この記事のまとめ
- 学生にとっては内々定をとりあえず承諾するのも仕方ないケースがある
- 内々定をとりあえず承諾する場合は事前にリスクを把握しておこう
- 安易に承諾せず保留にして納得したうえで承諾するのがベスト
第一志望の結果がわかる前に内々定が出た場合、「第一志望に受かる保証はないから辞退はしたくない」と考える学生が大半です。もし内々定を辞退したと仮定して、その後第一志望に合格できず、より志望度が低い企業に行くしかなくなったり、最悪の場合は就職できないケースも考えられます。
そのようなリスクを回避するためにも、学生が「辞退するかもしれないけどとりあえず承諾したい」と考えるのは当然です。しかし内々定は、辞退する可能性がある状況で簡単に承諾しても良いのでしょうか。
この記事では、キャリアアドバイザーの若林さん、谷所さん、社労士の涌井さんのアドバイスを交えつつ、内々定をとりあえず承諾するリスクや判断基準を徹底解説します。内々定の承諾に少しでも迷いがある人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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内々定をとりあえず承諾するならリスクを踏まえて判断しよう
内々定について、「内定とは違ってとりあえず承諾しても問題ない」「いつでも取り消せる」と考えている人もいますが、安易に承諾や取り消しを決めて良いような軽いものというわけではありません。内々定を承諾することによって自分が負う責任やリスクを踏まえて、十分に検討したうえで判断しましょう。
記事ではまず、内々定の承諾に迷った際に意識するべき考え方を解説します。その次は、安易に内々定を承諾するリスクや承諾してもリスクが低い人の特徴を説明します。とりあえず承諾しても良いのか判断する際に参考にしましょう。
記事後半では、内々定を承諾する前に起こすべきアクションを解説しています。内々定を承諾すると決めた人は、記事の最後で企業に伝える際の連絡の仕方を例文付きで説明しているので、参考にして企業に承諾する意思を伝えましょう。
内々定を承諾するべきか迷っている人は、こちらの記事を参考にして判断基準を明確にしてみるのがおすすめです。内定時を想定した記事ですが、決め方やNGな考え方は共通しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
内定承諾に迷う人が持つべき判断基準|NGな考え方も解説
- 内々定を承諾後に辞退した場合、契約違反だとして企業が学生を訴えることはないのでしょうか?
内々定の辞退は契約違反にならない
学生に対して内定が出た場合には、その時点で労働契約が成立しています。そのため、企業が内定を取り消すことは解雇と同視され、合理的理由がなければおこなえません。また、損害賠償請求の対象になる場合もあります。
逆に学生が内定を辞退したことで、損害賠償請求訴訟を起こされることも、可能性が低いとはいえありえるでしょう。
一方で、内々定の時点では何の契約も成立しておらず、法的保護の対象にはなりません。これは、誓約書にサインしていたとしても同様です。そのため、内々定を辞退したからといって、企業が訴訟を起こすことはありません。
企業側から内定や内々定の取り消しを受けた場合の対処法は、以下の記事で詳しく解説しています。
内定取り消しを受けたときの対処法|違法性や無効にする方法を解説
内々定を取り消しされる可能性は? 取り消されるケースや対処法を解説
39点以下は要注意。あなたの面接力を診断してください
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内々定のとりあえずの承諾が仕方ない場合もある
企業としては、内々定を承諾した学生は必ず入社する前提であってほしいと考えます。後からやっぱり入社しないとなった場合、入社する前提で進めていた準備が無駄になったり、新たに人員を募集しなければならなくなるなど、コストがかかってしまうからです。
しかし学生側からすれば、絶対に入社する企業の内々定しか承諾しないとなると、より志望度が低い企業に行くしかなくなったり、最悪の場合は就職できないリスクも考えられます。
「100%入社する」と言い切れる状況で承諾するのがベストですが、承諾した以上絶対に辞退ができないわけではないので、リスクや置かれている状況を踏まえて柔軟に対応しましょう。
とりあえず内々定を承諾しても仕方ないとされるケース例
