この記事のまとめ
- GATBは自分の能力に合った職業を見つけられる適性検査
- GATBは受検結果よりも就活にどう活かすかを考えるのが大切
- 入念な対策は不要でSPI対策の延長で準備できる
SPIや玉手箱など、就活を進める中でさまざまな試験があることを知った人も多いでしょう。その中で「GATB」という検査を知った、または受検しなければいけない人もいるかもしれません。
GATBはSPIのように多くの企業が使用しているわけではないので、「そもそもGATBって何?」「どんな問題が出題されるの?」「GATBの対策方法が知りたい」と思う人も多いのではないでしょうか。
この記事では、キャリアアドバイザーの瀧本さん、田邉さん、遠藤さんと一緒にGATBの特徴や出題内容、対策方法などを解説します。GATBについてまだ理解できていない人はぜひ参考にしてください。
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GATBを受検して自分に合った職業を見つけよう
GATBは受検者の能力や向いている職業を測ることができる検査です。SPIや玉手箱などの適性検査とは用途が異なりますが、自己分析のヒントとして大いに活用できます。
しかし、「ほかの適性検査との具体的な違いがわからない」「どのようにして自己分析に活かせるの?」と疑問が残る人も多いでしょう。
この記事では、前半でGATBの問題形式や測定される能力、例題など、基本的な情報を解説します。GATBに関して理解できていない人は前半で基礎をつかみましょう。
そして記事後半では、結果の確認方法や活用方法、対策方法などを解説します。高得点を取り、かつ就活への活かし方を学べるので最後までぜひ読んでみてくださいね。
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GATBとは? 基本情報を解説
GATBの基本情報
- 特徴:自分の能力に合った職業を見つけられる適性検査
- 問題形式:紙筆検査と器具検査の2種類
- 受検対象者:中学生以上(15~45歳程度)
「そもそもGATBって何?」と、GATBがどんな適性検査なのかわからない人も多いでしょう。
そこで、最初にGATBの特徴や問題形式など基本的な情報を説明します。そもそもどんな適性検査かを理解していなければ、対策が非効率になってしまいます。まずはGATBの基本を理解しておきましょう。
特徴:自分の能力に合った職業を見つけられる適性検査
GATBは「厚生労働省編 一般職業適性検査」とも呼ばれており、受検者の能力を測り、そのうえでどんな職業が向いているかを判定する検査です。
検査は厚生労働省が主催で実施していて、GATBを受検するとこれまで気付かなかった能力や向いている職業を知ることできたり、逆に志望職種に就くために身に付けなければいけない能力を把握できたりします。
なお、GATBはSPIなどの適性検査とは異なり、主にハローワークでの職業適性を調べる際に利用されます。
問題形式:紙筆検査と器具検査の2種類
GATBの問題形式は「紙筆検査」と「器具検査」の大きく分けて2種類があります。それぞれの違いは以下の通りです。
紙筆検査と器具検査の違い
- 紙筆検査:筆記での検査
- 器具検査:器具を使って手腕や指先の器用さを検査
SPIや玉手箱など、ほとんどの適性検査は筆記試験のみ実施されます。一方で、GATBは器具検査という専用の器具を使用して器用さを測る検査もあるのです。
それぞれの検査には、具体的にどのような種類の検査があるのかを紹介します。
紙筆検査
紙筆検査は以下の11種類の検査から構成されています。
検査名 | 内容 | 問題数 | 制限時間 |
---|---|---|---|
円打点検査 | 円の中に点を打つ検査 | 180個 | 40秒 |
記号記入検査 | 記号を記入する検査 | 90個 | 40秒 |
形態照合検査 | 形と大きさの同じ図形を探し出す検査 | 36個 | 90秒 |
名詞比較検査 | 文字・数字の違いを見つける検査 | 70個 | 180秒 |
図柄照合検査 | 同じ図柄を見つけだす検査 | 24個 | 90秒 |
平面図判断検査 | 置き方をかえた図形を見つけだす検査 | 24個 | 90秒 |
計算検査 | 加減乗除の計算をおこなう検査 | 30個 | 120秒 |
語意検査 | 同意語かまたは反意語を見つけだす検査 | 40個 | 90秒 |
立体図判断検査 | 展開図で表された立体形を探し出す検査 | 28個 | 90秒 |
文章完成検査 | 文章を完成する検査 | 24個 | 180秒 |
