
玉手箱の「趣旨判定」は、文章を読んで筆者が最も伝えたいことを素早く判断する読解力が求められる問題です。複数の設問文が筆者の趣旨なのか、単に触れているだけなのか、無関係なのかを見極める必要があります。
この記事では、多くの学生のテスト対策をおこなってきた楳内さんとともに玉手箱の「趣旨判定」の解き方を解説していきます。趣旨判定の効率的な解き方も詳しく解説しているので、制限時間内に問題を読み切れない人や趣旨を理解するコツがわからない人は、確認しておきましょう。
記事の後半には練習問題を5問用意しています。短時間で正確に趣旨を判定するコツを身に付けたい人は、解説を確認しながら繰り返し練習してみてください。
玉手箱「趣旨判定」の概要
- 問題パターン:筆者が一番訴えたいことを判定する問題
- 1問あたりの時間:約18秒
- 形式ごとの出題頻度:テストセンター(高)ペーパーテスト(なし)Webテスティング(高)
- 趣旨判定を解くときのコツをわかりやすく教えてください!
主張と補足を分けることが筆者の結論を特定するカギ
趣旨判定は、文章を読み終えたときに「筆者は何を一番言いたかったのか」を当てる問題です。
細かな例や説明に引っぱられず、主張(結論)と補足(理由・具体例)を分けて読んでみましょう。
本文の後半や「しかし・つまり・だから」などの転換語に注目して、結論を早めに確定するのが解答のコツです。
解答に迷ったら「この一文で全体を代表できるか?」で判断すると選択の基準がぶれにくくなります。
玉手箱「趣旨判定」の練習問題5問|楳内さんによる解き方の解説付き!
ここからは、玉手箱「趣旨判定」の練習問題を専門家の解説付きで5問紹介します。解説を読みながら、筆者の主張と補足情報を見分けるポイントや、無関係な内容を素早く判断するコツを身に付けましょう。
なお、「趣旨判定」を初めて解く人や制限時間内に読み切れない人は、「問題を解く前に確認! 趣旨判定の解答のコツ」を読んでから、練習問題に取り組むようにしてください。
問題1(難易度:★★☆☆☆)
問題
次の文章を読み、続く設問文についてそれぞれA、B、Cのいずれに当てはまるかを判断して答えなさい。ただし、4つの設問文の中には、AとCに当てはまるものがいずれも一つ以上含まれています。
A:筆者の趣旨(最も伝えたいこと)が述べられている。
B:筆者はそのことに触れているが、趣旨ではない。
C:この文章とは関係ないこと、あるいは本文の内容とは異なることが述べられている。
近年、リモートワークの普及にともない、テキストによるコミュニケーションの重要性が増している。対面であれば表情や声のトーンで補える情報も、文字だけでは正しく伝わらないことが多い。
特に、指示を出す側が「言わなくてもわかるだろう」という思い込みを持つことは、業務上のトラブルを招く大きな要因となる。文脈が共有されていない相手に対しては、具体的かつ簡潔な言葉選びを心掛けるべきである。
また、受け手側の姿勢も問われる。不明な点があれば、自分勝手な解釈をせずに、その場ですぐに確認をおこなうことが欠かせない。情報の受け取り方の相違は、プロジェクト全体の進行を遅らせ、組織の生産性を著しく低下させる。
言葉の定義を明確にし、互いの認識をすり合わせる努力を怠ることは、ビジネスにおいて致命的なミスにつながる。円滑な業務遂行のためには、双方が「正確に伝えること」と「正確に理解すること」に責任を持つべきである。
(1)リモートワークでは対面よりも情報の伝達が難しいため、対面での対話を増やすべきである。 (2)指示を出す側は、相手が内容を把握していると思い込まず、具体的な言葉を選ぶ必要がある。 (3)不明な点を確認せずに進めることは、組織全体の生産性を下げる原因となる。
(4)業務の停滞を防ぐために、送り手と受け手の双方が互いの認識を一致させる責任を持つことが重要である。
選択肢
正解:(1)C (2)B (3)B (4)A
(1)は、対面での対話を増やすべきという主張は本文にないためCとなる。(2)は第2段落の内容、(3)は第3段落の内容にそれぞれ触れているが、いずれも「双方が責任を持つべき」という趣旨そのものではないためBである。(4)は最終段落にある「双方が責任を持つべき」という結論をまとめており、文章全体の最も伝えたいことであるためAとなる。
この問題を解くには、本文の「一番伝えたい結論」を見抜けるかがポイントです。
