玉手箱「言語理解テスト」練習問題10問と解き方! 就活のプロがポイントを伝授

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楳内 有希子
キャリアコンサルタント/ワーズアンドキャリア代表
Yukiko Umenai〇アナウンサーとしてのノウハウを活かし、総合人材会社で研修や社員教育を担当。人材の活躍やキャリア形成支援にも注力し、大学ではキャリア講義やカウンセリング、就職支援を担っている。これまでWebテストの指導をしてきた学生は延べ200名ほど

玉手箱の「言語理解テスト」は、論理的読解と趣旨判定・趣旨把握で構成される読解問題です。人文系や自然科学系、エッセー風など多様なジャンルの文章があり、それぞれの論理構造を正確に把握する力が求められます。

この記事では、延べ200名以上のWebテスト支援をおこなってきた楳内さんの解説とともに玉手箱「言語理解テスト」の解き方を紹介していきます。具体的な対策方法も解説しているので、苦手な問題がある人はぜひ参考にしてみてください。

記事の後半には練習問題を10問用意しています。各問題形式の読み方と解き方のコツを理解して、制限時間内に正確に解答できる力を身に付けましょう。

【コンテンツの制作・チェック・監修体制について】
Webテストコンテンツは、生成AI(人工知能)も活用しながら社内の編集部メンバーが作成したオリジナルの問題となります。チェック・監修体制としては、1問につき、Webテストに精通した外部パートナー最低1人のチェック、Webテストを得意領域とするキャリアコンサルタントによる最終チェックと監修をおこなっています。

玉手箱「言語理解テスト」の概要

  • 問題パターン:人文系の文章、自然科学系の文章、エッセー風の文章、趣旨判定、趣旨把握
  • 1問あたりの時間:28秒
  • 形式ごとの出題頻度:テストセンター(高)ペーパーテスト(なし)Webテスティング(高)
言語理解テストを解くときのコツをわかりやすく教えてください!

キャリアコンサルタント/ワーズアンドキャリア代表

楳内 有希子

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正誤判定or大意選択」どちらなのかを意識して解こう

玉手箱の言語は、語彙をたくさん覚えることよりも、読み方の手順を意識することで、差を付けやすくなります。

論理的読解は因果・対比・言い換えを取り違えずに追うこと、趣旨系は文章の結論や要点を早めに押さえることがポイントです。

どちらも、接続語と段落の流れを手がかりにして、主張と補足を切り分けながら読み進めましょう。まず「正誤を判定する問題か」「大意を選ぶ問題か」を意識して読むことで、解答に迷ったり、読み戻したりする回数を減らせます。

玉手箱「言語理解テスト」の練習問題10問|楳内さんによる解き方の解説付き!

ここからは、玉手箱「言語理解テスト」の練習問題を専門家の解説付きで10問紹介します。頻出する5つの問題形式で用意しているので、一度解いて自身の実力を確かめてみましょう。

また、初めて玉手箱「言語理解テスト」を解く人は、「問題を解く前に確認! 言語理解テストの解答のコツ」を読んでから、練習問題に取り組むようにしてください。

問題1(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文章を読み、後に続く各設問について、本文の論理にもとづき、A、B、Cのいずれかに当てはまるか答えなさい。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

近年、企業組織における「心理的安全性」という概念が注目を集めている。これは、組織のなかで自分の考えや感情を否定されることなく、安心して発言できる状態を指す。かつての日本企業では、上意下達の強い規律が美徳とされていた。しかし、市場環境が複雑化し、不確実性が高まる現代においては、個々の社員が持つ多様な視点や、現場での気付きを迅速に共有することが、組織の生存に不可欠な要素となっている。
 一方で、心理的安全性を単なる「仲の良さ」や「ぬるま湯の環境」と混同してはならない。真の心理的安全性が保たれた組織とは、互いの意見に対して健全な対立を恐れず、高い目標に向かって建設的な批判をおこなえる場である。単に顔色をうかがい合い、衝突を避けるだけの状態は、むしろ組織の成長を阻害する要因となる。
 また、この環境を構築するためには、リーダーの振る舞いが最も重要な鍵を握る。リーダーが自らの弱さをあえてさらけ出し、他者の意見に真摯に耳を傾ける姿勢を示すことで、はじめてメンバーは安心して自己を表現できるようになる。しかし、そのような文化が定着するまでには、相応の時間を要することも忘れてはならない。

