この記事のまとめ
- 「苦手な人」の回答は一見ネガティブだからこそ伝え方に注意が必要
- 面接官が苦手な人を聞く理由は学生の「価値観」と「人とのかかわり方」を知るため
- 「苦手な人」の回答は自己PRや社風と関連付けると高評価を得やすい
- 面接力診断ツール
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面接で聞かれると少し答えづらい「苦手な人はどんな人ですか」という質問。「何を伝えても面接官からマイナス評価をされそうで不安」「どんな風に苦手な人を答えれば良いのかわからない」という悩みが就活生からよく挙がります。
苦手な人を問う質問は、志望動機や自己PRなどと比較すると聞かれる頻度は高くありません。だからこそ、対策を疎かにしてしまう就活生が多い傾向にありますが、苦手な人は悪口にも捉えかねられない回答が難しい質問であり、対策は必須とも言えます。
この記事では、キャリアアドバイザーの柴田さん、鈴木さん、早川さんのアドバイスを交えつつ解説します。面接で苦手な人を適切に答えたい人はぜひ実践してみてくださいね。
面接で苦手な人を答えるときは質問の意図をふまえた回答が重要
「なんでわざわざ苦手な人を聞くんだろう」と疑問に思う就活生もいるかもしれません。しかし、苦手な人を問う質問にも必ず企業の意図があります。そこを理解しなければ、ただネガティブな意見となり良いイメージにはつながりません。
記事では、まず面接で苦手な人を聞かれる2つの理由と苦手な人を答えるときに絶対伝えるべき2つの内容を解説。さらに、OK・NG例文も用意しているため、自分の苦手な人をどのように伝えるべきかを照らし合わせながら考えることができますよ。
苦手な人という少し答えづらい質問だからこそ、企業が質問をする意図を押さえて正しく対策をする必要があります。面接官からマイナス評価をされないためにも、一つひとつ丁寧に対策をしていきましょう。
面接で苦手な人を聞かれる2つの理由
面接で苦手な人を聞かれる2つの理由
- 学生の性格や価値観を知るため
- 苦手な人とのかかわり方を知るため
苦手な人というネガティブな内容を伝えて面接官から高評価を得るには、まず面接官がどんな意図で質問をしているのか、質問をする理由を押さえることが大切です。
面接官が求めていることを知らなければ、的外れな回答やネガティブ要素の強い回答となりマイナスな印象になりかねません。
苦手な人の回答からどんなことを知りたいと考えているのかを整理して、面接官の求める回答ができるようにしましょう。
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①学生の性格や価値観を知るため
どんな人を苦手と感じるのかは、その人のパーソナル、つまり「人となり」の部分に深く関連します。
単純に、「自己PRをしてください」「あなたは周囲からどんな人だと言われますか」という肯定的な言葉でストレートに性格や価値観を問う質問だと、就活生は自分を良く見せようするケースも多く、就活生の素の言葉や価値観を見極めることは比較的難しい傾向にあります。
そのため、ポジティブな要素だけなく苦手な人というネガティブな要素も聞くことで、多角的に就活生の性格や価値観を知りたいと面接官は考えています。たとえば、「自己中心的な人が苦手」だとすれば「調和を重んじる人柄」という価値観が見えてきます。
ネガティブな回答になりやすい質問というと、「ストレスを感じるときは?」という質問も挙げられます。こちらの回答も、あらかじめ用意しておくのがおすすめですよ。以下の記事を参考にしてくださいね。
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- こうしたネガティブな質問に答えるとき、マイナス評価をされそうで不安です……。
面接官はあくまでもあなたの価値観を知りたいだけ
まず苦手な人について面接官が質問するのは、あなたのマイナスポイントを探すためではないので安心してください。どんな人にでも苦手な人というのはいるものです。
面接官はあくまでもその学生が持っている価値観を知りたいため、このような質問をするのです。したがって必要以上に警戒して取り繕った回答をする必要はありません。ただし面接官の意図を押さえることは心掛けてくださいね。
②苦手な人とのかかわり方を知るため
就活生が今までの経験の中での苦手な人とのかかわり方を知ることで、入社後に苦手な人とどのように付き合っていけるのかを判断したいと面接官は考えています。
学生時代に限らず社会人になってからも苦手な人は存在するでしょう。仕事は気が合う人とだけでは完結できない場面も多くあります。
そのため、就活生が過去の経験で苦手な人とどのようにかかわってきたのか、どのような改善策を考えてきたのかを知ることで入社後における再現性を見出そうとしているのです。
アドバイザーコメント
鈴木 洵市
プロフィールを見る適職を推測する方法の一つとして苦手な人を聞くことも
面接で苦手な人を聞く理由は、前述の通り「学生の性格や価値観を知る」「苦手な人とのかかわり方を知る」という目的がほとんどです。
それ以外の理由については、総合職で採用している企業などにおいて、面接の時点で採用する学生の職種適性を推測するために使われるケースがあります。総合職採用は、営業・総務・人事・調達など幅広い職種の採用を一括で総合職としておこなっているため、採用の後の人員配置が大きな課題になるためです。
