴書やES
前述のとおり、電話面接では自分が提出した履歴書やESを見ながら面接を受けることができます。履歴書やESは企業に提出するものなので、提出前にコピーして控えを手元に置いておく習慣をつけておきましょう。
面接官は応募者の履歴書やESを見ながら面接をします。中には履歴書やESに沿った内容で面接を進めていくこともあるので、自分の書いた内容をしっかり覚えておくことが重要です。そのような時、履歴書やESを実際に見ることで、記載内容と矛盾する回答を避けられます。
ESなどと面接の回答内容が矛盾していると、面接官は「行き当たりばったりな人」「自己分析が十分にできていない」と感じます。
また、多くの企業を受ける中で、企業の特徴を覚えていないくらいの熱意であるとか、どこでも通用するような回答をつくっているのではと余計な推測も生まれるかもしれません。
自分の意思や志望動機を一貫させるためにも、企業への提出書類は手元に置いて面接を受けることをおすすめします。
③企業の参考資料
履歴書やESと一緒に置いておきたいのが、面接を受ける企業の参考資料です。
面接では自分のことだけではなく、業界についても質問されることがあります。その企業についてのパンフレットや、自分で調べたメモなどを見ながら、しっかり答えられるようにしましょう。
たとえば環境問題に注力している企業であれば、その問題について取り扱った新聞記事などを用意して逆質問の時に組み込めば、「よく研究している」という印象を与えられます。
また、その企業の商品についての情報資料や、競合他社の参考資料も準備しておくと、より業界研究の成果を披露できます。
企業に関する資料の他にも、自分史などの自分の経歴や活動の記録は手元に準備することをおすすめします。
過去の経験について話し、突然「いつのことですか」と聞かれたときに、瞬時に年月を答えるのは難しいものです。どぎまぎしてしまい、頭が真っ白になってしまうきっかけになりかねません。
また面接中にトラブルが起きたときのために、企業の連絡先は前もって紙に書いて手元におきましょう。
④質問への回答を想定したメモ
面接官からの質問は、基本的なものについてはある程度まで回答を用意しておきましょう。たとえば「強みを教えてください」「志望動機を教えてください」などはよく聞かれる質問です。そういった質問に対する回答をあらかじめ準備したうえで手元に置いておくと、自信を持って本番に臨めますよ。
面接の頻出質問
- 自己紹介をお願いします。
- 自分の強みを教えてください。
- 学生時代に力を入れたことを教えてください。
- 入社後はどのように貢献していきたいですか?
- 今後のキャリアプランについて教えてください。
- なぜこの業界・この企業なのですか?
- 就活の軸を教えてください。
他にも面接で頻出する質問についてはこちらで解説しているので、回答を準備する際の参考にしてみてくださいね。
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面接の質問に回答するためには、事前準備が重要です。面接でよく聞かれる質問と回答例に加えて、質問に答えられない時の対処法についてもキャリアコンサルタントが解説します。伝え方を意識して、面接の質問対策をしましょう。
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また、志望動機や自己分析のメモなども手元に置いておくと、深掘りされた時にスムーズに回答できます。
- 回答のメモを見ながら話していることがばれると、印象が悪くなりませんか?
必ずしも「回答のメモを見ること=悪」とはならない
「キーワードを書いておく」程度であれば、伝えたいことを漏れなく伝える意味では役立つでしょう。回答のメモを見ること=悪とは必ずしも思いません。
想像してみるとわかりやすいと思いますが、同じ志望動機を聞いている場合でも、「志望動機を教えてください」というストレートな聞き方もあれば、「弊社のどこに魅力を感じますか?」など、面接官によってさまざまです。
面接はキャッチボールなので、聞かれたことに答えることが大切であり、メモの文章を丸ごと読み上げていてはこの「キャッチボール」が成り立ちませんよね。
そのため、メモを読み上げるだけ、というのは避けましょう。
面接官からの評価が点数でわかる! 本番に備えて面接力を測定しよう!
