この記事のまとめ
- 社長面接の逆質問は企業規模と社長の経歴に沿った内容にしよう
- 逆質問では会社との相性や入社意欲の高さがみられる
- 質問を作るときは「社長にしか聞けないこと」を徹底しよう
- 面接力診断ツール
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社長面接での逆質問は、合否を分ける重要な要素の一つです。逆質問をこれまでの面接でもした人はいると思います。しかし、社長面接は特徴が異なり、これまでの面接と同じ質問では悪い印象を残してしまう可能性さえあります。
社長面接の特徴は、なんといっても社長が面接官を務める点です。社長は会社の最高責任者であり、会社の方向性を決めています。社長面接の逆質問では、社長にしか聞けない質問をすることができるかが重要です。
また、社長面接といっても、会社の規模や社長の個性などによって内容が大きく異なります。たとえば規模の小さいベンチャー企業では社長面接の時間が長くなる傾向にあり、より深い内容の逆質問が求められることもあります。会社の規模と社長の特徴を鑑みた逆質問を作っていきましょう。
この記事では、社長面接の特徴を挙げ、会社や社長の特徴に沿った逆質問の作り方を紹介していきます。キャリアアドバイザーの谷所さん、上原さん、横山さんの解説も参考にしながら、社長の印象に残る逆質問で内定へとつなげてください。
社長面接の通過率は50%以下? 逆質問は内定率アップの重要要素!
社長面接の合格率は50%程度とされています。ただし、会社によって大きく異なります。従業員が少なく社長が採用に大きくかかわる企業では、合格率が極端に低くなることもあります。合格率が決して高いとは言えない社長面接を通過するために、逆質問は重要な要素の一つです。
この記事では、社長が逆質問をする意図を紐解き、企業規模や社長の個性に沿った社長にしか聞けない質問の作り方を解説します。また、質問を作ったあとにブラッシュアップする方法や注意するポイントも挙げているので、質問を見直してみてください。
質問がなかなか思いつかない人のために、どんな企業でも使える基本例文、そして会社規模と社長の経歴ごとの質問例を用意しました。周りに差をつけて内定につなげるためにも、しっかりと逆質問を準備していきましょう。
社長面接では逆質問以外にも、自己PRや志望動機の伝え方などで気を付けたいポイントが多くあります。社長面接の全体の対策を深めたい場合はこちらの記事を参考にしてみてください。
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社長が逆質問を求める3つのワケ
社長が逆質問の機会を設ける大きな狙いは、社長側と学生側の双方の理解を深めるためです。
双方の理解とは、大きく分けて3つに分類されます。社長が逆質問をする狙いをつかみ、質問を考えていくようにしましょう。
- 社長面接で逆質問をされるタイミングは、面接の最初や最後などどのようなときが多いでしょうか?
一般的には最後が多い
一般的には最後が多くなっています。ただ、社長の中には、自社とマッチングをしているか、志望度が高いかを見極める目的で、最初に逆質問をおこなうケースもまれにあります。
社長面接の逆質問は、疑問や不安があれば解消してほしいと考えているので、面接の最後に質問がないか問いかけることが多いです。
①会社とのマッチングをみたい
社長面接の逆質問は、学生が自社との相性が良いかを測る目的があります。逆質問で相性が悪いと判断された場合は、内定につながらない恐れがあります。
たとえば、学生が「一人で黙々と仕事に集中できる環境があるか」と質問をしたとします。社員同士のコミュニケーションを大切にしている会社であれば相性が悪く、一人ひとりの技術を高めてもらいたいと考える会社であれば相性が良いと判断されるでしょう。
逆質問では企業側からの一方的な面接ではわからなかったマッチングの部分が明らかになることがあります。企業と相性が良いということを伝えられるような質問を心掛けましょう。
②入社意欲の高さを知りたい
社長面接では最終的に、入社意欲の高さが決め手となって採用になることがあります。逆質問では入社意欲を伝えることができるので、しっかりと質問を練っていきましょう。
たとえば企業の社風に関する逆質問をするとします。
入社意欲が伝わる逆質問の例文
御社の挑戦をし続ける社風に感銘を受けました。入社後に多方面の事業に挑戦していきたいと考えていますが、社長から見て多くの挑戦をしていける社員の資質はどのような点だと考えますか?
入社意欲が伝わりづらい逆質問の例文
御社の挑戦をし続ける社風に感銘を受けました。自信はないですが、私にも可能でしょうか?
どちらも社風に感銘を受け、入社したい意欲があることはわかります。ただ、入社してからの活躍を考えているか、それともその環境に身を置きたいと考えているかで、社長に伝わる入社の熱意は異なります。後の例では受け身な印象を持たれ入社意欲が伝わりづらいので、入社後の姿を念頭に入れた質問をしていきましょう。
③疑問や不安を解消してほしい
そもそも社長が逆質問を求める理由は、学生が持つ疑問や不安を解消するためです。疑問や不安を解消することにより、学生が納得したうえで入社することを選んでくれるとみています。納得感の高い学生は入社後も自分らしく、長期間にわたって力を発揮してくれると考えています。
データをみると、企業側の焦りも透けて見えます。厚生労働省が2024年2月に発表した一般職業紹介状況によると、有効求人倍率は1を超えています。
また、同じく厚生労働省が2023年10月に発表した新規学卒就職者の離職状況によると、新卒から入社して3年以内に退職する割合は約3割に上るようです。就職活動が売り手市場かつ新卒者の離職率も一定数いるなかで、企業は新卒入社の学生に選んでもらい、長く働いてもらおうと考えています。
有効求人倍率とは
仕事を探している1人に対して、何件の求人があるかを表す数値。計算方法は「有効求人数÷有効求職者数」。数値が1を超えると仕事を求めている人より求人が多い売り手市場、数値が1を下回ると仕事を求めている人に対して求人が少ない買い手市場
また、学生としても疑問や不安が残ったまま入社して、働きづらい思いはしたくないですよね。後ろ向きな理由で退職し、転職活動をするというのも骨が折れることにつながります。逆質問で疑問や不安を解決して入社を決めることは、双方のメリットになります。
アドバイザーコメント
横山 慶一
プロフィールを見る社長が自ら自社の魅力や成長の可能性をアピールする目的がある
社長が逆質問をする狙いは、自ら自社の魅力や成長の可能性を示し、優秀な人材を集めるためです。