面接官は苦手な人から採用後のイメージを膨らませている
この場合、適性が合わない職種に新入社員を配置してしまうと、生産性が上がらないばかりか、離職の恐れも生じます。そのような状況を避けるために、適職を推測する方法の一つとして苦手な人を聞くケースがあります。
たとえば、学生の苦手な人が「一方的に感情論で意見を話し通す人」であった場合は、面接官はあなたが営業職に向かないと感じるかもしれません。その場合、採用後のイメージとして面接官は「この学生は総務や人事の方が向いているかな」というように適性を確認しています。
面接では「苦手な人」とは別に「苦手なこと」を聞かれる場合もあります。以下の記事では「苦手なこと」の伝え方を回答例とともに解説しています。せひ参考にしてみてください。
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面接でポジティブな印象を残す「苦手なこと」の伝え方|回答例も
面接での「苦手なことは何ですか?」というようなネガティブな質問は、答え方によって面接官に与える印象はポジティブにもネガティブにもなり得ます。記事ではキャリアコンサルタントのアドバイスとともに「苦手なこと」の見つけ方や答え方・例文などを解説するので、ぜひ参考にしてください。
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面接で苦手な人を答えるときに絶対伝えるべき2つの内容
面接官に苦手な人を伝えるといっても、どのような内容や構成とするべきかわからないという人も多いのではないでしょうか。面接官が最も知りたいと思っている内容を押さえれば、話すべき方向性を理解することができます。
面接で苦手な人を答えるときに絶対伝えるべき2つの内容は、「理由」と「かかわり方」です。この2つを押さえることで、面接官の意図から外れた回答をすることを避けられますよ。
苦手な人を苦手と感じる明確かつ具体的な理由
苦手な人というネガティブな発言だからこそ、面接官が納得できる理由がないと、内容によっては「特別な理由がなくても人を嫌いになる学生なのでは」と仕事上の人とのかかわり方に懸念を持たれてしまいます。
「なんとなく苦手」や「生理的に受け付けない」などの曖昧な理由は避けて、なぜ苦手と感じるのか明確かつ具体的な理由を伝えましょう。
- 苦手と感じる理由で伝えてはいけないものはありますか?
身体の特徴や差別的な表現は避けよう
苦手な人を伝えるときに、絶対に理由としてあげてはいけないものは、身体的特徴のように人が努力で変えることができないものです。差別的な人物であるという烙印を押されてしまいます。
そのため、面接での回答では「体の特徴など変えられないものを挙げない」「差別的な表現をしない」ように気を付けてください。
過去から未来にかけての苦手な人とのかかわり方
企業は面接の質問を通して、再現性を見出しています。つまり、就活生の過去の体験の中での苦手な人とのかかわり方から、入社後のかかわり方をイメージしているのです。
そのため、面接で苦手な人を答えるときには「過去に苦手な人とどのようにかかわってきたのか」「今後、苦手な人とどのようにかかわっていきたいか」というかかわり方を具体的に伝える必要がありますよ。
苦手な人以外にもネガティブな要素を含む質問として「失敗談」を聞かれることもあります。失敗談の対策をしたい学生は以下の記事を参考にしてくださいね。
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苦手な人の回答で好印象を残すコツ
苦手な人の回答で好印象を残すコツ
- 自己分析をして苦手の価値観を明確にする
- 自己PRなどのアピール内容と関連付ける
- 企業の社風にマッチした内容を伝える
面接はコミュニケーションの場です。そして、そのコミュニケーションを成り立たせているのが質問の一つひとつであり、質問と質問は別個で存在しているようで実はつながっています。
今から紹介する苦手な人の回答で好印象を残すコツを押さえることで、その他の質問に対する回答との結びつきや、どんな切り口からアピールするべきかが見えてきます。一つひとつ実践してみてください。
自己PRや志望動機などの頻出質問に比べると、苦手な人について質問される機会は多くはありません。
この質問に対する回答がうまくできると、面接官から「この学生はしっかりと準備をしているな」という好印象にもつながります。
自己分析をして苦手の価値観を明確にする
自分の価値観を明確にすることは、その価値観を言語化できるということです。価値観を言語化ができると、苦手な理由を面接官に伝えることができます。
「なんとなく苦手」よりも、「○○という理由で苦手」と明確に伝えたほうが面接官は納得感を持ちやすく、あなたの考えへの共感にもつながります。
自己分析をして「苦手」の価値観を明確にするために、「なぜ苦手と感じるのか」「どのような場面で苦手と感じるのか」「いつから苦手だと感じるのか」などを整理することが大切です。
自己分析から「苦手」の価値観を見出すためには、辛いと感じたことや逃げ出したくなった状況を整理して、その時周囲にはどのような人がいたのか考えることがおすすめです。
苦手な人を自己分析から整理する方法
①ノートとペン、もしくはwordなどまとめられるものを用意する
②以下の内容を参考に小学校から現在までの出来事を年代別に洗い出していく
