この記事のまとめ
- 刺さる自衛隊の志望動機作成に欠かせない4つのポイント
- 自衛隊の志望動機作成の極意をキャリアのプロが解説
- 自衛隊の志望動機の例文を4パターン別に解説
自衛隊への入隊を目指しているが、職務や業務内容が一般的な企業と大きく異なるため、どのように志望動機を伝えれば良いのか悩んでしまう学生も多いのではないでしょうか。
自衛隊は国や国民を守るといった重要な役割を担う職業です。やりがいがに魅力を感じやすいため、志望動機がありきたりな内容やほかの志願者と似たような内容になってしまいがちですが、入隊するためには志望動機で入隊の意思や覚悟を的確に伝える必要があります。
この記事では、キャリアアドバイザーの桑田さん、杉原さん、野村さんのアドバイスを交えつつ、自衛隊の入隊試験を突破するためのさまざまなポイントなどを解説します。
ほかの志願者と差がつく志望動機の作成方法や例文も解説するので、自衛隊入隊を希望する学生は参考にしてくださいね。
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自衛隊の入隊試験では4つのポイントを志望動機に盛り込むことが重要!
自衛隊の入隊試験も一般の企業と同様に志望動機は合否に大きくかかわるものです。しかし、ただ憧れや理想を伝えるだけでは、入隊しても問題なく業務をおこなってくれたり、活躍してくれたりしそうという印象をもってもらうのは難しいです。
自衛隊の志望動機は作成が難しいと思うかもしれませんが、4つのポイントを盛り込むことで説得力が向上し評価される内容にすることができます。
この記事では、志望動機作成の4つのポイントをはじめ、アピールするべき能力やキャリアのプロが語る志望動機作成の極意まで解説するので志望動機作成の参考にしてください。
また、記事の後半では志望動機の例文を4つのパターン別に紹介し、作成時の注意点についても解説するので、志望動機がなかなか思いつかない学生は例文を自分流にアレンジして考えてみてください。
志望動機作成前に押さえておくべき自衛隊の基本情報
志望動機を作成するにあたって、自衛隊の職務や業務内容を十分に理解しておくことが重要になってきます。自衛隊の業務を適切に理解しないまま就活準備に取り組んでも、説得性や具体性のある内容の志望動機を作成することは難しいからです。
ここでは、国防・災害派遣・国際平和協力活動といった自衛隊の3つの仕事内容について一つずつ詳しく解説し、応募条件や職種についても解説します。
いずれも、志望動機作成時に必須となる情報なので、しっかりと頭に入れておいてくださいね。
自衛隊は一般的な企業と違い、国民の安全を守るという目的のため、自らの生活や生命を危険にさらす可能性がある仕事です。
また、そのために特異な状況下での訓練や危険な道具を扱うスキル、身体能力を高レベルに保つことが義務とされる特殊な仕事であるといえます。
これらのことを今一度再確認しながら、以降を読み進めてみてください。
自衛隊は公務員であるという点でも一般企業とは大きく異なります。民間企業と公務員との違いをこちらの記事で解説しているので併せて参考にしてください。
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仕事内容
自衛隊の仕事内容
- 国防
- 災害派遣
- 国際平和協力活動
自衛隊は国家を守る公務員で、国の平和と独立を守る国防と災害派遣、海外での国際平和協力活動の3つが任務とされていて、配属先によっていずれかの任務を遂行する職務に就きます。
任務についていない時は、訓練や装備品の管理や購入などをおこないます。また、総務や人事、食事の提供など基地機能を維持するような、実務を主体としない業務もあります。
ここでは、任務とされている国防・災害派遣・国際平和協力活動の3つの仕事内容に関して、一つずつ詳しく解説します。
国防
国防とは
外国からの領土・領海・領空への侵略などの有事の際に、国民の生命や財産を守る仕事
国防は自衛隊にしか果たすことができない重要性の高い任務です。国防とは日本から攻撃をしかけるものではなく、防衛力を維持することにより未然に侵略や攻撃を防ぎ、万が一侵略や攻撃を受けた場合には武力を行使し国を守ることをいいます。
