この記事のまとめ
- 性格適性検査で落ちてしまう人の特徴
- 性格適性検査にはさまざまな種類があるが、総じて解答スピードと一貫性が重要
- 性格適性検査の対策をあなたの状況に合わせて基礎編・応用編・実践編で解説
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就活対策として意外と見落としがちな性格適性検査。「性格適性検査とはどういう内容なのかわからない」「性格適性検査の対策って必要なの?」と多くの学生から疑問の声が寄せられます。
性格適性検査を企業が実施する目的や出題される内容を正しく押さえておかないと、不合格という判定をされてしまう可能性も十分ありえます。自分の魅力を最大限企業に伝えるためにも、性格適性検査のコツを押さえていきましょう。
この記事では、キャリアアドバイザーの渡部さん、横山さん、上原さんのアドバイスを交えつつ解説します。性格適性検査を控えている人はぜひ参考にしてくださいね。
性格適性検査で落ちる可能性は0ではないため対策をしよう!
性格検査とは、学生のパーソナリティな部分を把握するための心理検査です。もしかしたら周囲で性格適性検査の対策をしているという声を聞くことは少ないかもしれません。しかし、性格適性検査は選考の一環であり不合格となる可能性も十分ある重要なフェーズだといえます。
記事では、性格適性検査とはそもそもどのような検査なのかを問題例付きで解説。そのうえで企業が性格適性検査を実施する目的も紹介するため、性格適性検査が選考にどのような影響を及ぼすのかを確認していきましょう。
これを踏まえて、性格適性検査を受ける前に押さえるべき大前提や、基礎編と発展編の対策も解説します。性格適性検査の結果は面接においても有利になることがあるため、自分の状況に応じて積極的に対策を進めていきましょう。
性格適性検査とは?
項目 | 内容 |
---|---|
種類 | SPI、玉手箱、そのほか |
能力検査との違い | 能力検査は効率的に事態を処理できる能力を測定し、性格適性検査は組織や職務への適性などの性格特徴を測定する |
性格適性検査で測定できること | 性格の特徴、職務・組織に対する適応性 |
評価項目 | 行動特性、意欲、情緒、ライスケール |
受検スタイル | Webテスティング、テストセンター、ペーパーテスト、インハウスCBT |
実施タイミング | 書類選考時、書類選考通過後、面接通過後、最終面接時 |
そもそも性格適性検査とはどんな検査なのかわからないという人も多いでしょう。内容を知らなければ対策もできません。
性格適性検査とは?
性格検査とは学生のパーソナリティを把握するための心理検査であり、選考の際に取り入れられている適性検査の一種
今から性格適性検査の種類や能力検査との違い、測定できること、評価項目、受験スタイル、実施タイミングを徹底解説します。性格適性検査の特徴を押さえて、自分がとるべき行動を探っていきましょう。
自分が受ける企業のWEBテストの種類がわからない人もいますよね。こちらの記事で、志望企業が採用しているテストの種類を事前に特定する方法を解説しています。
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①性格適性検査の種類
性格適性検査の種類
- SPIの性格適性検査
- 玉手箱の性格適性検査
- そのほかの性格適性検査
実は性格適性検査の種類は一つではありません。筆記テストのようにSPIや玉手箱、そのほか複数の性格適性検査が存在します。
そのためそれぞれの種類の適性検査の特徴を押さえることで、あらかじめどんな質問が来るのかを理解できるようになります。
SPIの性格適性検査
多くの企業で適性検査として利用されているSPI。就活を進めていくと、一度は受ける可能性が高いテストです。SPIの性格適性検査の問題数は約300問で、解答時間は約30〜40分です。3部構成であり、2種類の出題形式があります。
SPIの性格適性検査の出題形式
- 第1部・第3部:日常生活における思考や行動に関する質問に対し、「Aに近いか・Bに近いか」を4つの選択肢から1つの解答を選ぶ
- 第2部:日常生活における思考や行動に関する質問に対し、「あてはまる・あてはまらない」を4つの選択肢から1つの解答を選ぶ
約300問の解答を統計的に処理することにより、人との接し方や仕事への取り組み方、目標の持ち方などと関係の深いさまざまな性格特徴の強弱を測定できます。
玉手箱の性格適性検査
玉手箱の性格適性検査では「性格」と「意欲」の二つを測定し、学生の素質が社風や職種に合致しているかを判断します。玉手箱には「本格版」と「簡易版」があるため、企業ごとに出題数と解答時間は異なります。
玉手箱の性格適性検査の出題数と時間
- 本格版:「性格」が68問・約20分、「意欲」が36問・約15分
- 簡易版:「性格」が30問、「意欲」が24問または36問
※簡易版の場合は時間の設定はない
性格は自分のパーソナリティに関する質問を、「意欲」では働く場に対する希望を質問される傾向にあります。どのような仕事内容や職場環境においてモチベーションがあがるかを判断し、学生と企業の働き方が合致するかを見られていますよ。
そのほかの性格適性検査
性格適性検査の種類 | 内容 | 時間 |
---|---|---|
TAL | 文章問題と図形配置問題の2つで構成された適性検査 | 質問形式15分、図形アイコン設定5分 |
YG性格検査 | 人の性格に関する短い120問の質問に対して「はい」「いいえ」「どちらでもない」で答える | 約30分間 |
内田クレペリン検査 | 「作業検査法」と呼ばれるジャンルの検査で、1分ごとに行を変えながら簡単な一桁の足し算をする | 前半と後半で各15分間ずつ合計30分間 |
SPIと玉手箱以外にも、TALやYG性格検査、内田クレペリン検査が性格適性検査として実施されることもあります。いずれにしても20分〜30分程度の所要時間であり、集中して取り組む必要がありますよ。
特に内田クレペリン検査は簡単ですが足し算を合計30分するため、何も知らないまま突然検査を受けてしまうと気が動転して集中力がなくなり、計算スピードが落ちてしまうこともあるため、事前にどんな性格適性検査なのを押さえておきましょう。
次の記事では、TALについて攻略法とともにより詳しく解説しています。ぜひ対策の参考にしてみてくださいね。
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②能力検査との違い
能力検査は基本的な学力を問う問題であることが多く、一定以上の点数を獲得できていないと不合格となるケースが一般的です。
能力検査は基礎能力検査とも呼ばれ、言語と非言語の二つに大別されます。企業によっては言語に英語が含まれます。
能力検査では課題に対して論理的に思考し、効率的・能率的に事態を処理できる能力を測定するのに対し、性格適性検査では人との接し方や仕事への取り組み方、目標設定の仕方、組織や職務への適応力といった受検者の性格特徴を測定しています。
性格適性検査と能力検査の捉え方は企業によってさまざまです。各検査の結果と入社後の活躍具合に関する相関を長年に渡り分析している企業では、検査結果を重視する傾向です。
一方で、参考程度にしか扱わない企業もあります。
能力検査を含めた適性試験全般についてはこちらの記事で紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
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性格適性検査で落ちたくない人は
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③性格適性検査で測定できること
性格適性検査で測定できること
- 性格の特徴
- 職務に対する適応性
- 組織に対する適応性
それぞれの性格適性検査でどんな質問をされるのかを押さえたら、その質問がどんなことを測定しようとしているのかを確認していきましょう。
性格適性検査で測定できることを押さえれば、質問の裏にそれぞれ意図が見えてきますよ。
性格の特徴
性格適性検査で測定できる性格の特徴としては、行動的側面と意欲的側面、情緒的側面、社会的側面があります。