採用面接は企業と学生が相互評価する場です。そこで互いの目的意識が一致していることを共有できれば、学生のモチベーション維持や長期的に働くことにつながります。
また、学生が自ら質問する機会を設けることで、等身大の意見や主体性を知ることができます。社長は学生の質問からリーダーシップや問題解決能力、戦略的思考などを評価し、逆質問を通じて個性やキャリア観を把握できると考えているのです。
学生の適性や意欲を深く理解しようとしている側面もある
社長は逆質問を通じて学生と会話することで、適切な返答や会話の展開ができるかという点も判断しています。会話をするなかでコミュニケーション能力や、企業への理解度を知ることができるからです。
もし、コミュニケーション能力や会社への理解が不十分な場合は採用を見送ることになると考えられます。
社長は最終面接として総合的な判断を下すために、逆質問を通じて学生の適性や意欲をより深く理解し、企業との適合性を確認しようとしています。
社長面接の逆質問の本質は「社長にしか聞けないことか」
社長面接の逆質問では、必ず社長にしか聞けないことを質問してください。質問を作ったあとにも必ず、この観点で見直してみてくださいね。
社長は会社の最高責任者として、会社の方針を決めています。方針とは今後の事業、従業員の配置や働き方、会社として目指す目標といったことです。あなたが入社してどのように働くかは、社長の決める方針に左右されることになります。
入社後のあなたの働き方に大きくかかわる部分なので、社長が今後どのように会社を経営していこうと考えているかを聞くようにしましょう。
また、入社後はなかなか社長と話す機会もありません。社長へ直接質問をぶつけることができる貴重な機会なので、自分の疑問や心配を積極的に聞きましょう。
社長面接を目前に控えどうしても緊張を感じてしまう人もいるのではないでしょうか。面接の緊張を和らげる方法を知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
面接で緊張しないためには? 事前準備~当日の対策方法を徹底解説
- 社長面接で逆質問がない場合もありますか?
ない場合も想定した準備が必要
当然ない場合もあります。そのため、逆質問がないことも想定して面接に臨まないといけません。面接を通じて自分の熱意と興味をしっかりと示しておくことが大切です。
質問に対して適切な回答をし、積極的な態度で対応することで、企業への興味や意欲をアピールします。
また、面接の中でなされた内容に対するやりとりを通じて、自分が質問したいことを聞いていくことも有効です。
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企業によって違う! 逆質問は3つのゴールから逆算して作ろう
社長が逆質問を求める意図はわかったものの、どのような質問をすればいいか悩む人も多いのではないでしょうか。質問を作るときには、3つのゴールから逆算すると作りやすくなります。
質問を作るうえで、企業や社長の特徴をつかむことも大切です。質問が作れたとしても、企業や社長の特徴に則していないものの場合は、企業側からすると質問の意図がわからず、コミュニケーションがうまくできない学生だという印象につながってしまいます。
質問で得たい回答から逆算し、そのための下調べもきちんとおこないましょう。
企業によっては社長面接以外が最終面接となる場合もあります。最終面接の逆質問に特化して対策をしたいと考えている人はこちらの記事の質問例なども参考にしてみてくださいね。
最終面接の逆質問30選! 内定をつかむ必須準備と差別化のコツを解説
こちらの記事では面接官の特性に応じた逆質問を50例付きで解説しています。あわせて参考にしてみてください。
面接の逆質問50例|熱意を伝えつつ企業とのマッチ度を見極めよう
①企業への理解が深まる質問
逆質問で回答を得た際、企業への理解が深まるというゴールを想定しましょう。質問を考えるうえでもととなるのは、企業の情報です。規模や事業内容、面接でわかった社内の文化をもとに質問を作っていきましょう。
また、企業規模を把握することは、社長面接の内容を推測することにも役立ちます。特にベンチャー企業では社長が採用に深く関与することも多く、面接の時間が長くなる傾向にあります。事業内容を詳細まで把握し、自分の意見も含めた質問が求められます。
社長面接は社長から直接、会社の経営方針やビジョン、社風などについて聞くことができる貴重な機会です。
そこでの逆質問は社長の考えや人柄について本音を聞ける重要なチャンスであり、自分がその会社で働きたいかどうかを判断する大切な意味があります。
会社規模・事業などの概要をつかむ
HPの情報や中期経営計画、会社四季報などを参考に、会社の規模と事業の概要を確認してください。事業の概要を確認するなかで、なぜこの事業に力を入れているのか、今後はどのような事業に注力するかなど、気になることが思い浮かぶ人もいるはずです。その疑問を質問に変えていきましょう。
また、会社規模を従業員数で見たとき、下記のように大きく分けることが可能です。ただし業種によって会社規模を判断する従業員数が異なるため、社長への逆質問を作るうえでの目安として考えてくださいね。
従業員数別の会社規模(目安)
- 小規模事業者……~50人未満
- 中小企業……50人以上~100人未満
- 大企業……100人以上
会社規模によって面接の内容は大きく変化します。規模が小さくなるにつれて社長が面接に深く関与し面接の時間が長くなっていくことを念頭にいれ、質問を複数作っていきましょう。
企業の文化や社風を把握する
企業研究や面接の振り返りからわかった、企業の文化や社風について一度書き出してみましょう。たとえば、上司と部下の風通しが良い、仕事に熱心な人が多いなど、共感する雰囲気が浮かぶでしょうか。
企業の文化や社風は、会社のトップである社長が作り上げてきたものです。そのため、社長の考え方が色濃く反映されている部分が多くあります。
共感する点や感銘を受けた部分をもとに、その背景や社長が大切にしていることを質問していきましょう。
業界・企業研究で他社と比較してわかった強み
業界・企業研究でわかった企業の強みをもとに、今後の見通しをたずねる質問を作っていきましょう。
業界研究では、業界における現状のシェアや競合との違いを入念に調べていきましょう。業界内での目標や競合といかに差をつけていくかという部分は、社長しか知りえない今後の方針にあたります。
企業研究では、企業の得意としている商品やサービスがどのように誕生したのかを調べていくと社長への質問に発展しやすくなります。会社の強みがどのようにして作られたのかという点は、社長ら経営陣が方向性を決めて進んできた結果です。そして今後はどのように継続や改善をしていくのかということを質問にしていきましょう。
