・すぐに問題を解きたい人は練習問題20問をチェック
・まずは解き方から知りたい人は「解き方のコツ」をチェック
SPIの「空欄補充」は言語分野で出題されます。文章の空欄部分に当てはまる最も適切な言葉を選択肢の中から選ぶ問題です。
この記事では、500名以上へのWebテスト対策の実績があるキャリアコンサルタントの平野さんとともにSPIの「空欄補充」の解き方について解説していきます。具体的な対策方法についても解説しているので、「空欄補充」に苦手意識がある人は参考にしてみてください。
記事の後半では「空欄補充」の練習問題を20問紹介しています。テストで出題される3つの問題パターンを網羅しているので、ぜひ力試しに活用してくださいね。
よりSPIの本番をイメージして対策したい人は、SPI対策模試にも挑戦してみてください。
問題を解く前に確認! 空欄補充の解答のコツ
SPI「空欄補充」の概要
- 問題パターン:適語補充、3文完成、文章完成
- 1問あたりの時間:20~30秒程度
- 形式ごとの出題頻度:テストセンター(中)ペーパーテスト(中)Webテスティング(高)
- 空欄補充の解答のコツを教えてください
空欄補充で受験者が陥りやすいのは、「単語単体の意味」に囚われすぎて文脈を見失うことです。
①論理構造の把握
「〜ではない。むしろ〜」という対比や、「〜こそが〜要因だ」という因果関係など、文章の骨組みを素早く見抜くのがコツです。
②語彙の相性
特定の動詞や助詞と結びつきやすい言葉(例:活用+する、均衡+を保つ)を意識すると、消去法がスムーズに進みます。
一つ空欄を埋めるたびに、残りの語が最後まで矛盾なく収まるかを検証する慎重さが、高得点への分かれ道となります。
SPI「空欄補充」練習問題20問|平野さんによる解き方の解説付き!
ここからは、SPI「空欄補充」の練習問題を解説付きで20問紹介します。頻出の3つの出題形式をすべて解説しますので、どのパターンが出題されてもしっかり答えられるよう、ぜひ最後まで確認してくださいね。
また今回初めて「空欄補充」に挑戦するという人は、「問題を解く前に確認! 空欄補充の解答のコツ」を読んでから問題に移ることをおすすめします。
問題1(難易度:★☆☆☆☆)
問題
文中の空欄[ ア ]・[ イ ]に入る最も適切な組み合わせを選びなさい。
スマートフォンやSNSの[ ア ]にともない、若者のコミュニケーション形式は大きく[ イ ]を遂げた。
選択肢
正解:A
文脈は、新しい技術が広まり、それによって状況が変わったことを示している。
[ ア ]について:スマホやSNSが世の中に広まることを指すため「普及」や「定着」が適切。「衰退」「枯渇」は文意に反する。
[ イ ]について:「大きく~を遂げた」に続く語として、形やあり方が変わることを意味する「変容」が最も適切である。「維持」「安定」は変化を否定しており、「後退」は技術普及による変化の方向性と合致しない。
問題2(難易度:★☆☆☆☆)
問題
以下の文中のア〜ウに入れるのに最適な語を、下段の選択肢1〜3の中から1つずつ選びなさい。ただし、それぞれの語は1回しか使えないものとする。
現代のマネジメントでは、従業員のモチベーションを[ ア ]的に引き出すことが重要とされる。しかし、いくら理想論を語っても、現実には給与や昇進といった[ イ ]な報酬が、依然として最大の[ ウ ]となっていることもまた事実である。この二つの側面を適切にバランスさせることが、組織の活性化には欠かせない。
1.内発 2.駆動力 3.外発
選択肢
正解:C
文脈は、モチベーションの「内発的」な引き出しの重要性という理想と、「外発的」な報酬が現実の「駆動力」となっているという現実の対比構造になっている。
[ ア ]について:「従業員のモチベーションを」引き出す目標を表す語。「理想論」として対比されていることから、「内発」が入る。
