この記事のまとめ
- 事業内容は企業全体として取り組んでいる仕事内容を指す
- 志望動機の作成には事業内容についての理解が必須
- 事業内容における深い理解が面接での受け答えに説得力を持たせる
企業研究をする際、事業内容についてきちんと把握できていますか? 事業内容は就活のみならず、多くの場面で用いられるビジネス用語の一つでもあります。就業経験のない学生からすると「事業内容についての記載を読んでもよく理解できない」「そもそも事業内容って何だろう?」と疑問を抱える人も多いでしょう。
そこで、今回は就活生にとって馴染みの薄い「事業内容」について、類似した言葉と比較しながら徹底解説していきます。
記事では、キャリアアドバイザーの田邉さん、谷所さん、遠藤さんと、事業内容の意味やそれを調べる具体的な方法を詳しく解説します。そのうえで面接へ活かすために取るべき行動も解説していきます。事業内容をきちんと理解し、その知識を適切に活かすことで、内定獲得を目指していきましょう。
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事業内容の理解は企業研究の土台となる
事業内容を理解することは、その企業のビジネスモデルさらには今後の方向性など企業研究をするうえで、必須の知識及び土台となります。
本記事では、まず事業内容と類似した言葉の違いと合わせて、事業内容の言葉の意味を詳しく解説します。そのうえで、業界毎の事業内容の例や事業内容を調べる具体的な方法、選考への対策など応用的な面にも踏み込んで解説していきます。
まずは、事業内容の意味を理解する基礎を固め、さらに選考へと活かせるよう、事業内容を熟知しましょう。
事業内容によってビジネスモデルが異なるため、必要なスキルやスタンスが大きく変わります。対個人と対企業では仕事の仕方が変わりますよね。
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業務内容と何が違う? 事業内容とは
事業内容という言葉は聞いたことがあるけれど、その意味をきちんと把握できていない人は多いのではないでしょうか。また、業務内容など事業内容と類似した言葉が頻繁に使用されることから、それらの言葉の違いまできちんと理解している人は少ないでしょう。
言葉の意味をきちんと理解していない状態では事業内容を適切に把握することが難しくなります。さらに、言葉の理解における認識のずれから面接での受け答えが上手くできず、マイナス評価へとつながりかねません。
「事業内容」はビジネス用語であり、就職した後にも重要な言葉の1つです。ここでしっかり理解を深めましょう。
事業内容の意味
「事業内容」とは、企業全体として取り組んでいる仕事内容を指します。別の言い方をすると、企業がどのようなものやサービスを通じて社会に価値を提供しているかというビジネスモデルとも表すことができます。
社員毎におこなっている細かい仕事内容は違えど、全員この事業を遂行するという目的のために各々の仕事に取り組んでいるのです。
つまり、事業内容をきちんと把握していないと、企業全体としてどんなことを成し遂げたいのかという大きなビジョンが見えません。それでは、志望動機でなぜ自社を志望するのかという答えが上手くできないですよね。
さらに、自分の持つ強みや価値観との合致を伝えるうえでも事業内容への理解は必須となります。
事業内容と似た言葉の違い

企業の採用ページを見ていると、「事業内容」という言葉以外に「業務内容」や「職務内容」という言葉を見て、それぞれの違いがあやふやになっていませんか? これらの違いをきちんと理解していないと、企業研究の精度が落ちてしまいます。
正しく企業理解を進めるために、類似した言葉の違いと合わせて理解しましょう。言葉の意味を正しく把握することで、企業に対する理解を深めることができますよ。
①業務内容
「業務内容」とは、部署・部門単位で取り組む仕事内容を指します。「事業内容」が企業全体として取り組んでいる仕事内容であったのに対し、部署・部門単位と細分化したイメージと捉えるとわかりやすいでしょう。
たとえば商社の場合、事業内容は以下のようなものが一般的です。
商社の一般的な事業内容
- トレーディング
- 事業投資など
これらの事業を遂行するうえで、以下のような部署が存在し、事業が上手くいくように各部署がそれぞれ担当の業務をおこないます。
商社の一般的な部署
- 営業部
- 経営企画部
- 財務部
- 物流部
- 社内システム部
- 経理・人事・総務・法務などのバックオフィス部など
営業部の業務内容は、「生産者やメーカーから商品を仕入れることや小売店などに取り扱う商品を売ること」となります。このように各部署・部門毎に担う仕事内容を業務内容と言うのです。
業務内容を理解することで、部署・部門ごとに細分化した仕事が理解でき、「事業内容がどのような組織構造で成り立っているか」を把握できるメリットがあります。
一方、理解していないと、企業の特徴や独自性を的確に把握できません。
②職務内容
職務内容とは、各個人が取り組む仕事内容を指します。ここでは経営企画部の場合を例にとって見ていきましょう。
経営企画部の主な業務内容は、経営戦略の立案や行動計画の策定・運用、進捗管理・改善などです。この役割を成し遂げるにあたって、以下のような仕事があり、一人ひとり担当する仕事が異なります。
経営企画部の一般的な職務内容
- 予算策定・管理、予実分析
- 市場ニーズ・競合調査、データ収集・分析
- 経営者会議の日程・スケジュール調整や資料作成、運営
- 新規事業の構想・立案
- M&Aの計画・実施運用など
部署内では各個人がそれぞれ割り振られた仕事を担当することで、部署全体として果たすべき業務をこなしています。もちろん、企業規模や部署の特性によっては、違う社員が同じ仕事を担当することもあります。このように各個人が取り組む仕事内容を職務内容と言います。
- 事業内容や職務内容の意味をよく理解しないまま面接で話してしまっていました……。印象は下がりますか?