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②社長を知れる質問
社長面接の逆質問で社長を知ることも大切です。社長は会社の方針を決める役割を担っているため、事業方針だけではなく社内の雰囲気や働き方についても大きな影響力があります。社長がどのような経験や考えのもと、会社のさまざまな決定をしているのかを知ることは、入社前に漠然と抱く不安を解消するのに有効です。
社長の考えや思いを詳しく聞ける機会は、入社後は少ないことが一般的です。特に大企業では社長と顔を合わせる機会はなかなかありません。社長のことを深く知るというゴールから逆算して質問を作りましょう。
社長を知るための質問を作るためには、社長が発信している記事やSNSを読むことが有用です。社長の発信を知り自分がどう考えたかを明確にし、質問へと変えていきましょう。
逆質問をすることで社長のビジョン、リーダーシップ、企業文化、価値観などをより深く理解することができます。
直接社長の話を聞くことで、自分に合う企業かどうか見定める大きな手助けとなります。
社長の経歴を確認する
社長の経歴は企業HPに書かれていることが多くあります。社長のあいさつやメッセージをぜひ確認してみてください。また、社長の名前を検索エンジンに入れるとインタビュー記事が出てくることもあります。ぜひ読んでおきましょう。
経歴を確認しているときにおすすめなのが、社長が当時どのようなことを考えていたかを想像してみることです。想像をもとに自分と比較したり、社長が今後どのように考えるかを想像すると質問になることがあります。
書籍やSNSでの発信を調べる
社長は自身の経歴や考え方をまとめた書籍を出版していたり、雑誌にインタビュー記事が載っていることもあります。すべてを購入することは難しいので、大学や地域の図書館を活用して確認しましょう。
最近ではTwitterやYouTubeなどのSNSやメディアで発信をしている社長も多いです。SNSでの発信は頻度が高く、情報が比較的新しいことも特徴です。気になった発言をメモしたり、共感した部分を挙げておき、社長の発言の背景や目指すことをふまえた質問を考えましょう。
③自分の入社意欲が伝わる質問
社長が面接で逆質問をする意図として、入社意欲の高さをみていると解説しました。逆質問では入社意欲が伝わる質問をしていきましょう。
入社意欲の高さを伝えるには、入社後にどのように貢献していこうと考えているかを具体的に質問に織り込むことが大切です。
自分の入社意欲が伝わりづらい質問例
グローバルな人材として必要な資質はなんだとお考えですか?
自分の入社意欲が伝わる質問例
留学で身につけた英語を活かしたいと考えますが、●●部署で●●のサービスを多くの人に届けることができるグローバルな人材として、必要な資質はなんだとお考えですか?
入社後にどの部署でどんな仕事をしたいと考えているのかということを具体的に示して質問することにより、社長に入社をより前向きに考えていると伝えることができます。
たとえば、語学力を活かしたいと伝える質問をしたとしても、入社後に語学力を活かせる部署への配属が検討されていない場合、採用に至らない可能性があります。入社後のキャリアを考えて質問することが大切です。
これまでの面接を振り返る
具体的な入社後のイメージを考えるためには、これまでの面接を振り返ってみましょう。面接官と話してわかった企業の文化や社内の雰囲気をリストアップしましょう。自分が働くうえで大切にしたい雰囲気や惹かれるところはあるでしょうか。
企業の文化や雰囲気を作り上げているのは社長です。特に創業社長の場合は、一から自分自身で会社を立ち上げたため思い入れも強く、創業当時から変えていない会社の雰囲気がある場合もあります。
入社をするうえで惹かれている文化や社風の背景を考え、社長の思いや今後どのように継続や改善をしていきたいのか質問してみましょう。ちなみに、面接官を務めた社員は、社内で活躍をしている社員であることが多いです。面接官の社員が話した社内の話から考えたことも質問にしやすいです。
入社後をイメージする
あなたが入社してどのように働いているかということをなるべく具体的に想像してみてください。想像するときはどのような部署で、どんな仕事をするのかという点まで細かく考えましょう。そこで活躍するためにできる準備や心構えを質問にしましょう。
学生が主体的に入社後の姿を考え、準備をしている姿は社長側から見ると意欲が高く映ります。反対に、入社後のイメージができておらず、何をしたらいいかわからない受け身の学生は魅力的に映りません。
企業理念や経営方針で共感した点
企業理念や経営方針で共感した部分を挙げ、その背景や今後の方針について社長に質問をしましょう。
企業理念などは、創業社長の場合は自身で作り上げたものなので大きな思いが詰まっています。また雇われ社長の場合は、どのように維持、発展をさせていくかを考えています。社長にしか聞けないこの部分を深掘りしていきましょう。
企業理念などに共感した場合は、あなた自身の体験と重ねている部分もあるのではないでしょうか。社長が質問に答えたあと、なぜ質問をしてきたのかとたずねられた場合には、共感のもととなった自身の体験を話すことで自己PRにもつながります。
企業理念や経営方針で共感した点をもとにした質問は、双方の理解がより深まるきっかけになります。
逆質問の質を上げる3つの視点
逆質問の質を上げる3つの視点
- オープンクエスチョンにする
- 自分の考えをプラスする
- 回答を想定し深掘りしてみる
逆質問を作ったものの、質問が少し物足りないと感じてしまう人もいると思います。質問は形を変えたり、自分の考え方をプラスすると質が上がります。
社長面接は最終面接になることが多く、ほかの面接に比べて学生の回答が深掘りされる傾向にあります。3つの視点で自分の質問を見直し、社長面接に耐えうる逆質問にしていきましょう。
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①オープンクエスチョンにする
オープンクエスチョンとは、回答が「はい」「いいえ」で終わらない質問のことをさします。質問するときに相手の体験談や意見、考え方を聞くように心掛け、回答が一言で完結しないように工夫しましょう。
オープンクエスチョンになっていない質問例
企業理念をもとに今後もビジネスを展開していきたいですか?
オープンクエスチョンになっている質問例
企業理念をもとに今後はどのようなビジネスを展開していきたいとお考えですか?
