この記事のまとめ
- 学生から社会人になると社会での立場が大きく変化する
- 12個の心構えを備えて社会人として歩み出そう
- 社会人としての心構えを面接で聞かれたときの回答方法も解説
- 面接力診断ツール
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学生生活が終盤に近づくと、社会人として働く未来を想像する機会が増えますよね。「何をすれば立派な社会人になれるのだろう」「どんな心構えで社会人になれば良いのだろう」と、疑問や不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
また、社会人としての心構えは、面接で質問されることがあります。学生と社会人の違いを押さえて、社会人になる覚悟を固めましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの鈴木さん、遠藤さん、谷所さんと社会人としての心構えを解説します。いずれ社会人になるすべての学生にとって役立つ内容なので、ぜひ最後まで確認してくださいね。
社会人としての心構えは目的を明らかにすることが重要
社会人としての心構えは、社会人としてふさわしい行動をするための基盤になるものです。まずは、社会人とはどうあるべきかを知り、その理由や目的を明らかにしましょう。理由や目的を明確にすることで、自分の中に社会人としての考え方を落とし込みやすくなります。
記事ではまず、社会人の定義や心構えが必要な理由を説明します。そして、新入社員に求められる心構えとすべての職業で共通して持つべき心構えを10個解説するので、学生と社会人の違いを押さえたうえで、自分の意識の中に落とし込んでください。
記事の後半では、面接での質問「社会人としての心構え」への回答の考え方や注意点を例文付きで解説します。面接官の質問の意図を押さえて、的確な回答を作成しましょう。
- 社会人としての心構えを面接で問う企業は多いのでしょうか。
社会人になる自覚があるのか確かめる企業は多い
社会人経験がない新卒は、学力などの能力が高くても社会人としての自覚がなければ、会社組織の中でうまくやっていけないと考えます。
そのため、社会人になる自覚があるかを知るために社会人としての心構えを面接で質問する企業は少なくありません。
社会人としての心構えが自社の価値観や業務内容と合っていなければ、入社後ミスマッチが生じそうと懸念する企業もあります。
そもそも社会人の定義とは
社会人としての心構えを知る前に、社会人の定義を考えてみましょう。
小学校を卒業したときに小学生から中学生へと肩書きが変化し、通う教育施設や学業の内容が変わりましたよね。肩書きや教育内容が変わったとはいえ、学業が本業であるということは共通していました。
一方、学生から社会人へと変わると、本業は学業から仕事へと変化します。学生と社会人では、社会における役割がまったく異なるのです。ここから解説する学生と社会人の違いをチェックし、まずは社会人になるのを機に変えなければならない考え方や行動を把握しましょう。
学生と社会人の違い
学生のうちからアルバイトをしている人も多いですが、学生の本分は学業です。
学生に対して保険料の納付が猶予される年金の制度や、交通費などの学割があります。これらは学業に励む学生に対して、経済的な負担を強いらないためのもので、世の中のあらゆるところにこのような学生に配慮したシステムが存在します。
しかし、社会人になるとこのような配慮を受ける対象から外れることになります。社会人は仕事が本業になり、経済的に自立していることが前提だからです。
学生はこれまで、学校という機関を始めとした社会人が支えている環境の中でさまざまな知識や能力を身に付けてきました。社会人になるということは、そのシステムを支える側の存在になるということです。
学業が本業であった学生から社会を支える一員になるには、相応の心構えが必要です。社会人として大前提となるのが自立です。自立した人間であるための行動や考え方が社会人としての心構えになるのです。
社会人になる前に働く意味を考えることは、社会人生活を充実させることにつながります。こちらの記事も参考にして、自分にとっての働く意味を明らかにして、社会人になる覚悟を固めましょう。