知識がないイメージや入社後の懸念が生じる可能性も
社会人として必要な知識である事業内容や職務内容を理解せずに使うと、面接で話が合わなくなることがあります。
すると、面接官からは「社会人に必要な知識がない」と判断され印象が下がることがあります。
さらに、「わからないことをわからないと言えない学生」と判断されるかもしれません。また、「仕事でわからないことがあっても、理解しないまま取り組んで失敗しそう……」といった入社後のマイナス影響も懸念します。
知識不足で自分の評価を下げないように、言葉の意味をきちんと理解しましょう。
職務内容の書き方については以下の記事でプロが詳しく解説しているので参考にしてみてください。事業内容や業務内容との違いもまとめています。
関連記事
職務内容の魅力的な書き方を就活のプロが解説! 6職種別の例文も
職務内容は、自分の持つスキルや実績をわかりやすく伝えるための重要な項目です。職務内容を充実させて採用担当者に「会いたい」と思わせることが選考突破につながります。本記事では、職務内容の書き方や魅力的に見せるポイントをキャリアコンサルタントとともに解説します。
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事業内容をきちんと理解する5つのメリット
事業内容をきちんと理解する5つのメリット
- ビジネスモデルがわかる
- 興味のなかった業界にも視野が広がる
- 志望度の高さや熱意をアピールできる
- 求める人材の特徴を把握しやすい
- 面接でのアピールに説得力を持たせることができる
ここからは、事業内容をきちんと理解すると得られるメリットについて解説します。事業内容をよく理解しないまま選考へ進み、面接時の受け答えに困っている就活生は多くいます。
事業内容は企業研究の土台になると解説した通り、事業内容を理解しておくことは、就活を進めるうえで有利になります。事業内容を深く理解しておくことで、面接での受け答えや企業選択において自信を持てるようになりますよ。
ここからは事業内容をきちんと理解する5つのメリットをより深掘りして見ていきましょう。
①ビジネスモデルがわかる
事業内容を知ることは、企業がどんな商品やサービスを通じて社会に価値を提供しているのかという利益を上げている方法、つまりビジネスモデルについて知ることができます。この事業内容を知ることで、自分は社会にどんなものを提供したいのかという携わりたいビジネスを発見することができます。
企業は利益を上げるために最適な事業ポートフォリオを組んで、長期的な計画を立てています。この内容・計画に対して自分の考えと合致する点を伝え、どう寄与・貢献していきたいのかを伝えることで説得力のあるアピールへとつながります。
ビジネスモデルとは、誰に何をどのように届け、価値を提供して収益を生み出すかということです。
ビジネスモデルを知ることで、その企業が「どのような顧客に」「どのような商品やサービスを届けているか」が理解できます。また、商品開発や製造現場、営業といった働く場面をイメージしやすくなります。
②興味のなかった業界にも視野が広がる
「興味の無いと思っていた業界の企業の事業内容を見てみると、自分の携わりたい事業を展開していた」ということがあります。
たとえば、不動産を主力事業とするものの、不動産経営のノウハウを活かし、外国人が宿泊しやすいホテル事業を展開している企業があるとします。不動産業界に興味を持っていなかった就活生がこの事業に興味を持ち、不動産業界も視野に入れてみたというケースもあるのです。
その企業独自で自社の強みを活かした事業の多角的な展開をおこなう企業はたくさんあります。つまり、業界というのは大まかな区分にしか過ぎないのです。特に就活を始めたばかりの人は、1つの業界に固執するのではなく、さまざまな業界の企業の事業内容を見て視野を広げてみましょう。
そもそもどんな業界があるかわからない人は、こちらの記事で業界理解を深めましょう。
就職活動で役立つ業界一覧|仕事内容から動向まで各業界を徹底解説!
- さまざまな事業内容を見ていると、あの企業もこの企業も良いと目移りしてしまいます。どのように自分に合う会社を絞っていけば良いでしょうか?
良いと思う理由を深掘りして就活の軸を見出そう
まずは、良いと思うその理由を一社ずつ掘り下げてみてください。何社か深く見ていくと、共通項が見えてきて、就活の軸も定まります。
自分に合うか合わないかは職務内容や社風もあるので、事業内容を見る段階では、興味が持てるか持てないかで絞ってみてはいかがでしょうか。
③志望度の高さや熱意をアピールできる
事業内容をきちんと理解し、面接で事業内容に関するさまざまな質問に対してきちんと自分の考えを持ち自信を持って答えられる就活生を見て、面接官はどう感じるでしょうか?