オープンクエスチョンにすると相手から具体的な意見を聞けることが多く、理解が深まります。質問の形を今一度、調整してみてください。
オープンクエスチョンで質問することで、社長の言葉を通じて詳細な情報を得られるだけでなく、性格や特徴などが理解できることがあります。また、話の内容から別の話題に展開するなど、情報が広がっていくことが期待できます。
②自分の考えをプラスする
自分の意見を表明した後に、社長の意見を聞くという質問の形にしてみてください。メリットは2つあります。
1つめは、入社の熱意が伝えやすい点です。企業研究の成果や面接で心に残ったことを表明することができます。
2つめは、社長が答えやすくなります。どういう考えをもとに質問をしてきたかということが明確に伝わるためです。
自分の考えがプラスされていない例文
お菓子メーカーとして御社が創業して100年続いた秘訣は何だと考えていますか?
自分の考えがプラスされている例文
企業研究をする中で顧客の声をもとにお菓子の味を改良し続けていることで、御社が成長し続けていると感じました。社長は御社が創業して100年続いた秘訣を何だと考えていますか?
社長面接の逆質問で自分の意見を伝えるメリットは、直接トップに自分の考えや志向をアピールして、社長とのコミュニケーションを深めることができることです。採用後に覚えておいてもらえると大きな影響があります。
③回答を想定し深掘りしてみる
社長面接の逆質問を作り終えたら、社長からどんな回答が返ってくるかを想定してください。回答の背景を考え、質問を重ねる準備もしておきましょう。
社長面接は特に、最終面接であることが多く、学生の質問や回答が深掘りされる傾向にあります。そのため、社長面接の逆質問を起点に、社長から質問を受けることもあります。そこでより深い質問で社長に印象を残せるように準備をしましょう。
逆質問の想定
学生:企業研究をする中で顧客の声をもとにお菓子の味を改良し続けていることが、御社が成長し続けている秘訣だと感じました。社長は御社が創業して100年続いた秘訣を何だと考えていますか?
社長:私もその通りだと考えています。なんでその質問をしようと思ったの?
学生:企業研究の中で顧客へのヒアリングの件数と製品の改良が多いことがわかり、そこに注目をしました。そのうえで社長がどのようにお考えなのか気になりました。
社長:なるほど。よく企業研究をしているね。あなたが弊社に魅力を感じているのは………
社長の回答を想定して深掘りする方法
- 社長は「顧客の声をもとに味の改良を続けたことが創業100年続いた秘訣」と回答するのではないか。
↓ - 社長の回答に質問を重ねるとしたらどのようなことを聞きたいだろうか。
・味の改良はほかの企業よりも多いのだろうか
・顧客へのヒアリングはどのくらいおこなっているのだろうか
・味の改良はほかの企業よりも多いのだろうか
・顧客へのヒアリングはどのくらいおこなっているのだろうか
・企業理念が関係しているのだろうか
・社員同士の意見交換が活発なことも要因だろうか
・純粋に社長が製品をとても好きでこだわりを強く持っているからだろうか
↓ - 追加質問のためにどのようなことを確認しておいたほうがいいか。
・業界研究や企業研究を見直し特徴を確認しておく
・実際にどんな経営方針で製品開発をしているのかを調べる
・これまでの面接でわかった社風や社員同士の雰囲気をまとめておく
・社長のインタビューを見て会社や製品への思いを確認しておく
逆質問でより深く企業や社長の考えを知れることは学生に大きなメリットとなります。回答や会話を想定して、企業研究の再確認や追加質問を考えておきましょう。
作った逆質問を最後に点検! 3つの要点
作った逆質問を最後に点検! 3つの要点
- 質問は5~10個用意してあるか
- 言葉遣いは適切か
- 声に出して違和感がないか
社長面接の逆質問が作成できたら、本番を想定して練習をしましょう。ただ、いざ練習してみると意外な準備不足や違和感がわかることもあるはずです。3つの要点を確認しましょう。
①質問は5~10個用意してあるか
質問の個数はおおよそ5~10個用意しておきましょう。逆質問は3~5個程度することが多く、用意したすべての質問をしないかもしれません。
ただ、質問ができないという状況は入社意欲が低いと誤解されてしまう可能性があります。あまり良い印象が残らないため避けたいところです。変な誤解を生まないように、質問は5~10個作っていきましょう。
- 社長面接で質問する個数はどのくらいが適切でしょうか?
社長にしか聞けないことを2~3つ質問しよう
質問の個数は一概に決まってはいませんが2つか3つだと思います。相手は社長なので、ほかの社員にでも聞けるような内容ではなく、社長にこそ聞いてみたいことを厳選する必要があります。
質問を通じて自分の興味や会社への適合度をアピールし、好印象を残すことができると最高です。長い質問や複雑な内容、答えにくいことを聞くのではなく、スムーズな対話をする能力があることを示せるように心掛けましょう。
②言葉遣いは適切か
社長と話すときに適切な敬語が使えているかはとても重要です。敬語をうまく使えていない場合は失礼な印象を残してしまう可能性があります。細心の注意を払いましょう。
おすすめなのは、就職エージェントやキャリアセンター、家族に質問を聞いてもらうことです。自分では気づかなかった敬語のミスに気づけるきっかけになります。
学生がやりがちな敬語の失敗例
- あいづちや返事
・×なるほど→はい/わかりました/承知いたしました/おっしゃる通りです
・×了解しました→承知いたしました
・×参考になりました→勉強になりました
・×ご連絡させていただく→ご連絡します - 会話中の二重敬語
・×おっしゃられた → おっしゃった
・×ご経験された→経験された
・×拝見させていただいた→拝見した
・×伺わせていただく→伺う - 呼び方
・×○○社長様は→○○社長/○○様は
・×貴社は→御社は
貴社と御社はいずれも敬語ですが、書き言葉と話し言葉の違いがあります。貴社と御社を間違えた場合は就活にどのような影響があるか気になる人もいるのではないでしょうか。こちらの記事を参考に就活の言葉遣いを見直してしてみてくださいね。
御社と貴社を間違えたらどうなる? 就活で役立つ言葉遣いも紹介
就活に際して社会人として必要な基本的なビジネスマナーを身に付けていることが必須です。正しい言葉遣いを身に付けていることで、それをアピールすることができます。第一印象がよくなり、信頼感を与えることができます。
「差し支えなければ」「恐れ入りますが」
質問をするときにクッションとなる言葉を使うことで印象をよくすることができます。使いやすいのが「差し支えなければ」「恐れ入りますが」というフレーズです。
差し支えなければ
答える相手に不都合があった場合に無理をさせないというニュアンスをつけることができる
「差し支えなければ」を使った例文
差し支えなければ、○○について今後の展望を教えていただけないでしょうか?
