志望動機の作り方大全|就職支援のプロが好印象を残すコツを解説

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士

    Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/キャリアデザインオフィスあかつき代表

    Ayako Masuda〇団体職員や子育てを経験後、行政のワーク・ライフ・バランス推進部署で勤務。現在は若者サポートステーションでキャリア支援をするほか、女性や企業向けのキャリア関連講座の講師も務める

    プロフィール詳細
  • キャリアコンサルタント/フィナンシャルプランナー

    Miyuki Oba〇大学などでカウンセリングや講義、企業や行政における新人研修・セミナーなどに多数登壇。ファイナンシャルプランナーおよび小論文講師としての知見も加味したアドバイスをおこなう

    プロフィール詳細

就活対策の中でも、志望動機の作り方は多くの人がつまずくポイントではないでしょうか。しかし、だからこそ正しい対策ができていれば、ライバルと大きく差をつけて人事から高評価を得ることができます。

志望動機の作り方の決定版として、この記事ではキャリアアドバイザーの遠藤さん、増田さん、大場さんとともに、企業視点を捉えて熱意を魅力的にアピールするための方法を解説します。

志望動機の作り方の正解がわからないという人は、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

志望動機は自身の価値観形成を伝えるエピソードで人事を唸らせよう

志望動機はその名の通り、企業に対して「その企業で働きたい理由」を伝えることです。そのため、企業が知りたいことが伝わる内容であることはもちろん、自分という人間がどのような経緯でその企業を志望するに至ったかを明確にする必要があります。

そこでこの記事では最初に、志望動機においての企業視点を理解するために、企業が知りたいポイントについて解説します。

次に、志望動機を書く前に必要な準備と、志望動機を書くときに差がつく秘訣について解説します。どちらも人事を惹き付ける志望動機には欠かせないポイントとなるため、この記事を参考にしっかり対策しましょう。

最後は基本となる志望動機の王道構成と志望動機の例文を紹介するので、参考にして人事を唸らせる魅力的な志望動機を作成してくださいね。

遠藤 美穂子

プロフィール

志望動機はあなたの人柄や熱意だけでなく、企業や業務内容についてきちんと理解していることを伝えなくてはなりません。

入社後に活躍し、貢献してくれる人材だと思ってもらうために、要点を押さえて書きあげることが大切です。

そもそも志望動機はなぜ聞かれる? 企業が知りたい3つのこと

企業が知りたい3つのこと

  • 業界や企業への働く意欲
  • 応募者の人間性
  • 自社とのマッチ度

面接や書類選考において企業が志望動機を聞く目的は、ただ「その企業を志望した理由」だけが知りたいからではありません。むしろ企業を志望する理由だけを端的に述べても、理由自体がアピールポイントになるわけではないため、企業から高評価を得ることは難しくなります。

ここからは、企業が志望動機を通して知りたい3つのポイントについて解説します。企業視点を理解したうえで、志望動機で伝えるべきことを改めて考えてみましょう。

①業界や企業への働く意欲

企業は「うちのどんなところに惹かれたのか」「なぜほかではなくうちの企業が良かったのか」といった、応募者の自社への興味の度合いから意欲の高さを図ろうとしています

「そこで働きたい」という気持ちになるのは、何かしらの興味や惹かれる点があるということでしょう。そのため志望動機では、そういった自分の興味の経緯をきちんと言語化することが求められます。

逆に自分がなぜその志望動機を持つに至ったかを説明できなければ、「うちの会社にそこまで興味はないのかな」「自己分析が完了していないのかな」といったマイナスなイメージにつながってしまうかもしれません。

まずは、自己分析で自分の興味や意識の向くポイントを見つけ出しましょう。そして企業や業界の特徴を研究することで、自分が業界・企業のどんな部分に惹かれ、意欲が刺激されるかを書き出してみてくださいね。

企業は志望動機の何を見て意欲を判断しているのですか?

増田 綾子

プロフィール

企業は応募者の企業研究や自己分析の深さで意欲を判断している

書かれている興味・関心や強みが、求めている人物像に合っているかどうかはもちろんですが、「他ではなくなぜうちなのか」という点については、応募者と企業側にどのような関係性があるのかを見られています。

そのために自己分析が必要であり、企業研究も同様に重要になるのです。

採用担当者は大勢の書類を読んでいますので、企業研究がしっかりなされているかどうかを敏感に感じ取り、その深さで熱意を測っています。そのうえで、応募者にしかないエピソードがあれば、納得感が増します。

自己分析からあれもこれも、と書くより、求人票をよく見て、企業ニーズに合ったものをきちんと選んで文章化することで、自分の本気度をわかりやすく伝える工夫をしましょう。

②応募者の人間性

企業は多くの「人」が集まって構成されているため、企業側の人である人事は、これから一緒に働くかもしれない応募者の人間性を重要視しています。

志望動機は「その会社で働きたい」という応募者自身の意欲を示すものであるため、企業はその意欲や感情の背景から、応募者がどんな考え方をする人で、どのような価値観を持っているのかを判断しているのです

自分の人間性は、志望動機を裏付けるエピソードでアピールすることができ、エピソードは志望動機の中でもオリジナリティが出せる部分でもあります。企業側の印象に残る志望動機にするためにも、自分の人間性が伝わるエピソード展開を意識しましょう。

自己PRでも自分の人間性は伝わると思うのですが、志望動機でも見られているのですか?