[ イ ]について:「給与や昇進といった報酬」は、外部から与えられるものを指すため、「内発」と対比される「外発」が適切である。
[ ウ ]について:「最大の」と結びつき、モチベーションの源泉となるものを表す。「外発的な報酬」が従業員を動かすエネルギーとなるため、「駆動力」が最も適切である。
問題3(難易度:★☆☆☆☆)
問題
文中の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
営業チームは、競合他社に先駆けて新しい顧客管理システムを導入した。導入後のトレーニングも徹底され、データ入力の負担が大幅に軽減された。[ ]、顧客への対応速度と提案の質が向上し、結果的に契約件数が前年比20%増を達成した。
選択肢
正解:D
前の文は、新しいシステムの導入と業務負担の軽減という「原因や準備」について述べている。後の文は、顧客対応の向上と契約件数の増加という「結果」について述べている。
したがって、前後の文は因果関係で結ばれており、順接を表す「D.そのため」が最も適切である。
「すなわち」は言い換え、「にもかかわらず」や「一方で」は逆接(または対比)であり、論理が破綻するため不適切である。
問題4(難易度:★★☆☆☆)
問題
文中の空欄[ ア ]・[ イ ]に入る最も適切な組み合わせを選びなさい。
連日の猛暑による作物の生育不良は、市場における野菜の価格を大幅に[ ア ]させた。この状況は家計に大きな[ イ ]を与えている。
選択肢
正解:C
猛暑による生育不良というマイナス要因が、価格に影響し、家計にマイナスな影響を与えているという文脈である。
[ ア ]について:作物の生育不良は、供給不足となり、通常は価格を「上昇」させる。「下落」「安定」「緩和」「維持」は文意に反する。
[ イ ]について:価格上昇が家計に与える影響として最も適切なのは、金銭的な重荷を意味する「負担」である。「喜び」「恩恵」「改善」「安心」は文意に反する。
問題5(難易度:★★☆☆☆)
問題
文中の空欄[ ア ]・[ イ ]に入る最も適切な組み合わせを選びなさい。
スマートフォン決済の急速な[ ア ]により、多くの店舗で現金以外の支払い方法が主流になりつつある。これにより、従来のレジ業務は大きな[ イ ]を迫られている。
選択肢
正解:B
スマートフォン決済という新しい技術の進展が、従来の業務に変化をもたらしているという文脈である。
[ ア ]について:「急速な」と結びつき、決済方法が社会に広まることを意味する「普及」が最も適切。「減少」「衰退」「停滞」「抵抗」は文脈に反する。
[ イ ]について:新しい決済方法の登場で、現金中心のレジ業務は抜本的な変化を求められる。「大きな」と結びつき、業務内容やプロセスが根本から変わることを意味する「変革」が最も適切である。「縮小」も考えられるが、「迫られている」という表現には「変革」の方が適切。「安定」「維持」「発展」は文脈に合わない。
問題6(難易度:★★☆☆☆)
問題
以下の文中のア〜ウに入れるのに最適な語を、下段の選択肢1〜3の中から1つずつ選びなさい。ただし、それぞれの語は1回しか使えないものとする。
インターネット上の情報は玉石混淆であり、利用者は情報を鵜呑みにするのではなく、その[ ア ]を吟味しなければならない。とりわけ、自身の考えと近い情報ばかりを[ イ ]的に集める行為は、思考を[ ウ ]させ、客観的な判断を妨げる危険性がある。
1.偏向 2.意図 3.根拠
選択肢
正解:D
文脈は、情報を扱う際に必要な吟味と、情報の偏りがもたらす思考の硬直化について述べている。
[ ア ]について:「情報を鵜呑みにせず」「吟味しなければならない」対象は、その情報の確からしさの裏付け、つまり「根拠」が適切である。