国防のために、平時から侵略や攻撃に備えた訓練や、周辺の海や空の監視など侵略行為を未然に防ぐための業務をおこないます。また、実際に侵略が認められた場合には、警告や退去の措置などの業務も遂行します。
国防の任務に就く場合には、厳しい訓練が想定されるため体力・精神力・忍耐力に自信のある人は向いているといえます。また、国や国民を守るといった強い使命感をもっているかも重要な点です。
国防の業務範囲については、陸海空で守備範囲が異なり、配属部署によっても任務が違うので、どの程度まで対応することになるかは一概にはいえません。
憲法上、武力行使はできず専守防衛に徹しています。また、有事は紛争だけでなく、災害対応も該当します。
災害派遣
災害派遣とは
大規模な自然災害や事故が発生した際に現地に赴き、人命救助や行方不明者の捜索、人や物資の運搬などの被災民の生活支援や被災地の復旧などさまざまな業務をおこなう仕事
災害派遣は、大規模地震や大雪などで自衛隊が派遣される場面がニュースなどでしばしば見られるため、イメージしやすい業務ではないでしょうか。
また、あまり知られていないかもしれませんが、感染症や疫病への対応も災害派遣の業務に含まれていて、実際に近年感染が拡大したコロナウイルスの対応業務もおこなっていました。
災害派遣でも過酷な状況下で任務をおこなうことがあるので、体力や忍耐力がある人は、志望動機としてアピールしやすいです。
また、人から直接感謝される場面も多く、やりがいを感じやすいという仕事内容も志望動機とつなげやすい点です。
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国際平和協力活動
国際平和協力活動とは
世界各国がおこなう国際平和活動の協力や、海外で起きた災害や紛争に対して救護支援や人道支援をおこなう活動
自衛隊は、日本の国防や日本国内の災害派遣だけではなく、国際平和に貢献するための活動も広くおこなっているのです。
ほかにも、自衛隊が保有している装備・設備などに関する知識を提供するなど、見えない部分でも海外にさまざまな協力活動をおこなっています。
日本国内のみならず、海外の人々の生命や生活の力になれるといった点は、自衛隊の職務ならではのやりがいの一つとして挙げられます。
海外に行った際や日本国内で海外の方と触れ合うなかで、何か力になりたいと思った学生は、国際平和協力活動の志望動機と結び付けやすくなります。
自衛隊の職務は、国際平和協力活動など社会貢献にかかわる仕事となるため、社会貢献が志望動機になることが多いです。こちらの記事で志望動機に社会貢献を盛り込むポイントを解説しているので、併せて参考にしてください。
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応募条件・職種
自衛隊に入隊を志望するのであれば、仕事内容と同様に応募条件や職種についても認識しておく必要があります。職種によって業務内容は大きく異なり、応募条件も異なるからです。
応募条件は以下の採用種目別に定められています。
自衛隊の採用種目
- 自衛官候補生
- 一般曹候補生
- 医科・歯科幹部自衛官
- 技術槽
- 航空学生
- 自衛隊幹部候補生
- キャリア採用幹部
上記の種目別に、応募資格年齢や必要資格免許、入隊試験内容が異なるので、自分が希望する職種について、防衛省の自衛官募集で応募前にしっかりと調べておくようにしましょう。
自衛隊の採用種目の中で、専門資格や知識がなくても応募しやすいのは自衛官候補生です。
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刺さる自衛隊の志望動機にするための4つのポイン

刺さる自衛隊の志望動機にするための4つのポイント
- 入隊を希望する具体的な動機を伝える
- 自分の特性や強みが活かせることをアピールする
- 入隊後にやりたいことを伝える
- 入隊の覚悟を伝える
自衛隊の業務内容などの基本情報の理解は志望動機作成に欠かせませんが、そのうえでほかの応募者と差をつけるためには、上記の4つのポイントを押さえておく必要があります。