一番頑張ったこと
一番辛かったこと
一番嬉しかったこと
当時、熱中していたこと
大きな失敗や挫折
困難を乗り越えたこと
自分から率先しておこなったこと
③②の中から人間関係の中での喜怒哀楽のエピソードをまとめる
④まとめた内容から苦手な人を苦手と感じる理由を整理する
自己PRなどのアピール内容と関連付ける
苦手な人を問われたからといって、その質問に対する回答だけであなたへの印象が決まるわけではありません。数々の質問のつながりを意識して、苦手な人を答える必要があります。
つまり、自己PRや志望動機などの回答と一貫性を持たせることで、面接官はあなたの人柄や考え方をイメージしやすくなるのです。自己PRなどのアピール内容と関連付けて、苦手な人の特徴を考えてみましょう。
たとえば、自己PRで「スピード感を持って臨機応変に行動ができることが強みです」とアピールしたとします。その場合、苦手な人は「優柔不断な人」と答えると一貫性が出てきますね。
自己PRに関連付けて苦手な人を考えるポイントとしては、自己PRの逆説の単語を考えると簡単に出てきます。
具体的には、自己PRを一言でまとめて対義語を調べると、簡単に苦手な人像がでてきます。たとえば、自己PRを「責任感」としたとき、苦手な人は「無責任な人」と言えますね。
面接の自己PRについて対策したい人は以下の記事を参考にしてくださいね。面接官を惹きつけるコツをまとめています。
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面接官を惹きつける自己PRの答え方|例文12選
面接の自己PRは独自性のあるエピソードが求められます。キャリアコンサルタントが自己PRで盛り込むべき内容や作成方法を例文と解説。記事を参考に独自性のある自己PRを作成し、他の学生と差別化して面接を突破しましょう。
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社風にマッチした内容を伝える
企業は自社の求める人物像に合った学生を採用したいと考えています。そのため、社風や企業の特徴にマッチした苦手な人を伝える必要があります。
社風を確認する方法
- OB・OG訪問をする
- 企業説明会に参加する
- インターンシップに参加する
- 事業内容からどんな社員が求められているか考える
- 中期経営計画を見て今後の動向を確認する
たとえば、あなたが「協調性の無い人が苦手」だと伝えたとします。企業が「個性を大切にする社風」であればマッチ度は伝わりませんが、「チームワークを大切にする社風」であれば、自社に合った価値観を持っていると好印象につながります。
アドバイザーコメント
早川 峻
プロフィールを見る苦手な人との上手なかかわり方をアピールしよう
質問をされた以上は苦手な人について説明することが大切ですが、だからといって苦手なタイプの人を極端に嫌ったり、全く相手にしないという姿勢を伝えるのはおすすめできません。
苦手なタイプの人を遠ざけるのではなく、逆に「苦手だけど何とかうまく付き合ってきた」というエピソードがあれば好印象につながります。
たとえば「私はテキパキ行動するのが得意なタイプなので、じっくり考えてから行動する人が苦手です。アルバイト先でもそのような人がいたので、その人と一緒に働く時は少しペースを落とすことを心掛けて仕事をしました」といった話し方ができれば良いですね。
あらゆるタイプの人と協働できる人材が求められている
会社に入ってからも必ず苦手な人と働く機会はあります。企業規模が大きくなればなるほど同僚や取引先も増えて、さまざまなタイプの人と一緒に仕事をすることになります。
それでもあなたがうまくやっていける人物であることをアピールできれば、面接官から「入社後もうまくコミュケーションを取れる学生だな」と好印象を持ってもらえます。面接の際は以上のことをぜひ心掛けてくださいね。
5ステップ! 面接で苦手な人を伝える構成
5ステップ! 面接で苦手な人を伝える構成
- 結論:どんな人が苦手か
- 理由:なぜ苦手と感じるのか
- エピソード:具体的にどんな経験からそう考えるのか
- 対処方法:どのような対応をしてかかわったのか
- 今後の活かし方:入社後に苦手な人とどうかかわるか
面接で苦手な人を答えるときに絶対伝えるべき内容として「苦手な理由」と「かかわり方」の2つがあります。とはいえ、この2つだけでは苦手な人をどのように組み立てて伝えて良いのかわからないかもしれません。
ここでは、5ステップで面接で苦手な人を伝える構成を解説します。構成を理解することで、話を順序だててわかりやすく伝えられるようになるため、面接官にとって納得感のある内容に仕上げられますよ。
①結論:どんな人が苦手か
面接では結論ファーストが大切であり、苦手な人を答えるときも同じです。どんな人が苦手なのか、「○○な人が苦手です」とわかりやすく端的に表しましょう。
結論である苦手な人を最初に伝えることで、面接官はあなたが今から話す内容をイメージしやすくなります。
もし結論を言わずに、「○○なときに、△△をされたことがあり、□□の対応をしました」と話し始めても、「結局どんな人が苦手なの」と面接官は疑問に思ってしまいますよね。
結論の例
- 私が苦手な人は、約束を守らない人です。
- 周囲への思いやりがない人が苦手です。
- 「苦手です」ってはっきりと言い切ると、印象は悪くなりませんか?