[ イ ]について:自身の考えに近いものだけを集めるという文理から、意識的な行動を指す「意図」が入る。この行動の結果として生じるのが「偏向」である。
[ ウ ]について:「思考を」と結びつき、客観的な判断を妨げる作用を表す。思考が特定の方向に固まることを意味する「偏向」が最も適切である。
※解説補足:[イ]に「偏向(的)」を入れることも文法上可能だが、その場合[ウ]に入る「意図(させる)」という表現が不自然になるため、消去法からもDが正解となる。
問題7(難易度:★★☆☆☆)
問題
以下の文中のア〜ウに入れるのに最適な語を、下段の選択肢1〜3の中から1つずつ選びなさい。ただし、それぞれの語は1回しか使えないものとする。
AI技術が高度化するにつれて、定型的なデータ入力や処理といった[ ア ]な業務は、人間からシステムへと[ イ ]が進んでいる。その一方で、システムの導入や運用設計、そして非定型な問題解決といった[ ウ ]的な能力を必要とする仕事の価値は相対的に高まっている。
1.代替 2.創造 3.機械
選択肢
正解:A
文脈は、AIの進歩にともなう業務の性質と、それにともなう役割の移転の構造を示している。
[ ア ]について:「定型的なデータ入力や処理」のような業務を指す語で、AIやシステムに置き換えられやすいのは「機械」的な業務である。
[ イ ]について:[ア]の業務が「人間からシステムへと」移っていくことを表す。「代替」が、置き換えられるという意味で最も適切である。
[ ウ ]について:[ア]の業務とは対照的に、「非定型な問題解決」など、人間の高度な思考を要する業務を指す。「創造」的な能力や仕事がこれに当たる。
問題8(難易度:★★☆☆☆)
問題
文中の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
AIを活用した自動運転技術は、将来的には交通事故の大幅な減少に貢献すると期待されている。人間のヒューマンエラーを排除し、安全性を飛躍的に高める可能性があるからだ。[ ]、システム障害やサイバー攻撃といった新たなリスクへの対策は喫緊の課題であり、技術の進化とともに慎重な議論が求められている。
選択肢
正解:D
前の文は、自動運転技術の「交通事故の減少」というポジティブな側面を述べている。後の文は、「システム障害やサイバー攻撃」というネガティブなリスクと慎重な議論の必要性を述べている。
肯定的な側面と否定的な側面を対比・逆接で結ぶ必要があるため、「D.とはいえ」(逆接・譲歩)が最も適切である。
「したがって」「それゆえに」は原因と結果を結ぶ順接であり、「加えて」は情報を付け足す累加であるため、この文脈には合致しない。
問題9(難易度:★★☆☆☆)
問題
文中の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
組織の生産性を高めるためには、従業員一人ひとりの自律性を尊重することが重要だ。社員が自身の業務に裁量と責任を持つことで、モチベーションが向上し、創造性が発揮されやすくなる。[ ]、あるIT企業では、出社時間と退社時間を自由に選べるフレックスタイム制度を導入し、大幅な残業時間の削減に成功している。
選択肢
正解:D
前の文は、自律性の尊重が生産性向上につながるという一般論を述べている。後の文は、「あるIT企業」におけるフレックスタイム制度という具体的な事例を提示している。
したがって、一般論を具体的に補足する例示を表す「D.たとえば」が最も適切である。
「さらに」は累加、「要するに」は要約、「しかしながら」は逆接であり、文理を具体化するこの文脈には合致しない。
問題10(難易度:★★★☆☆)
問題
文中の空欄[ ア ]・[ イ ]に入る最も適切な組み合わせを選びなさい。