働く意味ってあるの? 納得して就活を進める考え方を解説
学生の誰もが社会人になることに前向きなわけではありません。本音では、社会人になりたくない人もいますよね。まずは自分の感情や思考と向き合うことから始めましょう。
就職したくないと悩むあなたへの解決案|悩みの原因と対処法を解説
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る社会人は主体的に動き価値を生み出すことが求められる
学生と社会人の違いを考える切り口はいくつかあります。
一番大きな違いは、「学生はお金を払ってインプットする立場、社会人はお金をもらってアウトプットする立場」だと私は考えます。
学生は大学にとっては学費を払ってくれる顧客で、学生は授業に出て知識を得る権利を持っています。受け身でいても何かしら身に付けることができます。
社会人は立場が変わり、給料を受け取って顧客や会社のために価値を提供することが求められます。主体的に考え、動く姿勢が必要です。
社会人になると自分の責任者が自分になる
ほかには、「学生は保護者が責任者で、社会人は自分が責任者である」という切り口もあります。18歳を過ぎれば選挙権もあり、法的には成人になります。ただ、大学の学費などをすべて自分で賄う人は多くはなく、何か困ったことが起きたら学生のうちは実家に連絡が行くということもあります。
一方で社会人になったら、勤務先と労働契約を結ぶのは自分で、仕事のミスの責任を取るのも自分です。自分の選択に責任と自信を持って生きていくのが社会人です。
社会人になりたくない人は以下のQ&Aを参考にしてみてください。社会人の良さや楽しさをキャリアコンサルタントが回答しています。
社会人としての心構えが必要な理由
社会人としての心構えが必要な理由
- 信頼を得られる人物でいるため
- 所属している組織に不利益を生じさせないため
- 支給される賃金に見合った仕事をするため
そもそもなぜ心構えを持つ必要があるのでしょうか。「わざわざ心構えを持たなくても、与えられた仕事をこなせば立派な社会人なのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、社会人としての心構えを持つことでより模範となる社会人に近づけるのです。
ここからは、社会人としての心構えを持たなければならない3つの理由を解説するので、ぜひチェックしてください。
信頼を得られる人物でいるため
社会人になると仕事が生活のメインになります。社会人は自立しなければならないと述べましたが、時間と労力を使って働き、対価としてお金を得ることで経済的に自立できるのです。
自立した社会人でいるためには、仕事をして収入を得なければなりません。仕事を途中で放棄しそうな人や、仕事に見合った能力がない人には仕事を任せられませんよね。
よって、社会人は信頼が得られる人物としての発言や行動が求められます。社会人としての心構えができていれば、常に信頼に値する言動ができるようになるのです。
社会はたくさんの個人、組織が絡み合って仕事を進めています。この絡み合っている部分は「あなたに任せたらきちんと仕事を遂行してくれる」という信用で成り立っています。自立した社会人でいるためには、信用の積み重ねが重要です。
所属している組織に不利益を生じさせないため
学生のときにアルバイトをしていた人は多いですよね。社会人になると、企業の正社員として働き始める人が大半です。アルバイトと正社員では、正社員の方が企業との結びつきが強くなります。
つまり、自分の行動の一つひとつが組織に利益を生じさせやすくなることもあれば、不利益を生じさせてしまう可能性も大きくなるということです。一社員が社会人らしからぬ行為をしたせいで、会社全体に大きな損失を出してしまうこともあります。
所属している会社に不利益を生じさせるような言動は控えなければなりません。そのためにも、常日頃から社会人としての自覚を持つ必要があるのです。
支給される賃金に見合った仕事をするため
賃金の出処を遡ると、会社の商品やサービスに満足して投じられた顧客からのお金にたどり着きます。顧客から得たお金は、会社から給与というかたちで私たちの手元に届くのです。