自衛隊の場合、大きな危険を伴うという業務の性質上、強い意思や覚悟を述べることが重要になってきます。
4つの押さえるべきポイントを一つずつ解説するので、評価される志望動機を作成するための参考にしてください。
①入隊を希望する具体的な動機を伝える
前述の通り、自衛隊とは日本国内や海外の人々の生命や生活を守ることのできる職業であるため、やりがいや憧れに強く魅力から入隊を志す学生が多いです。
しかし、やりがいや憧れに対して抽象的に述べてしまうと、ありきたりの内容になってしまい、ほかの応募者と似たような志望動機になってしまう可能性が高いといえます。
そのため、「災害に遭ったときに自衛隊の支援を受けて、私も困っている人の力になりたいと思った」など自分ならではの思考や経験を盛り込み、具体性のある内容にすることで説得力があり、伝わり易い志望動機となるのです。
なぜ、自衛隊を目指すのか、どのような経験や思考から自衛隊の業務に対して憧れややりがいを感じたのかを、じっくりと棚卸して独自性のある志望動機を作成しましょう。
自衛隊の志望動機を考える際に、自分の経験と結び付けやすい身近な活動として、災害救援活動があります。
自分や家族、友人などが被災した経験や、ボランティアの経験などがあれば、それは自衛隊に入隊する大きなきっかけとなります。
また、世界的な紛争や隣国との領土問題などの報道から自国を守る必要性を考えることもあるのではないでしょうか。
こうした出来事をヒントにしながら、入隊を希望する具体的な動機を言語化してみてください。
志望動機作成のポイントの基本的な部分は自衛隊でも民間企業と共通する点がほとんどですが、プラスアルファの要素も必要となってきます。以下の記事でより刺さる志望動機にするためのコツについて解説しています。
プラスアルファで差別化するコツ
志望動機例文35選|基本とプラスアルファで差別化するコツ
好印象を残すコツ
志望動機の作り方大全|就職支援のプロが好印象を残すコツを解説
社会貢献を盛り込むコツ
業界別5例文! 志望動機に「社会貢献」を効果的に盛り込むコツ
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②自分の特性や強みが活かせることをアピールする
入隊に対する意欲を伝えるだけでは、独りよがりの志望動機ととらえられてしまう可能性が高いです。自分が入隊することによって、隊にもたらすメリットや、職務をしっかりと遂行してくれるだろうといったイメージをもってもらうことが重要なのです。
そのためには、ただ自分の特性や強みをアピールするのではなく、自衛隊の業務に活かせるようなものをアピールしましょう。また、実際にどのような場面でその特性や強みが活かせるのかも具体的に述べることで、より説得力が増し評価につながります。
特性や強みをアピールする際は、客観的にみても納得できる内容にするために、実際に上げた成果や取り組んだ内容を盛り込むことを意識しましょう。
自分の特性や強みを伝える自己PRの伝え方に悩んでいる方は以下の記事を併せて参考にしてください。
アピールポイントの見つけ方
自己PRがない人必見! 就活必勝の題材の見つけ方を例文付きで解説
強みの見つけ方とアピール方法
強み一覧付き|自分の強みが必ず見つかる方法9選とアピール方法
自己PRの答え方
面接官を惹きつける自己PRの答え方|例文12選
③入隊後にやりたいことを伝える
志望する理由に留めるのではなく、入隊後にやりたいことを伝えることで、業務に対する理解度や入隊意欲の評価が高くなることが期待できます。
自衛隊の業務内容は、国防・災害派遣・国際平和協力活動の3つに区分されていて、さらにそこからも細かく職種が設けられています。
「身近な人間が災害に遭い自衛隊に助けられた話を聞いたので、同じように力になりたい」「ニュースで海外の状況を目にして、国防の重要性を強く感じた」などどの任務に対して、どういった形で貢献したいのかを明確に述べましょう。
自衛隊の業務内容を良く理解している、入隊の意思が強いと判断される志望動機となり、高評価につながることが期待できます。
- 一般的な企業ではキャリアプランについても聞かれることがありますが、自衛隊の入隊試験ではどうでしょうか?