現代社会では、信頼できる情報源から多角的に事実を[ ア ]する能力が不可欠である。この能力が欠けると、正しい状況[ イ ]にもとづいた合理的な意思決定が難しくなる。
選択肢
正解:B
文脈は、情報を扱う能力が正しい意思決定に結びつくという、知識社会における論理構造を示している。
[ ア ]について:「多角的に事実を」という表現から、知識や情報を集めることを意味する「収集」が適切。「拡散」は広げること、「無視」「否定」は集めることに反し、「伝達」は情報を受け手に渡すことであり、ここでは自ら情報を受け入れる能力を指すため不適切である。
[ イ ]について:「正しい状況[ イ ]に基づいた合理的な意思決定」には、集めた情報を深く検討することが必要。「分析」は、物事を細かく分けて検討することを意味し、論理的な意思決定の基盤となる。「判断」は分析の結果であり、「把握」「理解」は一面的で深さに欠け、「推測」は不確実性が含まれるため、「分析」が最も適切である。
問題11(難易度:★★★☆☆)
問題
文中の空欄[ ア ]・[ イ ]に入る最も適切な組み合わせを選びなさい。
彼は、困難な状況においても決して希望を捨てず、持ち前の[ ア ]な態度で問題に立ち向かった。その結果、誰もが無理だと考えた目標を[ イ ]することに成功した。
選択肢
正解:C
文脈は、ポジティブな姿勢が困難な目標の克服という良い結果を生んだという流れである。
[ ア ]について:「決して希望を捨てず」「立ち向かった」という行動から、前向きで積極的な姿勢を示す語が必要。「挑戦的」や「積極的」などが該当する。「消極的」「悲観的」「無関心」「保守的」は文意に反する。
[ イ ]について:「誰もが無理だと考えた目標」に対して、成功したことを示す語が必要。「達成」が最も適切である。「回避」や「断念」は失敗を意味し、「批判」「保留」は行動の結果として不自然である。
問題12(難易度:★★★☆☆)
問題
以下の文中のア〜ウに入れるのに最適な語を、下段の選択肢1〜3の中から1つずつ選びなさい。ただし、それぞれの語は1回しか使えないものとする。
自然科学における知見は、特定の実験条件下で再現される[ ア ]的な事実を積み重ねることで構築される。これに対し、文学や芸術といった分野で扱われるのは、個々の人間の[ イ ]的な感情や解釈であり、その価値基準は[ ア ]的なそれとは大きく異なる。両者は時に対立すると見なされるが、人間の営みを深く理解するには、この[ ア ]と[ イ ]の視点の[ ウ ]が不可欠である。
1.客観 2.統合 3.主観
選択肢
正解:A
文脈は、自然科学(客観)と芸術(主観)という二つの異なる分野を対比させ、最終的にその共存の重要性を結論付けている。
[ ア ]について:「特定の実験条件下で再現される事実」を指す語で、「客観」が適切である。
[ イ ]について:「個々の人間の感情や解釈」を指す語で、[ア]の「客観」と対になる「主観」が適切である。
[ ウ ]について:文末は「人間の営みを深く理解するには」という目的を示し、「この客観と主観の視点の」共存を求めている。「統合」は、一つにまとめ合わせるという意味で、両者の共存・協調を表すのに最も適切である。
問題13(難易度:★★★☆☆)
問題
以下の文中のア〜ウに入れるのに最適な語を、下段の選択肢1〜3の中から1つずつ選びなさい。ただし、それぞれの語は1回しか使えないものとする。
長期にわたり成功を収めている老舗企業は、必ずしも伝統を[ ア ]的に固守しているわけではない。むしろ、彼らは時代や市場の変化に対し、過去の成功体験を[ イ ]しつつ、新しい技術や手法を積極的に取り入れている。この「伝統と革新」の[ ウ ]こそが、企業の持続的な成長を可能にしている要因と言える。
1.墨守 2.活用 3.均衡
選択肢
正解:D
文脈は、成功する企業が伝統と革新をどのように両立させているかを説明し、そのバランスの重要性を結論付けている。