理由を明確にして臆すことなく回答しよう
誰かが「苦手な人などいません」と言い切ったとき、あなたはそれを信用できますか。きっとそれを偽善っぽく感じるのではないでしょうか。
これまで学生生活で他者とかかわる機会が多ければ多いほど、おのずと苦手な人は出てくるものです。そのため「印象が悪くなるのでは」と臆すことなくその質問に回答してください。
ただし、その「苦手」とする理由に何を述べるかが肝心です。「優柔不断な人」「相手の立場を理解しようとしない人」など、明らかに一緒に仕事するのに差し支える要素を苦手な人として挙げるようにしましょう。
②理由:なぜ苦手と感じるのか
結論の次に伝えるべき内容は、なぜ苦手と感じるのかその「理由」です。面接官はこの理由の部分から、あなたの価値観や人柄を見出します。また、理由を伝えることで面接官にも共感をしてもらいやすくなりますよ。
理由の例
- 多くの時間を要してしまうため、効率的でないと感じているからです。
- チームの士気を下げてしまうからです。
- 相手に対する配慮が欠けていると感じるからです。
③エピソード:具体的にどんな経験からそう考えるのか
どのような経験から苦手だと考えるのか、具体的に説明できるエピソードを伝え、説得力を持たせましょう。このエピソード部分が、自分らしい回答を作るためには必要不可欠です。
どんな場面で、どんな行動をされて苦手だと感じたのか、具体的に説明しましょう。たとえば、「アルバイト先で」「ゼミで」「部内で」「留学先で」「バスや電車の中で」など鮮明にその光景が思い浮かぶようにエピソードを伝えることが大切です。
エピソードの例
- ダンスサークルで踊る曲を決めるときに自分の意見ばかりを押し付ける人がいました。
- 留学先で相手によって態度を変える人がいました。
- アルバイト先で自分のミスを認めない人がいました。
アルバイト先や部活動、ゼミなど「役割分担」が明確な場面におけるエピソードが効果的です。
抽象的な感情論ではなく、論理的な展開が容易だからです。また「与えられた役割を果たすのが当然」と考えていることを面接官にアピールできます。
④対処方法:どのような対応をしてかかわったのか
苦手な人に対する対処法を伝えることで、ネガティブな印象で終わらないようにしましょう。どのような対応をしてかかわったのか、積極的な姿勢を伝えることが大切です。
また、苦手な人にも歩み寄ろうとする対処方法を伝えることで、苦手なタイプと一緒に仕事をしなければならない場面でもうまく付き合っていけるという良い印象につながります。
対処法の例
- 相手の気持ちに寄り添って、歩み寄る努力をしました。
- この人に対しては、事前に相手にリマインドを送るようにすることで対処しました。
- その人だけと対話をするのではなく、チーム全体を巻き込むことを意識しました。
- 苦手な人とのエピソードはありますが、単に「苦手だな」と感じただけで、うまくかかわったり対処できたわけではありません。この場合、どう伝えたらいいでしょうか?
反省点や改善方法を今後に活かすと伝えよう
対処できたエピソードがあれば望ましいですが、そうでない場合は反省点なども挙げたうえで「今後は改善していきたい」と伝えるのが良いでしょう。
反省点や改善方法を自分なりによく考え、それが明確であれば「次はきっとうまくできるだろう」という期待感を面接官に持たせることができます。
⑤今後の活かし方:入社後に苦手な人とどうかかわるか
苦手な人に対する対処方法を伝えることで、入社後の姿を面接官にイメージしてもらうことができると伝えました。最後に、入社後に苦手な人とどうかかわるかを伝えましょう。
最後の締めの部分で、働くシーンにおける苦手な人に対するかかわり方や対処法、改善策を伝えることで面接官はあなたの行動に再現性を見出すことができます。
また、入社後を見据えた前向きな回答をすることで、「ただの悪口」にならず明るい印象で締めることができますよ。
今後の活かし方の例
- 御社に入社後も、相手の気持ちに寄り添ってチームで働いていきたいです。
- 社会に出てからも、苦手な人とも積極的にかかわり良好なコミュニケーションが取れるようにしたいです。
- 御社でも、相手の気持ちや背景を理解して、全員にとって快適な環境づくりを意識したいです。
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15例文! 面接で問われる苦手な人の回答
15例文! 面接で問われる苦手な人の回答
面接で苦手な人を伝えるためには、明確な理由とかかわり方を伝えることが大切です。ここまで伝えてきた面接で苦手な人を聞かれる2つの理由、 面接で苦手な人を伝える構成を踏まえて、回答例文15選を紹介します。
どの例文も「この人苦手だな」と感じるような人の特徴を盛り込んであるため、エピソード部分や今後のかかわり方を自分ならではの経験に変えると簡単に回答を組み立てられます。
また、すでに自分の回答を作ってある人は、例文と見比べてブラッシュアップしてくださいね。
①協調性のない人
OK例文①協調性のない人
私は協調性のない自己中心的な人が苦手です。自分のことしか考えていない人がいると、チームとしての最適解にたどり着けないと考えているからです。
私は学生時代、文化祭実行委員会の委員長を務めていました。パンフレットを作成するときに文化祭までの時間が少なく、委員会に所属するみんなで役割分担をして進めなければ納期までに間に合わない状況でした。その中の1人が、「自分には関係ない」という態度でチーム内がギスギスとした空気になってしまうこともありました。
その人抜きで進めることもできたのですが、文化祭当日も連携が必要なため、全員で進めたほうが文化祭当日を成功に導けると考えました。周囲にその人も巻き込みたい旨を共有して、本人とも何度も話し合うことで、最終的にはそれまでよりもチーム一丸となり、納期に余裕をもってパンフレットを作成することができました。