- 第一志望の選考結果が出ないうちに、第二志望の企業から内々定が出てすぐに返答を求められた。
- 選考落ちが続いていたが初めて内々定を獲得。まだ選考途中の企業もあるため保留を申し出たが、すぐに回答するように言われた。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見る内々定をとりあえず承諾する学生は少なくない
私がこれまで相談を受けた学生の中にも、辞退する可能性のある内々定をとりあえず承諾したケースが多々あります。最終的には1社に絞って就職するわけですが、内々定の段階では複数社承諾した学生もいました。
採用側からすると、新卒採用にかかわるコストもそれなりにかかるので、なるべくなら内々定も辞退してほしくないのが本音。ですが学生の立場で考えると、なるべく第一志望や希望する業種に就職したいですよね。
最終的には責任を持って自分自身で判断するしかない
学生の中には、最初に内々定をもらった会社にそのまま就職する人もいますし、内々定を承諾した後に本命の会社からも内々定が出て、本命に就職した人もいます。
たしかに内々定が出た会社に断りを入れるのは勇気のいる行為ですが、最終的には自分のキャリアは自分自身が責任を持つもの。それは就活でも同じです。
自分が納得できる会社に就職するためには、内々定をとりあえず承諾するのも個人的にはアリだと思います。迷ったときはこれから起こりうるケースなどを十分に考慮し、そのときの自分にとってベターな選択をしてください。
内々定をとりあえず承諾するリスク
内々定を安易に承諾するべきではないと述べましたが、その理由として2つのリスクがあります。ここで解説する2つのリスクを踏まえたうえで、本当に内々定を承諾しても問題ないのか判断しましょう。
承諾後の辞退がスムーズにできるとは限らない
上記の画像に記載の通り、内定は労働契約の成立になるとされています。一方、内々定は労働契約の成立には当たりませんが、内々定を出す際、学生に対して誓約書の提出を求める企業が増えています。
誓約書は、「他社を選考中の場合は辞退する」「この先就職活動を継続しない」など、内々定を辞退しないことを保証する内容の場合が多く、誓約書に署名して提出する以上、内容を守る義務を負うのです。
よって、内々定を承諾した後で辞退すると、誓約書を引き合いに出して学生を引き留める企業や、強引にでも入社させようとする企業がまったくないわけではないので、注意が必要です。とはいえ、トラブルに発展するケースはほとんどなく、辞退を受け入れる企業が大半です。
労働契約が成立する内定と異なり、内々定の段階では労働契約は成立していません。
仮に内々定の時点で「今後は就職活動をおこなわない」といった旨の誓約書を提出したとしても、法的な義務を負うものではなく、あくまで道義的な責任を負うに過ぎません。
内定や内々定の定義は、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。内々定後、スムーズに入社の準備を進めるために知っておくべきことなので、ぜひチェックしてくださいね。
内定とは? 内々定との違いから承諾・辞退の連絡まで徹底解説
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不誠実な学生だと思われかねない
企業は学生に内々定を出すまでに、説明会や面接、適性検査の実施、求人広告の掲載など、多大な経費や労力をかけています。企業の状況によっては、あなたの承諾を持って採用活動を終了するかもしれません。
承諾した後に辞退する学生が現れると、採用予定人数を割ってしまい、また一から採用活動を始めなければならないケースもあります。内々定を承諾してから迎え入れる準備を進めてくれていた場合、そのコストを無駄にしてしまうことにもなります。
もし承諾した後に辞退しても受け入れる企業がほとんどですが、学生に対して良い印象を抱かない担当者は少なくないでしょう。
また、考えの浅さや入社意欲の低さを企業の担当者は敏感に察知します。十分に検討せずにとりあえず承諾した場合、企業とのやりとりの中で「本当は入社する気がないのでは」と疑われて、不誠実だと思われるリスクもあります。
採用したいからこそ内々定を出しているので、内々定を承諾後に辞退されれば良い印象を持たないことが多いでしょう。
企業側は、採用予定人数を割ってしまえば新たに人材を採用しなければならず、採用にともなう時間や経費などのコストが発生します。
内々定をとりあえず承諾してもリスクが低い人の特徴
内々定をとりあえず承諾するリスクについて解説しましたが、リスクを踏まえたとしても自分が内々定を承諾しても良いのか判断しきれない人もいますよね。