自衛隊の選考でもキャリアプランの明確化が合格の鍵
自衛隊の入隊試験でも、キャリアプランは重要な評価ポイントです。
自衛隊は特殊な任務や長期的なキャリア構築が求められるため、入隊後にどのような役割を果たし、どのように成長したいかを具体的に述べることが大切です。
たとえば「災害派遣で人命救助に貢献したい」「将来は指揮官として部隊を率いたい」など、明確なビジョンを持つことが重要です。
また、自衛隊は自己成長やスキル向上を重視する組織のため、学び続ける姿勢や将来の目標を具体的に言語化することで熱意や覚悟が伝わりやすくなります。
入隊後にやりたいことが思いつかないことはこちらの記事を参考にしてください。民間企業の入社後にやりたいことを伝えるコツを解説していますが、自衛隊の入隊後のやりたいことを伝える参考にもなります。
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例文10選|入社後にやりたいことの回答で押さえるべきコツは?
企業が入社後にやりたいことを質問するのは、就活生の希望を知りたい意向が強いためです。入社後にやりたいことを見つけるための方法やどうしても見つからなかったときの対処法をキャリアコンサルタントが解説します。
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④入隊の覚悟を伝える
自衛隊の業務では生命に危険が生じたり、心身ともに大きな負担がかかってしまうものがあります。実務ではなくても、日々の訓練では強い身体・精神力が必要となります。
また、普段の生活から隊内での厳しい規律や協調性を常に意識し遵守しなければなりません。
このように、自衛隊には厳しい業務や環境に耐える必要があり、生半可な覚悟では職務を遂行することは容易ではないのです。
自衛隊として継続的に業務をおこなうには強い覚悟が必要となるため、志望理由だけではなく、入隊に対する強い覚悟もアピールすることが重要となってくるのです。
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志望動機に盛り込もう! 自衛隊に求められるおもな3つの能力
自衛隊に求められるおもな3つの能力
- 体力・忍耐力
- 判断力・適応力
- 規範意識
志望動機では自分の特性や強みを志望理由と絡めることで説得力が増しますが、その能力が職務に活かされるものでなければ評価につながりにくいです。
職務に活かせる能力を保有していることをアピールすることではじめて、入隊後の活躍を期待してもらえるからです。
ここでは、自衛隊に求められるおもな3つの能力について解説するので、志望動機で強みをアピールする際の参考にしてください。
①体力・忍耐力
体力・忍耐力は自衛隊として働くうえで必須の能力であるといえます。職種によって差はあるものの、入隊後には厳しい訓練があり、実際の業務でも体力や忍耐力が必要となる場合がほとんどです。
災害派遣や人道支援などでは数日にも及ぶ肉体労働をおこなう必要があり、快適な環境で食事や睡眠が取れるとは限りません。また、自衛隊では厳しい上下関係や指揮系統が存在します。
このように、自衛隊の業務では体力や忍耐力が非常に重要になってくるのです。そのため、体力・忍耐力があることを志望動機とリンクさせることは、入隊後に活躍できることを示すための効果的な要素となります。
- 志望動機に書けるほど体力・忍耐力に自信がありません……。体力・忍耐力を有効にアピールできないと選考突破は難しいのでしょうか?