学生がどのような価値観のもと、どのように感情を変化させて行動をするのかを評価しています。
大分類 | 小分類 | 内容 |
---|---|---|
行動的側面 | 社会的内向性、内省性、身体活動性、持続性、慎重性 | 社交的か、物事を深く考えるか、身体を動かすことが好きか、忍耐強いか計画性を持って慎重に物事を進めるか |
意欲的側面 | 達成意欲、活動意欲 | 目標が大きいか、活動的か |
情緒的側面 | 敏感性、自責性、気分性、独自性、自信性、高揚性 | 周囲に敏感か、責任を感じたり悲観的になりやすいか、気分によって行動が変わりやすいか、独特の考え方をするか、自分に自信を持ちやすいか、気分が変化しやすいか |
社会関係的側面 | 従順性、回避性、批判性、自己尊重性、懐疑思考性 | 他人の意見に従いやすいか、対立やリスクを避けやすいか、他人の意見を批判しやすいか、自分の意見を尊重しやすいか、他人を疑いやすいか |
性格適性検査の結果でポジティブな印象を与えるには、コミュニケーションに関連する要素(社交的、傾聴力、共感力など)や適応能力に関連する要素(楽天的、臨機応変、忍耐強いなど)が強調できていると良いですね。
職務に対する適応性
性格適性検査で学生の性格や価値観がわかることによって、職務に対する適応性も測定することにつながります。
この学生はどのような仕事が得意なのか、どのような仕事が苦手なのかを評価されています。
職務適応性の種類 | 得意な仕事 |
---|---|
対人接触 | 人とかかわる仕事 |
対人折衝 | 人と粘り強く交渉して、こちら側の要望を通す仕事 |
集団統率 | リーダーとして統率する仕事 |
協調協力 | 周囲と協力する仕事 |
サポート | 周囲をサポートする仕事 |
フットワーク | 活動的に動く必要のある仕事 |
スピーディー | 素早くおこなう仕事 |
予定外対応 | 突発的な出来事への対応力が必要な仕事 |
自律遂行 | 自発的に考えて行動する仕事 |
プレッシャー | プレッシャーのかかる仕事 |
着実持続 | 持続的な集中力が必要な仕事 |
前例のない課題 | まったく新しい課題に取り組む仕事 |
企画アイディア | 想像力が必要な仕事 |
問題分析 | 複雑な問題をロジカルに解決する仕事 |
組織に対する適応性
新卒就活はポテンシャル採用であることが多く、企業の求める人物像や社風と学生の特徴がマッチすることが好まれやすい傾向にあります。
自社とマッチするかについては当然、面接で見極められることになりますが、性格適性検査においても評価されています。
世の中には多くの企業が存在し、それぞれの組織の風土や雰囲気は異なります。たとえば、以下のように創造を重視する企業や秩序を重視する企業、調和を重視する企業などさまざまな組織の特徴がありますよ。
組織適応性の種類 | 合っている企業の社風 |
---|---|
創造重視 | 新しい事業にチャレンジしたり、積極的に革新してゆく企業 |
秩序重視 | 各自の目標やノルマが明確に決まっている企業、決められたルールに従って全体を統率する企業 |
調和重視 | チームとしての強みを大切にする企業 |
④性格適性検査の評価項目
性格適性検査の評価項目
- 行動特性
- 意欲
- 情緒
- ライスケール
性格適性検査で測定される内容は性格の特徴や職務・組織に対する適応性であり、そこには行動特性や意欲、情緒、ライスケールの4つの評価項目が設定されています。
性格適性検査でどんな点を評価しているのかを正しく押さえることで、解答の方向性が見えてきますよ。
行動特性
行動特性とは、個人が持つ行動原理やその背景となる考え方のことを指します。一つひとつの行動の理由や行動における状況などを分析することで、行動特性を可視化できます。
行動特性としては以下の項目で計測されます。たとえば、社会的内向性であれば社交的に行動する人物か内向的な行動をする人物かなどがわかります。
性格適性検査で行動特性を測るための項目
- 社会的内向性(社交的か)
- 内省性(物事を深く考えられるか)
- 持続性(忍耐強いか)
- 身体的活動性(身体を動かすことが好きか)
- 慎重性(物事を計画的に進められるか)
行動特性を測る質問例としては以下のような問われ方があります。
行動特性に関する質問例
- 誰とでも仲良くなれる方だ
- 考えるよりも行動をする方だ
意欲
目標を掲げ、達成するために積極的に取り組む姿勢や行動をしようとする心の部分が意欲に関連します。
正解があるわけではありませんが、仕事において目標達成に対して意欲的であると高評価につながりやすい傾向にあるでしょう。
性格適性検査で見られる意欲の例としては以下のようなものがあります。
性格適性検査で見られる意欲の例
- 向上欲求:自己成長・向上しようという意欲
- 挑戦欲求:困難や目標にチャレンジしようという意欲
- 自律欲求:自分の意思で物事に取り組もうという意欲
- 探究欲求:本質や理由・メカニズムを知ろうという意欲
- 啓発欲求:他者に良い影響を与えようという意欲
- 承認欲求:役割を果たし他者に認められようとする意欲
意欲に関する質問例
- 目標達成のためなら努力を惜しまない方だ
- 高い目標があるとやる気が出る方だ
情緒
おりにふれて起こるさまざまな思いや喜怒哀楽などにつれて起こる複雑な感情など心の動きを表すものが情緒です。
ストレスや失敗の受け止め方など、自分の感情のコントロールの仕方を判断されます。たとえば「悲観的か楽観的か」「自分の主張を通す性格か、周りの意見に流されやすい性格か」といった特徴です。
性格適性検査では以下のような項目で、情緒を計測します。たとえば敏感性であれば、周囲の動きや感情の変化に敏感である性格か、自分は自分というように考える性格かなどがわかります。
性格適性検査で情緒を測るための項目
- 敏感性(周囲に敏感か)
- 自責性(責任感が強いか)
- 気分性(気分によって行動が変わりやすいか)
- 独自性(独特な考え方をするか)
- 自信性(自分に自信を持ちやすいか)
- 高揚性(気分が変化しやすいか)
情緒に関する質問例
- 先々のことまで気になる
- 周囲の意見はよく聞く方だ
ライスケール
ライスケールとは、学生の解答の虚偽を見極めるものです。性格検査では複数の問題の解答を総合的に判断して対象者の性格や仕事への適性を測っていきますが、質問の中には嘘をついているかどうかを見るためのものがあり、ライスケールがこれにあたります。
ライスケールの目的
- 見栄を張って嘘をついていないかを確かめる
- 書類や面接での意見に食い違いがないかを確かめる
嘘をついていないかを図る質問がライスケールであり、何問該当したかで虚偽の強度を決めていくものです。ライスケールに引っかかってしまうと不合格になる可能性が高くなり、非常に重要な質問です。
ライスケールの内容
- 「YES」と答えた方が良い内容だが、普通に生活をしてきたら「YES」にはならない質問
- 同じ内容を違う聞き方で何度も何度も聞くことにより、偽りの自分を演じている場合の「一貫した解答」を難しくする
ライスケールの質問例
- 生まれてから今まで、何かに失敗したことはない
- 友人との約束を今まで一度も破ったことがない
- 一度も嘘をついたことはない
- 今まで一度も誰かを嫌いになったことはない
- 人の悪口を言ったことは一度もない
- 人に迷惑をかけたことがない
- ライスケールにひっかからないようにするにはどうすれば良いですか?
自分の望ましいパーソナリティを決めておこう
人は多面的で複雑な面を持ち、状況によっては同じ質問に対してYesかNoかで回答が分かれることもあるでしょう。
ライスケールは検査によっては複雑に組み込まれているものがあるため、対策をしようと考えれば考えるほどそれが不自然な選択につながり、逆効果になることがあります。
ライスケール対策としては、その場の自分の望ましいパーソナリティを決めておくことです。たとえばある問いに対して、「以前の自分ならYesかもしれないが、今の自分ならNoといえる」という状況があるとします。
「以前の自分の方が望ましい人物像だ」と思ったなら、その検査のときは「以前の自分に100%戻ったつもりですべての問いに答える」というものです。他人の真似ではなくセルフイメージでおこなうのがコツです。
時間がない人におすすめ!
