SPIで答えを見るのはあり? 将来的なリスクと正しい対策法とは

3名のアドバイザーがこの記事にコメントしました

  • 適性検査対策講師

    Akira Nakamura〇学校事務や大学講座運営などの企業にて、営業や講師、キャリア相談など幅広い業務を担当。現在はフリーランスとして、面接指導や適性検査「SPI」の講師を務める

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  • キャリアコンサルタント/なべけんブログ運営者

    Ken Tanabe〇新卒で大手人材会社へ入社し、人材コーディネーターや採用、育成などを担当。その後独立し、現在はカウンセリングや個人メディアによる情報発信など幅広くキャリア支援に携わる

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  • キャリアコンサルタント/産業カウンセラー

    Yoshiko Kato〇人材会社で約15年間、18,000人以上のキャリア相談を受けてきた。独立後は企業や大学、個人と契約し、キャリア構築の支援をおこなう。キャリアコンサルタント歴は20年以上

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就活で企業の選考を受ける中で必ずといっていいほど受ける機会も多い適性検査。その適性検査の1つであるSPIですが、 SPIは適性検査の中でも受検人口が多いからこそ、少し調べれば答えを入手することができます。

しかし、SPIのWebテストで答えを見ながら受検することはれっきとした不正行為であり、さまざまなリスクをともないます。最悪の場合、SPIや就活の失敗だけでなく自分の人生を狂わせるほどの影響につながりかねません。

この記事ではキャリアコンサルタントの田邉さん、加藤さんと適性検査対策講師の中村さんとともに答えを見ながらSPIを受検することのリスクと、正しくかつ着実にSPI突破が狙えるポイントについて解説していきます。

SPIで答えを見たいと考えてしまっている人はチェックして、改めてリスクを理解し正しい対策をしましょう。

SPIで答えを見るのは不正! 本当の目的を見失わずに対策すべし

SPIは最も多くの企業で採用されている適性検査ですが、つまづく人も多いため、SPIを突破するために答えを入手したいと考える人もいるでしょう。事実、インターネット上やSNSなどで答えが掲載されていたり、販売されていたりすることもあります。

しかし、答えを入手すればSPIを難なく突破できる、と安易に考えるのは要注意です。この記事ではまず、SPIで答えを見ながら受検することのさまざまなリスクについて徹底解説していくため、不正行為がもたらす本当の危険性を改めて理解しましょう。

次にSPIのような適性検査を実施する企業の意図について解説するため、リスクと本来の目的をしっかりイメージしてください。

最後はSPIの答えを見なくても突破できる対策法について説明しているため、参考にして正攻法で選考突破を目指しましょう。

前提としてSPIは適性検査であるので、その人がどれくらいの能力があり、どの程度の適性があるかなどまで総合的に判断するためのものになります。

不正をおこない、その人自身の本当のことがわからないのは企業も困り、受検者自身も合った企業に入れなければ、辛い思いをしてしまいます。相手の信用・信頼を失わせるような行為は絶対にやめましょう。

多くの業界で避けて通れないといっても過言ではない適性検査ですが一定の基準を満たしていないと落ちてしまう場合があります。以下の記事では適性検査で落ちる確率と事前準備についてまとめているので参考にしてみてください。
適性検査で落ちる確率と理由|合否を分ける事前対策を検査別で解説

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入手した答えでSPIに挑むのは危険? 受検時の3つのリスクとは

SPIで答えを見て受検することのリスク

入手した答えでSPIを受検することは不正行為であるため、当然のことながら公におこなえることではなく、相応のリスクとペナルティが潜んでいます。「バレなければ大丈夫」と思っている人もいるかもしてませんが、そんなことはありません。