体力や忍耐力以外の強みをアピールできれば問題ない
体力・忍耐力が秀でている人だけが自衛隊に向いているとは限りません。もちろん生まれつき優れた身体能力があれば有利ですが、自衛隊とは規律と継続性を重視する組織です。
体力や忍耐力を養うためにどのような努力を続けているか、それによって自分の心と体がどう変化してきたかを冷静に分析し、今後の課題として認識できていることを伝えられれば有効なアピールにつながります。
また、自衛隊は必ずしも体力勝負の職種ばかりではありません。たとえば情報分析官のように、頭脳労働型の仕事も存在します。
しかし、やはり自衛隊員である以上、体力や忍耐力は最低限備えておくべきと認識し、自信が持てるよう努力することは大切です。
忍耐力がアピールできると思ったらこちらの記事も併せて参考にしてください。忍耐力を効果的にアピールするためのコツを解説しています。
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自己PRで「忍耐力がある」はOK? 例文17選を職種・経験別に解説
忍耐力の自己PRは、入社後の活躍イメージを連想させることで有効なアピールとなります。この記事では、キャリアコンサルタントと共に忍耐力の自己PRの効果を最大化する方法を解説。エピソードや職種別で例文も紹介します。
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②判断力・適応力
自衛隊の任務である国防・災害派遣・国際平和協力活動は、突発的で予測不能なものがほとんどです。国防や災害派遣などは業務遂行中に状況が大きく変化するようなことも多々あります。
このような業務を遂行するにあたって、とっさに状況を把握し判断する能力や、不測の事態にも対応できる適応力が求められるのは想像に難くないでしょう。
小さな経験でも良いので、学生時代中に判断力や適応力で乗り越えたことや成果を上げたことがないかを振り返り、そのような経験がある場合には積極的に志望動機に盛り込みましょう。
適応力のアピールを考えている学生はこちらの記事も併せて参考にしてください。能力の高め方も解説しているので、アピールできることがないと悩んでいる学生も参考にしてくださいね。
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適応力は就活や社会人生活で求められることの多い重要スキルの一つ。適応力がある人の特徴や適応力の高め方をキャリアコンサルタントが解説します。就活でのアピール方法も必見です。
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③規範意識
自衛隊の生活や行動には多くの規範が細かく定められています。一般的には厳しすぎると思われるような規範もありますが、国や国民を守るといった大きな役割を組織で遂行する自衛隊にとって、規範意識は基本的かつ重要な要素なのです。
そのため、細かなルールや統制を嫌がる人に自衛隊は向いていません。自衛隊には規範意識の高い人材が必要とされているのです。
規範意識を志望動機と関連付ける場合は、ただ規範を守ってきたと述べるのではなく、規範意識を持った動機や、規範を守らないことによって起こりうるリスクをどう想像したかを伝えると良いです。
自衛隊の志望動機で特に重要となるのは、忍耐力です。体力は入隊後にいくらでも鍛えられます。
組織行動を得意とする自衛隊なので、個々が勝手に判断して組織を乱すことがあってはいけません。
つまり、自衛隊は規範と規律を守ることが求められ、自分をコントロールする能力という意味で忍耐力が必要なのです。
真面目さは、規範意識もあると判断されることにつながります。こちらの記事で真面目さをアピールするコツを解説しているので、併せて参考にしてください。
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真面目さの自己PRはどの職種でも通じるアピールになりますが、企業によって求める真面目さが異なるため、それにマッチさせることが不可欠。記事では、キャリアコンサルタントと真面目さの自己PRを効果的に伝える方法を解説します。
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キャリアのプロが解説! 刺さる自衛隊の志望動機を作成する極意
自衛隊は一般的な企業と比べると、特殊な職種であるといえます。一般企業の人事の声や採用に関する情報はネットなどで見られますが、自衛隊の場合はそうではありません。