設問1. 現代のビジネス環境において、組織が生き残るためには、社員が現場で得た知見を素早く共有する仕組みが重要である。
設問2. 心理的安全性が高い組織では、メンバー同士の衝突がまったく発生しない。
設問3. リーダーが自らの失敗や弱みを隠さずに見せることは、組織の心理的安全性を高めることに寄与する。
設問4. 心理的安全性を重視する経営手法は、欧米の企業から導入されたものである。

選択肢


正解:A
1は、1段落目で「現場での気付きを迅速に共有することが、組織の生存に不可欠な要素」とあるため正しい。2は、2段落目で「健全な対立を恐れず」とあり、衝突を避けるだけの状態は否定されているため間違い。3は、3段落目で「リーダーが自らの弱さをあえてさらけ出し」という振る舞いが、メンバーの安心につながると述べられており正しい。4は、日本企業の過去の文化との比較はあるが、導入元については言及がないため判断できない。

楳内 有希子

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この問題は、「心理的安全性=仲良しで衝突ゼロ」と思い込むと間違えやすくなります。

本文は安心して発言できるからこそ健全な対立や建設的な批判ができることを「真の心理的安全性」としています。

選択肢に「まったく」「必ず」などの言い切りが出たら、本文が同じ強さで断定しているか確認しましょう。なお、導入元である欧米発のような由来は、本文に書かれていなければ C(判断できない) になる傾向があります。

この「カテゴリと具体例」の関係性は、仕事で情報を整理し、ロジカルに伝えるうえでも非常に重要です。抽象と具体を意識して、日々の学習を進めていきましょう。

問題2(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文章を読み、設問についてA・B・Cのいずれに当てはまるか答えなさい。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

近代建築の父といわれるル・コルビュジエは、鉄筋コンクリートという新しい素材を用いることで、従来の石積み建築では不可能だった自由な設計を可能にした。彼が提唱した「近代建築の五つの要点」には、ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面が含まれる。これらは、壁が建物を支える構造から解放され、柱が荷重を担うようになったことで実現した技術的革新にもとづいている。
 特にピロティは、建物の地上階を柱だけで構成し、開放された空間を市民に提供する画期的な概念であった。しかし、当時の都市計画において、この開放空間が常に有効に活用されたわけではない。建築家たちの理想と、実際にそこで生活する人々の利便性のあいだには、しばしば乖離が生じていたのである。さらに、水平連続窓は室内に均一な採光をもたらしたが、当時の断熱技術では冬場の寒さを完全に防ぐことは困難であった。
 それでもなお、彼の思想は世界中の都市景観に多大な影響を与え続けている。現代の建築家たちは、彼の理論を継承しつつも、エネルギー効率や持続可能性といった新たな課題に取り組むことで、現代に即した建築のあり方を模索している。ル・コルビュジエが示した革新性は、単なるデザインの流行にとどまらず、住環境における機能性の追求という普遍的な問いを私たちに投げかけている。

設問:ル・コルビュジエの提唱した水平連続窓は、断熱性の向上をおもな目的として考案されたものである。

選択肢


正解:B
本文の第2段落において、水平連続窓は「室内に均一な採光をもたらした」と記述されている。一方で、当時の断熱技術では冬場の寒さを防ぐことが困難であったという負の側面も併記されている。つまり、水平連続窓の目的は採光の確保にあり、断熱性の向上を目的としたという設問文は、本文の論理적帰結として明らかに間違っている。したがって、正解はBとなる。

問題3(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文章を読み、設問一つひとつについてA・B・Cのいずれに当てはまるか答えなさい。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