よく調べて、さらに自分の考えまで言語化しているということは、それだけ自社に対する志望意欲が高いと面接官は感じます。さらに、入社後も事業の成長のために、自分の考えを持って主体的に働いてくれそうとも感じられるでしょう。
新卒採用では、スキルよりも素質であるポテンシャルが重視されるからこそ、このような面接での受け答えにおいて志望度の高さや熱意をアピールすることが非常に重要です。
④求める人材の特徴を把握しやすい
事業内容を把握することで、求める人材の特徴を把握しやすくなります。もちろん、採用ページに掲げられている「求める人材像」からも把握することができるでしょう。しかし、それ以外の情報から企業が求めている人材・その企業で活躍しそうな人材はどんな特徴かと自分で仮説を立てて考えることも非常に重要です。
たとえば、看護師や薬剤師など医療スタッフに特化した人材派遣事業を展開する企業で、求められる人材像が「人の悩みに寄り添える人」という記載があったとします。事業内容をきちんと把握していれば、この人物像がなぜ求められているのかということを考えることができるでしょう。
さらに、これ以外にも医療・介護現場の理解に努めるため、現場へ訪問する行動力や相手のキャリアを手助けするキャリアプランニング力のある人も求められるだろうと仮説を立てることもできます。
このように、収集した情報を元に相手の視点になって考え行動することは、就活を上手く突破し、さらに社会人になったあとに活躍するためにも必須となります。
⑤面接でのアピールに説得力を持たせることができる
ここまで解説してきたように、事業内容やそれに基づく今後の展望、企業の求めることを汲み取った志望動機は説得力を持ちます。
事業内容をきちんと理解していない志望動機では、「他の企業でも良いんじゃないか」と思われてしまっても仕方がありません。そのような状態に陥らないためにも、事業内容をきちんと理解しましょう。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る事業内容を理解することで就職後のミスマッチを防げる
「ビジネスについてまだ深く知らないのに事業内容を理解するなんてハードルが高い」と感じている学生も多いのではないでしょうか。たしかに、学生だけでなく社会人でも事業内容やビジネスモデルに対してきちんと把握している人は多くありません。
しかし、他の学生が力を入れていない「事業内容の理解」をすることで、就活で役に立つだけでなく就職後のミスマッチを防ぐことができます。なぜなら、事業内容を理解することは、仕事内容をきちんと把握することにつながるためです。
ビジネスモデルによって仕事の仕方が異なるので注意しよう
たとえば、IT業界の営業職であっても、企業が採用しているビジネスモデルが買い切り型かサブスクリプション型かによって仕事の仕方が異なります。前者であれば、1社との取引期間が短いですが、後者であれば長期間にわたって取引をおこないます。
自己分析をしたときに「長くかかわって支援したい」という学生であれば、買い切り型ビジネスの企業を選ぶとミスマッチになってしまいますよね。このようなミスマッチがないように、事業内容のリサーチをきちんとおこないましょう。
ツールを活用して志望動機を自動生成してみませんか?
業界別! 事業内容の例を紹介
ここからは主要な7つの業界を中心に事業内容の例を紹介していきます。ただ、事業内容は同じ業界であっても企業ごとにその事業領域・範囲は大きく異なります。あくまで「大枠を捉える」という視点で参考にしてみてください。
自分の志望する業界以外の事業内容を理解しておくことも、就活を進めるうえで非常に重要です。なぜなら、自身の志望する業界・企業の事業内容をなぜ志望するのかについて他業界と比較しながら明確にすることができるからです。
以下の記事では、各業界のビジネスモデルや業界の動向・課題をより詳しく解説しています。事業内容の理解を促すことができるので、ぜひ参考にしてみてください。
就職活動で役立つ業界一覧|仕事内容から動向まで各業界を徹底解説!
メーカー

メーカーは、自社でものを製造するものづくりが事業内容の基本です。商品開発から商品の製造・量産、販売までをおこないます。事業をおこなううえで、自社製品ができること・自社で工場を保有していることなどに大きな強みを持っているのがメーカーです。
メーカーといっても扱う製品の種類によって、事業内容は大きく異なります。食品や家電、衣料品、化粧品などの消費者向けに製造する事業を展開する企業では、消費者の影響を受けやすく、マーケティングに力を入れている企業が多いです。
一方、素材や電子部品など上流・中流工程を担うような企業では、付加価値の高い製品の大量生産が求められます。
メーカーの事業内容を押さえるときには、顧客の属性まで分析しましょう。ビジネスモデルは似ていることが多いため、一歩踏み込んだ分析をすることで、他社との違いを具体的に把握することができますよ。
商社

商社は、メーカーや問屋から仕入れた商品を小売店へと卸売りするトレーディングが事業内容の基本です。ある商材に特化した専門商社と幅広い商材を扱う総合商社とに分かれています。
専門商社は卸売事業のみをおこなう企業が多いのに対して、総合商社は事業投資などもおこないます。
そのため、専門商社・総合商社で事業内容やその範囲は大きく異なります。商社業界を志望する人は、それぞれの事業内容の違いを比較しながら業界・企業研究を進めていきましょう。
以下の記事では商社業界の事業内容をより詳しく、さらに志望動機例文を10個紹介しています。商社業界を志望する学生は合わせて読んでみてくださいね。
総合商社・専門商社別の志望動機例文10選|必須の対策4選も解説
小売

小売業界は、メーカーや商社から仕入れた商品を一般消費者へと販売することが事業内容の基本です。
扱う商材やどの顧客層をターゲットにしているかによって店舗のコンセプトも変わってきます。
小売業界では、仕入れたものの販売のみならず、自社で生産から販売までをおこなう製造小売業(SPA)もあります。ファッションブランドを展開するアパレル事業をおこなうファーストリテイリングが代表例です。
このような同じ業界でもその事業内容の範囲は異なるので、他社の事業と比較しながら事業内容を調べることが大切です。企業独自の強みを見いだすヒントになりますよ。
金融

金融業界は、預金や融資、株式・投資信託、保険などの金融商品の販売、資産運用のコンサルティングなどを事業内容の基本としています。
