就活ノートとは? まとめ方を工夫して選考の心強い味方にしよう

この記事にコメントしたアドバイザー

  • 渡部 俊和

    キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表…続きを見る

  • 隈本 稔

    キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級…続きを見る

  • 木村 千恵子

    キャリアコンサルタント/Koyoriキャリアワールド代表取…続きを見る

この記事のまとめ

  • 就活ノートを作ればぐっと選考対策しやすくなる
  • 就活ノートでまとめるべき内容は4つ
  • 3つのコツを踏まえると簡単に見やすいノートを作成できる
  • 4ステップでさらに選考対策に活かしやすい完全版のノートが完成
  • おすすめのノートや文房具も紹介

就活を始めると、「就活ノートを作成した方が良い」という声を聞く人もいるのではないでしょうか。「普通のメモと何が違うの?」「どうまとめれば良いのだろうか」と疑問に思いますよね。

就活を進めると、たくさんの情報が入ってきます。「就活は情報戦」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、たとえ情報を入手したとしても、自分の中で整理できていなくてはその戦に勝つことができません。そこで役立つのが就活ノートです。作成していれば、集めた情報をしっかりと就活に活かすことができますよ。

記事では、キャリアアドバイザーの渡部さん、隈本さん、木村さんとともに、就活ノートを作成する方法を解説していくので、ぜひチェックしてくださいね。

就活ノートを作ると格段に選考対策しやすくなる

就活ノートとは、単なる就活のメモではなく、情報を整理したり、そこから新たな発想を得たりするためのツールです。就活ノートを使用すると、格段に選考対策しやすくなります。

記事では、まず就活ノートに書くべき内容や、作成するメリットを解説します。そのうえで、後から見返しやすいノートを簡単に作るコツを説明します。「ノートを作るのは面倒そうだな」と考えている人も、案外取り組みやすいということがわかるのではないでしょうか。

さらに、選考対策に活かしやすいおすすめの作り方を解説します。就活ノートの作り方には正解がないので、どう作れば良いか迷う人も多いと思います。そこで、この記事で解説するおすすめの方法を参考にすると、誰でも簡単に、かつ選考対策に有効なノートを作れるようになりますよ。

おすすめの文房具も併せて説明するので、参考にして、自分なりの就活ノートを作成してみましょう。

木村 千恵子

就活ノートは、基本的には就活について考え始めたらその時点で作成してしまうのがおすすめです。目安としては大学3年生の7月か8月ぐらいから作り始めると良いですね。

そもそも就活ノートとは? 書くと良い内容

就活ノートに書くと良い内容

  • スケジュール
  • 業界の情報
  • 企業の情報
  • 自己分析

就活ノートに書くべき内容は自由ですが、基本的には就活に関する情報をすべて書くという意識でいましょう。どの情報が選考に役立つかわからないため、記録する情報を取捨選択するにはリスクがあります。

就活に関する情報は、大きく4つに分けられます。その4つを解説するので、書くべき内容をイメージしつつチェックしてくださいね。

①スケジュール

エントリーの締切、書類選考の締切、面接など、就活は多くの予定が入ります。また、ゼミや研究室、アルバイトやサークルなど就活以外の活動とも平行させる必要があります。

このように、就活中はスケジュールが乱立することから、それを把握するためにノートで整理することが大切です。

特に、面接のダブルブッキングなどをしてしまうと、企業からの信用が下がり、採用担当者から「基本的なマナーができていない人」といった印象につながりかねません。スケジュールは、しっかり管理できるようノートにまとめておくことをおすすめします。

普段はスマートフォンのスケジュールアプリを使っているのですが、その場合は就活ノートに予定を書かなくても良いのでしょうか。

渡部 俊和

スケジュール管理には手書きのノートがおすすめ

最終的には自分の使いやすいものを使えば良いので、アプリが使いやすければそちらを使っても構いません。

しかし、手書きのノートを使用したほうが良いケースが多いです。

就活では、説明会、一次選考、OB・OG訪問、座談会、二次選考、三次選考などが同時期に数十社重なり、落ちたところや断るところの予定を大きく削除したり、新しい会社の予定を入れたりする作業が頻繁にあります。

アプリを使用すると、予定の変更履歴が残らないことが多いので、修正漏れなどが発生するリスクがありますが、手書きであればチェックマークなどをつけたり修正跡の有無で気づけたりしますよ。