学業は自分の興味や関心で学ぶ分野を選択したり、自分のペースで進められる場面が多いですが、仕事ではお金を投じてくれる人々の期待に沿うようにする必要があります。お金を投じてくれる人々がいなければ、仕事として成立しないからです。
お金という対価を得る以上、学生のときには許されていた自分中心の考え方でなく、会社や顧客に合わせた考え方にシフトする必要があります。その考え方が社会人としての心構えです。
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幸先良くスタートを切ろう! 新入社員が持つべき2つの心構え
幸先良くスタートを切ろう! 新入社員が持つべき2つの心構え
- 謙虚さを忘れない
- どんな仕事にも主体性を持つ
社会人としての心構えの前に、新入社員が特に持つべき心構えを解説します。新人のうちは先輩や上司に時間を割いてもらって、仕事を教わることになります。
慣れないうちはミスや失敗をしてしまい、ほかの社員に迷惑をかけてしまうことも少なくありません。よって、自分をサポートしてくれる先輩や上司と良好な関係を築くことが欠かせません。
スキルや能力が未熟な状態でも、周囲の助けを得ながら幸先良く社会人人生をスタートさせるために、新入社員が持つべき2つの心構えを解説します。
仕事でミスをしてしまうと気持ちが沈んだり自分を責めてしまったりする人もいると思います。以下の記事では気持ちを軽くする方法と改善策をまとめているので参考にしてみてください。
仕事のミスで落ち込む気持ちを軽くする方法|次につなげる改善策も
謙虚さを忘れない
自分の能力やスキルに自信があるとしても、慢心してしまえば自分で自分の成長をストップさせてしまうことになります。自分の秀でているところばかりに目を向けるのではなく、伸び代があるところに目を向け、自分の未熟さや至らなさを認めましょう。
会社の先輩や同僚には、自分にはない良さや魅力を持った人たちがいます。組織の一員として働けるということは、自分に欠けている部分をほかの人から吸収して成長させるチャンスを得られるということでもあります。
また、普段から謙虚な言動を心掛けておくと、困ったときに周りに助けを求めたり、わからないことがあったときに質問がしやすい環境が作れます。
自分が働きやすい環境にするためにも、謙虚さを忘れないことが大切ですよ。
どんな仕事にも主体性を持つ
「新人だから教えてもらって当たり前」という態度の新人に対して、先輩や上司はサポートしてあげようという気持ちにはなりづらいものです。
受け身な人より、「もっといろいろな仕事を覚えたい」「できる仕事を増やしたい」という前向きな姿勢が表れている人の方が進んで仕事を教えたくなります。わからないことは積極的に質問し、主体的な姿勢で仕事に臨みましょう。
また、新人のうちから仕事を選ぼうとすると、自分の可能性を狭めてしまいます。まずはどんな仕事にも意欲的に取り組みましょう。
- 上司や先輩に好かれる新人でいるためには、どんな心構えでいるべきですか。
期待に応えようとする意志が重要
上司や先輩は「一日も早くなじんでほしい」「早く一人前になってほしい」といった気持ちで新人を迎えます。
そのためにコミュニケーションをしっかりとって、あれこれ教えようと待っているので、新人としてはそれを受け止め、期待に応えようという心構えがあると良いでしょう。
「新人なので教えてもらって当たり前」ではなく、「いろいろ教わりたい」「頑張りたい」「少しでも役に立ちたい」という気持ちがあれば、気持ちよく受け入れてもらえますよ。
すべての職業に共通する! 社会人としての10個の心構え
特に新入社員が持つべき心構えを解説してきました。ここからは、すべての職業の人が共通して持つべき社会人としての心構えを解説します。卒業して社会に出ていくにあたって、どんな行動をすれば良いのか、どんな行動をしてはいけないのか、気になりますよね。
ここで解説する心構えを押さえておけば、どんな仕事であっても社会人にふさわしい行動を正しく選択できるようになります。
もう学生ではない! 自立した大人としての心構え
もう学生ではない! 自立した大人としての心構え
- ルールを徹底して守る
- 万全の体制で仕事に臨めるよう自分を管理する
- 与えられた仕事を最後までやりきる