御社に入社後も、この経験を活かして苦手な人でも周囲に協力を求め、対話を忘れずにチームの構築をしたいと考えています。
苦手なタイプの人物像について明確に説明できており、エピソードも具体的です。しかも苦手な人を遠ざけるのではなく周囲のメンバーと話してチーム一丸となり成功に導いた点は、好印象を得られますね。
②時間にルーズな人
OK例文②時間にルーズな人
私が苦手な人のタイプは時間にルーズで計画性のない人です。綿密な計画を立てていても、そのような人がいることでズレが生じ、余計な時間を要してしまうため苦手としています。
私は学生時代、テニスサークルに所属していました。いつも練習に遅刻をするなど、チームメイトの1人に時間にルーズで計画性のない人がいました。その1人のせいで、試合形式の練習の計画が崩れるなど周囲にも悪影響がありました。
そこで、私は自分の管理や配慮が甘かった部分もあると反省し、遅刻をしないための改善案を一緒に考え、実行することにしました。この経験から、苦手な人を傍観するのではなく、どうしたら改善できるか親身になることの大切さを身をもって知りました。
御社に入社後も、計画性がない人に対してはどのようにしたら改善できるのかそのフローから一緒に考え、チーム全体がより良い方向に進むよう心掛けたいです。
自分の体験から苦手な人を想像できるストーリー展開になっていて良いですね。また、その苦手な人に対して自ら積極的にかかわることによってテニスサークルという組織を滞りなく運営するための改善策を実行しており、非常に評価できる内容です。
③挨拶ができない人
OK例文③挨拶ができない人
私は挨拶ができない人が少し苦手です。良いコミュニケーションをするには、何事も挨拶が大切だと考えているからです。
学生時代、ゼミで地政学研究をしていました。実際にチームで地方を訪ね、現地の人と協力をして研究を進めていました。その際、チームの1人に挨拶のできない人がいました。どことなく協力をしづらい空気感があり苦手な人だと感じました。始めは「失礼な人だ」と感じていたのですが、「コミュニケーションが苦手な人なのかもしれない」と視点を変えて、無視をされても積極的に挨拶をすることを意識しました。
御社に入社後は、苦手な人に対しても、良いコミュニケーションを取るためにまずは自分から挨拶をする意識をもってかかわっていきたいです。
挨拶ができない人を苦手としながらも、相手がなぜやらないのかを自分なりに考察している姿勢に好感が持てます。
また、そのような相手に対しても自分から挨拶を心掛け、コミュニケーションをとろうとしている姿勢を示せている点もポジティブな印象を持たれるでしょう。
④ネガティブで否定的な人
OK例文④ネガティブで否定的な人
私はネガティブで否定的な人を苦手に感じます。ネガティブな人は、周囲から意見や助言をされた時に、否定から入るため周囲の志気も下げてしまうと考えているからです。
学生時代、体育会馬術部で副部長を務めていました。そのとき部員にネガティブで否定的な人がいて、「どうせすぐに負ける」「そんなに練習をしても報われない」といった発言が目立っていました。最初は、「そんな発言は気にしない」と思っていたのですが、チームの志気を下げないためにも、その人の言い分を肯定しつつポジティブな言い回しになるように「今の努力が部活以外の場面でも活きてくるよ」などと伝えるようにしました。
御社に入社後も、ネガティブな人がいてもチーム全体をポジティブにすることを意識して苦手な人ともうまくかかわっていきたいです。
苦手なタイプの人物をエピソードも交えて明確に説明できている点が良いですね。しかし全体的にあっさりしているので、ポジティブな言い回しをしたという事例については具体例を他にも挙げられるとさらによくな良くなりますよ。
⑤無気力な人
OK例文⑤無気力な人
私は無気力な人が苦手です。無気力な人がいると、チームの士気が下がってしまうからです。
学生時代、テレフォンアポインターのアルバイトをしていました。アルバイトの1人に、時給さえもらえれば良いといった無気力な人がいました。近くにいると、自分までやる気を奪われてしまう気がして最初は遠くに座るようにしていました。しかし、それでは根本的な対策ではないと考え、アルバイト全体を巻き込んで月のアポイント獲得件数を競えるような環境にしました。
御社に入社後も、苦手な人と距離を置くのではなく、チーム全体を巻き込んでチームにプラスとなるような根本的な解決ができるようにしたいです。
苦手な人とのかかわり方を改善してきた内容で、課題意識と行動力がある就活生像がイメージできます。
「苦手な人への改善が全体の改善につながる」としている点は周囲の意見を聞けていない印象にもなりかねないので、個人の克服といった表現に変更するとさらに良くなるでしょう。
⑥高圧的な人
OK例文⑥高圧的な人
私は高圧的な人を少し苦手としています。支配欲が強く、人を自分の思惑通りに動かそうとしていると感じてしまうからです。
学生時代、体育会アーチェリー部でトレーナーをしていました。部員の中に高圧的な人がいて、「自分はレギュラーだから部室の掃除をしない、弱い人がやって」といった態度で、周囲も扱いに困っていました。
私はみんなでやるべきことは競技の技術の高低関係なく、公平におこなう必要があると考えています。何が正しい意見かをはっきりさせ、多くの人の意見を抽出してチームを良い方向に持っていくために、部内ミーティングを計画しました。丁寧に話し合いをした結果、高圧的な人も部室の掃除の必要性や公平性について理解を示すようになりました。
御社に入社後も、高圧的な人に対しては真っ向から対立するのではなく客観的な意見を表せるような対応を心掛けたいです。