第2・第3段落では送り手や受け手それぞれの注意点に触れていますが、両方とも結論ではありません。最終段落の「双方が正確に伝え、正確に理解する責任を持つべきである」が筆者の主張です。
(2)(3)のように本文に書いてあっても「部分的な説明」であればBになります。全体をまとめた内容かどうかを基準にAを判断しましょう。
問題2(難易度:★★★☆☆)
問題
次の文章を読み、続く設問文についてそれぞれA、B、Cのいずれに当てはまるかを判断して答えなさい。ただし、4つの設問文の中には、AとCに当てはまるものがいずれも一つ以上含まれています。
A:筆者の趣旨(最も伝えたいこと)が述べられている。
B:筆者はそのことに触れているが、趣旨ではない。
C:この文章とは関係ないこと、あるいは本文の内容とは異なることが述べられている。
イノベーションを創出するためには、既存の枠組みにとらわれない「多様な視点」が不可欠である。同じような経歴や価値観を持つ者だけで議論をおこなうと、現状維持の論理が優先され、画期的なアイデアは生まれにくい。
しかし、単に異なる背景を持つ人を集めれば良いというわけではない。多様性が真に機能するためには、心理的安全性が確保されていることが前提となる。誰もが批判を恐れずに意見を言える環境がなければ、異端な発想は摘み取られてしまう。
一方で、多様性は時として意思決定のスピードを損なう側面も持つ。意見の対立を調整することに時間を取られ、実行が遅れることは大きなリスクである。リーダーには、対話を促しながらも、最終的な方向性を迅速に指し示す手腕が求められる。
結局のところ、多様性を組織の力に変えられるかどうかは、リーダーが個々の異なる意見をいかに統合し、一つの成果につなげられるかにかかっている。
(1)同じ価値観を持つ者同士の議論では、現状を維持しようとする傾向が強まりやすい。
(2)異端な発想を活かすためには、批判を気にせず発言できる環境づくりが必要である。
(3)意思決定の遅れを避けるために、多様な意見よりもスピードを優先させるべきである。
(4)多様性を成果に結び付けるためには、リーダーが異なる意見を統合する役割を果たすことが不可欠である。
選択肢
正解:(1)B (2)B (3)C (4)A
(1)は第1段落、(2)は第2段落の内容を正確に記述しているが、いずれも全体の結論ではないためBである。(3)は本文でリスクとして触れているが「スピードを優先すべき」とは述べていないためCとなる。(4)は最終段落にある筆者の結論であり、多様性を活かすための鍵としてリーダーの役割を強調しているためAが妥当である。
この文章は途中で論点が広がるため、引っ張られないことがポイントです。本文では「多様な視点の重要性」「心理的安全性」「スピード低下のリスク」など複数の論点が示されていますが、最終段落で結論は「リーダーが意見を統合すること」に収まっています。
(1)(2)は本文に書いてある内容ですが、あくまで途中の説明なのでBです。(3)は本文が述べるのはリスクの指摘と迅速に方向性を示す必要までで、「多様性よりスピード優先にすべき」という規範までは書かれていないためCとなります。
このように、結論がどこで述べられているかを必ず確認しましょう。
問題3(難易度:★★★☆☆)
問題
次の文章を読み、続く設問文についてそれぞれA、B、Cのいずれに当てはまるかを判断して答えなさい。ただし、4つの設問文の中には、AとCに当てはまるものがいずれも一つ以上含まれています。
A:筆者の趣旨(最も伝えたいこと)が述べられている。
B:筆者はそのことに触れているが、趣旨ではない。
C:この文章とは関係ないこと、あるいは本文の内容とは異なることが述べられている。
企業のブランド価値を維持するためには、顧客満足度の追求だけでなく、従業員満足度の向上が極めて重要である。従業員が自社の製品やサービスに誇りを持てない状況では、顧客に対して心のこもったサービスを提供することは難しい。
かつては給与や福利厚生といった物質的な報酬が主な動機付けであったが、現代では仕事を通じた自己実現や社会貢献といった精神的な充足感が求められている。企業は個人の成長を支援する仕組みを整え、働きがいを感じられる場を提供しなければならない。
ただし、従業員の自主性を尊重するあまり、組織としての規律が損なわれることがあってはならない。自由な社風と責任感の両立こそが、長期的な成長の源泉となる。
良質なサービスは、満足度の高い従業員の手によって生み出されるものである。したがって、持続的な企業価値の向上を目指すなら、まず内部の人間に対する投資を最優先すべきである。