そこでここでは、判断する際の参考として、内々定をとりあえず承諾してもリスクが低い人の特徴を解説します。該当する人は、とりあえず内々定を承諾したことでトラブルになる可能性は低いといえます。
しかし、内々定とはいえ、自分のファーストキャリアが決まるかもしれない重要な選択をすることになります。十分に検討しないうちに判断してしまっては、入社後にミスマッチを感じる事態になりかねないので注意してくださいね。
ファーストキャリアが決めきれないのは、就活の軸が明確でないからかもしれません。こちらの記事を参考にして、「企業を選ぶ際の指針」を決めると、内々定を承諾するべきか判断しやすくなりますよ。
就活の軸一覧90選! 納得できる企業選びの基準の見つけ方も解説
辞退する可能性が低い
内々定をとりあえず承諾するリスクは主に、承諾後に辞退する際に起こる企業とのトラブルです。辞退する可能性が低いのであれば、リスクも低いといえます。
選考中の企業の中に内々定先よりも志望度が高い企業がないかどうかや、業務内容や給与、勤務地が希望通りかなど、就活の状況や企業の労働条件を踏まえてリスクを図りましょう。
就職活動を続けるつもりがない
内々定の承諾時に、誓約書などを介して就職活動の終了を学生側に求める企業は少なくありません。内々定を承諾しても就職活動を続けたいのであれば、企業に判明した際に内々定を取り消されるリスクを承知のうえで続けることになります。
その点、そもそも就職活動を続けるつもりがない人は、企業の要望に迷いなく応えられるので、承諾してもトラブルが起こる可能性は低いのです。
アドバイザーコメント
若林 宏美
プロフィールを見る企業の本音は「内々定を承諾したなら後から辞退しないでほしい」
就活をする際に「滑り止め」を受けるのはよくあるケース。希望業種の中でも受かりやすい会社だったり、低倍率の企業を狙って、とりあえず1社は内々定をもらおうとする気持ちは理解できる心理です。
一方で誓約書を書き、今後の就活はおこなわないと誓約したものの、実は就活を続けているという学生も結構見受けられます。誓約書には法的拘束力がないため、就活を続けることに法的な問題はないとはいえ、企業側からすれば良い感情は抱きません。
安易な内々定承諾は入社後のミスマッチになりかねない
内々定は出たものの、その会社で働く意思があまりない人は、もし就職したとしても離職する可能性が高いため「それなら内々定を辞退してほしい」というのが企業側の本音です。
学生の中には、早く就活を終わらせて楽になりたいからと、自己分析やキャリアプランなどを深く考えず、とりあえず受かりやすい会社ばかりを志望する学生もいます。
そのような場合、就活は早く終わって楽になるかもしれませんが、働いた後にミスマッチが生じ離職につながってしまったり、満足のいくキャリアが築けない可能性もあるので、安易な判断はしないようにしましょう。
内々定をとりあえず承諾するべきか迷ったときの対処法
学生には、他社の選考結果がすべて出そろった状態や、やりきったといえるまで就活を続けた後など、それぞれに内々定を承諾するべきか自信を持って決められるタイミングがあるはずです。
いずれにせよ、「とりあえず承諾しておこう」「とりあえず承諾してもいいのかな」と考えているうちは、ベストなタイミングとはいえません。
内々定をとりあえず承諾する前に以下の方法を実践して、納得した状態で内々定を承諾できるように働きかけましょう。
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返答期限を確かめる
内々定を通知する際、返答期限を明示する企業もあれば、特に返答期限を設定しない企業もあります。返答期限がわからない人は、まずはメールや書類に記載されていないか確認し、期限が明示されていなければ企業に問い合わせましょう。
返答期限についてはっきりと言われていない場合でも、「すぐに返答しなければ失礼にあたる」と思い込んで、急いで返答しようとする学生がいます。
たしかに「すぐに返答してほしい」と考えている企業は多くありますが、そこまで急いでいない企業も存在します。学生側の都合によって決められたり、数カ月先に期限を設定する企業も少なくないので、思い込みで判断せず企業に問い合わせましょう。
- 企業に返答期限をたずねたところ、期限は特に決めていないと言われました。
拘束力がない内々定を重視していない企業は一定ある