ここからは、バレることも含めた、受検時に考えられる3つのリスクについて解説していきます。改めて不正行為がもたらすリスクの重大さをしっかり理解しておきましょう。

①入手した答えが間違っている

世の中に出回っているSPIの答えは、過去の受検者が問題を解いて導き出した答えがまとめられていたり、どんな人かもわからない人の匿名での解答がほとんどです

つまり、答えを提供している側が同じ受検者であったり、ネット上の顔も素性もわからない人であるため、答えに信憑性がありません。

答えが間違っている可能性はもちろん、答えの提供者に悪意があればすべての答えが間違っている解答集が渡されるリスクもあります。SPIの問題自体も常に同じではないため、古すぎる問題の答えを入手してしまえば、実際に受けるSPIと問題がまったく異なることもありえるでしょう。

一見答えを入手すると安心できるように思えますが、実はこの時点で不確かでリスクの大きなに出ていることになるのです。

答えが間違っている以外に答案を入手する際に考えられるリスクはありますか?

解答方法の記載がない場合や古い問題の答えの可能性もある

SPIでは膨大な問題数が出題されるため、入手した答えに載っていない問題がある可能性もあります。自力で問題を解かなければならないですが、最適な解法かどうか判断できないですよね。すると、間違ったり時間がかかったりしてしまいます。

適性検査を受けてから後悔しないためには、実績があるメディアや出版社、著者の問題集で対策しましょう。

②バレれば不合格だけで済まない場合もある

仮に正しい解答が入手できたとして、その答えをSPI本番で使用しながら受検してしまえばその時点でカンニング行為に当たります。カンニングをはたらいたことがバレれば合格をもらえないことは確実ですが、それ以外にも大きなペナルティを課せられる場合があります。

答えを見たことがバレた場合、不正行為をおこなった事実がSPIを運営する企業にデータとして残る可能性があり、その後のSPIの受検が一切できなくなる可能性があります。そうなれば、その後別の企業でSPIの受検が必要になった場合でも受検ができないため、応募する企業の選択肢が大幅に削られてしまいかねません。

また、過去にはSPIでの不正行為が逮捕に至ったケースもあります。現時点では、SPIで答えを見るという不正行為の逮捕例はありませんが、就活生がSPIで不正をおこなうと、その学生の本来の適性を測定できないため、SPIを企業に販売・運営している会社は取引先の企業の信頼を失うことにつながります。

つまり、SPIで答えを見ることは運営企業の信頼損失につながる行為であるため、訴えられる可能性は充分にあるといえるでしょう。SPIで答えを見ることは不合格になること以外に、自分の人生を狂わせてしまうリスクを負うことになるのです

不正が発覚した場合に考えられる影響について具体的に教えてください。

加藤 賀子

プロフィール

就活生としてだけではない「人としての信用」を失うことになる

生きていくうえで失いたくない「人としての信用」を失うことになります。どんなにその会社に入りたいと熱い想いを語っても、相手からすると公正な選考の場で平気で不正をする人(裏切る人)とみなされ、信用してもらうことは難しいでしょう。

目先のことだけで考えるのではなく、相手の立場を想像したり、長期的な目線で将来を考えたりしたときに、不正が発覚した場合の影響に対して気付けるはずです。

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③SPIの結果と面接での実力に差が出る

答えを見てSPIを受検したことがバレずに、無事に選考を突破できたとしても、不正によって得たSPIの結果がその後の選考で自分の首を絞めてしまうかもしれません。

答えを見ながらSPIを見れば、当然ながら正答率は上がり、解答時間も短縮できて良い結果につながるでしょう。そのSPIでの「良い結果」を企業が見て、あなたが実力以上に高く評価されることになります。

SPIは単純な正答率だけでなく、解答スピードなどから問題を論理的に読み解く力なども見られています。そのためSPIでは解答時間が早く、正答率も高かったのに、次の選考で面接官の質問の意図を理解して論理的に答えられなければ、違和感を持たれ、逆に評価を下げてしまいかねません。