企業経営における「レジリエンス」という概念が、昨今、非常に注目を集めている。もともとは物理学や心理学の用語であったが、現代では、予期せぬ危機の際に組織が柔軟に回復し、さらに適応していく力を指すようになった。かつての経営戦略において最も重視されていたのは、無駄を徹底的に省き、効率を最大化する「最適化」という考えであった。しかし、効率性を極限まで追求した組織は、供給網の寸断といった突発的な外部環境の変化に対して、きわめて脆弱であることが明らかになったのである。
 レジリエンスを備えた組織を構築するためには、あえて一定の「冗長性」を保持することが不可欠であるとされる。たとえば、在庫を最小限に抑えるのではなく、緊急時に備えて余分に確保しておくことや、特定の拠点に依存せず、複数の代替手段をあらかじめ用意しておくことなどが挙げられる。これは、短期的にはコストの増大を招くが、長期的には組織の存続可能性を高めるための投資ととらえられる。
 さらに、組織文化としてのレジリエンスも重要である。失敗を単にとがめるのではなく、そこから何を学べるかを議論し、変化に即応できる現場の裁量を認める風土が、組織全体の適応力を養う。このように、効率性とレジリエンスは、しばしば二律背反の関係にある。しかし、不確実性が増大する現代社会においては、一方に偏ることなく、両者のバランスをいかに取るかが、経営者にとっての最も大きな課題となっている。

設問1.組織のレジリエンスを高めるための冗長性は、短期的には効率性を低下させる要因となりうる。
設問2.現代の経営においては、不確実性に対応するために効率性の追求を完全に放棄すべきである。
設問3.現場の裁量を制限し、マニュアルを徹底させる風土こそが、組織全体のレジリエンスを養う。
設問4.物理学におけるレジリエンスの定義は、経営学で用いられる定義よりも厳密である。

選択肢


正解:A
1は、冗長性が短期的にはコスト増大を招くとあるため、効率性を低下させるという記述は正しい。2は、効率性とレジリエンスのバランスが課題であると述べられており、効率性の放棄は本文の趣旨と矛盾するため間違い。3は、現場の裁量を認める風土が適応力を養うとあるため、制限すべきという記述は間違い。4は、物理学で用語が使われていた事実はあるが、定義の厳密さを比較する記述はないため判断できない。

問題4(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文章を読み、続く設問文についてそれぞれA、B、Cのいずれかに当てはまるか判断しなさい。ただし、4つの設問文の中には、AとCに当てはまるものがいずれも一つ以上含まれています。

A:筆者の趣旨(最も伝えたいこと)が述べられている。
B:筆者はそのことに触れているが、趣旨ではない。
C:この文章とは関係ないこと、あるいは本文の内容とは異なることが述べられている。

現代のビジネスシーンにおいて、スピード感は不可欠な要素といわれる。しかし、速さを追求するあまり、思考の深さを犠牲にしているケースは少なくない。情報の表面だけをなぞり、即座に結論を出そうとする姿勢は、短期的には効率的に見えるが、長期的には本質を見失うリスクを孕んでいる。

物事を深く考えるためには、あえて立ち止まる時間を持つことが必要だ。多すぎる情報にさらされるなかで、一度立ち止まり、情報の背景にある意図や、それらが自分に与える影響を咀嚼する。この「思考の余白」こそが、独自の洞察や創造的なアイデアを生む土壌となる。

速さばかりを競う組織では、失敗を恐れて既存の枠組みをなぞるだけの判断に陥りやすい。一方で、深い思考を重んじる文化があれば、一見無駄に思える検討のプロセスも、新たな価値を生むための投資として肯定される。

結論として、真の生産性とは、単なる処理速度の向上ではない。速さと深さのバランスをとりつつ、重要な局面で立ち止まり、本質を射抜くための「深い思考」を実践できるかどうかが、個人の、ひいては組織の真価を分けるのである。

(1)現代のビジネスにおいては、何よりもスピードを優先することが成功への近道である。
(2)思考を深めるためには、意識的に立ち止まる時間を作り、情報を咀嚼することが重要である。
(3)真の生産性を向上させるには、スピードのみならず本質を見抜く深い思考が必要不可欠である。
(4)深い思考を重んじる組織では、失敗を許容する文化が醸成されやすく、離職率も低下する。

選択肢


正解:A
(1)は本文の「速さを追求するあまり思考の深さを犠牲にする」という警鐘に反しており、そのような記述はないためC。(2)は第2段落の内容であり、主張の一部に触れているが趣旨ではないためB。(3)は最終段落にある筆者の主張の中核をなすためA。(4)は離職率などの具体的な効果については言及されていないためC。