世の中には常識とされる振る舞い、行動があります。学生の頃までは許容されていたおこないが、社会人になると許されない場合もあるのです。
中には、今までも意識できていたという人もいるでしょう。そのような人も社会人になることを機に、改めて気を引き締めるようにしてください。
ルールを徹底して守る
多くの企業には、就業規則というものがあります。業務時間中にしてはならないことや、備品の使い方などを取りまとめたものです。また、各部署やチームごとに決められたルールもあります。
これらのルールや規則にはすべて目的や意味があり、逸脱した行動をすれば業務に支障を出してしまいかねません。自分に悪影響があるだけでなく、周りの人に迷惑をかけてしまうことも。
社会人としての信頼を損なわないためにも、ルールは徹底して守りましょう。言うまでもありませんが、公共の場所で大声で騒がない、交通ルールを守るなどの社会のマナーやルールを守ることも、社会人として当然の義務です。
万全の体制で仕事に臨めるよう自分を管理する
スケジュール管理や体調管理など、自分を管理することも社会人の基本です。
仕事では、会議や商談の日程が設定されていたり、任された仕事に締切があるなど、あらかじめ指定されたスケジュールに沿って行動するようになります。締切に遅れたり、準備が間に合わないことがないよう、自分の動きを管理しなければなりません。
体調管理も自己管理の一つです。万全の体制で仕事に臨むためにも、休日や退勤後の過ごし方に注意しましょう。
たとえば、休日にリフレッシュをして体調管理ができなければ仕事に影響し、遅刻をして会議のスタートが遅れれば参加者全員の人件費と時間が無駄になります。
結果として、会社に損失を与えてしまうので、体調管理や時間管理は特に重視しなければなりません。
与えられた仕事を最後までやりきる
与えられた仕事を途中で放棄するのは、社会人失格のおこないです。学生であれば、課題を途中で放棄しても、自分の成績が下がったり、単位を落とすだけで周囲に迷惑をかけることにはならなかったでしょう。
しかし、仕事は一人で完結しないものばかりです。自分に任された仕事は大きな仕事の一部であったり、誰かの仕事にとって欠かせないものである可能性が高いです。自分が放棄することで、他人の仕事にまで支障を与えてしまいかねません。
与えられた仕事を最後まで責任を持ってやり遂げるのが、社会人としてあるべき姿です。
一人では仕事はできない! 組織の一員としての心構え
一人では仕事はできない! 組織の一員としての心構え
- 挨拶を欠かさない
- 報告・連絡・相談を怠らない
- 指示やアドバイスを素直に受け入れる
- 周囲への気遣いや感謝の気持ちを言動に表す
学生のときの本分は学業でしたが、学業は基本的に個人プレーですよね。周囲と協力しておこなう実験などもありますが、試験勉強は1人でできるものが多く、自分の試験結果が他人に悪い影響を与えることはありません。
しかし社会人の多くは会社という組織に所属し、一人では完結させられない仕事を任されることがほとんどです。一つひとつの仕事を成功させるには、チームワークが重要です。
ここからは、チームワークを成立させるために組織の一員として持つべき心構えを解説します。
挨拶を欠かさない
挨拶はコミュニケーションにおける入口です。朝の「おはようございます」という挨拶が、周囲の人とのコミュニケーションを活発化させるきっかけになります。社内外問わず、進んで挨拶をしましょう。
挨拶の種類
- 出勤したとき:おはようございます
- 会社から出るとき:行ってまいります
- 社内の人が会社から出るとき:行ってらっしゃいませ
- 自分が帰社したとき:ただいま戻りました
- 社内の人が帰社したとき:おかえりなさい
- 自分、ほかの人が退勤するとき:お疲れ様でした
- 挨拶が苦手です。特に相手が忙しそうな時は挨拶をするべきか迷います。
迷ったときには挨拶をしよう
挨拶をすべきか迷うときは、ぜひ挨拶をするように心掛けてください。相手に挨拶をし返してもらえない場面にも多々遭遇することがあるかもしれませんが、基本的にはしっかり挨拶しましょう。
挨拶は社会人の基本です。基本を実施できていないと、あなた自身の評価も悪くなってしまうことがあります。
報告・連絡・相談を怠らない