(1)物質的な報酬よりも精神的な充足感を重視する従業員が、近年は増えてきている。
(2)個人の自主性を尊重する一方で、組織としての規律を保つことも忘れてはならない。
(3)従業員に高い給与を支払うことが、顧客満足度を向上させるための唯一の手段である。
(4)企業の価値を高め続けるためには、従業員の満足度を高めるための投資をおこなうべきである。
選択肢
正解:(1)B (2)B (3)C (4)A
(1)は第2段落、(2)は第3段落の内容に触れているが、いずれも趣旨ではないためBとなる。(3)は本文の内容と矛盾しており、唯一の手段とも述べていないためCである。(4)は文章全体の論理的な帰結であり、従業員への投資が企業価値の向上に直結するという筆者の主張を最もよく表しているためAとなる。
この問題では、最終段落の結論を正確につかめるかが解答のコツです。
本文では「精神的充足感」や「規律との両立」など複数の論点が述べられていますが、それらは結論を支える説明にすぎません。筆者の主張は最後の「従業員への投資を最優先すべきである」にあります。
(1)(2)は本文に書かれている内容ですが、途中の説明なのでBです。(3)は「唯一の手段」と極端に言い切っているためCとなります。最終段落の「したがって」や「最優先すべき」などの結論表現を手掛かりに、全体をまとめた内容かどうかで判断しましょう。
問題4(難易度:★★★★☆)
問題
次の文章を読み、続く設問文についてそれぞれA、B、Cのいずれに当てはまるかを判断して答えなさい。ただし、4つの設問文の中には、AとCに当てはまるものがいずれも一つ以上含まれています。
A:筆者の趣旨(最も伝えたいこと)が述べられている。
B:筆者はそのことに触れているが、趣旨ではない。
C:この文章とは関係ないこと、あるいは本文の内容とは異なることが述べられている。
科学技術の進展にともない、膨大なデータを用いた意思決定が一般化している。客観的な指標にもとづく判断は、個人の勘や経験に頼るよりも再現性が高く、説得力を持つように見える。しかし、数値化できる情報は事象の一部にすぎないという事実を忘れてはならない。
データは過去の蓄積であり、そこから導き出される結論は、既存の延長線上の予測にとどまることが多い。まったく新しい価値を創造する場面においては、過去の統計には現れない直感や、非合理とも思える情熱が突破口になることがある。
また、数値を過信することは、数値化しにくい要素、たとえば人の感情や倫理的な配慮を軽視することにつながりかねない。効率性ばかりを追求した結果、社会的な信頼を失う事例は後を絶たない。
真に優れた判断とは、論理的なデータ分析と、人間ならではの洞察力を高い次元で融合させたものであるべきだ。どちらか一方に偏ることなく、多角的な視点を持つことが現代のリーダーには求められている。
(1)数値にもとづく判断は客観性が高く、個人の経験則よりも常に正しい結果をもたらす。
(2)過去の統計データだけでは、これまでにない新しい価値を創出することは難しい。
(3)効率性を重視しすぎると、倫理的な側面が疎かになり、信頼を損なう恐れがある。
(4)最適な意思決定のためには、データによる分析と人間的な洞察の両立が必要である。
選択肢
正解:(1)C (2)B (3)B (4)A
(1)は、本文がデータへの過信を戒める内容であるため不適切でありCとなる。(2)は第2段落、(3)は第3段落の内容に触れているが、いずれも部分的な議論であるためBである。(4)は最終段落で述べられている結論であり、データと洞察の融合という筆者の主張を的確にまとめているためAとなる。
問題5(難易度:★★★★★)
問題
次の文章を読み、続く設問文についてそれぞれA、B、Cのいずれに当てはまるかを判断して答えなさい。ただし、4つの設問文の中には、AとCに当てはまるものがいずれも一つ以上含まれています。
A:筆者の趣旨(最も伝えたいこと)が述べられている。
B:筆者はそのことに触れているが、趣旨ではない。
C:この文章とは関係ないこと、あるいは本文の内容とは異なることが述べられている。
グローバル化が進む現代において、異文化理解は単なる知識の習得ではなく、自己のアイデンティティを再構築するプロセスであると言える。他者の価値観に触れることは、自分が当たり前だと思っていた前提を疑う機会を与えてくれる。