楳内 有希子

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(2)は本文の一部を正しく言い換えていますが、文章全体のまとめにはなっていません。趣旨判定では「正しい内容」よりも「一番広く文章をまとめているか」が解答の基準になります。段落ごとの主張に引きずられると、部分的に合っている選択肢をAにしてしまいがちです。

まず最終段落を読み、「筆者は結局何を伝えたいのか」を一文で整理してみましょう。そのうえで、選択肢の中で最も広く全体をカバーしているものを選ぶと判断しやすくなります。

問題5(難易度:★★★☆☆)

問題

次の文章を読み、本文の趣旨として最も適切なものを選びなさい。

現代社会における情報の氾濫は、私たちの意思決定の在り方に大きな影響を与えている。インターネットやSNSの普及により、かつてないほど容易に大量のデータへアクセスできるようになった。しかし、情報が多すぎることは、必ずしも質の良い選択につながるわけではない。むしろ、あまりに多くの選択肢や意見にさらされることで、個人が何を信じるべきか判断できなくなる「選択のパラドックス」が生じている。

このような状況において求められるのは、単に情報を集める能力ではなく、得られた情報を批判的に吟味し、自分にとって真に必要なものを選び取る力である。情報の真偽を見極めるリテラシーはもちろんのこと、あえて情報を遮断し、自らの頭で考える時間を確保することも重要となる。

情報の波に飲み込まれるのではなく、主体的に情報を乗りこなす姿勢を持つことが、複雑な社会を生き抜くための鍵である。外部からの刺激に振り回されず、内省を通じて自らの価値観を明確にすることが、結果として最も納得感のある道を選ぶことにつながる。

選択肢


正解:C
本文は、情報過多の現代において「選択のパラドックス」という課題を提示したうえで、主体的に情報を取捨選択し、批判的に吟味する力の重要性を説いている。Cは、この「主体的な選択」と「情報の吟味」という筆者の主張を的確にまとめている。Aは本文の認識と異なり、BやEは極端な主張であり本文にはない。Dも本文で言言及されていない具体的な仕組みの提案である。

楳内 有希子

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この文章の結論は「情報をたくさん集める」ではなく、「情報を疑って見て必要なものを自分で選ぶこと」です。さらに、SNSなどから少し離れて自分で考える時間(内省)を持つことも大事だと言っています。

選択肢に「直感にしたがう」「法律で規制する」「公的機関が全部決める」など、本文にない具体策が急に出てきたら注意が必要です。本文の結論(吟味・取捨選択・主体性)に一番近いものを選びましょう。

問題6(難易度:★★★★☆)

問題

次の文章を読み、後に続く各設問について、本文の論理にもとづき、A、B、Cのいずれかに当てはまるか答えなさい。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

食の安全保障をめぐる議論において、地産地消の推進は常に重要な論点の一つとなってきた。農産物を消費地の近くで生産することは、輸送にかかるエネルギーを削減し、環境負荷を軽減する効果があると一般にいわれる。また、生産者と消費者の距離が縮まることで、食に対する信頼感が高まり、地域経済の活性化にもつながるという。
 しかし、環境負荷という側面のみをとらえると、一概に地産地消が最も優れているとは断定しえない。たとえば、寒い地域で無理に熱帯性の作物を育てるために温室を稼働させれば、遠方から効率よく栽培されたものを運ぶよりも、はるかに多くのエネルギーを消費する場合がある。すなわち、生産から廃棄にいたるまでの「ライフサイクル」全体で二酸化炭素の排出量を評価しなければ、真の環境保護にはつながらない。
 さらに、グローバルな食料需給のバランスを見すえたとき、特定の地域内での完結を過度に追求することは、別のリスクを招く恐れもある。気候変動による凶作や災害が発生した際、供給源が限定されていると、食料調達が困難になるためだ。したがって、地産地消という取り組みを尊重しつつも、広域的な流通ネットワークとの適切な調和を図ることが、今後の食料政策に求められる一歩といえる。

設問1. 地産地消は、地域経済を潤すだけでなく、消費者と生産者の信頼関係を構築するうえで有効である。
設問2. 輸送距離が短ければ、栽培方法にかかわらず、必ず食料供給に伴う総エネルギー消費量は削減される。
設問3. 食料供給の拠点を分散させることは、自然災害が発生した際の供給途絶リスクを軽減する一つの手段となりうる。
設問4. ライフサイクル評価では、すべての輸入農産物は国内生産より環境負荷が小さい。