金融業界といっても、銀行や証券会社、保険会社などによって、事業領域は異なります。一方、銀行でも保険商品を扱うといった事業内容が重なる部分もあります。
他の業界でも言えることですが、それぞれの企業ごとに事業内容における強みが存在します。そのため、業界全体の事業内容・領域を俯瞰して見たうえで、その企業の事業内容における特徴・強みを把握することが大切です。
金融業界の事業領域は広いので、事業内容における強みや商品の特徴をチェックしてください。特に金融業界はますますITやAI(人工知能)により大きく変わっていくことが予想されるので、商品力や事業の強みから今後の方向性を見極めることがポイントです。
金融業界の事業内容はこちらの記事でさらに詳しく解説しているので、金融業界に興味がある人は併せて確認しましょう。
金融業界を徹底調査! 押さえておくべきトレンドや対策まで大解剖
サービス・インフラ
サービス・インフラ業界は、有形商材ではなく無形商材を提供することを事業内容の基本としています。
無形商材は、交通やエネルギー、旅行、教育・人材などその種類は多種多様です。実体としての物以外を提供する企業の多くは、この業界に含まれます。
無形商材を提供するため、物や工場を抱える負担がなく、その分サービスの充実に還元できるという強みを持っています。とくにサービス業界ではさまざまなサービスを提供する事業範囲の広い企業も多く存在します。
企業によっては創業以来続いている事業以外にも、その技術やリソースを活かして多様な事業を展開しているところもあります。丁寧に調べてみてください。
無形商材と一口にいっても、そのサービスの背景には人も物も動いています。一つのサービスを実現するために必要な設備やシステム、商品の仕入れ先など周辺業界とのつながりも理解しておきましょう。
IT・ソフトウェア
IT・ソフトウェア業界は、通信サービスなどのインフラ整備からソフトウェア・ハードウェア、Webサービスの開発などが事業内容の基本です。
一見事業内容がITとは関係のないと思われるような金融機関や商社企業がソフトウェアやSIerの子会社・グループ会社を保有しているということがあります。このような企業は「独立系」や「メーカー系」とは別に「ユーザー系」と呼ばれています。
このように、事業内容を研究する際は、他業界との関連性についても合わせて把握することが大切です。
IT業界を志望している人は、こちらの記事も参考にしましょう。IT業界の事業内容のさらに詳しい内容とともに、志望動機の書き方を解説しています。
IT業界の受かる志望動機の書き方|職種別の例文10選も紹介
広告・出版・マスコミ

マスコミ・出版業界は、テレビやラジオ、新聞・雑誌、インターネットなどのメディアを通じて、多くの情報やエンターテイメントを提供することを事業内容の基本としています。この事業を展開するうえで併せて理解する必要があるのが広告業界です。
広告業界は、メディアに広告を掲載したい企業と広告枠を持つメディアとの仲介を担うことを事業内容の基本としているからです。マスコミ業界を志望する場合は、広告業界のビジネスモデルやその関係性を把握する必要があり、逆も然りです。
近年はネット・デジタル広告の市場が拡大し、事業内容をシフト及び拡大している企業も増えています。
- 事業内容の異なる業界の選考をいくつか受けようと考えています。一貫性のない学生だと思われないでしょうか?
就活の軸がはっきりしていれば一貫性がないとは思われない
学生によっては、事業内容を就活の軸にしていることもあります。しかし、他にも職種や企業理念、福利厚生、組織風土を就活の軸にしている学生も非常に多いです。
このような就活の軸に自信を持って答えることができれば、一貫性のない学生と思われることはありませんよ。
まだ就活の軸が明確になっていない人はこちらの記事がおすすめです。
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説
特別な動機がなくても、ツールを使えば採用される志望動機が作れます
第一志望以外の企業にエントリーする時、「特別な志望動機が思いつかない......」と悩む就活生も多いでしょう。
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事業内容を調べる4つの方法
事業内容を調べる4つの方法
- 企業・採用HP、パンフレット
- OB・OG訪問
- インターンシップ
- 面接での逆質問
業界ごとの主な事業内容を解説しましたが、実際は同じ業界でも企業ごとに事業内容が異なります。気になる企業ごとに具体的な事業内容を調べてみましょう。
ここからは、事業内容を調べる具体的な方法について解説していきます。
①企業・採用HP、パンフレット
企業・採用HP、会社パンフレットに必ず事業内容が記載されています。ネットから簡単に情報を入手することができるので、さまざまな業界・企業の事業内容を比較しながら見てみてください。
同じ業界であっても事業展開が異なる場合も多くあり、それらの違いを知ることで、その企業の特徴・強みを知ることができます。
たとえば、飲食業だけを事業内容にしていると思っていた企業が不動産事業や介護事業にも取り組んでいたということはよくあります。業界研究をしていると、その業界に属する企業の大まかな事業内容の把握はできますが、各企業が取り組む事業内容の中身を知ることはできません。
先入観に囚われず、企業研究で各企業がどんな事業を展開しているのかを見てみましょう。
②OB・OG訪問
OB・OG訪問では、その企業で働く人から詳しい事業内容について聞くことができます。企業・採用HP、パンフレットでは、簡単に情報が入手できるというメリットがある一方で、その事業内容について深く理解することが難しいという欠点があります。
特に、事業内容について抽象的な過剰書きになっている企業は多く、馴染みのない事業を展開する企業の事業内容を見ても「よくわからない」ということもあるでしょう。
このような場合は、実際に働いている人に事業内容について深掘りした質問をして理解を深めましょう。OB・OG訪問では以下のような質問をしてみると、より理解が深まり、面接での受け答えで他の就活生と差別化することができますよ。
OB・OG訪問をした際に聞きたい事業内容に関する質問
- 現在御社が力を入れている事業は○○事業だと認識しているのですが、実際にどのような点が強みだとお考えですか?