大場 美由紀

プロフィール

志望動機では企業や社員に対する熱意や姿勢から人間性が垣間見える

自己PRは、自分のどんな強みを活かして会社に貢献できるかをアピールするために伝えるのがおもな目的です。

業務で必要となる強みを自覚していることで、それを活かして貢献する意欲を伝えることができます。ただ、これだけでは、人間性までは伝わりにくいです。

志望動機は一緒に働く一員として同じ価値観を共有できる、同じベクトルを持つ、つまり同じ方向性に向かって同じ熱量と意気込みを持って向き合っていけることを伝えることで、その中に人間性を垣間見ることができるのです。

③自社とのマッチ度

一般的に、学生は自分に合った企業を探すために就活をすることが多いでしょう。そしてそれと同じように、企業も応募者が自社の働き方や社風にマッチするかどうかを判断するために面接などの選考を設けています。

そのため、「働く意欲」や「人間性」なども含めた志望動機全体の内容から、「採用した場合、自社に貢献してくれそうか」「自社の社風と合いそうか」を見極めたいと思っているのです。

企業の意図に応えるためにも、志望動機では自分がどんな人間なのかを示したうえで「自分はその企業が必要とする人材にマッチしている」ことをアピールする必要があります。

企業のビジネスや属する業界に興味や共感を持つことはもちろんですが、自分自身の働き方や価値観を深堀りし「自分のこんな部分が応募先のこんな部分とマッチしている」ということを明確にしてみましょう

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キャリアコンサルタントに聞く! 高評価の志望動機に共通するポイントとは?

ここまで、志望動機を企業が聞く目的や重視している点について解説しましたが、それらを踏まえた企業から高く評価される志望動機にはどのような特徴があるのでしょうか。

数多くの学生の志望動機の悩みに向き合ってきたキャリアコンサルタントの遠藤さんに、高評価の志望動機に共通するポイントについて教えてもらいましょう。

アドバイザーコメント

聞こえの良さではなく自分の言葉で書いた志望動機が高評価の鍵

数多くの学生の志望動機を読む採用担当者にとって、印象に残るのは「自分の言葉で書かれたもの」です。

聞こえの良い言葉が並んでいる文章は、一見なめらかできちんとしていますが、誰でも書ける、どこの会社にも使えるものに見えてしまい、印象に残りません。

採用ホームページ(HP)や企業説明会で聞いた言葉を引用するのは構いませんが、それが志望動機の大半を占めていると、「あなたは何にどう共感したのですか?」と聞きたくなります。

自分のやりたいことばかりの志望動機ではマイナスな印象になる

「貴社の企業理念の、成長とは社会への貢献や関係する人々の満足度が向上すること、という点に共感いたしました。私自身、○○部の部長を務めながら、大会での順位以上に、部員一人ひとりの成長や達成感も大切にしてきたからです」

上記のように自分の考えや経験が添えてあると、理念を自分なりに解釈し、自分との接点を見つけていることが伝わります。

また、学生自身のやりたいことやできることばかり書いてある、つまり自己PRが大半である志望動機は、「あなたのことはわかりましたが、本当に弊社に興味がありますか?」という気持ちになります。企業研究・職種研究したことがわかる文章は好印象です。

志望動機の作り方の前に! 3つのステップで書く準備をしよう

志望動機を作成する前の3つのステップ

  • その企業だけの価値を見いだせるまで企業理解を深める
  • 自己分析で企業とのマッチ度を明確にする
  • 自分の就活の軸や価値観につながるエピソードを探す

志望動機をいざ書こうと思っても、事前の準備ができていないと、思うように書けなかったりライバルと差をつけられるような魅力を引き出せなかったりしてしまいます。

ここからは、志望動機を作成する前に必須でおこなうべき3つのステップについて解説します。いきなり書き始めるのではなく、まずはしっかり準備を整えましょう。

増田 綾子

プロフィール

思いつくままに書くとあとで「あのことを書けば良かった」と思って書き直すことになったり、あれもこれも書きたくなって、まとまりのない文章になりがちです。

それでは、採用側の気持ちを動かすことはできません。熱意をしっかり伝えるためには、最も良いと思われるエピソードを厳選することが必要です。

①その企業だけの価値を見いだせるまで企業理解を深める

「その企業で働きたい」ということを志望動機で伝えるうえで、企業について情報収集をおこなうことは最初の準備として必要不可欠です。

応募先企業に対してどのくらい研究したかは、志望動機の書きやすさに直結することはもちろん、企業への興味や働く意欲の度合いを示すことにもつながります。

企業研究では、その企業自体をくまなく調べることだけではなく、その企業の競合となるほかの企業についても調べ、応募先企業だけの強みを見つけることが重要です

最初に応募先の企業が気になったときの理由は小さなものであっても、調べるうちにほかの企業よりも強く惹かれる部分や興味が深まった部分もあるかもしれません。ぜひ自分の視点で、その企業の強みや特徴を分析してみましょう。