[ ア ]について:「必ずしも伝統を[ ア ]的に固守しているわけではない」という否定の文脈。かたくなに守り抜くことを意味する「墨守(ぼくしゅ)」が入る。
[ イ ]について:「過去の成功体験を」と結びつき、新しい手法を取り入れることと並行しておこなわれる行動。伝統を活かすという意味で「活用」が適切である。
[ ウ ]について:文末は「伝統と革新」という対になる要素のバランスが成長の要因であると述べている。「均衡(きんこう)」は、釣り合いが取れていることを意味し、両立のあり方を表すのに最も適切である。
SPI言語の空欄補充は、語彙力そのものより「文脈判断力」が合否を分けます。
逆説(〜ではない、むしろ)や因果関係に注目し、筆者の主張の方向性を確認しましょう。
次に「語彙の相性」です。迷ったら確実な空欄から埋める消去法を徹底しましょう。
1問にかけられる時間はおおよそ20〜30秒。迷ったら「最も自然につながる語」を即断し、深追いしないことが得点最大化のコツです。
問題14(難易度:★★★☆☆)
問題
文中の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
近年、企業には単なる利益追求だけでなく、環境保全や社会貢献といった倫理的な責任を果たすことが求められている。消費者や投資家の視線は厳しくなり、企業の社会的責任(CSR)活動は持続的な経営に不可欠な要素となった。[ ]、CSRはもはやコストではなく、企業価値を高めるための重要な戦略的投資ととらえるべきだ。
選択肢
正解:C
前の文は、倫理的責任の要請やCSRの重要性といった論点を積み重ねている。後の文は、その論点の結論や核心を「CSRはコストではなく、戦略的投資」という形で言い換え、強調している。
したがって、結論を導く同義・言い換えの接続詞である「C.すなわち」が最も適切である。
「その結果」は因果関係だが、ここでは前の文全体が原因というより、後の文が前の文の内容を再定義(要約)している。「だからといって」や「それにもかかわらず」は逆接、「もっとも」は補足・条件付けであり、文脈に合致しない。
問題15(難易度:★★★☆☆)
問題
文中の空欄に入る最も適切なものを選びなさい。
プロジェクトの成否は、チームの技術力だけでなく、コミュニケーションの円滑さに大きく左右される。メンバー間の信頼関係が築けていれば、困難な状況でも建設的な議論が可能になり、問題解決が加速する。[ ]、信頼関係は一朝一夕に築けるものではなく、日々の小さな努力の積み重ねが必要となる。
選択肢
正解:C
前の文は、信頼関係の重要性というポジティブな前提を述べている。後の文は、その信頼関係を築く際の「難しさ」という、前の文に対する条件や補足的な限定を加えて、議論をより深めている。
「C.もっとも」は、既述の内容を認めつつ、それに対して例外や条件、限定的な補足を加える際に使われる接続詞で、この文脈に最も合致する。
「B.ところが」は期待に反する強い逆接であり、ここでは文理が対立しすぎるため不自然。「A.それどころか」は前件を否定し後件を強調するもので論理が成立しない。「D.その結果」は因果関係を表す順接であり、文意に合わない。
問題16(難易度:★★★☆☆)
問題
次の(1)〜(3)の空欄に入る最も適切なものを、ア〜オの中からそれぞれ1つ選びなさい。同じ選択肢は重複して使用はできないものとする。
(1)( )、学校教育の主眼は、国語や数学といった基礎知識を正確に伝達し、生徒に確実に習得させることが中心であった。
(2)( )、与えられた知識だけでなく、それを活用して未解決の問題に取り組む応用力や思考力の育成が求められるようになった。
(3)( )、チームで課題を解決する力や、多様な価値観を持つ人と協働するコミュニケーション能力こそが、社会で最も重要視されている。