SPIの突破という部分だけにとらわれ、噓の実力を示してそれが評価されてしまえば、後々の選考の合格率を下げることにつながる可能性があります

アドバイザーコメント

受検後とその後の面接の2つでバレるポイントがある

カンニングがバレるポイントとして2つ挙げられます。1つ目は、点数の高さや回答スピードの速さがあまりにも不自然な場合、2つ目はその後の面接の深掘り質問に答えられない場合です。

実は、大学ごとにSPIの平均点を割り出している企業もあったりします。これまでのデータと比較して、あまりにも点数が良いと、カンニングをしているのではと疑われる要素になってしまいます。ただ、この段階でバレる確率は低く、あくまで疑われている状態です。

SPIでの不正はこれから一緒に働くことになる人を欺く行為

SPI選考の段階で少しでも疑われるような要素があった場合、運よくその選考は通過できたとしても、面接で深掘り質問をされます。

たとえば、「過去も含めて○○大学の学生さんでこれだけの高得点を取った人は初めてだけど、どんな勉強をしたの?」や「文系なのに非言語が高得点だったけど、なぜ?」のような質問をされ、どんな受け答えをするか見られるでしょう。

実際に勉強をして高得点を取っているわけでないので、具体的でかつ妥当性のある回答ができず、カンニングしたとバレてしまいます。

タイミングは違えど、悪いことは必ずバレてしまうので、地道にSPIの勉強に取り組んでほしいです。これから一緒に働こうとしている人を欺くような行為はやめましょう。

SPIで答えを見ることの代償とは? 将来的な2つのリスクを考えよう

SPIで答えを見る不正行為は、SPIの試験や選考全体のリスクだけでなく、就活が終わった後にも思わぬ形でリスクとして表れる場合があります。

ここからはSPIで答えを見て就活を進めた場合の将来的な2つのリスクについて解説します。就活中だけでなく社会人になってからもリスクが降りかかる可能性を理解し、答えを見ながら受検してしまいたくなる気持ちを払拭していきましょう。

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①何をするにもズルをする癖がつく

答えを見て楽にSPIを突破でき、その後もバレることもなく内定をもらって就職できた場合、それはその人にとって「ズルをしたことの成功体験」になります。

一度ズルが成功して楽に物事が運んだことに味をしめると、その後のどんなことでもズルができないか考えて行動するようになり、一度ついてしまった癖はなかなか正すことができません。

ズルがバレてもバレなくても不誠実な行動や考え方を続けてしまえば、いずれ自分自身の評価を下げることにつながり、社会人として本当の意味で成功することが難しくなるでしょう

ズルをする癖は具体的に社会人生活でどんなリスクになり得ますか?

ズルをする癖がつくと社会人になって仕事で実績が作れなくなる

社会人では、答えがないことに取り組まなければなりません。たとえば、クライアントの課題は企業によって異なるため、アプローチや商品も異なります。

しかし、SPIや学校のテストや課題でも、答えを見て回答する癖がついてしまうと自分で考える力が劣ってしまいかねません。すると、SPIでは高得点を取れて期待されていたのに、仕事ができないと判断される可能性も出てしまいますよね。

入社後のミスマッチを防ぐためにも、答えを見ずに等身大の自分でSPI受検をしましょう。

②不正がバレる不安や罪悪感が残り続ける

SPIで答えを見ている人自身も、それが不正であることを承知でおこなっているはずです。つまりその自覚を持った状態で選考に挑めば、罪の意識や後ろめたい気持ちを持って就活を進めることになります。

就活中に限らず、入社後にSPIでの不正が発覚する可能性もないとは言い切れません。答えを見ながらSPIを受検した時点で、その後の社会人生活でも不正をした事実が一生付きまとい、不正がバレることへの心配や罪悪感が残ってしまうでしょう。