自分が面接官の目にどう映っているか、きちんと把握できていますか?
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39点以下だと実力を発揮できていない可能性が高いです。診断結果から改善策を提案するので、本番に向けて対策しましょう。
- もうすぐ初めての面接がある人
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電話面接での基本マナーを覚えよう
電話面接での基本マナー
- 3コール以内で電話を取る
- 電波が良く静かな場所で話す
- 丁寧な言葉遣いを意識する
- 自分から電話を切らない
今まで解説してきたように、電話でのマナーは電話面接においてとても重要です。ビジネスにおいて、電話応対は基本的に必要となるスキルになるため、正しいマナーで電話面接をこなすことができれば、面接官に好印象を残せます。
とはいえ、細かいマナーについては実際に入社したあとに覚えていけば問題ありません。基本をきちんと押さえておけば、マナーのある学生という印象を与えられるでしょう。
ここでは電話面接で押さえておきたい4つのマナーを解説していきます。
3コール以内で電話を取る
企業からの電話は可能な限り3コール以内で出るよう心がけましょう。これは、電話をかけた面接官を待たせないための配慮です。
実際に社会人として働くようになってからも、電話を3コール以内に出ることは基本マナーとして教えられます。電話先で取引先や顧客を待たせてしまうと、企業そのものの印象が悪くなってしまいます。
そのため、電話面接の時点で、電話は早く出ることを意識してみましょう。指定された面接時間の数分前から電話の前で待つようにすれば、かかってきた電話を逃さずに済みます。とはいえ、3コール以内に出れなかったからといって、必ずしも失礼にあたるわけではないので、安心して面接を受けてくださいね。
電波が良く静かな場所で話す
電話面接は、長い時間面接官と電話を通して会話することになります。そのため、途中で電波が途切れてしまったり、周囲の音で話が聞き取れなかったりすると、面接が中断されてしまいます。
このように中断が続くと時間が押してしまう可能性もあり、企業側に迷惑がかかってしまいます。あらかじめ電話面接を案内していたにもかかわらず、ふさわしい環境を用意していないと、「準備不足」という印象を面接官に与えてしまうかもしれません。
電話面接を受ける時は、必ず電波の状況を確認してから、物音の少ない静かな空間を選ぶようにしましょう。
電話面接を受ける場所としてふさわしいのは、外音が入りづらく電波環境も安定している場所です。
対して、ふさわしくない環境はカフェなど他人が多くいる場所です。落ち着いて面接できるようにしましょう。
丁寧な言葉遣いを意識する
電話面接では、自分の言葉遣いにより注意してみてください。電話越しの会話だと、自分の表情や身振り手振りが伝わりづらいため、口調を柔らかくして話すことを心がける必要があります。
一般的に、ビジネスの電話では、家族や友人と話すような言葉遣いはふさわしくありません。しかし、丁寧な言葉遣いを意識するあまり、おかしな敬語になってしまうことも避けたいですね。敬語を使い慣れていないという人も、最低限「です」「ます」といった丁寧語は忘れないようにしましょう。
電話で使えるフレーズについては後述するので、そちらも参考にしてみてください。
自分から電話を切らない
企業との電話面接では、基本的には自分から電話を切らないことがマナーです。目上の人と電話をする場合、こちらが先に電話を切るのは失礼とされているからです。そのため、面接が終了した時は「失礼いたします」と言った後、面接官が電話を切るまで待ちましょう。
ただし、相手もなかなか電話を切らない場合もあります。電話をかけた方が先に切ってはいけないというマナーもあるため、面接官もこちらが電話を切るまで待っている可能性もあります。そういった時には、もう一度「失礼いたします」などと断ってから電話を切っても、失礼にはあたりません。
状況によってはこちらから切らざるを得ない場合もありますが、面接が終了したとたんにいきなり自分で電話を切ってしまうことは避けましょう。
- 万が一途中で電話が切れてしまったら、どのように対応すればいいでしょうか?