以下の記事では、企業分析を完璧にマスターするための秘訣を徹底解説します。ぜひ参考にしてみてください。
企業分析のやり方を完璧にマスターする3ステップ|よくある注意点も

②自己分析で企業とのマッチ度を明確にする

企業研究を深めたら、自分の強みや特徴を分析したうえで、それぞれの情報と照らし合わせて企業と自分のマッチ度を明確にしましょう。

自分と企業のマッチ度は、前述にもある通り企業が志望動機で知りたいポイントでもあるので、自己分析を徹底してきちんと見つけておくことが大切です。

自己分析では、「就活において何を大切にしているか」という就活の軸を見つけ、そこから就活の軸の根本となる自分自身の性格や強み、価値観などを理解していきましょう。

自己分析をして自分が大切にしている軸を見つけることで、企業が大切にしていること、つまりは企業の理念や求めることに自分がどのくらい合っているか、よりわかりやすくなりますよ

自己分析ってどこまでやればいいのかわからない、これで合っているか自信がない、という人は以下の記事もおすすめです。就活のプロであるキャリアコンサルタントが、失敗しない自己分析のやり方を解説しています。
自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説

③自分の就活の軸や価値観につながるエピソードを探す

志望動機は「その企業で働きたい」という意思だけでなく、「なぜその企業で働きたいと思うに至ったのか」を具体的にする必要があります

どのような価値観や軸によって「その企業で働きたい」と思ったかを伝えるためにも、自分がどんな就活の軸を持っているのか、その就活の軸の背景となるエピソードは何なのかを考えてみましょう。

第三者にもわかるようなエピソードとして、自分の中の価値観がどのような経緯で形成されたのかを具体化することで、その価値観の先にある「働きたい理由」により説得力を出すことができるのです。

就活の軸を決めなくても作れそうな気がするのですがなぜ必要なのですか?

大場 美由紀

プロフィール

軸があることで業界や企業への志望理由を確かなものにできる

就活の軸は、就活を進めていくうえで何を重視するのかを明確にしておくものです。就活をしながら軸がふらふらとぶれないためにも考えておいた方が良いでしょう。

就活の軸は、キャリアにおいて譲れない大切なものとして、キャリアアンカーにのっとって考えることもできます。

キャリアアンカーとは、キャリアの船の錨のようなものです。この錨がぶれないことが、業界の志望理由を確かなものにし、ひいてはその業界の中の志望企業群に紐づいていくのです。

迷いが生じそうになっても、就活の軸に立ち返ることで、志望動機を再確認していくこともできます。志望動機を信頼感のあるものにするためにも、しっかりと定めておいてくださいね。

作り方以前に、そもそも志望動機が書けない……と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。以下では就活のプロであるキャリアコンサルタントが、志望動機が「書けない」から確実に脱する秘訣を解説しています。
「志望動機が書けない」から確実に卒業する3ステップ|例文付き

以下の記事では志望動機の例文と差別化のポイントをまとめています。志望動機で悩んでいる人は参考にしてみてください。
志望動機例文35選|基本とプラスアルファで差別化するコツ

就活の軸にどんなものがあるのかわからないという人は以下の記事もおすすめです。就活の軸をもとに後悔なく企業を選ぶための基準やポイントを、キャリアコンサルタントが解説しています。
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説

差別化の秘訣! 企業視点を押さえた志望動機を作るための2つのコツ

企業視点を押さえた志望動機を作るための2つのコツ

ここからは、事前準備や企業の意図を踏まえて、実際にライバルと差をつける志望動機にするための2つのコツについて解説していきます。

正しい準備や企業の視点と併せて参考にして、企業の知りたいポイントを最大限にアピールできる魅力的な志望動機を書きましょう。

①志望理由を深掘りして熱意の度合いを示す

志望理由を深掘りすることで、志望理由の根本となる理由や興味を見つけられるため、熱意がどの程度あるのかを具体的に示せるようになります。

たとえば、ただ「自動車が好きだから」というだけの志望動機で自動車業界を目指しても、「どの程度好きなのか」「好きな気持ちをどう仕事に活かすのか」が見えないため、熱意のある志望動機とは言えません。

自分の押し出したい志望理由に対し「なぜそう思ったのか」「その志望理由をかなえてどうなりたいのか」など、深掘り質問を重ねて根本的な理由や興味を見つけることで、熱意の深さが伝わる志望理由になります