性格適性検査対策問題集&模試が受け取れます
志望度が高い企業にWEBテストで落ちてしまうのは本当にもったいないです。しかし何冊も問題集を解くのは時間が足りないですよね。
そこで「WEBテストパーフェクト問題集」を活用しましょう。この問題集を使えば解く上で重要なポイントの解説を見ながら効率よく勉強することができます。
また本番形式の模試も付いているので、前もって本番の感覚をつかむことができますよ。
ぜひ活用してWEBテストを突破しましょう。
⑤性格適性検査の受検スタイル
性格適性検査の受検スタイル
- Webテスト:自宅などで学生自身のパソコンを使用してインターネットを使い受検する
- テストセンター:「テストセンター」と呼ばれる会場へ行き、用意されたパソコンを使って受検する
- ペーパーテスト:企業や企業が用意した会場へ行き、紙に解答を書き込むことで受検する
- インハウスCBT:企業や企業が用意した会場へ行き、用意されたパソコンを使って受検する
適性検査にはWebテストやテストセンターなど複数の受検スタイルがあります。近年は利便性や感染症対策の観点などからも自宅で受検できるWEBテストを採用する企業が増えています。
企業ごとにどの受検スタイルをとっているかは異なるため、選考フローをよく確認してみてくださいね。
⑥性格適性検査の実施タイミング
性格適性検査の実施タイミングは企業によって異なり、書類選考時や書類選考通過後、面接通過後、最終面接時などさまざまです。
性格適性検査が実施されるタイミングは、ES提出と同じタイミングが多い傾向にあります。そのため、性格適性検査で不合格となってしまうと面接にたどり着けないだけでなく、書類も読んでもらえない可能性が出てきます。
性格適性検査の問題例
性格適性検査の問題例
- A・Bのいずれかを選択する問題
- あてはまる・あてはまらないを選択する問題
- 図形を貼り付ける問題
性格適性検査の測定内容や評価項目を押さえたとしても、具体的にどんな質問をされるかわからないため不安に感じる人もいるでしょう。
今から性格適性検査で出題される問題例を解説するため、自分だったらどのように解答するかを考えながら確認してみてくださいね。
A・Bのいずれかを選択する問題
A・Bのいずれかを選択する問題の例
- A:人の意見をよく聞く
- B:自分の意見を通す
解答選択肢
- Aに近い
- どちらかといえばAに近い
- どちらかといえばBに近い
- Bに近い
この場合は、Aの「人の意見をよく聞く」を選択すると調和を重んじるタイプ、Bの「自分の意見を通す」を選択すると芯が強いタイプと捉えられます。
- 「どちらかといえば」の選択肢はあまり使わない方が良いのでしょうか?
積極的な視点から選択することがおすすめ
基本的に「どちらかといえば」の選択肢を多く使うと、あなたという人物の輪郭が曖昧になり特徴がわかりづらくなります。
たとえ選択した項目が極端に偏ったとしても、その特徴は長所にもなり短所にもなり得るため単に「良い・悪い」の問題ではありません。
「どちらかといえば」を多く選択することは人物像がぼやけてしまい、特徴が伝えられず非常にもったいないのです。
選択肢で迷う場合は、「どちらかといえば」という消極的な発想より「むしろこちらの方だ」という積極的な視点から直感的に選択するようにしましょう。
あてはまる・あてはまらないを選択する問題
あてはまる・あてはまらないを選択する問題の例
- 自分の感情や気分を外に出さないほうだ
- 人と一緒にいるのは楽しい
- 休日は外出をするほうだ
解答選択肢
- あてはまる
- どちらかといえばあてはまる
- どちらかといえばあてはまらない
- あてはまらない
この場合自分の感情や気分を外に出さない人は、感情のコントロールが得意で、周囲に対する思いやりがある人物であるとポジティブなイメージである一方、感情をため込みすぎてしまうというネガティブなイメージにもつながります。
一方で自分の感情や気分を外に出す人は、コミュニケーションを積極的にとろうとする人物だというポジティブなイメージである一方、仕事においてもプライベートな感情を持ち込んでしまうというネガティブな側面もあります。
図形を貼り付ける問題
適性検査TALでは、性格適性検査で図形貼付問題があり、問題文に従って10個〜18個ほどの図形を枠内に貼り付けていく問題が出題されます。
たとえば「将来の自分の姿」のような抽象度の高い図を完成させる問題があります。図形配置問題も自分が想像した図を貼り付けていくことが大切です。
解答例としては以下のような2パターンがあります。
解答内容 | 解答に対する評価 |
---|---|
顔のマークを一番上にするパターン | ポジティブ要素たくさん取り入れている解答 |
円の中に顔のマークをいれるパターン | 入社後の笑顔を強調する解答 |
性格適性検査を実施する企業の5つの目的
性格適性検査を実施する企業の5つの目的
- 企業と学生の相性を見るため
- 次の選考に進める学生の優先順位をつけるため
- 面接での参考材料にするため
- 面接で確認できなかったことを知るため
- 配属や教育の参考にするため
性格適性検査を実施する企業の目的を知らないまま解答してしまうと、雑に回答をしてしまったり、回答の方向性がわからないまま曖昧な回答をしてしまう可能性があります。
企業がどんな意図で性格適性検査を実施するのかを押さえて、解答すべき方向性を見つけていきましょう。
①企業と学生の相性を見るため
性格適性検査の結果は選考にそこまで影響しないのではないかと考えている人もいるかもしれませんね。しかし、企業は自社と学生との相性を見極めるために性格適性検査の結果を採用基準で重視しています。
就職みらい研究所の就職白書2023によると、採用基準で重視する項目として性格適性検査の結果を挙げている企業は42.3%、学生は3.9%とギャップがあります。
書類や面接だけでは感じ取れない人柄などの部分を、性格適性検査の結果から判断しようとしています。
企業も性格検査が100%正しいとは思いません。また本当に性格がわかるとも思っていません。
とはいえ、面接官の主観が100%正しいわけでもないため、成績や筆記試験以外のより見えにくい部分の唯一の客観的な基準としてある程度重視しています。
②次の選考に進める学生の優先順位をつけるため
性格適性検査が実施されるタイミングは、書類選考時と同時くらいであることが多いです。
選考の初期フェーズでは多くの学生が応募をしてくるため、一人ひとりの学生に割ける時間は少ないです。そのため明らかに自社に合わないと判断できる人をスクリーニング、つまりふるい分けをするために性格適性検査をおこなっています。
また選考が進んだ際に、自社に合う学生を囲い込むためや合否の判断に迷う際の判断基準になることもあります。性格適性検査の結果により学生に優先順位をつけて、次の選考に進めるか否かを決める指標にもなりえます。
③面接での参考材料にするため
面接の時間は限られているため、必ずしも学生の価値観や本音を引き出せるとは限りません。面接を最大限有意義な時間にするためにも、面接で聞くべき内容を性格適性検査の結果をもとに整理するケースもあります。
また、面接では測りづらい学生のストレス耐性を性格適性検査の結果から確かめたいという狙いもあります。
短い面接だけで人の特性を判断することは困難です。そのため、面接で見えない部分を見極めるために検査を使っている企業もあり、検査の使い方は企業次第です。
面接の準備がまだできていない人はこちらの記事を参考にしてくださいね。段階別に詳しくまとめています。
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面接の準備完全版|あなたを最大限に魅せる17の土台作り
面接は、身だしなみやマナー、頻出質問の回答など、網羅的に抜かりなく準備をすることが面接突破につながります。前日・会場到着前後・面接直前に切り分けて準備するべきことや心構えについて、3名のキャリアコンサルタントの意見を交えて解説します。
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④面接で確認できなかったことを知るため
面接は時間が限られているため、学生に聞きたかったことや深掘りしたかったことが確認できないことも十分ありえます。性格適性検査の結果があれば、面接で確認できなかったことを知ることができます。
また面接の場面では見ることの難しい、潜在的な能力などを性格適性検査で確認することを目的とする場合もあります。
⑤配属や教育の参考にするため
性格適性検査では、入社後のストレス耐性やパーソナリティな部分の組織との相性なども診断できるため、配属や教育の参考にしようとする目的があります。
人によってそれぞれ得意な仕事や苦手な仕事があるものです。そこでどこに誰を配置しようかと採用バランスを考えるための参考に性格適性検査の結果を用いることもあります。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る性格適性検査が最後の合否判断に直結することもある
性格適性検査が採用基準で使われる場合では、「評価に差がない2人のうちどちらかを選ばなければならない」といった段階で性格適性検査が最後の合否判断に直結する場合があります。
ほとんどの人は性格適性検査で命運が決まることは少ないですが、たまたま合否判断のボーダーラインにいる場合は、決定的要素にもなり得るということです。
性格適性検査はネガティブ要因が企業からよく見られている
また、特定のいくつかの指標の組み合わせによって「組織で働くことに向いていない」と判断されることを重視している企業があり、その場合は初期段階で落とされる要因になるケースがあります。
これは、言わば「対象者を採用するリスク」を見るという使われ方になるため、100%正しい結果が出ない検査であっても、企業側としては使いやすい用途になります。
いずれにしても、性格適性検査はポジティブな要素では差がつきにくいため、嘘やストレス耐性、突出した傾向などのネガティブ要因が企業側から見たポイントになります。長期的に見れば配属や教育の参考にもなりますが、就活という短期的な視点では「学生の優先順位をつけ、面接での参考にする」という目的が重要になっています。
性格適性検査で落ちることはある?