②業界の情報

受ける企業を探すために、さまざまな業界に目を通しますよね。その際に、それぞれの業界の特徴や今後の傾向をまとめておくと便利です。業界事情は複雑に入り組んでいることが多く、ノートにまとめることで理解しやすくなります。具体的には以下の内容です。

就活ノートに記載する業界情報の例

  • 何をしている業界か
  • 業界の中にどのような企業があるか
  • 今後の業績
  • 他の業界との関連性

説明会やOB・OG訪問で聞いた情報に加え、企業ホームページ(HP)や業界地図、就職四季報などで調べた情報の中で、特徴的な内容を記載することをおすすめします。

隈本 稔

業界情報を記載する際は、​​イラストや表などを使用しながら、業界の規模や他の業界との相関関係を記載することがおすすめです。特に、市場規模や参入している企業数などの数値データを盛り込むことで全体を把握しやすくなりますよ。

③企業の情報

さらに、企業の情報も就活ノートに書きましょう。説明会やOB・OG訪問以外にも、リクルーター面談や座談会に参加したり、面接を受けたりすることで、多くの情報が蓄積されます。それをすべて記憶することは困難なので、就活ノートに記録することをおすすめします。具体的には以下の内容です。

就活ノートに記載する企業情報の例

  • 企業理念
  • 事業内容
  • 求める人材
  • 他社に負けない強み
  • 社風
  • 仕事のやりがい
  • 大変なことや辛いこと
  • 座談会などで話を聞いた社員の名前や部署、特徴
  • 面接で聞かれた内容と回答した内容

特に、面接で聞かれた内容、回答した内容はしっかりメモをしておきましょう。たとえば二次面接で、一次面接で聞かれた質問と似た内容を聞かれることがあります。そこで矛盾した回答をしてしまうと、回答の信憑性を疑われてしまうかもしれません。そうならないように、しっかりと就活ノートにメモをしておくことが大切です。

また、面接では「記憶に残っている社員はいますか?」など、細かい情報についても質問されることがあります。そこで答えられないと、「熱意はそこまで高くないのかな」といった印象を持たれるリスクがあるので、説明会や座談会などで話を聞いた社員の部署や名前、特徴などもノートに書いておきましょう

渡部 俊和

企業情報で書いておくべき内容としては、上記に加え、わかる範囲で顧客は誰か(=市場はどこか)、決算書の内容がわかる上場企業であれば売上や利益率(できれば粗利益率と経常利益率の2つ)、従業員数、ライバル企業などもメモしておくと、質問に対する回答の幅がかなり広がりますよ。

④自己分析

自己分析とは、自分がどのような人なのかを研究することです。自分をしっかり理解していなければ、企業に売り込むことはできません。そのため、自己分析は大変重要なものです。少なくとも以下の内容を整理することが求められます。

自己分析で必要な内容

  • 自分の強み・弱み
  • 好きなこと・嫌いなこと
  • 得意なこと・苦手なこと
  • 根底にある価値観

自己分析は、まとまった時間をとっておこなうことも大切ですが、選考を通して新たに気付く面があったり、友人に指摘されて理解が深まることもあります。そのような内容を忘れてしまわないように、就活ノートに適宜記載していくことをおすすめします。

アドバイザーコメント

モチベーションアップになる趣味の予定などを書くこともおすすめ

就活ノートは、何度も見返して理解を深める必要があります。そのためには、就活ノートを開くモチベーションが高まる内容を書くこともおすすめします。

たとえば、趣味をおこなう予定も記載すると良いですよ。「〇〇社のエントリーシート(ES)を提出したら1時間趣味を楽しむ」など、就活の予定と関連させた予定を書くと、就活もはかどりやすくさらにおすすめです。

就活をゲーム感覚で楽しめるようなノートを作成しよう

就活の予定を1つクリアしたら1つ自分にご褒美の予定といったようにすると、ゲーム感覚で楽しみながら就活ノートを開く頻度を増やすことができます。

就活ノートに作成する内容には決められたルールはありません。自分との対話を促進して就活のモチベーションアップにつながるオリジナルものを自分なりの発想で楽しんで書くことで、つらいと思いがちな就活も、少し楽しむことができますよ。

就活ノートをつけるメリット

ここまでの内容を理解したうえで、「どこかにメモをしておけば、わざわざまとめる必要はないのではないか」と感じた人もいるかもしれません。しかし、まとめることで就活をよりスムーズに進められるというメリットがあります。

