この記事のまとめ
- 社長面接の3つの目的を理解すると効率的に対策できる
- 社長面接は経営者の目線に立った対策が不可欠
- 社長面接でよくある質問と回答例7選を紹介
中小企業やベンチャー企業の最終選考としておこなわれることが多いのが社長面接です。「どんな雰囲気でおこなわれるのだろう」「どんな対策が必要なのかな」など、イメージがつかめず悩む人は多いですよね。
一般的に、企業では立場が上の人ほど重要な仕事を担当します。つまり、社長が直接面接をするということはそれだけ企業が採用活動にかなり力を入れている証拠です。だからこそ、付け焼き刃の面接対策では内定をつかむことが難しいでしょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの隈本さん、三好さん、横山さん、平野さん、野村さん、村谷さんのアドバイスとともに社長面接の対策方法を解説していきます。
現役社長として活躍しているアドバイザーからの経験談や社長目線でのリアルなアドバイスもあるので、社長面接を控えている人は参考にしてくださいね。
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社長面接では3つの対策が必須!
面接は、企業と学生が対等にコミュニケーションをする場であり、たとえ相手が社長であってもそれは変わりません。対等なコミュニケーションをするためには、社長の目線を意識した対策が必要となります。
この記事では、まず社長面接の目的や特徴を解説します。社長がどのような視点で人材を見極めようとしているのかを確認しましょう。
それを踏まえたうえで、社長面接の前に必ずやるべき対策を3つ解説します。一般的な面接よりも一歩踏み込んだ対策になるため、通過率が上がるだけでなく、入社後のミスマッチも防ぐことにもつながります。
さらに、頻出質問&社長面接ならではの質問への回答例や社長面接で落ちてしまう人の特徴についても紹介しているので、面接前に確認して、対策を進めていきましょう。
最終面接は社長面接とは限りません。下記の記事では最終面接全般に関する対策や合否フラグなどについて解説しています。最終面接について知りたい人は参考にしてみてください。
最終面接の対策
最終面接の合格率を高める6つの対策|頻出質問と回答例文で徹底解説
最終面接の合格フラグ
最終面接の合格フラグ17選|落ちたかもと思ったときの対処法も解説
新卒の最終面接の対策
新卒の最終面接はほぼ合格って本当? 合格率や対策方法を解説
就活の面接全般の対策
就活の面接の質問70選! 完全攻略できる準備や回答方法を解説
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面接で聞かれる質問に答えられるか不安ですよね。ただ、何を質問されるか分からず対策しようにも出来ない人は多いはず。
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前提を理解! 社長面接の目的と特徴を押さえておこう
社長は、企業を最も深く理解し、その命運を左右する重責を担う存在です。特に創業者であれば、人生をかけて起業したという人も多く、人一倍自社への思い入れが強いでしょう。
社長面接では、ともに働く仲間としてふさわしいか判断するためかなり深いところまで評価されます。まずは何を見ようとしているのか、その目的を正確に把握しなければ、効果的な対策が不十分になり歯が立たない可能性もあります。
ここからは、社長面接の具体的な目的と特徴を解説します。十分な対策ができるよう、しっかりとチェックしていきましょう。
目的

社長が自ら最終面接をおこなう理由は、おもに上記の3つです。
一つ目の理由は、企業と学生のマッチ度を知りたいという点です。
特に創業間もないベンチャー企業では、事業展望などの変化が激しく、社長だけが採用基準を把握しているケースも多いです。そのため、候補者がその未来のビジョンと深く合致するかを、社長自らの視点で見極めようとしています。
また、フィーリングが合うかどうかを知る目的もあります。
経営者は、豊富な人脈を築いている場合がほとんどなので、その経験から自身との相性を感覚で見極められる人が多いです。候補者の根底にある価値観や人柄が、企業文化の核となる社長の考え方と合うか、最終的な相性を確認し、採用のぶれをなくしています。
そして、社長自らが面接することで企業のアピールをしたいという思いがあります。
優秀な人材を採用したいと思うのが普通です。そういった人材に「この会社で働きたい」と強く思ってもらうために、企業のトップである社長が自ら会社の魅力や事業への熱意を直接アピールしたいと思う企業もあります。これにより、候補者の入社意欲を最大限に高める狙いがあるのです。
アドバイザーコメント
横山 慶一
プロフィールを見る社長にとって「家族のような親近感」があるかを確認したい
社長自らが面接をする、その時の社長の思いを考えてみると良いです。
最終面接の段階になると、すでに人事担当者の評価を通過しているので、スキルや経験よりも「人」を見極める段階になっています。
社長自身が、「この人物はこの会社に貢献してくれるだろうか」という視点で直接あって話をしたいのです。社長の側から見て、従業員の枠を超えた、家族のような親近感を持てるかどうか、それがあると自ずと自社PRに熱がこもりますね。
社長は、おそらく誰にでも自らアピールはしません。価値観が大きく違ったり、魅力を感じない学生には形式的な対応をするでしょう。
心を通じ合う会話のキャッチボールをして共感を得よう
社長にとって魅力的だと思われるには、「感謝の気持ち」や「配慮・気遣い」を見せること、言葉遣いやマナーを徹底できていることに加え、心を通じ合う気持ちのキャッチボールをすることが大切です。