算数応用検査 | 応用問題を解く検査 | 20個 | 180秒 |
問題内容は簡単ですが、制限時間に対する問題数が多いという特徴があります。GATBは定められた時間内にできるだけ多くの問題を正確に回答する時間制限法によって採点されるので、時間管理は特に重要になります。
検査自体は19分50秒で終了しますが、練習時間なども含めると全体で45〜50分ほどかかることがあります。
器具検査
器具検査は以下の4種類の検査から構成されています。
検査名 | 内容 | 問題数 | 制限時間 |
---|---|---|---|
さし込み検査 | 棒(ペグ)をさし込む検査 | 48個 | 15秒×3回 |
さし替え検査 | 棒(ペグ)を上下逆にさし替える検査 | 48個 | 30秒×3回 |
組み合わせ検査 | 丸びょうと座金を組み合わせる検査 | 50個 | 90秒 |
分解検査 | 丸びょうと座金を分解する検査 | 50個 | 60秒 |
器具検査は専用の器具を使って手腕や手先の器用さを測る検査です。さし込み検査とさし替え検査はそれぞれ3回ずつ実施します。
こちらも検査自体は4分45秒で終了しますが、説明や練習を含めると全体で12〜15分ほどかかることがあります。
受検対象者:中学生以上(15~45歳程度)
GATBは15〜45歳未満の一般求職者を対象としています。具体的には、中学・高校・大学などで進路を検討中の学生、就職・転職を希望する成人などが利用します。
つまり、発達障がいの有無などにかかわらず、就職活動中の人や自分の適職を知りたい人、自分の能力を把握したい人が対象です。
また中高生の場合は、生徒指導の一環として利用されることがあります。大学生以上の場合は、近くのハローワークから申し込むことで受検可能です。
申し込みから結果判定までの流れ

大学生以上の人がGATBを受検するにはハローワークで電話予約をしなければいけません。基本的にどこのハローワークでも受検可能なので、都合が良い場所で予約しましょう。
そして検査当日は以下の流れで検査が実施されます。
GATB受検当日の流れ
- 用紙の配布・記入
- 検査の説明
- 検査の実施
前述の通り、検査自体は20分ほどで終了しますが、用紙の記入や説明も含めると45〜50分ほどかかります。また受検する際、シャープペンシルやボールペンの使用は認められていません。GATBを受検する際は鉛筆を持参しましょう。
そして、受検後は判定結果を出します。判定結果の出し方は2種類あり、実施者自らが手引きを参照しながら採点する、または雇用問題研究会に判定を依頼するといった方法があります。判定を依頼する場合は、結果の受け取りまで3〜4週間ほどかかることを把握しておきましょう。
判定結果が出たら、「結果の見方・生かし方」というワークシートを作成します。このワークシートを作成することで、自分が身に付けている能力や適職を把握できるのです。検査を受検して満足してしまいがちですが、ワークシートを作成しなければGATBの効果が薄れてしまうので気を付けましょう。
GATBは複数の検査があり、それぞれ異なるスキルや能力を評価します。そのため、受検前に各セクションの内容や形式をしっかりと理解しておくことが重要です。
特に器具検査では、作業もあるので事前に慣れておきましょう。
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何がわかる? GATBで測定される能力一覧
GATBの紙筆検査と器具検査から、受検者の以下の9つの適性能が測定されます。
適性能 | 検査の内容 | 検査形式 |
---|---|---|
知的能力 | 立体図判断検査 文章完成検査 算数応用検査 | 紙筆検査 |
言語能力 | 語意検査 文章完成検査 | 紙筆検査 |
数理能力 | 計算検査 算数応用検査 | 紙筆検査 |
書記的知覚 | 名詞比較検査 | 紙筆検査 |
空間判断力 | 平面図判断検査 立体図判断検査 | 紙筆検査 |
形態知覚 | 形態照合検査 図柄照合検査 | 紙筆検査 |
運動共応 | 円打点検査 記号記入検査 | 紙筆検査 |
指先の器用さ | 組み合わせ検査 分解検査 | 器具検査 |
手腕の器用さ | 差し込み検査 差し替え検査 | 器具検査 |
ほとんどの適性能は、一つの検査から測定されるのではなく、複数の検査の総合点によって能力が測定されます。
そのため、「〇〇の能力が高いことをアピールしたい」と考えた場合、一つの検査のみ対策するのは得策ではありません。総合的に対策することが求められます。
- これらの適性能は仕事にどう活かせるのでしょうか?