内々定は、内定を出すということを約束するだけのもので、労働契約が成立していないので、電話などの口頭で伝えるだけの企業や、内々定を重視せず返答期限も特に設けていない企業があります。
また通年採用をおこなっている企業では、内定を辞退されても新たな人材を採用できるので、内々定の承諾について返答期限を長めに設定するケースや、特に期限を設けていない企業もあります。
企業に保留を申し出る
企業が設定している返答期限では、自分にとって納得した状態での承諾にはならなそうな場合は、無理にすぐに結論を出す前に保留を申し出ましょう。
承諾後に辞退するのであれば、判断するのに時間がかかったとしても、本当に入社する人だけに承諾してほしいと考える企業は多くあります。そのため、内々定の保留は受け入れられるケースが多いです。
企業に申し出る際は、保留にしたい理由と回答期限を正直に伝えましょう。
こちらの記事で、内定を保留にしたい際に伝えるべき事項をさらに詳しく解説しています。
内定保留はいつまで可能? 伝え方の例文やトラブルへの対処法も解説
電話で内々定を保留にする例
電話で内々定を保留にする例
学生:お世話になっております。〇〇大学の〇〇と申します。人事部の〇〇様はいらっしゃいますか。
受電者:おつなぎするので、少々お待ちくださいませ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
担当者:お電話代わりました。〇〇株式会社人事部の〇〇です。
学生:お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の港太郎です。ただいまお時間よろしいでしょうか?
担当者:大丈夫ですよ。
学生:このたびは内々定のご連絡、誠にありがとうございます。御社から評価をいただいて非常にうれしく思っています。今すぐにでもお返事するべきところですが、〇月〇日までお返事を待っていただけないでしょうか。
担当者:よろしければ、理由を教えていただけますか。
学生:他社の最終面接が〇月〇日にございます。入社後に後悔の残らないよう、最後まで就活をやり遂げたいと考えているためです。
担当者:わかりました。では、内定のお返事は〇月〇日までお待ちしています。
学生:私の都合で申し訳ございませんが、よろしくお願いします。では、失礼します。
メールで内々定を保留にする例
送信メッセージ
TO〇〇〇〇@theport.jp
CC
件名【内々定保留のご相談】〇〇大学〇〇学部〇〇学科 港太郎
〇〇株式会社
人事部 〇〇様
お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部の〇〇です。
このたびは内定のご連絡、誠にありがとうございます。
貴社からの評価を大変うれしく思います。
現在選考を受けている企業があり、〇月〇日に最終面接を控えています。
大変恐縮ですが、〇日まで承諾の猶予をいただくことは可能でしょうか。
貴社に大変魅力を感じており、すぐにでもお返事をさせていただきたいのですが、今後の人生にかかわることなので、やり遂げて悔いのない結果にしたいと考えています。
ご検討のほど、よろしくお願いします。
——————————————————
港 太郎(みなと・たろう)
〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇〇年
携帯電話:080-XXXX-XXXX
メール:minato@〇〇〇〇.ab.jp
——————————————————
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見るとりあえず承諾するのではなくまず保留にできないか相談してみよう
内々定を承諾後に辞退されると裏切られたような気持ちになるため、入社する人だけに承諾してほしいと考える採用担当者もいます。
志望度の高い企業の選考を受けていて内々定を辞退する可能性があるならば、とりあえず承諾するのではなく保留にできないか相談をしてみるべきでしょう。
相談をしてみて保留に応じてくれない場合は、内々定をとりあえず承諾して良いと思います。
また、最終面接を控えているなど具体的に選考が進んでいるわけではなく、保留にしてもらいたい期間が長期間になる場合は、保留が認められないこともあるので、内々定をとりあえず承諾するという選択をするべきかもしれません。
保留を申し出るときは企業に不快感を持たせないように注意しよう
内々定の保留を希望する場合は、速やかに企業に相談しましょう。保留にする理由について、第一志望の結果待ちなどとは伝えないようにします。