周囲で性格適性検査の対策をしているという人はあまり多くはないと感じる人もいるかもしれませんね。
また性格適性検査で落ちることがあるのか疑問に思う人も多いでしょう。今から性格適性検査の合否について解説するため、疑問を解決していきましょう。
対策をしなくても合格することはある
性格適性検査は自分に関する質問をされるため、基本的には答えられないということはありません。また解答に明確な正解・不正解もないことからも性格適性検査の対策はしなくても合格することはあります。
とはいえ企業と学生の相性を見られたり、学生の優先順位をつけたり、面接での参考材料にするなどさまざまな場面で性格適性検査の結果が選考で用いられるため、事前にある程度検査について理解しておく必要があります。
性格適性検査の結果だけで落ちる可能性は0ではない
性格適性検査は対策をしなくても合格することがあると伝えましたが、ライスケールなどで虚偽傾向を測ることもあり、あまりにも信頼性のない結果になると落ちることもあります。
また明らかに企業の求める人物像や社風にマッチしない解答をしてしまうと性格適性検査の結果で落ちる可能性も0ではありません。
仮に性格適性検査に通ったとしても、企業があなたの価値観や人柄とあまり相性が良くないという先入観を持った状態で面接になることもあり、非常にもったいない状況といえます。
- 面接の場で学生の人柄を見る前に、性格適性検査で落とすことって実際はどれくらいあるのでしょうか?
人気企業などで応募者数が多い場合はそのようなケースもある
人気企業で応募者数が多い場合には、性格適性検査を使って足きりがおこなわれる場合があります。
また入社後の活躍の様子と検査結果の相関を分析していてデータを蓄積している会社の場合は、性格適性検査を選別の有効な手段として活用しています。
検査結果のうち重視する項目や基準は会社によって異なりますが、中には検査の結果で落とすケースもあるということです。
性格適性検査で落ちる人の8つの特徴
性格適性検査で落ちる人の8つの特徴
- 嘘をついている
- 解答に矛盾がある
- 解答ミスが多い
- 解答に時間をかけすぎてしまう
- 極端な解答や曖昧な解答が多い
- 企業の求める人物像と相性が合っていない
- 未解答がある
- 性格検査の対策をしていない
性格適性検査で落ちる確率は比較的低いとはいえ、0ではありません。自分の魅力を最大限伝える前に性格適性検査で落ちてしまったら、せっかく書類選考や面接の対策をしているのに非常にもったいないですよね。
今から解説する性格適性検査で落ちる人の8つの特徴を押さえて、自分が当てはまっていないかを考えていきましょう。
こちらの記事では、性格検査で落とす企業側の特徴を解説しています。志望企業が該当しないか確かめましょう。
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性格検査で落ちる可能性は? 採否への影響が大きい企業の特徴を解説
性格検査で落ちることはあるのか。採否への影響が大きい企業の特徴や落ちる回答の特徴をキャリアコンサルタントとともに解説。さらに、事前にやっておくべき対策も詳しく説明。ありのままの自分で回答したうえで性格検査を突破するコツを習得しましょう。
記事を読む
①嘘をついている
性格適性検査で自分をよく見せようと思うと、嘘の解答をしてしまうこともあるかもしれません。しかし、基本的には嘘をつかないことが賢明です。
嘘をつくことによって自分の解答に矛盾が生まれて性格適性検査に落ちてしまうこともあります。また、性格適性検査の時点では嘘がバレなかったとしても面接でバレるということもあります。
②解答に矛盾がある
解答に矛盾があると、嘘をついているつもりはなくても虚偽傾向が高く、信頼性が低い結果となり落ちてしまうことがあります。
たとえば「まわりの人から感情的な影響を受けやすいほうだ」という質問に「はい」、「自分の意見は最後まで押し通す」という質問に「はい」と答えると矛盾が生じやすいですね。
性格適性検査では意図的に似たような質問が言い方を変えて繰り返し出題されます。一貫性のある解答ができるようにしましょう。
- 性格適性検査の解答にどの程度矛盾があったら落ちてしまうのでしょうか?
大きすぎる矛盾がある場合のため、心配しすぎる必要はない
ライスケールではっきり矛盾が出るレベルというのは相当混乱した回答です。
一般的に考えて「状況によっては回答が違うこともあるだろう」程度のことでは「嘘」という判断にはならないため、そんなに心配しないでください。この矛盾を気にし過ぎる人のほうが逆に心配です。
たとえば「前の質問でこう答えたから、ここはこうじゃないとおかしいだろう」などと考えすぎてしまうことで、本来の自分とはかけ離れたおかしな回答ができあがるという「落とし穴」があります。
日本語は解釈の幅が広い言葉であり「ゆらぎ」を含んでいます。テストの設計にはそうしたことも考慮されているため、むしろ矛盾のない回答を意識し過ぎる方が問題なのです。
③解答ミスが多い
性格適性検査にはさまざまな種類があり、それぞれ出題形式が異なります。種類によって質問の系統も解答方法も変わるため、正しく質問文を読む必要があります。
解答ミスが多いと性格適性検査で落ちてしまう原因ともなりえます。なぜなら注意力散漫な人柄や普段からミスが多い人柄だと思われてしまうからです。
たとえば、2つ以上の選択肢を選ばなければいけないところ1つだけしか選ばなかったり、文章を読み間違えて自分とは真逆の価値観を選択してしまったりなどミスを連発してしまうこともあるかもしれません。
回答ミスを減らすためには、まずは落ち着いて冷静に判断しましょう。そして変に勘ぐらないことが大切です。
適性検査には非常にたくさんの種類がありますが、採用で使われる検査は限られており、パターンが限られています。そのため、ミスを減らすには事前にそのパターンを知っておくのが望ましいです。
初めてのパターンに遭遇して慌てないように、よく使われる検査は事前にやっておきましょう。よく使われる検査の多くが公開されていますよ。また「一般常識」などは日頃から少しずつ予習しておきましょう。
④解答に時間をかけすぎてしまう
性格適性検査では多数の質問が用意されています。一つひとつの質問を深く考えすぎてしまうと後半の問題で焦って自分の考えとは違う解答をしてしまうこともあり、これが落ちる原因ともなりえます。
解答に矛盾がないか精査したり、この解答をしたらどう思われるのだろうかなど深く考えてしまうとあっという間に時間がなくなってしまいます。
SPIの検査では制限時間が設けられる場合があります。以下の記事ではSPIで65分の制限がある場合の対策方法をプロが解説しているので参考にしてみてください。
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SPIは受検方式によって時間が異なり、Webテスティングの場合65分となります。制限時間によって問題数が異なるため、受検方式に合わせた対策が必要です。この記事ではキャリアコンサルタントと一緒に65分のSPIの対策方法を解説します。
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⑤極端な解答や曖昧な解答が多い
性格適性検査の質問は多数あるため、一つひとつの解答を精査できません。文章媒体での解答だと面接ではあまり答えないような極端な解答をしてしまい、落ちてしまうこともあります。
たとえば、「人がうれしくて泣いているのを見ると、しらけた気持ちになる」に対して面接では「はい」と断言しないと思いますが、文章ベースではなんとなく「はい」と断言して極端な解答になってしまう人もいます。
またすべて「どちらかといえば」「どちらともいえない」など曖昧な解答ばかりだと、優柔不断な印象になったり、あなたの人柄が正しく伝わらない可能性があります。
- 極端な解答と曖昧な解答のバランスが難しいです。どのような意識を持てば良いのでしょうか?