選択肢


正解:D
1は、1段落目で信頼感の高まりや地域経済の活性化について触れられており正しい。2は、2段落目で温室利用の例を挙げ、遠方からの輸送よりエネルギーを消費する場合があると述べているため間違い。3は、3段落目で供給源が限定されるリスクを指摘しており、広域ネットワークとの調和が必要としている点から論理的に導きだせるため正しい。4は、特定の地域での温室栽培の負荷についてはあるが、すべての地域で高いかどうかは記述がなく判断できない。

問題7(難易度:★★★★☆)

問題

次の文章を読み、本文の趣旨として最も適切なものを選びなさい。

都市部における生物多様性の保全は、単に絶滅危惧種を守るという枠組みを超え、持続可能な都市環境を構築するための基盤として再評価されている。かつて、開発と自然保護は対立するものととらえられてきた。しかし、近年では「グリーンインフラ」という概念が浸透し、自然が持つ多機能な仕組みを都市計画に活用する取り組みが広がっている。

たとえば、樹木や水辺を適切に配置することは、ヒートアイランド現象の緩和や雨水管理、さらには住民の精神的な健康増進に大きく寄与する。都市のなかにあるわずかな緑地であっても、それらが互いにつながりを持つことで、生き物の移動経路となり、生態系全体の回復力を高める効果がある。

重要なのは、自然を単なる景観や装飾として扱うのではなく、都市の機能を支える不可欠なシステムとして組み込むことである。経済性と環境保全を二項対立でとらえるのではなく、自然の恵みを都市の価値向上につなげる長期的な視点が、次世代の都市づくりには欠かせない。

選択肢


正解:D
本文は、自然を「景観」や「対立物」ではなく、都市機能を支える「グリーンインフラ」というシステムとしてとらえるべきだと主張している。Dは、自然の機能を都市計画に統合し、価値向上につなげるという本文の趣旨を最も良く反映している。Aは従来の古い見方であり、Bは目的を限定しすぎている。Cは本文の主張と相反し、Eは本文にない技術的な比較論である。

問題8(難易度:★★★★★)

問題

次の文章を読み、設問についてA・B・Cのいずれに当てはまるか答えなさい。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

量子コンピュータの実用化に向けた研究が加速するなか、量子超越性という概念が注目を集めている。これは、特定の計算課題において、量子コンピュータが既存の最強のスーパーコンピュータを圧倒する性能を示すことを指す。量子ビットは、従来のコンピュータが扱う「0」か「1」のいずれかの状態ではなく、両方の状態を同時に保持できる「重ね合わせ」という性質を持つ。これにより、膨大な組み合わせの中から最適な解を導き出す計算において、理論上は驚異的な速度向上が期待できる。
 しかし、量子状態はきわめて不安定であり、周囲の熱や電磁波といったノイズによって容易に破壊されてしまう。この現象はデコヒーレンスと呼ばれ、長時間の計算を維持するうえで最大の障壁となっている。現在、エラー訂正技術の向上や、絶対零度に近い極低温環境の維持など、さまざまなアプローチによる克服が試みられている。また、量子アルゴリズムの開発も重要な課題であり、ハードウェアの進化に見合うソフトウェアの構築が急務となっている。
 将来的には、新薬の開発における分子シミュレーションや、複雑な物流網の最適化など、社会のいたるところで革新をもたらすと予測されている。ただし、現在の技術水準では、汎用的な計算をすべて量子コンピュータに置き換えることは現実的ではない。特定の得意分野において従来のコンピュータと補完し合う「ハイブリッド型」の運用が、当面の主流になると考えられている。

設問:デコヒーレンスを完全に防ぐためには、エラー訂正技術の向上よりも、極低温環境の維持が最も重要である。

選択肢


正解:C
本文の第2段落では、デコヒーレンスという課題を克服するために、エラー訂正技術の向上や極低温環境の維持など「さまざまなアプローチによる克服が試みられている」と述べられている。しかし、それらの手法の優先順位や、どちらが「最も重要」であるかについては一切言及されていない。本文の情報だけでは、設問文の主張が正しいか間違っているかを判断することはできないため、正解はCとなる。