そのため、用意してきたことをそのまま伝えるのではなく、社長とのコミュニケーションを楽しむという意識でいることが不可欠です。意見を交わし、相互理解を深めるという意識で臨んでくださいね。
特徴
社長面接は、一次・二次面接などの人事面接とは異なる特徴があります。社長面接を攻略するには、それを把握することが大切です。
企業のトップと面接をするという事実から、今までの面接以上に緊張してしまう学生は多くいます。しかし、あらかじめ特徴を把握しておけばイメージトレーニングができるため、緊張感を和らげることにもつながります。
上記で説明した社長面接の目的を背景に、特徴を確認していきましょう。
人事面接 | 社長面接 | |
目的 | 候補者の絞り込み | 最終的な見極め |
質問の傾向 | ・基本的な質問 【質問例】 自己紹介 志望動機 自己PR ガクチカ 長所短所 失敗した経験 | ・企業や自身についての 深掘り質問 【質問例】 なぜ自社を志望するのか →なぜそう思ったのか →いつそう思ったのか ・入社後のビジョンに 関する質問 【質問例】 5年後・10年後は 何をしたいか どのような部署に 所属してたいのか 企業で何を成し遂げたいのか ・入社の熱意を確認する質問 【質問例】 第一志望ですか |
見られる点 | スキルや経験、 入社後の再現性など | 将来性や仕事への熱意、 ポテンシャルなど |
雰囲気 | 型に沿った形式的な形が多い | 雑談があるなど 会話形式が多い |
また、評価ポイントも人事面接とは異なり、熱意やポテンシャルが重視される傾向があります。一次や二次の対策では、選考通過ができない可能性があるので、これらの特徴を理解して、対策を進めていきましょう。
アドバイザーコメント
三好 真代
プロフィールを見る社長面接では熱意の「ベクトル」が重視される
社長は皆さんの熱意の「ベクトル」も見ています。
面接の場で「熱意がどれだけあるか(熱量)」をいくら示されても、それは社長にとって定点観測にすぎません。学生が瞬発的に発する熱量は、個人の表現力に頼る部分がどうしても大きくなってしまいます。
もちろん表現力に長けた学生も魅力的ですが、社長は本質的な「熱意」を見抜くため、その熱意が言ったいどこからきて、そしてどこに向かっているのか、を見定めようとします。
自身の「大切なこと」を企業でどう活かせるか伝えよう
皆さんがどれだけ熱心に企業研究をしても、企業のベクトルと皆さんのベクトルが合っているかを知るには限界があります。
入社後の皆さんが、自分の人生において目指す方向と、会社が見ている方向が同じ方向であるかどうか。その判断をするのは、社長です。
「やりたいこと」や「興味関心」など、皆さんの人生において「大切なこと」は、すでにこれまでの皆さんの人生に散りばめられているはず。
企業で働くことが、皆さんの「大切なこと」をどれだけ支え、活かし、成長させるか。それらを根拠に、量とともに「ベクトル」を持った熱意を伝えましょう。
対策3選! 社長面接の前にこれだけはやろう
ここまでの解説で、社長面接は単なる意思確認の場ではないことがわかった人も多いでしょう。せっかく一次面接や二次面接で高評価を得られていたとしても、社長面接への事前の対策を怠ってしまうと、不合格になる可能性は大いにあります。
ここでは、社長面接の前に最低限やっておくべき対策を3つ紹介します。それぞれ外せない対策ばかりなので、一つひとつ着実に取り組みましょう。
①頻出質問への回答準備
社長面接でも、一次面接や二次面接と同様の質問をされる場合があります。たとえば、志望理由や自己PR、入社後の目標などです。
「頻出質問なら一次や二次の前にしっかり回答は用意できたし大丈夫!」と思っている人もいるかもしれません。しかし、社長面接ではこれらの質問が、一次面接などとは異なる視点で問われるのです。
社長は学生の回答が正しいかどうかを見ているわけではありません。それ以上に、一人ひとりの思考の深さ、価値観、そして人間性そのものを見極めようとしています。
人生経験の豊富な社長にはその場で考えた付け焼き刃の回答はすぐに見抜かれてしまうため、深い自己分析にもとづいた「自分だけの答え」が不可欠です。
社長面接で見られているポイントを意識した回答をあらかじめ用意しておきましょう。
②逆質問の準備
社長面接での逆質問を、単なる疑問解消の場として認識するのは非常にもったいないです。逆質問はどんな質問をするかによって、入社への熱意や意欲、そして経営者視点を示すことができる最大のチャンスとなります。
用意すべき質問としては「企業のビジョン」や「組織のあり方」など、社長の考えを知ることのできる内容で準備するのが効果的です。
このように、一歩踏み込んだ質問をすることで、あなたが表面的な理解で終わらせず、企業についてより深く理解しようとしている姿勢をアピールできます。社長との対話を意識して、今後の企業を担っていく覚悟を示していきましょう。
一方で避けるべき逆質問も存在します。たとえば、福利厚生や残業時間など、調べればわかることや待遇に関する質問は避けましょう。
これらの質問は、企業への熱意の低さや自分で情報を取りに行かない受け身の姿勢と評価される可能性があるため要注意です。
③熱意や意欲を伝える準備
社長面接では、応募者の持っているスキルや過去の経験と同じくらい「未来を一緒に創っていけるか」「同じ志を持って目標に向かって進んでいけるか」という感情の部分も重視する傾向があります。
社長は、自社への愛情を強く持つ人材を採用したいと思っているため、「なんとなく受けている」「第一希望ではない」という軽い気持ちで受けている候補者は良い評価にはつながらないでしょう。
合格を勝ち取るためには、「なぜこの企業なのか」を誰が聞いても納得できるように、自分の価値観や経験と紐付けて話す必要があります。ほかの企業の使いまわしではなく、その企業に向けた熱い思いを自分の言葉で話せるようにしておきましょう。