採用担当者としては、自社が志望度の高い企業の滑り止めでは、理解はしていても言葉や文字で伝えられると不快感を抱くでしょう。
応募企業に入社したい意欲を伝えたうえで、最終面接などを控えており就活をやり遂げたいなどと伝えたうえで、企業側の事情も配慮して保留にしてほしい具体的な日程を提示しましょう。
あなたが受けない方がいい職業を確認しよう
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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
・楽しく働ける仕事がわからない人
・時間をかけずに自己分析をしたい人
オワハラを受けたらすぐに就活のプロに相談しよう
オワハラとは
新卒採用で、企業が学生に就職活動を終えるよう働きかける行為
内々定をすぐに承諾できないことを伝えると、就職活動を終了して自社への入社を決めるよう迫る担当者も、まれにですが存在します。圧力をかけられると、萎縮してその場で承諾してしまう学生は少なくありません。
内定の承諾にそれほどプレッシャーをかけてくる企業であれば、承諾後の辞退はさらにしにくくなるでしょう。なるべくその場では判断せず、持ち帰ってキャリアセンターのアドバイザーや就職エージェントなどに相談しましょう。
内々定の承諾を決めたときの伝え方
ここまで解説した内々定をとりあえず承諾するリスクや、迷ったときの対処法を踏まえたうえで、内々定を承諾すると決めたのであれば、堂々と企業に伝えましょう。
承諾する際の連絡は、電話の方が感謝の気持ちが伝わりやすいとされています。電話で伝えた後でメールも送ると丁寧な印象を抱かれるでしょう。
ここでは、電話とメールそれぞれの例文を紹介します。
- 内々定を承諾することを決めました。連絡方法は特に指示されていません。電話かメールどちらが適切でしょうか。
電話とメールの両方でお礼を伝えるのがおすすめ
内々定を承諾するときは、まずは電話で担当者に感謝を伝えましょう。その後メールも送っておくとより丁寧ですし、メールという証拠が残るので双方の行き違いを防ぐことができます。
「それならメールだけでも良いのでは?」と思われるかもしれませんが、やはり感謝を直接伝えるのも大切です。
担当者や社風にもよりますが、メールだけでは冷たい印象を与える可能性もあるので、個人的には電話とメールの両方でお礼を伝えることをおすすめしています。
電話の場合
内々定を承諾する場合、まずは電話で伝えるのがおすすめです。電話であれば声に感情がのせられるため、内々定を受けて嬉しい気持ちや感謝の気持ちをより企業側に伝えられます。
電話で連絡する際は、まず自分の大学名と名前を述べ、担当者につないでもらいましょう。担当者に電話がつながったら、内々定を承諾する旨と併せて感謝の気持ちも伝えましょう。
また、内々定を承諾した後は、必要書類の提出、内々定者向けのイベントなど、入社に向けた準備が始まります。今後の予定を把握しておくため、今後の流れや準備物について質問しておくと良いでしょう。
電話の場合の例文
学生:〇〇大学〇〇学部の港と申します。お忙しいところ恐縮ですが、人事部の〇〇様をお願いできますか?
受電者:おつなぎするので、少々お待ちくださいませ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
担当者:お電話代わりました。〇〇株式会社人事部の〇〇です。
学生:お世話になっております。〇〇大学〇〇学部の港太郎です。ただいまお時間よろしいでしょうか?
担当者:大丈夫ですよ。
学生:先日は内々定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。私もぜひ御社に入社したいと思っていたので、ありがたくお受けします。今後の流れや、準備しておくべきことがあれば教えていただけますでしょうか。
担当者:承知しました。承諾してくださりありがとうございます。では今後の流れについて説明しますね。この後、メールで誓約書を送付するので、そちらの内容を確認して問題なければ署名をして〇日の〇時までに提出してください。
学生:誓約書を〇日〇時までに提出ですね。承知しました。
担当者:では、引き続きよろしくお願いします。
学生:こちらこそよろしくお願いします。失礼します。
今後の流れについてたずねたら、内定式や懇親会などのイベントに案内される場合もあるでしょう。これらのイベントの目的や参加する意義について、以下のQ&Aでキャリアコンサルタントが解説しています。
まずは自己分析ツールで自分の強み・弱みを確認しよう!