隈本 稔

就活ノートを作成していないと、企業に応募する度に資料を見返さなければなりません。これでは非効率です。就活ノートにすべての情報をまとめることで、選考対策をスムーズに進められますよ。

ここでは、その具体的なメリットを解説するので、就活ノートを作成しようか迷っている人はぜひ参考にしてくださいね。

①企業に関する情報を思い出しやすい

就活では、少なくとも数社、多くて数十社の企業を受けることになります。一つひとつの企業の情報を覚えておくことは難しいですよね。

就活ノートを作っておけば、ES作成時や面接前にノートを見返すことで、企業の細かい情報まで思い出すことができます。

詳細な情報まで覚えていれば、採用担当者は「しっかり自社を調べてくれているな」と熱意を感じ、好印象を抱きます

渡部 俊和

企業の情報は山積みで覚えるのが大変だと思いますが、就活ノートを作成すると覚えやすくなります。ページをめくるたびにそこに書いてある情報に目を通すことになるため、記憶が定着しやすくなるのです。

②思考を整理しやすい

頭の中だけで多くの情報を整理するのは難しいです。紙に書き出すことで、混沌としていた情報が整理され、理解しやすくなります。

皆さんの中には、さまざまな不安に捉われていて、それを紙に書き出したところ気持ちが軽くなったという経験をした人がいるかもしれません。

就活は「どんな企業に行くべき?」「内定が出なかったらどうしよう」「自分の強みがわからない」など多くのことに悩みますが、自己分析や企業研究を紙に書いておこなうことで、思考が整理され、そういった悩みに対する回答が見つかりやすくなります

③新たな発想が浮かびやすい

書くという行為により、脳が刺激され、発想が浮かびやすいとも言われています。ただ情報を聞いたり見たりするよりも、実際にそれをノートに書き込んだ方が、思考が活性化され、新たな気づきを得やすいのです

ノートを使って自己分析をしていると新たな自分の一面に気づいたり、企業研究をしていると他の企業との明確な違いに気づいたりと、さまざまな発見があります。

アドバイザーコメント

就活ノートを作成すると多面的な情報を得られる

たとえば、企業HPに掲載されている情報は、企業にとって好ましい情報しか掲載されていないことが多いです。

しかし、ノートを作成すると「多くの情報を集めよう」という意識が働くので、たとえば企業HPの情報に加え、第三者の異なる立場の人間が発している情報に触れたりすることになり、結果的にさまざまな角度からの情報を得やすくなります。

ノートにまとめていると自分に合った企業を探しやすくなる

また、ノートにまとめているうちに自分がどのような企業に興味を惹かれるのかなど、自分の思考を整理しやすくなります。結果、自己分析が進み、自分に合った企業に巡り合える可能性が高くなるのです。

このように、就活ノートを作成すると、自分の志向に合った企業を見つけやすく、志望動機なども書きやすくなります。結果的に就活を効率的に進められますよ。

後から見返しやすい就活ノートを簡単に作成する3つのコツ

では、実際に就活ノートを作成しましょう。いざノートを作るとなると、「綺麗に作らなくては」などと意気込む人もいるかもしれません。

しかし、就活で得ることになる情報量は膨大なので、一度メモした内容を再度まとめ直したり、見栄えを意識した綺麗なノートを作成することは難しいです。メモをした時点である程度見返しやすい内容にする必要があります。

ここでは、簡単かつ見やすいノートを作成するためのコツを解説するので、メモを取るときに意識してみてくださいね。

①情報の種類別に色分けをする

まずおすすめなのは、マーカーや色ペンを使用することです。情報を区分けし、そのグループごとに色を分けて囲ったり、重要な情報の下に色ペンで線を引いて強調したりすると見やすくなります

色の使い分け方や、線を引くべき情報がイメージしにくい人は、以下の例を参考にしてみてくださいね。

色分けの例

  • スケジュール
    ES提出〆切:青色
    面接:赤色
  • 業界・企業研究
    企業の強みや仕事の楽しいところといった良い面:青色
    企業の今後の課題や仕事の大変なところといったマイナスの面:赤色
  • 自己分析
    強み:青色
    弱み:赤色