選択肢
正解:(1)イ(2)ア(3)ウ
この問題は、教育の目的が「知識の獲得」から「応用力」へ、そして「協働する力」へと時系列で変遷する構造を追うものである。
(1)について:「基礎知識を正確に伝達し、確実に習得させる」ことが中心だった背景を選ぶ。知識の均質化が求められた「イ」(戦後復興期)が最も合致する。
(2)について:「応用力や思考力」が求められるようになった転換点を選ぶ。既存の知識が通用しなくなった状況を示唆する「ア」(社会が複雑化し、問題が増加)が、この変化の直接的な原因として適切である。
(3)について:「チームで課題を解決する力」や「協働するコミュニケーション能力」という現代的な能力が重要視される背景を選ぶ。グローバル化とテクノロジーによるチームワークの高度化を示唆する「ウ」が、現代社会の要請として最も適切である。
問題17(難易度:★★★☆☆)
問題
次の(1)〜(3)の空欄に入る最も適切なものを、ア〜オの中からそれぞれ1つ選びなさい。同じ選択肢は重複して使用はできないものとする。
(1)( )、新聞やテレビなどのマスメディアが情報発信を独占しており、その役割は「出来事の事実」を広く伝えることに重点が置かれていた。
(2)( )、単なる事実報道だけでは視聴者を満足させられなくなり、事件や事象の背景や真相を掘り下げる調査報道の必要性が増した。
(3)( )、真偽不明のフェイクニュースが瞬時に拡散するため、既存のメディアには、情報の確実な裏付けという、より高い信頼性が求められるようになった。
選択肢
【語群】
ア メディア間の競争が激化し、ニュースの速報性よりも独自性が重視され始めた結果
イ インターネットやSNSの普及により、情報発信源が多様化し、信頼性の担保が難しくなる現代では
ウ 限られた情報源しかなかった時代には、メディアの権威が絶大であり
エ 技術開発が進み、記事や映像を短時間で大量に生産できるようになったため
オ 広告収入の減少により、報道機関の予算が削減され、取材活動が困難になった一方で
正解:A
(1)ウ(2)ア(3)イ
この問題は、情報環境の変化とそれにともなうメディアの役割の変遷を時系列で整理します。
(1)について:「マスメディアが情報発信を独占」していた権威的な時代の背景を選ぶ。「ウ」(限られた情報源しかなかった時代)が、マスメディアが独占できた理由として最も適切。
(2)について:「単なる事実報道では満足できなくなり」「深層を掘り下げる」ようになった変化のきっかけを選ぶ。それは競争の結果である「ア」(メディア間の競争が激化し、独自性が重視)が適切である。
(3)について:「フェイクニュースが瞬時に拡散」し、「情報の確実な裏付け」という信頼性の確保が求められる現代の状況を選ぶ。「イ」(インターネットやSNSの普及により、情報発信源が多様化)が、この問題の直接的な原因である。
問題18(難易度:★★★★☆)
問題
次の(1)〜(3)の空欄に入る最も適切なものを、ア〜オの中からそれぞれ1つ選びなさい。同じ選択肢は重複して使用はできないものとする。
(1)( )、生産性が最優先され、組織は軍隊をモデルとした階層型・トップダウンの構造が最も効率的であると信じられていた。
(2)( )、単一の指揮系統では複雑な市場の変化に即座に対応できなくなり、専門性を持つメンバーを集めたプロジェクト型・マトリックス型組織が注目された。
(3)( )、急速で不確実な環境下でイノベーションを生むため、個々のチームが自ら判断・行動する自律分散型・ティール型の組織へと変革が進んでいる。
選択肢
【語群】
ア:業務が標準化され、指示系統が明確なことが最も重要とされていた工業化社会においては
イ:企業を取り巻く環境の不確実性(VUCA)が高まり、スピードと柔軟性が競争優位の源泉となる現代では