報連相と言われる「報告・連絡・相談」の3つは、社会人の基礎とされています。仕事を進めるうえで判断に迷うことが発生した場合は独断で進めず上司に相談し、仕事の進捗も上司から聞かれる前に自ら伝えるのが鉄則です。
もし、ミスや失敗をしてしまった場合も、怒られたり評価が下がることを恐れて隠すのではなく、早めに報告しましょう。そうすることで被害を最小限に留められます。
報告・連絡・相談は常に徹底するのが社会人としての基本的な仕事の進め方です。
指示やアドバイスを素直に受け入れる
上司や先輩から指示やアドバイスを受けたときに、「自分はそうは思わない」というようにすぐには飲み込めないこともあるでしょう。しかし、最初から対立した意見を述べるのではなく、いったん素直に受け入れることを心掛けましょう。
自分が所属するチームのリーダーは、自分よりも広い視野で仕事を見ています。自分には見えていないチームの事情や先を見すえたうえでの指示やアドバイスである可能性が高いです。
もちろん自分の意見を述べることも大切です。どうしても納得がいかない場合は指示の背景や理由を把握したうえで自分の意見を述べてみましょう。
社会人になったので、自分の意見をしっかり持たないといけないと気負う気持ちもあるでしょう。とはいえ周りは自分より経験が長く、より広い視野で物事を見ています。
素直に上司や先輩の言葉を受け止められると、それはあなたの糧になり、仕事の幅を広げられますよ。
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周囲への気遣いや感謝の気持ちを言動に表す
周囲への気遣いや感謝は、行動に表れていなければ伝わりません。重いものを持っている社員がいたら、「大変そう」「手伝った方が良さそう」と心で思うだけではなく、駆け寄って「手伝います」と声をかけることが重要です。
周囲から助けてもらったときも「ありがとうございます」というように、感謝の気持ちを言葉で伝えるようにしましょう。便宜上メールなどの文面で伝えることも多いですが、なるべく口頭で直接伝えられると、感謝の気持ちが伝わりやすいですよ。
成長への歩みを止めない! キャリアを切りひらくための心構え
成長への歩みを止めない! キャリアを切りひらくための心構え
- 反省と改善を繰り返す
- 失敗を恐れずにチャレンジする
- 先のことを考えて行動する
学生生活を終えると、長い長い社会人生活がスタートします。学業を通じて年々知識が増えていったように、社会人も仕事を通じて大きく成長することが可能です。キャリアを切り拓いていくために持つべき心構えを解説します。
将来ありたい姿を明確にし、そのためにどのようなステップで成長していけば良いのか理解しておくと、より社会人としての心構えができますよ。こちらの記事で将来ありたい姿に近づく方法を詳しく解説しています。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
反省と改善を繰り返す
自分の仕事に満足してしまうとそこから先には成長できません。自分の仕事ぶりを振り返って、もっと良くする方法を模索し続けることが成長につながります。
仕事をやり遂げると、達成感でいっぱいになって満足してしまいがちですが、振り返って改善点を見出す癖を付けるようにしましょう。改善を重ねることで、より高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
失敗を恐れずにチャレンジする
ミスや失敗はなるべくしたくないという人がほとんどですよね。しかし、失敗を恐れてチャレンジを避けるのは、自分の可能性を狭めてしまうことになります。
失敗したとしても、その過程で得られることや学びは必ずあるはずです。失敗した時点では周囲に迷惑をかけてしまうことになりますが、いずれそれ以上の成果を出せれば価値のある失敗だったと周囲も認めてくれるでしょう。
大きな成果を出すためにも、失敗を恐れずにチャレンジし続けましょう。
先のことを考えて行動する
判断を迫られる場面では、つい目先の苦労を避けようとしたり、すぐに利益が得られる方を選びがちです。しかし、目先のことだけに捉われず、先のことを見すえて行動できる社会人は企業にとって貴重な存在になります。