線を引く重要な情報の例

  • 業界・企業研究
    企業が説明会などで何度も強調している情報
    自分が魅力的に感じた企業の情報
    自分が懸念を感じた企業の情報
  • 自己分析
    選考で強調したいと考える強みや弱み
    企業選びの軸となる、好きなことや得意なこと

メモをしているときに「何色のペンを使おう」と考えるのは大変なので、後から見返した際に色ペンやマーカーなどで色分けすることをおすすめします。また、多くの色を使用しすぎると、かえって見にくくなるので注意してくださいね。

隈本 稔

数値を色分けする際には「増加は青、減少は赤」にすることをおすすめします。社会人が一般的に使うものであり、入社後にも活かせる色分けスキルです。

②同じ種類の情報は近い場所に書く

就活ノートに書くべき内容として、スケジュール、業界・企業研究、自己分析があると解説しました。それぞれの情報を近い場所にまとめて書くことで、後から見返しやすく、頭の中も整理しやすくなります

たとえば「スケジュールは〇ページ~〇ページ」「業界・企業研究は〇ページ~〇ページ」といったように書く場所を決めると、それぞれの情報がばらばらになることを防げます。

ただ、ノートを分けるとかさばるので、一冊の中で書く場所を分けることをおすすめします。

③後から情報を追加できるよう余裕を持って書く

ノートを見返していると、「何度も同じワードが出てくるな」「この部分はESや面接で使えそうだな」「社員の〇〇さんは××と言っていたけど、つまりこうとも言えそうだな」といった感想を持つようになります。

そこで改めてマーカーを引いたり、付箋を貼って目立たせたり、関連する情報を追加したりすると、よりわかりやすいノートになります。

そのような書き加えができるように、たとえば一行開けてメモをしたり、まとまった空行を確保したりと、余裕を持って書くことも大切です

また、空白があると、それを埋めようとする心理が働くとも言われています。そのために新たな気づきや考えが浮かぶことがあるため、さらに選考に役立つノートを作ることができますよ。

4ステップ! おすすめの就活ノートの作成方法

4ステップ! おすすめの就活ノートの作成方法

  • ノートの前からスケジュールを書く
  • スケジュールに続いて業界や企業の情報を書く
  • ノートの後ろから自己分析を書く
  • インデックスを作成し見たい情報をすぐ見られるようにする

就活ノートの作成方法に決まりはありませんが、ノート作りに慣れていない人や、就活ノートを作成してみたもののうまくまとめられないという人は、ここで解説する方法に則って作ることをおすすめします。

後から見返しやすく、簡単で、かつ選考対策にもすぐ活かせるような就活ノートができますよ。

①ノートの前からスケジュールを書く

スケジュールを作成する例

就活中は、企業から突然電話がかかってきて次の選考の日時を言われたり、面接中に次回の選考の日時を言われたりと、突発的にスケジュールを確認しなければならないことがあります。そのため、スケジュールはすぐに見られるようにノートの前から書きましょう。

イラストのような、マンスリータイプのものかつ、1日の予定書き込み欄が大きいものがおすすめです。マンスリータイプのものだと、一目で空いている日がわかり面接日程などを調整しやすく、かつページ数が多くならずかさばらないので便利です。

ノートにあらかじめついているスケジュール欄を利用したり、自分で作成したりしましょう。

②スケジュールに続いて業界や企業の情報を書く

業界や企業の情報を書く方法

先頭にスケジュールを記載したら、その次のページからは業界や企業の情報を書きましょう。企業説明会やOB・OG訪問、リクルーター面談、座談会、面接などで得た情報をメモしていきます

しかし、企業の情報は膨大です。それをただ書き連ねても、いざ見返すと何が重要なのかわからず、今後読み返すのが億劫になるということがあります。

そこで、企業情報は以下の手順でまとめることをおすすめします。手間をかけずに、見返しやすいまとめ方ができるので参考にしてくださいね。

①ノートの中央に線を引く

まず、1ページを半分にするようノートの中央に線を引きます。線はフリーハンドでかまいません。この線を利用して、左側と右側にそれぞれ別の情報を記載します。

②左側に業界や企業に関する情報を書く

まず左側に説明会やOB・OG訪問、インターンシップなどで得た企業の情報を記載します。具体的には以下のような情報です。事実ベースで記載していきます。

就活ノートに記載する企業情報の例

  • 企業理念
  • 事業内容
  • 求める人材
  • 他社に負けない強み
  • 社風
  • 仕事のやりがい
  • 大変なことや辛いこと
  • 座談会などで話を聞いた社員の名前や部署、特徴
  • 面接で聞かれた内容と回答した内容
  • インターンに参加している学生の雰囲気
企業HPを見てわかることもわざわざノートにまとめ直した方が良いのでしょうか?