ウ:市場の変化が加速し、多様な専門知識を横断的に結合させる必要性が生じたため
エ:従業員のモチベーションを維持するために、権限移譲が人事戦略の要になった結果
オ:情報技術の進化により、部署間の壁が低くなり、連携が容易になった一方で
正解:A
(1)ア (2)ウ (3)イ
この問題は、組織構造が「工業化社会」から「複雑な市場」、そして「VUCAの現代」へと対応するために変遷する論理的かつ時系列的な流れを整理します。
(1)について:「階層型・トップダウン」が効率的だった背景を選びます。それは業務の標準化と明確な指示系統が重要だった「ア」(工業化社会)が最も合致しています。
(2)について:「単一の指揮系統では対応できなくなり」「プロジェクト型」へ移行した理由を選びます。市場の変化が加速し、多様な専門知識の連携が必要になった「ウ」が、プロジェクト型組織の必要性を生んだ直接的な原因です。
(3)について:「自律分散型・ティール型」という最新の組織形態が求められる現代の環境を選びます。不確実性が極めて高い「イ」(VUCAの不確実性が高まり)が、自己組織化が必要とされる最も重要な背景です。
空欄補充では、語彙力だけでなく「時代の変遷」や「因果関係」を読み取る論理力が問われます。
解答時は、工業化→転換期→VUCAという歴史的な流れを押さえ、社会背景と概念を結びつけて考えることが重要です。
1問に使える時間は多くないので、確実な空欄から素早く埋め、残りは消去法で判断する即断即決の姿勢が合格への鍵となります。
問題19(難易度:★★★★☆)
問題
次の(1)〜(3)の空欄に入る最も適切なものを、ア〜オの中からそれぞれ1つ選びなさい。同じ選択肢は重複して使用はできないものとする。
(1)( )、石油や石炭といった化石燃料の大量消費が国の経済成長の原動力であり、その安価な安定供給が国策の柱となっていた。
(2)( )、化石燃料への過度な依存による価格高騰や供給不安が顕在化し、原子力を含む自給率の向上がエネルギー安全保障上の最優先課題となった。
(3)( )、地球温暖化対策の国際的な枠組みが強化され、CO2排出量の削減と再生可能エネルギーの導入が国家戦略の中核を占めるようになった。
選択肢
【語群】
ア:第一次オイルショックなどの国際情勢の不安定化により
イ:産業の基盤となる電力需要が急増し、経済発展が最優先されていた高度成長期には
ウ:国際社会において脱炭素化の目標が共有され、環境負荷の低減が喫緊の課題となる現代では
エ:新技術の開発が進み、太陽光や風力発電のコストが大幅に低下したため
オ:地域の住民感情を無視した強引な発電所建設が問題視され始めた結果
正解:A
(1)イ (2)ア (3)ウ
この問題は、エネルギー政策の変遷を時系列と論点(経済成長→安定供給→脱炭素)で整理します。
(1)について:「化石燃料の大量消費」「安価な安定供給」が国策の柱だった時代背景を選びます。これは「イ」(電力需要が急増し、経済発展が最優先されていた高度成長期)が合致。
(2)について:「化石燃料への過度な依存」の結果、「自給率の向上」が課題となった理由を選びます。供給不安を引き起こした「ア」(第一次オイルショックなどの国際情勢の不安定化)が最も適切です。
(3)について:「CO2排出量の削減」「再生可能エネルギーの導入」が国家戦略の中核となる現代の環境を選びます。「ウ」(脱炭素化の目標が共有され、環境負荷の低減が喫緊の課題となる現代)が合致。
問題20(難易度:★★★★★)
問題
次の(1)〜(3)の空欄に入る最も適切なものを、ア〜オの中からそれぞれ1つ選びなさい。同じ選択肢は重複して使用はできないものとする。
(1)( )、テレビや新聞といった限られた媒体を通じた一方的な情報伝達が主流であり、大量の消費者に同一メッセージを届けることが最優先された。