事前の準備を怠らず指示通りに対応しよう
予め電話面接中にトラブルが起きたときの対処方法や連絡先は企業側から指示されるので、その指示通りに落ち着いて対応してください。
連絡先などトラブルの対処法は、事前に紙に書いて手元においておくことが必須です。
トラブルが起きたときの対応の仕方も見られるポイントの1つ。落ち着いて適切に対応できると印象が良くなります。
面談中のトラブルはよく発生するので、万が一を想定した十分な準備が必要です。
面接の不安を解消! 本番前に面接力を測って弱点を発見しよう
不安を抱えたまま面接本番に臨むと、面接官に好印象を残せず、内定が遠のいてしまう可能性があります。
そんなときこそ「面接力診断」を受けましょう。
簡単な質問に答えるだけで自分の弱点がわかり、改善方法も提案してもらえます。ぜひ活用して面接を突破してください。
- 近く面接本番を控えている人
- 自分の面接の改善点を知りたい人
- 過去の面接で力を発揮しきれなかった人
電話面接を成功させる5つのコツ
電話面接を成功させる5つのコツ
- 明るくハキハキと話す
- メモを取る
- 対面面接よりも細かく相槌を打つ
- 声色に変化をつける
- 大事な点は復唱する
電話面接にはいくつかのコツがあります。今まで解説してきたとおり、電話面接と対面面接の一番大きな違いは、「お互いが見えない」ということです。その点を踏まえたコツをつかめば、電話が苦手だという人や、電話面接が初めてだという人も、電話面接を成功させる確率は高くなります。
以下で5つのコツを解説していきます。
電話面接に限らず、面接を突破するにはさまざまなコツがあるので、こちらの記事も併せて確認しておきましょう。
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①明るくハキハキと話す
面接において重要なポイントの一つは、第一印象です。電話面接では、自分の表情や動作が見えないため、話し方でその人の印象が左右されます。
面接官に好印象を残すために、まずは電話を取った時からハキハキと話すことを意識しましょう。面接中は常に聞き取りやすい口調を心がけてくださいね。
朝の早い時間などに面接をすると、起きたばかりで眠そうな声になってしまう可能性もあります。面接前に声を出してみて、ウォームアップしてから臨むことをおすすめします。
- 電話だと暗いと言われることがあります。ハキハキと話すためのコツなどはありますか?
表情や声の大きさを意識してみよう
対面の時よりも表情豊かにすること。声のトーンを意識することによって、ハキハキと話せるようになります。
よく言われている項目には、「口角を上げ、笑顔で話す」「姿勢を正して話す」「普段より高めの声を出す」「大きめの声で話す」などがありますが、突然変えるのも難しいですよね。
少なくとも、電話だからと言って小さな声ではなく、大きめの声かつゆっくりしたテンポで、はっきりと話すことを心がけてみましょう。
②メモを取る
面接中は必ずメモを取ることを心がけましょう。声のみのコミュニケーションでは、聞いたことを忘れてしまったり、間違えて覚えたりする可能性が高くなります。
面接は、企業のHPやパンフレットには載っていない話や、実際に働いている人から直接話を聞ける貴重な機会です。志望している企業であれば、積極的に情報を収集するためにもメモは欠かせません。
また、自分の回答に対して、あとから深掘りされる可能性があります。答えた内容はしっかりとメモに残しましょう。
電話面接中、面接官には応募者の動作が見えていません。メモを取っている途中でも、次の質問に入ってしまう場合があるので、メモは簡潔に素早く取るようにしましょう。
次回の選考に関すること、今回の選考結果の連絡方法など、選考に関する連絡事項は詳細を確認しておきましょう。