適性能がわかれば適切なキャリアプランを設計できる
適性能を測定する理由は、個人がどのような職種やタスクに最も適しているかを判断するためです。適性能の評価を通じて、個人の強みや弱みを明確にし、最適なキャリアプランを考えることができます。
たとえば知的能力は、新情報の習得や問題解決の能力で、複雑な状況への適応力も示します。言語能力はコミュニケーションや情報伝達のスキルで、多くの職種で要求されます。数理能力は数学問題の解決スキルで、エンジニアリングやファイナンスにおいて重要です。
また、指先の器用さは細かい作業のスキルで、手術や工芸に必要です。手腕の器用さは大きなものの取り扱いで、建設や機械操作に役立ちます。
このように自分の得意不得意を知ることで、適切な職種でのキャリア形成ができるのです。
キャリア形成について、あまりよくわかっていないという人は、以下の記事で言葉の定義からおさらいしてみましょう。
キャリア形成とは? 4ステップでこの時代を生き抜く方法を考えよう
GATBとほかの適性検査の違い
GATBとほかの適性検査の違い
- 検査の目的
- 活用される場面
- 受検場所
ここまでの内容から、GATBはほかの適性検査とは一味違った検査であることがわかったかと思います。しかし、「まだよく違いがわかっておらず、GATBについて曖昧にしかイメージできない」という人もいるのではないでしょうか。
ここからは、GATBとSPIや玉手箱などほかの適性検査との違いを解説します。違いを明確にして、GATBを受検するイメージをつかみましょう。
適性検査としてよくおこなわれるSPIと玉手箱についても知っておきたい人は、こちらの記事を参考にしてください。出題内容や対策方法の違いを知ることができます。
SPI
SPI3とは? 例題付きで基本の対策から攻略のコツまで完全網羅
玉手箱
玉手箱とは? 出題内容や突破するための解き方のコツを徹底解説
SPIと玉手箱の違いや共通点を一覧で知りたい人は、こちらの記事もおすすめです。
玉手箱とSPIは別物! 違いやそれぞれの出題内容・対策方法を解説
検査の目的
検査の目的の違い
- GATB:受検者が自らの能力や適職を把握すること
- ほかの適性検査:応募者が企業の職務に適性があるかを判断すること
GATBとほかの適性検査では視点が異なります。GATBは受検者自らが能力や適職を把握するためですが、ほかの適性検査は企業が応募者の能力や適職を測るために検査を実施します。
この目的の違いから、GATBは結果が返ってきますが、ほかの適性検査は受検者には結果が返ってこないという違いもあります。
このように、GATBとほかの適性検査ではそもそもの目的が異なることを理解しておきましょう。
活用される場面
活用される場面の違い
- GATB:中学・高校・大学、職業訓練機関(ハローワーク)など
- ほかの適性検査:企業の就職試験
GATBとほかの適性検査では、「いつ実施するか」という活用される場面が異なります。GATBは中学や高校、大学、ハローワークなど、「自分の能力を把握したい」「適職を知りたい」という人に対して幅広く活用されます。一方で、SPIや玉手箱は就職・転職の適性検査のみに活用されます。
前述のとおり、そもそもGATBとほかの適性検査では実施される目的が異なるため、活用される場面も違うのです。GATBは自らの意思で受検することが可能ですが、ほかの適性検査は企業からの指示がない限り受けられないといった違いもあります。
GATBは配属決定の判断材料される場合もあります。具体的には、「採用した後にスキルが活かせるか」「活かせる部署があるか」などを判断する参考に使われることが多いでしょう。
転職の筆記試験について知りたい人はこちらの記事も参考にしてみてください。出題傾向など詳しくまとめています。
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受検場所
受検場所の違い
- GATB:中学・高校や職業訓練機関(ハローワーク)など
- ほかの適性検査:自宅やテストセンター、企業など