そして面接の最後には、迷いなく「第一志望です」と伝える覚悟が大切です。社長が本気で採用に向き合っているのと同じように、熱意と覚悟を持って社長面接に臨んでください。
アドバイザーのリアル・アドバイス!社長はポテンシャルを見ている! 成長する熱意や意欲を示そう
村谷 洋子
プロフィールを見る社長についての情報を知ることが企業への熱意のアピールになる
私が社長として面接する場合は③の「熱意や意欲を伝える準備」を重要視します。なぜなら、これは入社後の伸びしろや定着率に直結するからです。
今はスキルが足りなくても「この会社で頑張りたい!」という気持ちが強い人は、圧倒的に成長が早い傾向にあります。
社長は会社の未来を一緒に創れる人を求めているため、スキルよりも価値観やモチベーションを重視する場面が多いのです。
特に中小企業では、社長が会社の文化そのものであるため、思いに共感できるかは重要なポイントになります。
準備のコツとしては、まず社長の発信やSNSを探して、企業HPにない思いや素顔を知ることです。会社名でニュース検索して最新トレンドを押さえるのも効果的でしょう。
そして、1次や2次面接を振り返り、自己PRをブラッシュアップしてください。また、声のトーンや表情を磨き、動画撮影や模擬面接でフィードバックをもらうのも良いと思います。
そもそも社長面接は「最終確認の場」です。ここまで選考を通過している時点で、あなたの能力は十分認められています。だから過度に怖がる必要はありませんよ。
面接が迫っている人は、頻出質問の回答例だけでも予習しておこう!
面接でどんな質問がされるか、そして答えられるか不安ですよね。ただ、企業によって何を質問されるか分からない人も多いはず。
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どんな質問にも自信をもって答えられるようになれば、面接も怖くなくなります。今すぐ活用して、面接突破の力を手に入れましょう!
質問・逆質問では企業理解が重要! 下調べを徹底しよう
社長面接前にやるべき対策として、頻出質問や逆質問への準備を紹介しました。ですが、「質問対策の準備の重要性は理解できたけど結局何からやれば良いの?」と思っている人もいるでしょう。
ここでは、頻出質問や逆質問の準備をする前に必要な企業理解の方法について解説していきます。企業理解ができているかどうかで、質問の回答の深さや逆質問の内容の濃さに影響があるため、先にここから進めていきましょう。
社長についてSNSやWebサイトで把握する
社長面接の目的の一つに、社長とフィーリングが合うか確かめることがあると解説しました。フィーリングが合うと感じられるのは、根底の価値観が一致しているときに多いですよね。
そのため、社長の人柄や価値観を把握することが大切です。以下のような方法で調べてみてください。
社長について調べる方法
- 企業ホームページ(HP)の社長紹介や社長メッセージを見る
- 社長の公開しているSNSを見る
- 著書を読む
- 社長の出演動画を見る
特に、社長が話している動画があれば人柄をつかみやすいです。文字ではわからない雰囲気を感じ取ることができます。そして面接では、その人柄を意識した回答をすると良いですね。
たとえば、社長が多岐にわたる事業に挑戦しているのであれば、積極性や主体性のアピールを意識して回答してみましょう。
企業理念への「共感点」と事業内容の「強み弱み」を言語化する
企業の考え方の「どこに」「どう」共感できているのかを整理しましょう。企業には、企業理念と呼ばれる一番大切にしている考え方の部分があります。企業理念を考えたのが社長であるケースも多く、企業の根底にある価値観とも言えるでしょう。
特に社長は企業理念を大切にしているため、考え方に共感を持ち、一緒に突き進んでいく姿勢を見せることで評価につながります。
企業理念への共感部分を探す方法としては、企業のHPや社長のインタビューなどからどんな考え方を大切にしているのか、どのようにして企業理念を作成したのかという背景などを汲み取ることがおすすめです。
そのうえで、「自分と同じ考えの部分はないか」「なぜ共感できるのか」などを一つずつ考えていくと、共感点を言語化することができます。
上記に加えて、その企業の商品やサービスへの理解度を示すことができると、より高評価につながるでしょう。社長は面接を通じて、学生の企業理解度を見極めています。
そのため、その企業の「良い点」と「改善できる点」について自分の言葉で話せることは効果的なアピールになるのです。完璧な答えでなくても問題ありません。あなたがどれだけ「自分ごと」としてその企業について考えることができているかを示すことを意識してください。
この2つを用意しておくことで、社長に対して熱意を伝えることができるでしょう。
企業理念とは、会社の行動指針を示したものであり、ミッションやバリューなどにつながる企業活動の源泉となるものです。
そのため、社員全員がその企業理念に共感して行動することを求められるため、マッチ度を伝えることが不可欠です。
企業理念は具体性がない場合もありますが、そのニュアンスを理解して企業側と考えを一致させるために、背景まで調べましょう。
入社後の活躍イメージを企業ビジョンに絡めて用意する
社長面接では、「この学生に自社の将来を託せるか」「未来をともに創っていけるか」という観点で見られています。
そのため、自分のスキルや経験をアピールするだけでは不十分です。自分の強みを活かしてどう貢献するのかまでをセットで示すことが必要となります。
その際には、企業の目指す方向性である、企業ビジョンとうまく結び付けて伝えられると、方向性の一致をアピールできるでしょう。