- 今後の事業の方向性として、どんな事業に力を入れていくと思いますか?
- 事業毎に求められるスキルや活躍している人の特徴に違いはありますか?
- 現在の事業領域における課題を教えてください
事業内容への理解を深めたいときは、3年以上勤務している社員に話を聞くことをおすすめします。もし係長や課長など役職者へ話を聞けるようであれば、事業について深く理解しているため、さらに踏み込んだ話が聞けると思います。
OB・OG訪問のやり方はこちらの記事で解説しています。事業内容の理解を深める以外にもメリットがたくさんあるので、併せて参考にしましょう。
OB訪問・OG訪問は必要? 就活を有利に進める手順を完全網羅
③インターンシップ
インターンシップも事業内容の理解を深めるのに役立ちます。短期インターンでは、就活生に自社のことを知ってもらいたいという企業の意図によってプログラムが組まれていることが多いので、参加することで事業内容の理解が進むでしょう。事業内容を理解するインターンの一例として、以下のようなプログラムをおこなっている企業があります。
事業内容の理解が深まるインターンプログラムの例
- 事業内容について社員が学生に説明するセミナー型プログラム
- 実際の業務を体験して具体的な事業理解を深める業務疑似体験型プログラム
- 参加学生でグループをつくり、企画・立案、発表などの課題に取り組むチーム遂行型プログラム など
企業によっては座談会という形式を設けている場合もあります。前述のOB・OG訪問をした際に聞きたい事業内容に関する質問項目を聞いても良いですし、事業内容に関する率直な疑問についても聞いてみましょう。
インターンに参加する時点では、事業内容についてわからないことがあるのも当然です。企業・採用HP、パンフレットなどの文字情報では理解しづらい部分も多くあるので、「これを聞いても良いのかな」とあまり不安を感じずに聞いてみましょう。面接時に事業内容を正しく理解していない方が評価が下がってしまいます。
インターンは企業理解が深まる絶好の機会です。詳しいメリットはこちらの記事で解説しているので、参加を検討している人は参考にしましょう。
インターンは就活に不可欠? 8のメリットと選び方を詳細解説
短期インターンについて詳しく知りたい人は、以下の記事もチェックしてみてくださいね。
短期インターンのメリットとは? 後悔しない選び方も解説
④面接での逆質問
面接では、最後に学生から面接官に質問をおこなう逆質問の時間を設けているケースが一般的です。逆質問で事業内容について聞くと企業理解が深まるのみならず、よく企業研究をしているという熱意を伝えることもできますよ。
特に経営者・役員層が面接官を担当することの多い最終面接では、事業内容における自分の考えを提示しつつ、面接官の考えを引き出すような質問をすると良いでしょう。
ここで気をつけたいのは、事業内容そのものや現在力を入れている事業などについて聞くのは避けましょう。最終面接という段階では、事業内容やその企業の強みについては理解している前提であると企業側は認識しています。
もちろん、働いたことがある訳ではないため、完璧に理解していることを求められる訳ではありません。しかし、最終面接という場面で聞く質問として相応しくはないということです。
経営のトップを担う人であるからこそ聞く意義のある質問をしましょう。具体的には力を入れている事業の理由や背景、今後の方向性、具体的な施策などが挙げられます。
最終面接の逆質問について以下の記事で質問例を挙げながら詳しく解説しています。最終面接の前にぜひ読んで最終面接を突破しましょう。
最終面接の逆質問30選! 内定をつかむ必須準備と差別化のコツを解説
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る説明会に参加して質疑応答の時間を活用しよう
事業内容を理解するための場の一つとして、説明会を活用しましょう。説明会は、企業主催の説明会や就活サイト主催の合同説明会、大学のキャリアセンター主催のものなどがあります。
説明会では社員から事業内容について詳しい話を聞くことができ、わからないところは質疑応答の時間に直接質問できます。
企業のHPでできるだけ予習したうえで「ここまでは理解できたのですが、もう少し詳しく教えていただけますか」とアプローチできれば深い内容をつかむことができます。「今日は一つ必ず質問しよう」という気持ちで参加すれば、事業内容についての理解が深まりますよ。
同業他社や周辺業界を見ていくことで事業内容の理解が深まる
同業他社をいくつか調べていくと、同じ事業についても違うアプローチで説明されるのでイメージがつかみやすくなります。また、商流の上流(原材料に近い方)や下流(消費者に近い方)、周辺業界を見ていくことも事業内容の理解を助けます。
最近は、テレビ番組で企業の事業内容や沿革について取り上げているものもあります。就活生やビジネスパーソンだけでなく、広く一般に向けてわかりやすく説明しているので、そうした番組でイメージをつかんでから企業のHPを改めて見直してみるのも良いと思います。
特別な動機がなくても大丈夫!