②原体験を用いて自分だけのエピソードを述べる

原体験

自分がこれまでに経験したことの中でも特に大きな影響のあった経験、印象に残っている経験のこと

志望動機では、エピソードトークで自分だけの原体験を伝えることで、企業が知ろうとしていることの一つである人間性をアピールしましょう。

エピソードでは、当時の状況を簡潔に説明し、その経験の結果やそのときの自分の感情や、学びまで具体的にすることが重要です。自分にとって印象深いエピソードであるほど、詳細まで伝えることができるため、企業に自分の人間性をより正確に理解してもらえるでしょう。

アドバイザーコメント

応募先の社屋を訪れるなど小さな接点を持つことから始めよう

「熱意」と「人間性」は応募者の内側にあるものなので、そのうえで「なぜここを選んだのか」という理由を明確に示す必要があります。

あらかじめ会社見学に行ったり、企業ガイダンスに参加するなどして、積極的に接点を作っていくという方法もありますが、そういった機会がなく決め手となる接点が見つからない場合、とりあえず会社の近くまで行って外からでも社屋を眺めてみるよう勧めています。

多くの会社は、社屋に自社のオリジナリティを表現していて、社員の出入りする様子からも、新たな発見があることでしょう。

そんな会社の様子と、自分がそこに通って仕事をしているイメージを重ね合わせ、改めてその企業を選んだ理由を考えてみましょう。

いろいろ伝えるのではなく企業のニーズに合った志望動機を選ぼう

また、志望動機は企業のニーズに合ったものを選ぶ必要があります。アピールしたいポイントは複数あるかもしれませんが、一番は、求人票に提示されている仕事内容と、自分の持っているスキルがちゃんとつながっていることが大切です。

あれもこれも伝えたいと書き込んでしまうと、伝えたかったポイントが埋もれてしまいます。企業研究の結果と求人票のニーズを踏まえた選択が大切です。

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志望動機の王道構成! 3つの手順でわかりやすく伝えよう

志望動機をわかりやすく伝えるための3つの手順

  • 企業への志望理由を最初に述べる
  • 志望理由の背景やきっかけとなるエピソードを述べる
  • 入社後のビジョンや働く意欲を伝える

差別化のポイントをマスターしたとしても、伝える手順を間違えてしまうと、せっかくの自分の魅力や意欲の高さもわかりやすく伝わらず、不完全燃焼で終わってしまいかねません。

ここからは志望動機の内容を最大限にアピールできる伝え方の構成について解説します。志望動機の組み立て方に自信がない人は参考にして、自分の魅力や志望理由がわかりやすく伝わる志望動機を作ってみましょう。

①企業への志望理由を最初に述べる

志望動機でまずはじめに伝えるのは結論、つまり「企業を志望する理由」です。結論という話の終着点を最初に述べることで、これから話す内容の大枠が伝わるため、それ以降の内容が関連付けやすくなります。

企業視点で考えても、志望動機で最も知りたいのは結論である「企業への志望理由」であるため、聞き手にとってもわかりやすく親切な構成といえます

ここでのポイントとしては、あいまいな理由ではなく、事前に深掘りした志望理由を述べることです。深掘りされた理由は企業が最も知りたい部分であり、志望動機のためにおこなった準備の深さを伝えられるため、結論でしっかりアピールしましょう。

企業への志望理由を簡潔に述べる例文

私が御社を志望する理由は、御社の転職に特化した人材サービスとサポート力に惹かれたためです。

顧客と二人三脚で内定を目指すサポートによって、より多くの人にキャリアアップへの挑戦のハードルを下げられるような人材を目指したいと考えています。

「なぜその業界なのか」も明確にすることが大切

「なぜその企業を志望するのか」を最初に述べることと併せて、「なぜその業界・業種なのか」を明確にしておくことも大切です。

企業側は応募者に対して、自分の会社に対する興味があるかどうかはもちろんですが、企業が属する業界やこれから担当してもらう業務に、学生が興味や関心があるかどうかも重要視しています

中には、学生への知名度が低い業界などもあり、そうした業界では、企業への志望動機と同じくらい業界への志望理由も重要視されます。この場合は面接でも聞かれる場合があるので、志望動機でも業界を目指した理由まで明確に伝えましょう。

志望動機の中に業界を目指した理由まで盛り込めなかった場合でも、自分がどういう経緯や考えでその業界を絞り、応募先を見つけたのかは自分の中で明確にしておいてくださいね。

業界の志望理由は聞かれないこともあると思うのですが考えておくべきですか?