先のことを正しく察知するためにも、常にアンテナを高く持って、幅広い情報を収集し続ける必要があります。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る企業が新入社員に求める社会人としての心構えを意識しよう
企業は新入社員に対して、自己管理、チームの一員としてのコミュニケーション能力、仕事に対する責任感、キャリアを意識した自己研鑽を求めています。
自己管理については、社会人としては当たり前のことですが、業務を処理するためにスケジュールを立案して計画的に行動することです。また、仕事に優先順位を付けて進めるための能力でもあります。
企業という組織を運営をする以上、ほとんどの業務はチームで協力して遂行します。そのため、チームの一員であることを常に意識し、お互いを思いやり、コミュニケーションを取りながら仕事を進めることが重要です。
自分で自分を成長させられる人材は重宝される
責任感を持って仕事に取り組むことも重要です。社会人として、仕事に対して真摯に取り組み、企業に貢献することが求められます。
キャリアを意識した自己研鑽ができる人材は、実は企業が一番手放したくない存在です。常に自分に課題を課しながら自分の足りない点を補ったり、必要とされていることを実施していければ、その会社の中でステップアップできるだけでなく、外部からも声がかかる人材になっていきます。
「自己管理」「チームの一員としてのコミュニケーション能力」「仕事に対する責任感」「キャリアを意識した自己研鑽」を意識して、社会人として成長することを心掛けましょう。
面接での質問「社会人としての心構え」の回答を考えよう
面接での質問「社会人としての心構え」の回答を考えよう
- 面接官が社会人としての心構えを聞く意図
- 社会人としての心構えを回答する構成
- 社会人としての心構えを回答するときの注意点
- 社会人としての心構えの回答例文
面接にて「あなたが思う社会人としての心構えとは」「社会人になるにあたってどんな心構えが必要だと思いますか」のような質問をされるケースがあります。その場で自分の考えを的確に言葉にするのは難しい質問ですよね。
面接官が質問をする意図を踏まえて、伝わりやすい構成に沿った回答を作成してみましょう。
「仕事をする上で大切なこと」も、面接で度々聞かれる質問です。こちらで回答の考え方を詳しく解説しています。「社会人としての心構え」と共通している部分が多いので、ぜひ参考にしてくださいね。
「仕事をする上で大切なこと」はどう答える? 例文20選付きで解説
面接官が社会人としての心構えを聞く意図
面接官が社会人としての心構えを聞く意図
- 社会人になる覚悟があるか
- 価値観や考え方がマッチしているか
面接官がこの質問を通して知りたいことを理解すると、的確な回答が見えてきます。
「あなたにとっての社会人としての心構えとは」という質問は、一見すると面接官の意図がわかりづらいですよね。そのため、意図に添わない回答をしてしまっているケースも珍しくありません。
まずは、面接官が社会人としての心構えを問う意図を理解しましょう。
社会人になる覚悟があるか
学生から社会人になると、生活が大きく変化するという人がほとんどでしょう。
社会人になれば基本的に週5日、1日8時間が就業時間となります。大学3、4年生だと、大学に通うのは週に1、2回程度という人も多くいますよね。そのような状況から社会人の生活に急に適応するには、覚悟が必要です。
社会人としての心構えを聞くことで、学生から気持ちを切り替えて社会人として当たり前の行動をする覚悟があるのかを見極めようとしているのです。
価値観や考え方がマッチしているか
社会人としての心構えでは、価値観や考え方のマッチ度を測ることも可能です。企業は自社の採用基準を「求める人物像」として学生に対して発信しています。
求める人物像が「主体的に仕事に取り組める人物」としている企業に対して、「主体的にどんな仕事にも取り組もうという心構えで入社します」と回答すれば、求める人物像と一致していると受け取れますよね。
つまり、社会人としての心構えから、学生の考えや価値観が自社とマッチしているかを確認できるのです。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る社会人としての心構えは企業の意図を踏まえて回答しよう