ツールを使えば魅力的な志望動機が作れます
「第一志望以外の志望動機が思い浮かばない……」と感じたことはありませんか?そんな時にぜひ活用してほしいのが「志望動機作成ツール」です。
簡単な質問に答えるだけで、特別な動機がなくても採用したいと思われる志望動機が簡単に作成できます。
志望動機で困ったら、まずはツールを活用してみましょう。
(人材業界の場合)
周りと差別化! 株主・投資家情報をチェックして事業内容を深く理解しよう
事業内容を深掘りすることの重要性について前述しました。しかし、採用情報に書かれている事業内容は抽象的で詳細まで記載されていない企業が多いですよね。
事業内容を深掘りするために役立つのが株主・投資家のために開示されている情報です。投資家向けに公開されていることから、多くの企業では採用ページには掲載されておらず、企業HPのIR情報に掲載されていることがほとんどです。
株主・投資家情報について知っている就活生は少なく、知っていても読まない就活生も多いです。そのため、これらの情報をチェックすることで他の就活生と差別化することができます。では、どのような点を見れば良いのか解説していきます。
①今後の事業方針
中期経営計画に目を通し、今後の事業転換などの方針について要点を箇条書きでまとめてみましょう。
業界・社会で注目されている事象に対して企業がどのような考えを持ち着手していくのか、今後の目標とそれを達成するための戦略・施策を把握することで、今後の事業方針について理解することができるでしょう。前述したように、この企業のビジョンや具体的な施策に対して、自分なりの考えも合わせて持つことが大切です。
また、文字情報だけでは理解しづらい点もあります。そのような疑問点はOB・OG訪問や逆質問などで質問してみてくださいね。また、自分の掲げるビジョンやキャリアプランと合致する点があれば、志望動機などにその要素を盛り込み、自分がその企業でなければならない理由に説得力を持たせましょう。
②事業のポートフォリオ
多角的な事業を展開している企業では、どの事業にどれだけの売上・利益を上げているかという事業ポートフォリオを把握し、まずは主力事業を押さえておきましょう。主力事業を把握することで、その企業の強みを把握することができます。
各事業セグメント毎の売上・利益は、企業HP内の株主・投資家情報内に記載されていることが多いです。また、主力事業のみならず他の事業にも着手しているのはなぜなのかという視点を持つことで、企業の方向性における考えを理解することができますよ。
③各事業の詳細
上記のセグメント毎の売上・利益に合わせて、各事業の内容における詳細も把握しておきましょう。各事業の事業内容や課題についての詳細は、有価証券報告書の以下の項目から確認することができます。有価証券報告書は、情報量が多い資料なので、決してすべてに目を通す必要はありません。ポイントを押さえて確認していきましょう。
各事業の詳細を知るために有価証券報告書で確認したい項目
- ①第一部【企業情報】→第1 企業の概況→3 事業の内容
- ②第一部【企業情報】→第2 事業の状況→1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
- ③第一部【企業情報】→第2 事業の状況→2 事業等のリスク
これらの情報に加えてOB・OG訪問やインターン、面接での逆質問で実際の社員の人に聞いてより理解を深めましょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る速報性のある決算短信をチェックしよう
有価証券報告書に加えて速報性がある決算短信から、上記以外の項目も合わせてチェックするといいでしょう。
有価証券報告書(第一部【企業情報】)
・主な経営指標等の推移(第1 企業の概況)
主な経営指標等の推移で、過去の有価証券の指標と比較した売上、経常利益から、企業の成長性をチェックしましょう。悪化している場合は、投資家情報(IR)の決算説明会資料で確認をします。売上高が高くても経常利益が低い場合は、経費がかかり過ぎているなど問題がある可能性があります。
・従業員の状況(第1 企業の概況)
従業員数の増減について、過去と比較をしてチェックします。一般的に増えている場合は、成長性が高いと言えます。また平均勤続年数が低い場合、労働環境や待遇面で問題がある可能性があります。
・生産および販売の状況(第2 事業の状況)
生産および販売の状況で主要取引先についてチェックしてください。主要取引先が特定の企業にかたよっていると、その取引先が経営不振になった場合、業績が大きく落ち込む可能性があります。複数の企業との取引があるほうが、一般的にリスク回避できます。
決算短信(連結業績)
・連結経営成績
当期の経営成績や前期比をチェックし、業績や成長性を確認します。
・配当の状況
配当の実績と予想から、企業の業績や経営状況を見極めます。
・業績予想
半期や通期の予想やこれまでの予想の修正有無などから、今後の業績予想を確認しましょう。
面接で聞かれる事業内容に関連した質問例
面接は、一問一答のテストや試験ではありません。そのため、「自社の事業内容を答えてください」という質問をされることは極めて稀です。
事業内容を把握しているという前提のもと、その事業内容において学生は自分の強みをどのように活かし、貢献したいと考えているのかという部分を面接官は知りたいのです。
そのため、事業内容をただ説明できるようにするのではなく、事業内容をもとに、自分の考えをきちんとまとめておくことが必要です。事業内容に関連した質問を事前に知っておくことで具体的に考えやすくなります。
一例ではありますが、面接で聞かれる可能性のある事業内容に関連した質問は以下のようなものが挙げられます。
事業内容に関連した質問
- 自社の事業領域で携わってみたい事業とその理由を教えてください。
- 自社の展開する事業でどのような点に課題を感じますか?
- 他社と比較して自社の事業領域における強みは何だと思いますか?
- 10年後、自社の事業で社会のどんなことを解決していきたいと考えますか?