遠藤 美穂子

プロフィール

企業の事業内容に共感することにもつながるためしっかりおこなおう

業界の志望理由とは、企業が提供する製品やサービス、事業内容になぜ魅力を感じたのかを伝えることと重なります。しっかり考えておきましょう。

また「事業内容に興味があるのであれば、同じような事業をおこなっている他社についても比較し調べてみたはず」というのが採用側の考えです。同業他社比較をしっかりおこなってくださいね。

「なぜその業界なのか」を明確にするためには業界研究は欠かせません。以下の記事では、業界全体を捉えたうえで自分に最適な業界を見つけるポイントをキャリアコンサルタントが解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
業界研究のやり方|業界全体を捉えたうえで気になる業界を研究しよう

②志望理由の背景やきっかけとなるエピソードを述べる

志望動機で「御社の〇〇に惹かれたから志望します」「御社を志望する理由は〇〇がしたいからです」という理由を伝えるからには、そう考えた根拠まで説明することが必要です。ここでは事前準備で見つけた就活の軸やその背景となるエピソードを活用し、自身の人間性をアピールしていきましょう。

エピソードを伝える際は、その当時の状況を簡潔に説明し、「何が起きたのか」「自分がどんな行動をとったのか」など、自分の視点や行動について具体的に述べることがポイントです

そして、自分の行動によって「どのような結果になったか」「どんな学びや感情が生まれたか」まで述べることで、当時のエピソードの情景を読み手・聞き手にわかりやすくイメージさせることができますよ。

志望理由の根拠となるエピソードを述べる例文

私が御社を志望するに至ったきっかけは、学生時代にアルバイトをしていたアパレルショップでの経験にあります。

働く中で、仕事に慣れてきて業界の興味や理解が深まったことで、同じ系列の別のブランドの店舗でも働いてみたいという思いが強くなりました。しかし、別のブランドでは正社員しか募集していなかったこともあり、踏み出せずにいました。

勇気を出してそのことを店長に相談したところ、本部に掛け合ってくれたことで、研修を受けたのち、その店舗でも勤務できることになりました。

こうした経験から、仕事に慣れてきたからこそ見えてくるやりたいことや、次のステップに進むことを応援してくれる存在がいることの重要性やありがたみを感じて人材業界、特に転職支援業界に興味を持ちました。

③入社後のビジョンや働く意欲を伝える

志望動機の最後の締めくくりでは、入社後のビジョンを伝えて働く意欲を再度アピールしましょう。

志望動機において、結論やそれを裏付けるエピソードは過去の自分の考えや経験からのアピールですが、入社後のビジョンは自分の未来の姿を魅力的に伝えることでアピールにつなげることができます

ここまでの志望動機の内容で伝えた熱意や自分の価値観をもとに、「どのように仕事に取り組むつもりなのか」「自分がその企業でどのようになりたいのか」など前向きな姿勢を示し、自分が社会人として活躍する姿を企業にイメージさせましょう。

入社後のビジョンや働く意欲を伝える例文

御社で入社できた暁には、一年目からクライアントの内定率だけでなく定着率でも80%達成を目標に、人生の転機をサポートしてもらえて良かったといわれるような人材を目指したいです。

入社後のビジョンがほかの人と似たようなものになってしまいそうなのですが差別化のポイントはありますか?

大場 美由紀

プロフィール

入社後のビジョンを「語ったつもり」にしないために具体性を意識しよう

差別化のポイントは具体性です。どのような仕事にどう取り組みたいのかを具体的に伝えましょう。そして具体的なビジョンとはしっかりとした企業研究ができてこそなのです。

HPで企業研究することはもちろんですが、インターンシップや会社説明会、OB・OG訪問など、いろいろな機会を活かして企業研究することで、入社後のビジョンも熱意を伴った形が見えてくるでしょう。

注意してほしいのは「御社の一員となって人々の安全安心な暮らしを支えたいです」のような漠然とした言葉で、入社後のビジョンを語ったつもりにならないことです。

ここには、考えに考えた形跡が見られず、採用担当者を惹き付ける魅力的な内容があるとは言えません。

キャリアビジョンの描き方がよくわからない……という人は、以下の記事でキャリアビジョンを描くコツを確認しましょう。
キャリアビジョンとは|就活のプロが意義と描き方を徹底解説!

人事を惹き付ける! 魅力的な志望動機の例文8選

ここまで、志望動機の準備や押さえるべきポイント、基本の伝え方となる構成について解説してきましたが、実際に魅力的な志望動機とはどういうものなのか気になる人も多いでしょう。

そこで最後は、人事に刺さる志望動機として8つの例文を紹介します。まだ良い志望動機の具体的なイメージがつかない、自分の志望動機がこれで良いのかわからないという人は参考にしてみてください。

理由別の志望動機例文3選

理由別の志望動機例文3選

  • 働く環境に魅力を感じたから
  • 企業の人間関係に魅力を感じたから
  • 企業の提供するサービスに魅力を感じたから

まずは、志望動機の理由としてよく見られる3つの理由に関する例文を紹介します。

志望動機には、事前の企業研究で見つけたその企業にしかない強みや魅力と、自分の持つ価値観を照らし合わせることがポイントです。自分がどこに魅力を感じたのか、魅力だと感じた根拠となるエピソードは何だったのかなどに注意して展開していきましょう。