その人が実際に発言した内容ではなく「〜といった態度で」という推察に過ぎない内容を根拠とすると、本当に高圧的な人物だったのか若干疑問が残ります。事例として紹介するのであれば、実際になされた行動や発言を挙げると良いですよ。
⑦すぐに感情的になる人
OK例文⑦すぐに感情的になる人
私の苦手な人はすぐに感情的になる人です。不機嫌で相手をコントロールしようとするため、建設的な話し合いができなくなるからです。
学生時代、留学先の学校ですぐに感情的になる人がいました。嫌なことがあると理由の説明もなしに大きな声でまくし立てて、周囲も困っていました。こうした場合、「辛いですよね、○○が嫌だったのですか」と共感をしつつ、代わりに言語化してあげることを意識してかかわりました。
御社に入社後も、たとえ感情的な人がいたとしても、相手への共感を忘れずに良好なコミュニケーションを取れるように意識していきたいです。
苦手なタイプの人とどのように付き合ってきたのか、具体的な対処方法も交えて説明できているのが素晴らしいですね。対応方法の内容も好感が持てます。欲を言えばその行動の結果や成果についても説明できているとなお良いでしょう。
⑧責任感がない人
OK例文⑧責任感がない人
私が苦手な人は責任感がない人です。責任感がない人がいると、ミスが増えたり、作業の工数が増えるなど弊害があると感じています。
学生時代、アルバイトで化粧品の販売員をしていました。そこには責任感のない人がいて、在庫がないのにあると伝えてしまったり、商品の取り置きの引継ぎを正しくしないため何度かお客様にお詫びをしなければならない事態に陥っていました。
最初はその人の分の仕事まで私が負担していたのですが、徐々に重荷になって、アルバイト自体が少し嫌になってしまったことがあります。この経験から、責任感がない人に対しては、全てを自分が請け負うのではなく、周囲にも相談する必要があると感じました。
御社に入社後も、ホウレンソウを意識した周囲とのコミュニケーションを取り、大きな問題が起きないように注意して苦手な人ともかかわりたいです。
責任感がない人が苦手という内容について、具体的な改善策も伝えてみましょう。問題があったときに自ら解決に努められることをアピールしてくださいね。
⑨悪口を言う人
OK例文⑨悪口を言う人
私がいつも苦手だと感じる人は、よく悪口を言う人です。そのような人は、他人の悪い部分に目を向けがちだからです。
学生時代、複数人で雑談をしているとき、その場にいない人の悪口を言う人がいました。同調せずに話を聞かないようにすることもできたのですが、私は何に不満を感じているのかをヒアリングしました。そして、その人が不満に感じていることに私が対処できるならば、一緒に改善するという気持ちに寄り添った働きかけをしてきました。
御社に入社後も、もし悪口を言うような人がいたとしても、面倒くさいからといってとりあえず同調するといった対応をするのではなく、相手に歩み寄るようにしたいです。
悪口を言う人に対して、同調も「それはいけないことだ」と真っ向から否定することもなく、まず相手の話を聞き、歩み寄る姿勢を持っていることに好感が持てます。
最後に、相手にどのような形で歩み寄るかが明言できればなおわかりやすくなるでしょう。
⑩言い訳や嘘が多い人
OK例文⑩言い訳や嘘が多い人
私は言い訳や嘘が多い人が苦手です。人の話に聞く耳を持たず、人から指摘されるとすぐに言い訳したり、嘘をついたりするためその場の雰囲気が悪くなるからです。
学生時代、塾講師のアルバイトをしていました。宿題を忘れてもまずは言い訳から入るなど、自分の非を素直に認められない生徒がいて対応に困った経験があります。その人はまだ高校生と若いこともあったため、そういった言い訳にはまず寄り添うことを意識してかかわってきました。この経験から、言い訳や嘘が多い人に対応するときには気持ちに寄りそい、その人の「感情」と「事実」を意識的に分けて話を聞くようにしています。
御社に入社後も、同じようなシチュエーションがあるかもしれません。相手の「感情」と「事実」を分けて話を聞くようにして円滑なコミュニケーションを取っていきたいです。
「言い訳や嘘が多い人」というよくいるタイプの人物に対する具体的な対処方法が説明できていて良いですね。「感情と事実を分ける」という考え方も素晴らしいため、面接官からも大いに共感を持ってもらえる内容です。
⑪人の話を聞かない人
OK例文⑪人の話を聞かない人
私が少し苦手だと感じているのは、人の話を聞かない人です。何度も同じことを質問してきたりするため苦手と感じています。
学生時代、合気道サークルで主務を務めていました。練習時間や練習場所に関する連絡を練習後にするのですが、話を聞いていない人は同じことを聞いてきたり、個別でチャットをしてきたりするため二度手間に感じていました。この経験から、連絡事項を部員に伝える際には、その人の名前を呼ぶなどをして注意を引き付けることを意識しています。
御社に入社後も、どのように相手に伝えれば意識をこちらに向けてもらえるのかを意識してコミュニケーションを取ろうと考えています。
苦手な人について話を聞かない人としていますが、心配性の人で何度も確認をしていることも想像できます。自分の考えのみで人を決めつける人物だと思われないように、周囲の意見も加えると説得力アップにつながります。
⑫マナーに欠けている人
OK例文⑫マナーに欠けている人
私はマナーに欠けている人が少し苦手です。マナーをすべて完璧に守れている必要はないのですが、最低限のマナーもできていないと相手に対する配慮が欠けていると感じてしまいます。
学生時代、アルバイト先のホテルラウンジで、ウェイターに清潔感に欠ける人がいました。ホテルという高級感のある空間のため、お客様は飲食物だけでなくその空間を楽しみに来ています。お客様の満足度を高めるためにも、私は「決めつけ」や「押しつけ」にならないように「もう少し制服にアイロンをかけたほうが、今よりももっと格好良く見えそうだよ」などと言うようにしました。