恐れ入りますが
目上の相手に申し訳ないという気持ちを添えることができる
「恐れ入りますが」を使った例文
恐れ入りますが、○○社長が先ほどおっしゃっていた新入社員に期待をする部分を詳しく教えていただけないでしょうか?
ただし、すべての文章につければ良いというわけではありません。差し支えなければというのは、会社の戦略などの秘密に近い質問をするときに使いましょう。また恐れ入りますがというのは、相手が話した内容を深掘りする場合や社長個人のプライベートに近いことを聞くときに使いましょう。
③声に出して違和感がないか
質問は実際に声に出して読んでください。もし違和感がある場合は必ず直しましょう。間違いやすいポイントとして下記の2つがあります。
逆質問で間違いやすい2つのポイント
- 質問が長い
- 敬語がおかしい
質問する時間があまりにも長いと、答えるほうが質問を理解することに苦労するので気を付けましょう。また、敬語がおかしいと失礼な印象を残してしまいます。いずれも相手への配慮が欠けると考えられてしまい、採用に至らない可能性が高くなります。
自信がない場合は、一度録音して自分で聞いてみることをおすすめします。質問の長さや敬語を考えながら聞き直してみてください。
社長面接に臨む前に、面接の練習を一人でやろうと考えている人もいるはずです。一人でおこなう面接練習をより効果的なものにしたいと考えている人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
一人でできる面接練習の方法|効果を劇的に高めるコツ6選
基本例文とシチュエーション別の質問例17選
社長面接の逆質問で使える基本例文を5個とシチュエーション別の例文を12個を用意しました。あなたの状況に合わせて文言を変えながら使ってみてください。
基本例文はどんな状況でも使いやすいものです。ただ、面接中に質問が解決されてしまう可能性も高いため、シチュエーションに沿った質問も準備しておきましょう。
シチュエーション別の例文は、会社の規模と社長の経歴によって分かれています。企業規模と社長の経歴の分け方は以下の通りです。ただし、業種によって会社規模を判断する従業員数は異なるため、社長への逆質問を作るうえでの目安と考えてください。
従業員数別の会社規模(目安)
- 小規模事業者……~50人未満
- 中小企業……50人以上~100人未満
- 大企業……100人以上
社長経歴
- 創業社長……自身で会社を創業した社長
- 雇われ社長……自身で会社を保有していない社長
企業の規模が小さくなると、社員数が少ないため社長自ら採用の可否を判断する場合が多くなります。そのため面接時間が長く、入社の意欲や企業とのマッチングをより細かくみられることになります。
社長の経歴に関しては、創業社長であれば会社の方針や創業当時から培ってきた文化について詳しく聞くことができます。雇われ社長の場合は、事業の最終的な決定権を握っていない場合があり、今後の方針については詳しいところまで聞けない可能性があるので考慮しましょう。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る会社規模と社長の経歴に合わせた逆質問は企業への関心の高さを示せる
小規模事業者、中小企業、大企業などさまざまな企業の社長がいますが、企業規模や創業社長、雇われ社長によって、社長面接の逆質問の内容を考える必要があります。
たとえば、小規模事業者の社長にSDGsの意欲的な取り組みについて質問をすれば、まだ考えられる状況ではないといった回答になるかもしれません。一方、大手企業の社長に入社までにおこなっておくべきことを質問すれば、人事に質問すべきだと捉えられてしまう可能性が高いです。
また、創業者社長に創業のきっかけなどは回答できても、雇われ社長は創業時について知らないこともあります。中小企業の社長に、将来大手企業になるために必要なことについて質問をして、社長が大手企業に関心がなければ、自社に合わない学生だと受け取られてしまうかもしれません。
創業社長の場合は特に経歴や経営方針を深く調べて面接に臨もう
社長面接の逆質問は、事業規模や社長の経歴に合わせて質問をおこないましょう。特に創業者社長は、愛社精神が強く独自の経営哲学を持っていることが多いので、社長の経歴や経営方針などについて調べたうえで質問をおこなうことが大切です。
しっかり準備をおこない、企業規模や社長の経歴に合わせた質問をおこなうことが、最終面接合格につながります。
基本例文5つで的を外さない
企業規模と社長の経歴を問わず、使いやすい基本例文の5つを紹介します。それぞれの逆質問の意図も記載しているので、あなたが逆質問で知りたいことと照らし合わせて使ってみてくださいね。
逆質問の基本5例文
①○○が競合にあげられると思いますが、勝つためには何が必要だと考えますか?
(自分の入社熱意が伝わる質問×企業への理解が深まる質問)
②今後取り組みたい事業とその理由を教えてください
(企業への理解が深まる質問)
③○○な社風を活発にするために、社長が心掛けていることを教えてください
(企業への理解が深まる質問×社長を知れる質問)
④社長が働くうえで大切にしている仕事観を教えてください
(社長を知れる質問)
⑤社長や優秀なビジネスパーソンに共通していることはどのようなことでしょうか?
(社長を知れる質問×自分の入社熱意が伝わる質問)
仕事観は面接でよく問われる王道な質問です。仕事観の理解が曖昧な人や自分の仕事観がわからない人はこちらの記事を参考にしてみてください。
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小規模事業者×創業社長
小規模事業者は従業員が少なく、創業年数が浅い場合もあります。そのためHPがあまり整っていなかったり、社長に関する情報が多くないことが予想されるので、手元に集められた情報は綿密にチェックしておきましょう。
また創業社長という経歴から考えて、創業したことに対する思い入れは人一倍強いはずです。社長の考えを深く聞けるように、回答を想定して深掘りしておいてくださいね。
例文①
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社長になるために必要なスキルはなんでしょうか?
小規模事業者の創業社長は、起業に強い使命感や思い入れがある場合が多くあります。法人化し社長となった要因を聞くことで、社長のことを深く知ることができます。また、「スキル」と聞くことにより学生にとって入社したあとの働き方で参考にできる情報を聞くことにもなります。
例文②
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社員一人ひとりの力を発揮するために、大切にしている考え方はありますか?