そこで、一般的な企業に限らずさまざまなキャリアに対する相談や、採用側の声を耳にしているキャリアのプロである野村さんに、刺さる自衛隊の志望動機を作成する極意を解説してもらいます。
採用・入隊を判断する側からの貴重な視点となるので、最後まで目を通して刺さる志望動機の作成に活かしてくださいね。
アドバイザーコメント
野村 芳克
プロフィールを見る自衛隊の志望動機には自分の価値観や強みを盛り込もう
自衛隊の入隊試験で評価される志望動機を作成するには、採用側が求めるポイントを理解し、それにもとづいて効果的にアピールすることが重要です。
まず、自衛隊の職務の本質を理解し、具体的な動機を述べることが基本です。国防や災害派遣、国際平和協力活動といった任務に対して、自分がどのように貢献したいのかを明確に伝えましょう。
志望動機には、自分の経験や価値観を織り交ぜ、入隊を決意するまでの過程を具体的に示すと説得力が増します。
また、自分の特性や強みを具体例とともにアピールし、それが自衛隊の任務にどう活かせるかを伝えることもポイントです。体力や忍耐力、判断力、適応力を活かして貢献する意欲を明確にしましょう。
自衛隊になる覚悟があると説得力を持って伝えるのが大切
さらに、自衛隊の厳しい訓練や規律に耐えうる覚悟や意欲を強調しましょう。特に、自衛隊はチームワークや協調性が必要な仕事であることを踏まえ、他者との連携や責任感を示せるエピソードを盛り込むと評価が高まります。
最後に、自衛隊でのキャリアプランや長期的な目標を具体的に述べ、入隊後の活躍をイメージさせる志望動機に仕上げましょう。
自衛隊の志望動機の例文を4つのパターン別で押さえよう
自衛隊の志望動機の例文を4つのパターン別で押さえよう
自衛隊の志望動機作成のポイントなどは理解したが、実際に作成に取り掛かると手が止まってしまう学生もいるのではないでしょうか。また、作成はできたものの、この内容で良いだろうかと不安に思う学生もいるでしょう。
ここでは、4つの志望動機別の例文をキャリアのプロのコメント付きで解説します。内容を自分の志望理由や経験と照らし合わせて、参考にしてください。
①国防に貢献したいことを伝える例文
国防に貢献したいことを伝える例文
私が自衛隊への入隊を志望する理由は国防に貢献したいと思ったからです。
戦争や侵略などは日本には無縁のことと考えていましたが、そうではないと昨今の世界情勢から強く感じるようになりました。
私の大学では、紛争地から避難してきた学生の受け入れをおこなっており、私自身その学生と話をする機会がありました。その際に聞いたのは、現地の人の悲惨な状況や残された家族の安否に対する不安な気持ちです。
このような有事の際に自分にできることが何かないのかと考えた際に出た結論が、自衛隊に入隊し、国防に携わることです。
日本国内の人は当然ですが、海外でも紛争などで苦しんでいる人の力に少しでもなれるように、入隊できたあかつきには野球部で培った体力と忍耐力を活かし国防に貢献していきたいと思っています。
上記例文は、実際に紛争地から避難してきた学生との出会いが具体的なきっかけとなっている点は納得感が高く評価できます。
自衛隊に入隊することがゴールではなく、入隊して何を実現させるのか、どんな貢献ができるのかを具体的に述べることを意識してみてください。
②災害派遣に貢献したいことを伝える例文
災害派遣に貢献したいことを伝える例文
私が自衛隊を志望する理由は、被災時に親族が自衛隊の方に助けられた経験があり、私も同じように被災者の力になりたいと思ったからです。
私の祖父母は阪神淡路大震災で被災しました。後から聞いた話ですが、家が崩壊し瓦礫に埋もれている祖父母を救出してくれたのが自衛隊の方だったそうです。
電車も道路も使えない中、自衛隊の方がスコップを担いで助けにきてくれ、祖父母は一命をとりとめました。
祖父母から自衛隊の方に対する感謝の思いを何度も聞き、私の母親も両親の命を救ってくれた自衛隊の方にはとても感謝をしています。
このような経験から、私も自衛隊に入隊し災害時に一人でも多くの方の命を守りたいと思うようになりました。救われた人やその家族の思いも実感しているので、どんな訓練にも耐え、人命救助に尽力したいと考えています。
この例文の良い点は、自衛隊への志望理由が具体的な体験にもとづいていて、説得力があることです。
被災者の命を救ったエピソードを通じて自衛隊の重要性を深く理解し、その感謝の気持ちが自身の志望動機につながっている点が評価できます。