(2)( )、Webサイトやメールといった媒体が登場し、顧客の反応や行動履歴を把握しながら、双方向でコミュニケーションを取る手法が有効になった。
(3)( )、AIとビッグデータ解析の進化により、個人の嗜好や購買タイミングを予測し、一人ひとりに最適化されたメッセージを届けることが可能になった。
選択肢
【語群】
ア:デジタル技術の飛躍的な進歩により、膨大な量のデータをリアルタイムで処理できるようになり
イ:消費者のライフスタイルや接触メディアが多様化し、従来のマス広告の費用対効果が低下したため
ウ:広告の受け手側が情報を選別することが難しく、メディアの影響力が絶大であった時代には
エ:競合他社との差別化が難しくなり、単なる製品の機能紹介だけでは購買意欲を喚起できなくなった結果
オ:広告を出す側が、顧客からの直接的なフィードバックを重視し始めた一方で
正解:A
(1)ウ(2)イ(3)ア
この問題は、広告戦略が「一方的(マス)」から「双方向(インタラクティブ)」、そして「個別最適化(パーソナライズ)」へと進化する流れを追います。
(1)について:「一方的な情報伝達」「大量の消費者」に届けることが最優先だった背景を選びます。「ウ」(広告の受け手側が情報を選別することが難しく、メディアの影響力が絶大であった時代)が、マス広告が有効だった理由として適切です。
(2)について:「双方向でコミュニケーションをとる手法が有効になった」転換点を選びます。消費者の多様化とマス広告の限界を示唆する「イ」(消費者のライフスタイルや接触メディアが多様化し、従来のマス広告の費用対効果が低下)が、この変化の直接的な原因です。
(3)について:「AIとビッグデータ解析」により、「一人ひとりに最適化されたメッセージ」が可能になった技術的な背景を選びます。「ア」(デジタル技術の飛躍的な進歩により、膨大な量のデータをリアルタイムで処理できるようになり)が、パーソナライズ広告を可能にした直接的な技術基盤です。
練習問題が解けたら、次はSPI模試に挑戦して実力をチェックしてみましょう。
SPI「空欄補充」を対策する際のポイント
SPIの言語に関する記事
◇言語の対策
SPIの言語の対策方法|短期間で高得点を取るコツを解説
◇漢字対策
SPIの漢字対策は暗記だけでは不十分! 出題形式と対策法を解説
SPIに関する記事
◇解答時間
SPIの解答時間を受検方式別に解説! 時間切れを防ぐコツ10選も
◇勉強法
効率抜群なSPIの勉強法|出題形式と頻出問題を踏まえた対策を伝授
◇勉強時間
SPIの勉強時間をプロが解説! おすすめの進め方や重点ポイントも
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi





アドバイザーからワンポイントアドバイス「空欄補充」を解くためのスキルを身に付ける方法
平野 裕一
プロフィールを見る「語彙力」と「文脈を読む力」の双方を鍛えよう!
語彙力は単語を個別に暗記するのではなく、対義語・類義語をセットにしたグループ化が効果的です。
たとえば「墨守」と「刷新」「打破」を対で覚える。あるいは「均衡を保つ」「伝統を墨守する」といった定型的な言葉の結びつきを意識することで、自然な語の選択ができるようになります。
加えて、新聞の社説など論説文に日常的に触れることで、SPI頻出の硬い語彙を文脈ごと吸収する力が鍛えられます。
文脈を見抜こう! 接続語が問題を解くヒントである
一方、文脈を読む力とは文章全体の論理構造を見抜く力です。特に「必ずしも〜ない」「むしろ」「こそ」といった接続語や呼応表現は、文意の方向性を示す重要な手がかりとなります。
まず順接か逆接かを判断することが重要です。さらに、空欄を見たらすぐ選択肢に飛びつかず、「肯定か否定か」「対比か強調か」を自分なりに予想してから選択肢を確認すること。この一手間が、迷いを減らし正答率を大きく高めます。