小規模事業者の場合、人数が少ないために社員一人ひとりの役割が大きくなります。社長としてどのように会社内の運営をおこなっているかを聞くことで、働き方を想定したり、入社意欲の向上に役立てることができます。
会社の組織文化やリーダーシップのスタイルに関心を持っていることを示す良い例です。社長の社員に対する考え方がわかるので、自分の価値観と差異がないか確認しましょう。
小規模事業者×雇われ社長
小規模事業者の雇われ社長の場合、社長に就任することとなった経緯が質問に活かせることもあります。社長の個人名をインターネットで調べたり、SNSなどで検索すると社長になる前の経歴などを確認できるかもしれません。
小規模事業者という特性上、社長と社員の距離は近くなります。社長に就任した経緯を踏まえながら、組織運営の考え方を聞き、入社した後の働き方を考える参考としていきましょう。
例文①
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競合に差をつけるために、社員一人ひとりが意識をしたほうがいいのはどういうことでしょうか?
小規模事業者の雇われ社長の場合、オーナーがほかにいるため、社長が会社の方針を決定する権限を持っていないことも予想されます。その代わり、社長と社員の距離が近く、一丸となって業務に取り組んでいることもあります。社長が求める社員の心構えを聞き、社長の考え方を深く知りましょう。
例文②
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社長が社員を採用する際に最も大切にしているのはどんなことでしょうか?
小規模事業者が新卒を採用するということは、人数が少ない会社にとって貴重な人手の増員となります。人手を増やすということは、会社にとってこれから力を入れていこうとしている現れです。どのようなことを大切に採用をおこなっているのかを聞き、会社の方針や社風を理解することに役立てていきましょう。
小規模事業者が新卒を採用するということは、社長が描くビジョンを実現するために若い力が必要だと考えていることが多いです。社員として意識したほうがいいことや、企業が採用で大切にしていることから、期待されている社員像を考えましょう。
中小企業×創業社長
中小企業は創業時に比べて一定の人数や事業規模へと成長しているため、企業や社長に関する情報が地元の新聞やHP、インターネット記事で公開されていることも増えてきているはずです。業界紙などもチェックしてみると質問作りに役立つこともあります。
創業年数を重ねている場合、就活会議などの就活サイトにこれまで選考を受けた学生の口コミが載っていることもあります。質問を作るうえで積極的に参考にしましょう。
例文①
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競合と比較して○○な部分が強みと考えましたが、社長はどこと考えていますか?
中小企業の場合は、大企業に比べ一人ひとりの社員に任される仕事の量が多く、裁量権も多いことが予想されます。また小規模事業者と比較すると、創業社長の考えのもと同じ部署の社員と協力するチームワークが求められることがあります。
会社の強みを通して社長の考えを知り、入社後に同じ部署の人と力を合わせることができるための準備として役立てましょう。
例文②
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社長が社員とコミュニケーションを取る際に最も大切にしていることはなんでしょうか?
中小企業の場合は創業時に比べて従業員数が徐々に増えているパターンも考えられます。人が増える中で社員とのコミュニケーションをどのように図り、円滑に進めているかについては社長の考え方や人柄が現れるポイントです。入社後の働き方を考えるうえでもぜひ質問してみてください。
具体的に社員に対する思いや日頃の仕事の際の接し方を聞くことができる良い質問だと思います。自分が楽しく働いていけそうか思い描いてみると良いでしょう。
中小企業×雇われ社長
中小企業は家族や親族で経営しているところも多くあります。そのため創業年数が長く、創業社長ではなく雇われ社長が就任しているという状況も考えられます。企業の歴史と社長の経歴の両方の面で情報を集めると、質問を作るうえで参考になります。
中小企業の雇われ社長という特性上、これまでの会社の歴史をよりよくしたいと考えていると予想できます、採用活動をおこなうのも会社を改善していくための手段である場合もあるので、将来のビジョンや企業文化の刷新について質問をしてみましょう。
例文①
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競合の○○に勝っていくためには、社長はどんな施策が必要と考えていますか?
中小企業の場合は、大企業より社員数が少ない反面、小規模事業者よりは資金がある場合が多いため、事業に関する意思決定のスピードが早い場合があります。雇われ社長は基本的には経営効率化のために役職についているため、今後の方針やスピード感を聞いていきましょう。
ちなみに、方向性について質問した場合は、学生側に意見を聞かれる場合もあるので対策をしておきましょう。
例文②
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御社の文化として○○な部分が挙げられると思いますが、社長が会社の文化を作るうえで大事にしていることはなんでしょうか?
雇われ社長として経営効率化を図るうえで、社内の文化や社員の雰囲気が良いに越したことはありません。その社内の文化に対して、互いの顔が見える中小企業の場合は、社長の影響力が大きく残っています。
これまでの面接の振り返りやOB・OG訪問でわかった社内の雰囲気や文化について、社長が今後どのように継続や改善をしていこうと考えているのかを聞きましょう。
例文①は、非常にオープンな質問で、競合に勝つための施策について社長の見解を知りたいという意図が伝わってきます。回答に具体性がないと、社長に対して情熱や意欲に欠ける印象を受けることもあります。
例文②は会社の文化を作るうえでの重要な視点について知りたいという主旨ですが、具体的なケースを示すことで具体的な回答をもらえるのではないかと考えます。
大手企業×創業社長
大手企業になるまで会社を成長させるには、並大抵の努力ではなし得ないことです。そのため創業社長には強い信念や考え方、成功体験から導いた独自の理論をもっている場合があります。大手企業の創業社長ならではの経営方針を聞いてみましょう。
また大手企業は資金や人材が豊富なため、新しい価値に挑戦することも視野に入れているはずです。将来に向けたビジョンを質問し、入社を検討する材料としていってください。
例文①
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事業の強みである○○を継続するために、どのような意識で業務に取り組んでいくべきだと考えますか?
大手企業になると、自社の商品やサービスが業界で上位になっていることが多くなります。創業から手がける社長が、自社の強みをどのように継続するかや伸ばしていこうと考えているかを聞くことで、これまでの会社の文化や業界で上位をとれた考え方について深く聞くことができます。
例文②
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これまでの事業での成功をふまえ、今後取り組みたい事業はどのようなことでしょうか?