③国際平和に貢献したいことを伝える例文
国際平和に貢献したいことを伝える例文
私は日本の代表として国際協力に携わる仕事がしたいと思い、自衛隊を志望します。
学生時代に青年海外協力隊として発展途上国のカンボジアで災害対策や上下水道の整備に関する活動をおこないました。
一学生である私でも現地の人に大変喜ばれ、力になることができたため将来は仕事としてもっと大きく力になりたいと思うようになりました。
そのようななかで、日本代表の組織として災害時や有事の際に救済活動や人道支援をおこなったり、生活の向上に貢献している自衛隊の一員になり私も活躍したいと思いました。
入隊後は、内容を問わず少しでもさまざまな国の人の力になれるよう努めていきたいと考えています。
自衛隊の志望動機を述べる際は、自身の希望が陸海空のどれなのかをはっきりとさせるとさらに良くなります。
ただし、陸海空のどれであっても平時は地道な訓練が続きます。国際平和に貢献したいというありきたりな志望動機だけでなく、そのためには厳しい環境にも耐えられることを伝えるよう心掛けましょう。
④自衛隊に憧れを持っていることを伝える例文
自衛隊に憧れを持っていることを伝える例文
私が自衛隊を志望するのは、自衛隊をしていた祖父の話を聞いたからです。
祖父は訓練や規律に対する厳しさの話をよくしていましたが、実際の災害派遣で現地に赴くとその苦労が一瞬で報われ、もっと訓練しなければと思うようになると言われました。
自分が的確に業務を遂行することによって、人ひとりの命が救われるといった意義のある職業に魅力を感じ、私も自衛隊に入隊したいと思うようになりました。
入隊後は、人の命が自分の訓練や行動に委ねられているという意識を強く持ち、一人でも多くの方を守るために尽力していきたいと考えています。
自衛隊への憧れを軸とした志望動機でありきたりな内容にならないようにするには、具体的なエピソードや自分独自の視点・経験を盛り込むことが重要です。
単に憧れだけではなく、憧れを抱いた背景や、それが自身の入隊意欲や将来の目標とどのように結びついているかを具体的に伝えましょう。
自衛隊への憧れを述べるときは、入隊後に隊員としてどう貢献できるかもセットで述べるのがポイントです。こちらの記事で会社に貢献できることを効果的に伝える方法を解説しているので、併せて参考にしてください。
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例文5選|「会社に貢献できること」を魅力的に伝えて差別化する秘訣
面接で「会社に貢献できることは何ですか?」と聞かれた際や、自己PRや志望動機で貢献できることをアピールするとき、どのように貢献の仕方を伝えれば良いのか、キャリアコンサルタントとともに解説します。
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企業に刺さる志望動機は、AI作成ツールを試してください
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面接官の心に響く内容を準備し、次のステップに進む準備を整えましょう!
ありがちな失敗とは? 自衛隊の志望動機作成での注意点
自衛隊は一般的な企業とは違った業務や経験ができるため、特殊な職務などに対する興味や魅力だけを述べてしまう学生も少なくありません。しかし、興味や魅力がおもな志望動機になってしまうと自衛隊員には不適切だと判断されます。
自衛隊は国や国民を守る任務を背負っているため、興味や関心、自己の利益だけを求めていると判断されてしまうと、入隊の希望をかなえることは難しいのです。
ここでは、マイナスの評価につながってしまう志望動機作成の注意点を2点解説するので、しっかりと頭に入れておいてください。
興味や理想ばかりを強調しない
自衛隊は、一般企業とはまったく違い、銃器の使用や戦車などの特殊車両を扱える職業です。
「銃器を扱ってみたい」「特殊車両を操縦してみたい」などを志望動機にしてしまうと、自衛隊に与えられている任務に対する理解や業務に対する熱意がないと判断されてしまうことにつながってしまいます。
自衛隊はあくまで、国や国民を守るための職業であるという本質を意識するようにしましょう。自分の興味や関心を満たすための職業ではないのです。
「人の役に立ちたい」「国を守りたい」など抽象的な理想ばかりを志望動機として述べることも同様に良いことではありません。自衛隊の業務内容や日々の行動は危険や厳しさが伴うため、理想だけでは業務を遂行できないと判断されてしまうケースが多いです。