渡部 俊和

分析しやすくなるため、ノートにまとめ直そう

企業HPやパンフレットに書いてある情報は、自分視点で整理された情報ではないので、本当に必要な情報を取捨選択できていない状態です。そのため、ノートに改めてまとめることをおすすめします。

ノートにまとめると、その情報を吟味してそこからさらに二次情報、三次情報に置き換えていくことも可能です。

たとえば売上高や利益高を従業員数で割って、一人当たりが生み出す価値を計算してみたり、その値を同業他社と比べてみたり、といったことができます。

そうすると、企業の情報への理解がより深まります。提供された情報から何を読み取るかということが仕事上でも必要な視点になるので、ただ情報を覚えているだけの人よりも、そこから自分なりの考えを導ける人の方が高く評価されます。

自分なりの考えを導くには、手を動かして情報をまとめることが効果的なので、企業HPなどに書いてある情報も、改めてノートに書くことがおすすめです。

③右側に情報を踏まえた感想を書く

そして、左側に書いた企業の情報をもとに、右側に自分の感想を書きます。たとえば、左側に「企業の強みはチームワーク」と書いたら、右側に「合っていそう」「違和感がある」など、自分が感じたことを簡単に書きましょう。これが、ESや面接で伝える志望動機や自己PRのもとになります。

たとえば「合っていそう」と書いたら、後ほど「なぜ合っていそうだと考えたのか?」といった観点で深掘りします。そこで「学生時代のラクロス部の経験からチームワークの重要性を身にしみて感じていたから」と気づいたとします。その内容をもとにすると、志望動機は「ラクロス部の経験から企業の強みに共感したから」といった内容を膨らませれば良いですね。

しばらく経ってからノートの情報を見返してESなどの内容を考えるよりも、情報を得た瞬間にESや面接に情報を活かすことを意識して感想を書いた方が、考える時間の短縮になるためおすすめです。

アドバイザーコメント

3つの観点で企業情報をまとめることもおすすめ

企業情報をまとめる際には、実際に会社説明会や業界に関するニュースなどを参考に、以下のような項目を追加することがおすすめです。

①思いついた疑問点を記載する

就活ノートを作り始めた段階では、何を書けば自分の役に立つかわからないことがほとんどです。

基本的な情報は調べればわかりますが、自分の仕事への価値観が精査されてくると、さまざまな気になる点が出てきます。進める中で出てきた疑問点はメモしておき、「次のOB・OG訪問で質問してみよう」など、追加の調査が必要な項目を増やしておきましょう。

②他の企業説明会にも参加して項目を充実させる

企業によって説明会の内容は異なります。そこで、他の企業説明会を受けた際に、「あの企業ではこの部分はどうなのだろう」などと、他の企業でも調べておくべきだと思った項目をマークしておきましょう。

それを調べることで、網羅性の高い就活ノートを作成できますよ。

③企業の評価をまとめたページを作る

ノートにまとめる企業数が増えてくると、それぞれを比較しながら見直すことが大変になります。そのため、企業名と志望度、採用試験に関連する情報などを一目で比較できる表を作成することをおすすめします。複数業界を志望するなら、業界別に表を作成しましょう。より情報の理解度が深まりますよ。

③ノートの後ろから自己分析を書く

そして、自己分析をノートの後ろから書きましょう。後に解説しますが、一番後ろのページはインデックスとして使うことができるため、後ろから数えて2ページ目から自己分析をすることをおすすめします。

自己分析にはさまざまな方法がありますが、ノートの特性や文房具を使って工夫することで、新たな視点を得られたり、さらに深く考えられるようになったりします

ここからは、就活ノートを活用した具体的な自己分析の方法を解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