社会に出てからも、相手の背景や気持ちを考慮して、自分の意見を押し付けることなく全ての人にとっての快適な環境づくりを意識したいです。
「清潔感に欠ける」とダイレクトに指摘するのではなく、改善提案をしているため、相手の気持ちを傷つけないよう配慮がされている様子がうかがえます。
提案も「今よりかっこよく見えるよ」と素直にアドバイスを受け取ってもらえるような工夫ができています。
⑬相手によって態度を変える人
OK例文⑬相手によって態度を変える人
私が苦手とする人は、相手によって態度を変える人です。そのような人は自分の中で相手に優劣をつけ、威圧的な態度や言葉で接してくるため苦手と感じます。
学生時代、コンビニでアルバイトをしていました。お客様の中には、若いアルバイトだけにお金を投げるなどの他、すぐに大きな声で威圧的な態度をとる人がいました。最初は悲しく感じていたのですが、若さゆえの頼りなさがあったのかもしれないと思いマニュアルを徹底的に押さえ、お客様の要望にすぐ答えられるようにして、毅然とした態度でいることを心掛けました。
社会に出てからも、相手によって態度を変える人と出会うかもしれません。これまでの経験を元にまずは知識を徹底して、毅然とした態度をとりつつ状況に応じて円滑なコミュニケーションを取れるように尽力したいです。
ここで紹介されている苦手なタイプの人は、誰が見ても嫌なタイプの人物像です。しかしまずは自分自身を顧みて、マニュアルを確認するなどの努力を重ねたという点からこの学生の謙虚さが垣間見えてとても好感が持てますね。
⑭優柔不断な人
OK例文⑭優柔不断な人
私は優柔不断な人が苦手です。意思決定までに時間がかかってしまうために、苦手と感じています。
学生時代、所属しているゼミで合宿に行くことになりました。行き先を決めなくてはいけないのですが、優柔不断な人が取りまとめ役を担っていたため、時間ばかりが過ぎてしまいました。この経験から、自分が取りまとめ役で無かったとしても、複数の条件を洗い出し、積極艇に提示できるようにするべきだったと反省しています。それ以来、優柔不断な人と物事を決める際にはどんな希望があるのか洗い出し、こちらである程度絞った条件を提示するように意識しています。
御社に入社後も、人の意見も聞きつつ、然るべきタイミングで自分の意見を提案できるように心掛けたいです。
意思決定が遅い人は優柔不断な人と断定していますが、慎重に考える人かもしれないと推測する姿勢を伝えた方が良くなります。具体的には、人の話を聞いてまとめてきたという行動を盛り込むことがおすすめです。
⑮人の時間を平気で奪う人
OK例文⑮人の時間を平気で奪う人
私は人の時間を平気で奪う人が苦手です。私自身が時間管理をきっちりとしたいタイプということもありますが、人の時間を平気で奪う人は相手を尊重していないと感じてしまうからです。
何か約束事をしていて、毎回のように遅刻してきたり、当日にキャンセルをする人がいました。こちらとしては、約束のために前後のスケジュールを整理したりする必要があるため、そのような対応を取られると困ってしまいます。このような人に対しては、前日にリマインドをしたり、約束の場所の住所を送るようにしてかかわるようにしています。
社会に出てからも、このような人に対しては事前連絡などを徹底して滞りなくコミュニケーションを取れるようにしたいです。
なぜそのような人が苦手なのか、理由を具体的に述べることができています。そのうえで人の時間を平気で奪う人に対し、どのような対策を施しているかも示せていることで、自身のコミュニケーション力が高いことを伝えられて良いですね。
面接で苦手な人を答えるときのNG内容と例文
面接で苦手な人を答えるときのNG内容
- 「苦手な人はいません」
- ネガティブな対処方法
- 苦手な人への非難
続いて面接で苦手な人を答えるときのNG内容と例文を紹介します。苦手な人というネガティブな内容を伝えるからこそ、やってはいけない回答があります。
新卒就活はポテンシャル採用と言われています。苦手な人の伝え方で失敗して、「この学生の考え方は合わないな」と面接官に思われないためにもNG例文を事前に理解しておきましょう。
「苦手な人はいません」
自分を良く見せようと、「誰とでもうまく接することができるから、苦手な人はいません」と答えようとする就活生もいるかもしれません。しかし、それは逆効果です。
「苦手な人はいません」と答えると、「自分を良く見せようと取り繕っているのではないか」と疑われてしまったり、「回答の準備をしていないから答えられないのではないか」「自己分析ができていないのではないか」と面接官に判断されてしまう可能性があります。
つまり、虚勢を張る学生や準備不足な学生として面接官に捉えられかねません。面接官は、単にあなたの苦手な人を知りたいのではなく、苦手な人とどうかかわるのかを知る目的があることを忘れないでくださいね。
NG例文
NG例文「苦手な人はいません」
私には苦手な人がいません。高いコミュニケーション能力を持っているため、どんな人とでもうまく付き合っていくことができます。
学生時代、ゼミで1人孤立している子がいました。周囲はかかわりたくないからといって距離を取っていましたが、私には苦手な人がいないため積極的にコミュニケーションをとってきました。
御社に入社後も、このコミュニケーション能力を活かしてあらゆる人を巻き込んでプロジェクトを推進していきたいです。
「苦手な人がいない」という言い方は少し誇張しすぎているように聞こえます。また、実際にその後の「高いコミュニケーション能力を持っている」という自己評価も含めるとかなり自意識過剰な印象を持たれてしまいますよ。
ネガティブな対処方法