例文①働く環境に魅力を感じたから

例文:働く環境に魅力を感じたから

私が御社を志望する理由は、御社の表彰制度や働き方に魅力を感じ、自分の挑戦や人の挑戦を称え合いながら成長していきたいと考えたからです。

私は褒められたり認められることでモチベーションが上がり、その過程で受ける指摘や大きな課題にも立ち向かえる性格です。

大学時代に部長を務めていた空手部では、メンバー全員で良さを認め合う意識付けをしたり、部員それぞれの得意な技を練習をする時間を作ったりしてきました。

その結果、日頃自分を認めてくれる存在が周りにいることで、課題に直面したり、挫折したりしても負けずに取り組むことができ、部員の技術向上、ひいては団体戦での入賞につなげることができました。

こうした背景から、御社のように月に一度、全社員の中から頑張りや功績が見られた社員を表彰したり、賞に応じた福利厚生が設けられたりしている点をとても魅力に感じています。

御社に入社できた際には、どんな業務も諦めずに取り組むことはもちろん、同僚の方達と認め合い、切磋琢磨することで、自分自身だけでなく会社としての成長にもつなげていく所存です。

増田 綾子

プロフィール

企業研究の際、さまざまな角度からできるかぎりの情報を集めたとしても、外から見える部分には限界があります。

外側だけの情報から見たり感じたことを素材にしてアピールする場合には、「そこしか見えてないのに大げさだな」と思われないよう、妥当な内容に留めておきましょう。

上の例文のように、企業の社風を志望動機にしたいと思う人は以下の記事もおすすめです。社風を志望動機として挙げる場合の注意点や伝えるコツについてキャリアコンサルタントが解説しています。
「社風の志望動機」は注意が必要! 例文付きで受かるコツを伝授

例文②企業の人間関係に魅力を感じたから

例文:企業の人間関係に魅力を感じたから

私が御社を志望する理由は、御社で働く社員の方々の目標や顧客に真摯に向き合う姿勢や人柄の良さに惹かれたからです。

私の就活の軸として、「自分の明るい性格やコミュニケーション能力を活かせる仕事」という軸があります。特に働くうえで良好な人間関係を築くことで成果が挙げられ、同じ目的のために取り組める仕事が良いと考えています。

そう考えたきっかけは、大学の軽音サークルでのグループ活動にあります。新入部員ばかりでバンドを組み発表をおこなうのですが、意見がうまくまとめられないグループやなかなか打ち解けられないグループもありました。

そうならないためにも、私の所属するバンドでは「まず相手の意見を否定せず聞く」をルールにしてコミュニケーションを取った結果、お互いに尊重し合って全員が一つの目的のために何をすべきか考えて取り組めました。

そのようなチーム全員の人間関係やコミュニケーションの姿勢を先輩たちから評価いただき、先輩のグループの卒業ライブに出演させてもらえたり、尊敬する先輩とバンドを組む機会にも恵まれました。

この経験から、まず周りの意見を尊重して、全員が同じ方向を向いて行動することの難しさと大切さを学びました。

短期のインターンとして御社で勤務した際、社員の皆さんからは、最終目的を定期的にすり合わせ、顧客に本当に必要とされる商品を作ろうという情熱が伝わってきました。

私も御社に入社できた際には、社員の皆さんの姿勢を見習い、一つの目標に向かって何ができるかを考えながらチームと会社に貢献していきたいと考えています。

遠藤 美穂子

プロフィール

短期インターンの経験を通じて、社員の仕事への姿勢が理解でき、自分もその一員となりたいという思いを伝えている点は好印象です。

改善点としては、バンドの話が大半を占めてしまっているので、事業内容への興味関心や、就活の軸とやりたい仕事のつながりまで書けているとさらに良くなるでしょう。

例文③企業の提供するサービスに魅力を感じたから

例文:企業の提供するサービスに魅力を感じたから

私が御社を志望する理由は、御社のような常にユーザー視点に立って展開されるサービスに魅力を感じ、多くの人に寄り添う化粧品販売に貢献していきたいと考えたためです。

私は化粧品が大好きですが肌が敏感なため、御社のサービスの一つである口コミサービスにて、気になるコスメに対するユーザーの生の評価を調べてから購入していました。

そのときに御社の求人情報を見たことがきっかけで、御社の手掛けるマーケティング事業のことも知りました。

口コミサイトを活用したBtoBでのマーケティング事業は、多くのブランドでユーザーのニーズに立った商品を届けることにつながるため、これからの化粧品業界にとっても大きな可能性だと思います。

御社に入社できた暁には、肌に触れる化粧品を購入することへの意思決定のハードルを下げて、私のように好きなものなのに体質のせいでためらってしまう人を救えるようなサービスを届けていきたいと考えています。

大場 美由紀

プロフィール

自身の経験を根拠としていて、やりたいことを伝えようとしているのは良いですね。

ただ、ユーザーのニーズに立った商品を届けるために志望企業がおこなっている、その企業ならではの強みや特徴をとらえた内容を具体的にできればもっと良くなるでしょう。

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職種別の志望動機の例文5選

職種別の志望動機の例文5選

  • 営業職
  • 企画職
  • 販売職
  • 研究職
  • 事務職

次は職種別の志望動機の例文を5つ紹介していきます。職種の例文においても基本的な構成や注意すべきポイントは同じです。

より職種への熱意を伝えるためには、「将来その職種に就いたときどのように活躍したいか」や「その職種がやりたい理由」を締めくくりでアピールすることを意識して書いてみましょう