あまり深く考えず感じたままの回答をする意識を持とう
性格検査は複数の設問で類似の傾向を図るため、その中のひとつの選択肢が極端な回答であっても全体でバランスがとれるように設計されています。
そのため、意識的に回答を操作すると矛盾が生じます。あまり深く考えず感じたままの回答をするのが望ましく、それが自然な回答といえます。
⑥企業の求める人物像と相性が合っていない
企業は採用にかけたコストや人材育成などの観点から、学生が入社後に早期離職をしてしまうことを避けたいと考えています。そのため、あきらかに自社の求める人物像と相性が合っていない結果になった学生の採用は見送りたいと感じるでしょう。
企業に所属する人はさまざまいるため、必ずしも「外交的な人が良い」など明確な一つの基準があるわけではありませんが、複数ある基準のいずれからも逸れた結果となると落ちてしまうこともあります。
たとえば、新規営業など人とコミュニケーションを積極的に取るような企業に対して、性格適性検査の結果が内向的で1人でコツコツ物事を進めるタイプとなると相性が良いとは言いづらいですね。
企業の求める人物像がある程度わかっているならば、自分がその企業に入社をしたらどうなるか、成長した自分のイメージで答えましょう。
もしその自分の成長イメージが気に入らないなら、「合わない会社かも」と割り切って素のまま答えるのがおすすめです。
⑦未解答がある
性格適性検査では全問答えるのが基本です。時間切れや見落としで未解答のまま提出してしまうと落ちることもあります。
数問程度であれば、未解答があっても診断結果にはあまり影響が出ないため問題がないとされています。しかし、あまりにも未解答が多いと不注意・注意力散漫、優柔不断といったマイナス評価になってしまいます。
- 性格適性検査で何問くらい解けなかったら落ちるのでしょうか?
検査の種類や未回答の設問によって異なる
検査の種類によって未回答の設問の処理の仕方は異なります。未回答は数だけでなく、どの設問が未回答であるかによって判断が異なります。
また、どの程度判定結果に影響するのかは一概にはいえません。
さらに検査結果の重視度は会社によってまったく異なるため、何問解けなかったら落ちるのかというものでもありませんよ。
⑧性格検査の対策をしていない
性格適性検査の質問は200問以上あることもあります。また似たような質問を繰り返されることもあり、対策を一切しないまま答えてしまうと上記で解説してきたさまざまな落ちる人の特徴に当てはまりやすくなってしまいます。
もちろん対策をしなくても落ちない人もいます。しかし、適性検査について何も理解しないままではあなたの魅力が上手く伝わらずに、不合格になる可能性もあるのです。
アドバイザーコメント
横山 慶一
プロフィールを見る性格適性は大量のデータから結果を導き出すため信頼が厚い
性格検査はさまざまな角度からその人の特性をパターン化します。たとえば、明るく社交的な人はコミュニケーションスキルも高いことが多く、「外向型」などと評価されます。このようなパターン化は、集積された大量のデータから作られていてとても信頼性が高いものです。
性格検査の設問数が多いのは、意図的、恣意的な回答ができないよう偏りなく特性を把握するためです。もし受験者が自分の考えを作り込んで回答してしまうと、「意図的である・恣意的である」といった結果が導き出されるケースが出てきます。
矛盾した回答結果である「非定型」は採用対象から除外されることもある
この矛盾したパターンは「非定型」と分類されます。「非定型」はとらえどころがなく、採用側は非常に慎重に扱います。私が採用をおこなっていたときには、基本的には除外するケースが多かったです。
性格検査は正しい回答があるわけではなく、その人の人物像を捉えることが目的です。意図的に考えて回答してしまうより、日頃から自分の性格や行動に関心を向け、素直に回答することが一番ですよ。
性格適性検査を受ける前に押さえるべき大前提
性格適性検査を受ける前に押さえるべき大前提
- 受検のための時間と場所を確保する
- 面接での発言と一貫性をもたせることを意識する
- 奇をてらった答えは避ける
性格適性検査の対策にそこまで時間が割けないという人であっても、必ず受検前に押さえるべき大前提があります。
この前提を押さえることで性格適性検査に落ちる可能性をぐっと下げ、面接などの選考を有利に運びやすくなりますよ。
受検のための時間と場所を確保する
性格適性検査の解答では集中力とスピード感が大切となってきます。設問が多いと300問ほどあり、時間も30〜40分間必要とされています。
そのため落ち着いて性格適性検査に取り組める時間と場所を確保しましょう。たとえば、家の中のWi-Fi環境を整え、配送業者などが来ない時間に受けると良いですね。
性格適性検査の途中になんらかの事情で受検を中断してしまった際に、焦らないようにするためにも開始前の説明をよく理解してから試験を開始しましょう。
検査によって対応の仕方は異なるため、印刷したものを手元におけると安心できます。トラブルが発生してから調べているのでは手遅れになってしまいます。注意してくださいね。
面接での発言と一貫性をもたせることを意識する
企業は性格適性検査の結果を、面接での参考にしていることが多いです。性格適性検査の結果だけで見られているわけではなく、面接での発言などと見比べながら学生の人柄を探っています。
そのため性格適性検査の結果でいかに良い人柄や企業に合っている価値観をアピールしたとしても、面接での発言と矛盾をしているとネガティブな印象につながります。
面接での質疑応答を通して適性検査の結果が本当であるかどうかを確認されることもあるため、必ず面接での発言と一貫性をもたせることを意識しましょう。
- 面接では学生の人数も多いため、わざわざ性格適性検査の結果なんて面接官は見ないのではないかと考えているのですが、実際はどうですか?