学生時代は、苦手な人とはかかわらないで済んだかもしれません。しかし、入社後はそのような働き方は難しく、苦手な人であっても協力する必要があります。
面接官はあなたの苦手な人を聞くことで、どんなかかわり方をするのかを見たいと思っています。そのため、「苦手な人とはかかわらない」などネガティブな対処方法を伝えないようにしましょう。
ネガティブな対処法の例
- 苦手な人とは距離を置く
- 他の人に対処をしてもらう
NG例文
NG例文ネガティブな対処方法
私の苦手な人は、わがままな人です。わがままな人は自分の意見ばかりを主張するばかりで、義務を全うしない人が多いからです。
学生時代、留学先のシェアハウスのルームメイトが家が汚いと騒いでばかりいました。しかし、ルームメイトは意見を主張するだけで自分は何も行動をしません。周囲が掃除をしていても自分には関係がないといった態度です。
私は、そのルームメイトと距離を置くことで対応をしました。最初から何も期待をしなければ、こちらも疲れないためとても効果的でした。
御社に入社後も、苦手な人とは一定の距離を保つことで円滑に仕事を進めていきたいです。
苦手な人への解決策について、マイナスの印象を持った展開で終了してしまっていることがもったいない回答です。「苦手な人に接する改善策を講じて関係が良くなった」のような展開にすると好印象につながります。
苦手な人への非難
苦手な人を聞かれると、ついつい感情的になって苦手な人への非難をしてしまう就活生も中にはいます。苦手な人を全面的に悪いと決めつけないように注意しましょう。
その人が悪いとするのではなく、「自分はどう感じるから苦手なのか」という点に意識を置いて答えてくださいね。
NG例文
NG例文苦手な人への非難
私の苦手な人は、すぐに被害者面をする人です。完全に誰が悪いと決め切れる場面でないにもかかわらず、すぐに自分が一番可哀そうだ、損をしてるといった態度を取られると公正な判断がしづらいからです。
学生時代、アルバイト先のカフェでよく食器を割る人がいました。注意をするとすぐに泣き、話し合いになりませんでした。自分の非を素直に認められないような人間性がなっていない人は社会人失格だと思います。
私はそんな人間性がなっていない人を改善するために、ミスを認めるまで注意を続けてあげました。御社でも、すぐに被害者面をする人がいたとしても私は見捨てずに最後まで付き合って改善してあげたいです。
なぜ相手がそのようなミスをするのか考えたり、歩み寄ったりする姿勢を示しましょう。単にミスを指摘し続けていることや、「〜してあげる」という表現を多用している点などから、自分の気持ちを押し付けている印象を持たれる恐れがあります。
「苦手な人は?」という質問以外にも、さまざまな質問にうまく回答する面接のコツはこちらの記事で解説しているので参考にしてくださいね。
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苦手な人の回答から、面接官はあなたの性格や価値観、人とのかかわり方を見ています。苦手な人というネガティブな内容からでも、良い印象を抱いてもらうためには必ず自己分析をして自分の価値観を整理しましょう。
ここまで解説してきた通り、面接で苦手な人を答えるときには、苦手な人を苦手と感じる明確かつ具体的な理由と、過去から未来にかけての苦手な人とのかかわり方を伝えることが大切です。
今回紹介した例文15選を参考に、面接全体に一貫性を持たせるためにも自己PRなどのアピール内容も加味し、企業の目的を意識した回答で合格を掴みましょう。
アドバイザーコメント
柴田 登子
プロフィールを見る苦手な人の対極としての自分をアピールしよう
苦手な人といったネガティブな内容から入る質問こそ、自分をアピールできる最大のチャンスです。ただし、苦手な人を示すだけでは評価につながりません。面接官は単にあなたの苦手な人を知りたいわけではないのです。
苦手な理由を示すのはもちろんですが、その際に苦手な人と自分を対比させ、苦手な人の対極として自分はどのような意識を持っているのか、だからこそどのような行動を日々心掛けているのかを必ず伝えるようにしましょう。
つまり、あなたの「人のふり見て我がふり直す」姿勢を問いかけているのです。
苦手な人とうまく付き合える素質が重要
また、多様化社会において人の価値観は幅広くなり、人間関係も複雑になってきました。仕事で苦手だと感じる人とかかわる場面はいくらでもあります。
「苦手だと感じる人に対しても積極的にコミュニケーションをとれる余裕を持っている」「相手の問題を上手に指摘しながら改善させたり、カバーできたりする」などこれらの要素を持っていて、職場においても誰とでもうまくやっていける素質をアピールしましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Takako Shibata〇製造業を中心とした大手~中小企業において、従業員のキャリア形成や職場の課題改善を支援。若者自立支援センター埼玉や、公共職業訓練校での就職支援もおこなう
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Junichi Suzuki〇1982年宮城県⽣まれ。⼤学卒業後、上場企業の営業・管理部⾨を経験し、家業を継ぐ。2017年にブルーバードを設⽴し、企業の経営支援などを展開する
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Shun Hayakawa〇大手就活メディアの営業を経て、現在は留学支援をおこなうアナザーストーリーの代表取締役を務める。キャリアコンサルタントとして学生の強みの発見から選考対策など幅広く支援
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