- あなたは自社の事業領域においてどんな影響を与え成長させていきたいですか?
- 配属される事業が希望とは異なった場合どうしますか?
事業内容以外にも、面接で聞かれる質問はさまざまです。こちらの記事でどんな質問があるのか確認しておきましょう。
面接の質問150選!回答例から答え方まで質問対策を完全網羅
事業内容への理解を選考に活かそう! おすすめの対策5選
事業内容をきちんと理解したら、それを面接へ活かすための行動へと移すことが大切です。
企業・採用HP、パンフレットに記載されている事業内容を表面的に理解するだけでは事足りません。そのようなすぐにでも調べられる事業内容を把握しているのは前提として、さらにその知識を活かして面接で適切にアピールしましょう。
事業内容だけでなく、面接に向けて事前にできる対策はたくさんあります。面接を控えている人はこちらの記事を確認しておきましょう。
面接の準備完全版|あなたを最大限に魅せる17の土台作り
①事業内容を深掘りする
事業内容についてなんとなく理解しているというだけでは、自分がその事業を通じて成し遂げたいことを見いだすことができません。事業内容という大枠を理解し、業務内容、職務内容へと細分化し、言語化することが大切です。
面接で説得力のあるアピールをして内定を勝ち取るためにも、事業内容を深掘りしておきましょう。事業内容を深掘りする具体的な方法は以下の通りです。
事業内容を深掘りする方法
- 企業で働く社員に事業内容についての疑問点を聞く
- 中期経営計画で事業のポートフォリオや方向性を把握する
- 事業領域における将来的な観点を最終面接で逆質問する
- 事業内容を同業他社と比較してその企業の優位性を見つける
- 志望する企業が力を入れている事業に対して、業界の動向・課題、企業の強み・弱み、社会状況などさまざまな観点から「なぜ?」と問いかけ考える
- 志望する企業の事業領域において、自分の経験や強みがどう活かせるか考える
中期経営計画で具体的に見るべきポイントや他社比較については、この後に解説していきますね。
②他社の事業内容と比較する
当然ですが、就職先は1社に決めなければなりません。自分が一番成し遂げたい、遂行したい仕事ができる企業を選択する必要があります。そこで、他社の事業内容と比較検討し、自分に最も合った企業を見つけていくことが大切です。また、他社と比較することで、その企業が力を入れている事業や優位性・独自の強みが見えてきます。
事業内容を他社と比較する際は、以下の観点を見てみてくださいね。
事業内容を他社と比較する際に確認するべき項目
- 主力事業や主力製品・サービス
- 事業戦略
- 事業毎の売上・利益、市場での位置づけ
- 事業に伴うニュース
- 事業領域の課題
- 事業展開における将来の展望
- 事業内容・展開を通じた求める人材像
- 行きたい業界や企業が絞れている場合は、他社の事業内容を見るよりも、志望企業の事業内容を深掘りする方が効果的でしょうか?
志望企業以外の事業内容も見てみよう
志望企業は業界の中の1社なので、業界内での位置づけや他社との違いを知るために、志望企業以外の企業も見てみることをおすすめします。
同じ業界にあるいくつかの企業で見比べてみると、より一層理解が深まったり、場合によっては受ける企業の選択肢が広がったりする可能性もあります。
同業他社がどこなのか知りたい場合は、業界新聞や業界団体の会員一覧などを見ると情報を得ることができます。
③事業内容と自分の合致する点を見つける
企業の事業内容と自分の価値観・考え方と合致する点を見つけましょう。事業内容に惹かれた場合、なぜその事業内容に惹かれたのかという視点を深掘りすることが大切です。自分の持つ成し遂げたいビジョンや得意なことを掛け合わせることで、説得力を持ってアピールすることができます。
就活では、企業と自分のマッチ度をアピールすることが非常に重要です。顧客の悩みを解決するコンサルティング事業を展開する会社に興味を持った以下の例を見てみましょう。
例
高校時代に自分の進路に思い悩んでいたところ、親身に相談に乗ってくれたコンサルタントに憧れを抱き、自分も人のキャリアを具現化する仕事に携わりたいと考えるようになった。
このような場合、コンサルティング事業をおこなう企業はたくさんありますが、業界内でもキャリアに関するコンサルティングを主力事業とし、多くの実績を出してる会社への熱意が伝わりやすい内容となっています。
同じコンサルティング事業でもどんな強み・事業戦略を持っている企業か、さらにはその注力している事業で自分はどんなことを成し遂げたいのか、ということまで選考で伝えると説得力が格段にアップしますよ。
- 事業内容を調べても、それが自分とどうマッチしてるのかがよくわかりません……。考え方のヒントをください。
これまでの経験から事業内容に関連することがないか考えてみよう
たとえば、飲食のアルバイト経験で、お客様から「美味しかった」と言われた経験から、「食にかかわる仕事で多くの人を笑顔にしたい」と感じたなど、これまでの経験から事業内容と関連することがないか考えてみてください。
過去の経験から関連性が見つけられない場合は、応募企業の事業内容から将来の活躍する姿を具体的にイメージしてみてください。たとえば、「語学力を活かして海外営業をおこなっている」などと具体的にイメージできれば、活躍するための能力がマッチングポイントになります。
④自分の言葉で事業内容を他者に説明できるようにする
面接では学生が事業内容について正しく理解しているか問う質問をされることがあります。また、その会社で自分が成し遂げたいことを見いだしアピールするには、事業内容をきちんと理解している必要があります。
そのため、ここまで事業内容を調べる方法や深掘りする方法について詳しく解説してきました。これらの方法でインプットした情報を自分の言葉で説明できるようにしておかなければなりません。インプットした情報について、頭の中でわかった気になっていてもそれを使いこなせなければ面接官にアピールすることは難しいのです。
企業の事業内容について、家族や友人など周囲の人に説明するといった練習をしてみましょう。
⑤事業内容・方針について自分の考えを持つ
企業毎に事業内容や方針、今後の展望・戦略は異なります。それらについてただ企業側の視点を理解するだけではなく、自分の考えを持つようにしましょう。
面接時に、「あなたが考える自社の課題とそれをどう解決したいと考えますか?」といった質問をされることがあります。このような質問は、事業内容の深掘りから自分の意見を事前に考えておかないとその場で上手く回答することは難しいです。事前に事業内容とともに自分の考えを持つ習慣を身につけておきましょう。
これは事業内容に関する質問に留まらず、就活において自分の考えを持つことは重要です。たとえば、「集団面接で他の就活生の回答に対して自分だったらどう答えるか」「企業のニュースを見てどう感じどう考えるのか」。このような視点を普段から持つことで、面接時の予想外な質問にも対応することができます。
企業に刺さる志望動機は、AI作成ツールを試してください
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面接官の心に響く内容を準備し、次のステップに進む準備を整えましょう!