例文①営業職

例文:営業職

私が御社を志望する理由は、一つでも多くの会社が御社のサービスを通じて業務効率化を実現してほしいと願っているからです。

私は大学2年生から1年間、コンサルティング会社でインターンをしていました。仕事内容は営業で、その際に御社の顧客管理ツールを活用しました。

最初はExcelで管理していたのですが、御社のサービスに切り替えた後は、作業時間が半分ほどに減りました。また、文字や数字を入力しただけで図表で可視化されるため、分析する際にも非常に役立ちました。

御社に入社後は、自身の経験から感じたサービスの魅力を業務を通じて多くの会社に伝えることはもちろん、自分と同じような業務効率化への課題を抱える取引先の声に耳を傾け、ニーズにマッチした提案で御社の売り上げに貢献したいです。

増田 綾子

プロフィール

自分の経験から、同じように課題を抱える取引先へのアプローチに触れられている部分は、具体的でとても良いと思います。

強いて言えば、営業職は接客要素も重要になるので、コミュニケーション能力をアピールできるエピソードがあればプラスしておきたいですね。

営業職の志望動機の書き方についてもっと詳しく知りたいという人は以下の記事を参考にしてみてください。採用担当者を惹き付ける営業職としての志望動機のポイントをキャリアコンサルタントとともに解説しています。
例文18選|営業職の志望動機で採用担当者を惹きつけるコツ

例文②企画職

例文:企画職

私が御社を志望する理由は、自分に合ったシューズで楽しくランニングできる人を増やしたいという想いがあるからです。

このような想いを抱いた背景には、私が中学生から現在まで陸上競技に取り組んでいることが挙げられます。

約8年ほど陸上に取り組んでいるのですが、最初は走るのが苦痛でした。練習で走る距離が長くなるにつれて足が痛くなり、その痛みに耐えながら走らなければいけなかったからです。

しかし、高校1年生の時、先輩にシューズを紹介してもらってそれを実際に履いたところ、足の痛みが改善され競技も続けることができ、走ることの楽しさを再確認するきっかけにもなりました。

御社に入社後は企画職を志望しています。企画職として質の高いランニングシューズ開発に加え、SNSを使ってリアルな悩みをキャッチしたりブランドの魅力を発信したりすることで、多くの人に走る楽しさを知ってもらいたいと考えています。

遠藤 美穂子

プロフィール

当社のビジネスを通じて顧客に何を届けたいかという企業選びの理由と、入社後やりたいこと、さらに自分の陸上経験という当社との接点も述べられていて、よくまとまっています。

あえて言えば、仕事で活かせる強みも書いてあるとさらに良くなるでしょう。

以下の記事では企画職の特徴や適性人材に加え、企業を惹き付ける志望動機の書き方までキャリアコンサルタントが徹底解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
企画職の仕事や適性を徹底解剖! 新卒が企画職を狙うのはハード?

例文③販売職

例文:販売職

私が御社を志望する理由は、御社が提供する食品を通じて一人でも多くの方に笑顔になってほしいという願いがあるからです。

私は御社が好きでよく店舗に通っていました。おいしいことはもちろんなのですが、おすすめのメニューの説明や気配りなど働く方々の対応が素晴らしく、いつも気持ち良く食事ができるという理由もあります。

その後就活を通して、御社では販売スタッフの教育や研修を徹底していると知り、御社の接客のクオリティの高さに納得しました。私もその一員としてプロフェッショナルな接客スキルを習得し、私が体験したような心温まる時間を多くの人に提供したいと思っています。

御社に入社後は、まずは販売に関する基礎を徹底し、そのうえで多くの顧客が笑顔で食事ができるような雰囲気を作り出せる人材を目指したいです。

大場 美由紀

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実際に志望企業の店舗によく訪れることで、受けている販売スタッフの印象の良さを述べているのは評価できるポイントです。

さらに、顧客が笑顔で食事できるような雰囲気づくりに自分ならではの特徴でどう貢献できるかも明確に伝えると良いでしょう。

販売職の志望動機の書き方の参考がもっと見たいという人は以下の記事がおすすめです。ライバルとの差別化のポイントやよくあるミスまでキャリアコンサルタントが徹底解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
販売職の志望動機例11選|差別化できる書き方とよくあるミスを解説

例文④研究職

例文:研究職

私が御社を志望する理由は、御社の理念に沿ったさらに健康的な食品を提供したいと考えているからです。

私は、御社の「食事を通して家庭に健康を」という理念に非常に共感しています。このように考えた背景には、食生活が乱れたことが原因で体調を崩した経験が挙げられます。

大学2年生のとき、朝から晩まで研究に没頭して食事が疎かになったことがあります。その際、短期間で体重が増加し、だるさを感じることが多々ありました。

「さすがに身体に悪い」と思い、食事を御社の製品に切り替えたところ、徐々に体調が回復し、健康であることの重要さを感じました。

御社に入社後は研究職を志望しています。私は、私のように食生活が乱れがちな人や、忙しい中でも健康を求める人々のニーズは高まってきていると考えているため、御社に入社できた際には、そうしたニーズに応えるべく、健康的な食事ができる製品を開発したいです。

研究職の志望動機では専門技術を持っている場合、アピールした方が良いですか?