HPや社長のインタビュー記事などを読み込むことで企業がどんな未来を目指しているのかを知ることができます。
そのうえで、「御社の〇〇というビジョンに非常に共感しています。私の〇〇というスキルや経験を活かして、貢献していきたいです」というように、自分の活躍イメージを企業ビジョンと絡めて伝えられるようにしておきましょう。
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社長面接の基本質問6選! 回答法&回答例
事前準備ができたところで、いよいよ頻出質問への回答準備に移りましょう。社長面接では、一次や二次よりも深掘りされる可能性があります。
そのため、基本的な質問であっても、改めて回答を見直し、社長面接だからこその回答を用意することが大切です。
ここでは、社長面接で聞かれる基本的な質問6選を紹介します。それぞれに回答例が付いているので、自分だったらどう回答するかを考えながら読んでみてください。
①自己PRをしてください
自己PRの例文
私の強みはカフェのアルバイトで培ったニーズを察して主体的に行動する力です。
私は病院のなかにある店舗でアルバイトをしました。
顧客は患者が多かったのですが、ある日顧客から感染症対策などで家族とも会えず、また自身の病気で精神的に疲弊していることを打ち明けられました。そこで、この店舗が患者の心のよりどころになるようにしたいと考えました。
そこで、まず疲弊していることの原因を考えたところ、孤独感が最も大きいのではと気づき、「3つの声かけ」を実施しました。
①注文が入ったときと飲み物の作成が完了したときに店員同士声をかける
②飲み物を待っている顧客に必ず笑顔で声をかける
③1人で飲み物を飲んでいる顧客に声をかける
この結果顧客から、「店に来るだけで元気をもらえる」「笑顔に救われた」「生きがいになった」との言葉をもらいやりがいを感じました。
この経験から、いわれずともニーズを察して主体的に行動することで、大きな喜びを感じてもらい、かつ達成感を得られることを学びました。
御社は「潜伏する社会課題を解決する」を理念に、たとえば難民問題などの実態を明らかにし、安価で高品質な独自の教育サービスなどを提供されています。
私のニーズから課題を見つけ、主体的に行動し結果を出すという力を通して、今後はその舞台を大きくし、潜んでいる社会課題を見つけ解決することに必ず貢献できると考えています。
自己PRでは、あなたの力が会社の未来にどう貢献するかを示すことが重要です。社長はあなたのポテンシャルを見ています。
企業理念への深い共感を具体的に述べ、カフェ経験を社会課題解決へどう活かすか、その再現性を伝えましょう。
あなたの主体性と貢献意欲で、社長に「この人と働きたい」と思わせてください。
②志望動機を教えてください
志望動機の例文
私が御社を志望する理由は、社員一人ひとりの挑戦を会社が後押しする風土に魅力を感じたからです。
私は大学の学園祭で実行委員会を務め、ゼロから企業協賛を獲得する営業活動に取り組みました。最初はがむしゃらにお願いするだけで何度も断られてしまいました。
このままでは何も変わらないと思い、メール文や電話対応の工夫、提案書の改善など試行錯誤を重ねた結果、最終的に5社からご協力を得ることができました。この経験から、自分で考えて行動し、成果につなげる力が身に付いたと感じています。
自ら課題を見つけて解決に向けて動ける人材になりたいと考える私にとって、御社の説明会でお聞きした「若手でも手を挙げれば任せる文化」や「新入社員でも関係なく挑戦できる環境」は、非常に魅力的でした。
挑戦を後押ししてくれる環境で、自分の強みをさらに伸ばして、御社に貢献したいと思っています。
上記の志望動機は、あなたが実行委員会でどんな役割で、課題をどう発見し、何をヒントに改善できたのかをもう少し深掘りしたいと思いました。
社長面接では入社後の活躍イメージを共有できるかが大切です。チームのなかでのあなたのポジションを具体的に示すことで、入社後にどのような働き方をするかを社長にアピールすることができます。
また、「挑戦できる環境」への憧れは伝わってきますが、「具体的にどんな挑戦をしたいのか」も聞きたいところですね。
③就活の軸を教えてください
就活の軸の例文
私の就職活動の軸は、フィードバックを通じて成長できる環境かどうかです。
大学ではゼミ活動や課外フロジェクトを通じて、積極的な発表や企画提案をおこなってきました。そのなかで、自分が最も成長を実感できたのは、先生や仲間からの率直な意見をもらい、自分では気付けなかった視点を得られたときでした。
この経験から、業務でも自分一人で完結するのではなく、周囲と意見を交わしながら学び続けられる環境を重視したいと考えるようになりました。
御社の説明会では、若手社員と上司が定期的に面談する制度や、日常的に意見を交わす風土があると聞き、まさに自分が求める環境だと感じました。
御社のオープンなフィードバック文化のなかで、自分の強みを磨いたり、弱みを把握して克服したりなど、成長したいと考えています。
社長面接では、就活の軸を単なる個人の希望で終わらせず、会社全体への貢献や将来の展望につなげることが重要です。
あなたの成長意欲が会社の未来にどう寄与するか、具体的なビジョンを交えて伝えることで、社長の心に響き、自社の未来を担う人材として認識されるでしょう。
④5年後10年後のキャリアビジョンについて教えてください
キャリアビジョンの例文
5年後は、担当業務の一つの領域で、「この分野は任せてほしい」といえる専門性を持った人材になりたいと考えています。そのためにまずは、現場での業務を通じて徹底的に基礎を学び、自分に足りない視点やスキルを一つひとつ補っていきたいです。
そして、10年後には、チームやプロジェクトを任せられる人材になりたいと思っています。メンバーの個性を把握して強みを引き出しながら、組織全体に貢献できるような存在を目指していきたいです。