多くの人は、異文化との接触において「違い」にばかり目を向け、自らの正当性を主張しようとする。しかし、真の理解とは、相手の論理をその背景とともに受け入れ、自分自身の思考の枠組みを広げていくことにある。これは、既存の自分を一度解体するような痛みをともなう作業でもある。
他者を排除するのではなく、その差異を内包しながら共生する道を探るべきだ。そのためには、表面的なコミュニケーションスキルを磨くこと以上に、自らの無知を認め、謙虚に学び続ける姿勢が不可欠となる。
文化の壁を乗り越える力は、他者への想像力と、自己を変革し続ける意志から生まれる。複雑化する世界において、私たちは定まった正解を求めるのではなく、揺らぎのなかで対話を続ける覚悟を持つべきである。
(1)異文化を理解する過程において、自らの価値観を見直し、変化させていくことが求められる。
(2)異文化交流の場では、相手との違いを明確にすることで、自分の正当性を守る必要がある。
(3)自分とは異なる論理を持つ相手を受け入れることは、精神的な負担をともなうことがある。
(4)未知の文化に対して謙虚に学ぶ姿勢を持つことが、共生社会を実現するための第一歩である。
選択肢
正解:A
(1)は、第1段落から最終段落まで一貫して述べられている「自己の変革」という趣旨を言い換えたものであるためAとなる。(2)は本文で批判的に書かれている内容であり、筆者の考えと逆であるためCである。(3)は第2段落の内容、(4)は第3段落の内容にそれぞれ触れているが、全体の趣旨を包括するものではないためBとなる。
玉手箱「趣旨判定」を対策する際のポイント
玉手箱に関するQ&A
玉手箱のパーソナリティってどういう検査ですか?
玉手箱の四則逆算で時間が足りないです……。どうすれば良いでしょうか?
Web-GABと玉手箱の違いは何ですか?
玉手箱の言語問題がおかしい気がします。
玉手箱の答えをエクセルで管理する方法は対策として有効ですか?
玉手箱の言語問題の答えはどこでわかりますか?
玉手箱の図形問題で答えが合わない場合、どうしたら良いでしょうか?
玉手箱の非言語問題、解答のコツは何ですか?
制限時間が35分の玉手箱の非言語問題は何が出ますか?
玉手箱とSPIの見分け方はありますか?
SPIと玉手箱のどっちから対策を始めるべきですか?
玉手箱の計数問題で時間が35分のとき、図表の読み取りと空欄推測のどっちが出されますか?
玉手箱は何割くらい正答できれば安心ですか?
主要なWebテスト「SPI」について知りたい人はこちら
言語の対策
SPIの言語の対策方法|短期間で高得点を取るコツを解説
非言語の対策
SPI非言語は対策すれば怖くない! 出題傾向や例題を徹底解説
英語の対策
SPI英語攻略ガイド|出題内容から勉強方法まで例題付きで解説
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi





アドバイザーのリアル・アドバイス!その一文が「結論を支えているか」で判断しよう
キャリアコンサルタント/ワーズアンドキャリア代表
楳内 有希子
プロフィールを見るこの問題を解くコツは、本文を「説明(具体例・補足)」と「結論」に分けて読むことです。読みながら頭の中で「結論は?」「なぜ?」「例は?」と仕分けることで、選択肢で迷いにくくなります。
本文を見分けるカギは接続語です。「しかし」「一方で」は論点が切り替わる合図、「つまり」「要するに」は主張の言い換え、「たとえば」「具体的には」は補足の開始、「なぜなら」「というのも」は理由の提示です。特に、接続の後や最終段落に結論が出やすいため、これらを候補として読み進めてみましょう。
また、無関係な内容を素早く見分けるには、「その話が結論を支えているか?」で判断します。具体例が長くても結論を支えているなら関連、背景説明や寄り道した内容なら切り捨てましょう。先にテーマと結論を決めておくと、情報の取捨選択が早くなります。
一段落一言の要約で筆者の趣旨をとらえることがコツ
練習は、以下の手順でおこなうのがおすすめです。
①各段落を一言で要約
②最後に「筆者は結局~と言いたい」で一文にまとめる
慣れてきたら、本文から趣旨文を自作して選択肢と照らし合わせてみましょう。選択肢が似ているときは、広く全体をまとめるものが正解になりやすく、例や一部論点に寄ったものは外れやすい点も押さえておくことが重要です。
頻出ミスは「問題提起を結論だと思う」「具体例を結論扱いする」「本文にない提案(〜すべき)を混同してしまう」の3つです。読み終えたら「筆者は結局どう言いたいのか」を自分の言葉で短く表してみましょう。