罫線を利用してモチベーショングラフを書く

モチベーショングラフ

ノートに罫線がある場合は、それを利用してモチベーショングラフを作成しましょう。モチベーショングラフとは、人生のモチベーションの上下を表すものです。

モチベーショングラフ

過去の自分自身の出来事や体験を振り返り、モチベーションの変化をグラフで表したもの

横軸に時間、縦軸にモチベーションの高低を設定します。そして、時系列ごとにあった出来事を思い出し、モチベーションの高低を波線で表します。

モチベーショングラフにより、自分はどのようなことに熱意を持って取り組めるのか、つまりどのような仕事にやる気を注げるのかを知ることができます。ノート1ページを広々と使い、モチベーションが上がるタイミングやそのときにあった出来事を思い出してみましょう。

自分史を作成し何度も出てくるワードにマーカーを引く

自分史のフォーマット

ノートの罫線を利用して、自分史を作成することもできます。自分史とは自分の半生を振り返るものです。

自分史

自分自身の生涯あるいは半生の出来事を文章化したもの

横の項目に年齢と共通点を設置し、縦の項目に出来事を設定します。まず年齢別にその時あった出来事を書きます。すると、何度も同じワードが出てくることがあるかもしれません。

たとえば「部活のメンバーに負けたくないと思ってテニスの練習を頑張った」「他のクラスに負けたくないという思いから文化祭に力を入れた」といったように、自分の考えや行動を表すワードが繰り返し出てきていないかチェックしてください。それがあなたの特徴であり、面接で伝える内容につながります。

見つけにくい場合は、まずは考え方や行動を示す部分にマーカーを引いてみると、何か傾向を見つけることができるかもしれません。

文字の色や線を工夫してマインドマップを作成する

マインドマップの作成例

自己分析の方法に、マインドマップというものもあります。「自分」を中央に置いて、そこから「頑張ったこと」「やりたいこと」「好きなこと」「得意なこと」などといった内容を考えていくものです。1つ思いついたら書き、そこからさらに「つまりどういうことが言えるか」と考えを派生させます。

マインドマップ

アイデアや情報の流れを、中心となる概念から分岐させて表した図

それぞれ項目別に文字の色を変えたり、同じ種類のものを同じ色で囲ったりすることで、自分がどのような要素で構成されているのか整理することができます。

色ペンをすぐに用意できないという人は、黒のボールペンでグルーピングするだけでも思考を整理できますよ。

アドバイザーコメント

付箋を貼って自己分析をすることが効果的

就活ノートを使った自己分析におすすめなのは、付箋を貼る方法です。

自己分析をした結果に対して、「いいね!」「残念!」「なぜ?」などの感情を示す言葉を付箋に書いて貼っていきます。

次に、その付箋に書いた感情に対して、そう思った理由を、別の付箋に書いて、隣に貼ります。

こうしていくと、自分の考えや感覚が見える化されるため、どのような事柄に対して「いいね!」を感じ、逆に「残念!」と感じるのか、ある程度傾向が見えてくるはずです。

今まで気づかなかった自分の考え方や仕事に対する価値観などに気づき、自己分析に役立ちますよ。

④インデックスを作成し見たい情報をすぐ見られるようにする

インデックスを作成する例

一番後ろのページはインデックスを作成することをおすすめします。

見やすい場所に作成すればよく、そのため最初のページでも問題ありませんが、最初はスケジュール帳など、自由記入欄になっていない場合があります。そのようなケースでは一番後ろにインデックスを作成すると良いです。

企業情報や自己分析などをする際に、ページの下にページ数を振ります。そしてインデックスでは、五十音順にその項目名とページ数を記載します。たとえば「モチベーショングラフ」なら「ま」行に追加しページ数を書くといったイメージです。

こうすることで、選考前に情報を見返したいときに、どこのページを読めば良いのかすぐにわかりますよ

おすすめのノートの種類4選

就活ノートに書くべき内容や作り方は理解できましたか。では、書く内容をイメージしつつ、実際に使用するノートを選びましょう。

おすすめのサイズはB6~A5です。大きすぎると手に持ってメモを取りにくく、小さすぎると後で見返しにくいためです。

それを念頭に置いたうえで、自分に合っているノートは何かを考え、ストレスなく就活ノートを作成しましょう。

①予定表がついているもの

メリット

スケジュール部分を自分で作成する必要がない

デメリット

自由に記入できるスペースが少ない

繰り返しになりますが、あらかじめ予定表が組み込まれているノートは、スケジュール部分を自分で作成する必要がないためおすすめです。ただ、スケジュールがあらかじめついているタイプのものは、自由記入できるページが少ないことがあるので、できるだけ自由に使えるページが多いものを選びましょう