ただ自分の成果を出すだけでなく、後輩の育成や他部署との連携など、より広い視点で貢献できるようになりたいと思います。
こうした成長を実現するためには、社員一人ひとりのチャレンジを応援し、若手にも裁量を与える御社の環境が必要です。周囲と学び合いながら、段階的にキャリアを築いていきたいと思っています。
キャリアビジョンへの回答では、あなたの成長が会社の成長にどうつながるかを示すことが重要です。社長は、あなたが会社のビジョンを共有し、その実現にコミットできるかを見ています。
5年後、10年後の専門性やリーダーシップが、会社のどの事業にどう貢献するかを伝えましょう。あなたの成長が会社の未来を創ることをアピールしてください。
⑤自社は第一志望ですか
志望度についての例文
はい、第一志望です。
私は、広告業界を希望しているため、同業界の企業の選考も受けています。選考を受けていくなかで、仕事内容だけでなく、社風や理念が自分の目指す方向性とマッチしている企業で働きたいと思うようになりました。
御社は、挑戦する姿勢を大切にされており、誰もが手を挙げやすい社風だと伺いました。私自身、何事にもまず挑戦するというモットーを掲げているため、非常に魅力的な社風だと感じています。
またOB・OG訪問に伺った際も、入社2年目でプロジェクトのリーダーに挑戦されている社員の方もいらっしゃり、皆さん非常に活き活きと仕事に向き合われていたのが印象的です。私もそうした環境のなかで、積極的に新しいことに挑戦し、新しい風を吹かす新人として貢献していきたいと考えています。
上記の回答では、挑戦への意欲が伝わってきます。さらに良くするためには、自分の具体的な挑戦ストーリーを伝えるともっと印象がアップしますね。
たとえばゼミやアルバイト先で新しいことに挑戦して成果を上げたエピソードを一緒に語ると説得力が増すでしょう。
また、社長面接では「なぜ当社が第一志望なのか」という点が非常に大切です。ありきたりな内容ではなく、他社との違いを具体的に語れると良いでしょう。
⑥就活状況を教えてください
就活状況についての例文
現在は、広告業界に関連する3社の企業で選考が進んでいて、いずれも「人の心を動かす広告に携われるか」といった点で企業を選んでいます。
大学の授業で広告の仕組みや意図を分析する機会があり、その際に身近なコマーシャルやポスターなどにも細かい工夫が施されていることを知りました。
それ以来、どのような工夫をすれば人の印象に残るのか、なぜこの表現を選んだのかなどを考えることがおもしろくなり、広告業界を就職先に選ぶようになりました。
なかでも御社は、ターゲットの気持ちに寄り添った発想力と、表現に落とし込む力があると感じ、特に惹かれています。広告を通じて、人や社会にポジティブな影響を与える仕事に携わりたいという思いから、御社を第一希望としています。
社長面接での就活状況説明では、他社の選考状況よりも自社への熱意を強調しましょう。
広告業界を選んだ理由と自社の強みへの理解を深く伝え、入社後どう貢献したいかを具体的に示すことで、社長はあなたの入社意欲と将来性を評価します。
⑦最後に質問はありますか
逆質問の例文
・著書で新卒入社時のご苦労を拝見いたしました。社長が新入社員にアドバイスするとしたら、何を一番に伝えたいですか。
・プレスリリースにて、御社が大規模な事業転換をされることを拝見しました。創業間もない御社で事業を転換されるのは大変だったと思いますが、どのようにして乗り越えられましたか。
・創業以来続いていらっしゃる◯◯事業に興味があるのですが、どのような能力が必要ですか。
・自身のリーダーシップを活かし、管理職となって御社の発展に貢献させていただきたいと考えており、御社の管理職の方のキャリアをお聞きしたいです。
・入社後最初に挫折する人が多いシーンがあれば教えていただきたいです。それに備えて力をつけたいと思っています。
私自身が社長として面接する際に、好印象を抱く逆質問は以下となります。
・「御社が今後、新たな事業領域に進出するとしたら、どのような分野に可能性がありますか? そのなかで、私が貢献できることは何だと思いますか?」
・「私が入社した場合、最初の1年でどのような成果を出すことを期待されますか? また、そのためにどのようなサポートをいただけますか?」
社長面接での逆質問についてさらに詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。例文付きで解説しています。
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状況別17例文|社長面接の逆質問で絶対押さえたい3大要素
社長面接の逆質問は内定につながる重要な項目の一つです。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に、社長が逆質問をする意図や逆質問の作り方を解説します。逆質問を作るには3大要素を押さえ、企業規模や社長の経歴にあった質問をしていきましょう。
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社長面接ならではの質問4選! 回答法&回答例
社長面接では基本的な質問だけではなく、深掘り質問や答え方に悩むような質問もされる場合があります。
そのような質問は事前準備なしではうまく対応できない可能性が高いでしょう。どんな質問が来ても自信を持って対応できるように準備が必要です。
ここでは、一次や二次では聞かれることが少ない、社長面接ならではの質問を4つ紹介します。回答例を参考に、あなたならではの回答を作成してみましょう。
①当社の最大の課題は何だと思いますか? あなたならどう解決しますか?