採用担当者は必ず性格適性検査の結果を見ている
採用担当者は採用のリスクを負う人でもあります。そのため性格検査でネガティブな結果が出ている場合、応募者が何人いようが必ずそこは見ています。
それが採用担当の仕事の一部でもあるため、わざわざ費用をかけてやっている検査結果を見ないということはありえません。見ない場合は、それ以外の要素で落とすことが決まっている場合だけです。
確かに結果をすべて見ているかと言われれば、そうではないかもしれません。どちらかといえばポジティブなところを見るというよりも、採用ミスのリスクを減らすためにネガティブなところを重点的によく見る、という比重のかけ方になっているといえます。
奇をてらった答えは避ける
企業の採用担当者の印象に強く残るようにしたいと思うあまり、あえて奇抜で自己顕示の強い、目立つような解答をする人もいるかもしれませんね。
しかし、あまりに極端すぎるような解答は場合によっては「自己中心的な考えの人物」「気難しい人物」などネガティブなイメージとなりやすいです。
性格適性検査の結果だけで内定がもらえるということは基本的にありません。採用担当者の印象に残りたいのであれば、性格適性検査の結果ではなく面接などで積極的にアピールするようにしましょう。
基本編! 性格適性検査の3つの対策
性格適性検査の3つの対策
- 自己理解をしておく
- 正直に答える
- 矛盾がないように一貫性をもって答える
性格適性検査の対策にかける時間があまりないという人もいるでしょう。そんな人は今から解説する対策の基本を押さえていきましょう。
この3つの対策をするとしないとでは、性格適性検査の答えやすさはもちろん結果がガラッと変わってきます。すぐにできる対策のため、最低限この基本の対策を実践してみてくださいね。
①自己理解をしておく
まずは自分が今抱いている考えや価値観などを整理しておきましょう。自己理解というと難しく感じてしまうため、自分は「やりがいを感じるときはどんなときか」「自分が楽しいときはどんなときか」などと感情の整理をするイメージを持ってください。
自分の喜怒哀楽を感じる場面や感じる理由を押さえることで、性格適性検査の質問に対して答えやすくなります。考え方としては、まずゼミや部活、アルバイトなどの場面を思い浮かべてみましょう。
たとえばゼミで喜びを感じるときは教授に褒められたとき、部活で喜びを感じるときは大会で勝ったとき、アルバイトで喜びを感じるときは売上があがったときだとします。そうであれば、自分は成果を出せたときや結果が見えるときに喜びを感じ、モチベーションがあがる性格だと理解できますね。
②正直に答える
性格適性検査に答えるときは嘘をつかないようにするという意識を持つことが大切です。
企業に合わせすぎた回答ではなく正直に直感で答えていきましょう。
また性格適性検査は種類にもよりますが、300問など大量の質問が用意されており、あれこれ細かい部分まで考えすぎてしまうと時間切れとなってしまうこともあります。正直に答えることで、変に考えすぎることなく素早く答えられるようになりますよ。
とはいえ、企業に合わせた回答をしたいと考える人もいるかもしれませんね。そんな人はこの記事の後半で「企業にマッチした解答をしたい人向けの対策」を解説するため、そちらを確認してみてください。
③矛盾がないように一貫性をもって答える
人間は一面的な存在ではないため、ある程度は矛盾のある回答になるのがあたり前ともいえます。また、複数の問題があるためすべてを完璧に答えることは難しいかもしれません。
しかし、自分の中で筋を通して一貫性のある解答をしましょう。解答に矛盾が生じると、虚偽性が高く信頼性に欠ける結果と企業からみなされることがあります。
一貫性を持つためには、この章の①で紹介した自己理解をしておくことが必須ですよ。
アドバイザーコメント
上原 正光
プロフィールを見る性格適性では素直に答えることが重要
解答に矛盾が生じないようにするためには、あまり深く考え込まずに直感的に答えることがポイントです。答えにくい設問に対しても、あれこれと自分を良く見せるにはどう回答したら良いかなどと深く考えこまずに素直に回答することが必要です。
設問は数が多く、緻密に作られているため、その場で取り繕った回答をしていると、設問を進めるうちに前の方ではどんな回答をしたのかわからなくなり、つじつまが合わなくなってしまいます。その結果、回答に矛盾が生じたり、時間が足りなくなったりすることになりかねません。
自分を良く見せようとしているということが、検査結果に指摘されてしまいます。紛らわしい表現が多いため、より重視したい項目の方を答えるくらいにとらえて、素直に気楽に素早く回答すれば良いでしょう。
行動的側面や意欲的側面の設問は対策することもおすすめ
しかしながら、余裕がある場合には、行動的側面や意欲的側面の設問には、一貫して好意的な回答を心掛けると良いでしょう。たとえば、「期待をされるとやる気が出る」という質問に対しては「当てはまる」が良いですね。
検査は何度か経験すると要領がつかめてくるものです。対策本で練習したり、数を重ねて受験したりすることがおすすめです。
発展編!性格適性検査の7つの対策
性格適性検査の7つの対策
- 正解が決まってる質問を押さえる
- 自己分析をして自分の性格をキーワードで整理する
- 自分の将来ありたい姿を整理する
- 企業の求める人物像や社風を調べる
- 志望職種がある場合は適性を押さえる
- 面接での解答を準備する
- 答える秒数を決める
性格適性検査を通過することはもちろん、選考が進んだ面接でも性格適性検査の結果が有利に働いてほしいと考える人も多いですよね。
そんな人は今から解説する発展編の7つの対策を実践してみてください。性格適性検査後の面接までも考慮した対策となっていますよ。
①正解が決まってる質問を押さえる
性格適性検査にはさまざまな質問が数多く用意されています。一つひとつを丁寧に対策をしようとすると膨大な時間がかかってしまうため、正解が決まっている質問だけでも押さえるようにしましょう。
性格適性検査には、以下のような質問には好ましい解答があります。もちろんあきらかに自分の性格と異なる解答を選んでしまうと、面接で違和感を抱かせてしまうため、適度に自分に合った解答をすることが大切です。
質問例 | 好ましい回答 |
---|---|
粘り強い性格である、自分は努力家である、物事は最後までやり遂げるべきである | YES |
決断が早いほうだ、リーダーシップがあるほうだ | YES |
神経質である、プレッシャーに弱い、自信をなくしやすい | NO |
自己嫌悪しやすい、周囲の意見に引っ張られやすい、落ち込みやすい | NO |
よく考えもせずに行動に移しやすい、気分の浮き沈みが激しい、細かいことを気にする性格だ | NO |
言いわけをしたことがない、人生の中で1度も後悔したことがない、人との約束を破ったことがない | NO |
あきらかに自分の性格が消極的であったりコミュニケーションが苦手など好ましい回答からズレそうなときは、その回答をポジティブな言葉に変えて考えてみてください。「消極的→繊細・慎重」などですね。
そうすると必ずしも消極的ではないと考えられます。日頃からネガティブワードについてはポジティブワードに切り替えることを心掛けておくと良いでしょう。
ポジティブワードに変換することが難しく感じる人は、以下の記事を参考にしてみましょう。短所を長所に言い換える考え方のコツを解説しています。
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言い換え例35選|短所を長所に変える方法と選考への役立て方を解説
短所を長所に言い換えることは多くのメリットがあります。具体的なメリットや言い換える方法などをキャリアコンサルタントが解説します。短所を長所に言い換える例も紹介しているので、長所がわからない人は参考にしましょう。
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②自己分析をして自分の性格をキーワードで整理する
基礎編の対策では、自己理解をする必要があると解説しました。発展編では自己理解をさらに深めるために自己分析をして、より深く自分を理解するようにしましょう。
自己分析の種類はさまざまありますが、性格適性検査に役立つ自己分析としては自分史がおすすめです。
自分史の作り方
①ノートとペン、もしくはwordなどまとめられるものを用意する
②以下の内容を参考に小学校から現在までの出来事を年代別に洗い出していく
一番頑張ったこと
一番辛かったこと
一番うれしかったこと
当時、熱中していたこと
大きな失敗や挫折
困難を乗り越えたこと
自分から率先しておこなったこと
③過去の経験を喜怒哀楽などで考え方が似ているエピソードをまとめる
④まとめた内容が自分の価値観を表す
自分史を作成することで、自分の感情を整理することができます。そして自分の喜怒哀楽などで考え方が似ているエピソードをまとめ、自分の性格をキーワードとして整理することで性格適性検査に即座に答えられるようになるでしょう。
喜怒哀楽で自分の性格をキーワードとして整理する例
- 喜:サッカーの大会で優勝できた、海外の友達ができた、アルバイトでボーナスをもらった
- 怒:サッカー部で理不尽な扱いを受けた、友達が約束に遅刻してきた、アルバイトで理不尽に顧客から怒られた
- 哀:ケガをしてサッカーの大会に出られなくなった、受けたかった講義の抽選に外れた、恋人と別れた
- 楽:サッカーで新しい技を覚えた、講義で知らなかったことがわかった、友達とたわいもない話を夜通しすること
考え方が似ているエピソードで自分の性格を整理する例
- 考え方が似ているエピソード①:サッカー部で理不尽な扱いを受けた、アルバイトで理不尽に顧客から怒られた
→正当な理由がないことが嫌い - 考え方が似ているエピソード②:海外の友達ができた、講義で知らなかったことがわかった