このとき提出物やその期限についても連絡があるかもしれません。面接官からの話が無い場合でも、念のため聞いておくと安心です。
③対面面接よりも細かく相槌を打つ
電話面接では、面接官に対して、対面面接よりも細かく相槌を打ってみましょう。たとえば、逆質問で面接官の話を聞いている時、無言のままでは面接官に「この子は話を聞いているのかな?」と思われてしまうかもしれません。
相手に興味を持っているということをアピールするためにも、電話越しでは相槌を打つことを意識しましょう。
もちろん、相手の話をさえぎってしまったり、おおげさ過ぎる相槌は避けてください。あくまで自然に、適切なタイミングを意識して、対面時よりも細かく相槌を打つようにしてみてくださいね。
相槌は多く打てばよいというものではありません。多すぎると相手の発言を遮ってしまいます。
また、「はい」「ええ」といったワンパターンになってしまうのも避けたいところ。「そうですね」「そのとおりですね」「本当ですね」などとバリエーションをつけるとよいでしょう。
④声色に変化をつける
お互いの姿が見えない電話面接では、抑揚をつけて話すことが肝心です。対面面接では、応募者の表情も注意して見られているということと同様に、電話面接では話し方によって応募者のコミュニケーション力などを判断している場合もあります。
挨拶や相槌、返答は明るくハキハキとした声で、自分のエピソードを話す時は単調にならないよう、特に聞かせたい箇所は力を込めて話すなど、声色に変化をつけることを意識してみてください。
話し方が単調にならないために、電話越しであっても身振り手振りをつけたり、表情豊かに話してみると、声だけでも感情が伝わりやすくなります。声色に変化をつけて話すと、相手に内容が伝わりやすくなるので、意識して話してみましょう。
身振り手振りは使い方によっては逆効果となる場合も。身振り手振りの適切な使い方はこちらの記事を参考にしましょう。
⑤大事な点は復唱する
重要な点や、案内をされたことは復唱して確認しましょう。復唱することによって、自分の記憶にも残りやすくなります。また、面接官の話などを自分の言葉で噛み砕いて確認することによって、「しっかりと話を聞いている」という印象にもつながりやすくなります。
これは仕事においても大切なことです。復唱し、相手と認識の相違がないことを確認することは、社会人として働くうえで基本的な姿勢といえるでしょう。
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る受け答えを意識すれば好印象につながる
電話面接で大切なのは、ハキハキと明るい受け答えをすること。
当たり前のことですが、面接官は声しか聞くことができないことを改めて意識してください。声で印象が決まってしまいます。少し大きめな声で明るく対応することで、印象に残りやすくなります。
また対面の時よりも表情豊かにするように心がけてください。自然と声に張りが出てきます。
理解できなかった点は聞き返して間違いを防ごう
最近は、電話をする機会自体が少なくなっています。慣れの問題も大きいと思いますが、電話での会話は聞き取りづらかったり内容が伝わりにくかったりすることが多いものです。
よく理解できないときには恥ずかしがらないで、きちんと聞き返すことが必要です。どこまで理解できていて、どこがわからないのか具体的に聞き返してください。「全部わかりません」では、呆れられてしまいます。
また確認すべき重要な伝達事項については、面接官に言われなくても「復唱させていただきます」ときちんと復唱することで、間違いを減らし好印象につながります。聞き間違えをしている人は意外と多いものです。
電話面接で覚えておきたいフレーズ
電話面接で覚えておきたいフレーズ
- 〇〇様はいらっしゃいますか?