大手企業の場合は、新規事業へ拡大していく可能性があります。新規事業の内容を聞くだけではなく、創業からこれまでの経緯を踏まえ、どのような既存事業やそこでの成功体験、考え方を活かして、今後につなげていこうと考えているのかを聞くようにしましょう。
大手企業では、今後取り組みたい事業について、企業のホームページに記載されていることがあるので、新規事業の質問であれば、これまでの事業の成功をふまえ新規事業の目標を達成させるために必要なことなど、さらに深掘りした質問をするといいですね。
大手企業×雇われ社長
大手企業の雇われ社長は、会社が成長を遂げてきた功績を守りながら、社会情勢に対応する必要があります。多くの社員を動かす難しさや苦しい経営判断に迫られることも予想できます。大手企業の雇われ社長ならではの観点を聞いてみましょう。
また大手企業として社会的な活動をする義務も負います。多くの社員を抱え、資本がある企業だからできることもあるため、社長が考える社会的な義務の果たし方に言及するのもおすすめです。
例文①
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SDGsに向けて意欲的に取り組みたいことはありますか?
大手企業の場合、企業の社会的責任がいっそう大きくなります。業務の継続と拡大だけでなく、社会的責任を果たすためにSDGsに取り組む企業が増えています。
雇われ社長は、自らの経験をもとに創業者とは違った視点で会社の価値向上を考える場合があります。比較的まだ取り組む企業が少ないSDGsについて質問することは、社長の考え方を知るうえで有効になります。
SDGs(エス・ディー・ジーズ)
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標のこと。17の項目に分かれ、貧困や教育格差、ジェンダー不平等の是正、経済成長と働きがいの創出などの目標が示されている。
引用:外務省「SDGsとは?」
例文②
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社長や上に立つ人間として大事なことはなんでしょうか?
大手企業の最大の特徴は人数です。雇われ社長の場合は、創業者から社長を引き継いだり、自社内で活躍して昇進を重ねたうえで社長になるなど、最初からトップとして企業にかかわり続けた人ではないことも多くあります。
社長がどのように多くの社員を束ねていこうと考えているかについては、社長の考え方が色濃く反映されます。ぜひ質問してみましょう。
面接で「質問はありますか」と聞かれた経験があまりなく、質問例が思い浮かびづらいと感じる人もいるはずです。質問はありますかと聞かれたときの質問例66選が載るこちらの記事も参考にしてみてください。
面接で「質問はありますか」と聞かれたら? 回答例66選を大公開
社長自身が大切にしている価値観や信条が知れる良い質問だと思います。この社長やこの会社の上司のもとで楽しく違和感なく働いていけそうか考えてみましょう。
逆質問で注意するべき6つのこと
逆質問で注意するべき6つのこと
- 「特になし」
- 社長以外が答えられる質問
- プライベートすぎる質問
- 現場での働き方に関する質問
- 会社の弱みを追求する質問
- 自分の心配事をもとにした質問
社長面接は最終面接になることが多く、ここまで選考が進んだにもかからず小さなミスで悪い印象となってしまうのは避けたいですよね。逆質問でマイナスな印象を残さないために、6つの注意点を意識してください。
以下の記事では面接で聞いてはいけない逆質問について解説しています。併せて参考にしてみてください。
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面接で聞いてはいけない逆質問7選! ミスを避けるコツとOK例文も
面接で聞いてはいけない逆質問をしてしまうと、採用担当者からの印象を下げる恐れがあります。本記事では、注意すべき逆質問と好印象につながるポイントについてキャリアコンサルタントとともに解説します。例文も紹介するのでぜひ参考にしてください。
記事を読む
①「特になし」
質問をしないということは避けてください。もし質問をしない場合は、「入社する意欲がないのではないか」と捉えられてしまい、内定につながりづらくなります。
また、質問をしないということは、企業への理解が深まらないということにもなります。社長と話す貴重な機会がなくなってしまい、入社後に企業の文化や方針に違和感を抱いてしまう恐れもあります。
面接の途中で質問が解決されてしまうことも頭にいれながら、逆質問は5~10個作っていきましょう。
社長から逆質問を問われて「ありません」では、仕事に興味がなく入社意欲が低い学生といった印象を持ちます。
どうしてもない場合は、「これまでの面接で質問をさせていただき、特にございません。前回の面接で○○のについて説明をしていただき、入社意欲がより高まりました」などと伝えるといいですね。
面接中にどうしても質問が解決されてしまった場合
質問を多く用意したとしても、面接中に社長がたくさんの話をしてくれて、質問することがなくなることもあります。その場合は焦らず、素直にそのことを伝えましょう。
下記のように伝えると、社長から誤解されることも少なくなります。
面接中にどうしても質問が解決されてしまった場合の例文
今回ご丁寧に説明をしていただいたおかげで、質問したいことはすべて解決することができました。よりいっそう入社の意欲が高まりました。ご縁があったら、ぜひよろしくお願いします
上記の文言だけを覚え社長面接に臨むのはやめましょう。社長から「では、どういう質問をする予定だったのですか」と問われたら一瞬で準備不足がばれてしまいますよ。
②社長以外が答えられる質問
作った質問について、「社長にしか聞けないことか」と振り返りをしてください。もしも、社長以外の役員や社員が答えられるものである場合は、その質問はやめましょう。企業研究や面接の振り返りがされていないという評価になってしまいます。
社長以外にも答えられることとは、報酬や勤務地、休日に関することなどです。質問しようとしていることが企業HPに載っていないか、これまでの面接で聞いたことではないかと確認しましょう。
社長以外の社員で答えられてしまう質問
- 初任給を教えてください
- 最初の勤務地はどこですか
- 休日は年間何日ありますか
- 勤務時間はフレックス制ですか
- 支店は何か所ありますか
③プライベートすぎる質問
社長にしか聞けないことだとしても、プライベートすぎる質問はやめましょう。
プライベートすぎる質問とは、家族構成や年収、出身地の詳細などです。社長や企業側からすると、学生が聞いてどんなメリットがあるのかと疑問が残ります。
変わった質問をするということは、入社後に取引先などに迷惑な質問や場違いな行動をとってしまう人物なのではないかと余計な悪いイメージを抱かせてしまう可能性すらあります。
- 社長からプライベートな質問をされたときは、同じ程度の質問を返すことはしていいのでしょうか?