企業の課題を聞かれた際の例文
私が考える御社の最大の課題は、競合他社との差別化だと思います。特に御社の取り扱う日用品は、機能や価格が似た製品が多いなかで、生活者に選ばれる理由を明確にすることが今後より重要になると感じています。
私は大学で消費者行動を学び、実際に店舗観察やアンケートを通じて、購買の決め手がブランドへの信頼や共感できるストーリーにあることを体感しました。
価格や性能も重要ですが、それだけでなく、どのように生活者の感情に寄り添えるかが、今後のブランドの価値を左右すると考えています。
もし御社で働く機会をいただけたら、商品の良さを伝えるだけでなく、生活者の視点に立った提案をおこない、顧客から「このブランドだから選びたい」と思っていただける価値づくりに取り組みたいです。
②あなたが入社することでの当社のメリットを教えてください。
入社することのメリットを聞かれたときの例文
私が入社することによる御社のメリットは、エンドユーザーの目線からサービス改善や提案ができることだと感じています。
大学では、グループワークや課外プロジェクトを通じて、初めてサービスを利用する人がどの点でつまずくか、何に不安を感じるかなどを観察・分析しながら、提案することを繰り返してきました。
ITサービスは便利である一方、機能や専門用語が先行すると、ユーザーが置き去りになる場面も多いです。
そのため、自分がユーザーの感覚を持っているという立場を活かして、複雑なサービスを誰にでも伝わる形にして届けることができると思っています。
技術的な知識はこれから身に付けていきますが、生活者としての視点や伝える工夫などは、今すぐにでも現場に貢献できる価値だと考えます。
③当社の事業は10年後にどうなっていると思いますか?
10年後の事業について聞かれたときの例文
0年後の御社の事業は、「知識を教える教育」ではなく、「自ら学び続ける力を育てる教育」に進化していると考えます。
AIの普及や情報の多様化によって、何を知っているかよりも、どのように学び、自分の考えを持てるかが重要になる時代になると思います。
そうしたなかで、教育の在り方も大きく変化していくはずです。従来の一斉授業や暗記中心の指導だけでなく、生徒一人ひとりの関心や理解度に合わせた柔軟なサポートが、今後よりいっそう求められると感じます。
御社はすでに、個別指導やICT教材の導入などを取り入れていて、10年後にはより一人ひとりの未来に寄り添うような存在になることが想像されます。
私も御社の一員として働く機会を得られた際には、変化する教育のなかで、一人ひとりに合った学びをどう届けるか考え続けながら働きたいです。
④自社の商品やサービスに対する改善点はありますか
商品やサービスの改善点を聞かれたときの例文
私は御社の配信サービスが非常に好きで、自身もユーザーとして1日30分は使用しているのですが、しいて言えば画面下に配置しているイラストが小さいことが改善点かと感じます。
洗練されており、どんな年齢層にも好まれると感じるデザインと感じ、個人的には大変好きなのですが、それゆえ「もっとしっかり見たい」という気持ちが働きます。そのため少しイラストの主張を大きくしていただくとデザインが目立ち、他者との差別化も図れるのではないかと感じます。
アドバイザーからワンポイントアドバイス社長面接では企業理解や熱意を探る質問で応募者を見極める
野村 芳克
プロフィールを見る1. 企業への深い理解と当事者意識
もし私が社長として面接を担当するなら応募者の人には下記のような質問をします。
「当社の事業をあなたが担当するとした場合に、現状維持ではなく、革新的な変化を起こすためにどんな提案をしますか? その背景、具体的な実現ステップ、予想される課題と対策まで教えてください」
この質問から、私はおもに以下の3点を見極めたいと考えています。
付け焼き刃の知識ではなく、当社の事業を深く理解しているかどうかを探ります。単なる傍観者ではなく、「自分ならどうするか」という当事者意識があるか、業界トレンドや競合動向まで踏まえ、具体的な提案ができるかなどを見るでしょう。
2. 論理的思考力と問題解決能力
アイデアの斬新さだけでなく、そのアイデアが論理的に構築され、実現可能性があるかどうかも大切なポイントです。さらに、アイデア実現の過程で発生しうる課題を事前に予測し、それに対する具体的な対策まで考えられているかどうかも見極めます。
3. 熱意と主体性
「なぜそのアイデアに至ったのか」という背景からは、応募者の興味関心や情熱の有無を見ることができます。また、現状維持ではなく「革新的な変化」を提案できるかからは、受け身ではなく、自ら課題を見つけ、解決しようとする主体性があるかを見極めることができるでしょう。
社長面接の注意点! 落ちやすい人の特徴とは
ここまでで社長面接の事前対策については理解できた人が多いでしょう。しかし、対策がバッチリだと思っていても不合格になる場合もあります。
実は、落ちてしまう人には共通点が存在するのです。