→好奇心旺盛
自己分析の詳しいやり方を知りたい人やまだやったことがない人は、以下の記事を参考にしてくださいね。
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自己分析マニュアル完全版|今すぐできて内定につながる方法を解説
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③自分の将来ありたい姿を整理する
格適性検査に答える際は、少し先の自分の理想の将来像をイメージして答えることも大切です。もちろん本来の自分とかけ離れ過ぎた人物像を作り上げてしまうのは良くないですが、少し先の自分のありたい姿であれば、入社後にその姿に到達できれば嘘ではありませんよね。
自分の将来像であれば一貫性のある解答となりやすく、矛盾のない選択がしやすいはずです。
たとえば「自分は価値ある生活をしていると思う」という質問に対して自分が将来そうでありたいと感じるのであれば、今はそうしていると思わなくても「当てはまる」「少し当てはまる」を選択してみましょう。
将来ありたい姿や入社後にやりたいことがわからないという人は、こちらの記事を参考にしてください。将来像の考え方も解説しています。
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企業が入社後にやりたいことを質問するのは、就活生の希望を知りたい意向が強いためです。入社後にやりたいことを見つけるための方法やどうしても見つからなかったときの対処法をキャリアコンサルタントが解説します。
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④企業の求める人物像や社風を調べる
繰り返しになりますが性格適性検査にはライスケールという虚偽傾向を測る質問もあるため、嘘はつかないほうが賢明です。とはいえ、人には多面性があります。
そのため事前に企業の求める人物像や社風を調べておき、企業に合った自分を最大限引き出して解答するのも有効です。
求める人物像の研究方法
- 採用HPや求人票を見る
- 企業に関連する書籍を調べる
- 企業が取り上げられている記事をネットで調べる
- 企業HPにある「社長メッセージ」などを読む
- 中期経営計画など今後の企業方針から考える
- 社歴から企業の事業に対する姿勢を見い出す
- 企業HPにある「社員紹介」などを読む
社風の調べ方
- 企業HPの社長のメッセージを読む
- 企業の社歴を見る
- OB・OG訪問をする
- 扱っている商品・サービスの内容をチェックする
- 会社の周辺に足を運んでみる
- 口コミサイトを参考にする
もちろん嘘は良くないですが、企業の求める人物像や社風を調べて、好まれやすい人物像を整理しておきましょう。「いわれてみれば当てはまる」「そうといえばそうなのかもしれない」という解答は、企業にマッチさせていきましょう。
嘘をつくわけではなく、ほど良く企業にマッチした解答をするためには、自分がもっている良い資質や特長と、企業が求める人物像との共通点を探しておくことです。
これはきちんと探せば必ず接点があるはずです。価値観がまったく異なる企業にはそもそも興味がわかないものですからね。
⑤志望職種がある場合は適性を押さえる
同じ企業であっても、部署や職種によって職場の雰囲気は異なります。また、どんな人材を求めているのか採用基準も異なることがあるでしょう。そのため自分の中で志望職種がある場合は適性を押さえておくことが大切です。
たとえば、企業全体としては営業力が強く自ら積極的に発信しているような人を求めていたとしても、開発系の職種ではコツコツと仮説検証を繰り返せる人を求めているかもしれません。
性格適性検査で合格することはもちろん、結果が面接でも参考にされたり、内定後に配属先選びの参考になることもありますよ。
志望職種の適性の調べ方
- 企業説明会のときなどにその職種ならではの求める人物像を質問する
- OB・OG訪問でどんな人が活躍しているか質問する
- Webで「〇〇(職種) 適性」と検索する
⑥面接での解答を準備する
性格適性検査は対策をすれば落ちることは少ないともいえます。問題は性格適性検査に受かった後です。面接での回答内容と性格適性検査の結果があまりにもかけ離れていると、あなたの人物像を理解しづらくなります。
そのため、性格適性検査を受ける前に面接で見せたい自分のイメージを決めるために、面接での解答を準備しておきましょう。
すでに書類選考で自己PRや志望動機を作成して提出している場合は、自分の回答に「なぜ」を繰り返してみてください。そうすることで、性格適性検査の結果と面接で深掘りをされたときの内容に一貫性が生まれ、納得感のあるアピールをしやすくなります。
面接でどんな質問をされるのかがわからない人は以下の記事を参考にしてくださいね。答えられなかったときの対処法もまとめています。
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面接の質問150選! 回答例から答え方まで質問対策を完全網羅
面接の質問に回答するためには、事前準備が重要です。面接でよく聞かれる質問と回答例に加えて、質問に答えられない時の対処法についてもキャリアコンサルタントが解説します。伝え方を意識して、面接の質問対策をしましょう。
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⑦答える秒数を決める
性格適性検査は種類によって時間制限がそれぞれ設けられています。どの性格適性検査もじっくりと考えて答えようとすると時間切れになってしまうかもしれません。
あらかじめ1問につき解答する時間を決めておくことで、時間切れを防ぐことができますよ。たとえば、SPIの適性検査であれば「300問を30分程度で解答するためには1問につき6秒程度」と秒数を決めておけば最後まで答えられるようになりますね。
ひとつの質問をよく考えながら回答していると時間切れになってしまうかもしれません。深く考えすぎずに、直感的に回答することが必要です。また、検査の回数を重ねることで慣れてくるものです。
実践編! 性格適性検査の3つの練習方法
性格適性検査の3つの練習方法
- 無料の練習問題を解いてスピードに慣れる
- 書籍に付属している性格適性検査を解く
- 志望度の低い企業の性格適性検査を受ける
基礎編・応用編の対策をしたら、最後に仕上げとして実際に性格適性検査の練習をしてみましょう。
とはいえ、どうやって性格適性検査の練習をして良いかわからないという人もいるかもしれませんね。今から3つの練習方法を解説するため、自分に合った方法を選んでみてください。
①診断ツールを使ってスピードに慣れる
おすすめの性格診断ツール
- My analytics
→36問の質問に答えるだけで強みと適職を簡単に診断できる - 16Personalities
→60問の質問から自分の性格を8種類の性格タイプに分類することができる - エムグラム
→108問の質問に答えることで自分を構成する8性格や4つの特異性が診断できる - ビッグ・ファイブ尺度
→120問の質問から自分に対する「嘘」を見抜き、本当の性格を診断できる - VIA
→120問の質問から自分を特徴づける強みを診断できる - エニアグラム
→120問の質問から自分の性格構造のメカニズムが見えるようになる - EQ検査
→25問の質問に答えることで普段の行動傾向を数値把握できる
上記は企業で実際に用いられている性格適性検査ではありませんが、質問の内容は似通っています。
そのため、上記の無料性格適性検査を実際におこない、質問の傾向やスピード感に慣れてくださいね。
無料診断ツールは、いろいろな形式に慣れるためにおおいに活用すべきです。
ただ、結果は鵜呑みする必要はなく、「そういう見方もできるのか」といった自己発見のために使いましょう。その中で取り組むべき意見や、有用なアドバイスがあります。
②書籍に付属している性格適性検査を解く
おすすめの書籍
性格適性検査は基本的には普段の考え方や行動特性を見るもののため、答えることが非常に難しいという事態になることは少ないでしょう。
しかし独特の解答形式があるため、事前に解答に慣れるという意味合いでも実際に企業が採用している検査の形式の性格適性検査を受けておくと安心です。
本番の性格適性検査ではないものの、時間制限を意識して取り組んでみましょう。
③志望度の低い企業の性格適性検査を受ける
実践に勝るものなしという言葉があるように、実践することで学ぶことはたくさんあります。そのため、実際に企業が実施する性格適性検査を受けてみましょう。
いきなり志望度の高い企業の性格適性検査を受けるのではなく、志望度が比較的低い企業の性格適性検査を練習がてら受けてみてください。
一度受けて、合格をすれば自信にもつながります。まだ対策ができていないからと不安がらずに思い切ってみるのも成長する手段ですよ。
もし性格適性検査に落ちてしまったとして、自分の思う通りに答えられていたとしたら、振り返ったり直したりする必要はありません。
緊張や余計なことを考えて、本来思っている回答と違うことを書いていなかったか、不安感や疲れに影響されなかったか、などメンタル面を振り返りましょう。
企業にマッチした解答をしたい人向けの対策
企業にマッチした解答をしたい人向けの対策
- 職種に合わせて解答したい質問の準備をする
- 企業の風土に合わせて解答したい質問の準備をする
性格適性検査は素直に正直に答えることが大切とはいえ、少しでも選考に有利になるように企業にマッチした解答をしたいと考える人も多いでしょう。
ここでは職種や企業の風土に合わせた解答ができるような対策を解説します。自分の人物像とかけ離れ過ぎない程度に、企業に合わせた解答を意識してみましょう。
- 企業にマッチするような理想的すぎる回答をしても問題ないのでしょうか?