楳内 有希子

プロフィール

この文章は専門的な内容に見えますが、解答に必要なのは知識ではありません。ここで見るべきポイントは「言い切り」です。「最も重要」「完全に防ぐ」など強い表現があれば注意しましょう。

本文が「さまざまなアプローチ」と並列で述べるだけで、優先順位や完全防止まで言っていない場合、本文だけでは判断できないのでCになりやすいです。断定や可能性などの語尾と、本文に同じ断定があるかを照らし合わせましょう。

問題9(難易度:★★★★★)

問題

次の文章を読み、設問一つひとつについてA・B・Cのいずれに当てはまるか答えなさい。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

言語は単なる情報の伝達手段ではなく、私たちの「認識の枠組み」そのものを規定しているという説がある。これを「言語相対性仮説」と呼ぶ。この説によれば、特定の概念を表す語彙が豊富な言語を話す人々は、その概念にかかわる事象を、ほかの言語の話者よりも、いっそう細やかに識別しうるとされる。たとえば、雪を表す言葉を数多く持つ文化圏の人々は、微妙な雪質の変化を、瞬時に異なるものとしてとらえているという。
 一方で、この説に対しては、普遍主義的な立場からの批判も根強い。認識の基礎となる感覚器官の構造は全人類に共通しており、言語が違っても、色の見え方などの基本的な知覚が根本から変わることはないという主張である。実際に、特定の色を表す単語を持たない民族であっても、色の識別試験をおこなえば、ほかの民族と同様の結果が得られるという研究結果も報告されている。
 しかし、近年の認知科学の研究によれば、言語が直接的に知覚を支配することはないとしても、記憶や思考のプロセスにおいて、特定の「ラベル」としての役割を果たしていることは否定できない。ある事象を言葉で分類した瞬間に、私たちの記憶はその枠組みに沿って整理され、後から思い出すときに影響を受けるのである。すなわち、言語は世界をありのままに映し出す鏡ではなく、特定の色彩や強調をともなったレンズとして機能しているといえる。言語と認識の関係をめぐる議論は、いまだに完全な決着を見ていないが、両者が互いに複雑に影響し合っていることだけは確かである。

設問1.雪を表す語彙が豊富な言語の話者は、雪の質の変化を識別する能力を生まれつき備えている。
設問2.普遍主義的な立場は、言語の相違が基本的な知覚に根本的な影響を与えるという考えに否定的である。
設問3.認知科学の知見によれば、事象に名前を付けて分類することは、その事象の記憶に影響を与えない。
設問4.言語が世界を映し出す鏡であるという主張は、現在の認知科学において最も支持されている見解である。

選択肢


正解:A
1は、言語によって識別が容易になるとあるが、それが「生まれつきの能力」であるかは言及がないため判断できない。2は、普遍主義が知覚は根本から変わらないと主張しているため正しい。3は、言語がラベルとして機能し、記憶が枠組みに沿って整理されるとあるため間違い。4は、言語は鏡ではなくレンズとして機能していると述べられており、鏡であるという主張が支持されているわけではないため間違い。

楳内 有希子

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この問題のポイントは設問1の「生まれつき」です。本文は「語彙が豊富だと細やかに識別しうる」という傾向を述べているだけで、その能力が先天的か後天的かまでは書いていません。

論理的読解では、本文にない「前提」や「理由付け」が勝手に足されていないかを確認することが大切です。

特に「生まれつき」「必ず」「〜が原因である」などの断定語が出たら、本文に同じ断定があるかを照らし合わせましょう。「どこまで書いてあるか」を確認する習慣が得点につながります。

問題10(難易度:★★★★★)

問題

趣旨判定次の文章を読み、続く設問文についてそれぞれA、B、Cのいずれかに当てはまるか判断しなさい。ただし、4つの設問文の中には、AとCに当てはまるものがいずれも一つ以上含まれています。