ウィークリーの予定表があるとなお良い

マンスリーの予定表があると良いと解説しましたが、さらにウィークリーの予定表があると、その日のスケジュールを詳細に把握でき、かつその日できたことや反省点などもメモできるのでおすすめです。

就活では、落ち込みつらい気持ちになることがあるかもしれません。その際は、「できたこと」を記録し後で見返すと、少し気分を前向きにすることができますよ。一日一日の積み重ねを記録できるという点で、ウィークリーの予定がついていると良いです。

②ルーズリーフ

メリット

並べ替えや、一部抜き取って持ち歩くことができる

デメリット

並べ替えをすることに手間がかかる、途中で並べ替えなくなると順番がわからなくなる

普通のノートを使用すると、たとえば2回企業の説明を聞いた際に、同じ企業の情報にもかかわらずメモの位置が離れてしまうことがあります。「同じ企業の情報は同じ箇所にまとめたい」という人は、ルーズリーフを使用することをおすすめします。随時並び変えることができます。

また、ルーズリーフを使用すれば、必要なページのみを持ち歩くこともできるので便利です。たとえば、A社の面接が控えているなら、A社の企業情報を書いたページのみ持ち歩くといったイメージです。

ルーズリーフを使用して並び替えをする場合は、先に解説したようなインデックス用のページを作成するのではなく、ページに貼り付けるインデックスシールを使用することをおすすめします。「〇〇業界」「自己分析」といったようにシールに書いて、各ページに貼り付け、目印にします。

渡部 俊和

ルーズリーフは順序を入れ替えて整理できるメリットがありますが、普通のノートよりは紙の厚みがあるので、出し入れに手間取ることがあります。

また、紙の差し替えにも手間もかかります。ページを追加したり捨てたりするのはやりやすいですが、こういった面には注意してくださいね。

③スケッチブック

メリット

線を気にせず自由にイラストや文章を書ける

デメリット

混沌として見づらくなることがある

スケッチブックや無地のノートを使用するのもおすすめです。モチベーショングラフなど、イラストを作成する際に「罫線があると見にくい」と感じる人に適しています

ただ、スケッチブックにメモをすると文字の大きさや縦横がそろいにくく、後から見返す際に見づらさを感じるかもしれないことには注意してくださいね。

アドバイザーコメント

専用の「就活ノート」を購入するのもおすすめ

自分で自由にレイアウトを設定できるオリジナルの就活ノートを作成するのも良いですが、ノートのデザインや記載項目に特にこだわりがない場合は、市販の「就活ノート」を活用することもおすすめです。

市販の就活ノートには、就活の流れで必要となる情報やデータについて、記載用の項目があらかじめ用意されています。そのため、どんな情報やデータを就活ノートで管理していけばよいか、あれこれ悩む必要がありません。

加えて、自分では必要だと気づいていなかった項目も含まれているので、網羅的に情報収集をすることができます。

自分らしい就活ノートの作成にピンと来ないなど、作成方法を迷っている人は、市販の就活ノートを活用し、あらかじめ用意されている項目をフル活用させる意識を持つと良いですね。

④スマホやPC、タブレット端末

メリット

クラウドに上げればどの端末でも見られる、文字検索できる

デメリット

企業の社員の前で端末にメモをすると印象が良くないことがある

スマートフォンやPC、タブレット端末にメモをすると、クラウド上にアップしておけば、異なる端末でも内容をチェックすることができるため便利です。

また、検索機能もついているので、インデックスを作成しなくても、見たい情報をすぐに振り返ることができます

ただし、IT業界などの一部の企業を除いて、社員の前でスマホなどにメモをすると印象が悪くなることがあります。「情報漏洩をしているのではないか」「無関係な操作をしているのではないか」と思われてしまうことがあるので注意が必要です。

就活ノートを作成するうえで役立つ道具

就活ノートを作成するうえで、他にも役に立つ道具は多くあります。綺麗にまとめる必要はないと解説しましたが、それでもあまりに汚かったり、どこを見れば良いのかわからなかったりすると、ストレスを感じ、ノートを見返さなくなってしまいます。

ここからは、見やすい就活ノートを作成するうえで役立つ道具を解説するので、ノートと併せて使ってみてくださいね。

こすると消えるボールペン

普通のボールペンで書くと、間違えた際に線を引いたり修正テープを使うことで、見栄えが悪くなってしまいます。そこで、綺麗に修正できる、こすると消えるボールペンを使用することをおすすめします。