企業が掲げるビジョンと自分の考えが完全にマッチすることはないため、問題ない
企業への志望動機の根幹のひとつに企業のビジョンへの「共感」があります。自分なりに調べた企業のビジョン(=理想)に自分の考えている理想がどの程度マッチするかが重要です。
そのため企業が求めるような理想的な回答をすることが望ましいと考える学生は多いです。
しかし、いくら企業が求めるような理想的な回答にしようとしても、自分の考えが完全にマッチすることはまずありませんよね。
つまり、普通に回答をしたら理想的すぎる回答にはならないため、その心配は無用ですよ。
職種に合わせて解答したい質問の準備をする
性格適性検査に合格するという意味でも、面接で有利になるという意味でも、志望職種に合わせた解答をすると適性が十分にある学生という印象付けをすることができます。
また性格適性検査は内定後に配属先を考える際の参考になることもあるため、職種への適性を示せれば希望の職種へ配属される確率も高まることが期待できます。
たとえば、以下のような質問に対しては自分が希望する職種であればどのような解答が望ましいのかを考えることが大切です。
職種に合わせて解答したい質問の例
- 冗談をよく言うほうだ
→対人の職種の場合(営業やコンサルタントなど):「あてはまる」が望ましい - 物事を深く考えすぎる傾向にある
→論理的思考力が必要な職種の場合(研究職やシステムエンジニアなど):「あてはまる」が望ましい - どちらかといえば人の感情や動機を理解する直観力は強いほうだ
→顧客との距離が近い職種の場合(販売職など):「あてはまる」が望ましい
企業の風土に合わせて解答したい質問の準備をする
新卒採用はポテンシャル採用であることが多いため、即戦力となるようなスキルや能力を持っている学生は少ないです。そのため企業は学生の人柄や価値観などが自社の風土にマッチするかを重要視しています。
面接だけでは見抜くことが難しい各自の価値観を、性格適性検査で細かく見たいと考えているのです。
企業の風土や求める人物像に合わせて解答したい質問は以下の通りなので、自分が受ける企業に当てはまっていないか確認しましょう
企業の風土に合わせて解答したい質問の例①
質問
A:思いやりがないのは良くない
B:不合理であるのは良くない
解答例
・実績や結果を重視する企業の場合:「不合理であるのは良くない」が望ましい
・年功序列や調和を重視する企業の場合:「思いやりがないのは良くない」が望ましい
企業の風土に合わせて解答したい質問の例②
質問
A:一人で旅行するのが好きだ
B:皆で旅行するのが好きだ
解答例
・協調性を重視する企業の場合:「皆で旅行するのが好きだ」が望ましい
・仕事とプライベートを切り離して考える企業の場合:「一人で旅行するのが好きだ」が望ましい
企業の風土に合わせて解答したい質問の例③
質問
A:伝統を大切にしたい
B:伝統にとらわれ過ぎるのは良くない
解答例
・ベンチャー企業など新しいことを取り入れる企業の場合:「伝統にとらわれ過ぎるのは良くない」が望ましい
・従来の流れを大切にしている企業の場合:「伝統を大切にしたい」が望ましい
自分を偽って採用されたとしても、入社後に違和感を覚えるかもしれません。自分の素直な姿を示したうえで、企業との相性を判断されて採用されることが理想です。
また、企業側がどの項目を重視しているのかはわかりづらいものです。どうしても対策をしたいという人は、行動的側面と意欲的側面の設問について、一貫して好意的にとれる回答を心掛けることが望ましいですよ。
性格適性検査で落ちても気持ちを切り替えることが大切
性格適性検査で落ちてしまったという経験を持つ人もいるかもしれませんね。性格適性検査で落ちてしまうと「自分の性格に問題があるから落ちた……」と悲観的になってしまいそうですが、基本的にはあなたの性格に問題があるということではないため安心してください。
性格適性検査の解答にあきらかに矛盾やミスが多いと落ちる原因ともなり得ますが、たまたま企業の求める人物像にマッチしていなかったり、性格適性検査ではなく能力検査で点数がボーダーに達していなかったり、書類選考の内容でうまくアピールできていなかっただけの可能性が十分あります。
決して自分が悪いと考え込むことなく、気持ちを切り替えて就活を進めていきましょう。もちろんあきらかに性格適性検査の解答で重大なミスをしてしまった場合は、次の検査から絶対に間違えないという意識を持ってくださいね。
もし就活がつらいと感じてしまったら、こちらの記事でつらいときの対処法を解説しているため参考にしてください。
関連記事
就活がつらい人必見! 心が軽くなる対処法を原因別に解説
就活がつらいときは、まずその気持ちを受け入れましょう。そして、就活がつらいと感じる原因に向き合い、正しく対処することが大切です。この記事ではポジティブになれる行動などをキャリアコンサルタントと解説します。
記事を読む
採用の基本は面接です。表情や話し方など人柄と言われるものをみます。性格適性検査はあくまでもそれを補完するに過ぎません。
そのため物理的に全員の面接実施が不可能な場合などで適性検査の結果を利用する場合や、会社側で採用人物像が明確に決まっている場合などでは、やむを得ず不合格にする場合があります。
性格適性検査の傾向と対策を押さえて就活を有利に進めて内定をつかもう!
ここまで解説してきたとおり、性格適性検査にはさまざまな種類がありますが総じてスピーディーに正直に矛盾なく答えることが合格の秘訣です。
当然、解答内容によって性格適性検査そのものの合否が分かれますが、その後の面接や配属先の参考になることもあり性格適性検査は非常に重要なフェーズともいえます。
自分の状況に合わせて基礎編・応用編・実践編の対策をおこない、希望の内定をつかみましょう。
アドバイザーコメント
渡部 俊和
プロフィールを見る性格適性検査はあくまでも採用のためのサブツール
企業が人を判断する場合、パーソナリティを何で測るかという問題が常につきまとっています。成績や資格などの目に見える部分は書類で判断できますが、ヒューマンスキルを含めた抽象的な部分は面接やかかわった人の所感に頼らざるをえません。
しかし面接官も感情を持つ人間である以上、主観もあれば好き嫌いもあり、人の評価にはどうしてもエラーが生じます。その部分を科学的かつ客観的に補うのが性格適性検査です。あくまでもサブツールなので、特殊な場合を除いてこれだけで合否が決まることはありません。
性格適性検査には決まった正解がないため素直に答えよう
また、性格適性検査には、心理学や行動科学などのエッセンスが複数組み込まれています。決まった正解があるわけでもなく、無意識の部分もある程度明らかにしようとする設計になっているため、受験する側が意識的に結果を操作しようとするのは無理があります。
基本原則は、あまり取り繕うとせず「ある程度は本音で自然に答える」ということになります。しかし、コンプレックスや無力感、攻撃的な批判精神など、感情的にネガティブな部分が多い場合は、事前に「ポジティブ転換」してから臨みましょう。
執筆・編集 PORTキャリア編集部
> コンテンツポリシー記事の編集責任者 熊野 公俊 Kumano Masatoshi
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キャリアコンサルタント/合同会社渡部俊和事務所代表
Toshikazu Watanabe〇会社員時代は人事部。独立後は大学で就職支援を実施する他、企業アドバイザーも経験。採用・媒体・応募者の全ての立場で就職に携わり、3万人以上のコンサルティングの実績
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/インテグラルキャリア研究所所長
Keiichi Yokoyama〇20歳後半からカウンセリングの勉強を始め、キャリアに比重をおくコンサルティング、人材育成を企業内で推進。独立後は大学のキャリアセンターで学生の就職支援にもかかわる
プロフィール詳細キャリアコンサルタント/2級キャリアコンサルティング技能士
Masamitsu Uehara〇会社員時代は人事部として3000人以上の学生と面談を実施。大学でも多くの学生のキャリア支援をおこなう。独立後は、就活生からシニア層までさまざまなキャリア相談に携わる
プロフィール詳細