ここでは、社長面接で落ちてしまう人の特徴について解説していきます。面接後に後悔しないように事前に特徴を理解しておきましょう。
企業が目指すビジョンと学生のビジョンが一致しない
記事の冒頭で社長面接をおこなう目的として紹介したように「企業のビジョンと学生のビジョンが一致しているかを確認する」というのが社長面接の重要なポイントです。
そのため、社長は学生の回答からマッチ度を探っています。さまざまな角度から回答を深掘りしていき、目指す方向性が一致しないと見極められてしまうと不合格となってしまうのです。
たとえば、ベンチャー企業やスタートアップ企業であれば「将来的には起業したいため御社で基礎を学び成長したいです」などと伝えても問題ないかもしれません。
一方で、大手企業や中小企業であれば、「御社で〇〇のスキルを身に付けて、将来的には独立したいと思っています」などの発言は、マイナスにとらえられる可能性があります。
なぜなら、そうした企業の経営者は、企業のビジョンを実現するために自らの能力を発揮してくれる人材を求めているからです。成長後に企業から巣立ってしまう人材は方向性の不一致と評価されるかもしれません。
大切なのは、企業のビジョン実現に向けた過程において、自分の成長を望む姿勢を表すことです。自分の成長を第一に考えるのではなく、貢献の先に成長があることを伝えるように意識しましょう。
企業の求める人物像とのマッチ度が感じられない
社長は自身の会社を守るため、従業員の働きやすさを確保するために、カルチャーや価値観などの社風を誰よりも大切にしています。
そのため、どれだけ優秀な人材であっても、自社の求める人物像とマッチしないと感じれば、採用を見送る可能性もあるのです。
たとえば、「成長スピードを優先」「何事にも恐れず挑戦」といったカルチャーを重んじる企業で「ルーティンワークが得意」「安定した環境で働きたい」などと伝えてしまうとミスマッチだと判断されるでしょう。
こういった事態を避けるために、企業がどういった人物を求めているのかを把握する必要があります。社員インタビューを読むことで、その企業で活躍している人が一体どんな人なのか、どういった価値観を大切にしている人が多いのか、などを知ることができるでしょう。
そのほかにも、企業理念を見ることで求める人物像を把握することが可能です。さまざまな手段で企業について理解していきましょう。
入社意欲が感じられない
社長は社員の誰よりも愛情と熱意を持って会社を経営しているため、同じくらいの熱意を持った人材を望んでいます。
そのため、「内定が出たら就活を辞めますか?」、「第一志望ですか?」などの意欲を確かめる質問に対して曖昧な返事をしてしまうとマイナスな評価につながります。
また、企業についての理解が浅く、どんな企業でも通用するような志望動機であったり、少し調べたらわかるような内容を逆質問で聞いたりすると、志望度の低さを感じ取られてしまい、不採用につながる可能性があるでしょう。
「絶対にこの会社に入社したい」という思いを、自分の言葉で伝えられるように準備しておくことが大切です。
アドバイザーからワンポイントアドバイス社長面接では浅い回答は見抜かれる! 3つの観点に要注意
平野 裕一
プロフィールを見る志望企業については徹底的な理解が必須! 自身の言葉で語ろう
私が自身の会社で社長という立場で面接する場合に最も重視するのは、応募者の「熱意」です。私が求める熱意は、「第一志望です!」といった表面的な言葉ではありません。その言葉の裏にある、本質的な熱意を重視しています。
なぜなら、真の熱意は、会社への深い理解と、そこに対する強い思い、そしてこれまでの主体的な行動から生まれると考えるからです。
下記3点から熱意を見極めるようにしています。
まず一点目が、会社への理解と共感です。当社の事業内容や理念を時間をかけて深く調べ、自分なりに考え抜いた視点を持っているかを注視します。
次に、「なぜ当社なのか」という強い思いです。数ある企業のなかで、なぜ当社でなければならないのかという志望理由を、自身の言葉で具体的なエピソードを交えて語れるかを見ています。さらに、当社でどう貢献したいのかというビジョンを語れるかについても非常に大切です。
そして、主体的に行動してきた経験があるかを見ています。これまでのキャリアで、自ら課題を見つけて主体的に行動し、成果を出してきた経験があるかをしりたいのです。当社には、社員一人ひとりの主体性が不可欠だと思っています。
これらの要素は、曖昧な返答や少し調べればわかるような逆質問からは見えてきません。皆さんが「絶対にこの会社に入社したい」という強い思いを、自身の言葉でどれだけ具体的に伝えられるか。そこにこそ、私が求める「熱意」の本質があります。
社長面接の気になるあれこれ! Q&Aで疑問を解決
ここからは、社長面接に関する疑問をQ&A方式で解説していきます。
学生や既卒就活生の抱えるリアルな悩みに、キャリアアドバイザーが回答しているので、気になる疑問を解消してくださいね。
押さえておくべきポイントと心構えは?