シャープペンシルでもかまいませんが、下敷きを敷かないと隣のページに色写りしてしまい、見にくくなってしまうことがあります。

蛍光ペン

蛍光ペンを使用することで、特定の箇所を目立たせ、後から見返しやすい内容になりま。たとえば、自分史を作成する際に共通するワードをマークしたり、マインドマップを作る際にグルーピングしたりと役立てることができます。

企業情報についても、重要なものや特に惹かれたものにマークをつけておくと、後から見返しやすくなります。

ただ、何色も使うとかえって見づらくなるので、多くても5色程度にとどめておくことをおすすめします。

付箋

付箋は重要なところを目立たせたり、情報を追加したりすることができる便利なものです。具体的には以下の使い方ができます。

付箋を貼る場所や使い方の例

  • 志望度が高い業界や企業のページを目立たせるように貼る
  • 直後の選考に関するページをすぐ開けるように貼る
  • その日の予定を書いているページに予定の数だけ貼る(予定が終わったら付箋を外す)
  • 企業研究をして追加すべき情報ができたら貼る
  • 変更になることが見込まれる内容を付箋に書いていつでも差し替えられるようにする

自分のお気に入りの柄やキャラクターデザインの付箋を使うと、モチベーションが上げられるという効果もあります

アドバイザーコメント

さらに効率的に見やすいノートを作成できるおすすめグッズを解説

就活ノートを作る際に、他にもあると便利な文房具をいくつか紹介します。

①5色ボールペン

5色ボールペンを利用すれば、情報を記入する際に素早く色を変えられるので便利です。3色ボールペンだと心許ないので、「黒、赤、青、緑」の4色ペンに加えて、薄く記入して後から消すことができる「シャープペンシル」付きのものがおすすめですよ。

②資料ファイル用クリアシート

企業説明会に参加した際などに入手した関連資料は、就活ノートの企業情報を記載しているページなどに、ルーズリーフと一緒にファイリングしましょう。

ルーズリーフを使用していない場合は、資料に「ノートの〇ページと併せてチェックする」などと書いた付箋を貼っておくと良いかもしれません。

また、履歴書やESなどのコピーもファイリングしておくと、まとめて見直すことができるので便利です。

③ガントチャートシート

ガントチャートとは、企業のプロジェクト管理で使用される工程表のことです。実施するタスクを抽出して、その実施期間をバーグラフで記載することで、全体のスケジュールをひと目で確認できます。就活でもスケジュール管理に使用すると便利ですよ。

ガントチャートのフォーマットを作成して印刷したり、ガントチャート形式のスケジュール帳を購入したりと、自分に合うものを使いましょう。

専用のノートを作成し情報戦と呼ばれる就活を勝ち抜こう

就活ノートは作成しなければならないものではありませんが、作ることで情報を漏れなく整理し、選考に活かすことができます。

説明会などに参加すれば多くの情報を得られますが、それを整理しないまま選考に臨むのは非常にもったいないです。しかし、得た情報を十分に活かせていない学生が多いことも事実です。

就活ノートを作成し、調べた内容や聞いたことなどをしっかりと整理し、「情報戦」と呼ばれる就活を勝ち抜けるように頑張りましょう。

アドバイザーコメント

情報を分析して活用するために就活ノートを作りこもう

就活ノートは学習のためのノートとは異なり、覚えるためというよりも分析と活用のためのノートです。おそらく、就活ノートをしっかり作ることの効果は、皆さんが考えるよりもずっと大きなものであるだろうと私は考えています。

時間管理・情報管理スキルがつき社会人になってからも活かせる

ビジネスマンの自己管理には主に健康管理(体と心の両方)と時間管理、情報管理、コンプライアンスの4つがありますが、就活ノートはこのうちの、時間と情報を管理するための道具としてぴったりです。

就活には「学生卒業まで」という期限があり、かつ「自分に合う企業から内定を得る」と求める結果がはっきりしています。一定の期限までに、求める結果から逆算して自分と相手の情報を整理、分析して対策を図る、という力は、就活ノートを作成することでつけることができますよ。

実際、社会人で活躍できている人は、時間管理と情報管理が上手です。就活ノートを作成することでその訓練をするという意識を持つと、就活も社会人生活もうまくいくでしょう。

記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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