増田 綾子

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自分の持つ専門技術が応募先企業のニーズに合うように伝えよう

応募する企業にマッチしそうな専門技術や知識がある場合には、志望動機に入れておきましょう。

ただ、自分の持っている技術が企業のニーズに合うかどうかわからないときは、「この技術で役に立てる」と言い切らずに「こういう場合に活かせる技術を持っています」というような書き方に留めておきましょう。

必ずしも企業ニーズにマッチしない専門技術がある場合は、自己PRに入れてみても良いと思います。資格と同様、企業側に「そういう技術を得るために努力した人」という印象を与えることができるからです。

研究職での志望動機についてもっと詳しく知りたいという人は、以下を参考にしてみてください。研究職の仕事内容や、ライバルと差をつけてアピールするための志望動機の極意を、キャリアコンサルタントが解説しています。
研究職ってどんな仕事? 狭き門を勝ち抜くための志望動機例も紹介!

例文⑤事務職

例文:事務職

私が御社を志望する理由は、自身の強みを活かして、裏方として御社を支えたいと考えているからです。

私は数字を扱うことや細かい作業を得意としています。簿記は1級を取得しており、会社経営に関する計算も可能です。

そして、御社は〇〇市には欠かせない商業施設の一つであり、私も日常的に御社の店舗やスタッフの方々に支えられて生活してきた一人です。そんな自分が日頃お世話になっている御社の裏方として役に立ちたいと思い、志望しました。

御社に入社後は事務職を志望しています。あらゆる作業を正確、かつ迅速に対応して、御社の発展に貢献したいです。

事務職としてのビジョンの描き方がわかりません……。

遠藤 美穂子

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社内の人とのかかわりや業務レベルから自分のなりたい姿を考えよう

事務職の仕事は、イメージが湧きにくいかもしれませんが、新人とベテランでは任されるものが大きく変わってきます。

はじめは狭い範囲で言われた仕事をこなすだけだったのが、やがて他部署や全社にかかわる業務を担当したり、後輩や同僚のまとめ役やリーダーを任されたり、事務部門の管理職になる可能性もあります。

将来のビジョンとして、たとえば「周りから頼られる人になりたい」と考えるのであれば、どういう経験を積めば頼りにされるか考えてみると良いでしょう。

事務職の志望動機についてもっと例文を見てみたいという人は以下の記事もおすすめです。魅力的な事務職の志望動機の書き方を業界別で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
例文20選|事務職の志望動機を職種別・業界別に徹底解説

志望動機は企業の視点を捉えた作り方で自分をアピールして選考突破を目指そう

志望動機では、応募する企業や業界などのあらゆる情報をかき集めて、その企業で働きたい理由を見つけなくてはいけません。そのため、具体的な作り方はどうすれば良いのか迷ってしまう人も多いでしょう。

しかし、どんな業界・業種の企業であっても「自社に合った学生を採用したい」という気持ちは同じです。

そのことを忘れず、志望動機において企業がどんな視点を持っているのかを捉えることで、志望動機に盛り込むべきことや、その内容に磨きをかけるために必要な対策が見えてきます。

企業の視点を捉えつつ、オリジナリティ溢れるエピソードで人間性をアピールすることで、ほかの誰にも書けない魅力的な志望動機になります。ぜひこれらのポイントをマスターして、高評価での選考突破を目指してくださいね。

アドバイザーコメント

志望動機は多くの就活生がつまずく項目だからこそ対策次第で差別化できる

志望動機を考えるのは、どの学生にとっても簡単なことではありません。だからこそ差がつくところでもあります。そして志望動機は、実を言うと企業が最も重視する項目でもあるのです。

志望動機が漠然としている場合、当然、面接では深堀り質問をして確認します。志望動機で十分な説得力を出せなかった場合、ミスマッチが生じるリスクや不安を人事に感じさせてしまいます。

入社してから、こんなはずではなかったと言って早々に辞めてしまうという事態は、本人自身にとっても、企業にとっても避けたいことなのです。ミスマッチによる不協和音が生じると、ほかの社員にとっても働きにくい環境ともなり得ます。

企業と自分両者にとってより良い採用にするためにもしっかり対策しよう

また、志望動機が漠然としている場合「当社が第一志望ではないからかな?」という疑いも持たざるを得ません。真剣に企業研究がなされたうえでの志望動機でなければ、熱意も伝わらず第一志望ではないと思われても仕方がないのです。

このように、志望動機は企業にとっても自分にとっても大切なものと考え、しっかり企業研究をして納得のいくものを用意できれば、面接でも堂々と話すことができるでしょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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