GATBとほかの適性検査では受検場所も異なります。GATBは、中高生の場合は学校で、大学生以上の場合はハローワークで受検することが多いでしょう。
一方で、SPIや玉手箱などの適性検査は企業から指定された場所で受検します。Webテストの場合は自宅や学校などインターネット環境のある場所で、マークシートの場合は企業で、テストセンター方式の場合はテストセンターで受検することがほとんどです。
GATBを受検したいと思ったときは、受検場所や申し込み先を間違えないように気を付けましょう。
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実際に解いてみよう! GATBの練習問題
GATBでは、ほかの適性検査では出題されないような問題が出ることがあります。そのため、検査名だけを見てもどんな問題が出題されるかイメージできない人も多いでしょう。
ここからは、GATBで出題される問題を解説します。まずはどんな問題が出題されるかを把握し、時間がある人は実際に練習してみましょう。
①円打点検査

円打点検査は、丸の中心にひたすら点を打っていくという検査です。1ページに渡って上記の図のような線でつながれた円が並んでおり、できる限り速くかつ正確に点を打っていきます。
点が円の中に収まっていればカウントされますが、点が円の線と重なっていたり、円の外側にあったりする場合はカウントの対象外となります。
緊張していると、手が震えたり手汗で問題用紙が手にくっ付いたりして、予想以上に円の中心を捉えるのが難しいと感じる場合があります。焦らず平常心で取り組むことがポイントです。
②記号記入検査

記号入力検査は、四角のマスの中に草冠のような記号をひたすら書いていくという検査です。ページ一面に四角のマスが用意されており、制限時間が来るまでひたすら書いていきます。
なお、上記のNG例のように正しく記号が書かれていない場合はカウントの対象外となります。時間を意識するあまり、省略したりつなげたりしたくなりますが、カウントされなくなってしまうため、正確に書くようにしましょう。
- 焦らず取り組もうと思うと余計にずれてしまいます……。なにか良い対策法はありますか?
ずれることに注力しすぎずに取り組もう
マスからずれてはいけないと考えると、プレッシャーを感じてしまいますよね。しかし、プレッシャーに感じすぎずに取り組むのがおすすめです。
あくまでも適性検査なので、合格点があるわけではありません。もし、マスからずれてしまっても、次の記入でずれなければ正しくカウントされます。ずれてしまったことに一喜一憂せずに、自分のペースで取り組みましょう。
③形態照合検査

答え
G、F、B(上から順)
形態照合検査は、冊子の左ページにランダムに配置されている図形の中から、右ページにある図形と一致しているものを探す検査です。
検査内容はシンプルですが、焦ると一致する図形を見つけられなくなってしまいます。こちらも平常心でマイペースで進めることが重要です。
④名刺比較検査
問題 | 解答 |
---|---|
こんばんは___こんばんわ | こんばんは_1_こんばんわ |
東京都新宿区___東経都親宿区 | 東京都新宿区_2_東経都親宿区 |
名刺比較検査は、左右に並ぶ文字の異なる部分を探し、異なっている文字数を中心に記入するという検査です。わかりやすく違うものから、よく確認しないと違いに気付けない問題までさまざまあります。
普段は文字の雰囲気から意味を理解する人も多いかもしれませんが、名刺比較検査では文字をよく確認しないと違いに気が付けません。そのため、一文字ずつチェックすることが大切です。
⑤図柄照合検査

答え
上の問題:C
下の問題:A
図柄照合検査は、左側の図形とまったく同じ塗り方・形の図形を選ぶ検査です。上記の図形はシンプルで違いがわかりやすいですが、問題が進むにつれて図形が複雑になったり、塗り方が少ししか違わなかったりします。
こちらも焦りは禁物で、左の図形と一つずつ見比べて同じ塗り方・形の図形を見つけることが重要です。図形の雰囲気だけで選択すると間違って選択してしまう可能性が高くなるので注意しましょう。
- 形態照合検査と似ていますが、何が違うのでしょうか?