- おそれいります
- かしこまりました(承知いたしました)
- お電話が遠いようですが~
ここで、実際に電話面接中に使えるフレーズをいくつか紹介します。学生の場合、使ったことのない言い回しもあるかもしれません。しかし、社会人相手に電話する時には、家族や友人に対するような言葉は適切な表現で言い換えて使うべきです。
以下は最低限押さえておきたい基本的なフレーズです。ぜひ覚えて、電話面接中に使ってみてくださいね。
担当者に取り次いでもらう時
たとえば、何かしらの理由でこちらから企業に電話をかける時、担当の面接官ではなく別の社員が出る可能性があります。その場合、担当者に電話を取り次いでもらう必要がありますね。
そういった時はまず相手に名乗った後、簡単に用件を伝え「〇〇様はいらっしゃいますか?」と確認しましょう。「ご在席でしょうか?」といった言い方でも問題ありません。
担当者が在席していて、取り次いでもらうため電話に出ている社員に「お待ちください」などと言われた時には、「恐れ入ります」「お手数をおかけいたします」と取り次いでもらうことに対して感謝も伝えましょう。
「わかりました」を伝える時
「わかりました」という意思を伝える時は「かしこまりました」や「承知いたしました」を使いましょう。
つい使ってしまいそうになるのが「了解です」というフレーズですが、こちらは避けるべき表現です。一般的に、目上の人に対して「了解」は使うべき言葉ではありません。
「わかりました」も失礼にはなりませんが、社会人として印象が良いのは「かしこまりました」「承知いたしました」といったフレーズになります。仕事で上司や社外の人と話す時にも頻出する表現なので、今のうちに覚えておきましょう。
聞き返したい時
電話面接では、注意していてもどうしても電波の状況や相手の声のトーンなどで言葉が聞き取りづらい時があります。そういった時は、「お電話が遠いようでして、もう一度お伺いできますか?」ともう一度繰り返してもらうようにお願いしましょう。
聞き取れたふりをして無理やり返答するよりも、聞き返して確実な会話をした方がスムーズに面接を進めることができます。何度も聞き返すと相手も不快に感じてしまうかもしれませんが、2、3回ほどであれば失礼にはあたりません。
聞き返しても聞き取れない場合は、どちらかの電話環境に問題がある可能性があります。そういった場合、聞き取りづらいという現状を正直に面接官に伝え、一度電話を切ってつなぎ直すことも検討しましょう。
- 面接官側の電波が悪いと感じても、なかなか指摘しにくい気がします……。
遠慮せず正直に電波が悪い旨を伝えよう
面接官側の電波が悪いと感じた場合は、正直に面接官に伝えることが一番重要です。
面接官としても、電波が悪くなってしまうというイレギュラーは想定しているため、正直に電波環境が悪いということを伝えて問題ありません。
伝えないことで面接がスムーズに進まないことが1番のリスクです。
面接後に電話を切る時
電話面接が終了し、電話を切る時は「本日はありがとうございました」と面接官にお礼を伝えましょう。その後、「失礼いたします」と言ってお互いの通話を終了します。
面接自体は終わっていても、面接官は電話の切り方まで見ています。最後まで気を抜かずに、正しい言葉遣いとマナーを心がけて電話面接に臨みましょう。
なお、電話の切り方については、「電話面接での基本マナーを覚えよう」でも詳しく解説しているので、そちらも合わせて覚えることをおすすめします。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る「おっしゃる通りです」も覚えておこう
電話面接で便利なフレーズとして、「おっしゃる通りです」が挙げられます。
特にビジネスの場面でよく使われている言葉ですが、普段は全く使わないので聞き慣れない言葉ですよね。「おっしゃる通りです」という言葉は、相手が話したことに対し同意をする場面で使われます。
「おっしゃる通りです」は聞き返された場合に使える便利なフレーズ
面接官は就活生の回答に対して質問をする前に、自分の頭の中で考えをまとめてから聞き返す質問の場面があります。
このような場面で面接官は、「〇〇ということで良いですか?」や「〇〇ということで合っていますか?」と聞き返す質問をします。
このような場合、「そうです」や「その通りです」という回答と「おっしゃる通りです」という回答では、「おっしゃる通りです」という使い方がビジネスでは一般的な言葉遣いになるので、同意をする場合は心掛けてください。