また、SPIの答えを見ても選考が突破できなかったり、SPIに受かってもその後の選考でうまくいかなかったりすれば、SPIでの不正行為がすべて水の泡になってしまいます。不正行為という一生残る汚点を負ったにもかかわらず就活がうまくいかなかった場合、そのストレスはとても大きなものになるでしょう

キャリアコンサルタントに聞く! SPIの答えを見る大きなリスクとは

SPIで答えを見ることは不正行為にあたりますが、「実際のところ本当にバレるの?」と考えてしまう人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は数々の就活生のキャリア支援をしてきたキャリアコンサルタントの加藤さんに、SPI不正の実態やリスクの大きさについて解説してもらいます。

実態を踏まえて、改めてSPIで答えを見てしまうことの危険性を考えましょう。

アドバイザーコメント

自分の中に汚点を残す就活はすべきではない

不正行為が発覚した場合は、確実にその時点で、それ以上選考が前に進むことはありません。内定をもらった後に発覚した場合は、当然のことながら内定取り消しになってしまうでしょう。

不正をした事実は消したくても消すことはできず、「不正をしたという事実」が一生付きまとうことになります。

また、ダメな行為であることは承知のうえでおこなっているので、常に心のどこかに罪悪感を持ったまま生きていくことになるでしょう。

自分らしい社会人生活を送りたいなら正々堂々と選考に挑もう

罪悪感を持ち続けることは、自分に自信がなくなったり、常に周りの目が気になってしまったりと、その後の人生やキャリアを積み上げていくうえでの大きなわだかまりとなってしまいます。

このように、SPI受検での不正行為は就職だけでなく、貴方の人生を狂わす大きな出来事になるリスクを持っています。

「少しくらい不正をしても大丈夫だよね……」ではなく、「社会に出て自分らしく、自分の個性や強みを活かしながら頑張って働いていきたい!」と、想う気持ちがあるのであれば、正々堂々と心の底から良い結果を喜べる状態で選考に挑んでいきましょう。

時間がない人におすすめ!
無料でSPI問題集&模試が受け取れます

志望度が高い企業にSPIで落ちてしまうのは本当にもったいないです。しかし何冊も問題集を解くのは時間が足りないですよね。

そこで「SPIパーフェクト問題集&模試」を活用しましょう。この問題集を使えば解く上で重要なポイントの解説を見ながら効率よく勉強することができます。

また本番形式の模試も付いているので、前もって本番の感覚をつかむことができますよ。

ぜひ活用してSPIを突破しましょう。

SPIは正答率がすべてではない? 実施する企業の2つの意図

SPIで答えを見ようと考える人の中には、SPIは学力テストのようなものであり、正答率が高ければ高いほど良いと思っているのではないでしょうか。

たしかにSPIでは時間内に多くの問題を解かねばならず、その解答が選考の判断材料の一つになっていますが、必ずしも正答率だけが合格のカギを握っているわけではありません。

ただ目の前の問題に正解すれば良いというわけではなく、選考の一貫としてSPIを実施する企業にどんな意図があるのかを理解できなければ、不正に手を染めてしまったり、しっかりと対策ができなかったりする可能性があります。

ここからはSPI選考を実施する企業の2つの意図について詳しく解説するため、参考にして、改めてSPIを対策するうえで必要な認識を深めていきましょう。

選考にはさまざまなフェーズがありますが、学生側の認識と企業側の意図がズレている場合、最終的には不合格となるでしょう。

採用・選考というのは、そもそもそのようなズレがないかを確認していく場であるわけなので、SPIでの双方の認識の違いは面接で違和感となり、結果的に合否への悪影響につながります。

①基礎的な能力を把握するため

SPI検査には「能力検査」と「性格検査」があり、ネット上に答えが出回っているのはSPIの能力検査にあたるものです。

SPIテストを独自開発したリクルートマネジメントソリューションズの就活準備応援サイトの適性検査「SPI」とは?によると、能力検査は「言語分野」と「非言語分野」の2種類の問題を通して、コミュニケーションや思考力、新しい知識・技能の習得などのベースとなる能力を測るものであるとされています。