形や物体の形状を認識したうえでほかのものと比較する能力が評価される
「図柄照合検査」は受検者が与えられた図柄や模様を迅速に認識し、それをほかの図柄や模様と照合する能力を評価します。
一方で「形態照合検査」は形や物体の形状を認識し、それをほかの形や物体と比較する能力を評価します。大きな違いはありませんが、少し比較の際の視点が違うといえるでしょう。
これらのテストは空間的な認識や物体の向き、位置関係の理解をもとにして、受検者の認知的なスキルや能力を評価するために設計されているという点では共通していて、特定の職種や業界における適性を判断するための重要な指標となります。
⑥平面図判断検査

答え
A
平面図判断検査は、左側の図形と同じ図形で、置き方を変えたものを選ぶ検査です。
円柱や三角錐などの立体的な図形は、違う面から見るとまったく違う形をしていることがあります。まずは左側の図形の全体像をイメージして、そのイメージした立体を違う角度から見たときの形を選ぶことが求められます。
なお、イメージできる立体は一つとは限りません。「この平面を立体にしたら〇〇になる可能性がある」と瞬時にイメージできるように練習する必要があります。
平面図は真上(下)から見た図で、それを横から(正面から)見たときにどうなるかをイメージして解答する問題です。基本的な立体図形をさまざまな角度から見る練習をすると早く解けるようになりますよ。
⑦計算検査
計算検査は足し算・引き算・掛け算・割り算が出題され、計算問題をひたすら解いていくという検査です。
計算検査は120秒で30問出題されます。全問解くには一問4秒ほどで解答しなければいけません。問題自体はあまり難しくありませんが、素早く解答できるように練習する必要があります。
⑧語意検査
改善 | 1.改心 2.内戦 3.海鮮 4.前進 |
片道 | 1.往復 2.山道 3.一通 4.渋滞 |
答え
改善:1(同意語)
片道:1(反意語)
語意検査は、左側の文字と同意語または反意語の文字を見つける検査です。
ほかの検査は対策をしなくても解答できるものもありますが、語意検査で正しい解答を選択するには言葉の意味を理解していなければいけないため対策が必要になります。
普段から本や新聞などを読んで文字に慣れておくことでも正しい解答を選択できるようになるので、本を読む習慣を付けることも有効ですよ。
語彙力を付けるためには、日常的に多読を心掛けると良いでしょう。特に幅広いジャンルの書籍や記事を読むことで、さまざまな文脈での言葉の使い方が学べます。
また、新しい言葉に出会った際には、意味を調べて意識的に使うよう努力することで、自然と語彙は増えていきます。
⑨立体図判断検査

答え
B
立体図判断検査は、左側に示された展開図を立体に組み立てるときの図形を選択する検査です。上記の図ではシンプルでわかりやすい内容になっていますが、本番ではより複雑な図形が出題されることもあります。
立体図判断検査で重要なのはイメージ力です。頭の中で展開図を正確に組み立てられるかどうかがカギとなります。
初見の場合、解答するのが難しい問題もあるため、練習を積んで慣れておくことが大切です。
⑩文章完成検査
問1 足が痛い。()明日の登山は中止。 | 1.だから 2.しかし 3.そのうえ 4.だが |
問2 外は晴れている。()雨が降りそう。 | 1.だから 2.しかし 3.つまり 4.そこで |
答え
問1:1
問2:2
文章完成検査は、文中の虫食いになっている部分に適切な語句を当てはめて文章を完成させる問題です。
文章完成検査は、語句を当てはめたときに文章が自然な流れになるかどうかを確認することが大切です。完成した文章を読んで違和感があるときは間違いを選択している可能性が高いでしょう。
自然な流れになっているかどうかを正しく判断するには、普段から文章に触れる機会を増やすことが大切です。試験前は意識的に書籍や新聞などを読むと良いでしょう。
⑪算数応用検査
算数応用検査
時速40kmで走る自動車があります。この自動車が3時間走り続けると何km進むことになりますか?