マナーが備わっていることをアピールできます。
本番前に電話面接の練習をしよう
電話応対をほとんどしたことがない、電話応対が苦手という人もいると思います。経験のない状態で、いきなり本番の電話面接に臨むのは不安ですよね。
そのような時は、周囲の人にお願いして練習に付き合ってもらい、面接の精度を上げていくことをおすすめします。家族や友人に面接の練習に付き合ってもらうのは少し恥ずかしいという人は、キャリアアドバイザーのような就活専門家に依頼してみてくださいね。
ここからは、電話面接の練習方法について解説していきます。
電話面接については、面接中に相手の表情などをうかがうことができないため、実際は失敗していないのに、自分で失敗してしまったと思い焦ってしまうことがあります。相手が見えないほど不安感が強まるので、練習は非常に重要です。
録音して確認する
まずは、言葉遣いや声のトーンを確認するためにも、電話の録音機能などを使って自分の面接を振り返ってみましょう。実際に電話面接を受ける前に、練習を録音し、話し方のペースは適切か、電話越しで聞き取りやすいかなどを確認します。
実際に話している声と、電話越しに聞く自分の声はかなり違って聞こえるかもしれません。自分では表現豊かに話しているつもりでも、電話の録音では無愛想に聞こえてしまうこともあります。
また、話し方の無意識な癖を見つけられる場合もあります。先述したとおり、電話面接ではビジネスにふさわしい話し方がより求められます。録音によって自分の話し方を客観的に確認し、改善点を見つけてみてください。
録音を確認する際のチェックリスト
- 話し方のペースは適切か
- 声のトーンは電話越しで聞き取りやすいか
- ビジネスにふさわしい話し方ができているか
家族や友人と練習する
自分一人で練習をおこなうより、他の人に聞いてもらってフィードバックをもらった方が面接は上達します。一番手っ取り早い方法は、家族や友人といった身近な人に頼んで練習を聞いてもらうことです。
実際の電話面接を想定し、電話の受け方から終了時まで通しで付き合ってもらいましょう。自分で流れや質問などを考え、メモに起こしたものを面接官役の相手に渡して練習してみると、シミュレーションにもなるため、本番でも落ち着いて面接を受けることができるようになります。
家族や友人相手だと、リラックスした状態で練習できますね。また、親しい相手だからこそ、自分の話し方の癖や修正するべき点を指摘してもらえるかもしれません。
会話のキャッチボールができているかという点と、マナーなどを見てもらいましょう。仕事内容や事業に関しては、その会社の人でないとわかりづらいですからね。
ただ、「他の会社とどこが違うのか?」に関して、深掘りして質問されても答えられるように、相手に面接官役をしてもらうといいかもしれません。
面接練習の流れやコツを知りたい人は、こちらの記事で詳しくまとめているので参考にしてください。
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就活のプロと練習する
家族や友人といった親しい間柄の人に練習相手になってもらうのは恥ずかしい、という人は、就活の専門家であるキャリアアドバイザーなどに依頼するのも方法の一つです。
具体的なアドバイスや改善点を教えてもらえるため、電話面接に向けて万全の対策をしておきたいのであれば、就活のプロと練習することが最も効率的と言えます。
また、大学のキャリアセンターでも面接練習をしてくれる場合があります。キャリアアドバイザーを探すのはハードルが高いという人は、まず大学の就活専門窓口で依頼してみましょう。
要注意! 電話面接でのNG例
ここで、電話での応対でやってしまいがちなNG例をいくつか紹介します。少しぐらいのマナー違反は見逃されることが多いですが、典型的なNG例は確実に避けましょう。
電話応対は社会人になってからも必要になるスキルです。今のうちにやってはいけないことを覚え、電話面接の時も意識してみましょう。
「もしもし」と電話に出る
「もしもし」は電話に出る時のお決まりの挨拶のため、つい使ってしまう人も多いですよね。しかしビジネス上では相手に失礼にあたる言葉とされています。
すでに電話番号を登録している企業からの電話を出る時には「はい、〇〇です」と名乗るか、知らない番号の場合は「はい」と答えるのみで問題ありません。