社長面接で押さえておくべきポイントや心構えについて知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。
社長の呼び方や役員面接との違いなど、知っておいて損はない情報ばかりです。一歩進んだ対策に活かしていきましょう。
合否フラグや通過率を教えて!
社長面接は狭き門のため、合格のサインや通過率について知りたい人も多いのではないでしょうか。基本的な情報がないと、一喜一憂してしまい、ストレスと感じてしまうこともあります。
そうした不安を減少させるためにもぜひ、下記の記事を参考にしてみてください。
聞かれること・聞くべきことは?
社長面接では質問への回答準備と逆質問の準備が必須だと解説しました。中途と新卒でも内容が異なるため、自分の立場に合わせた対策が必要です。
下記の記事では、社長面接での質問や逆質問に関する疑問を解決しているので、気になる人は参考にしてみてください。
経営者目線を意識した対策で社長の心をつかみ内定を獲得しよう
社長面接は、経営者の目線の深さ、高さを意識した対策が不可欠になります。そのため、ほかの面接よりも特に綿密な企業研究が必要です。
社長面接をする企業は、「ヒト」を大切にする会社であり、入社後もいきいきと働いてほしいと願っています。入社後のミスマッチを防ぐためにも、面接を通じてあなたの人柄を深く知りたいと思っているのです。
内定をゴールにするのではなく、自身の根底に向き合って対策することが、結果的に内定への近道になりますよ。
アドバイザーコメント
隈本 稔
プロフィールを見る社長面接で企業の過去、現在、未来とのマッチ度を確認しよう
社長面接は、その会社のトップである社長の考えを直接聞ける絶好の機会です。
自分が興味を持った会社が、過去にどのような思いでつくられ、現在どのように社員とともに企業活動をおこない、将来的にどうしたいのかを確認できる場です。また、たとえ創業者がその社長ではなくても、その企業の現在を支えている立場の人であり、社長の考えがそのまま働く現場に反映されます。
社長面接は特にミスマッチを防げる有効な機会
採用されて入社した後には、「自分の理想との違いに苦しむ(=リアリティショック)」ことがあります。
そうならないためにも、社長面接で会社のトップの考えを知り、自分が入社後に取り組みたいと考えていることについて社長の答えを聞き、自分と社長とのマッチ度を確認しましょう。
社長面接は緊張すると思うかもしれませんが、企業規模によっては社長と面接できないこともあります。そういう意味では、またとないチャンスです。また、社長面接まで進んだということは、あなたと一緒に働きたいと思ってくれている人がすでにいるということです。
これまでの面接の振り返りをしっかりおこなったうえで、最後まで相手への配慮を怠らずに「入社前の最後のすり合わせ」のための面接と考えて臨みましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/性格応用心理士1級
Minoru Kumamoto〇就職・転職サイト「職りんく」運営者。これまで300名以上のキャリア相談を受けた実績。応募書類や採用面接の対策支援をする他、自己分析の考え方セミナーを実施
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/合同会社e-career connect
Masayo Miyoshi〇幅広い領域においてキャリアコンサルティングの経験を積み、行政や企業向けのキャリア研修PG開発、講師業などにも携わる。対個人・対組織の支援を両輪でおこなっている
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/インテグラルキャリア研究所所長
Keiichi Yokoyama〇20歳後半からカウンセリングの勉強を始め、キャリアに比重をおくコンサルティング、人材育成を企業内で推進。独立後は大学のキャリアセンターで学生の就職支援にもかかわる
プロフィール詳細国家資格キャリアコンサルタント/国家検定2級キャリアコンサルティング技能士
Yuichi Hirano〇主体的なキャリア形成にて代表取締役を務める。福商実務研修講座にて講師を担当するほか、人材サービス会社などで実践を重ねる。18年間で1万人以上の面談実績あり
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/キャリアシンク・オフィス代表
Yoshinori Nomura〇IT業界・人材サービス業界でキャリアコンサルタントの経験を積む。培ったノウハウをもとに、その後はNPO支援団体として一般企業人の転職相談・就活生への進路相談を担う
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/むらや社労士事務所代表
Yoko Muraya〇上場企業を含む民間企業での人事・採用経験約20年。就職支援や転職相談に従事し多くの求職者を支え、セミナー講師も務める。社労士の専門知識を活かし温かい雰囲気で各人に寄り添う
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