答え:120km
算数応用検査では、算数・数学の文章問題と同じような問題が出題されます。一から計算して解答することも可能ですが、中学・高校で学習した公式を使うとすぐに解答できる問題もあります。
覚えておきたい公式の例
- 距離=速さ×時間
- 速さ=距離÷時間
- 時間=距離÷速さ
- 分速=時速÷60
対策なしで臨むと、1問に時間がかかりあまり解答できずに終了してしまう可能性があります。高得点を獲得するためにも、公式を覚え、問題に慣れておく必要があります。中学・高校の数学の教科書をもう一度見てみるのもおすすめです。
アドバイザーコメント
田邉 健
プロフィールを見る特に算数応用検査は対策をしてから臨もう
出題される内容が多く、対策に時間がかかりそうと感じた人がいるかもしれません。たしかに出題形式はとても多いですが、特に対策が必要な内容は「算数応用検査」だけです。
「算数応用検査」は公式を知らなければ解けない問題も多いですが、これ以外は、対策をしなくても時間をかければ解けるものがほとんどです。
過去問題を繰り返し解いたり解説を読んだりして復習しよう
対策と聞くと時間をかけなければならないと思うかもしれません。本文で紹介されている「中学・高校の数学の教科書を復習」も、教科書を復習するとなると時間がかかりそうで億劫に感じる人もいるでしょう。しかし「算数応用検査」で出題される問題は、基本的な問題がほとんどです。
そのため、教科書をすべて復習する必要はありません。「職業訓練 試験問題徹底解説」などの解説サイトで、過去の問題を解いたり解説を見たりして復習しましょう。また、過去問題はさまざまな都道府県の過去問題を解くのではなく、一つの過去問題で不明点がなくなるまで復習するのがおすすめです。
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WEBテスト対策問題集&模試が受け取れます
志望度が高い企業にWEBテストで落ちてしまうのは本当にもったいないです。しかし何冊も問題集を解くのは時間が足りないですよね。
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GATBの結果は「適性能得点」で出される! 評価基準と確認方法
ここまでGATBの例題などを紹介してきましたが、GATBの結果について「それぞれの適性能がどんな能力のことを言っていて、どう評価されているのかわからない」と疑問を持つ人もいると思います。
ここからは、GATBの結果の確認方法を解説します。受検後のことですが、結果の見方を把握しておくことで、より自分の能力や適職を見つけやすくなりますよ。
適性能得点の意味と評価基準
まず、それぞれの適性能が具体的にどんな能力なのかを解説します。前述のとおり、GATBでは9つの適性能が測られます。そして、それぞれ以下のような意味を持っています。
適性能 | 内容 |
---|---|
知的能力 | 一般的な学習能力のこと。説明されたことを理解したり、推測・判断ができたりする能力。 |
言語能力 | 言語の意味やそれに関連した概念を理解して、言葉を使いこなす能力。 |
数理能力 | 計算を正確かつ素早くおこない、応用問題を解く能力。 |
書記的知覚 | 言葉や書類の細部まで正しく知覚する能力。文字や数字を直感的に弁別して、違いを見つけて校正する能力。 |
空間判断力 | 立体形を理解したり、平面図から立体形を想像したりする能力。物体間の位置関係と変化を正しく理解する能力。 |
形態知覚 | 実物や図解されたものを細部まで正しく知覚する能力。図形を見比べて、陰影や線の太さ・長さなど細かい違いを弁別する能力。 |
運動共応 | 目と手・指先を供応させて、素早くかつ正確に作業をする能力。 |
指先の器用さ | 速くかつ正確に指を動かして、小さいものを巧みに取り扱う能力。 |
手腕の器用さ | 手腕を思い通りに巧みに動かす能力。 |
適性能はA・B・C・D・E・Fの6段階で評価され、Aに近いほど得点が高いと覚えておきましょう。
結果の確認方法は「自己採点」と「採点依頼」の2種類
前述のとおり、GATB受検後は判定結果を出す必要があるのですが、判定方法は2種類あります。
GATBの2種類の判定方法
- 実施者が採点・判定
- 判定を依頼する
実施者自身がおこなう場合は、手引きを参照のうえ採点・判定を実施。手間はかかりますが、短時間で判定結果を確認できるというメリットがあります。
一方で、判定を依頼する場合は、雇用問題研究会に依頼することになります。自身で採点するよりも手間がかからず、かつ正確な判定を得られますが、依頼から3〜4週間ほどかかることは把握しておきましょう。