「自己分析って時間がかかるし、正直面倒だな」と思っていませんか。
「自己分析ツール」を使えば、たった3分であなたの強みに合った適職を見つけられます。
自己分析を億劫に感じるときは、ツールを使って効率化しましょう。
- 自分の強みや弱みが分からない人
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メールの場合
電話の後に、メールでも内々定を承諾する旨を伝えることで、丁寧な学生と好意的な印象を持ってもらえる可能性が高いです。また、メールはやりとりが文字として残るので、もしトラブルが起きたときに証拠にもなります。
メールは簡潔な内容で問題ありません。内々定を承諾すること、感謝の気持ち、意気込みを丁寧な言葉で伝えましょう。
送信メッセージ
TO〇〇〇〇@theport.jp
CC
件名【内々定承諾のご連絡】〇〇大学〇〇学部〇〇学科 港太郎
株式会社〇〇
採用ご担当
〇〇様
お世話になっています。
〇〇大学〇〇学部〇〇学科の港 太郎です。
改めまして、内々定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。
お電話でもお伝えしたとおり、ぜひ貴社の内々定をお受けしたいと存じます。
来春より貴社の一員として精進するので、ご指導ご鞭撻のほどお願いします。
今後ともよろしくお願いします。
——————————————————
港 太郎(みなと・たろう)
〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇〇年
携帯電話:080-XXXX-XXXX
メール:minato@〇〇〇〇.ab.jp
——————————————————
承諾後に辞退する場合の適切な対処法を知りたい人には、こちらの記事がおすすめです。内定承諾後を想定していますが、伝え方は共通しているのでぜひ参考にしてくださいね。
内定承諾後の辞退で大惨事? 断り例文付きで不安別の対処法を解説
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内々定はとりあえず承諾せず納得して就活を終えるのがベスト
新卒の採用活動は一部で急速に早期化が進んでおり、企業や業界ごとに内々定が出る時期にバラつきが生じやすくなっています。
学生にとっては、志望企業の結果が出そろっていない状態で承諾する企業を選ばなければならないケースが起こりやすく、デメリットを感じることも多いでしょう。
ただ企業側もその事情は理解しており、ミスマッチを回避するためにも、納得するまで就職活動を続けたい学生を後押しする企業も一定数あります。
就活を続けたい気持ちが少しでもあるなら、保留を申し出てみましょう。保留の期間に堂々と就職活動をし、納得した状態で就職先を決められるといいですね。
アドバイザーコメント
谷所 健一郎
プロフィールを見る自分の就活の状況を整理して内々定を承諾するか決めよう
本来間違いなく入社するというときに内々定を受諾すべきですが、現在の置かれている状況を踏まえて、内々定をとりあえず承諾するなど柔軟な対応は必要でしょう。
第一志望の選考結果が出る前に第二志望の企業から内々定が出て、すぐに返答を求められるケースや、選考の企業があるため保留をお願いしてもすぐに回答を求められる場合などは、内定をとりあえず承諾するべきだと思います。
内々定をとりあえず承諾しても辞退は原則として可能
内々定は、内定のように労働契約が成立しているわけではなく、内定を出すという約束をするものです。他社の選考を中断するなどの誓約書を交わす企業もありますが、他社の選考結果によって内々定を辞退することは原則として可能です。
一方選考中の企業で内々定の企業より志望度が高い企業がない場合や、就活を終わりにしたいときは、内々定を速やかに受諾しましょう。内々定を承諾する場合は、できれば電話で感謝の気持ちを伝えたうえで、メールでも送ると良いでしょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました
キャリア・デベロップメント・アドバイザー/キャリアドメイン代表
Kenichiro Yadokoro〇大学でキャリアデザイン講座を担当した経験を持つ。現在は転職希望者や大学生向けの個別支援、転職者向けのセミナー、採用担当者向けのセミナーのほか、書籍の執筆をおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/一般社団法人テツナグ代表理事
Hiromi Wakabayashi〇女性や学生向けのキャリア講座、行政主催の就職フェアでのキャリア相談に従事。また、ライター経歴を活かし、各種サイトでキャリアについて考えている人に向けた記事を監修
プロフィール詳細社労士/涌井社会保険労務士事務所代表
Wakui Yoshifumi〇平成26年に神奈川県で社会保険労務士事務所を開業。企業の人事労務相談や給与計算などを請け負う。また、関与先企業の社員のキャリアプランなどに関してアドバイスをしている
プロフィール詳細