待遇や条件面を動機にしない
自衛隊は国家公務員でもあるため、良い待遇や条件面が設けられていますが、それを志望動機にしてしまうと入隊は難しいでしょう。
前述の通り、自衛隊は危険が伴い、肉体的・精神的に大きな負担が強いられる業務を遂行していて、日々の訓練も過酷なものといえます。
そんな環境下で、待遇や条件面を理由に志望してきた者が業務や訓練に耐え、長期的に働くことができるとは思われないでしょう。
待遇や条件面を優先しても継続的に勤めることは難しいため、自衛隊の職務に対する共感ややりがいを感じるのか、過酷な業務や訓練に耐えてまで達成したいことがあるのかを考えて志望動機を作成するようにしましょう。
自衛隊は特殊な世界であるため、興味を抱く人がいるのは当然です。しかし、非常に危険な仕事であり、自分と仲間の命を守るため厳しい規律を守らねばなりません。
心身が過酷な状況に置かれることもあり、相当な覚悟と使命感を持つ人だけができる仕事と認識しましょう。
そのうえで、その覚悟を持つに至った背景や熱意を志望動機に盛り込むことで、志望意欲をより効果的に伝えられます。
自衛隊の試験でも基本は同じ! 志望動機に関するよくある質問
自衛隊ならではの志望動機作成のコツや注意点は存在しますが、多くの学生が疑問に思う志望動機に関する悩みは基本的に一般的な企業と共通することが多いです。
ここでは、志望動機に関する学生からの質問と回答を解説します。自衛隊の志望動機にも深くかかわってくる内容なので、ぜひ参考にしてくださいね。
志望動機で差をつけて自衛隊入隊の希望をかなえよう!
自衛隊の志望動機は、業務内容の特殊さから作成に悩んでしまう学生も多いでしょう。一般的な企業と共通する部分もありますが、自衛隊ならではの刺さる志望動機作成のポイントを押さえておくことが重要です。
ありきたりな内容や説得力のない志望動機にならないためにも、自衛隊の業務内容をしっかりと押さえたうえで、独自性のある内容に仕上げましょう。
そのために、記事で解説した自衛隊の志望動機作成のポイントや注意点を理解し、例文を参考に刺さる志望動機で入隊をつかみとってくださいね。
アドバイザーコメント
杉原 美佐子
プロフィールを見る自衛隊の志望動機は「人を守ることの意義」を軸に置こう
自衛隊は、民間企業と比べて福利厚生が非常に充実しています。何かと制約は多いものの、独身のうちは駐屯地や基地にある営舎で生活します。
食堂の食事は無料であり、家賃や光熱費を負担する必要もないため支出が抑えられ、結果として貯金がしやすいです。
また、退官後の対策も充実しています。資格取得のバックアップやキャリア研修、就職支援など、本当に至れり尽くせりです。
そうした福利厚生に惹かれて入隊を希望する人も多いのですが、やはり国防を担う重要な組織です。人を守ることに意義を見出していることが大切だと再認識し、そういった軸で志望動機を作成するのがポイントといえます。
献身的に働きたいと思った理由を深掘りするのが大切
しかし人を守るといっても、直接人を助けることは少なく、感謝の言葉をかけられることも稀です。自衛隊の仕事は、縁の下の力持ちです。
近年は災害出動が多く自衛隊の活動が比較的知られる機会が増えましたが、現地以外にも後方支援で働いている自衛官はたくさんいます。
厳しい環境にもめげず、影の力として働いているのが自衛隊です。
いつの日か、知らない誰かのために黙々と日々訓練に励み任務に当たっている姿を理解し、人の役に立ちたいという思いを言葉にすることを意識しながら志望動機を作成しましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/キャリア・デベロップメント・アドバイザー
Rie Kuwata〇2018年にキャリアコンサルタントとして独立。企業対象の研修講師や各学校でのキャリアカウンセラーを経てハローワーク就職支援ナビゲーターを務め、年間約3,000名の相談を受けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリア技能士
Misako Sugihara〇石川県金沢市を拠点に15年にわたり就職支援に携わる。2年前からは転職支援も手掛けている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
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