社会人としての心構えを問う企業の意図について、考えてみましょう。
社会人になる自覚を確認する
社会人としての心構えについての回答から、社会人としてどういった自覚があるかを確認しています。学生と社会人の違いを認識したうえで、学生から社会人へ気持ちを切り替えて行動する覚悟があるかを回答から見極めています。
また、社会人として大切な時間厳守、コミュニケーション力、企業のルールを守る、積極的な行動力などを社会人としての心構えとして認識しているか確認する意図があります。
仕事の捉え方を見極める
社会人になる自覚の確認のほか、仕事の捉え方が自社で合うかどうかを見極めています。たとえば、積極的に行動していく社風の企業で、常に石橋を叩いて渡るような心構えでは自社に合わないと判断する可能性があります。
自己管理能力の確認
社会人としての心構えの回答から、体調管理や時間管理といった社会人の基本である自己管理ができるのか確認したい意図もあります。たとえば、社会人としての心構えがオンとオフをはっきりするという回答であれば、オフにおこなうことが仕事に支障を与えるものではないか懸念する担当者もいます。
社会人としての心構えを回答する構成
社会人としての心構えを回答する構成
- 自分の言葉で心構えを一言にまとめる
- 根拠となる考えや背景を説明する
- 具体的な行動まで示す
では、さっそく回答の作成方法を解説します。以下の順番で回答を構成すると、簡潔かつわかりやすく、自分の回答を伝えることができます。以下の3ステップに沿って作成してくださいね。
①自分の言葉で心構えを一言にまとめる
面接官の質問に対して答える際は、どんな質問でも結論から答えることを意識しましょう。社会人としての心構えに関する質問も例外ではありません。
結論から述べると、相手にこれから話す内容を予測させることができ、相手は聞きやすくなります。それだけでなく、聞きたいことから逸れた回答をしてしまうリスクを減らせます。
先に挙げた12個の心構えを参考にしながら、自分が重要だと思うものを一言でまとめるようにしてください。
社会人としての心構えを一言にまとめる例
- 私が必要だと考える社会人としての心構えは、信頼を得られる人物でいるために、礼儀やマナーを徹底することです。
- 私は、与えられた仕事に責任を持ってやり遂げるという決意が、社会人としての心構えだと考えています。
- 私は、主体的に仕事に取り組み活躍の場を広げようとする心構えが重要だと考えています。
②根拠となる考えや背景を説明する
結論を述べたら、根拠となる考えや背景を説明しましょう。結論だけを述べている状態では、その心構えを重視した根拠や背景が伝わりません。
企業はこの質問を通して、社会人になる覚悟があるのかを知りたいと思っています。根拠となる考えや背景まで述べることで説得力が増し、社会人になる覚悟が伝わりますよ。
③具体的な行動まで示す
「主体性を持つ」「積極的に行動する」のような漠然とした回答で終わらせずに、具体的な行動まで示せると、社会人になるイメージが具体的にできていることがわかります。
社会人として仕事をするイメージが漠然としている人より、現実的なイメージができている人の方が、社会人になることに対し、本気で向き合えているといえます。
社会人としての心構えを回答するときの注意点
社会人としての心構えを回答するときの注意点
- 回答が長くなりすぎないようにする
- 仕事に必要といえる心構えを挙げる
社会人としての心構えの回答を作成する手順について解説してきました。さっそく回答の作成に取り掛かってくださいね。回答を作成するときは、以下2つの注意点も踏まえながら作成するようにしてください。
回答が長くなりすぎないようにする
社会人としての心構えは、回答の自由度が高い質問だからこそ、回答を詰め込みすぎて長くなりがちです。回答が長過ぎると、重要なことがわかりづらくなってしまったり、質問から脱線した内容を話してしまっていることも。
回答は文字数にして200字程度が適切であり、それ以上長くならないように注意してください。
仕事に必要といえる心構えを挙げる
回答は仕事に関連した内容にしましょう。「プライベートを充実させよう」という心構えのアピールでは、「仕事にはあまり意欲的ではないのかな」と思われてしまいかねません。