つまり、SPIで能力検査を実施するのは、社会人として仕事をするうえで必要な基礎的な力を把握するためともいえ、ただ問題の正答率が高ければ良いわけではありません。

社会人に必要となるコミュニケーション能力や論理的思考力のレベルは職種や業界によって異なるため、検査で求められる能力水準も企業ごとに違います。SPIの答えを見て受検することで高い基礎能力を示すことはできますが、この基礎能力は社会人になってからも必ず求められるためきちんと対策することが大切です

②面接では理解しきれない特性や性格を見るため

SPIの2種類の検査のうち性格検査は、日々の行動や考え方に対する質問にどの程度当てはまるかを回答する検査です。

企業の採用の流れには選考が何度か設けられることが多いですが、数回しかない面接の中で企業が学生の素の姿や性格、考え方まで理解することはできません。

そのため企業は、SPIの性格検査を通して、学生の日常的な行動パターンや考え方から面接では見抜けない特性や性格を把握したいという意図があるのです。

また性格検査の結果を見て内定後の配属先などが判断される場合もあるため、能力検査と同様に誠実に回答していなければ適性を見誤られ、入社後のミスマッチを起こしてしまいかねません

加藤 賀子

プロフィール

適性検査をおこなうことで、受検者の人との接し方や日頃の行動・考え方などに加え、仕事への取り組み方や目標の持ち方などの特性がわかります。

受検者の人柄や人物像を知ることができるので、どのような仕事や組織に向いてそうかが把握できるのです。

自分の特性や性格を見る適性検査について、もっと詳しく知りたい人は以下の記事がおすすめです。数々の就活生をサポートしてきたキャリアコンサルタントが性格適性検査の対策法を問題付きでわかりやすく解説しています。
性格適性検査マニュアル|問題例付きで選考を有利に進める対策を解説

答えを見なくてもSPIを突破する 3つの対策法とは

答えを見なくても突破できる3つのSPI対策法

  • 問題集で計画的に勉強する
  • よくある問題形式は覚えておく
  • 練習のときから本番と同じように解く

ここまでの解説の通り、答えを見てSPIを解くことは、その行為の簡単さ以上のリスクを伴い、SPIを実施する企業の意図にも反することになります。

そして、SPIはあくまで社会人としての基礎的な力を測っているからこそ、答えを見なければ突破できないということはなく、正しい対策をおこなえば充分に合格が狙えます。

ここからはSPI受検に正攻法で挑むために大切な3つのポイントを解説していくため、参考にして、答えを見ずにSPIの突破を目指しましょう。

SPIはどの程度対策しておけば合格率を上げられますか?

SPI対策は最低50時間ほど取り組むことが理想的

SPIは中学〜高校レベルの基本的な問題が出題されると言われています。しかし、出題の仕方が独特なので、対策せずに受検すると回答に時間がかかってしまう可能性が高いです。

合格率を上げるためには、1日30分〜1時間の学習を2カ月ほど取り組むのがおすすめです。トータルで50時間ほど対策すると、出題形式に慣れるだけでなく、回答方法も覚えてスムーズに解けるようになりますよ。

SPIの本来の目的を知らずにSPIに対して「難しい」というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。下記ではSPIの苦手を克服するための勉強法を詳しく解説しているため、併せて参考にしてみてください。
SPIが難しいと感じる原因は? 苦手に打ち勝つ勉強法とコツを解説

①問題集で計画的に勉強する

前述の通り、SPIの能力検査には「言語分野」と「非言語分野」の2種類の問題形式があるため、それぞれの対策をきちんとおこなうことで合格率を上げることができます。

問題集を使うことで各分野を網羅的に対策できるため、1冊の問題集を繰り返し解くことから始めてみてください。近年では、インターネット上でも無料の問題集が掲載されていたり、スマホのアプリでもSPIの対策ができたりするため自分に合った方法で対策を進めることをおすすめします。