事業内容に惹かれた場合の志望動機例文
ここでは、事業内容に惹かれた場合の志望動機例文を紹介します。事業内容に興味を抱いている場合は、自分の経験や考えと結びつけながら伝えることで説得力を上げることができます。さらにその事業をどう成長させていきたいのかという視点を伝え、入社後に活躍する姿をアピールしましょう。
構成は以下の流れに沿って伝えると、話しやすく、面接官も話を理解しやすくなりますよ。
事業内容に惹かれた場合の志望動機を伝える構成
- 結論(志望理由)
- 結論を裏付ける経験・エピソード
- 事業をどう成長させたいか・どう貢献したいか
以下にIT業界の企業を志望する学生による事業内容に惹かれた場合の志望動機例文を紹介します。参考にしてみてくださいね。
事業内容に惹かれた場合の志望動機例文
私が御社を志望する理由は、ITサービスを通じて世の中の無駄を解決し、本来の価値を創出することに寄与したいと考えているからです。
私は現在塾講師としてアルバイトをしているのですが、生徒の名簿・進捗管理や教材作成などに追われ、生徒への指導が後回しになっている状況が度々あり、受験生の合格率の低迷に悩んでいました。そこで御社の一括データベースサービスを導入すると各種管理が簡素化され、生徒と向き合う時間が増えたことで、合格率、そして生徒・保護者からの満足度が大きく向上したのです。
この経験から、御社の事業を通じて、教育のみならず医療や会計、人材活用などさまざまな業界や局面において働く人の無駄を削減することで、より価値の高い仕事ができるようなサービスの提供をしていきたいと考えています。
上記の例文は、塾講師のアルバイトで一括データサービスを利用した経験から、応募企業で実現したい仕事を的確に伝えられていて好感が持てます。
一括データサービスを使用した経験があることで、サービスの具体的な良さや改善点などを質問される可能性があるので、回答を準備しておくと良いでしょう。
志望動機の考え方や伝え方はこちらの記事でさらに詳しく解説しています。そもそも志望動機が浮かんでいない人やどう伝えるべきかわからない人は、併せて参考にしましょう。
面接の志望動機の答え方を10例文で解説! 書類と同じ対策はNG
事業内容をきちんと理解して企業選びや選考に活用しよう
「事業内容と類似した言葉を混合している」「事業内容は主力事業しか把握していない」という就活生は多くいます。まずは各企業の事業内容全体を把握し、企業研究の土台を固めていきましょう。事業内容をきちんと理解し自分の言葉で言語化できると、他の就活生と差別化できますよ。
記事で解説した事業内容を深く理解する方法や面接へ活かすために取るべき行動を実践して内定獲得を目指していきましょう。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見る事業内容の理解は就活から就職後まで大いに役立つ
事業内容を理解することは、エントリーする企業を選ぶときや、選んだ企業に向けた志望動機を書くときに必要です。
事業に対する深い理解は、就活だけでなく実際に就職した後に、「顧客に対して自社の魅力を他社との違いとしてどう訴えていくか」「どういう方向性で事業を展開していくか」ということにもつながります。
事業内容を理解するための企業研究は、面接のために細かく調べて暗記するためのものではありません。自分の身の回りや世の中のことに関心を持ち、それにかかわる企業のビジネスモデル(「誰に何を提供しているか」「その事業があることで誰の役にどう立っているか」)を理解しましょう。
そこから少しずつ掘り下げて調べていくとして、たとえば自分が投資家だったら「この企業にお金を投資できるか」「社員として自分の時間や能力を投じてわくわく仕事に取り組めるか」といった視点で事業内容を調べてみると、どんどん興味が湧いてきて面白くなってきますよ。
「細かく調べよう」と気負わずに興味のある事業から調べてみよう
社員も、自社の事業内容を全て詳しく知っているわけではありません。皆さんも網羅的に細かく調べないといけないと思い込まずに、まずは自分がその企業に惹かれたきっかけとなった事業から調べてみてはいかがでしょうか。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
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Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
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Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
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