社長のプライベートな部分には触れないほうが無難
社長は、あなたの仕事に対する意欲や能力を評価するために、意図的にプライベートな質問をしている可能性が高く、同じ程度の質問を返すことは、あまりお勧めできません。不信感を与える可能性があります。
趣味や休日の過ごし方について簡単に述べる程度であれば、社長との会話をリラックスさせる効果があるかもしれませんが、むしろ、社長がプライベートな質問をした意図を理解し、それに適した回答をすることが重要です。
たとえば社長が会社との文化の適合性を確認するためにややプライベートな質問をしている場合は、その視点を理解して自分の適性を話すなど社長のプライバシーに触れたりしないよう配慮してください。
④現場での働き方に関する質問
現場での働き方については、企業説明会やこれまでの面接でしっかりと確認する項目です。入社したあとの実際の働き方に関して社長に質問するということは、入社後の姿を思い描けていないという印象になります。
面接や説明会をしっかりと振り返り、社長面接の逆質問にこれまで説明を受けたことが含まれていないか確認しましょう。
現場の働き方に関する質問例
- 入社後にはどのような研修があるのでしょうか
- 有給はとりやすいですか
- リモートワークで社員同士のコミュニケーションはどのようにとっているのでしょうか
- 休日に会社から電話がかかってくることはありますか
- 仕事を覚えて独り立ちするまでにどのくらいの時間がかかりますか
ただし、社員数が一桁しかいないような場合で、社長も社員と同様に現場で働いているような企業の場合は例外となります。
育休や産休の質問は例外
現場の働き方であっても、育休や産休について聞くことを控える必要はありません。長期的なキャリアを考えている点から、会社へ貢献する意欲の高さをアピールできます。
国としても育児休暇を積極的に取得するように奨励しています。今後の働き方として育休・産休について聞くことは学生にとっての不安解消、そして会社としても長期的なキャリアを考えている学生を採用できるというメリットがあります。
⑤会社の弱みを追求する質問
企業や業界の研究を重ねていくと、会社の強みだけではなく弱みも明らかになると思います。その部分だけを取り上げて、追及するような質問をするのはやめましょう。
特に大企業ではさまざまな事業を手がけながら、強みを見つけていったり、弱みとなってしまった事業を縮小していったりします。すべての事業で常に競合に勝っているわけではありません。わざわざ弱点を質問して困らせるようなことはやめましょう。
ただし、社長が面接中に弱点について言及したり、あなたが専門職としてその会社の弱点を補うために入社する場合は例外となります。また、競合と比較してどのように成長をしていきたいかという部分を聞くことは、企業理解を深めるうえで重要な部分になるので質問してみましょう。
会社の弱みに言及する例文
×A事業が赤字となっていますが、今後はどのようにする方針でしょうか?
↓
○B事業が強みな一方で、A事業が弱みになっていると考えました。競合との差をつけるために、どのような事業を強化していきたいかお考えだったら教えてください。
- 社長に会社の弱みについて質問してみたい場合は、特にどのような点に気を付けたらいいでしょうか?
具体的な例やデータを用いて質問をして改善策や解決案も伝えるようにしよう
社長に会社の弱みについて質問することは、簡単なことではありません。会社の弱みについて質問する際は、漠然とした指摘では説得力に欠けるため、具体的な例やデータを挙げて問題点を明確に説明します。
そして改善策や解決案も一緒に提案すると好印象です。問題を見つけるだけでなく、自分の意見やアイデアを付け加えることで、熱心さと積極性が伝わります。
社長は、自分の会社のことを誰よりもよく知っています。自分の意見を主張するのではなく社長の意見を尊重することで、社長との信頼関係を築くことができます。
そして、オープンな姿勢で社長が忙しいときや機嫌が悪いときには、適切なタイミングを見計らって意見を伝えることが大切です。ほかの人の意見やフィードバックを受け入れる姿勢を持つことで、協調性やリーダーシップをアピールできます。
⑥自分の心配事をもとにした質問
企業側に解決することができないような心配事をもとにした質問はやめましょう。
心配事をもとにした質問
- 入社にあたって上京しますが、求人欄に記載の給与や休日で生活できるでしょうか?
- 希望の部署に配属されなかった場合は、いつ異動できますか?
社長面接の逆質問は学生の心配事や不安を解消する場ですが、それは個人的な悩みを解決する場ではありません。
社長面接の逆質問が成功すれば内定に近づく! 意図に沿った質問で臨もう
社長面接の逆質問を準備していかないことは、入社意欲がないとすぐに判断されます。一方で、しっかりと準備をしておけば、学生にとっては疑問や不安が解消でき、企業にとっては相性の確認や入社意欲を測れるwin-winな機会となります。
逆質問は意図を理解し、企業の規模や社長の経歴を把握すれば、ピッタリな質問を作ることができます。また質問を作るうえで参考になる情報も、これまでの面接や企業研究からできるため、難しいことと構えすぎる必要はありません。
一つひとつの情報を整理し、あなたらしい逆質問を必ずつくりましょう。自信を持って社長面接に臨んでくださいね。
最終面接となった社長面接が終わった後になるべく早く合格したかを知りたいと考える人も多いはずです。最終面接の合格フラグを事前に知っておきたいと考えている人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
最終面接の合格フラグ17選|落ちたかもと思ったときの対処法も解説
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る自分の考えを持って逆質問をすることが重要
社長に逆質問するからには、自分の考えをきちんと持ったうえで逆質問することが重要です。
逆に社長から「君はどう思いますか」と同じ内容が問い返されることもあるかもしれません。その際に、きちんと自分の考えを伝えることができて、社長に学生の意見ももっともだな、なかなかしっかりした学生だと感じてもらえたら良い方向に向くでしょう。
逆に良い印象を持ってもらえなかったら、今までのすべての苦労が吹き飛んでしまうかもしれません。社長がノーといえば終わりです。それほど、社長と話をすること、そして逆質問は重いということを心して社長面接に臨んでください。
社長への逆質問で会社の風土や目指す先を見極めよう
社長面接の逆質問は最後の大きな砦ですね。社長の思いを伺えるということは会社の風土や目指す先を知るうえで絶好のチャンスです。自分の感性や価値観と合うか十分に見定めてください。
社長の言うこととほかの社員の話に大きな差を感じる場合には、注意した方が良いかもしれません。会社の中身を知ることができる絶好のチャンスです。会社を社長をじっくりと見つめてください。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる
プロフィール詳細キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/インテグラルキャリア研究所所長
Keiichi Yokoyama〇20歳後半からカウンセリングの勉強を始め、キャリアに比重をおくコンサルティング、人材育成を企業内で推進。独立後は大学のキャリアセンターで学生の就職支援にもかかわる
プロフィール詳細