また、電話をかけた時は「お世話になっております」などをつけたり、電話中に相手の声が聞こえなくなってしまった時は「聞こえておりますでしょうか?」などと伝えましょう。
大学名や氏名を名乗らない
電話で自分の名前を名乗ることは基本的なマナーです。前述のとおり、電話を受けた時は、知らない番号の場合は名乗らずに「はい」とだけ答えても問題ありませんが、電話をかける時は必ず自分から名乗りましょう。
特に応募している企業の場合は、企業側は大学名と氏名で応募者を登録していることが多いです。担当者に手間をかけさせないためにも、電話をかける時はまず始めに「自分の大学名」「フルネーム」を伝えます。
また、担当者が不在の場合は折り返しの電話番号を聞かれる場合もあります。電話番号を伝えたあとは、間違いがないようにもう一度大学名と氏名を伝えましょう。
二重敬語を使う
二重敬語とは、敬語表現が重複している言葉のことです。「ご連絡させていただきます」「お伺いさせていただきます」など、尊敬語+尊敬語などの組み合わせが該当します。電話面接で緊張していると、つい誤って使ってしまうこともあるでしょう。
学生のうちは、敬語を使う機会があまりないため、知らない人も多いかもしれませんね。また、面接官によってはそこまで気にしないという場合もあります。
しかし、ビジネスシーンでは正しい敬語を使うことが求められます。面接の時点で正しい敬語を使えば、面接官に好印象を与えることができるでしょう。以下の表も参考にして、電話面接でも使ってみてください。
二重敬語 | 正しい表現 |
---|---|
ご連絡させていただきます | ご連絡いたします |
おっしゃられた | おっしゃった |
頂戴いたします | 頂戴します |
伺わせていただきます | 伺います |
拝見させていただきます | 拝見します |
役職(部長など)+様 | 役職名称のみ |
他にも、「うーん」「えーっと」といった言葉が多かったり、「○○ですー」「○○しますー」といったように語尾を伸ばすと、何を伝えたいのかがはっきり伝わらなかったり、幼稚な印象を与えます。
また「まあ」や「はあ」といった曖昧な言葉で返答すると、どう思っているのか相手には伝わりません。
対面面接以上に好印象を残して電話面接を突破しよう
電話面接では、対面面接とは違ったポイントを押さえておく必要があります。お互いの姿が見えない状況で面接を進めなければいけないので、主に話し方に注意して面接官に好印象を残しましょう。
そのためには、事前準備やシミュレーションを万全におこなうことが重要です。電話でのマナーもマスターして、自信を持って電話面接に臨んでくださいね。
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る電話面接は念入りな準備で好印象を残そう
最近は電話で話す機会が減っているので、そもそも電話で話をすることに戸惑いを感じてしまう人は多いでしょう。
当然のことですが、電話では声しか伝わりません。少なくとも声や受け答えの仕方、電話上のマナーで悪い印象を与えてしまうことがないようにしたいものです。
事前の練習でフィードバックを貰うと効果的
今回の記事では、電話面接で気をつけるポイントを多く挙げています。電話面接が決まったら、この記事を改めてよく読んで準備をきちんとしてください。
特に話し方で暗い印象を与えたり、ぼそぼそと話す特徴がある人は、活き活きハキハキと大きな声で電話に向かうことができるように練習しましょう。
慣れないことなので難しいと感じるかもしれませんが、練習することで発声を修正することは可能です。その際には、家族や友人など他の人に聞いてもらい、フィードバックを受けることができると効果的です。よく聞かれる質問例を使って練習してくださいね。
対面の面接と同じように、準備に力を入れることがポイントです。頑張ってください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/HR&Sパートナーズ代表
Chinatsu Iwasaki〇大学理系学部卒業、大手インフラ企業の人事として勤務。開業後、企業の採用コンサルティングや就職支援などをおこなう。現場感と対話を大切にしている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
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