あくまで、企業に貢献するという会社員の役割をまっとうするために、必要といえる心構えを回答するようにしてくださいね。
社会人としての心構えの回答例文
最後に社会人としての心構えの回答の例文を紹介します。イメージをつかんで、自分の回答の参考にしてください。
社会人としての心構えの回答例文①
社会人としての心構えの回答例文①
今まで学んできた、当たり前と言われることを徹底して実行することが社会人として大切な心構えだと考えています。学校生活を通して、時間厳守で行動することの重要性や、挨拶やお礼を伝えることの大切さを学んできました。
守って当たり前のことですが、自分に甘さが生じると、逸脱した行動をしてしまいます。そういったことがないよう、常に自分を律することが社会人の基本となる姿勢だと考えています。
上記の例文から、規律を守れる社会人になることが期待できます。回答内容は社会人としての基本的な姿勢になるので、自分の個性をどのように社会貢献につなげられるかまで考えておいて、深掘りした質問にも備えましょう。
社会人としての心構えの回答例文②
社会人としての心構えの回答例文②
私はどんな仕事にも主体的に取り組もうと考えています。最初のうちは、周囲の方に時間を割いて仕事を教えてもらったり、失敗やミスでご迷惑をおかけしてしまうこともあるかと思います。
ついミスや失敗を恐れて、仕事に対して消極的になってしまいそうですが、自分にできる仕事に積極的に取り組み、身に付けた知識やスキルで、お世話になった方々を含めた会社全体にメリットをもたらせるような働きをしたいと考えています。
そのためにも、新入社員のうちから、どんな仕事にも主体的に取り組むという気持ちを忘れないようにしたいです。
主体的に行動していくことは、社会人としての心構えとして評価できます。ただ、「失敗やミスでご迷惑」と「ミスや失敗を恐れて」とミスや失敗について何度も語ると、ネガティブな印象が強くなるので注意しましょう。
社会人としての心構えは学生のときから求められる! 信頼を獲得しよう
社会人としての心構えというと、社会人だけが持つべき心構えのようにも受け取れますが、学生の時点から求められているものもあります。
特に就活生は、ビジネスマナーに沿った行動が求められる場面や、社会人としての常識やマナーが守れているかを測られている場面が多くあります。
まだ社会人ではないとはいえ、就活生は社会人として活躍できることを企業にアピールする必要があり、そのためには社会人としての心構えが備わっていなければなりません。社会人としての心構えを持って、就職活動に取り組みましょう。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る社会人は自由度が高くなる分行動に対する責任も大きい
「社会人としての心構えとは」と聞かれたときには、学生との違いを思い浮かべてみましょう。
学生はまだ経済的にも法的にも守られる部分が大きいですが、社会人は自分で決めてできることが増える一方で、その行動には自分が責任を持たなければなりません。
学生は社会人の準備期間でもある
しかし、アルバイト先では、顧客から見たら社員も学生アルバイトも同じ「お店の人」として同じ対応を求められます。皆さん自身も「アルバイトだから」と甘えるのではなく、責任感を持って働いていますよね。そういう人は、社会人としての心構えの基礎ができているといえます。
大学生は「子どもか大人か」で考えると、すでに大人に近い存在です。卒業・就職すると自動的に社会人になれるとのんびり構えるのではなく、学生のうちから社会人としての意識を高めておくことで、スムーズに社会人生活をスタートさせられます。
就活自体が今後の社会人生活で必要なスキルの準備にもなり、就職先も最終的に自分で選択することで、社会人になる心構えがしっかりとできますよ。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/ブルーバード合同会社代表取締役
Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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