全体的に解いてみて得意な部分と苦手な部分が見えてきたら苦手なところを中心に対策して、一つひとつの解答時間のむらをなくしていきましょう

おすすめのSPI対策アプリ

SPIの言語・非言語のそれぞれの出題分野についてさらに詳しく対策したいという人は、下記の記事で出題傾向や高得点を狙うコツなどを解説しているため、参考にしてSPI対策をマスターしてくださいね。

SPIの言語分野の対策法
SPIの言語の対策方法|短期間で高得点を取るコツを解説

SPIの非言語分野の対策法
SPI非言語は対策すれば怖くない! 出題傾向や例題を徹底解説

こちらの記事ではSPIの漢字対策をまとめています。漢字に苦手意識のある人はぜひ参考にしてください。
SPIの漢字対策は暗記だけでは不十分! 出題形式と対策法を解説

問題集を購入しようとしても種類が多く悩んでしまいますよね。以下の記事ではSPI講師が最適な問題集の選び方を解説しているので参考にしてみてください。
SPI3の問題集22選|SPI講師が最適な問題集の選び方を解説

②よくある問題形式は覚えておく

SPIは問題形式が決まっているという点では対策がしやすい適性検査といえます。そのため頻出する問題形式やそこで使われる公式などは事前に頭に入れておくことで、正答率はもちろん、解答時間も短縮させることができます

たとえば、非言語分野では「順列」や「組み合わせ」、「速さ」や「料金計算」などは頻出問題のため公式を暗記して、問題を見ただけでどうやって解くかがわかるようになっておくと良いでしょう。

SPIでおさえておくべき頻出の公式

  • 順列 nPr=n! / (n−r)!
  • 組み合わせ nCr=nPr / r! = n! / r!(n−r)!
  • きはじの法則 距離=速さ×時間、速さ=距離÷時間、時間=距離÷速さ
  • 料金算 割引後の料金=料金×(1-割引率)、割引額=料金×割引率
  • 濃度算 食塩水(g)×濃度(小数)=食塩(g)、食塩水(g)/100×濃度(整数)=食塩(g)
言語分野ではどのような問題に注意しておけば良いですか?

覚えるだけで得点できるものを後回しにしない

言語分野では、覚えておけば必ず得点できるものがあります。そういった問題は注意が必要です。「後で覚えれば良いから」などと考えて後回しにしてしまい、勉強せず一夜漬けになってしまうからです。

覚えれば良い問題は、簡単だからと後回しにされがちですが大切な得点源になります。日頃から隙間時間などを活用して、コツコツと暗記していきましょう。

③練習のときから本番と同じように解く

SPIは言語分野と非言語分野がそれぞれ約35分ずつ、性格検査は約30分という時間の中で解答しなければなりません。SPIの問題を正しく解くことはもちろん必要ですが、1つの問題に時間をかけすぎないように配分を考えながら解くことが大切です。

そのため、ある程度問題が解けるようになってきたら、実際の試験時間を意識して解いてみましょう。能力検査では各分野35分ずつの解答時間に対し、言語分野は40問、非言語分野は30問出題されるため、1問1分のペースで解答できるようになると理想的です。

また、時間だけではなく、問題を解く環境も本番に近い状態にすることが大切です。集中が切れる要因となるものが周りにないか、メモや計算がすぐにできるような準備が整っているかなどにも気をつけることで、本番の緊張感に慣れる練習になります

どうしても苦手で時間のかかる問題の場合はどうすればいいですか?