GATBの判定方法は、判定結果が必要となる期限に合わせて選ぶのがおすすめです。いずれの方法でも優劣はないため、自身の就活スケジュールに合わせた判定方法を選びましょう。
就活に活きる! GATBの結果の活用方法
GATBは受検して終わりではありません。むしろ、受検後にその結果をどう活かすかがもっとも重要なのです。
しかし、「具体的にどう活かせば良いかわからない」という人もいると思います。ここからは就活に向けてGATBの結果を活用する方法を解説します。GATBを使い尽くすためにも確認しておきましょう。
自己PR作成時のヒントにする
前述のとおり、GATBでは9つの能力を判定することができ、判定からわかった能力をもとに就活の自己PRを作成することが可能です。
自己PR作成のヒントにする際に重要なのが、得意分野と苦手分野の両方を整理することです。多くの人はつい得意分野だけに目が行きがちですが、苦手分野にもしっかり目を向けることで、就職するまでに改善するべき項目が明確になります。
GATBからわかった改善すべきことにすぐに着手し、自己PRの際に「〇〇が苦手だが現在改善中で、就職時にはさらに成長している」と伝えられると、成長意欲も同時にアピールできます。
このように、より深みのある自己PRを作成するためにも、得意分野と苦手分野の両方を整理しましょう。
GATBの結果からわかることは、理解力や作業適応力です。その結果を踏まえて「正確な事務が得意です」といった自己PRも書けますが、あなた自身のアピールポイントはほかにもあるはずです。
検査の結果だけでなく、ほかの面からも仕事に活かせそうな自分らしさを探してみてください。
自己PRがうまく作れない人は、以下の記事で自己PRの見つけ方からおさらいしてみましょう。
自己PRがない人必見! 就活必勝の題材の見つけ方を例文付きで解説
自分に合った職種を見つける
「判定結果が返ってきたらワークシートを作成する」と解説しましたが、このワークシートを作成することで、自分に合った職業が見つけられます。
ワークシートには、さまざまな職業をその職業が必要としている適性能のパターンと水準によってグループ分けされた適性職業群が掲載されています。そして、自分が獲得した適性能得点と各職業に必要な適性能得点の基準を照らし合わせることで自分に合った職業がわかるのです。
なお、結果は「基準を満たしている」「基準をほぼ満たしている」「基準を満たしていない」の3段階で判定されます。
しかし、判定結果返却後、どのようにして自分に合った職業を見つけるのか具体的なイメージがわかない人もいると思います。ここからは、判定結果返却後に自分に合った職業を見つける手順を解説します。
自分に合った仕事について考えすぎると、正解がわからなくなることもあるでしょう。以下の記事では、自分に合った仕事をさがすときの前提から解説しています。
自分に合った仕事を簡単4ステップで発見! 後悔しない方法を解説
適職を見つける手順①ワークシートのプロフィールを作成
最初にワークシートのプロフィール欄を作成します。プロフィールの作成では、おもに判定結果を折れ線グラフにして、視覚的にわかりやすくするといった作業をおこないます。
具体的には、適性能得点の順位付けをしたり、それぞれの得点を打点して折れ線グラフを作成したり、よりわかりやすくするために色を塗ったりします。後の作業をより簡単にするためにも、丁寧にプロフィールを作成しましょう。
適職を見つける手順②自分の適性能を知る
次に、プロフィールの作成から明確になった検査の結果から、自分の適性能の特徴を理解するという作業をします。
具体的な作業は以下の4つがあります。
自分の適性能を知るための具体的な作業内容
- 9つの適性能の中でもっとも得点が高いものを明確にし、それが「認知機能」「知覚機能」「運動機能」のどれに当てはまるかを判定する
- 2番目・3番目に高く出た適性能を明確にする
- 高い点数が出た適性能を総合して、自身が持つ適性能の特徴をまとめて記述する
- これまでの作業を参考にして、自分に向いている職業とこれまで希望していた職業をそれぞれ記述する
この4つの作業を実施することで自分の適性能が明確になり、かつ次のステップの準備が完了します。
適性を活かせる職業を知るための作業
- 手順①②の結果を「適性職業群一覧表」に反映させる
- 適性職業群の中で、適性能に1つでも⚪︎がついた職業群にチェックを入れる
- ⚪︎を付けた職業群欄の「職業例」から興味関心のある職業を書き出す
このような手順を踏むことで、自分の能力を明確にしたうえで適職を知ることができます。ここで見つかった適職は100%自分に合っているとはいえませんが、得意なことを活かして仕事ができる可能性は高くなりますよ。
- 自分がやりたいと思っていた職種が「基準を満たしていない」の段階でした。諦めたほうが良いのでしょうか?