A:筆者の趣旨(最も伝えたいこと)が述べられている。
B:筆者はそのことに触れているが、趣旨ではない。
C:この文章とは関係ないことが述べられている。

イノベーションの創出において、多様性は重要な鍵を握るといわれる。しかし、単に異なる属性の人々を集めるだけでは、組織の創造性は高まらない。むしろ、価値観の相違から生じる摩擦が、組織の生産性を著しく低下させる要因にすらなりうる。

異質な知を融合させ、新たな価値を生むためには、心理的安全性が確保された場において、建設的な対話がなされる必要がある。互いの専門性や背景を尊重しつつ、あえて既存の枠組みを疑う「健全な衝突」を歓迎する文化が不可欠なのだ。同質性の高い集団では、暗黙の了解によって意思決定が迅速に進む利点はあるが、それは既存路線の踏襲に留まりやすく、劇的な変化には対応しえない。

多様性を受け入れる過程には、多大なコストと時間を要する。言葉の定義一つをとっても、背景が異なれば解釈がずれるからだ。この煩わしさを厭わず、相互理解に向けた対話を積み重ねた組織だけが、不確実な時代を生き抜く強靭な創造性を獲得できる。

すなわち、真のダイバーシティ経営とは、属性の多様さを誇ることではない。異なる意見をぶつけ合い、そこから高次の解を導き出そうとする「対話のプロセス」を組織の核にとらえることである。この姿勢を欠いた多様性は、単なる混乱を招く。

(1)同質性の高い組織は、意思決定が早いため、安定した環境下では大きな強みとなる。
(2)異なる背景を持つ者同士の対話を重視し、そこから新たな価値を生む姿勢が真の多様性経営である。
(3)心理的安全性が確保されていない組織では、多様な人材がいても摩擦ばかりが増えてしまう。
(4)多様性を推進する際には、言葉の解釈を統一するために、厳格な業務マニュアルを整備すべきである。

選択肢


正解:A
(1)は第2段落で同質性集団の利点として触れられているが、趣旨ではないためB。(2)は最終段落の筆者の結論であり、最も伝えたいことであるためA。(3)は第1段落と第2段落の内容に触れているが、全体を統括する趣旨ではないためB。(4)は対話の必要性については述べられているが、マニュアル整備については言及がないためC。

楳内 有希子

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本文に書かれている内容は、あくまで途中の論点です。趣旨判定では「本文にあるかどうか」ではなく、「それが文章全体を代表しているかどうか」で判断します。

各段落には具体例や補足が含まれているため、そこに一致する選択肢はBになりやすい傾向があります。

問題を解くときは、各段落を簡単に要約し、最後にそれらをまとめた一文を作る練習をしてみましょう。そのまとめと最も近い選択肢がAになります。部分的に一致している選択肢に惑わされないようにしましょう。

玉手箱「言語理解テスト」を対策する際のポイント

アドバイザーのリアル・アドバイス!接続語をヒントに主張と根拠を切り分けよう

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楳内 有希子

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この分野を得点源にできる人は、読む前に「何を取りにいく問題か」を決めて、読み方を切り替えています。

論理的読解は、本文の情報のみを根拠にAかBかCを判定するのが最優先です。自身の解釈や知識を足すほどズレが出ます。そのため、趣旨判定・趣旨把握は全体を一文にまとめるつもりで読み、主張(結論)と根拠(理由・具体例・データ)を分けるのがポイントです。

また、以下のような接続語を目印として拾うことで、取り違えが減っていきます。

・逆説(しかし)(だが):話の向きが変わる合図
・因果(したがって)(だから):結論と根拠のつながり
・言い換え(つまり)(要するに):要点の再提示
・例示(たとえば):補足の開始

「精読」と「速読」を身に付けることが攻略につながる

おすすめの練習は「精読」と「速読」を身に付けることです。精読は、段落ごとに「主張」「理由」「例」をラベル付けして要約します。速読は、短めの制限時間を設定し、結論だけ先に確定して解くのがコツです。精読で型を作り、速読で処理速度を上げることで本番に強くなります。

また、1問に時間をかけすぎないことも大切です。趣旨系で迷ったら「結論に近いまたは文章全体を広くカバーしている」選択肢を選び、次の問題へ進みましょう。

まとめると、以下の読み方を身に付けることが、玉手箱言語全般の最短対策になります。

①接続語で流れをつかむ
②段落の役割を決める
③主張と根拠を分ける

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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