加藤 賀子

プロフィール

3つのポイントで苦手な問題を克服していこう

どうしても苦手で時間のかかってしまう問題については、3つの手順を踏むことで克服できるでしょう。

①後でしっかり参考書で解き直し、問題の意図や解答の仕組みを把握する。

まずは自分で間違いを復習して減らしていきましょう。

②キャリアセンターで先生に問題の意図や解答の仕組みを、自分が納得するまで教えてもらう。

自分でもどうしてもわからない問題や解くときに時間がかかる問題があるときはその道に詳しい人に聞いてみることが一番です。

③何度もSPIを解く。

問題の解き方がわかったら、「この問題見たことある」「これはこの公式を使えば良いな」と瞬時に判断できる状態を目指して繰り返し練習していきましょう。

SPI対策で「1問1分ペースで解くなんて無理」「時間が足りない」といった悩みを抱える人は多いでしょう。下記のQ&AではSPIでの時間が足りずに悩む人に対してキャリアコンサルタントがSPIの解き方や時間配分のポイントについてアドバイスしているので、ぜひチェックしてみてください。

SPIで答えを見るのはNG! 正攻法でSPIを突破する自信をつけよう

SPIの答えはインターネットやSNS上に溢れていて、入手しようと思えば簡単に手に入るため誘惑に負けてしまう人も多くいます。しかし、ほんの少しの出来心であったとしてもSPI受検で答えを見ることは不正行為であり、得られるもの以上に失うものやリスクが多いのです。

SPIはそのほかの選考と同じく、選考を通して企業に自分のことを知ってもらうものであり、企業側もまた皆さんのことを正しく理解することを目的としておこなわれます。そのため、噓偽りなく誠実に取り組むことこそが最も重要であり成功する秘訣です。

コツコツと練習を積み重ねるうちに、答えを不正に見なくても突破できる自信が芽生え、その努力によって得た自信は、その後の就活や社会人生活でも活きてきます。

皆さんの最終目的はSPIの正答率を高めることではなく、内定を獲得して就活を成功させることです。その本当の目的を見失わずに正攻法の対策でSPI突破を目指してくださいね。

アドバイザーコメント

内定獲得ではなくミスマッチのない就職をゴールにしよう

就活生によっては思うように内定獲得ができず焦ってしまい、SPIの答えを見て回答したいと考えているかもしれません。たしかに、SPIを重視している企業も多いため、SPIで高得点を獲得できたら合格率を高められます。

しかし、最も大切なことは、ミスマッチがない企業に就職して社会貢献することです。SPIで答えを見て実力を偽ってしまうと、過度な期待をされてしまう可能性があります。

会社からの実力に見合わない高い期待は、本人の短期離職やメンタル不調にもつながってしまいかねません。また、あなた自身の実力で受かるはずの企業で、不審に思われてしまい不採用になる可能性すらあるのです。

SPIはきちんと時間をかけた分だけ良い就職につながる

ミスマッチや短期離職を起こさないためにも、SPIで答えを見て受検をしようとする考えは捨てましょう。もちろん、SPI対策には時間がかかり、計画性も求められます。しかし、きちんと時間をかけた分だけ、ミスマッチがない企業に就職できることを忘れないでください。

この記事や関連記事で紹介している対策を実践して、納得感のある就活にしましょう。

執筆・編集 PORTキャリア編集部

明日から使える就活ノウハウ情報をテーマに、履歴書・志望動機といった書類の作成方法や面接やグループワークなどの選考対策の方法など、多様な選択肢や答えを提示することで、一人ひとりの就活生の意思決定に役立つことを目指しています。 国家資格を保有するキャリアコンサルタントや、現役キャリアアドバイザーら専門家監修のもと、最高品質の記事を配信しています。

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記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間の在籍後、22歳で都内の大学に入学し、心理学・教育学を学ぶ。卒業後は人材サービスを展開するパソナで、人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPO(非営利団体)での勤務を経て、「PORTキャリア」を運営するポートに入社。キャリアアドバイザーとして年間400人と面談し、延べ2500人にも及ぶ学生を支援。2020年、厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習であるGCDF-Japan(キャリアカウンセラートレーニングプログラム)を修了

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