必要とされる力は多岐にわたるので諦める必要はない
結果から導き出される適性職業群はざっくりとした分類であり、あくまで「群」です。一つの職業の中にもさまざまな業務があります。また、必要とされる力は多岐にわたります。
たとえば「販売」という職業の中には、実際はテストで測られる能力のほかにも、自社・他社の商品を理解して違いをわかりやすく説明する力、実際に操作してみせる力、契約書作成力、場合によっては外国語での商談力なども必要になります。
やりたいと思っている仕事や職種があるならば、そこであなたの持っている力をどう活かすか考えて、ぜひチャレンジしてみてください。
「自分のやりたいことができる=良い仕事」と思っている人も多いかもしれませんが、案外そうでもないかもしれません。以下の記事では、本当に自分に合った「良い仕事」を見つけるステップを解説しています。
良い仕事とは? 自分に合う働き方や会社が必ず見つかる3ステップ
入念な対策は不要! もしGATBの準備をするならSPI対策の延長で!
前提として、GATBは「職業適性検査」です。SPIや玉手箱など企業が自社の仕事の適性があるかを判断する適性検査とは異なり、入念な対策は不要です。逆に対策しすぎると本当に自分に合った職業がわからなくなることもあります。
しかし自分の力を最大限発揮したいという人は、あらかじめ例題に目を通しておくことは有効です。SPIと似ている部分も多いため、もしGATBの問題に慣れておきたい人は、この記事の練習問題を解いてみたり、SPI参考書を購入してみるのも良いかもしれません。
併せてSPIの対策方法を知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。SPIの基本から対策方法までを知ることができます。
効率抜群なSPIの勉強法|出題形式と頻出問題を踏まえた対策を伝授
- 具体的にSPIの参考書でどのように対策するのが良いでしょうか?
参考書を解いて基本的な問題解決能力や数的推理、言語能力を鍛えよう
SPIの参考書には、数的推理や言語能力を試す問題が豊富に収録されています。これらの問題を繰り返し解けば、論理的思考や計算能力を高められます。
また、文章理解や情報整理のスキルを試す問題も多く含まれているので、これらの問題を通じて情報を迅速にキャッチし、的確に答える能力を養っていきましょう。
さらにSPIの模擬試験を繰り返し解くことで、実際の試験時間内での問題解決スピードの向上も期待できます。
GATBの検査内容とSPIの内容が完全に一致するわけではありませんが、基本的な問題の形式や考え方には共通部分があるので、基本的な問題解決能力や数的推理、言語能力を鍛えることは有効ですよ。
GATBを最大限活用するためにも事前に問題の傾向を把握しておこう!
GATBは自身の能力を測る検査であるため、入念な対策は不要です。しかし、本番で実力を発揮できなければ、本当に自分に合った職業を見つけられない可能性があります。そのため、この記事で解説した方法で準備しておくことをおすすめします。
この記事を参考にしてGATBを対策して、本番で最大限実力を発揮し、自分に合った職業を見つけましょう。
アドバイザーコメント
遠藤 美穂子
プロフィールを見るGATBの結果を見て一喜一憂しすぎないようにしよう
GATBは企業の選考に進む前のエントリー先を検討する段階で、ハローワークや大学で耳にすることがあるかもしれません。
GATBは数字・言語の理解力や手先の器用さなどを見る検査ですが、それによって合否の可能性を判定するというよりは自分の得意・不得意の傾向を知るためのアセスメントツールになります。
もちろん検査には真剣に取り組んでほしいですが、その結果に一喜一憂しないでください。
自分が就きたいと思う職業への適性が高く出たときには自信を持って、低く出たとしてもその職業の中でもあなた自身の能力や強みを活かせる業務が必ずあるはずです。諦めないで企業研究や職種研究と自己分析を丁寧におこないましょう。
GATBの結果は自分の視野を広げるきっかけになる
一方で自分が就きたいと考えていなかった職業でも適性が高く出たとしたら、視野を広げるチャンスです。その職業に含まれる具体的な業種や企業を改めて見直し、興味が持てそうか今一度検討してみると良いと思います。
「自分が何に向いているかわからない」という人は、自己分析の一つのツールとして活用してみましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/キャリアコンサルティング技能士
Hiroshi Takimoto〇年間約2000件以上の就活相談を受け、これまでの相談実績は40000件超。25年以上の実務経験をもとに、就活本を複数出版し、NHK総合の就活番組の監修もおこなう
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者
Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Mihoko Endo〇メガバンクで法人営業や新人研修講師、採用面接に携わる。現在は「その人らしさを引き出すカウンセリング」をモットーに、大学での就活支援、社会人向けキャリア開発研修をおこなう
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